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JP6921441B2 - アンテナ複合体、アンテナ構造体及び通信システム - Google Patents
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JP6921441B2 - アンテナ複合体、アンテナ構造体及び通信システム - Google Patents

アンテナ複合体、アンテナ構造体及び通信システム Download PDF

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Description

本発明は、アンテナ複合体、アンテナ構造体及び通信システムに関する。
特許文献1には、自己の識別情報を含む電波を予め設定した送信周期と送信出力で近距離無線送信し、電池で駆動する電波送信機と、電波送信機を収容し、電波送信機から送信される電波の特定方向への放射を規制し予め設定した領域に電波を送信する遮蔽体と、を備える電波送信装置が記載されている。
特許文献2には、携帯端末機は所持者に帯同して移動され、電波発信機から受信した電波情報と、携帯端末機の方位情報とを、所定の間隔でネットワーク機器を介して管理サーバに送信して、管理サーバ用データベースに保存し、管理サーバの制御部は、複数の電波情報から算出した携帯端末機の平面座標と、方位情報とからなる端末機位置データを生成し、端末機位置データから携帯端末機の移動軌跡の算出と、移動軌跡中の各地点における滞在時間の算出と、当該地点における携帯端末機の向いている指向方向の検出とを行う位置情報取得システムが記載されている。
特開2015−106814号公報 特開2015−152483号公報
ところで、ビーコンを使用した位置検出では、一般的に複数のビーコンを空間に配置し、端末などが受信したビーコンのIDと受信電波強度とから位置を検出する。しかし、ビーコンは、一方的に自身のIDを電波により送信するだけであるため、実際に位置を検出するためには、受信した端末からビーコンのIDと受信電波強度とを別回線にてホストコンピュータなどに問い合わせ、位置の情報などを得る必要があり、システムが複雑となっていた。
本発明の目的は、一方的に電波を送信するビーコンの機能を備えるとともにデータの送受信を可能としたアンテナ構造体を複数備えるアンテナ複合体などを提供する。
請求項1に記載の発明は、それぞれが個別に電波を送受信する複数のアンテナ構造体と、複数の前記アンテナ構造体と接続されるとともに、データ送受信するデータ線を有する配線板と、を備え、複数の前記アンテナ構造体は、それぞれに対して定められた通信可能なセルに対して電波を送受信する指向性を有するアンテナ部と、それぞれに対して設けられた、前記データ線から受信したデータを当該アンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該アンテナ部が受信した電波による信号を当該データ線へ送信するデータに変換する通信制御部とを備えるアンテナ複合体である。
請求項2に記載の発明は、複数の前記アンテナ構造体は、列状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ複合体である。
請求項3に記載の発明は、複数の前記アンテナ構造体の配列の外側の少なくとも一方に設けられ、隣接して設けられた他のアンテナ複合体に含まれるアンテナ構造体と電波を介してデータの送受信を行う他のアンテナ構造体を、備えることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ複合体である。
請求項4に記載の発明は、前記他のアンテナ構造体は、前記他のアンテナ複合体に含まれるアンテナ構造体と電波の送受信を行う他のアンテナ部と、前記データ線から受信したデータを前記他のアンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該他のアンテナ部が受信した電波による信号を当該データ線へ送信するデータに変換する他の通信制御部とを備えることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ複合体である。
請求項5に記載の発明は、前記アンテナ部、前記他のアンテナ部及び前記配線板は、可撓性を有することを特徴とする請求項4に記載のアンテナ複合体である。
請求項6に記載の発明は、前記アンテナ部は、送受信する電波のピーク周波数がそれぞれ異なる複数のアンテナを備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ複合体である。
請求項7に記載の発明は、複数の前記アンテナは、接地電極と放電極とが対向するように構成されたパッチアンテナであって、ピーク周波数に対応して当該放電極の面積が異なることを特徴とする請求項6に記載のアンテナ複合体である。
請求項8に記載の発明は、前記他のアンテナ部は、位相の異なる電波を送受信する電波の位相がそれぞれ異なる複数の他のアンテナを備えることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ複合体である。
請求項9に記載の発明は、複数の前記アンテナ構造体及び前記配線板は、表面及び裏面のいずれか一方に粘着剤が付与され、表面及び裏面のいずれか他方に絵柄が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ複合体である。
請求項10に記載の発明は、送受信する電波のピーク周波数がそれぞれ異なる複数のアンテナを備えたアンテナ部と、受信したデータを前記アンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該アンテナ部が受信した電波による信号をデータに変換して送信する通信制御部とを備えるアンテナ構造体である。
請求項11に記載の発明は、前記アンテナ部が備える複数の前記アンテナの前記ピーク周波数は、送受信する電波の周波数帯域を複数に分割して設定されていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造体である。
請求項12に記載の発明は、複数の前記アンテナは、接地電極と放電極とが対向するように構成されたパッチアンテナであって、ピーク周波数に対応して当該放電極の面積が異なることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ構造体である。
請求項13に記載の発明は、データが送受信されるデータ線を有する配線板と、定められた通信可能なセルに対して電波を送受信する指向性を有するアンテナ部と、前記データ線から受信したデータを当該アンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該アンテナ部が受信した電波による信号を当該データ線へ送信するデータに変換する通信制御部と、をそれぞれ有し、個別に電波を送受信する複数のアンテナ構造体と、を備えるアンテナ複合体を含み、複数の前記アンテナ構造体が、当該アンテナ構造体が有する前記通信制御部を介して複数の当該アンテナ構造体間でデータを伝搬させるとともに、データが外部に設けられるホストコンピュータと送受信されることを特徴とする通信システムである。
請求項14に記載の発明は、複数の前記アンテナ構造体は、列状に配列され、前記アンテナ構造体間でのデータの伝搬が、配列に沿ってリレー方式で行われることを特徴とする請求項13に記載の通信システムである。
