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JP6921024B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
ピストンの開口端内部に溝部を設け、シムに、この溝部に弾性的に係着する係止爪を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−184744号公報
摩擦パッドの引き摺りを抑制しつつ制動後のピストンの戻り量が過大になることを抑制することが望まれている。
本発明の目的は、摩擦パッドの引き摺りを抑制しつつ制動後のピストンの戻り量が過大になることを抑制することができるディスクブレーキを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、パッドおよびピストンに、前記パッドおよび前記ピストンの所定距離以内での離間を許容し所定距離を超える離間を規制する規制部が設けられている、構成とした。
本発明によれば、摩擦パッドの引き摺りを抑制しつつ制動後のピストンの戻り量が過大になることを抑制することができる。
第1実施形態のディスクブレーキを示す断面図。 第1実施形態のディスクブレーキのキャリパボディ、ピストンおよびシール部材を示す部分拡大断面図。 第1実施形態のディスクブレーキのピストンを示す断面図。 第1実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示す背面図。 第1実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示す平面図。 第1実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示す斜視図。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を概略的に示す断面図。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を概略的に示す断面図。 第1実施形態のディスクブレーキの要部を概略的に示す断面図。 第2実施形態のディスクブレーキのピストンを示す断面図。 第2実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示す平面図。 第2実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示す斜視図。 第2実施形態のディスクブレーキの要部を概略的に示す断面図。 第2実施形態のディスクブレーキの要部を概略的に示す断面図。 第2実施形態のディスクブレーキの要部を概略的に示す断面図。
[第1実施形態]
第1実施形態を図1〜図9を参照して以下に説明する。図1に示す第1実施形態のディスクブレーキ10は、図示略の車輪と共に回転する円板状のディスク11の回転を止めることで車両を制動するものである。以下、ディスク11の中心軸線の方向をディスク軸方向、ディスク11の径方向をディスク径方向、ディスク11の周方向つまり回転方向をディスク周方向と称す。また、ディスク径方向におけるディスク11の中心側をディスク径方向の内側、ディスク径方向におけるディスク11の中心とは反対側をディスク径方向の外側と称す。
図1に示すように、ディスクブレーキ10は、一対の摩擦パッド13,14と、キャリパ15と、図示略の取付部材と、を備えている。ディスクブレーキ10は、図示略の取付部材が、ディスク11の外周側を跨いで配置されて車両の非回転部分に取り付けられることになり、この取付部材に、図1に示す一対の摩擦パッド13,14およびキャリパ15がディスク軸方向にスライド可能に支持される構造になっている。
一対の摩擦パッド13,14は、いずれも、金属製の裏板31と、裏板31の板厚方向一側の面32に貼り付けられた摩擦材であるライニング33と、を有するパッド本体34を備えている。
一方の摩擦パッド13は、ディスク11に対向して配置されており、ライニング33をディスク11に対向させる向きで、その裏板31が、図示略の取付部材に支持されることになる。この状態で、摩擦パッド13は、裏板31のライニング33とは反対側の面35がディスク11とは反対側に向く。また、この状態で、摩擦パッド13は、ライニング33が裏板31とは反対側の面36でディスク11に対向する。摩擦パッド13は、ライニング33のディスク11とは反対の面37に設けられた裏板31を介して図示略の取付部材に支持される。摩擦パッド13は、ディスク11よりも車両の車幅方向の内側であるインナ側に配置されるインナ側の摩擦パッドである。
