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JP6922789B2 - エンジンの過給装置 - Google Patents
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Description

本発明は、エンジンの過給装置に関し、特に運転状態が所定の過給領域のときに過給機を駆動するエンジンの過給装置に関する。
従来より、吸気通路のうち過給機上流側の部分とインタークーラ下流側の部分とを過給機を迂回するように構成されたバイパス通路によって接続した過給機付きエンジンは公知である。通常、この種の過給機付きエンジンでは、運転状態が所定の過給領域(例えば、高回転又は高負荷領域)のときに過給機を駆動し、運転状態が非過給領域のときに過給機の駆動を停止する。
また、エミッション性改善を狙いとして、窒化酸化物を含むEGRガスや未燃焼炭化水素を含むブローバイガスを吸気通路の過給機上流側の部分に還流することも公知である。
EGRガスやブローバイガスに含まれる水分が吸気通路の過給機上流側において結露すると凝縮水が発生し、その凝縮水が吸気と共に過給機内に流入する。
特許文献1の内燃機関は、吸気通路内に発生した凝縮水を除去する技術を含むもので、タービンとコンプレッサからなる過給機と、EGR通路を介して排気の一部を吸気通路に戻すEGR装置と、吸気通路におけるコンプレッサをバイパスするバイパス通路と、このバイパス通路に設けたエアバイパスバルブと、吸気通路に設けた吸気温センサとを備え、吸気温度が凝縮水の発生温度よりも低い場合、エアバイパスバルブを開くエアバイパスバルブ開口手段を設けている。これにより、冷間時、コンプレッサによって断熱圧縮された空気をバイパス通路を介して循環させることにより吸気温度を上昇させ、吸気通路内に発生した凝縮水の蒸発(除去)を促進している。
エンジンのオーバーヒート等を防止するためにエンジンルーム内へ走行風を導入可能なグリルシャッターが車両の前端部に装備され、グリルシャッターの開度を調節することで、走行風の導入状態を制御することも公知である。
特開2015−129457号公報
過給機の機体温度が極低温時において、吸気通路内の凝縮水が過給機内で氷結し、過給機の機能発揮に支障を来たす虞がある。特に、エンジンのクランク軸に連結されたプーリと過給機のプーリとの間に伝動ベルトを巻き掛け、伝動ベルトを介して駆動される機械式過給機の場合、ロータとケーシングとの間に介在する氷結物によりロータの回転が阻害され、伝動ベルトの焼付き等の不具合の発生が懸念される。
そこで、エンジン始動時、過給機の温度が低いときには、運転状態が非過給領域であっても過給機を強制的に駆動することにより、過給機の機体温度(内壁温度)を昇温して氷結の発生を回避して過給機の機能を確保することが可能である。
しかし、過給機を強制的に駆動すると燃費が悪化することから、過給機の強制的駆動は最小限に抑制することが望ましい。
特に、グリルシャッターを開放状態のまま走行する場合には、走行風によりエンジンルーム内が冷却されるため、過給機温度と関連付けてグリルシャッターの開度を調節することが望ましい。
本発明の目的は、燃費悪化を招くことなく冷間時における過給機の機能を確保可能なエンジンの過給装置を提供することである。
請求項1のエンジンの過給装置は、車両のエンジンルーム内への走行風の導入状態を変更可能な走行風制御弁と、エンジンの吸気通路に設けられた過給機と、この過給機を駆動する駆動部と、前記走行風制御弁と前記駆動部を制御する制御手段であってエンジンの運転状態が所定の過給領域にあるときに前記過給機を駆動し且つ運転状態が非過給領域のときに前記過給機の駆動を停止するように前記駆動部を制御する制御手段とを備えたエンジンの過給装置において、前記制御手段は、前記過給機に関連する温度が第1設定温度よりも低い時は前記走行風制御弁を閉じ側に制御し、前記過給機に関連する温度が第1設定温度よりも低く設定された第2設定温度よりも低い時は前記走行風制御弁を閉じ側に制御すると共に、エンジンの運転状態が所定の非過給領域にあるときであっても前記駆動部に前記過給機の強制駆動制御を実行させるように構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、制御手段は、前記過給機に関連する温度が第1設定温度よりも低い時は前記走行風制御弁を閉じ側に制御するため、過給機の温度低下を抑制して、暖機のため過給機を駆動する頻度を下げて燃費悪化を抑制できる。