請求項15に記載の発明は、複数の前記アンテナ構造体の列状に配列された一方の端部に設けられたアンテナ構造体を介して、複数の当該アンテナ構造体を伝搬したデータが前記ホストコンピュータと送受信されることを特徴とする請求項14に記載の通信システムである。
請求項1に記載の発明によれば、一方的に電波を送信するビーコンの機能を備えるとともにデータの送受信が可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、列状に配列されていない場合に比べ、構成が簡易になる。
請求項3に記載の発明によれば、他のアンテナ構造体を備えない場合に比べ、拡張性が高くなる。
請求項4に記載の発明によれば、アンテナ部と他のアンテナ部とを備えない場合に比べ、小型化できる。
請求項5に記載の発明によれば、可撓性を有しない場合に比べ、搬送及び設置が容易になる。
請求項6、10に記載の発明によれば、複数のアンテナを備えない場合に比べ、広周波数帯域化できる。
請求項7、12に記載の発明によれば、パッチアンテナでない場合に比べ、薄型にしやすい。
請求項8に記載の発明によれば、位相を異ならせない場合に比べ、薄型にしやすい。
請求項9に記載の発明によれば、より容易に設置できると共に、環境に溶け込みやすくなる。
請求項11に記載の発明によれば、周波数帯域を複数に分割しない場合に比べ、ピーク周波数が設定しやすい。
請求項13に記載の発明によれば、容易に通信システムが構築できる。
請求項14に記載の発明によれば、リレー方式でない場合に比べ、通信制御が容易になる。
請求項15に記載の発明によれば、端部で接続しない場合に比べ、接続が容易になる。
本実施の形態が適用される通信システムの概念を説明する図である。 アンテナ複合体及びアンテナ構造体を説明する図である。(a)は、アンテナ複合体、(b)は、アンテナ構造体の平面図、(c)は、(b)のIIC−IIC線でのアンテナ構造体の断面図である。 アンテナ部に高い周波数帯の信号を入力して励振した状態を説明する図である。(a)は、放射電極への給電の様子を示す図、(b)は、遠方界における電波の指向性を示す図である。 アンテナ構造体を説明する図である。(a)は、アンテナ構造体の平面図、(b)は、(a)のIVB−IVB線でのアンテナ構造体の断面図、(c)は、アンテナ構造体におけるアンテナ部の電波の指向性を説明する図である。 アンテナ構造体の変形例を示す平面図である。
ビーコンは、位置を検出することが基本的な機能である。位置を検出する方法としては、複数のビーコンを空間に配置し、端末などが受信したビーコンのID(以下では、ビーコンIDと表記する。)と受信電波強度とから位置を検出する。しかし、ビーコンは、自身のビーコンIDを送信するだけであるため、実際に位置を検出するためには、受信した端末からビーコンIDと受信電波強度を別回線にてホストコンピュータなどに問い合わせ、ホストコンピュータにおいて位置の計算をして、端末に返送する必要があり、システムが複雑となっていた。
また、このようにビーコンIDを送信するビーコンのアンテナは、指向性を有しない。つまり、電波をアンテナの周囲の360°方向に無指向に送信する。電波は、距離の2乗で減衰する。よって、2つのビーコンの一方に近ければ、電波の強度が大きく、距離による差分が取れる。しかし、ビーコンが無指向性の電波を送信する場合、電波の届く範囲は同心円状になるため、隣接する2つのビーコン間における隙間を少なくするためには、電波の重なる領域を大きくせざるを得ないとともに、このような領域では電波の減衰量が大きく、差分が取れにくい。つまり、数メートル離れるだけでも、受信強度が許容範囲以下になって、位置が算定しにくくなってしまうという問題があった。
そこで、電波を一方的に送信する機能(ビーコンの機能)に加え、電波の受信ができる機能(レシーバの機能)を有するアンテナ構造体を構成し、アンテナ構造体からビーコンとしての電波を受信した端末などから、アンテナ構造体を介して、ビーコンIDと受信電波強度などの情報をホストコンピュータに送信することを考えた。このようにすれば、ホストコンピュータに問い合わせるための通信回線を別に用意することを要しない。
また、アンテナ構造体が備えるアンテナが送信する電波に指向性を持たせて、距離が離れることによる電波の急激な減衰が抑制されるようにしている。よって、位置の違いによる電波強度の変化が大きくなるので、位置検出がしやすくなる。また、アンテナ構造体は、端末などから電波を受信しやすくなる。さらに、アンテナが送信する電波に指向性を持たせることで、隣接するアンテナ構造体間で指向性の向きが並列するようにすれば、電波の重なる領域が狭くできる。よって、隣接するアンテナ構造体間において、位置が算定しにくくなることが抑制される。
そして、アンテナ構造体を複数搭載して一体化したアンテナ複合体とすることで、容易に設置可能としている。
このようにすることで、アンテナ構造体及びアンテナ複合体は、端末などの位置を検出する用途以外に、簡易な通信システムとして使用することを可能としている。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態(本実施の形態)について詳細に説明する。
なお、Bluetooth(登録商標)LE(Low Energy)の機能を実現する半導体部品(チップ)を、通信制御部の一例として説明する。なお、Bluetooth LEは、Bluetooth SIGによって策定された省電力を強調した規格である。
(通信システム1)
図1は、本実施の形態が適用される通信システム1の概念を説明する図である。
図1は、予め設定されたエリア(区画)内(室内)に通信システム1が構成された図である。通信システム1は、複数(ここでは、3つ)のアンテナ複合体10、ホストコンピュータ20、AC給電部30及び電池給電部40を備える。3つのアンテナ複合体10をそれぞれ区別する場合には、アンテナ複合体10−1、10−2、10−3と表記する。
ここでは、2つのアンテナ複合体10−1、10−2は、エリアを区画する2方向のそれぞれ壁面に貼るようにして設けられている。また、アンテナ複合体10−3は、エリアの床面に貼るようにして設けられている。
AC給電部30は、交流電源(AC電源)のコンセントであって、接続されることにより交流電源からアンテナ複合体10に電力が供給される。電池給電部40は、電池を内蔵し、接続されることにより電池からアンテナ複合体10に電力が供給される。
そして、エリア内には、アンテナ複合体10と電波の送受信が可能な通信端末50を所持する移動者A、電波の発信のみが可能な発信専用端末60を所持する移動者Bがいる。さらに、エリア内には、アンテナ複合体10と電波の送受信が可能な無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)70及びアンテナ複合体10と電波の送受信が可能なドローン(無人航空機)80がある。ここでは、移動者Aの所持する通信端末50、移動者Bが所持する発信専用端末60、無人搬送車70及びドローン80を、エリア内において移動可能であることから移動体と表記することがある。なお、エリア内に移動可能な他の移動体があってもよい。なお、移動体は、エリア内からエリア外に移動するもの、エリア外からエリア内に移動するものを含む。
アンテナ複合体10は、複数のアンテナ構造体100、200を備える。アンテナ構造体100は、列状に配列されている。そして、アンテナ構造体200は、アンテナ構造体100の配列の両端部に配置されている。これらのアンテナ構造体100、200は、エリア内に電波を送信するとともに、エリア内から電波を受信する。なお、後述するように、アンテナ構造体100、200は、エリア内と電波を送受信可能な指向性を有している。
