以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態1)
<半導体チップのレイアウト構成例>
本実施の形態における不揮発性メモリである強誘電体メモリを有する半導体装置について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態の半導体装置が搭載された半導体チップのレイアウト構成例を示す概略図である。図2は、本実施の形態である半導体装置を示す断面図である。図3は、本実施の形態である半導体装置の一部を示す拡大断面図である。図4は、本実施の形態である半導体装置において、「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。
まず、不揮発性メモリを含むシステムが形成された半導体装置(半導体チップ)のレイアウト構成について説明する。図1において、半導体チップCHPは、CPU(Central Processing Unit)CC1、RAM(Random Access Memory)CC2、アナログ回路CC3を有している。また、半導体チップCHPは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)CC4、強誘電体メモリCC5およびI/O(Input/Output)回路CC6を有し、半導体装置を構成している。
CPU(回路)CC1は、中央演算処理装置とも呼ばれ、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算および制御などを行うものである。
RAM(回路)CC2は、記憶情報をランダムに、すなわち随時記憶されている記憶情報を読み出すこと、および、記憶情報を新たに書き込むことができるメモリであり、随時書き込み読み出しができるメモリとも呼ばれる。RAMとしては、スタティック回路を用いたSRAM(Static RAM)を用いる。
アナログ回路CC3は、時間的に連続して変化する電圧および電流の信号、すなわちアナログ信号を扱う回路であり、例えば増幅回路、変換回路、変調回路、発振回路、電源回路などから構成されている。
EEPROMCC4および強誘電体メモリCC5は、書き込み動作および消去動作において、記憶情報を電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一種であり、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリとも呼ばれる。このEEPROMCC4のメモリセルは、記憶(メモリ)用の例えばMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタまたはMNOS(Metal Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタなどから構成される。EEPROMCC4には、書き換え頻度の高い各種データが記憶されている。EEPROMCC4または強誘電体メモリCC5は、複数の不揮発性メモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイと、それ以外の、アドレスバッファ、行デコーダ、列デコーダ、ベリファイセンスアンプ回路、センスアンプ回路および書込み回路などとを有している。
I/O回路CC6は、入出力回路であり、半導体チップCHP内から半導体チップCHPの外部に接続された機器へのデータの出力、または、半導体チップCHPの外部に接続された機器から半導体チップ内へのデータの入力などを行うための回路である。
本実施の形態の半導体装置は、メモリセル領域とロジック回路領域とを有している。メモリセル領域には、複数の不揮発性メモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイが形成されている。ロジック回路領域には、CPUCC1、RAMCC2、アナログ回路CC3、I/O回路CC6、および、EEPROMCC4または強誘電体メモリCC5のアドレスバッファ、行デコーダ、列デコーダ、ベリファイセンスアンプ回路、センスアンプ回路または書込み回路などが形成されている。
<半導体装置の構造>
図2には、本実施の形態のメモリセルMC1とn型トランジスタQ1とを示している。図2の左側には、不揮発性メモリである強誘電体メモリを構成するメモリセルMC1が形成されたメモリセル領域MRを示している。また、図2の右側には、n型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor、MIS型電界効果トランジスタ)であるn型トランジスタQ1が形成されたロジック回路領域(周辺回路領域)LRを示している。周辺回路とは、不揮発性メモリ以外の回路である。周辺回路は、例えば、メモリモジュール内では、制御回路、センスアンプ、カラムデコーダ、ロウデコーダ、モジュール外との入出力回路または電源回路などであり、メモリモジュール外ではCPUなどのプロセッサ、各種アナログ回路、SRAM(Static Random Access Memory)メモリモジュール、または外部入出力回路などである。ロジック回路領域LRに形成されているn型トランジスタは、メモリセルMC1よりも低い電圧で駆動する低耐圧MISFETである。
メモリセル領域MRに形成されるメモリセルMC1は、例えば図1の強誘電体メモリCC5に形成されている。また、ロジック回路領域LRのn型トランジスタQ1は、例えばRAMCC2またはCPUCC1などに形成されている。
本実施の形態においては、メモリセル領域MRのメモリセルMC1を構成するトランジスタとして、nチャネル型のMISFETを形成する場合について説明するが、導電型を逆にしてpチャネル型のMISFETをメモリセル領域MRに形成することもできる。同様に、本実施の形態においては、ロジック回路領域LRにnチャネル型のMISFETを形成する場合について説明するが、導電型を逆にしてpチャネル型のMISFETをロジック回路領域LRに形成することもできる。また、ロジック回路領域LRに、nチャネル型のMISFETおよびpチャネル型のMISFETの両方、すなわちCMISFET(Complementary MISFET)を形成することもできる。
図2に示すように、本実施の形態の半導体装置は、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコン(Si)などから成る半導体基板(半導体ウェハ)SBを有する。半導体基板SBは、主面(上面)と、当該主面の反対側の裏面(下面)とを備えており、メモリセルMC1およびn型トランジスタQ1は、半導体基板SBの主面側に形成されている。半導体基板SBの主面には複数の溝が形成され、当該溝内には、活性領域を規定する絶縁膜から成る素子分離領域EIが形成されている。素子分離領域EIは、半導体基板SBの主面に沿って並ぶ各領域の間において、素子同士を電気的に分離するために設けられている。また、メモリセル領域MRおよびロジック回路領域LRのそれぞれの内部においても、複数の素子の相互間を電気的に分離するために素子分離領域EIが設けられている。
素子分離領域EIは、酸化シリコンなどの絶縁体から成り、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon)法などにより形成することができる。ここでは、素子分離領域EIはSTI法により形成されている。
メモリセル領域MRに形成された強誘電体メモリのメモリセルMC1は、半導体基板SB上に順に形成された常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1から成る積層膜を介して形成された制御ゲート電極CG1と、制御ゲート電極CG1の横の半導体基板SBの上面に形成された一対のソース・ドレイン領域とにより構成されている不揮発性記憶素子である。メモリセルMC1の下の半導体基板SBの主面には、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が比較的低い濃度で導入されたp型ウェルPW1が形成されている。制御ゲート電極CG1は、例えばポリシリコン膜から成る。
上記一対のソース・ドレイン領域のそれぞれは、n型の不純物(例えばAs(ヒ素)若しくはP(リン)またはそれらの両方)が比較的低い濃度で導入されたn−型半導体領域であるエクステンション領域EX1を有している。エクステンション領域EX1、拡散領域D1およびp型ウェルPW1のそれぞれは、半導体基板SBの主面(上面)から、半導体基板SB内の途中深さに亘って所定の深さで形成されている。p型ウェルPW1の深さは、エクステンション領域EX1、拡散領域D1および素子分離領域EIのそれぞれの深さよりも深い。また、上記一対のソース・ドレイン領域のそれぞれは、n型の不純物(例えばAs(ヒ素)のみ、または、As(ヒ素)およびP(リン)の両方)が比較的高い濃度で導入されたn+型半導体領域である拡散領域(拡散層)D1を有している。
つまり、上記一対のソース・ドレイン領域のそれぞれは、n型の不純物濃度が高い拡散領域D1に加えて、拡散領域D1よりも不純物濃度が低いエクステンション領域EX1を有している。すなわち、上記一対のソース・ドレイン領域のそれぞれは、LDD(Lightly doped Drain)構造を有している。一対のソース・ドレイン領域のそれぞれにおいて、エクステンション領域EX1は拡散領域D1よりも制御ゲート電極CG1に近い位置に形成されている。つまり、エクステンション領域EX1および拡散領域D1は半導体基板SBの主面に形成されており、エクステンション領域EX1は、拡散領域D1と、制御ゲート電極CG1の直下の半導体基板SBの主面との間に配置されている。ここでは、エクステンション領域EX1は拡散領域D1よりも浅く形成されているが、エクステンション領域EX1は拡散領域D1よりも深く形成されていてもよい。
本願でいう深さとは、半導体基板SBの主面(上面)に形成された半導体領域の場合、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向(高さ方向、深さ方向、垂直方向、縦方向)における距離であって、半導体基板SBの上面から、当該半導体領域の最も下側(半導体基板SBの裏面側)に位置する下面までの距離を指す。
メモリセルMC1を構成するMISFETのチャネル長方向において、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、金属膜MF1および制御ゲート電極CG1から成る積層膜の両方の側面のそれぞれには、絶縁膜から成るサイドウォールスペーサSWが接している。サイドウォールスペーサSWは、例えば窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜から成る。また、上記積層膜とサイドウォールスペーサSWとの間には、例えば窒化シリコン膜、若しくは酸化シリコン膜、またはそれらの積層膜から成るオフセットスペーサが形成されていてもよい。制御ゲート電極CG1および拡散領域D1のそれぞれの上面は、サイドウォールスペーサSWから露出している。
次に、低耐圧のn型トランジスタQ1は、半導体基板SBの主面上にゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEと、ゲート電極GEの横の半導体基板SBの主面に形成された一対のソース・ドレイン領域とにより構成されている。当該ソース・ドレイン領域は、メモリセル領域MRに形成されたソース・ドレイン領域と同様に、n−型半導体領域であるエクステンション領域EX2と、エクステンション領域EX2よりも不純物濃度が高いn+型半導体領域である拡散領域D2とを有している。エクステンション領域EX2および拡散領域D2は半導体基板SBの主面に形成されており、エクステンション領域EX2は、拡散領域D2と、ゲート電極GEの直下の半導体基板SBの主面との間に配置されている。
ゲート絶縁膜GIは、例えば2nm程度の膜厚を有し、例えば酸化シリコン膜から成る。ゲート電極GEは、例えばポリシリコン膜から成る。n型トランジスタQ1のチャネル長方向におけるゲート電極GEの両側の側面のそれぞれは、サイドウォールスペーサSWにより覆われている。サイドウォールスペーサSWは、ゲート電極GEの上面と拡散領域D2の上面とを露出している。n型トランジスタQ1の下の半導体基板SBの主面には、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が比較的低い濃度で導入されたp型ウェルPW2が形成されている。p型ウェルPW2の深さは、エクステンション領域EX1、拡散領域D1および素子分離領域EIのそれぞれの深さよりも深い。
低耐圧のn型トランジスタQ1は高速な動作が求められる素子であるため、ゲート電極GEのゲート長は比較的小さく、ゲート絶縁膜GIの膜厚は比較的小さい。
制御ゲート電極CG1とゲート電極GEとのそれぞれの厚さは互いに同等であるが、制御ゲート電極CG1の上面の高さは、ゲート電極GEの上面の高さよりも高い。これは、ゲート電極GEと半導体基板SBとの間にはゲート絶縁膜GIとして酸化シリコン膜が1つあるのみであるのに対し、制御ゲート電極CG1と半導体基板SBとの間には、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1から成る積層膜が形成されているためである。なお、常誘電体膜HK1および強誘電体膜HK2は、ゲート絶縁膜としての役割を有している。ここでいう高さとは、高さ方向における距離であって、特に説明しない限り、半導体基板SBの主面からの距離を指す。
メモリセル領域MRの制御ゲート電極CG1および拡散領域D1、並びに、ロジック回路領域LRのゲート電極GEおよび拡散領域D1のそれぞれの上面は、シリサイド層S1により覆われている。シリサイド層S1は、例えばコバルトシリサイド層、ニッケルシリサイド層、または、ニッケル白金シリサイド層などから成る。
半導体基板SB上には、メモリセルMC1およびn型トランジスタQ1を覆う層間絶縁膜ILが形成されている。層間絶縁膜ILは、例えば主に酸化シリコン膜から成り、層間絶縁膜ILの上面は平坦化されている。層間絶縁膜ILの厚さは常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、金属膜MF1、制御ゲート電極CG1およびシリサイド層S1から成る積層膜の厚さよりも大きく、層間絶縁膜ILは、制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEと、それらの上面のシリサイド層S1とを覆っている。
制御ゲート電極CG1および一対の拡散領域D1のそれぞれの上面上には、シリサイド層S1を介してプラグ(コンタクトプラグ)CPが接続されている。プラグCPは、層間絶縁膜ILを貫通する接続用金属膜(導電性接続部)である。図1では、制御ゲート電極CG1に電気的に接続されたプラグを示しておらず、当該プラグは別の領域に形成されている。
同様に、ゲート電極GEおよび一対の拡散領域D2のそれぞれの上面上には、シリサイド層S1を介してプラグCPが接続されている。図1では、ゲート電極GEに電気的に接続されたプラグを示しておらず、当該プラグは別の領域に形成されている。
複数のプラグCPのそれぞれは、例えば、主にW(タングステン)から成る。プラグCPは、W(タングステン)から成る主導体膜と、主導体膜の側面および底面を覆うバリア導体膜から成ることが考えられるが、図では当該主導体膜および当該バリア導体膜の積層構造の図示を省略し、プラグCPを1つの導電体膜として示している。なお、バリア導体膜の材料としては、例えばTiN(窒化チタン)を用いることができる。
層間絶縁膜IL上およびプラグCP上には、さらに層間絶縁膜(図示しない)が形成されている。当該層間絶縁膜は、例えば主に酸化シリコン膜から成る。当該層間絶縁膜は、その上面から下面に達する配線溝を複数有しており、それらの配線溝のそれぞれの内側には、配線M1が埋め込まれている。配線M1は、例えば主にCu(銅)から成り、例えば、所謂シングルダマシン法により形成されている。配線M1の上面と当該層間絶縁膜の上面とは、略同一の面内において平坦化されている。当該層間絶縁膜および複数の配線M1は、第1配線層を構成している。第1配線層は、半導体基板SBの主面上に位置する配線層であって、半導体基板SBの主面に最も近い配線層である。