また、他方の摩擦パッド14は、ディスク11に対向して配置されており、ライニング33をディスク11に対向させる向きで、その裏板31が、図示略の取付部材に支持されることになる。この摩擦パッド14は、ディスク11よりも車両の車幅方向の外側であるアウタ側に配置されるアウタ側の摩擦パッドである。
図示略の取付部材に支持された状態の摩擦パッド13,14は、ディスク11の軸方向両側に配置されており、ディスク軸方向に移動可能となる。これらの摩擦パッド13,14は、ディスク軸方向に沿ってディスク11側に移動すると、それぞれのライニング33がディスク11に接触する。
キャリパ15は、キャリパボディ40と、ピストン41と、シール部材42と、を備えている。言い換えれば、ピストン41は、ディスクブレーキ10のキャリパ15の一部を構成する。
キャリパ15は、キャリパボディ40が、図示略の取付部材にディスク軸方向にスライド可能に支持される。キャリパボディ40は、ディスク11に対しディスク軸方向のインナ側に配置されるシリンダ46と、シリンダ46のディスク径方向の外側からディスク11の外周を跨ぐようにディスク軸方向に沿って延出するブリッジ部47と、ブリッジ部47のシリンダ46とは反対側からディスク径方向の内側に延出してディスク11に対しディスク軸方向のアウタ側に配置される爪部48と、を有している。
シリンダ46には、爪部48側に向けて開口するシリンダ開口50を有してディスク軸方向のディスク11とは反対側に凹むボア部51が形成されている。ボア部51には、ピストン41がディスク軸方向に移動可能となるように配置されている。ボア部51の壁面52は、ピストン41の移動を案内する円筒面であるガイド内周面53を有している。ボア部51の壁面52は、シリンダ開口50側に、ガイド内周面53よりも径方向外方に凹む円環状のシール溝55を有している。
シール溝55は、図2に示すように、そのシリンダ開口50側(図2における左側)の径方向外側の壁面57が、ガイド内周面53の軸直交方向に広がる円環状の平坦面となっており、この壁面57の径方向内側が、径方向内側ほど軸方向のシリンダ開口50側に位置するテーパ面58となっている。
図1に示すように、ピストン41は、円板状のピストン底部61と円筒状のピストン胴部62とを備えている。ピストン41は、ピストン胴部62のピストン底部61とは反対側の端部が開口する有底円筒状に形成されている。ピストン41は、ピストン底部61がボア部51内でシリンダ開口50とは反対側に位置する向きでボア部51に移動可能に収容されている。
図3にも示すように、ピストン41には、ピストン胴部62のピストン底部61とは反対側の端部に、ピストン胴部62よりも径方向内側に突出する内フランジ部63が形成されている。内フランジ部63は、ピストン41の周方向の全周にわたって連続しており、円環状をなしている。
図1に示すシール部材42は、円環状であり、ボア部51のシール溝55に嵌合されている。このシール部材42の内周側にピストン41が嵌合されている。シール部材42は、内周側がピストン41に全周にわたって接触することになり、外周側がシール溝55の溝底に全周にわたって接触することになる。これにより、シール部材42は、シリンダ46とピストン41との隙間をシールして、ピストン41とシリンダ46との間に液圧室65を形成する。それと共に、シール部材42は、ボア部51のガイド内周面53とでピストン41をディスク軸方向にスライド可能に支持する。
シリンダ46には、液圧室65を外部に連通させる連通孔66が形成されており、この連通孔66から液圧室65にブレーキ液が導入される。液圧室65に導入されたブレーキ液がピストン41を爪部48側に前進させる。
一方のインナ側の摩擦パッド13は、ピストン41とディスク11との間に配置されており、他方のアウタ側の摩擦パッド14は、爪部48とディスク11との間に配置されている。
インナ側の摩擦パッド13は、裏板31およびライニング33を有するパッド本体34と、裏板31の面35を覆う、図4〜図6にも示すシム71とを有している。
図5,図6に示すように、裏板31は、平板状であり、ライニング33が貼着される中央板部75と、中央板部75のディスク周方向の両端部からディスク周方向の両外側に突出する一対の耳部76とを有している。裏板31は、幅方向の中央を基準とした略鏡面対称状をなしている。裏板31は、一対の耳部76が、図示略の取付部材に支持されることになる。
シム71は、パッド本体34の熱がピストン41に伝わるのを抑制し、また、摩擦パッド13のブレーキ鳴きを抑制するために設けられるものである。図5に示すように、シム71は、平板状の主板部81が、裏板31の面35に面接触で当接して、この面35を覆う。シム71は、一枚の板材からプレス加工により形成された一体成形品である。シム71は、主板部81が、グリス等で裏板31に貼り付けられており、裏板31に対し一体的に取り付けられている。なお、シム71に裏板31に係合する係合爪を設けて、シム71を裏板31に弾性的に取り付けても良い。