ここで、アンテナ構造体100のそれぞれを区別する場合、アンテナ複合体10−1がアンテナ構造体100−11〜100−15を備え、アンテナ複合体10−2がアンテナ構造体100−21、100−22を備え、アンテナ複合体10−3がアンテナ構造体100−31、100−32を備えるとする。また、アンテナ構造体200のそれぞれを区別する場合、アンテナ複合体10−1がアンテナ構造体200−11、200−12を備え、アンテナ複合体10−2がアンテナ構造体200−21、200−22を備え、アンテナ複合体10−3がアンテナ構造体200−31、200−32を備えるとする。
これらのアンテナ構造体100、200は、配線(後述する図2(a)の配線板300)で接続されている。配線板300をそれぞれ区別する場合、アンテナ複合体10−1が配線板300−1を備え、アンテナ複合体10−2が配線板300−2を備え、アンテナ複合体10−3が配線板300−3を備えるとする。配線板300は、電力を供給する電力供給線とデータを送受信するデータ線を備える。つまり、アンテナ複合体10に含まれる複数のアンテナ構造体100、200は、電力供給線により電力が供給され、データ線によりデータが送受信される。ここでは、データは、一例としてリレー方式で伝搬(送受信)されるとする。つまり、データ線は、隣接するアンテナ構造体100、200間を接続するように設けられている。リレー方式での通信は、マルチホップと呼ばれるので、以下ではマルチホップと表記する。図1において、データ線を用いたマルチホップによる通信を両端に矢印を設けた直線で表記する。なお、バスを設け、バスに複数のアンテナ構造体100、200を接続するようにしてもよい(バス方式)。
なお、リレー方式で通信を行うことで、通信制御部120における通信制御が容易になる。
そして、アンテナ複合体10の内、アンテナ複合体10−1、10−2は、AC給電部30に接続されている。つまり、アンテナ複合体10−1、10−2に含まれるアンテナ構造体100は、交流電源から電力が供給される。なお、AC給電部30に接続されるアンテナ複合体10は、交流(AC)を直流(DC)に変換するAC−DC変換器(コンバータ)を備える。
一方、アンテナ複合体10−3は、電池給電部40に接続されている。つまり、アンテナ複合体10−3に含まれるアンテナ構造体100は、電池から電力が供給される。Bluetooth LEを用いれば、省電力であるので、電池からの電力供給で長期間の駆動が可能である。
また、Bluetooth LEでは、電波の出力に応じて通信可能距離が1mから数10mに設定可能である。よって、通信可能距離によりアンテナ構造体100、200のそれぞれの通信可能距離内の領域であるセルの大きさ(広さ)が設定できる。つまり、用途によって、セルの大きさ、つまりアンテナ構造体100、200を配列する間隔などを設定できる。
アンテナ複合体10−2は、アンテナ複合体10−1に近い端部に位置するアンテナ構造体200−31が、アンテナ複合体10−1のアンテナ複合体10−2に近い端部に位置するアンテナ構造体200−12と無線で相互に接続されるようになっている。同様に、アンテナ複合体10−3も、アンテナ複合体10−1に近い端部に位置するアンテナ構造体200−21が、アンテナ複合体10−1のアンテナ複合体10−2に近い端部に位置するアンテナ構造体200−11と無線で相互に接続されている。これらの無線での相互接続もアンテナ複合体10内のアンテナ構造体100間での通信と同様に、マルチホップで行われる。なお、図1において、無線によるマルチホップによる通信を両端に矢印を設けた弧で表記する。
つまり、アンテナ構造体200は、アンテナ構造体100と同様に、エリア内と電波の送受信を行うとともに、隣接するアンテナ複合体10と電波による通信を行えるようになっている。なお、アンテナ複合体10−2におけるアンテナ構造体200−22及びアンテナ複合体10−3におけるアンテナ構造体200−32は、隣接するアンテナ複合体10が存在しないため、他のアンテナ複合体10と無線での通信をしない。
そして、アンテナ複合体10−1の一端部に位置するアンテナ構造体200−12の部分(配線板300の部分)で、ホストコンピュータ20に接続されている。一端部に位置するアンテナ構造体200−12を介して、ホストコンピュータ20と接続することで、アンテナ複合体10とホストコンピュータ20との接続が容易になる。
なお、図1では、アンテナ複合体10−1の一端部に位置するアンテナ構造体200−12の部分と、ホストコンピュータ20とが有線(信号線)にて接続されているように記載されているが、アンテナ構造体200−12が備えるアンテナ部110(後述する図2参照)などを介して無線で接続されてもよい。
また、後述するように、アンテナ構造体100及びアンテナ構造体200の備える通信制御部120(後述する図2参照)は、マイクロプロセッサ、RAM、ROMなどを備え、Bluetooth LEの機能を実現するためのソフトウェアに加えて、アプリケーション開発者が開発したソフトウェアが実装されている。よって、アンテナ構造体100及び/又はアンテナ構造体200が、ホストコンピュータとして機能するようにしてもよい。このような場合であっても、ホストコンピュータとして機能するアンテナ構造体100及び/又はアンテナ構造体200をホストコンピュータとする。
以上説明したように、アンテナ複合体10(アンテナ複合体10−1、10−2、10−3)のアンテナ構造体100、200間において、マルチホップで通信(データの伝搬)を行う。そして、すべてのアンテナ構造体100、200は、アンテナ複合体10−1のホストコンピュータ20に接続されたアンテナ構造体200−12を介して、ホストコンピュータ20と通信を行うようになっている。
アンテナ構造体100、200を列状に配列することで、アンテナ複合体10の構成が簡易になる。
なお、アンテナ複合体10は、両端部にアンテナ構造体200を備えるとしたが、一端部のみにアンテナ構造体200を備えてもよい。また、アンテナ複合体10は、アンテナ構造体200を備えなくてもよい。この場合、アンテナ複合体10の一端部に設けられたアンテナ構造体100(アンテナ複合体10−1の場合では、例えばアンテナ構造体100−15)を介して、ホストコンピュータ20に接続すればよい。
アンテナ複合体10間の通信(データの伝搬)を無線によるマルチホップで行うことで、2つのアンテナ複合体10の端部間を無線が届く距離に配置すればよく、接続のための有線の配線を設けることを要しない。そして、複数のアンテナ複合体10を制限なく接続(連結)することが可能になる。つまり、アンテナ複合体10の両端部を無線によるマルチホップによる通信が可能なアンテナ構造体200としておけば、複数のアンテナ複合体10を用いた通信システム1が容易に構築できる。
なお、アンテナ構造体100、200には、識別可能なアドレス(ID)が付される。よって、マルチホップであっても、通信されるデータ(情報)がアンテナ構造体100、200毎に識別可能である。
(アンテナ複合体10及びアンテナ構造体100)
図2は、アンテナ複合体10及びアンテナ構造体100を説明する図である。図2(a)は、アンテナ複合体10、図2(b)は、アンテナ構造体100の平面図、図2(c)は、図2(b)のIIC−IIC線でのアンテナ構造体100の断面図である。