配線M1の底面は、プラグCPの上面に接続されている。すなわち、配線M1は、プラグCPおよびシリサイド層S1を介して、制御ゲート電極CG1、ゲート電極GE、およびソース・ドレイン領域のそれぞれに電気的に接続されている。なお、制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEのそれぞれに電気的に接続された配線M1は、図1に示していない他の領域に形成されている。
ここで、常誘電体膜HK1は、SiN(窒化シリコン)よりも誘電率(比誘電率)が高い膜である。つまり、常誘電体膜HK1は所謂high−k膜である。常誘電体膜HK1は、電場(電界)を印加すると誘電分極が生じ、電場(電界)を取り去ると分極が0になる物質、つまり常誘電体により構成されている絶縁膜である。すなわち、強誘電体と異なり、電界が印加されていない状態では、常誘電体膜HK1に分極は残らない。常誘電体膜HK1は、例えば、HfSiO4(ハフニウムシリケイト)、HfO2(ハフニア)またはZrO2(ジルコニア)から成る膜である。常誘電体膜HK1には、Zr(ジルコニウム)、Si(シリコン)、N(窒素)、C(炭素)またはF(フッ素)などの不純物が導入されていてもよい。常誘電体膜HK1の膜厚は、例えば2nmである。
常誘電体膜HK1は多結晶構造を有しており、その結晶構造(結晶相)は直方晶以外である。つまり、HfまたはZrを含む膜の結晶構造としては、直方晶(orthorhombic crystal)、単斜晶(monoclinic crystal)および正方晶(tetragonal crystal)があるが、常誘電体膜HK1の結晶構造は、直方晶ではなく、単斜晶または正方晶である。仮に、常誘電体膜HK1を構成する多数の結晶粒(グレイン)の一部の結晶構造が直方晶であったとしても、常誘電体膜HK1の単位体積当たりに占める直方晶の結晶粒の体積の割合は、50%未満である。すなわち、常誘電体膜HK1を構成する多数の結晶粒のうち、50%以上は直方晶以外の結晶構造を有している。これは、常誘電体膜HK1を構成する複数の結晶粒の結晶相が、主に単斜晶若しくは正方晶またはそれらの両方であることを意味する。言い換えれば、常誘電体膜HK1を構成する多数の結晶粒のうち、50%以上の結晶粒の結晶構造は、直方晶ではない。本願では、このように、主に直方晶以外の結晶から成るhigh−k膜を常誘電体膜と呼ぶ。
また、強誘電体膜HK2は、SiN(窒化シリコン)および常誘電体のいずれよりも誘電率(比誘電率)が高い膜である。言い換えれば、強誘電体膜HK2はSiN膜ではなく、SiN膜よりも誘電率が低い絶縁膜でもない。つまり、強誘電体膜HK2は所謂high−k膜であり、強誘電体膜HK2の誘電率(比誘電率)は、常誘電体膜HK1の誘電率(比誘電率)よりも高い。強誘電体膜HK2は、電場(電界)を印加すると誘電分極が生じ、電場(電界)を取り去っても分極が0にならない物質、つまり強誘電体により構成されている絶縁膜である。すなわち、常誘電体と異なり、電界が印加されていない状態でも、強誘電体膜HK2に分極が残る。強誘電体は、外部に電場がなくても電気双極子が整列しており、かつ双極子の方向が電場によって変化できる物質である。
そして、high−k膜が強誘電体膜として振る舞うためには、当該high−k膜の結晶相が直方晶である必要がある。言い換えれば、主に直方晶以外の結晶相の結晶により構成されるhigh−k膜は、常誘電体膜である。したがって、強誘電体メモリでは、強誘電体膜の残留分極の増大、強誘電体としての性能の向上、および、強誘電体メモリの駆動電力の低減を実現するために、強誘電体膜を構成する結晶を出来るだけ直方晶で形成する必要がある。
強誘電体膜HK2は、例えば、HfSiO4(ハフニウムシリケイト)、HfO2(ハフニア)またはHfZrO2(二酸化ハフニウムジルコニウム)から成る膜である。つまり、強誘電体膜HK2は、酸化ハフニウム(HfXOY)膜である。強誘電体膜HK2には、Zr(ジルコニウム)、Si(シリコン)、N(窒素)、C(炭素)またはF(フッ素)などの不純物が導入されていてもよい。具体的には、強誘電体膜HK2は、例えば1:1の割合で混在するHfO2と不純物(例えばZr、Siなど)とにより構成されている。つまり、強誘電体膜HK2の不純物濃度は、例えば50%である。強誘電体膜HK2内の不純物(Zr、Si、N、CまたはF)の濃度(不純物濃度)は、常誘電体膜HK1内の不純物(Zr、Si、N、CまたはF)の濃度(不純物濃度)よりも高い。
強誘電体膜HK2の膜厚は、例えば10〜20nmである。つまり、強誘電体膜HK2の膜厚は、常誘電体膜HK1の膜厚よりも大きい。これは、制御ゲート電極CG1に電圧を印加することで生じる電界(電場、ゲート電界)が、強誘電体膜HK2に、より印加され易くするためである。つまり、強誘電体膜HK2を常誘電体膜HK1よりも厚く形成すれば、ゲート電界が強誘電体膜HK2に集中するため、強誘電体膜HK2が分極し易くなる。これにより、メモリセルMC1の動作電圧を低減することができる。
強誘電体膜HK2は多結晶構造を有しており、その結晶構造(結晶相)は直方晶である。仮に、強誘電体膜HK2を構成する多数の結晶粒(グレイン)の一部の結晶構造が直方晶以外であったとしても、強誘電体膜HK2の単位体積当たりに占める直方晶以外の結晶粒の体積の割合は、50%未満である。すなわち、強誘電体膜HK2を構成する多数の結晶粒のうち、50%以上は直方晶の結晶構造を有している。つまり、本願でいう強誘電体膜は、主に直方晶の結晶から成るhigh−k膜である。
また、金属膜MF1は、例えばTiN(窒化チタン)膜などから成る導電膜である。金属膜MF1の膜厚は、例えば10〜20nmである。金属膜MF1は、強誘電体膜HK2に応力を与えるために設けられたキャップ膜である。強誘電体メモリの製造工程では、非結晶(アモルファス)状態で成膜されたHfO2膜を加熱し、これにより結晶化された当該HfO2膜から成る強誘電体膜HK2を形成する。この際、非結晶のHfO2膜上に金属膜MF1を形成した状態で当該加熱を行うことで、強誘電体膜HK2内に直方晶の結晶粒を形成し易くすることができる。つまり、金属膜MF1を形成することで、強誘電体膜HK2内に占める直方晶の結晶粒の割合を増大させ、これにより、強誘電体膜HK2を低い電圧で分極させることが可能となる。よって、メモリセルMC1を省電力化することができる。
常誘電体膜HK1は、強誘電体膜HK2を含むゲート絶縁膜内に電子がトラップ(捕獲)されることを防ぐために設けられた界面層(ブロック層)である。強誘電体メモリを動作させる際、強誘電体膜に正または負の電界を印加して強誘電体膜の分極反転を制御するために、制御ゲート電極に電圧を加えた場合、半導体基板から電子が強誘電体膜に入る場合がある。これにより、強誘電体膜により構成されるゲート絶縁膜に電荷がトラップされると、強誘電体膜の性能が劣化する。
すなわち、トランジスタから成る強誘電体メモリのメモリセルを消去状態(トランジスタのしきい値電圧が低い状態)とするために制御ゲート電極に正の電圧を印加すると、ゲート絶縁膜に電荷がトラップされるため、トランジスタのしきい値電圧が高くなる。逆に、当該メモリセルを書込み状態(トランジスタのしきい値電圧が高い状態)とするために制御ゲート電極に負の電圧を印加すると、ゲート絶縁膜内にトラップされていた電荷が引き抜かれるため、トランジスタのしきい値電圧が低くなる。このため、ゲート絶縁膜に電荷がトラップされることで、強誘電体メモリが正常に動作しなくなる虞がある。
このように電荷がトラップされることを防ぐため、本実施の形態では、図2に示す強誘電体膜HK2と半導体基板SBとの間に界面層(ブロック層)として常誘電体膜HK1を形成している。これにより、常誘電体膜HK1および強誘電体膜HK2から成るゲート絶縁膜に電荷がトラップされることを防ぐことができる。すなわち、強誘電体膜HK2の性能の劣化を防ぐことができる。
次に、図3を用いて常誘電体膜HK1および強誘電体膜HK2の具体的な構成について説明する。図3では、常誘電体膜HK1および強誘電体膜HK2のそれぞれの多結晶構造を拡大して示しており、強誘電体膜HK2上の構造(制御ゲート電極、サイドウォールスペーサおよび層間絶縁膜など)の図示は省略している。
図3に示すように、常誘電体膜HK1は複数の結晶GR1から成り、強誘電体膜HK2は複数の結晶GR2から成る。結晶GR1の直径(粒径)は、例えば1〜2nmであり、結晶GR2の直径(粒径)は、例えば5〜10nmである。すなわち、強誘電体膜HK2を構成する結晶GR2の平均の粒径は、常誘電体膜HK1を構成する結晶GR1の平均の粒径よりも大きい。ここで、複数の結晶GR1のそれぞれの粒径および高さにはばらつきがあり、複数の結晶GR2のそれぞれの粒径および高さにもばらつきがある。このため、常誘電体膜HK1および強誘電体膜HK2のそれぞれの上面には凹凸が存在する。強誘電体膜HK2を構成する結晶GR2の粒径が、常誘電体膜HK1を構成する結晶GR1の粒径よりも大きいため、強誘電体膜HK2の上面の凹凸(粗さ)は、常誘電体膜HK1の上面の凹凸(粗さ)よりも大きい。
このように結晶GR1、GR2のそれぞれの大きさに差がある理由の1つは、強誘電体膜HK2を常誘電体膜HK1よりも大きい膜厚で形成していることにある。また、他の理由の1つは、結晶GR2の粒径を大きくし、これにより、強誘電体膜HK2の分極特性を向上させていることにある。強誘電体膜HK2は理想的には単結晶のみで構成されていることが望ましいが、単結晶の形成は困難であるため、強誘電体膜HK2は多結晶膜として形成されている。ここで、隣り合う結晶GR2同士の境界の領域(結晶粒界)は分極が発生しない領域であるため、少ないことが望ましい。
そこで、本実施の形態では、結晶GR2を結晶GR1よりも大きく形成することで、結晶粒界を減らしている。また、結晶粒径を大きくすることで、強誘電体膜HK2を構成する複数の結晶GR2のそれぞれの分極の向きが揃い易くなる。これにより、強誘電体膜HK2に電圧を印加した後の残留分極を増大させることができる。残留分極とは、強誘電体膜HK2に印加される電場(電界)が0であるときに強誘電体膜HK2に残っている分極の大きさである。強誘電体膜HK2の残留分極を大きくすることで、強誘電体メモリの動作電圧を低減することができ、かつ、強誘電体メモリにおける情報の保持特性を向上させることができる。
<半導体装置の動作>
次に、不揮発性メモリの動作例について、図4を参照して説明する。
図4は、「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図4の表には、「書込」、「消去」、「読出」のそれぞれの動作時において、図2に示すメモリセル(選択メモリセル)MC1のドレイン領域に印加する電圧Vd、制御ゲート電極CG1に印加する電圧Vg、ソース領域に印加する電圧Vs、およびp型ウェルPW1に印加する電圧Vbが記載されている。なお、図4の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。また、本実施の形態では、強誘電体膜HK2の分極が上向きとなり、メモリセルMC1を構成するトランジスタのしきい値電圧が比較的高い状態にすることを「書込」と定義する。強誘電体膜HK2の分極が下向きとなり、メモリセルMC1を構成するトランジスタのしきい値電圧が比較的低い状態にすることを「消去」と定義する。
本実施の形態のメモリセルMC1において、書込みは制御ゲート電極CG1に負の電圧を印加することで行う。すなわち、例えば図4の「書込」の欄に示すような電圧を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、選択メモリセルの強誘電体膜HK2を上向きに分極することで書込みを行う。その結果、メモリセルMC1を構成するトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリセルMC1は書込み状態となる。
本実施の形態のメモリセルMC1において、消去は制御ゲート電極CG1に正の電圧を印加することで行う。すなわち、例えば図4の「消去」の欄に示すような電圧を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、選択メモリセルの強誘電体膜HK2を下向きに分極することで消去を行う。その結果、メモリセルMC1を構成するトランジスタのしきい値電圧を下降させる。すなわち、メモリセルMC1は消去状態となる。
読出し時には、例えば図4の「読出」の欄に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時の制御ゲート電極CG1に印加する電圧Vgを、書込み状態における上記トランジスタのしきい値電圧と消去状態における上記トランジスタのしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
<半導体装置の効果>
次に、本実施の形態の半導体装置の効果について、図75を用いて説明する。図75は、比較例の半導体装置である強誘電体メモリのメモリセルMCAを示す断面図である。
図75に示す比較例のメモリセルMCAの構造は、本実施の形態のメモリセルに比べ、強誘電体膜HK2と半導体基板SBとの間に、強誘電体膜および常誘電体膜のいずれでもない絶縁膜IFCが形成されている点が主に異なる。絶縁膜IFCは、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜から成る。すなわち、絶縁膜IFCの誘電率(比誘電率)は、窒化シリコン以下であり、絶縁膜IFCはhigh−k膜ではない。
上述したように、トランジスタから成る強誘電体メモリでは、強誘電体膜を含むゲート絶縁膜に電荷がトラップされることを防ぐため、強誘電体膜と半導体基板との間に界面層(ブロック層)を形成することが考えられる。そこで、比較例では、例えば窒化シリコン膜から成る絶縁膜IFCを強誘電体膜HK2の下に挿入している。しかし、界面層である絶縁膜IFCが窒化シリコンまたは酸化シリコンのように誘電率が小さい材料から成る場合は、強誘電体膜HK2で誘起された電界によって界面層の絶縁破壊が起こり、耐圧不良となる問題が生じる。
これに対し、本実施の形態では図2に示すように、界面層として常誘電体膜HK1を形成している。このように、窒化シリコンよりも誘電率(非誘電率)が大きい材料から成る常誘電体膜HK1を界面層として形成することで、強誘電体膜HK2で誘起された電界により界面層で絶縁破壊が起こることを防ぐことができる。よって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図3を用いて説明したように、結晶GR2を結晶GR1よりも大きく形成しているため、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。これにより、強誘電体メモリの動作電圧を低減することができ、かつ、強誘電体メモリにおける情報の保持特性を向上させることができる。つまり、半導体装置の性能を向上させることができる。
このように結晶GR2を結晶GR1よりも大きく形成するための工夫の1つとして、ここでは、強誘電体膜HK2の下に、強誘電体膜HK2の下面に接する常誘電体膜HK1を形成している。すなわち、界面層が常誘電体膜HK1により構成されている場合には、界面層が窒化シリコン膜または酸化シリコン膜などにより構成されている場合に比べ、界面層の上面上に強誘電体膜HK2を形成する際に、強誘電体膜HK2内に結晶核が形成され難くなる。その結果、強誘電体膜HK2を構成する結晶GR2の数は少なくなる。すなわち、各結晶GR2は、近傍の結晶GR2に成長を阻害されることなく大きく成長することができる。したがって、界面層として強誘電体膜HK2の下に常誘電体膜HK1を形成することで、強誘電体膜HK2を構成する結晶GR2を大きく形成することができる。
<半導体装置の製造工程>
以下に、図5〜図20を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。図5〜図20は、本実施の形態の半導体装置の形成工程中の断面図である。図5〜図20では、左側から右側に向かって順に並ぶメモリセル領域MRおよびロジック回路領域LRを示している。
ここではまず、図5に示すように、半導体基板SBを用意する。半導体基板SBは、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどから成る。続いて、半導体基板SBの周面に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、複数の溝(分離溝)を形成する。その後、当該複数の溝のそれぞれを埋め込む酸化シリコン膜を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成する。その後、当該複数の溝のそれぞれの外の当該酸化シリコン膜を除去することで、各溝内に残された素子分離領域EIを形成する。素子分離領域EIは、主に酸化シリコンなどの絶縁体から成り、例えばSTI構造を有している。