図6に示すように、シム71は、主板部81から切り起こされた複数の係止爪91を有している。係止爪91は、主板部81から垂直に延出する延出部92と、延出部92の主板部81とは反対側の端部から主板部81と平行をなすように突出する爪部93とを有している。図4に示すように、これら係止爪91は、それぞれの延出部92が、同一の円筒の一部をなすように湾曲しており、その結果、湾曲の半径が同等で湾曲の中心が一致する。これら係止爪91の爪部93は、いずれも突出の基端にある延出部92に対し延出部92の湾曲の中心とは反対方向に突出している。図5に示すように、これら係止爪91の爪部93は、主板部81と平行な同一平面に配置されている。
図1に示すように、複数の係止爪91の爪部93の外接円の直径は、ピストン41の内フランジ部63の内径よりも大きく、ピストン胴部62の内径よりも若干小さい。複数の延出部92の外接円の直径は、ピストン41の内フランジ部63の内径よりも若干小さい。複数の係止爪91の延出部92の主板部81と爪部93との間の部分の長さは、ピストン41の内フランジ部63の軸方向の長さよりも所定値長い。
シム71は、複数の係止爪91がピストン41の内フランジ部63に係合される。すなわち、複数の係止爪91の延出部92を弾性変形させることで、複数の爪部93の外接円の直径を内フランジ部63の内径よりも小さくした状態で、複数の係止爪91をピストン41の内フランジ部63に挿入し、複数の係止爪91の爪部93が内フランジ部63よりもピストン底部61側に位置した状態で、複数の係止爪91の延出部92の弾性変形を解除する。すると、複数の爪部93の外接円の直径が内フランジ部63の内径よりも大きくなる。これにより、シム71とピストン41との外れを、複数の爪部93が内フランジ部63に当接することで規制する状態になる。
ピストン41の軸方向において、シム71は、複数の爪部93が内フランジ部63に当接する位置までピストン41から主板部81を離間させることが可能であり、それ以上の主板部81のピストン41からの離間が規制される。また、ピストン41の軸方向において、シム71は、その主板部81がピストン41に当接するまでピストン41に近接可能である。加えて、複数の爪部93とピストン41とは、ピストン41の軸方向に相対的にスライド可能となっている。
よって、シム71の複数の係止爪91とピストン41の内フランジ部63とが、摩擦パッド13およびピストン41に設けられて、摩擦パッド13およびピストン41の所定距離以内での離間を許容し、この所定距離を超える離間を規制する規制部101を構成している。規制部101は、この所定距離以内の範囲であれば、摩擦パッド13とピストン41とを離間した状態に保持可能である。言い換えれば、規制部101は、この所定距離以内の範囲で離間した状態の摩擦パッド13とピストン41とに対しては、これらを近接させる方向の力を発生させない。さらに言い換えれば、規制部101は、摩擦パッド13とピストン41とを、この所定距離以内の範囲でピストン41の軸方向に自由移動可能に連結している。規制部101は、摩擦パッド13のシム71とピストン41とに設けられている。
第1実施形態においては、キャリパ15の液圧室65内のブレーキ液圧が上昇し、このブレーキ液圧がピストン41に作用すると、ピストン41が、シリンダ46に対しディスク11側に前進し、図7に示すように、ピストン41とディスク11との間に配置されたインナ側の摩擦パッド13のシム71の主板部81に当接して、摩擦パッド13をディスク11に向けて押圧する。これにより、インナ側の摩擦パッド13が移動してディスク11に接触する。このとき、摩擦パッド13のシム71は、複数の係止爪91の爪部93がピストン41の内フランジ部63から所定距離δ離間する。
また、この押圧の反力で、キャリパボディ40が図示略の取付部材に対しスライドしてディスク軸方向に移動し、図1に示す爪部48が、爪部48とディスク11との間に配置されたアウタ側の摩擦パッド14をディスク11に向かって押圧する。これにより、アウタ側の摩擦パッド14が、ディスク11に接触する。このようにして、キャリパ15は、ピストン41の作動により、ピストン41と爪部48とで一対の摩擦パッド13,14を両側から挟持してディスク11の両面に押圧する。その結果、一対の摩擦パッド13,14は、ディスク11に摩擦抵抗を付与して、制動力を発生させる。キャリパ15は、フィスト型キャリパである。
ここで、上記のように、ピストン41がシリンダ46に対してディスク11側に前進する際に、シリンダ46に設けられたシール部材42は、ピストン41と接触する内周側の部分がピストン41と共にディスク11側に移動するようにシール溝55内で弾性変形する。このとき、図2に示すようにシール溝55の径方向内側のシリンダ開口50側(図2における左側)にテーパ面58が形成されているため、シール部材42は、より大きく弾性変形することが可能となっている。