アンテナ複合体10は、複数のアンテナ構造体100、200及び配線板300を備える。複数のアンテナ構造体100は、可撓性(フレキシビリティ性)を有する配線板300に列状に配列されて接続されている。そして、配線板300の両端部のそれぞれには、アンテナ構造体200が接続されている。
配線板300は、例えばフレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible printed circuits)である。配線板300内には、電力供給線とデータ線とが設けられている。そして、電力供給線を構成する電源線(+側)と接地(GND)線(−側)が、アンテナ複合体10に含まれるすべてのアンテナ構造体100、200に電力が供給されるように、すべてのアンテナ構造体100に並列に接続されている。
一方、データ線は、マルチホップで通信するように、隣接するアンテナ構造体100間、及びアンテナ構造体200とアンテナ構造体200に隣接するアンテナ構造体100との間に設けられている。なお、並行して設けられるデータ線の数は、行うデータ通信の方式などによって設定されている。
つまり、配線板300は、帯状であって、一端部から他端部まで電力供給線が設けられている。そして、アンテナ構造体100,200が接続される部分において、アンテナ構造体100を電力供給線に接続できるように端子が形成されている。一方、データ線は、隣接するアンテナ構造体100間、及び両端部に設けられたアンテナ構造体200とアンテナ構造体200に隣接するアンテナ構造体100との間に設けられ、アンテナ構造体100、200がデータ線に接続できるように端子が形成されている。なお、配線板300は、例えば、基材がポリイミドなどの樹脂フィルムで構成され、電力供給線及びデータ線が基材上に設けられた銅層(銅箔)、銀層(銀箔)などの導電性材料で構成されている。そして、電力供給線及びデータ線は、電力供給線及びデータ線に設けられた端子の部分を除いて、電気絶縁性材料の保護層で覆われている。
図2(b)に示すように、アンテナ構造体100は、アンテナ部110と通信制御部120とを備えている。
図2(c)に示すように、アンテナ部110は、絶縁基板111、絶縁基板111の一方の面(裏面)に設けられた接地(GND)電極112、絶縁基板111の他方の面(表面)に設けられた複数(ここでは、4個)の放射電極113、放射電極113と通信制御部120とを接続する信号分配配線114を備える。放射電極113は、外形が正方形である。なお、4個の放射電極113をそれぞれ区別する場合には、放射電極113−1、113−2、113−3、113−4と表記する。なお、絶縁基板111の表面側をアンテナ部110の表面、絶縁基板111の裏面側をアンテナ部110の裏面と表記する。そして、アンテナ部110の表面側をアンテナ構造体100の表面、アンテナ部110の裏面側をアンテナ構造体100の裏面と表記する。さらに、アンテナ構造体100の表面側をアンテナ複合体10の表面、アンテナ構造体100の裏面側をアンテナ複合体10の裏面と表記する。
絶縁基板111は、例えば、基材がポリイミドなどの樹脂フィルムで構成され、接地電極112、放射電極113及び信号分配配線114が基材上に設けられた銅層(銅箔)、銀層(銀箔)などの電導性材料で構成されている。そして、放射電極113及び信号分配配線114は、1つの電導性材料の層から構成され、連続している。そして、アンテナ部110は、絶縁基板111の裏面に設けられた接地電極112と絶縁基板111の表面に設けられた放射電極113とで構成されたパッチアンテナ(アンテナと表記することがある。)である。このような構造とすることで、アンテナ部110が薄型になるとともに、可撓性を持たせることができる。なお、アンテナは、パッチアンテナでなくともよく、逆Fアンテナやダイポールアンテナなどの他のアンテナであってもよい。
さらに、アンテナ部110をパッチアンテナにすることで、電波はアンテナ部110の表面側に送受信される。よって、アンテナ部110を取り付ける場所(例えば、壁面)の材質やそれからの距離などにより電波の出力などが影響を受けない利点がある。
一方、通信制御部120は、アンテナ部110と信号の送受信を行うとともに、データの処理及びホストコンピュータ20との間でデータのやり取りを行う。通信制御部120は、例えば、Bluetooth LEの機能を搭載した1チップの半導体部品として構成されている。つまり、通信制御部120は、データを変換してアンテナ部110が送信する信号を生成する送信部、アンテナ部110が受信した信号をデータに変換する受信部、送信部及び受信部を制御するベースバンド部、データ(プロトコル)を処理するマイクロプロセッサ、RAM、ROMなどを備えている。そして、動作状態におけるクロックを発生するクロック発生器に加え、消費電力の少ないスタンバイ状態のための低い周波数のクロックを発生するクロック発生器を備えている。そして、Bluetooth LEの機能を実現するためのソフトウェアに加えて、アプリケーション開発者が開発したソフトウェアが実装されている。
そして、通信制御部120は、CSP(Chip Size Package)などの技術により、アンテナ部110の絶縁基板111上に搭載されている。通信制御部120は、複数の端子を有している。アンテナ部110との信号の送受信を行う端子は、絶縁基板111の表面に設けられたアンテナ部110の信号分配配線114に接続されている。通信制御部120に電力を供給するための電源電圧(+側)と接地電圧(GND)とを供給する端子、ホストコンピュータ20との間でデータのやり取りを行う端子は、絶縁基板111を貫いて設けられた配線(不図示)の一方の端子に接続される。この配線の他方の端子は、絶縁基板111の裏面において、配線板300の電力供給線及びデータ線に接続するための端子となっている。そして、絶縁基板111の裏面に設けられたこれらの端子が、配線板300の電力供給線及びデータ線に設けられた端子と接続される。これにより、アンテナ構造体100が配線板300に固定される。
<アンテナ部110>
次に、アンテナ構造体100におけるアンテナ部110を詳細に説明する。
複数の放射電極113(放射電極113−1〜113−4)は、異なるピーク周波数の電波を送受信するように構成されている。すなわち、ピーク周波数f1、f2、f3、f4とした場合(f1<f2<f3<f4)、放射電極113−1がピーク周波数f1、放射電極113−2がピーク周波数f2、放射電極113−3がピーク周波数f3、放射電極113−4がピーク周波数f4の電波に対応するように設定されている。ここで、ピーク周波数f1〜f4をそれぞれ区別しない場合は、ピーク周波数fと表記する。
具体的には、放射電極113は、平面形状である正方形の一辺長がピーク周波数fに対応するように構成されている。つまり、ピーク周波数f2に対応する放射電極113−2の一辺長は、ピーク周波数f2より低いピーク周波数f1に対応する放射電極113−1の一辺長より小さい。同様に、ピーク周波数f3に対応する放射電極113−3の一辺長は、ピーク周波数f3より低いピーク周波数f2に対応する放射電極113−2の一辺長より小さい。さらに、ピーク周波数f4に対応する放射電極113−4の一辺長は、ピーク周波数f4より低いピーク周波数f3に対応する放射電極113−3の一辺長より小さい。
つまり、アンテナ部110は、接地電極112と、放射電極113−1、113−2、113−3、113−4のそれぞれとで構成されるピーク周波数fが異なる4個のパッチアンテナ(パッチアンテナI、II、III、IV)で構成されていることになる。このようにすることで、アンテナ部110は、広い周波数帯域の電波の送受信が可能になる。ここで、パッチアンテナI、II、III、IVがアンテナの一例である。