続いて、イオン注入法を用いて半導体基板SBの主面に不純物を導入することにより、メモリセル領域MRにおいて、半導体基板SBの主面から半導体基板SBの途中深さに亘ってp型半導体領域であるp型ウェルPW1を形成する。また、イオン注入法を用いて半導体基板SBの主面に不純物を導入することにより、ロジック回路領域LRにおいて、半導体基板SBの主面から半導体基板SBの途中深さに亘ってp型半導体領域であるp型ウェルPW2を形成する。p型ウェルPW1、PW2は、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで形成する。
次に、図6に示すように、半導体基板SBの主面上に、絶縁膜IFAを形成する。絶縁膜IFAは、例えば2nm程度の膜厚を有し、例えば酸化シリコン膜から成る。絶縁膜IFAは、熱酸化法などの酸化法、またはCVD法などにより形成することができる。
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、メモリセル領域MRの絶縁膜IFAを除去する。これにより、メモリセル領域MRの半導体基板SBの主面を露出させる。
次に、図8に示すように、半導体基板SBの主面上に非結晶状態(アモルファス)のhigh−k膜(絶縁膜)AM1を形成する。high−k膜AM1は、例えばCVD法、PVD(Physical Vapor Deposition)法、またはALD(Atomic Layer Deposition)法により形成することができる。high−k膜AM1の膜厚は、例えば1〜2nmである。
次に、図9に示すように、high−k膜AM1を600〜1000℃程度で加熱して結晶化させる(第1熱処理)。これにより、常誘電体膜HK1を形成する。常誘電体膜HK1の膜厚は、例えば1〜2nmである。常誘電体膜HK1は、窒化シリコンよりも誘電率(非誘電率)が高い膜であり、例えば、HfSiO4(ハフニウムシリケイト)、HfO2(ハフニア)またはZrO2(ジルコニア)から成る膜である。常誘電体膜HK1には、Zr(ジルコニウム)、Si(シリコン)、N(窒素)、C(炭素)またはF(フッ素)などの不純物が導入されていてもよい。
常誘電体膜HK1は、複数の結晶(結晶粒、微結晶)から成る多結晶体であり、当該複数の結晶の平均の直径(結晶粒径)は、例えば1〜2nmである。それらの結晶は、直方晶以外の結晶構造を有している。つまり、常誘電体膜HK1は、主に単斜晶または正方晶の結晶から成る多結晶膜である。ここでは、600〜1000℃程度の比較的高い温度で半導体基板SBを加熱し、これにより常誘電体膜HK1を形成している。このため、常誘電体膜HK1を構成する結晶としては、安定相である単斜晶が形成され易い。
第1熱処理は、RTA(Rapid Thermal Annealing)法を用いて行うことができる。または、第1熱処理をファーネスアニール処理により行うことができる。ファーネスアニール処理は、縦型の炉体内に複数の半導体ウェハを設置した状態で、それらの半導体ウェハのそれぞれを同時に熱処理するものである。
次に、図10に示すように、半導体基板SBの主面上に、Hf(ハフニウム)を含む非結晶状態(アモルファス)のhigh−k膜(絶縁膜)AM2を形成する。つまり、常誘電体膜HK1上にhigh−k膜AM2を形成する。high−k膜AM2は、例えばCVD法、PVD法、またはALD法により形成することができる。high−k膜AM2の膜厚は、例えば10〜20nmである。
次に、図11に示すように、例えばCVD法またはスパッタリング法を用いて、high−k膜AM2上にキャップ膜である金属膜MF1を形成する。金属膜MF1は、例えばTiN(窒化チタン)膜から成り、その膜厚は、例えば10〜20nmである。金属膜MF1は、high−k膜AM2の上面に接して形成される。金属膜MF1は、high−k膜AM2に応力を加えるために設けられる膜である。
次に、図12に示すマイクロ波加熱装置を用いて、図13に示すように、high−k膜AM2を300〜400℃程度で加熱する(第2熱処理)。これにより、high−k膜AM2を結晶化させることで、強誘電体膜HK2を形成する。強誘電体膜HK2の膜厚は、例えば10〜20nmである。強誘電体膜HK2は、窒化シリコンおよび常誘電体膜HK1よりも誘電率(非誘電率)が高い膜であり、例えば、HfSiO4(ハフニウムシリケイト)、HfO2(ハフニア)またはHfZrO2(二酸化ハフニウムジルコニウム)から成る膜である。強誘電体膜HK2には、Zr(ジルコニウム)、Si(シリコン)、N(窒素)、C(炭素)またはF(フッ素)などの不純物が導入されていてもよい。強誘電体膜HK2内におけるこれらの不純物の濃度は、常誘電体膜HK1内の不純物(Zi、Si、N、CまたはF)の濃度よりも高い。
強誘電体膜HK2は、複数の結晶(結晶粒)から成る多結晶体であり、当該複数の結晶の平均の直径(結晶粒径)は、例えば5〜10nmである。強誘電体膜HK2の結晶粒径は常誘電体膜HK1の結晶粒径よりも大きい。このため、強誘電体膜HK2を構成する複数の結晶のそれぞれの粒径のばらつきは、常誘電体膜HK1を構成する複数の結晶のそれぞれの粒径のばらつきよりも大きい。したがって、強誘電体膜HK2の上面の凹凸(粗さ)は、常誘電体膜HK1の上面の凹凸(粗さ)よりも大きい。
それらの結晶は、直方晶の結晶構造を有している。つまり、強誘電体膜HK2は、主に直方晶の結晶から成る多結晶膜である。ここでは、300〜400℃程度の比較的低い温度で半導体基板SBを加熱し、これにより強誘電体膜HK2を形成している。このため、強誘電体膜HK2を構成する結晶としては、準安定相である直方晶が形成され易い。また、high−k膜AM2(図11参照)上に金属膜MF1が形成され、high−k膜AM2に応力が加わった状態で第2熱処理を行うことで、強誘電体膜HK2内には単斜晶および正方晶ではなく、直方晶が形成され易くなる。第2熱処理の加熱温度が300℃未満では、結晶化が起こり難くなるため、第2熱処理では300℃以上の条件で加熱を行う。
図12に示すマイクロ波加熱装置は、容器内のウェハステージSTと、ウェハステージSTを水平方向で挟むように配置された一対のマグネトロン(マイクロ波発振器)MGTとを備えたものである。第2熱処理では、ウェハステージST上に半導体基板SBである半導体ウェハWFを設置した状態で、マグネトロンMGTから発振した電磁波(RF:Radio Frequency、マイクロ波)を半導体ウェハWFに照射する。これにより、結晶の格子振動を利用した加熱方式によりhigh−k膜AM2を加熱し、強誘電体膜HK2を形成する。ここで照射するマイクロ波の周波数は1〜10GHzとし、具体的には、例えば2.45GHzとする。
この際、図13に示すように、電場(電界)Eの振動方向が半導体基板SBの主面に対して90度(垂直)となるマイクロ波を照射する。言い換えれば、当該マイクロ波の磁場(磁界)Mの振動方向は、半導体基板SBの主面に沿う方向である。つまり、ここでは、マイクロ波の電場Eの振動方向がhigh−k膜AM2の上面に対して垂直になるように当該マイクロ波をhigh−k膜AM2に入射させる。これにより、high−k膜AM2が結晶化される過程において、垂直方向に分極する結晶が、電場Eの振動方向が垂直方向であるマイクロ波により選択的に加熱されて成長する。よって、強誘電体膜HK2内には、垂直方向に分極する直方晶が形成される。また、垂直方向に分極する結晶が、電場Eの振動方向が垂直方向であるマイクロ波により選択的に加熱されるため、400℃以下の低い温度で結晶化を行うことができる。
ここでは、上面上に結晶核が形成され難い常誘電体膜HK1の上にhigh−k膜AM2を形成した状態で第2熱処理を行っている。このため、強誘電体膜HK2を構成する結晶の数は少なくなる。よって、強誘電体膜HK2を構成する結晶は、隣り合う他の結晶に成長を阻害されることなく大きく成長することができる。
次に、図14に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、ロジック回路領域LRの金属膜MF1、強誘電体膜HK2および常誘電体膜HK1を除去することで、絶縁膜IFAを露出させる。
次に、図15に示すように、半導体基板SBの主面上に、ポリシリコン膜PSを形成する。ポリシリコン膜PSは、メモリセル領域MRの金属膜MF1の上面と、ロジック回路領域LRの絶縁膜IFAの上面とを覆って形成される。
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、ポリシリコン膜PS、金属膜MF1、強誘電体膜HK2、常誘電体膜HK1および絶縁膜IFAを加工し、これにより半導体基板SBの主面および素子分離領域EIの上面を露出させる。このパターニング工程により、メモリセル領域MRに、ポリシリコン膜PSから成る制御ゲート電極CG1を形成し、ロジック回路領域LRに、ポリシリコン膜PSから成るゲート電極GEと、絶縁膜IFAから成るゲート絶縁膜GIとを形成する。すなわち、メモリセル領域MRには、半導体基板SBの主面上に順に積層された常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、金属膜MF1および制御ゲート電極CG1から成る積層体が形成される。また、ロジック回路領域LRには、半導体基板SBの主面上に順に積層されたゲート絶縁膜GIおよびゲート電極GEから成る積層体が形成される。
次に、図17に示すように、制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEをマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、半導体基板SBの主面に対しイオン注入を行う。これにより、メモリセル領域MRおよびロジック回路領域LRのそれぞれの半導体基板SBの主面に、n型の半導体領域である一対のエクステンション領域EX1を形成する。エクステンション領域EX1は、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込むことで形成することができる。エクステンション領域EX1は半導体基板SBの主面から所定の深さで形成され、その深さは素子分離領域EI、p型ウェルPW1およびPW2よりも浅い。
次に、図18に示すように、半導体基板SB上に、CVD法などにより絶縁膜を堆積することで、当該絶縁膜により制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEのそれぞれを覆う。当該絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の積層膜から成る。続いて、ドライエッチング法を用いて当該絶縁膜の一部を除去し、半導体基板SB、制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEのそれぞれの上面を露出される。これにより、制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEのそれぞれの側面を覆う当該絶縁膜から成るサイドウォールスペーサSWを自己整合的に形成する。
次に、図19に示すように、制御ゲート電極CG1、ゲート電極GEおよびサイドウォールスペーサSWをマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、半導体基板SBの主面に対しイオン注入を行う。これにより、メモリセル領域MRおよびロジック回路領域LRのそれぞれの半導体基板SBの主面に、n型の半導体領域である一対の拡散領域D1を形成する。拡散領域D1は、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込むことで形成することができる。拡散領域D1は半導体基板SBの主面から所定の深さで形成され、その深さはエクステンション領域EX1より深く、素子分離領域EI、p型ウェルPW1およびPW2よりも浅い。拡散領域D1は、エクステンション領域EX1に比べて不純物濃度が高い。
メモリセル領域MRにおいて、制御ゲート電極CG1を挟むように形成された一対のエクステンション領域EX1および一対の拡散領域D1は、ソース・ドレイン領域を構成している。つまり、制御ゲート電極CG1の横の一方で互いに接するエクステンション領域EX1および拡散領域D1はソース領域を構成しており、制御ゲート電極CG1の横の他方で互いに接しているエクステンション領域EX1および拡散領域D1は、ドレイン領域を構成している。同様に、ロジック回路領域LRにおいて、ゲート電極GEを挟むように形成された一対のエクステンション領域EX1および一対の拡散領域D1は、ソース・ドレイン領域を構成している。
これにより、メモリセル領域MRには、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、制御ゲート電極CG1およびソース・ドレイン領域を含むMISFET(MIS型電界効果トランジスタ)から成る強誘電体メモリのメモリセルMC1が形成される。また、ロジック回路領域LRには、ゲート電極GEおよびソース・ドレイン領域を含むMISFET(MIS型電界効果トランジスタ)であるn型トランジスタQ1が形成される。常誘電体膜HK1および強誘電体膜HK2は、メモリセルMC1を構成するトランジスタのゲート絶縁膜として機能する。
続いて、周知のサリサイドプロセスを行うことで、制御ゲート電極CG1、ゲート電極GE、拡散領域D1のそれぞれの上面にシリサイド層S1を形成する。ここでは、半導体基板SB上に、スパッタリング法により例えばNiPt膜を堆積した後、熱処理を行ってシリサイド層S1を形成する。その後、余分なNiPt膜を除去する。
続いて、半導体基板SBの主面上に、CVD法などにより絶縁膜を堆積し、その後、当該絶縁膜の上面を平坦化することで、当該絶縁膜から成る層間絶縁膜ILを形成する。層間絶縁膜ILは、主に酸化シリコン膜から成る。層間絶縁膜ILは厚い酸化シリコン膜と、当該酸化シリコン膜と半導体基板SB、制御ゲート電極CG1、ゲート電極GE、サイドウォールスペーサSWおよびシリサイド層S1との間に介在する薄い窒化シリコン膜(ライナー膜)とを有していてもよい。層間絶縁膜ILの上面は、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法による研磨処理により平坦化することができる。
次に、図20に示すように、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜ILを貫通し、複数のシリサイド層S1のそれぞれの上面を露出する複数のコンタクトホール(接続孔)を形成する。すなわち、コンタクトホールは、制御ゲート電極CG1、ゲート電極GE、拡散領域D1のそれぞれの上面を覆うシリサイド層S1の上面を露出している。制御ゲート電極CG1およびゲート電極GEのそれぞれの直上に設けられたコンタクトホールは、図示していない領域に形成されている。
続いて、半導体基板SBの主面上に、例えばスパッタリング法を用いて金属膜を形成し、これにより、複数のコンタクトホールのそれぞれに内側を当該金属膜により埋め込む。その後、CMP法を用いて研磨を行い、層間絶縁膜ILの上面を露出させる。この研磨工程で層間絶縁膜IL上の当該金属膜を除去することで、各コンタクトホール内に、当該金属膜から成るプラグCPを形成する。プラグCPは、例えば、主にW(タングステン)から成る。プラグCPは、W(タングステン)から成る主導体膜と、主導体膜の側面および底面を覆うバリア導体膜から成ることが考えられるが、図では当該主導体膜および当該バリア導体膜の積層構造の図示を省略し、プラグCPを1つの導電体膜として示している。バリア導体膜の材料としては、例えばTiN(窒化チタン)を用いることができる。
続いて、層間絶縁膜IL上に配線M1を形成する。配線M1は、バリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)と、バリア導体膜上に形成された主導体膜(銅膜)の積層構造から成る。図では、図面の簡略化のために、配線M1は、バリア導体膜および主導体膜を一体化して示してある。