図7に示す制動時の状態から、キャリパ15の液圧室65内に導入されたブレーキ液の液圧が低下すると、ピストン41は、シール部材42の弾性変形の復元力、いわゆるロールバックで、図8に示すように、シリンダ46に対しディスク11とは反対側に後退させられる。
このとき、摩擦パッド13の図示略の取付部材に対する摩擦力がシール部材42のロールバック力よりも十分に大きくなるように設定されている。このため、摩擦パッド13は図示略の取付部材に対し摩擦力で移動が抑制された状態で、図8に示すように、シム71の複数の爪部93が、ピストン41の内フランジ部63に当接して引っかかることになって、ピストン41のそれ以上の後退を規制する。すなわち、摩擦パッド13の複数の係止爪91とピストン41の内フランジ部63とからなる規制部101が、摩擦パッド13およびピストン41の所定距離δを超える離間を規制する。その結果、ピストン41のシリンダ46に対するディスク11とは反対の方向への移動が所定距離δの範囲内に規制される。
そして、このようにピストン41の移動が摩擦パッド13によって規制された状態でシール部材42が弾性変形前の状態に戻る。その後、図9に示すように、ディスク11の振れで摩擦パッド13が所定距離δの範囲内でピストン41およびシリンダ46に対してディスク11から離れる方向に移動する。
規制部101は、裏板31に沿うシム71の一部がピストン軸方向に延出した延出部92と、延出部92の端部がピストン径方向に折り曲げられた爪部93(係止部)とを有している。規制部101は、ピストン41がシム71に対し相対移動した場合、爪部93がピストン41の内周部に係止する。
特許文献1に記載のディスクブレーキは、ピストンの開口端内部に溝部を設け、シムに、この溝部に弾性的に係着する係止爪を設けたものである。このような構成では、摩擦パッドが基本的にピストンと一体に移動するため、制動後、ピストンのシール部材によるロールバック量が小さくピストンを十分に後退させることができないと、摩擦パッドとディスクとの隙間が狭くなり、ディスクの振れで摩擦パッドに引き摺りを発生させてしまう可能性がある。例えば、シール部材の経年劣化によるヘタリや、摩擦パッドの摩耗が生じると、ピストンを十分に後退させることができなくなってしまう。摩擦パッドの引き摺りを抑制するためには、シール部材の復元力が低下してもピストンを戻すことができるようにピストンのシール部材によるロールバック量を大きくすれば良い。しかし、このようにすると、シール部材の復元力が低下していない状態ではロールバック量が大きくなり過ぎる。すると、ピストンの後退量が大きくなり、無効ストロークが増大して、次の制動時の応答性に影響を及ぼしてしまう。
これに対し、第1実施形態のディスクブレーキ10は、摩擦パッド13およびピストン41に、摩擦パッド13およびピストン41の所定距離δ以内での離間を許容し所定距離δを超える離間を規制する規制部101が設けられている。このため、引き摺りを抑制するようにピストン41のシール部材42によるロールバック量を大きくしても、制動後にピストン41が所定距離δを超えて後退することを抑制できる。したがって、制動後のピストン41の戻りを確実にしつつ戻り量が過大になることを抑制することができる。よって、摩擦パッド13の引き摺りを抑制しつつ次の制動時の応答性が良好になる。加えて、摩擦パッド13の異常摩耗を抑制できるので、摩擦パッド13の長寿命化およびブレーキ鳴き低減の効果が得られる。
また、第1実施形態のディスクブレーキ10は、規制部101が、シム71およびピストン41に設けられているため、規制部101を設けるためのコスト増を抑制することができる。
なお、複数の係止爪91をシム71ではなく裏板31に設けても良い。例えば、裏板31とは別体の複数の係止爪91を裏板31に溶接や加締めにより固定したりすることが可能である。その場合、溶接部分や加締め部分にシム71やピストン41が当接しないように配置することになる。勿論、第1実施形態のように一枚の板材からなるシム71に切り起こしで複数の係止爪91を形成する方が、製造が容易であり、大幅にコストを低減することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図10〜図15に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態は、第1実施形態のピストン41とは一部異なるピストン41Aを備えている。図10に示すように、ピストン41Aは、ピストン胴部62のピストン底部61とは反対側に、他の部分よりも外径が小径の小径部111を有しており、小径部111のピストン底部61とは反対側であってピストン胴部62のピストン底部61とは反対側の端部に、小径部111よりも径方向外側に突出する外フランジ部63Aが形成されている。小径部111および外フランジ部63Aは、ピストン41Aの周方向の全周にわたって連続しており、円環状をなしている。