例えば、Bluetooth LEでは、2.400GHzから2.4835GHzまでの帯域を2MHz毎に区切った40チャネルを使用する。この場合の比帯域(帯域幅を中心周波数で割った値)は、約3.3%である。このような広い帯域は、比帯域が1%前後である1個のパッチアンテナではカバーしづらい。
そこで、ピーク周波数fが異なる4個のパッチアンテナI、II、III、IVによりアンテナ部110を構成することで、帯域を広げている。そして、4個の放射電極113−1、113−2、113−3、113−4は、信号分配配線114で接続されている。なお、信号分配配線114は、接地電極112とで、マイクロストリップラインによる分配回路を構成している。そして、上記の広い周波数帯域の信号が伝搬できる広帯域の分配回路となるように、形状(パタン)が設定されている。
Bluetooth LEでは、用いる周波数を切り替えること(周波数ホッピング)により通信が行われている。つまり、2.400GHzから2.4835GHzまでの周波数帯域を2MHz毎に区切った40チャネルを切り替えることで通信が行われる。そこで、例えば、2.400GHzから2.4835GHzまでの帯域を4つに分割し、上記のピーク周波数f1〜f4を、分割した帯域の中心周波数に設定しておく。これにより、ピーク周波数f1に対応する信号の場合には、分配回路を経由してピーク周波数f1に対応する放射電極113−1を励振して電波が放射される。なお、上記の40チャネルにおける周波数差は小さいので、ピーク周波数f1の近傍のピーク周波数fの信号もピーク周波数f1に対応する放射電極113−1を励振して電波が放射される。他のピーク周波数fの信号も同様である。そして、例えばピーク周波数f1とピーク周波数f2との間のピーク周波数fの場合には、ピーク周波数f1に対応する放射電極113−1とピーク周波数f2に対応する放射電極113−2とをともに励振して電波が放射される。他のピーク周波数f間の場合も同様である。
周波数帯域を分割してピーク周波数fを設定することで、ピーク周波数fの設定が容易になる。
アンテナ部110の大きさは、50mm×200mmである。
図3は、アンテナ部110に高い周波数帯の信号を入力して励振した状態を説明する図である。図3(a)は、放射電極113への給電の様子を示す図、図3(b)は、遠方界における電波の指向性を示す図である。これらは、シミュレーションにより求めた。ここで、高い周波数帯の信号とは、ピーク周波数f3とピーク周波数f4との間の周波数の信号である。図3(a)において、給電されている部分を斜線で示す。
図3(a)に示すように、アンテナ部110の信号分配配線114及び放射電極113−3、113−4に給電がされていることが分かる。
そして、図3(b)に示すように、アンテナ部110の放射電極113に垂直方向に電波が放射される。つまり、アンテナ部110は、指向性を有するアンテナとなっている。
このように、帯域をいくつかに分割して、分割した帯域のそれぞれに対応するピーク周波数fの異なるパッチアンテナを複数配列することで、アンテナ部110の周波数帯域を広げている。パッチアンテナの数は、4個以外であってもよく、送受信する電波の周波数帯域によって設定すればよい。
なお、アンテナ部110の周波数帯域を広げる方法として、無給電素子を用いる方法があるが、無給電素子を放射電極113に対向するように設けると、アンテナ部110の厚さが増して薄型であることを阻害するとともに、可撓性を失わせてしまう。つまり、アンテナ部110をピーク周波数fの異なるパッチアンテナを複数配列して構成することで、薄型としつつ可撓性を有するようにしている。
(アンテナ構造体200)
次に、アンテナ構造体200を説明する。アンテナ構造体200は、アンテナ構造体100におけるアンテナ部110に、無線によるマルチホップの通信を行うアンテナ部を等価的に加えた構成である。
図4は、アンテナ構造体200を説明する図である。図4(a)は、アンテナ構造体200の平面図、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線でのアンテナ構造体200の断面図、図4(c)は、アンテナ構造体200におけるアンテナ部210の電波の指向性を説明する図である。
図4(a)に示すように、アンテナ構造体200は、アンテナ部210及び通信制御部120を備える。
図4(a)、(b)に示すように、アンテナ部210は、絶縁基板211、絶縁基板211の裏面に設けられた接地(GND)電極212、絶縁基板211の表面に設けられた複数(ここでは、4個)の放射電極113、同様に絶縁基板211の表面に設けられた複数(ここでは、2個)の放射電極213、放射電極113と通信制御部120とを接続する信号分配配線114、及び放射電極213と通信制御部120とを接続する信号分配配線214を備える。
放射電極113及び信号分配配線114は、アンテナ部110と同じである。よって、同じ符号を付している。
2個の放射電極213は、平面形状が正方形であって、同じ面積である。なお、2個の放射電極213をそれぞれ区別する場合には、放射電極213−1、213−2と表記する。
つまり、放射電極113−1〜113−4と接地電極212とでパッチアンテナI〜IVを構成する。そして、信号分配配線114を含めて、アンテナ部110と同じであって、エリアに対して電波の送受信を行う。
一方、放射電極213−1、213−2と接地電極212とでパッチアンテナ(パッチアンテナV、VI)を構成する。そして、信号分配配線214を含めて、隣接するアンテナ複合体10との間で、無線によるマルチホップの通信を行うアンテナ部(マルチホップ用のアンテナ部)を構成する。ここで、パッチアンテナV、VIが他のアンテナの一例である。また、マルチホップ用のアンテナ部が他のアンテナ部の一例である。
つまり、アンテナ構造体200は、エリアに対して通信するエリア用のアンテナ部110に、マルチホップ用のアンテナ部を1つの部材として構成している。
なお、信号分配配線114における通信制御部120に接続される部分(端子)をエリア用アンテナ端子、信号分配配線214における通信制御部120に接続される部分(端子)をマルチホップ用アンテナ端子と表記することがある。
アンテナ部210の放射電極213−1、213−2は、信号分配配線214により位相が180°異なるように構成されている。よって、図4(c)の放射電極213−1、213−2に、それぞれ0[deg]、180[deg]と表記する。
図4(c)に示すように、アンテナ部210の放射電極213−1、213−2に位相が180°異なる信号が供給されると、電波は、アンテナ構造体200の表面に対して横方向の指向性(実線で示す指向性)を示す。つまり、薄型であるパッチアンテナの特徴を維持しつつ、アンテナ構造体200の表面(放射電極213)の垂直方向から傾いた方向に電波を送受信できる。
なお、放射電極213−1、213−2に位相が同じ信号が供給された場合には、図4(c)に破線で示す指向性のように、電波は、アンテナ構造体200の表面に対して垂直方向の指向性を示す。これは、アンテナ部110の場合に対応する。
アンテナ複合体10の両端部にそれぞれアンテナ構造体200を設けて、横方向に電波の指向性を持たせることで、図1のアンテナ複合体10−1とアンテナ複合体10−2との間や、アンテナ複合体10−1とアンテナ複合体10−3との間のように、直交(90°)するように設置された2つのアンテナ複合体10の間が電波で接続される。なお、アンテナ複合体10を長手方向に2つ並べた場合、つまりアンテナ複合体10の間の角度が180°の場合であっても、電波の送受信が可能となる。