配線M1は、例えば所謂シングルダマシン法により形成することができる。すなわち、層間絶縁膜IL上に、配線溝を有する層間絶縁膜を形成し、当該配線溝内に金属膜を埋め込むことで、配線M1を形成することができる。ただし、ここでは配線M1の横の層間絶縁膜の図示を省略している。
以上の工程により、本実施の形態の半導体装置が略完成する。
<半導体装置の製造方法の効果>
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の効果について説明する。
本実施の形態の半導体装置の効果について上述したように、本実施の形態では、強誘電体膜HK2を含むゲート絶縁膜に電荷がトラップされることを防ぐため、強誘電体膜HK2と半導体基板SBとの間に界面層(ブロック層)として常誘電体膜HK1を形成している。これにより、強誘電体膜HK2で誘起された電界により界面層で絶縁破壊が起こることを防ぐことができる。よって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図3を用いて説明したように、強誘電体膜HK2の結晶GR2を常誘電体膜HK1の結晶GR1よりも大きく形成しているため、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。これにより、強誘電体メモリの動作電圧を低減することができ、かつ、強誘電体メモリにおける情報の保持特性を向上させることができる。つまり、半導体装置の性能を向上させることができる。ここでは、強誘電体膜HK2の下面に接する界面層として常誘電体膜HK1を形成しているため、結晶GR2を結晶GR1よりも大きく形成することができる。
また、本実施の形態では、図12および図13を用いて説明した第2熱処理において、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向に電場が振動するマイクロ波を用いて加熱を行っている。これにより、垂直方向に分極する直方晶を強誘電体膜HK2内に成長させることができる。すなわち、強誘電体膜HK2内に、垂直方向以外の方向に分極する結晶が成長することを防ぐことができる。これにより、強誘電体膜HK2を構成する複数の結晶の分極の向きが揃うため、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。
また、マイクロ波を用いて第2熱処理を行うことで、400℃以下の低温で結晶化を行い、これにより形成される強誘電体膜HK2内に直方晶を形成し易くすることができる。すなわち、強誘電体膜HK2を構成する結晶相のうち、直方晶の割合を増大させることで、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。
また、high−k膜AM2(図11参照)上に金属膜MF1を形成した状態で第2熱処理を行うことで、強誘電体膜HK2内に直方晶が形成され易くすることができる。
上記のように、強誘電体膜HK2内に直方晶が形成され易くすることで、強誘電体膜HK2の分極性能を高めることができる。つまり、メモリセルMC1の制御ゲート電極CG1に印加する電圧が低くても、強誘電体膜HK2を分極させることができるため、強誘電体メモリの省電力化を実現することができる。また、残留分極が増大することで、保持特性を向上させることができる。以上より、半導体装置の性能を向上させることができる。
<変形例1>
本変形例では、界面層である常誘電体層と半導体基板の主面との間に薄い絶縁膜を形成することについて説明する。
本変形例の半導体装置の製造工程では、図7を用いて説明した工程により絶縁膜IFAを加工した後、図21に示すように、メモリセルMC1の半導体基板SBの主面上に、例えば酸化法を用いて絶縁膜IFBを形成する。その後、図8〜図13を用いて説明した工程を行う。または、図6を用いて説明した工程で形成した後、図7を用いて説明した絶縁膜IFAの除去工程を行わずに、絶縁膜IFAをメモリセル領域MRに残したまま図8〜図13を用いて説明した工程を行ってもよい。絶縁膜IFBは、例えば酸化シリコン膜から成り、その膜厚は、例えば1〜2nmである。
その後は、図14〜図20を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、図22に示す本変形例の半導体装置を形成することができる。すなわち、本変形例の半導体装置のメモリセルMC1は、半導体基板SBの主面と制御ゲート電極CG1との間に、半導体基板SBの主面側から順に積層された絶縁膜IFB、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1を有している。
本変形例では、常誘電体膜HK1と半導体基板SBの主面との間に、界面層(ブロック層)の一部として絶縁膜IFBを形成している。これにより、メモリセルMC1の動作時に、強誘電体膜HK2および常誘電体膜HK1に電荷がトラップされることを防ぐことができる。
すなわち、メモリセルMC1を消去状態(トランジスタのしきい値電圧が低い状態)とするために制御ゲート電極CG1に正の電圧を印加した際、強誘電体膜HK2および常誘電体膜HK1に電荷がトラップされ、トランジスタのしきい値電圧が高くなることを防ぐことができる。また、メモリセルMC1を書込み状態(トランジスタのしきい値電圧が高い状態)とするために制御ゲート電極CG1に負の電圧を印加した際、強誘電体膜HK2および常誘電体膜HK1にトラップされていた電荷が引き抜かれ、トランジスタのしきい値電圧が低くなることを防ぐことができる。よって、メモリセルMC1の保持特性の低下を防ぐことができる。また、しきい値電圧を制御することで書込み状態および消去状態を切り替える強誘電体メモリとしての性能が低下することを防ぐことができる。また、メモリセルMC1を省電力化することができる。
<変形例2>
本変形例では、界面層と強誘電体膜との間に金属膜をさらに挿入する場合について説明する。
本変形例の半導体装置の製造工程では、図5〜図10を用いて説明した工程を行った後、図23に示すように、例えばCVD法またはスパッタリング法を用いて、常誘電体膜HK1上に金属膜MF2を形成する。金属膜MF2は、例えばTiN(窒化チタン)膜から成り、その膜厚は、例えば10〜20nmである。その後、図11〜図13を用いて説明した工程を行う。
その後は、図14〜図20を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、図24に示す本変形例の半導体装置を形成することができる。すなわち、本変形例の半導体装置のメモリセルMC1は、半導体基板SBの主面と制御ゲート電極CG1との間に、半導体基板SBの主面側から順に積層された常誘電体膜HK1、金属膜MF2、強誘電体膜HK2および金属膜MF1を有している。
金属膜MF2が形成されていない場合、メモリセルMC1を構成するトランジスタのしきい値電圧は、強誘電体膜HK2の結晶粒ごとの分極により直接決定されるため局所的なしきい値のばらつきが発生しやすい。これに対し、本変形例では、電気的にフローティング状態の金属膜MF2が電極として働き、強誘電体膜HK2の分極により生じる電界を均一化させる。したがって、当該トランジスタのしきい値電圧がばらつくことを防ぐことができるため、半導体装置の性能および信頼性を向上させることができる。
ここで、界面層と強誘電体膜との間に金属膜を挿入した場合に、界面層の静電容量が小さいと電界が強誘電体膜に掛かり難く、分極反転をさせるための電圧が高くなる問題がある。界面層が、図75を用いて説明したように酸化シリコン膜または窒化シリコン膜から成る場合、界面層の静電容量が小さいため、上記のように分極反転をさせるための電圧、つまり制御ゲート電極CG1への印加電圧が大きくなる。よって、強誘電体メモリの消費電力が増大し、半導体装置の性能が低下する。
これに対し、本変形例では、界面層である常誘電体膜HK1と強誘電体膜HK2との間に金属膜MF2を挿入した場合において、界面層を窒化シリコンよりも誘電率(非誘電率)が高い常誘電体膜HK1により構成しているため、制御ゲート電極CG1への印加電圧により生じる電界が強誘電体膜HK2に掛かり難くなることを防ぐことができる。よって、低いゲート電圧でも強誘電体膜HK2の分極を制御することができるため、強誘電体メモリを省電力化することができる。すなわち、半導体装置の性能を向上させることができる。
(実施の形態2)
<半導体装置の構造>
以下に、図25〜図28を用いて、本実施の形態2の半導体装置の構造について説明する。図25は、本実施の形態における半導体装置の平面図である。図26は、本実施の形態における半導体装置の斜視図である。図27および図28は、本実施の形態における半導体装置の断面図である。なお、図26、図28では、ウェルの図示を省略する。また、図28では、ソース・ドレイン領域の図示を省略する。
図25において、メモリセル領域1Aにはメモリセルアレイの平面図を示し、nMIS領域1Bには、ロジック回路領域のロジック回路などを構成するn型トランジスタQNの平面図を示し、pMIS領域1Cには、ロジック回路領域のロジック回路などを構成するp型トランジスタQPの平面図を示している。n型トランジスタQNとしては、n型のMISFETを例示する。p型トランジスタQPとしては、p型のMISFETを例示する。以下では、n型のMISFETをnMISと呼び、p型のMISFETをpMISと呼ぶ場合がある。
メモリセル領域1Aに形成されるメモリセルMC2は、例えば図1の強誘電体メモリCC5に形成されている。また、nMIS領域1Bのn型トランジスタQNおよびpMIS領域1Cのp型トランジスタQPは、例えば図1のRAMCC2、CPUCC1などに形成されている。
図25に示すように、メモリセル領域1Aには、X方向に延在する複数のフィンFAが、Y方向に等間隔に配置されている。X方向およびY方向は、半導体基板SBの主面に沿う方向であり。X方向はY方向に対して直交している。フィンFAは、例えば、半導体基板SBの主面から選択的に突出した直方体の突出部(凸部)であり、壁状(板上)の形状を有している。フィンFAの下端部分は、半導体基板SBの主面を覆う素子分離領域EIで囲まれている。フィンFAは、半導体基板SBの一部であり、半導体基板SBの活性領域である。平面視において、隣り合うフィンFA同士の間は、素子分離領域EIで埋まっており、フィンFAの周囲は、素子分離領域EIで囲まれている。フィンFAは、メモリセルMC2を形成するための活性領域である。
複数のフィンFA上には、Y方向に延在する複数の制御ゲート電極CG2および複数のメモリゲート電極MGが配置されている。フィンFAの上面には、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGを挟むように、制御ゲート電極CG2の側のドレイン領域MDと、メモリゲート電極側のソース領域MSとが形成されている。すなわち、X方向において、互いに隣り合う1つの制御ゲート電極CG2および1つのメモリゲート電極MGは、ソース領域MSとドレイン領域MDとの間に位置している。
ドレイン領域MDおよびソース領域MSは、n型の半導体領域である。ドレイン領域MDは、X方向において隣り合う2つの制御ゲート電極CG2同士の間に形成されており、ソース領域MSは、X方向において隣り合う2つのメモリゲート電極MG同士の間に形成されている。メモリセルMC2は、制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MG、ドレイン領域MDおよびソース領域MSを有する不揮発性記憶素子である。以下では、1つのメモリセルMC2を構成するソース領域MSおよびドレイン領域MDを、ソース・ドレイン領域と呼ぶ場合がある。
X方向に隣接する2つのメモリセルMC2は、ドレイン領域MDまたはソース領域MSを共有している。ドレイン領域MDを共有する2つのメモリセルMC2は、Y方向に延在するドレイン領域MDを軸として、X方向に線対称となっており、ソース領域MSを共有する2つのメモリセルMC2は、Y方向に延在するソース領域MSを軸として、X方向に線対称となっている。
各フィンFAには、X方向に並ぶ複数のメモリセルMC2が形成されている。各メモリセルMC2のドレイン領域MDは、メモリセルMC2上に形成された層間絶縁膜(図示しない)を貫通するコンタクトホール内に形成されたプラグ(プラグ)PG1を介して、X方向に延在する配線M1から成るソース線SLに電気的に接続されている。また、Y方向に配列された複数のメモリセルMC2のソース領域MSは、Y方向に延在する配線M1から成るビット線BLに電気的に接続されている。
また、nMIS領域1Bには、例えば、X方向に延在するフィンFBが形成されている。フィンFBは、フィンFAと同様に半導体基板SBの一部であり、半導体基板SBの主面上に突出した壁状(板上)の形状を有している。また、フィンFBは、半導体基板SBの活性領域であり、フィンFBの下端部分は、半導体基板SBの主面を覆う素子分離領域EIで囲まれている。フィンFB上には、Y方向に延在するゲート電極G1が配置され、ゲート電極G1を挟むように、フィンFBの上面にはドレイン領域LD1およびソース領域LS1が形成されている。ドレイン領域LD1およびソース領域LS1は、n型の半導体領域である。
n型トランジスタQNは、ゲート電極G1、ドレイン領域LD1およびソース領域LS1を有する。ゲート電極G1、ドレイン領域LD1およびソース領域LS1は、それぞれ、コンタクトホール内に形成されたプラグPG2を介して、配線M1に電気的に接続されている。フィンFBは、n型トランジスタQNを形成するための活性領域である。
また、pMIS領域1Cには、X方向に延在するフィンFCと、その上部のp型トランジスタQPが形成されている。ゲート電極G2、ドレイン領域LD2およびソース領域LS2により構成されるp型トランジスタQPのレイアウトは、例えば、n型トランジスタQNと同様である。
フィンFA、FBおよびFCは、半導体基板SBの主面から、主面に対して垂直な方向に突出する、例えば、直方体の突出部である。フィンFA、FBおよびFCは、必ずしも直方体である必要はなく、短辺方向における断面視にて、長方形の角部が丸みを帯びていてもよい。また、図28に示すように、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの側面は半導体基板SBの主面に対して垂直であってもよいが、垂直に近い傾斜角度を有していてもよい。つまり、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの断面形状は、直方体であるか、または台形である。ここでは、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの側面は、半導体基板SBの主面に対して斜めに傾斜している。
また、図25に示すように、平面視でフィンFA、FBおよびFCが延在する方向が各フィンの長辺方向であり、当該長辺方向に直交する方向が各フィンの短辺方向である。つまり、フィンの長さは、フィンの幅よりも大きい。フィンFA、FBおよびFCは、長さ、幅、および、高さを有する突出部であれば、その形状は問わない。例えば、平面視で、蛇行するレイアウトを有していてもよい。
図26〜図28では、左側から右側に向かって順にメモリセル領域1A、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cが並んで示されている。図26では、素子分離領域EIおよび各素子の上の層間絶縁膜および配線の図示を省略している。メモリセル領域1Aの半導体基板SBを構成するフィンFAの上部にはメモリセルMC2が形成され、nMIS領域1Bの半導体基板SBを構成するフィンFBの上部にはn型トランジスタQNが形成され、pMIS領域1Cの半導体基板SBを構成するフィンFCの上部にはp型トランジスタQPが形成されている。
図27は、左から右に向かって順に、図25のA−A線における半導体素子の断面、図25のB−B線における半導体素子の断面、および、図25のC−C線における半導体素子の断面を示すものである。図28は、左から右に向かって順に、図25のD−D線における半導体素子の断面、図25のE−E線における半導体素子の断面、および、図25のF−F線における半導体素子の断面を示すものである。1つのフィン上には複数の素子が並んで形成されているが、図26および図27では、1つのフィン上に素子を1つのみ示している。