第2実施形態は、第1実施形態のインナ側の摩擦パッド13とは一部異なるインナ側の摩擦パッド13Aを有している。摩擦パッド13Aは、図11,図12に示すように、第1実施形態と同様のパッド本体34と、第1実施形態のシム71とは一部異なるシム71Aとを有している。
シム71Aも、一枚の板材からプレス加工により形成された一体成形品であり、第1実施形態と同様の主板部81から切り起こされた第1実施形態とは一部異なる複数の係止爪91Aを有している。係止爪91Aは、主板部81から垂直に延出する第1実施形態と同様の延出部92と、延出部92の主板部81とは反対側から主板部81に平行をなすように突出する第1実施形態とは異なる爪部93Aとを有している。これら係止爪91Aの爪部93Aは、いずれも突出の基端にある延出部92に対し延出部92の湾曲の中心の方向に突出している。これら係止爪91Aの爪部93Aは、主板部81と平行な同一平面に配置されている。
複数の係止爪91Aの爪部93Aの内接円の直径は、図10に示すピストン41Aの外フランジ部63Aの外径よりも小さく、小径部111の外径よりも若干大きい。複数の延出部92の内接円の直径は、ピストン41の外フランジ部63Aの外径よりも若干大きい。複数の係止爪91Aの延出部92の主板部81と爪部93Aとの間の部分の長さは、ピストン41の外フランジ部63Aの軸方向長さよりも所定値長い。
シム71Aは、複数の係止爪91Aがピストン41Aの外フランジ部63Aに係合される。すなわち、複数の係止爪91Aの延出部92を弾性変形させることで、複数の爪部93Aの内接円の直径を外フランジ部63Aの外径よりも大きくした状態で、複数の係止爪91Aの内側にピストン41Aの外フランジ部63Aを挿入し、複数の係止爪91Aの爪部93Aが外フランジ部63Aよりもピストン底部61側に位置した状態で、複数の係止爪91Aの延出部92の弾性変形を解除する。すると、複数の爪部93Aの内接円の直径が外フランジ部63Aの外径よりも小さくなり、これにより、シム71Aとピストン41Aとの外れを、複数の爪部93Aが外フランジ部63Aに当接することで規制する状態となる。
ピストン41Aの軸方向において、シム71Aは、複数の爪部93Aが外フランジ部63Aに当接する位置までピストン41Aから主板部81を離間させることが可能であり、それ以上の主板部81のピストン41Aからの離間が規制される。また、ピストン41Aの軸方向において、シム71Aは、その主板部81がピストン41Aに当接するまでピストン41Aに近接可能である。複数の爪部93Aとピストン41Aとは、ピストン41Aの軸方向に相対的にスライド可能となっている。
よって、シム71Aの複数の係止爪91Aとピストン41Aの外フランジ部63Aとが、摩擦パッド13Aおよびピストン41Aに設けられて、摩擦パッド13Aおよびピストン41Aの所定距離以内での離間を許容し、この所定距離を超える離間を規制する規制部101Aを構成している。規制部101Aは、この所定距離以内の範囲であれば、摩擦パッド13Aとピストン41Aとを離間した状態に保持可能である。言い換えれば、規制部101Aは、この所定距離以内の範囲で離間した状態の摩擦パッド13Aとピストン41Aとに対しては、これらを近接させる方向の力を発生させない。さらに言い換えれば、規制部101Aは、摩擦パッド13Aとピストン41Aとを、この所定距離以内の範囲でピストン41Aの軸方向に自由移動可能に連結している。規制部101Aは、摩擦パッド13Aのシム71Aとピストン41Aとに設けられている。
第2実施形態においても、キャリパ15の液圧室65内のブレーキ液圧が上昇し、このブレーキ液圧がピストン41Aに作用すると、ピストン41Aが、シリンダ46に対しディスク11側に前進し、図13に示すように、ピストン41Aとディスク11との間に配置されたインナ側の摩擦パッド13Aのシム71Aの主板部81に当接して、摩擦パッド13Aをディスク11に向けて押圧する。これにより、インナ側の摩擦パッド13Aが移動してディスク11に接触する。このとき、摩擦パッド13Aのシム71Aは、複数の係止爪91Aの爪部93Aがピストン41Aの外フランジ部63Aから所定距離δ離間する。