図5は、アンテナ構造体200の変形例であるアンテナ構造体200′を示す平面図である。
図5に示すように、放射電極213−1と放射電極213−2との間に、放射電極213−3と放射電極213−4を設け、放射電極213−1と放射電極213−3とを位相0°とし、放射電極213−2と放射電極213−4とを位相180°とする。このようにすると、指向性を強くすることができる(ビーム幅が狭くなる)。よって、マルチホップの距離、つまりアンテナ複合体10間の距離が大きくてもよい。
<通信制御部120>
次に、通信制御部120を詳細に説明する。以下では、通信制御部120がBluetooth LEの機能を搭載するとして、通信制御部120の機能を説明する。
まず、Bluetooth LEにおける2つの機器間における接続について説明する。Bluetooth LEでは、2つの機器がマスタとスレーブとの関係で接続される。前述したように、Bluetooth LEでは、40チャネルをデータのやり取りに使用する。そのうち、3チャネル(チャネルインデックス37、38、39)は、アドバタイズチャネルである。チャネルインデックス37は、中心周波数が2.402GHz、チャネルインデックス38は、中心周波数が2.426GHz、チャネルインデックス39は、中心周波数が2.480GHzに設定されている。つまり、Bluetooth LEが使用する2.400GHzから2.4835GHzまでの周波数帯域の上限、下限及びほぼ中央に設定されている。なお、他のチャネルは、データチャネルである。
図1において、移動者Aが保持する通信端末50とアンテナ複合体10−1における通信端末50の近傍に位置するアンテナ構造体100−13との間でデータ通信する手順を説明する。ここでは、通信端末50からアンテナ構造体100−13に対して、接続を要求するとする。
通信端末50は、セントラルとして機能し、ブロードキャスタとしてアドバタイズチャネルを用いて、アドバタイズパケットを送信する(アドバタイズ)。アドバタイズパケットには、自身のアドレス(ID)などの自身の機器情報が入っている。なお、通信端末50は、アドバタイズパケットを中心周波数の異なる3つのアドバタイズチャネルに順に送信するので、アンテナ構造体100−13は、通信端末50のアドバタイズを受信しやすくなっている。
アンテナ構造体100−13は、ペリフェラルとして機能し、オブザーバとしてアドバタイズパケットを受信すると、アドバタイズパケットに含まれている機器情報以外の機器情報を受信するために、アドバタイズチャネルを用いて、スキャン要求パケットを通信端末50に対して送信する(スキャン)。
通信端末50は、時分割でオブザーバとして機能し、スキャン要求パケットを受信すると、アドバタイズチャネルを用いて、機器情報を含むスキャン応答パケットを送信する。
すると、アンテナ構造体100−13は、スキャン応答パケットを受信すると、アドバタイズチャネルを用いて、接続を要求する接続要求パケットを通信端末50に対して送信する(イニシャライズ)。
これにより、アドバタイズチャネルからデータチャネルに移動して、アンテナ構造体100−13と通信端末50とがデータ通信可能な状態になる(接続)。つまり、通信が確立する。なお、アンテナ構造体100−13がマスタ、通信端末50がスレーブになる。そして、アンテナ構造体100−13と通信端末50との間で、定期的にデータパケットが送受信されることでデータ通信がされる。
そして、アンテナ構造体100−13又は通信端末50が終了パケットを送信することで、データ通信が終了する。なお、アンテナ構造体100−13又は通信端末50からのデータパケットが届かなくなった場合、データエラーが発生した場合などにおいても、データ通信が終了するようになっている。
なお、アドバタイズパケットの機器情報で十分である場合には、スキャン要求パケット及びスキャン応答パケットの送受信を要しない。
以上では、アンテナ構造体100−13をマスタ、通信端末50をスレーブとしたが、アンテナ構造体100−13と通信端末50とを入れ替えて、通信端末50をマスタ、アンテナ構造体100−13をスレーブとしてもよい。
次に、通信システム1の動作、つまり通信システム1が行う機能(サービス)について説明する。
まず、通信端末50の位置検出機能について説明する。ここでは、通信端末50を所有する移動者Aに、現在の位置を通知する機能を説明する。
アンテナ複合体10におけるすべてのアンテナ構造体100が、アドバタイズパケットを送信しているとする。それぞれのアンテナ構造体100が送信するアドバタイズパケットには、それぞれのアンテナ構造体100(通信制御部120)のアドレス(ID)が含まれている。
ホストコンピュータ20は、アンテナ構造体100のアドレス(ID)と設置されている位置との関係、及びアンテナ構造体100からの距離に対する受信電波強度の変化など、位置を算出するための情報(以下では、位置算出情報と表記する。)と位置を算出するためのアプリケーションソフトウェアを保持している。
一方、通信端末50は、アンテナ構造体100と電波によって信号の送受信が可能なアンテナと通信制御部120と同様な信号処理部を備えるとともに、通信端末50の表示部(ディスプレイ)に自身の位置を表示するアプリケーションソフトウェアを備えているとする。なお、通信端末50の備えるアンテナは、アンテナ構造体100の指向性を有するアンテナ部110と異なり、アンテナの周囲の360°に対して電波を送受信できる無指向性であることがよい。
通信端末50は、アドバタイズパケットの受信により、受信電波強度とアンテナ構造体100のアドレス(ID)とを取得する。なお、複数のアドバタイズパケットを受信し、それぞれの受信電波強度とアンテナ構造体100のアドレス(ID)とを取得してもよい。そして、1つのアンテナ構造体100と上記の手順により通信を確立する。
そして、通信端末50は、受信電波強度及びアンテナ構造体100のアドレス(ID)を、データパケットとして、アンテナ構造体100に送信する。アンテナ構造体100は、受信したデータパケットにおける受信電波強度及びアンテナ構造体100のアドレス(ID)をホストコンピュータ20に送信する。
すると、ホストコンピュータ20は、保持する位置算出情報に基づいて、受信した受信電波強度及びアンテナ構造体100のアドレス(ID)から通信端末50の位置(位置情報)を算出する。
そして、通信端末50と通信が確立しているアンテナ構造体100に、通信端末50の位置情報を送信する。なお、アンテナ構造体100はアドレス(ID)を有しているので、ホストコンピュータ20は、アンテナ構造体100のアドレス(ID)を指定して位置情報を送信する。
位置情報を受信したアンテナ構造体100は、確立された通信経路を使って、通信端末50に位置情報を送信する。これにより、通信端末50の表示部に通信端末50での位置が表示される。
以上説明したように、アンテナ構造体100は、ビーコンとしての電波の送信のみならず、通信端末50との間でデータの通信を行うように構成されている。つまり、アンテナ構造体100をビーコンとしての電波の送信のみならず、通信端末50とのデータの通信を行うように構成することで、通信端末50とホストコンピュータ20との間には、アンテナ複合体10を介した通信回線のみを設定すればよい。