図26に示すように、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGは、フィンFAを跨ぐようにY方向に延在し、ゲート電極G1はフィンFBを跨ぐようにY方向に延在し、ゲート電極G2はフィンFCを跨ぐようにY方向に延在している。制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGのそれぞれの上面は、シリサイド層S2により覆われている。シリサイド層S2は、例えばNiSi(ニッケルシリサイド)から成る。なお、シリサイド層S2はPt(白金)を含んでいてもよい。
図26〜図28に示すように、メモリセル領域1Aのソース・ドレイン領域を構成する拡散領域D1が形成されたフィンFAの側面および上面は、シリサイド層S1により覆われている。シリサイド層S1は、例えばNiSi(ニッケルシリサイド)から成る。また、nMIS領域1Bのソース・ドレイン領域を構成する拡散領域D2が形成されたフィンFBの側面および上面は、エピタキシャル層(半導体層)EP1により覆われている。同様に、pMIS領域1Cのソース・ドレイン領域を構成する拡散領域D3が形成されたフィンFCの側面および上面は、エピタキシャル層(半導体層)EP2により覆われている。
シリサイド層S1、エピタキシャル層EP1およびEP2は、いずれも素子分離領域EI上に形成されている。シリサイド層S1は、フィンFAの上面および側面に沿って延在する層から成る。
これに対し、エピタキシャル成長法により形成されたエピタキシャル層EP1、EP2は、Y方向に沿う断面(図28参照)において、菱形の形状を有している。すなわち、nMIS領域1Bのエピタキシャル層EP1の側面であって、フィンFBに接していない側面は、下部の側面および上部の側面を有している。当該下部の側面は素子分離領域EI側から上方に向かうにつれて、半導体基板SBの主面に沿う方向においてフィンFBから離れるような傾斜を有しており、当該上部の側面は素子分離領域EI側から上方に向かうにつれて、半導体基板SBの主面に沿う方向においてフィンFBに近付くような傾斜を有している。当該下部の側面の上端と、当該上部の側面の下端は接続されている。
言い換えれば、Y方向において、エピタキシャル層EP1の左側の終端部と右側の終端部との間の幅は、エピタキシャル層EP1の上端および下端に比べて、当該上端および当該下端の間の中心部の方が大きい。なお、pMIS領域1Cのエピタキシャル層EP2も、nMIS領域1Bのエピタキシャル層EP1と同様の形状を有している。nMIS領域1Bのエピタキシャル層EP1は、例えばSiP(リン化シリコン)またはSiC(炭化シリコン)から成り、pMIS領域1Cのエピタキシャル層EP2は、SiGe(シリコンゲルマニウム)から成る。
nMIS領域1Bのエピタキシャル層EP1は、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))が導入された半導体層であり、n型トランジスタQNの拡散領域D2を構成している。pMIS領域1Cのエピタキシャル層EP2は、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が導入された半導体層であり、p型トランジスタQPの拡散領域D3を構成している。
図26および図27に示すように、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの側面の下部は、半導体基板SBの主面上に形成された素子分離領域EIで囲まれている。つまり、各フィン同士の間は、素子分離領域EIで分離されている。フィンFA内には、フィンFAの上面から下部に亘ってp型の半導体領域であるp型ウェルPW1が形成されている。同様に、フィンFB内には、フィンFBの上面から下部に亘ってp型の半導体領域であるp型ウェルPW2が形成されている。また、フィンFCには、フィンFCの上面から下部に亘ってn型の半導体領域であるn型ウェルNWが形成されている。
フィンFAの上面上および側面上には、ゲート絶縁膜GFを介して制御ゲート電極CG2が形成されており、フィンFAの長辺方向(X方向)において、制御ゲート電極CG2に隣り合う領域には、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1から成る積層膜を介してメモリゲート電極MGが形成されている。制御ゲート電極CG2とメモリゲート電極MGとの間には、当該積層膜が介在しており、制御ゲート電極CG2とメモリゲート電極MGとの間は、絶縁膜である常誘電体膜HK1および絶縁膜である強誘電体膜HK2により電気的に分離されている。また、メモリゲート電極MGとフィンFAの上面との間には、フィンFA上に順に積層された常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1から成る積層膜が介在している。当該積層膜はメモリゲート電極MGの側面および底面を覆うように連続的に形成されている。このため、当該積層膜を構成する常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1のそれぞれは、L字型の断面形状を有する。
ゲート絶縁膜GFは、シリコンから成る半導体基板SBの突出部であるフィンFAの上面および側面を熱酸化して形成した熱酸化膜(酸化シリコン膜)であり、その膜厚は例えば2nmである。また、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1のそれぞれは、前記実施の形態1と同じ材料から成り、前記実施の形態1と同様の膜厚を有している。
メモリセル領域1Aに示すように、フィンFAの短辺方向(Y方向)において、制御ゲート電極CG2は、ゲート絶縁膜GFを介して、フィンFAの上面、側面および素子分離領域EIの上面に沿って延在している。同様に、フィンFAの短辺方向において、メモリゲート電極MGは、当該積層膜を介して、フィンFAの主面、側面および素子分離領域EIの上面に沿って延在している。制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGのそれぞれの主面上にはシリサイド層S2が形成されている。
また、制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜GF、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、金属膜MF1およびシリサイド層S2を含むパターンの側面は、サイドウォールSWにより覆われている。サイドウォールスペーサSWは、例えば窒化シリコン膜および酸化シリコン膜の積層構造から成る。シリサイド層S1は、制御ゲート電極CG2を含む当該パターンおよび上記サイドウォールスペーサSWから露出するフィンFAの表面を覆っている。
図27に示すように、制御ゲート電極CG2を含む当該パターンの直下のフィンFAの上面を挟むように、一対のソース・ドレイン領域がフィンFAの上面に形成されている。ソース領域およびドレイン領域のそれぞれは、n−型半導体領域であるエクステンション領域EX1およびn+型半導体領域である拡散領域D1を有する。拡散領域D1は、エクステンション領域EX1に比べて不純物濃度が高く、形成深さが深い。ソース領域およびドレイン領域のそれぞれにおいてエクステンション領域EX1および拡散領域D1は互いに接しており、エクステンション領域EX1は、拡散領域D1よりも上記パターンの直下のフィンFAの上面、つまりチャネル領域側に位置している。
このように、不純物濃度が低いエクステンション領域EX1と、不純物濃度が高い拡散領域D1とを備えた構造、つまりLDD構造を有するソース・ドレイン領域を形成することで、当該ソース・ドレイン領域を有するトランジスタの短チャネル特性を改善することができる。当該ソース領域は、図25に示すソース領域MSに相当し、当該ドレイン領域は、図25に示すドレイン領域MDに相当する。
フィンFA上および素子分離領域EI上には、例えば酸化シリコン膜から成る層間絶縁膜IL1が形成されている。また、層間絶縁膜IL1、制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MG、サイドウォールスペーサSWおよびシリサイド層S2のそれぞれの上面上には、例えば酸化シリコン膜から成る層間絶縁膜IL2が形成されている。層間絶縁膜IL1の上面は、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、金属膜MF1、サイドウォールスペーサSWおよびシリサイド層S2のそれぞれの上面と略同一の面において平坦化されている。
層間絶縁膜IL2上には複数の配線M1が形成され、配線M1は、層間絶縁膜IL2およびIL1を貫通するコンタクトホールCH内に設けられたプラグPG1を介して、メモリセルMC2の上記ソース領域および上記ドレイン領域に電気的に接続されている。すなわち、プラグPG1の底面は、シリサイド層S1の上面に直接接しており、プラグPG1はシリサイド層S1を介してソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。シリサイド層S1は、例えばタングステン(W)を主に含む金属膜から成る接続部であるプラグPG1と、半導体から成るフィンFA内のソース・ドレイン領域との間の接続抵抗を低減する役割を有する。
ここでは、コンタクトホールCH、プラグPG1およびPG2のそれぞれが平面視において丸い形状を有する場合について説明するが、コンタクトホールCH、プラグPG1およびPG2の平面視における形状は矩形であってもよい。また、コンタクトホールCH、プラグPG1およびPG2が、各フィンの短辺方向(Y方向)において、シリサイド層S1、エピタキシャル層EP1およびEP2よりも大きい幅を有していてもよい。
また、ソース・ドレイン領域が形成されたフィンFAをシリサイド層S1により覆うことで、ソース・ドレイン領域を低抵抗化し、これによりメモリセルMC2の性能を向上させることができる。
メモリセルMC2は、制御ゲート電極CG2、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、メモリゲート電極MG、ドレイン領域およびソース領域を有する。制御ゲート電極CG2およびソース・ドレイン領域は制御トランジスタを構成し、常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2、メモリゲート電極MGおよびソース・ドレイン領域はメモリトランジスタを構成し、メモリセルMC2は制御トランジスタおよびメモリトランジスタにより構成されている。つまり、制御トランジスタとメモリトランジスタとは、ソース・ドレイン領域を共有している。また、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGのゲート長方向(X方向)のドレイン領域とソース領域との間の距離が、メモリセルMC2のチャネル長に相当する。
nMIS領域1Bにおいて、フィンFBの主面および側面上には、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜HKを介してゲート電極G1が形成されている。なお、絶縁膜HKはゲート電極G1の底面と側面とを連続的に覆っている。絶縁膜HKは、窒化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が高い絶縁材料膜、所謂high−k膜(高誘電率膜)である。また、ゲート電極G1は、絶縁膜HKの表面を覆う金属膜MF3と、絶縁膜HK上に金属膜MF3上を介して形成された金属膜MF4とから成る。金属膜MF3は例えばTiAl(チタンアルミニウム)から成り、金属膜MF4は例えばAl(アルミニウム)から成る。なお、フィンFBと絶縁膜HKとの間に酸化シリコン膜がゲート絶縁膜の一部として形成されていてもよいが、ここでは図示しない。
フィンFBの短辺方向(Y方向)において、ゲート電極G1は、絶縁膜HKを介して、フィンFBの上面、側面および素子分離領域EIの上面のそれぞれに沿って連続的に延在している。また、ゲート電極G1の側面は、サイドウォールスペーサSWにより覆われている。
また、X方向においてゲート電極G1を挟むように、ゲート電極G1の横の領域に設けられたソース領域およびドレイン領域のそれぞれは、n−型半導体領域であるエクステンション領域EX2と、n+型半導体領域である拡散領域D2とを有し、LDD構造を有している。拡散領域D2は、フィンFB内と、ゲート電極G1の横にサイドウォールスペーサSWを介して形成されたエピタキシャル層EP1内とに亘って形成されている。エクステンション領域EX2は、フィンFB内に形成されている。当該ソース領域は、図25に示すソース領域LS1に相当し、当該ドレイン領域は、図25に示すドレイン領域LD1に相当する。
また、nMIS領域1Bにおいて、フィンFB上および素子分離領域EI上には、メモリセル領域1Aと同様に層間絶縁膜IL1、IL2が順に形成されている。ただし、層間絶縁膜IL1と層間絶縁膜IL2との間には、ゲート電極G1の上面を覆うように絶縁膜IF9が形成されている。層間絶縁膜IL1の上面は、ゲート電極G1、絶縁膜HKおよびサイドウォールスペーサSWのそれぞれの上面と共に平坦化されている。層間絶縁膜IL1は、エピタキシャル層EP1の上面を覆っており、エピタキシャル層EP1の上面と層間絶縁膜IL1とは直接接している。つまり、エピタキシャル層EP1の上面と層間絶縁膜IL1との間にはシリサイド層は介在していない。
層間絶縁膜IL2上には、配線M1が形成され、配線M1は、層間絶縁膜IL2およびIL1を貫通するコンタクトホールCH内に設けられたプラグPG2を介して、ソース領域およびドレイン領域に電気的に接続されている。プラグPG2とエピタキシャル層EP1との間には、シリサイド層S3が介在している。シリサイド層S3は、例えばTiSi2(チタンシリサイド)から成る。
シリサイド層S3は、プラグPG2の直下、つまり、コンタクトホールCHの底部にのみ形成されており、プラグPG2の横の領域のエピタキシャル層EP1の上面は、シリサイド層S3から露出している。シリサイド層S3は、例えばタングステン(W)を主に含む金属膜から成る接続部であるプラグPG2と、半導体から成るエピタキシャル層EP1内のソース・ドレイン領域との間の接続抵抗を低減する役割を有する。
n型トランジスタQNは、ゲート電極G1、ドレイン領域および、ソース領域を有する。そして、ゲート電極G1のゲート長方向(X方向)のドレイン領域とソース領域との間の距離が、n型トランジスタQNのチャネル長に相当する。
pMIS領域1Cにおいて、フィンFCの主面および側面上には、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜HKを介してゲート電極G2が形成されている。なお、絶縁膜HKはゲート電極G2の底面と側面とを連続的に覆っている。絶縁膜HKは、窒化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が高い絶縁材料膜、所謂high−k膜(高誘電率膜)である。また、ゲート電極G2は、絶縁膜HKの表面を覆う金属膜MF5と、絶縁膜HK上に金属膜MF5上を介して形成された金属膜MF6とから成る。金属膜MF5は例えばTiAl(チタンアルミニウム)から成り、金属膜MF6は例えばAl(アルミニウム)から成る。なお、フィンFCと絶縁膜HKとの間に酸化シリコン膜がゲート絶縁膜の一部として形成されていてもよいが、ここでは図示しない。
フィンFCの短辺方向(Y方向)において、ゲート電極G2は、絶縁膜HKを介して、フィンFCの上面、側面および素子分離領域EIの上面のそれぞれに沿って連続的に延在している。また、ゲート電極G2の側面は、サイドウォールスペーサSWにより覆われている。
また、X方向においてゲート電極G2を挟むように、ゲート電極G2の横の領域に設けられたソース領域およびドレイン領域のそれぞれは、p−型半導体領域であるエクステンション領域EX3と、p+型半導体領域である拡散領域D3とを有し、LDD構造を有している。拡散領域D3は、フィンFC内と、ゲート電極G2の横にサイドウォールスペーサSWを介して形成されたエピタキシャル層EP2内とに亘って形成されている。エクステンション領域EX3は、フィンFC内に形成されている。当該ソース領域は、図25に示すソース領域LS2に相当し、当該ドレイン領域は、図25に示すドレイン領域LD2に相当する。