また、前記過給機に関連する温度が第1設定温度よりも低く設定された第2設定温度よりも低い時は前記走行風制御弁を閉じ側に制御すると共に、エンジンの運転状態が所定の非過給領域にあるときであっても前記駆動部に前記過給機の強制駆動制御を実行させるため、過給機の温度低下を抑制しながら、過給機の暖機(昇温)を促進して、過給機内での凝縮水の氷結を防止することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記制御手段は、前記過給機に関連する温度が第2設定温度よりも低い時であっても、車速が設定車速以上であるときは、前記走行風制御弁の閉じ側への制御を制限するように構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、車速が設定車速以上であるときは、前記走行風制御弁の閉じ側への制御を制限することで、過給機の機能確保と車両の走行安定性確保との両立を図ることができる。
つまり、過給機に関連する温度が第2設定温度よりも低い時、過給機が強制駆動されると過給機の温度が上昇するとともに、車速が設定車速以上であると過給機の回転数が高まり、過給機の温度上昇が促進されることから、走行風制御弁を閉じ側に制御しなくても、過給機の氷結が抑制される。このように、過給機の氷結が問題とならない車速が設定車速以上であるときは、走行風制御弁の閉じ側への制御を制限することで、走行風をエンジンルーム内にも導入して走行風の流れ抵抗を軽減して、走行安定性を確保することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記駆動部は、前記過給機とエンジンの出力軸との締結状態を制御可能とした電磁クラッチと、前記過給機をバイパスするバイパス通路と、前記バイパス通路に配設されるバイパス弁とを備え、前記制御手段は、エンジンの運転状態が過給領域にあるときは前記電磁クラッチを締結すると共に前記バイパス弁を目標過給圧に応じて開閉し、エンジンの運転状態が非過給領域にあるときは前記電磁クラッチを非締結にし且つ前記バイパス弁を開弁するように構成されると共に、前記過給機に関連する温度が第2設定温度よりも低い時は、エンジンの運転状態が非過給領域であっても前記バイパス弁を閉作動して前記過給機を強制駆動するように構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、前記制御手段は、エンジンの運転状態が非過給領域にあるときは前記電磁クラッチを非締結にし且つ前記バイパス弁を開弁するため、非過給領域のとき流路抵抗を軽減しながら吸気を供給することができる。
また、前記過給機に関連する温度が第2設定温度よりも低い時は、エンジンの運転状態が非過給領域であっても前記バイパス弁を閉作動して前記過給機を強制駆動するため、過給機の暖機(昇温)が促進されるため、冷間時であっても過給機内に凝縮水が氷結することがない。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記制御手段は、前記過給機強制駆動時、前記電磁クラッチを締結すると共に、前記バイパス弁を閉弁することを特徴としている。
この構成によれば、過給機を強制駆動することで、過給機の昇温を促進できる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記制御手段は、前記過給機に関連する温度を、前記過給機の過給状態に関連するパラメータと、前記過給機の冷却性に関連するパラメータとに基づいて推定するように構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、過給機の過給状態に関連するパラメータから過給機の温度上昇量を推定し、過給機の冷却性に関連するパラメータから過給機の温度降下量を推定し、過給機に関連する温度を精度よく推定することができる。
本発明のエンジンの過給装置によれば、上記のように冷間時における過給機の機能を確保することができる。