そして、制動後にキャリパ15の液圧室65内に導入されたブレーキ液の液圧が低下すると、ピストン41Aは、シール部材42の弾性変形の復元力、いわゆるロールバックでシリンダ46に対しディスク11とは反対側に後退させられる。このとき、図示略の取付部材に対し摩擦力で摩擦パッド13Aの移動が抑制されており、図14に示すように、摩擦パッド13Aの複数の爪部93Aがピストン41Aの外フランジ部63Aに当接し、ピストン41Aのそれ以上の後退を規制する。すなわち、複数の係止爪91Aと外フランジ部63Aとからなる規制部101Aが、摩擦パッド13Aおよびピストン41Aの所定距離δを超える離間を規制する。その結果、ピストン41Aのシリンダ46に対するディスク11とは反対方向への移動が所定距離δ以内に規制される。このようにピストン41Aの移動が規制された状態でシール部材42が弾性変形前の状態に戻る。その後、図15に示すように、ディスク11の振れで摩擦パッド13Aが所定距離δの範囲内でピストン41Aおよびシリンダ46に対してディスク11から離れる方向に移動する。
規制部101Aは、裏板31に沿うシム71Aの一部がピストン軸方向に延出した延出部92と、延出部92の端部がピストン径方向に折り曲げられた爪部93A(係止部)とを有している。規制部101Aは、ピストン41Aがシム71Aに対し相対移動した場合、爪部93Aがピストン41Aの外周部に係止する。
第2実施形態は、摩擦パッド13Aおよびピストン41Aに、摩擦パッド13Aおよびピストン41Aの所定距離δ以内での離間を許容し所定距離δを超える離間を規制する規制部101Aが設けられている。このため、第1実施形態と同様、摩擦パッド13Aの引き摺りを抑制しつつ制動後のピストン41Aの戻り量が過大になることを抑制することができる。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、ディスクに対向する摩擦パッドと、前記摩擦パッドを前記ディスクに押圧するピストンと、前記ピストンを移動可能に収容するボア部を有するシリンダと、前記ボア部のシール溝に配置されて前記ピストンに接触するシール部材と、を備えたディスクブレーキであって、前記摩擦パッドおよび前記ピストンには、前記摩擦パッドおよび前記ピストンの所定距離以内での離間を許容し所定距離を超える離間を規制する規制部が設けられていることを特徴とする。これにより、摩擦パッドの引き摺りを抑制しつつ制動後のピストンの戻り量が過大になることを抑制することができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記摩擦パッドは、前記ディスクに接触するライニングと、前記ライニングの前記ディスクとは反対の面に設けられる裏板と、前記裏板の前記ライニングとは反対側の面を覆うシムと、を有し、前記規制部は、前記シムおよび前記ピストンに設けられていることを特徴とする。
第3の態様は、第2の態様において、前記規制部は、前記裏板に沿う前記シムの一部が前記ピストン軸方向に延出した延出部と、該延出部の端部が前記ピストン径方向に折り曲げられた係止部とを有し、前記ピストンが前記シムに対し相対移動した場合、前記係止部が前記ピストンの内周部又は外周部に係止することを特徴とする。
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
13,13A 摩擦パッド
31 裏板
33 ライニング
36 面
41,41A ピストン
42 シール部材
46 シリンダ
51 ボア部
55 シール溝
71,71A シム
101,101A 規制部

Claims (3)

  1. ディスクに対向する摩擦パッドと、
    前記摩擦パッドを前記ディスクに押圧するピストンと、
    前記ピストンを移動可能に収容するボア部を有するシリンダと、
    前記ボア部のシール溝に配置されて前記ピストンに接触するシール部材と、を備えたディスクブレーキであって、
    前記摩擦パッドおよび前記ピストンには、前記摩擦パッドおよび前記ピストンの所定距離以内での離間を許容し所定距離を超える離間を規制する規制部が設けられていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記摩擦パッドは、
    前記ディスクに接触するライニングと、
    前記ライニングの前記ディスクとは反対の面に設けられる裏板と、
    前記裏板の前記ライニングとは反対側の面を覆うシムと、を有し、
    前記規制部は、前記シムおよび前記ピストンに設けられていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記規制部は、前記裏板に沿う前記シムの一部が前記ピストン軸方向に延出した延出部と、該延出部の端部が前記ピストン径方向に折り曲げられた係止部とを有し、
    前記ピストンが前記シムに対し相対移動した場合、前記係止部が前記ピストンの内周部又は外周部に係止することを特徴とする請求項2記載のディスクブレーキ。
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