また、pMIS領域1Cにおいて、フィンFC上および素子分離領域EI上には、nMIS領域1Bと同様に層間絶縁膜IL1、絶縁膜IF9およびIL2が順に形成されている。層間絶縁膜IL1の上面は、ゲート電極G2、絶縁膜HKおよびサイドウォールスペーサSWのそれぞれの上面と共に平坦化されている。層間絶縁膜IL1は、エピタキシャル層EP2の上面を覆っており、エピタキシャル層EP2の上面と層間絶縁膜IL1とは直接接している。つまり、エピタキシャル層EP2の上面と層間絶縁膜IL1との間にはシリサイド層は介在していない。
層間絶縁膜IL2上には、配線M1が形成され、配線M1は、層間絶縁膜IL2およびIL1を貫通するコンタクトホールCH内に設けられたプラグPG2を介して、ソース領域およびドレイン領域に電気的に接続されている。プラグPG2とエピタキシャル層EP2との間には、シリサイド層S3が介在している。シリサイド層S3は、例えばTiSi2(チタンシリサイド)から成る。
シリサイド層S3は、プラグPG2の直下、つまり、コンタクトホールCHの底部にのみ形成されており、プラグPG2の横の領域のエピタキシャル層EP2の上面は、シリサイド層S3から露出している。シリサイド層S3は、例えばタングステン(W)を主に含む金属膜から成る接続部であるプラグPG2と、半導体から成るエピタキシャル層EP2内のソース・ドレイン領域との間の接続抵抗を低減する役割を有する。
p型トランジスタQPは、ゲート電極G2、ドレイン領域および、ソース領域を有する。そして、ゲート電極G2のゲート長方向(X方向)のドレイン領域とソース領域との間の距離が、p型トランジスタQPのチャネル長に相当する。
<不揮発性メモリの動作>
次に、不揮発性メモリの動作例について、図29を参照して説明する。
図29は、「書込」、「消去」および「読出」時における選択メモリセルの各部位への電圧の印加条件の一例を示す表である。図29の表には、「書込」、「消去」、「読出」時のそれぞれにおいて、図28に示すメモリセル(選択メモリセル)MC2のドレイン領域に印加する電圧Vd、制御ゲート電極CG2に印加する電圧Vcg、メモリゲート電極MGに印加する電圧Vmg、ソース領域に印加する電圧Vs、およびp型ウェルPW1に印加する電圧Vbが記載されている。なお、図29の表に示したものは電圧の印加条件の好適な一例であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更可能である。
また、本実施の形態では、強誘電体膜HK2の分極が上向きとなり、メモリセルMC2を構成するトランジスタのしきい値電圧が比較的高い状態にすることを「書込」と定義する。強誘電体膜HK2の分極が下向きとなり、メモリセルMC2を構成するトランジスタのしきい値電圧が比較的低い状態にすることを「消去」と定義する。
本実施の形態のメモリセルMC2において、書込みはメモリゲート電極MGに負の電圧を印加することで行う。すなわち、例えば図29の「書込」の欄に示すような電圧を、書込みを行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、選択メモリセルの強誘電体膜HK2を上向きに分極することで書込みを行う。その結果、メモリセルMC2を構成するトランジスタのしきい値電圧が上昇する。すなわち、メモリセルMC2は書込み状態となる。
本実施の形態のメモリセルMC2において、消去はメモリゲート電極MGに正の電圧を印加することで行う。すなわち、例えば図29の「消去」の欄に示すような電圧を、消去を行う選択メモリセルの各部位に印加する。これにより、選択メモリセルの強誘電体膜HK2を下向きに分極することで消去を行う。その結果、メモリセルMC2を構成するトランジスタのしきい値電圧を下降させる。すなわち、メモリセルMC2は消去状態となる。
読出し時には、例えば図29の「読出」の欄に示されるような電圧を、読出しを行う選択メモリセルの各部位に印加する。読出し時のメモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを、書込み状態における上記トランジスタのしきい値電圧と消去状態における上記トランジスタのしきい値電圧との間の値にすることで、書込み状態と消去状態とを判別することができる。
<半導体装置の効果>
本実施の形態の半導体装置では、前記実施の形態1の半導体装置と同様の効果を得ることができる。
すなわち、界面層として常誘電体膜HK1を形成することで、強誘電体膜HK2で誘起された電界により界面層で絶縁破壊が起こることを防ぐことができる。よって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、図3を用いて説明したように、強誘電体膜HK2を構成する結晶GR2を、常誘電体膜HK1を構成する結晶GR1よりも大きく形成しているため、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。これにより、強誘電体メモリの動作電圧を低減することができ、かつ、強誘電体メモリにおける情報の保持特性を向上させることができる。つまり、半導体装置の性能を向上させることができる。
ここでは、強誘電体膜HK2の下に、強誘電体膜HK2の下面に接する常誘電体膜HK1を形成することで、界面層である常誘電体膜HK1の上面上に結晶核が形成され難くなる。これにより、強誘電体膜HK2を構成する結晶GR2の数を低減することができる。よって、各結晶GR2は大きく成長することができる。
<半導体装置の製造工程>
以下に、図30〜図74を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。図30、図32、図34、図36、図39、図41および図43〜図74は、本実施の形態の半導体装置の形成工程中の断面図である。図31、図33、図35、図37、図38、図40および図42は、本実施の形態の半導体装置の形成工程中の斜視図である。図32、図34、図36、図39、図41および図43は、図31、図33、図35、図38、図40および図42の同じ位置におけるY方向に沿う断面を示す図である。上記斜視図では、ウェルの図示を省略する。
図30〜図44では、左側から右側に向かって順に並ぶメモリセル領域1Aおよびロジック回路領域1Dを示している。また、図45〜図74では、左側から右側に向かって順に並ぶメモリセル領域1A、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cを示している。nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cは、ロジック回路領域1Dを構成する領域である。
ここではまず、図30に示すように、半導体基板SBを用意し、半導体基板SBの主面上に、絶縁膜IF1、絶縁膜IF2および半導体膜SI1を順に形成する。半導体基板SBは、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどから成る。絶縁膜IF1は、例えば酸化シリコン膜から成り、例えば酸化法またはCVD法を用いて形成することができる。絶縁膜IF1の膜厚は、2〜10nm程度である。絶縁膜IF2は、例えば窒化シリコン膜から成り、その膜厚は、20〜100nm程度である。絶縁膜IF2は、例えばCVD法により形成する。半導体膜SI1は、例えばシリコン膜から成り、例えばCVD法により形成する。半導体膜SI1の膜厚は、例えば20〜200nmである。
次に、図31および図32に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、メモリセル領域1Aおよびロジック回路領域1Dの半導体膜SI1を加工する。これにより、絶縁膜IF2上には、X方向に延在する複数の半導体膜SI1のパターンが、Y方向に並んで複数形成される。図32は、図31に示す複数の半導体膜SI1のパターンを含む断面図である。
メモリセル領域1Aの当該パターンのY方向の幅は、ロジック回路領域1Dの当該パターンのY方向の幅よりも大きい。また、Y方向において、メモリセル領域1Aに並ぶ当該パターン同士の間隔は、ロジック回路領域1Dに並ぶ当該パターン同士の間隔よりも大きい。後の工程では、Y方向において半導体膜SI1に近接する領域にフィンが形成されるため、当該パターンの幅および間隔を変更することにより、隣り合うフィン同士の間隔を調整することができる。
次に、図33および図34に示すように、複数の半導体膜SI1のそれぞれの側面を覆うハードマスクHM1を形成する。ここでは、例えば、半導体基板SB上にCVD法を用いて、10〜40nmの膜厚を有する酸化シリコン膜を形成した後、異方性エッチングであるドライエッチングを行う。これにより絶縁膜IF2および半導体膜SI1のそれぞれの上面を露出させることで、半導体膜SI1の側面に残った当該酸化シリコン膜から成るハードマスクHM1を形成する。ハードマスクHM1は、隣り合う半導体膜SI1同士の間を完全に埋め込んではいない。図33に示すように、ハードマスクHM1は、各半導体膜SI1を囲むように環状に形成されている。
次に、図35および図36に示すように、ウェットエッチング法を用いて半導体膜SI1を除去する。続いて、メモリセル領域1AのハードマスクHM1を覆い、ロジック回路領域1DのハードマスクHM1を露出するフォトレジスト膜PR1を形成する。続いて、ウェットエッチングを行うことで、ハードマスクHM1の表面を一部除去する。これにより、ロジック回路領域1DのハードマスクHM1の幅を細くする。なお、本願でいう幅とは、半導体基板SBの主面に沿う方向におけるパターンなどの長さを指す。
ハードマスクHM1は、その直下にフィンを形成するために用いられるマスクである。このため、上記のようにしてメモリセル領域1AのハードマスクHM1の幅とロジック回路領域1DのハードマスクHM1の幅とに差を設けることで、メモリセル領域1Aおよびロジック回路領域1Dに形成するフィンの幅に差を設けることができる。
次に、図37に示すように、フォトレジスト膜PR1を除去した後、メモリセル領域1Aおよびロジック回路領域1Dにおいて各ハードマスクHM1の一部を覆うフォトレジスト膜PR2を形成する。フォトレジスト膜PR2は、ハードマスクHM1のうち、X方向に延在する部分を覆い、X方向に延在する当該部分の端部と、Y方向に延在する部分とを露出するレジストパターンである。つまり、X方向におけるハードマスクHM1の両端は、フォトレジスト膜PR2から露出している。
次に、図38および図39に示すように、フォトレジスト膜PR2をマスクとして用いてエッチングを行うことで、各ハードマスクHM1の一部を除去し、その後、フォトレジスト膜PR2を除去する。これにより、ハードマスクHM1は、X方向に延在する部分のみが残る。すなわち、絶縁膜IF2上には、X方向に延在するパターンであるハードマスクHM1が、Y方向に複数並んで配置されている。
次に、図40および図41に示すように、ハードマスクHM1をマスクとして、絶縁膜IF2、IF1および半導体基板SBに対して異方性ドライエッチングを行う。これにより、ハードマスクHM1の直下に、板状(壁状)に加工された半導体基板SBの一部であるパターン、つまりフィンFA、FBおよびFCを形成する。ここでは、ハードマスクHM1から露出した領域の半導体基板SBの主面を100〜250nm掘り下げることで、半導体基板SBの主面からの高さ100〜250nmを有するフィンFA、FBおよびFCが形成できる。
次に、図42および図43に示すように、半導体基板SBの上に、フィンFA、FB、FC、絶縁膜IF1およびIF2を完全に埋めるように、酸化シリコン膜などから成る絶縁膜を堆積する。続いて、この絶縁膜に対してCMP法による研磨処理を行い、絶縁膜IF2の上面を露出させる。これにより、当該絶縁膜から成る素子分離領域EIを形成する。当該CMP工程により、ハードマスクHM1は除去される。なお、素子分離領域EIを構成する絶縁膜を形成する前にハードマスクHM1を除去してもよい。
次に、図44に示すように、絶縁膜IF1、IF2を除去する。続いて、素子分離領域EIの上面に対しエッチング処理を施すことで、素子分離領域EIの上面を高さ方向に後退(下降)させる。これにより、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの側面の一部および上面を露出させる。
続いて、イオン注入法を用いて半導体基板SBの主面に不純物を導入することにより、メモリセル領域1AのフィンFA内にp型ウェルPW1を形成し、ロジック回路領域1DのフィンFB内にp型ウェルPW2を形成し、ロジック回路領域1DのフィンFC内にn型ウェルNWを形成する。p型ウェルPW1、PW2は、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで形成する。n型ウェルNWは、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込むことで形成する。各ウェルは、各フィン内の全体および各フィンの下部の半導体基板SBの一部に広がって形成される。
次に、図45に示すように、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの上面および側面を覆う絶縁膜IF3を形成する。絶縁膜IF3は、例えば熱酸化法により形成することができ、例えば2nm程度の膜厚を有する酸化シリコン膜から成る。続いて、絶縁膜IF3上に、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの高さ以上の膜厚を有する半導体膜SI2をCVD法などにより堆積した後、半導体膜SI2の上面をCMP法などにより平坦化することにより、平坦な上面を有する半導体膜SI2を形成する。その後、半導体膜SI2上に、例えばCVD法を用いて絶縁膜IF4を形成する。半導体膜SI2は、例えばポリシリコン膜(シリコン膜)から成り、絶縁膜IF4は、例えば窒化シリコン膜から成る。上記のように半導体膜SI2に対してCMP法による研磨工程を行った後においても、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの上面上に半導体膜SI2が残っている。
次に、図46に示すように、メモリセル領域1AのフィンFAの一部の直上と、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cとを覆うフォトレジスト膜(図示しない)を形成する。当該フォトレジスト膜は、メモリセル領域1Aにおいて、Y方向(図の奥行き方向)に並ぶ複数のフィンFAのそれぞれの一部を覆うように形成された、Y方向に延在するレジストパターンを含んでいる。当該レジストパターンの横の領域において、フィンFAの上面がフォトレジスト膜から露出している。
続いて、当該フォトレジスト膜をマスクとして用いてエッチングを行うことにより、メモリセル領域1Aの絶縁膜IF4、半導体膜SI2のそれぞれの一部を除去し、これによりメモリセル領域1Aの素子分離領域EIの上面および絶縁膜IF3の表面を露出させる。すなわち、フィンFAの上面の一部および側面の一部は、絶縁膜IF4および半導体膜SI2から露出する。これにより、フィンFA上には、半導体膜SI2から成る制御ゲート電極CG2が形成される。また、これにより、制御ゲート電極CG2とフィンFAとの間の絶縁膜IF3から成るゲート絶縁膜GFが形成される。
なお、ここでは、制御ゲート電極CG2から露出するフィンFAの表面を覆う絶縁膜IF3が、上記エッチングおよびその後に行う洗浄工程により除去され、フィンFAの表面が露出される場合について説明するが、フィンFAの上面および側面は絶縁膜IF3に覆われたままでもよい。
次に、図47に示すように、順に積層された半導体基板SB上に常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1を形成する。半導体基板SB上に常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1の形成工程は、図8〜図13を用いて説明した工程と同様である。
半導体基板SB上に常誘電体膜HK1、強誘電体膜HK2および金属膜MF1から成る積層膜は、素子分離領域EIの上面、並びに、フィンFAの上面および側面を覆っている。また、当該積層膜は、制御ゲート電極CG2および絶縁膜IF4から成る積層パターンの上面および側面を覆っている。