本発明の実施形態に係る過給装置の概略ブロック図である。 過給装置を含むエンジンの吸排気システムのブロック図である。 エンジンの斜視図である。 エンジンの吸気系の要部縦断面図である。 エンジンの前面部に装備されたグリルシャッターの斜視図である。 過給機制御のフローチャートである。 過給機制御における割込み処理のフローチャートである。 変形例に係る割込み処理のフローチャートである。 過給機駆動要求とデューティー率と過給機回転数を示すタイムチャートである。 過給機強制駆動時の過給機駆動要求とデューティー率と過給機回転数を示すタイムチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のエンジンの過給装置1は、過給機2と、この過給機2を駆動するための電磁クラッチ3と、バイパスバルブ4(ABVという)と、このABV4を開閉可能な駆動装置5と、吸気ポートを開閉可能な吸気バルブ6と、この吸気バルブの開閉タイミングを変更可能なバルブタイミング可変機構(VVTという)7と、パワートレイン・コントロール・モジュール10(PCMという)等を主な構成要素としている。このPCM10にはグリルシャッター8を駆動する駆動モータ9が接続されている。
前記のPCM10には、エンジンの潤滑油の温度を検出する油温センサ20、エンジンの回転数センサ21、エンジンの負荷センサ22(スロットル開度センサ)、エンジンに導入される吸気量を検出可能な吸気量センサ23、外気温センサ24、過給機2の回転数センサ25、過給機2の上流側圧力を検出可能な第1圧力センサ26、過給機2の下流側圧力を検出可能な第2圧力センサ27、車速センサ28、車両前方からエンジンルーム内に導入される走行風の導入量を調整するグリルシャッタ8(図5参照)の開度を検出可能な開度センサ29等の種々のセンサが夫々電気的に接続されている。
最初に、自動車の過給機付き直列多気筒エンジンの概略構成について説明する。
<エンジンの吸排気システム>
図2に示すように、エンジンの吸排気システムにおいて、30はエンジンの燃焼室を形成する気筒、31は気筒30に吸気バルブ6を介して吸気を導入する吸気通路、32は気筒30から排気バルブ(図示略)を介して排気を排出する排気通路である。
吸気通路31には、その上流側から下流側に向かって、エアフローセンサからなる吸気量センサ23、吸気量を調整するスロットルバルブ33、吸気を圧縮して気筒30に供給する過給機2、過給機2から吐出される吸気を冷却するインタークーラ34が配設されている。吸気通路31は、過給機2をバイパスして過給機2よりも上流側の吸気通路部31aと下流側の吸気通路部31bを結ぶバイパス通路35を備え、このバイパス通路35の途中部にその通路断面積を変更可能なABV4が設けられている。エンジンのクランク室を吸気通路部31aに接続するブローバイガス通路38が設けられ、このブローバイガス通路38には差圧作動タイプのバルブであるPCV38bが装着されている。
過給機2は、エンジンの運転状態が所定の過給領域にあるときに過給機駆動部によって駆動され、エンジンの運転状態が非過給領域にあるときにその駆動が停止される。
この過給機2は、駆動損失の低減要求が高い内部圧縮式過給機、例えば、2つのロータとこれらロータを収容するケーシングとにより構成されたリショルム式過給機を想定しているが、送風式のルーツ式過給機等であっても良い。
排気通路32には排気ガスを浄化する排気浄化装置36が配設されている。その排気浄化装置36よりも下流側から排気ガスの一部をEGRガスとしてバイパス通路35に環流するEGR通路37が設けられている。EGR通路37はバイパス通路35におけるABV4よりも上流側部分に接続されている。
図4に示すように、バイパス通路35は、過給機2よりも上流側の吸気通路部31aから上方に分岐して過給機2の上側に延び、過給機2より下流側の吸気通路部31bに接続されている。EGR通路37による吸気通路31へのEGRガス導入部37aは、バイパス通路35における過給機2の上側に延びた部分に設けられている。尚、インタークーラ34は過給機2の下側に配設されている。
ブローバイガス通路38から吸気通路部31aへのブローバイガス導入部38aは、過給機2よりも上流側且つスロットルバルブ33よりも下流側の上壁部分に設けられている。
<エンジンの吸気系・排気系の構成>