一方、アンテナ構造体100を電波の送信のみを行うビーコンとして使用した場合には、通信端末50とホストコンピュータ20との間でデータの送受信を行うための通信回線を別に用意することが必要になる。
そして、ホストコンピュータ20は、通信端末50に位置情報に加えて、その場所に関係する他の情報を合わせて送信することもできる。例えば、場所が商店街であれば、特売情報などを送信することで、販売促進になる。また、場所が観光地であれば、景色の情報などを送信することで、観光地に関する詳細な情報が提供できる。さらにまた、場所が展覧会会場であれば、展示物毎に解説を送信することで、より深く鑑賞ができるようになる。そしてまた、場所がコンサート会場であれば、通信端末50と同様な機能を有するペンライトを観客に所持させることで、観客の位置を個別に認識するとともに、位置に応じてペンライトの色を制御できる。これにより、観客が場所ごとに色が異なるペンライトを翳すことでコンサートに参加させ、一体感を盛り上げることができる。そして、例え観客が予め決められた席を移動しても、ペンライトの色がずれることが抑制される。
そして、アンテナ構造体100が送受信する電波の到達可能距離(セルの大きさ)を小さく設定すれば、室内(展覧会会場)などをエリアにでき、大きく設定すれば、室外(上記の商店街、観光地)などをエリアにできる。
次に、発信専用端末60による位置検出機能について説明する。ここでは、発信専用端末60を所有する移動者Bの位置を検知(監視)する機能を説明する。
発信専用端末60は、アドバタイズパケットをアンテナ複合体10のアンテナ構造体100が受信可能な周波数帯の信号として発生する信号発生部とこの信号(アドバタイズパケット)を電波として送信するアンテナとを備える。すなわち、信号発生部は、アンテナ構造体100が備える通信制御部120と同様な構成を備えなくてもよい。つまり、発信専用端末60は、アドバタイズパケットを送信できればよい。このため、小型且つ安価に製造できる。
なお、発信専用端末60の信号発生器を、アンテナ構造体100が備える通信制御部120と同様なものとした場合には、スキャン応答パケットを送信しないようにスキャン要求パケットを受け付けないように設定しておけばよい。このようにすることで、電力消費が抑制される。
また、発信専用端末60が備えるアンテナは、指向性を有するアンテナ構造体100と異なり、無指向性であることがよい。つまり、アンテナは、アンテナの周囲の360°に対して電波を送受信できる無指向性であることがよい。
そして、発信専用端末60は、常にアドバタイズパケットを送信しているとする。発信専用端末60の送信するアドバタイズパケットには、発信専用端末60のアドレス(ID)が含まれている。
一方、アンテナ複合体10のアンテナ構造体100は、常に受信状態(パッシブスキャン)になっているとする。
ホストコンピュータ20は、アンテナ構造体100のアドレス(ID)とアンテナ構造体100が設置されている位置との関係、及びアンテナ構造体100が受信する発信専用端末60からの電波のアンテナ構造体100からの距離に対する強度(受信電波強度)の変化など、発信専用端末60の位置を算出するための情報(位置算出情報)と位置を算出するためのアプリケーションソフトウェアを保持している。
アンテナ複合体10が設置されたエリア(室など)に移動者Bが入ると、移動者Bに近い位置にあるアンテナ構造体100(図1におけるアンテナ構造体100−21)は、発信専用端末60からのアドバタイズパケットを受信する。このとき、アンテナ構造体100−21は、発信専用端末60のアドレス(ID)とともに受信電波強度を合わせて取得する。なお、複数のアンテナ構造体100が、発信専用端末60からアドバタイズパケットを受信してもよい。そして、アンテナ構造体100−21は、自身のアドレス(ID)とともに、取得した発信専用端末60のアドレス(ID)及び受信電波強度をホストコンピュータ20に送信する。
すると、ホストコンピュータ20は、アンテナ構造体100−21のアドレス(ID)、発信専用端末60のアドレス(ID)及び受信電波強度から、発信専用端末60の位置を算出する。このようにして、移動者Bの位置を算出することで、移動者Bの移動軌跡が取得できる。
ここでは、発信専用端末60であるので、ホストコンピュータ20からデータを送信することができない。しかし、発信専用端末60からのアドバタイズパケットを受信したアンテナ構造体100−21にデータを送信することができる。よって、アンテナ構造体100に表示部(ディスプレイ)やスピーカを設けて、上記と同様な販売促進、観光地案内、展示物解説などを行うようにしてもよい。
また、通信端末50は常にアドバタイズパケットを送信している。そして、通信端末50の送信するアドバタイズパケットには、通信端末50のアドレス(ID)が含まれている。一方、アンテナ複合体10のアンテナ構造体100は、常に受信状態(パッシブスキャン)になっているので、アンテナ構造体100のアドレス(ID)とアンテナ構造体100が受信する通信端末50からの電波の強度(受信電波強度)などから、通信端末50の位置を算出できる。つまり、通信端末50は、発信専用端末60と同様に動作させられる。
また、人通りの多い場所、通行人にそれぞれ発信専用端末60を所持させることで、通行人の動態統計など、いわゆるビックデータを容易に収集することが可能になる。例えば、空港などに設けることで、空港内を移動する搭乗者などの動態統計を取得することで、空港内の改善などに寄与できる。
さらに、無人搬送車70を制御する機能について説明する。工場内などのエリアにおいて、無人搬送車70を使用する場合、工場内における位置を知ることが必要となる。よって、アンテナ複合体10のアンテナ構造体100(図1におけるアンテナ構造体100−14)から、無人搬送車70に行先についてのデータ(指示)を送信することができる。そして、無人搬送車70は、移動に伴って近傍に位置するアンテナ構造体100と通信を繰り返すことにより、自身の位置を知る。よって、自身の位置と受信した行先とから、行先に到達することができる。
アンテナ複合体10を介して通信が行われるので、別に通信回線を設けることを要しない。また、アンテナ複合体10は、可撓性を有する構造となっているので、丸めて搬送できるとともに、工場内の床や壁に貼り付けることで、無人搬送車70を制御する経路が構築される。そして、アンテナ複合体10は、両端部に無線によるマルチホップの通信ができるアンテナ構造体200を備えているので、複数のアンテナ複合体10を長手方向に配置して用いても、有線の配線で接続することを要しない。つまり、無人搬送車70を制御する経路が容易に構築できる。
なお、前述したように、アンテナ複合体10は、交流電源(AC電源)(図1のAC給電部30)のみならず電池(図1の電池給電部40)で駆動できるので、交流電源が用いにくい場合であっても、使用可能である。
以上説明したように、アンテナ複合体10は、全体として可撓性を有するようにできるので、丸めた小さくした状態において搬送可能である。そして、アンテナ複合体10の表面及び裏面のいずれか一方に両面テープを貼り付けるなどにより粘着(接着)剤を設けることで、設置がより容易になる。また、表面及び裏面のいずれか他方の面に広告を印刷して宣伝に用いたり、壁や床の模様を印刷してアンテナ複合体10を環境に溶け込ませたりしてもよい。広告や壁や床の模様などをまとめて絵柄と表記する。
なお、アンテナ構造体200は、エリアに対して電波の送受信を行うアンテナ部110に、無線によるマルチホップの通信を行うアンテナ部を加えた構成とした。しかし、アンテナ構造体200の代わりに、アンテナ部110を備えるアンテナ構造体100と、無線によるマルチホップの通信を行うアンテナ部を備えるアンテナ構造体とを別に設けてもよい。