次に、図48に示すように、半導体基板SB上に、例えばCVD法を用いて、半導体膜SI3を形成する。半導体膜SI3は、例えばポリシリコン膜から成り、制御ゲート電極CG2および絶縁膜IF4を含む積層体の高さよりも膜厚が大きい。続いて、半導体膜SI3の上面をCMP法により研磨することで、絶縁膜IF4上の強誘電体膜HK2および金属膜MF1から成る積層膜の上面を露出させる。
次に、図49に示すように、エッチバック工程を行うことで、半導体膜SI3の上面を後退させる。これにより、半導体膜SI3の上面の位置は、例えば、制御ゲート電極CG2の上面の位置とほぼ等しい高さとなる。
次に、図50に示すように、半導体基板SB上に、例えばCVD法を用いて、絶縁膜IF5を形成する。絶縁膜IF5は、例えば窒化シリコン膜から成り、絶縁膜IF4の側面および上面と、半導体膜SI3の上面とを、上記積層膜を介して覆っている。
次に、図51に示すように、ドライエッチングを行うことで、絶縁膜IF5の一部を除去し、これにより上記積層膜の上面と半導体膜SI3の上面の一部とを露出させる。すなわち、絶縁膜IF5は、絶縁膜IF4の側面に上記積層膜を介してサイドウォール状に残る。続いて、絶縁膜IF5をマスクとしてエッチングを行うことで、半導体膜SI3を加工する。これにより、制御ゲート電極CG2の両側の側面に近接する領域に半導体膜SI3が残り、制御ゲート電極CG2の両側の側面に近接する領域以外の領域において、フィンFAの上面は半導体膜SI3から露出する。
制御ゲート電極CG2のゲート長方向(X方向)における一方の側面に上記積層膜を介して近接する半導体膜SI3は、メモリゲート電極MGを構成する。メモリゲート電極MGは、制御ゲート電極CG2と並んで、複数のフィンFAに跨がるようにY方向に延在している。
次に、図52に示すように、メモリゲート電極MGおよびその直上の絶縁膜IF5を覆うレジストパターン(図示しない)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとして用いてエッチングを行うことにより、当該レジストパターンから露出する絶縁膜IF5および半導体膜SI3を除去する。これにより、ゲート長方向において、制御ゲート電極CG2の一方の側面には上記積層膜を介してメモリゲート電極MGが残り、制御ゲート電極CG2の他方の側面は半導体膜SI3から露出する。
続いて、エッチングを行うことで、絶縁膜IF5およびメモリゲート電極MGに覆われていない上記積層膜を除去する。これにより、絶縁膜IF4の上面、フィンFAの上面、フィンFAの側面、素子分離領域EIの上面が露出する。また、メモリゲート電極MGに覆われていない絶縁膜IF4の側面および制御ゲート電極CG2の側面が露出する。
次に、図53に示すように、メモリセル領域1Aと、nMIS領域1BおよびpMIS領域1CのフィンFB、FCのそれぞれの一部の直上とを覆うフォトレジスト膜(図示しない)を形成する。当該フォトレジスト膜は、Y方向(図の奥行き方向)に並ぶ複数のフィンFBのそれぞれの一部を覆うように形成された、Y方向に延在するレジストパターンと、Y方向に並ぶ複数のフィンFCのそれぞれの一部を覆うように形成された、Y方向に延在するレジストパターンとを含んでいる。当該レジストパターンの横の領域において、フィンFB、FCのそれぞれの上面がフォトレジスト膜から露出している。
続いて、当該フォトレジスト膜をマスクとして用いてエッチングを行うことにより、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cの絶縁膜IF4、半導体膜SI2のそれぞれの一部を除去し、これによりnMIS領域1BおよびpMIS領域1Cの素子分離領域EIの上面および絶縁膜IF3の表面を露出させる。すなわち、フィンFB、FCのそれぞれの上面の一部および側面の一部は、絶縁膜IF4および半導体膜SI2から露出する。これにより、フィンFB、FCのそれぞれの上には、絶縁膜IF3を介して、半導体膜SI2から成るダミーゲート電極DGが形成される。
ダミーゲート電極DGは、後の工程で除去され、メタルゲート電極に置換される膜であり、完成した半導体装置には残らない。つまり、ダミーゲート電極DGは、擬似的なゲート電極である。なお、ここでは、ダミーゲート電極DGから露出するフィンFB、FCのそれぞれの表面を覆う絶縁膜IF3が除去される場合について説明する。その後、図示は省略するが、ダミーゲート電極DGの側面を覆う酸化シリコン膜を形成する。
次に、図54に示すように、絶縁膜IF4、IF5、制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MGおよびダミーゲート電極DGをマスクとして用いて、フィンFA、FBおよびFCのそれぞれの上面に対しイオン注入を行う。これにより、フィンFAの上面には、n型の半導体領域である一対のエクステンション領域EX1を形成する。また、フィンFBの上面には、n型の半導体領域である一対のエクステンション領域EX2を形成する。フィンFCの上面には、p型の半導体領域である一対のエクステンション領域EX3を形成する。
少なくとも、エクステンション領域EX3は、エクステンション領域EX1、EX2の形成工程とは別の工程で形成される。エクステンション領域EX1、EX2は、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込むことで形成することができる。エクステンション領域EX3は、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで形成することができる。
続いて、半導体基板SB上に、例えばCVD法を用いて絶縁膜IF6を形成する。絶縁膜IF6は、例えば窒化シリコン膜から成る。絶縁膜IF6は、素子分離領域EI、フィンFA、FB、FC、制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MG、ダミーゲート電極DG、絶縁膜IF4およびIF5のそれぞれの表面を覆っている。
次に、図55に示すように、nMIS領域1Bを露出し、メモリセル領域1AおよびpMIS領域1Cを覆うフォトレジスト膜PR3を形成した後、フォトレジスト膜PR3をマスクとしてドライエッチングを行うことで、nMIS領域1Bの絶縁膜IF6の一部を除去し、これにより、素子分離領域EI、フィンFBおよび絶縁膜IF4のそれぞれの上面を露出させる。ここで、nMIS領域1Bのダミーゲート電極DGおよび当該ダミーゲート電極DG上の絶縁膜IF4から成る積層体の側面には、絶縁膜IF6から成るサイドウォールスペーサSWが形成される。
このとき、フィンFBの側面に絶縁膜IF6から成るサイドウォールが形成されてもよいが、図ではフィンFBの側面に形成されるサイドウォールの図示を省略している。後の工程でフィンFA、FCの側面にサイドウォールが形成される場合も、サイドウォールの図示は省略する。
次に、図56に示すように、フォトレジスト膜PR3、絶縁膜IF4およびサイドウォールスペーサSWをマスクとしてドライエッチングを行うことで、nMIS領域1Bのダミーゲート電極DGおよびサイドウォールスペーサSWを含むパターンの横に露出するフィンFBの上面を後退させる。これにより、当該パターンから露出するフィンFBの上面は、素子分離領域EIの上面よりも高く、ダミーゲート電極DGの直下のフィンFBの上面よりも低い位置まで後退する。
次に、図57に示すように、フォトレジスト膜PR3を除去した後、エピタキシャル成長法を用いて、MIS領域1Bのダミーゲート電極DGおよびサイドウォールスペーサSWを含むパターンの横に露出するフィンFBの上面および側面を覆うエピタキシャル層EP1を形成する。エピタキシャル層EP1は、例えばSi(シリコン)から成る。また、ここでは例えばSiP(リン化シリコン)膜またはSiC(炭化シリコン)膜から成るエピタキシャル層EP1を形成してもよい。
エピタキシャル層EP1は、図28を用いて説明したように、菱形の断面形状を有する半導体層であり、Y方向におけるフィンFBの側面を覆っている。図57では、エピタキシャル層EP1はX方向におけるフィンFBの側面を覆っていないが、当該側面をエピタキシャル層EP1が覆っていてもよい。X方向におけるフィンFBの側面が酸化シリコン膜などにより覆われている場合には、当該側面はエピタキシャル層EP1に覆われないことが考えられる。
次に、図58に示すように、半導体基板上に、例えば窒化シリコン膜から成る絶縁膜IF7を形成する。絶縁膜IF7は、例えばCVD法を用いて形成することができる。メモリセル領域1AおよびpMIS領域1Cでは、絶縁膜IF6の表面を覆う様に絶縁膜IF7が形成されるが、図では絶縁膜IF7は絶縁膜IF6と一体となっているものとして、メモリセル領域1AおよびpMIS領域1Cの絶縁膜IF7の図示を省略する。
次に、図59に示すように、pMIS領域1Cを露出し、メモリセル領域1AおよびnMIS領域1Bを覆うフォトレジスト膜PR4を形成した後、フォトレジスト膜PR4をマスクとしてドライエッチングを行うことで、pMIS領域1Cの絶縁膜IF6の一部を除去し、これにより、素子分離領域EI、フィンFCおよび絶縁膜IF4のそれぞれの上面を露出させる。ここで、pMIS領域1Cのダミーゲート電極DGおよび当該ダミーゲート電極DG上の絶縁膜IF4から成る積層体の側面には、絶縁膜IF6から成るサイドウォールスペーサSWが形成される。
次に、図60に示すように、フォトレジスト膜PR4、絶縁膜IF4およびサイドウォールスペーサSWをマスクとしてドライエッチングを行うことで、pMIS領域1Cのダミーゲート電極DGおよびサイドウォールスペーサSWを含むパターンの横に露出するフィンFCの上面を後退させる。これにより、当該パターンから露出するフィンFCの上面は、素子分離領域EIの上面よりも高く、ダミーゲート電極DGの直下のフィンFCの上面よりも低い位置まで後退する。
次に、図61に示すように、フォトレジスト膜PR4を除去した後、エピタキシャル成長法を用いて、pMIS領域1Cのダミーゲート電極DGおよびサイドウォールスペーサSWを含むパターンの横に露出するフィンFCの上面および側面を覆うエピタキシャル層EP2を形成する。エピタキシャル層EP2は、例えばSiGe(シリコンゲルマニウム)から成る。
エピタキシャル層EP2は、図28を用いて説明したように、菱形の断面形状を有する半導体層であり、Y方向におけるフィンFCの側面を覆っている。図61では、エピタキシャル層EP2はX方向におけるフィンFCの側面を覆っていないが、当該側面をエピタキシャル層EP2が覆っていてもよい。X方向におけるフィンFCの側面が酸化シリコン膜などにより覆われている場合には、当該側面はエピタキシャル層EP2に覆われないことが考えられる。
次に、図62に示すように、半導体基板上に、例えば窒化シリコン膜から成る絶縁膜IF8を形成する。絶縁膜IF8は、例えばCVD法を用いて形成することができる。絶縁膜IF8は、メモリセル領域1Aにおいて絶縁膜IF6の表面を覆い、nMIS領域1Bにおいて絶縁膜IF7の表面を覆う様に形成される。ただし、図では、絶縁膜IF8はメモリセル領域1Aの絶縁膜IF6およびnMIS領域1Bの絶縁膜IF7と一体となっているものとして、メモリセル領域1AおよびnMIS領域1Bの絶縁膜IF8の図示を省略する。
次に、図63に示すように、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cを覆い、メモリセル領域1Aを露出するフォトレジスト膜PR5を形成する。その後、フォトレジスト膜PR5をマスクとしてドライエッチングを行うことで、メモリセル領域1Aの絶縁膜IF6の一部を除去し、これにより、素子分離領域EI、フィンFA、絶縁膜IF4およびIF5のそれぞれの上面を露出させる。ここで、メモリセル領域1Aの制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MG、絶縁膜IF4およびIF5を含む積層体の側面には、絶縁膜IF6から成るサイドウォールスペーサSWが形成される。
次に、図64に示すように、フォトレジスト膜PR5を除去した後、絶縁膜IF4、IF5、ダミーゲート電極DG、制御ゲート電極CG2、メモリゲート電極MGおよびサイドウォールスペーサSWをマスクとして用いて、フィンFA、FBおよびFCの上面に対しイオン注入を行う。これにより、フィンFAの上面には、n型の半導体領域である一対の拡散領域D1を形成する。また、フィンFBの上面には、n型の半導体領域である一対の拡散領域D2を形成する。フィンFCの上面には、p型の半導体領域である一対の拡散領域D3を形成する。ここでは、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cでは、絶縁膜IF7、IF8を貫通してフィンFB、FCに不純物が打ち込まれる。
少なくとも、拡散領域D3は、拡散領域D1、D2の形成工程とは別の工程で形成される。拡散領域D1、D2は、n型の不純物(例えばP(リン)またはAs(ヒ素))を打ち込むことで形成することができる。拡散領域D3は、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで形成することができる。拡散領域D1、D2の形成工程では、エクステンション領域EX1、EX2を形成する際に行うイオン注入工程よりも高い不純物濃度でイオン注入を行う。また、拡散領域D3の形成工程では、エクステンション領域EX3を形成する際に行うイオン注入工程よりも高い不純物濃度でイオン注入を行う。
これにより、拡散領域D1およびエクステンション領域EX1を含むソース・ドレイン領域と、拡散領域D2およびエクステンション領域EX2を含むソース・ドレイン領域と、拡散領域D3およびエクステンション領域EX3を含むソース・ドレイン領域とを形成する。このイオン注入工程では、拡散領域D2は、エピタキシャル層EP1と、エピタキシャル層EP1の下のフィンFBのそれぞれに形成される。また、拡散領域D3は、エピタキシャル層EP2と、エピタキシャル層EP2の下のフィンFCのそれぞれに形成される。
メモリセル領域1Aにおいて、ソース・ドレイン領域および制御ゲート電極CG2は、制御トランジスタを構成し、当該ソース・ドレイン領域およびメモリゲート電極MGは、メモリトランジスタを構成する。また、制御トランジスタおよびメモリトランジスタは、メモリセルMC2を構成する。
ここでは、エピタキシャル層EP1、EP2を形成した後に拡散領域D1〜D3を形成しているが、拡散領域D2は、例えば図55を用いて説明したサイドウォールスペーサSWを形成した後であって、図56を用いて説明したエッチング工程の前に形成してもよい。また、拡散領域D3は、例えば図59を用いて説明したサイドウォールスペーサSWを形成した後であって、図60を用いて説明したエッチング工程の前に形成してもよい。
次に、図65に示すように、周知のサイリサイドプロセスにより、メモリセル領域1AのフィンFAに形成されたソース・ドレイン領域を覆うシリサイド層S1を形成する。ここでは、フィンFAの側面および上面を覆うシリサイド層S1を形成する。なお、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cでは、フィンFB、FC、エピタキシャル層EP1およびEP2などは絶縁膜(保護膜)IF7、IF8に覆われているため、フィンFB、FC、エピタキシャル層EP1およびEP2のそれぞれの表面がシリサイド化されることはない。シリサイド層S1の最上面の位置は、エピタキシャル層EP1、EP2の最上面の位置よりも低い。
続いて、半導体基板SBの主面上に、例えば窒化シリコン膜から成るライナー膜(図示しない)と、酸化シリコン膜から成る層間絶縁膜IL1とを順に形成する。当該ライナー膜および層間絶縁膜IL1は、例えばCVD法により形成することができる。層間絶縁膜IL1は、素子分離領域EI上のフィンFAの高さと、制御ゲート電極CG2および絶縁膜IF4から成る積層体の高さとの合計の高さよりも大きい膜厚を有する。その後、例えばCMP法を用いて層間絶縁膜IL1の上面を平坦化する。
次に、図66に示すように、例えばCMP法により層間絶縁膜IL1の上面および絶縁膜IF4、IF5およびサイドウォールスペーサSWに対して研磨を行うことで、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cのダミーゲート電極DGの上面を露出させる。これにより、絶縁膜IF4、IF5は除去されるため、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGのそれぞれの上面も露出する。
次に、図67に示すように、pMIS領域1Cにおいて露出したダミーゲート電極DGの除去工程を実施する。すなわち、半導体基板SB上に例えばCVD法によりハードマスクHM2を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、pMIS領域1CのハードマスクHM2を除去し、これによりpMIS領域1Cのダミーゲート電極DGを露出させる。ハードマスクHM2は、例えば酸化シリコン膜またはTiN(窒化チタン)膜から成り、nMIS領域1Bおよびメモリセル領域1Aの各ゲート電極はハードマスクHM2に覆われている。
続いて、ハードマスクHM2から露出するダミーゲート電極DGをウェットエッチングにより除去する。なお、ここではダミーゲート電極DGの下の絶縁膜IF3も除去するが、絶縁膜IF3は残しておいてもよい。また、絶縁膜IF3を除去した後、ダミーゲート電極DGが除去されて形成された溝の底面を覆う絶縁膜を形成してもよい。
次に、図68に示すように、当該溝内に、ゲート絶縁膜である絶縁膜HKと、メタルゲート電極であるゲート電極G2とを形成する。すなわち、まず、ハードマスクHM2上を含む半導体基板SB上に、例えばCVD法およびスパッタリング法を用いて、絶縁膜HK、金属膜MF5およびMF4を順に形成する。絶縁膜HKは、窒化シリコン膜よりも誘電率が高いhigh−k膜であり、ここでは酸化ハフニウム膜から成るが、その他、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜または酸化ランタン膜などの金属酸化物により形成されていてもよい。
金属膜MF5は、ここでは窒化チタン(TiN)膜から成るが、その他に、窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、炭化チタン(TiC)膜、炭化タンタル(TaC)膜、炭化タングステン(WC)膜、窒化炭化タンタル(TaCN)膜、チタン(Ti)膜、タンタル(Ta)膜またはチタンアルミニウム(TiAl)膜などを用いてもよい。金属膜MF6は、例えばアルミニウム(Al)膜から成る。
pMIS領域1Cのダミーゲート電極DGが除去されることで形成された溝は、絶縁膜HK、金属膜MF5およびMF4から成る積層膜により、完全に埋め込まれる。その後、例えばCMP法により層間絶縁膜IL1上の不要な膜を除去し、pMIS領域1Cの層間絶縁膜IL1の上面を露出させることで、当該溝内に埋め込まれた絶縁膜HKから成るゲート絶縁膜と、当該溝内に埋め込まれた金属膜MF5、MF4から成るゲート電極G2とを形成する。これにより、ゲート電極G2と、pMIS領域1Cのソース・ドレイン領域とを含むp型トランジスタQPが形成される。
次に、図69に示すように、nMIS領域1Bにおいて露出したダミーゲート電極DGの除去工程を実施する。すなわち、ハードマスクHM2を除去し、続いて、半導体基板SB上に例えばCVD法によりハードマスクHM3を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、nMIS領域1BのハードマスクHM3を除去し、これによりnMIS領域1Bのダミーゲート電極DGを露出させる。ハードマスクHM3は、例えば酸化シリコン膜またはTiN(窒化チタン)膜から成り、pMIS領域1Cおよびメモリセル領域1Aの各ゲート電極はハードマスクHM3に覆われている。
続いて、ハードマスクHM3から露出するダミーゲート電極DGをウェットエッチングにより除去する。なお、ここではダミーゲート電極DGの下の絶縁膜IF3も除去するが、絶縁膜IF3は残しておいてもよい。また、絶縁膜IF3を除去した後、ダミーゲート電極DGが除去されて形成された溝の底面を覆う絶縁膜を形成してもよい。
続いて、当該溝内に、ゲート絶縁膜である絶縁膜HKと、メタルゲート電極であるゲート電極G1とを形成する。すなわち、まず、ハードマスクHM3上を含む半導体基板SB上に、例えばCVD法およびスパッタリング法を用いて、絶縁膜HK、金属膜MF3およびMF2を順に形成する。絶縁膜HKは、窒化シリコン膜よりも誘電率が高いhigh−k膜であり、ここでは酸化ハフニウム膜から成るが、その他、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜、酸化タンタル膜または酸化ランタン膜などの金属酸化物により形成されていてもよい。
金属膜MF3は、ここではチタンアルミニウム(TiAl)膜から成るが、その他に、窒化チタン(TiN)膜、窒化タンタル(TaN)膜、窒化タングステン(WN)膜、炭化チタン(TiC)膜、炭化タンタル(TaC)膜、炭化タングステン(WC)膜、窒化炭化タンタル(TaCN)膜、チタン(Ti)膜またはタンタル(Ta)膜などを用いてもよい。金属膜MF4は、例えばアルミニウム(Al)膜から成る。
nMIS領域1Bのダミーゲート電極DGが除去されることで形成された溝は、絶縁膜HK、金属膜MF3およびMF2から成る積層膜により、完全に埋め込まれる。その後、例えばCMP法により層間絶縁膜IL1上の不要な膜を除去し、nMIS領域1Bの層間絶縁膜IL1の上面を露出させることで、当該溝内に埋め込まれた絶縁膜HKから成るゲート絶縁膜と、当該溝内に埋め込まれた金属膜MF3、MF2から成るゲート電極G1とを形成する。これにより、ゲート電極G1と、nMIS領域1Bのソース・ドレイン領域とを含むn型トランジスタQNが形成される。
次に、図70に示すように、ハードマスクHM3を除去し、続いて、半導体基板SB上に例えばCVD法により絶縁膜IF9を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、メモリセル領域1Aの絶縁膜IF9を除去する。したがって、nMIS領域1BおよびpMIS領域1Cのゲート電極G1、G2は絶縁膜IF9に覆われているが、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGは絶縁膜IF9から露出する。
続いて、周知のサリサイドプロセスを行うことで、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGのそれぞれの上面にシリサイド層S2を形成する。シリサイド層S1、S2は互いに同じ材料から成る。
次に、図71に示すように、例えばCVD法を用いて、絶縁膜IF9上を含む半導体基板SB上に、層間絶縁膜IL2を形成する。層間絶縁膜IL2は、例えば酸化シリコン膜から成る。続いて、層間絶縁膜IL2の上面をCMP法などにより平坦化する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法を用いて、層間絶縁膜IL2、IL1を貫通するコンタクトホールCHを複数形成する。なお、nMIS領域1BおよびpMIS領域1CのコンタクトホールCHは、絶縁膜IF9も貫通している。
メモリセル領域1Aにおいて、コンタクトホールCHの底部には、ソース・ドレイン領域の直上のシリサイド層S1の上面の一部が露出している。nMIS領域1Bにおいて、コンタクトホールCHの底部には、ソース・ドレイン領域の一部であるエピタキシャル層EP1の上面の一部が露出している。pMIS領域1Cにおいて、コンタクトホールCHの底部には、ソース・ドレイン領域の一部であるエピタキシャル層EP2の上面の一部が露出している。
また、図示していない領域において、ゲート電極G1、G2、制御ゲート電極CG2およびメモリゲート電極MGのそれぞれの上面の一部を露出するコンタクトホールCHが形成されている。これらのコンタクトホールCHは、層間絶縁膜IL1を貫通していない。また、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において、エピタキシャル層EP1、EP2のそれぞれの直上のコンタクトホールCHの長さは、シリサイド層S1の直上のコンタクトホールCHの長さよりも小さい。
次に、図72に示すように、周知のサリサイドプロセスを用いて、nMIS領域1BおよびpMIS領域1CのコンタクトホールCHの底部において露出するエピタキシャル層EP1、EP2のそれぞれの上面に、シリサイド層S3を形成する。すなわち、コンタクトホールCHの内部を含む半導体基板SBの主面上に、例えばCVD法を用いて金属膜を形成した後、熱処理を行うことで、当該金属膜とエピタキシャル層EP1、EP2のそれぞれの上面とを反応させることで、コンタクトホールCHの底部にシリサイド層S3を形成する。その後、当該金属膜を除去する。
ここでは、コンタクトホールCHのような細い開口部内にスパッタリング法に金属膜を形成することが困難であるため、CVD法により上記金属膜を形成している。ただし、Ni(ニッケル)膜はCVD法で形成することが困難であるため、ここではCVD法により形成することが容易なTi(チタン)膜を当該金属膜として形成している。したがって、シリサイド層S1は、TiSi2(チタンシリサイド)膜から成る。すなわち、シリサイド層S3は、シリサイド層S1、S2とは異なる材料から成る。なお、シリサイド層S3の形成工程において、Ti(チタン)膜がメモリセル領域1Aのシリサイド層S1の直上のコンタクトホールCHの底部に残ってもよい。
次に、図73に示すように、コンタクトホールCH内に、接続用の導電部材として、タングステン(W)などから成る導電性のプラグPG1、PG2を形成する。プラグPG1、PG2のそれぞれは、バリア導体膜(例えばチタン膜、窒化チタン膜、あるいは、それらの積層膜)と、バリア導体膜上に位置する主導体膜(例えばタングステン膜)との積層構造となっている。
プラグPG1は、メモリセルMC2のソース領域およびドレイン領域に、シリサイド層S1を介して電気的に接続されている。上記のようにシリサイド層S1上にTi膜が残っている場合は、プラグPG1とシリサイド層S1との間にTi膜が介在する。プラグPG2は、nMIS領域1BのコンタクトホールCH内に埋め込まれ、シリサイド層S3を介してエピタキシャル層EP1に電気的に接続されている。つまり、プラグPG2はn型トランジスタQNのソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。プラグPG2は、pMIS領域1CのコンタクトホールCH内に埋め込まれ、シリサイド層S3を介してエピタキシャル層EP2に電気的に接続されている。つまり、プラグPG2はp型トランジスタQPのソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。
半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において、エピタキシャル層EP1、EP2のそれぞれの直上のコンタクトホールCHの長さは、シリサイド層S1の直上のコンタクトホールCHの長さよりも小さい。これは、半導体基板SBの主面に対するシリサイド層S1の上面の高さが、半導体基板SBの主面に対するエピタキシャル層EP1、RP2のそれぞれの上面の高さよりも低いためである。
エピタキシャル層EP1、EP2のそれぞれの上面の高さがシリサイド層S1の上面の高さよりも高いのは、エピタキシャル層EP1、EP2を大きい体積で形成することにより、n型トランジスタQNおよびp型トランジスタQPのそれぞれのソース・ドレイン領域を低抵抗化するためである。すなわち、メモリセル領域1Aのシリサイド層S1は、半導体層に比べて抵抗値が低い材料から成るため、大きな体積および膜厚を有していなくてもメモリセルMC2のソース・ドレイン領域を十分に低抵抗化することができる。
これに対し、エピタキシャル層EP1、EP2はシリサイド層S1に比べて高抵抗である。よって、n型トランジスタQNおよびp型トランジスタQPのそれぞれのソース・ドレイン領域を低抵抗化するためには、シリサイド層S1に比べて大きな体積および膜厚が必要となる。言い換えれば、エピタキシャル層EP1、EP2のそれぞれの上面の高さを、シリサイド層S1の上面の高さよりも高く形成することで、n型トランジスタQNおよびp型トランジスタQPのそれぞれのソース・ドレイン領域を低抵抗化することができる。
なお、シリサイド層S3を形成するために堆積した金属膜(チタン膜)がシリサイド層S1上のコンタクトホールCH内の底部に残っている場合には、シリサイド層S1の上面とプラグPG1との間にTi(チタン)膜が介在する。
次に、図74に示すように、層間絶縁膜IL2上に配線M1を形成する。配線M1は、バリア導体膜(例えば窒化チタン膜、タンタル膜または窒化タンタル膜など)と、バリア導体膜上に形成された主導体膜(銅膜)の積層構造から成る。図3では、図面の簡略化のために、配線M1は、バリア導体膜および主導体膜を一体化して示してある。また、プラグPG1、PG2も同様である。
配線M1は、例えば所謂シングルダマシン法により形成することができる。すなわち、層間絶縁膜IL2上に、配線溝を有する層間絶縁膜を形成し、当該配線溝内に金属膜を埋め込むことで、配線M1を形成することができる。ただし、ここでは配線M1の横の層間絶縁膜の図示を省略している。
<半導体装置の製造方法の効果>
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の効果について説明する。
本実施の形態の半導体装置の製造方法では、前記実施の形態1の半導体装置の製造方法と同様の効果を得ることができる。すなわち、強誘電体膜HK2と半導体基板SB(フィンFA)との間に界面層(ブロック層)として常誘電体膜HK1を形成しているため、強誘電体膜HK2で誘起された電界により界面層で絶縁破壊が起こることを防ぐことができる。よって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図3を用いて説明したように、強誘電体膜HK2の結晶GR2を常誘電体膜HK1の結晶GR1よりも大きく形成しているため、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。これにより、強誘電体メモリの動作電圧を低減することができ、かつ、強誘電体メモリにおける情報の保持特性を向上させることができる。つまり、半導体装置の性能を向上させることができる。ここでは、強誘電体膜HK2の下面に接する界面層として常誘電体膜HK1を形成しているため、結晶GR2を結晶GR1よりも大きく形成することができる。
また、本実施の形態では、図47を用いて説明した工程において、マイクロ波を用いて強誘電体膜HK2を形成している。すなわち、図12および図13を用いて説明した第2熱処理において、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向に電場が振動するマイクロ波を用いて加熱を行っている。これにより、垂直方向に分極する直方晶を強誘電体膜HK2内に成長させることができる。すなわち、強誘電体膜HK2内に、垂直方向以外の方向に分極する結晶が成長することを防ぐことができる。これにより、強誘電体膜HK2を構成する複数の結晶の分極の向きが揃うため、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。
また、マイクロ波を用いて第2熱処理を行うことで、400℃以下の低温で結晶化を行い、これにより形成される強誘電体膜HK2内に直方晶を形成し易くすることができる。すなわち、強誘電体膜HK2を構成する結晶相のうち、直方晶の割合を増大させることで、強誘電体膜HK2の残留分極を増大させることができる。
また、high−k膜AM2(図11参照)上に金属膜MF1を形成した状態で第2熱処理を行うことで、強誘電体膜HK2内に直方晶が形成され易くすることができる。
上記のように、強誘電体膜HK2内に直方晶が形成され易くすることで、強誘電体膜HK2の分極性能を高めることができる。つまり、メモリセルMC2の制御ゲート電極CG1に印加する電圧が低くても、強誘電体膜HK2を分極させることができるため、強誘電体メモリの省電力化を実現することができる。また、残留分極が増大することで、保持特性を向上させることができる。以上より、半導体装置の性能を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態1および2では、n型トランジスタから成るメモリセルについて説明したが、当該トランジスタをp型トランジスタとして形成してもよい。その場合は、トランジスタを構成するウェルおよびソース・ドレイン領域などの導電型を逆にすればよい。
また、前記実施の形態1の変形例1、2は、前記実施の形態2に適用することもできる。