以上においては、Bluetooth LEを例としたが、国際標準規格であるIEEE 802.11規格に基づいたWi−Fi(登録商標)など他の無線技術を適用してもよい。
また、アンテナ構造体100、200を、例えば、振動、音、光、温度、湿度などの環境状態を感知するセンサを備ええてもよい。すなわち、アンテナ構造体100、200は、センサビーコンとして機能してもよい。アンテナ構造体100、200が振動を感知する振動センサを備えた振動ビーコンとして機能する場合、ペイロードに振動センサが感じた振動の強度を含ませてアドバタイズパケットを送信するようにしてもよい。音を感知する音センサを備えた音ビーコンの場合は音の強度、光を感知する光センサを備えた光ビーコンの場合は光の強度、温度を感知する温度センサを備えた温度ビーコンの場合は温度、湿度を感知する湿度ビーコンの場合は湿度をペイロードに含んだアドバタイズパケットを送信すればよい。このようにすることで、位置だけでなく、環境状態を感知できる。このようにすると、コンサート会場などにおいて、人の位置とともに、人の動きによる振動を感知して、盛り上がりの具合を判断し、判断した盛り上がり具合に応じて会場の演出を行うことで、コンサートをより盛り上げるようにすることができる。
以上、本実施の形態を説明したが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。
1…通信システム、10、10−1〜10−3…アンテナ複合体、20…ホストコンピュータ、30…AC給電部、40…電池給電部、50…通信端末、60…発信専用端末、70…無人搬送車、100、100−11〜100−15、100−21、100−22、100−31、100−32、200、200−11、200−12、200−21、200−22、200−31、200−32、200′…アンテナ構造体、110…アンテナ部、111、211…絶縁基板、112、212…接地(GND)電極、113、113−1〜113−4、213、213−1〜213−4…放射電極、114、214…信号分配配線、300、300−1〜300−2…配線板、A、B…移動者、I〜VI…パッチアンテナ

Claims (15)

  1. それぞれが個別に電波を送受信する複数のアンテナ構造体と、
    複数の前記アンテナ構造体と接続されるとともに、データ送受信するデータ線を有する配線板と、を備え、
    複数の前記アンテナ構造体は、それぞれに対して定められた通信可能なセルに対して電波を送受信する指向性を有するアンテナ部と、それぞれに対して設けられた、前記データ線から受信したデータを当該アンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該アンテナ部が受信した電波による信号を当該データ線へ送信するデータに変換する通信制御部とを備えるアンテナ複合体。
  2. 複数の前記アンテナ構造体は、列状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ複合体。
  3. 複数の前記アンテナ構造体の配列の外側の少なくとも一方に設けられ、隣接して設けられた他のアンテナ複合体に含まれるアンテナ構造体と電波を介してデータの送受信を行う他のアンテナ構造体を、備えることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ複合体。
  4. 前記他のアンテナ構造体は、
    前記他のアンテナ複合体に含まれるアンテナ構造体と電波の送受信を行う他のアンテナ部と、
    前記データ線から受信したデータを前記他のアンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該他のアンテナ部が受信した電波による信号を当該データ線へ送信するデータに変換する他の通信制御部とを備えることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ複合体。
  5. 前記アンテナ部、前記他のアンテナ部及び前記配線板は、可撓性を有することを特徴とする請求項4に記載のアンテナ複合体。
  6. 前記アンテナ部は、送受信する電波のピーク周波数がそれぞれ異なる複数のアンテナを備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ複合体。
  7. 複数の前記アンテナは、接地電極と放電極とが対向するように構成されたパッチアンテナであって、ピーク周波数に対応して当該放電極の面積が異なることを特徴とする請求項6に記載のアンテナ複合体
  8. 前記他のアンテナ部は、位相の異なる電波を送受信する電波の位相がそれぞれ異なる複数の他のアンテナを備えることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ複合体。
  9. 複数の前記アンテナ構造体及び前記配線板は、表面及び裏面のいずれか一方に粘着剤が付与され、表面及び裏面のいずれか他方に絵柄が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ複合体。
  10. 送受信する電波のピーク周波数がそれぞれ異なる複数のアンテナを備えたアンテナ部と、
    受信したデータを前記アンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該アンテナ部が受信した電波による信号をデータに変換して送信する通信制御部と
    を備えるアンテナ構造体。
  11. 前記アンテナ部が備える複数の前記アンテナの前記ピーク周波数は、送受信する電波の周波数帯域を複数に分割して設定されていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造体。
  12. 複数の前記アンテナは、接地電極と放電極とが対向するように構成されたパッチアンテナであって、ピーク周波数に対応して当該放電極の面積が異なることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ構造体。
  13. データが送受信されるデータ線を有する配線板と、
    定められた通信可能なセルに対して電波を送受信する指向性を有するアンテナ部と、前記データ線から受信したデータを当該アンテナ部が送信する電波による信号に変換し、又は、当該アンテナ部が受信した電波による信号を当該データ線へ送信するデータに変換する通信制御部と、をそれぞれ有し、個別に電波を送受信する複数のアンテナ構造体と、を備えるアンテナ複合体を含み、
    複数の前記アンテナ構造体が、当該アンテナ構造体が有する前記通信制御部を介して複数の当該アンテナ構造体間でデータを伝搬させるとともに、
    データが外部に設けられるホストコンピュータと送受信されることを特徴とする通信システム。
  14. 複数の前記アンテナ構造体は、列状に配列され、
    前記アンテナ構造体間でのデータの伝搬が、配列に沿ってリレー方式で行われることを特徴とする請求項13に記載の通信システム。
  15. 複数の前記アンテナ構造体の列状に配列された一方の端部に設けられたアンテナ構造体を介して、複数の当該アンテナ構造体を伝搬したデータが前記ホストコンピュータと送受信されることを特徴とする請求項14に記載の通信システム。
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