このエンジンは、気筒列方向(クランクシャフトの長手方向)が車幅方向になった横置きの前方吸気後方排気エンジンである。排気浄化装置36は、酸化触媒及びパティキュレートフィルタを内蔵している。
図3に示すように、サージタンク39は、エンジン本体の側部を気筒列方向に延び、エンジンの各気筒の吸気ポートに接続されている。吸気マニホールドは、サージタンク39と、このサージタンク39と一体になった吸気導入管部40とを備え、金属製(例えば、アルミ合金製)である。吸気導入管部40はサージタンク39の下方に延びている。
このエンジンは各気筒に2つの吸気ポートを有する4気筒エンジンである。
吸気マニホールドは、各気筒の2つの吸気ポートに対応した計8つの分岐吸気通路(図示略)を備えている。各分岐吸気通路がサージタンク39から延び、サージタンク39から延びた分岐吸気通路の周辺部において、エンジン本体に固定されている。
過給機2は、動力源としてのエンジンの出力軸(クランクシャフト)で駆動される機械式過給機であり、サージタンク39の前側の側部において回転軸が気筒列方向に配置されている。図4に示すように、過給機2には気筒列方向に延びる上流側吸気管41が直結されている。この上流側吸気管41から吸気が過給機2に導入される。この上流側吸気管41が吸気通路31における過給機2よりも上流側の吸気通路部31aを構成している。
過給機2における上流側吸気管41の反対側に過給機2のクラッチハウジング42が突出している。このクラッチハウジング42に、エンジンの出力軸で過給機2を駆動するための電磁クラッチ3が収容されている。電磁クラッチ3の入力軸に結合したプーリ43に伝動ベルト44が巻き掛けられている。電磁クラッチ3は、PCM10により電気的にデューティー制御され、デューティー率100%で完全締結、デューティー率0%で完全開放される。前記電磁クラッチ3とバイパス通路35とABV4が過給機2を駆動する「駆動部」に相当する。
図3に示すように、伝動ベルト44は、動力源としてのエンジンの出力軸に結合したクランクプーリ45と過給機2のプーリ43とウォータポンプ46の駆動軸に結合したプーリ47とに巻き掛けられている。アイドラ48,49及びテンションプーリ50によって、伝動ベルト44に適切な張力が与えられ、過給機2及びウォータポンプ46の各々のプーリ43,47に適正な巻き掛け角が与えられている。
図4に示すように、過給機2よりも上流側の吸気通路部31aを構成する上流側吸気管41からバイパス通路35を構成するバイパス管51が分岐している。バイパス管51は、上流側吸気管41に設けられたスロットルバルブ33よりも下流側において、上流側吸気管41の上面側から分岐してスロットルバルブ33の上側に向かって斜め上方に延びている。このバイパス管51は、斜め上方に延びた部分から、さらに過給機2の上方に向かうように湾曲して折り返されている。バイパス管51は、折返し部51aに続いてサージタンク39の中央側に向かって過給機2の上側を気筒列方向に延びている。
バイパス管51の折返し部51aよりも下流側には、図2に示すように、排気系から排気ガスを吸気系に還流するEGR通路37が接続されている。EGR通路37は排気浄化装置36のパティキュレートフィルタよりも下流側から排気ガスを吸気系に導くようにされている。EGR通路37の途中部には、吸気系に還流される排気ガスを冷却するEGRクーラ52が設けられている。
図4に示すように、バイパス管51におけるEGR通路37の接続部であるEGRガス導入部37aに排気ガスの還流量を制御するEGRバルブ53が設けられている。また、EGRバルブ53よりも下流側のバイパス管51にABV4が設けられている。
図3、図4に示すように、過給用吐出管54、インタークーラ34及び吸気導入管部40が、過給機2から吸気をサージタンク39に導く下流側吸気管55を構成している。
この下流側吸気管55は、気筒列方向に見て全体としてインタークーラ34を最下部に配置したU字状になっている。
上記エンジンの吸気系・排気系の構成では、過給機2が駆動されないときは、吸気が図4に示す過給機2の上流側の吸気通路部31aからバイパス通路35を通ってサージタンク39に流れ、気筒30に吸い込まれる。EGRガスがEGRガス導入部37aからバイパス通路35に導入され、ブローバイガスがブローバイガス通路38とブローバイガス導入部38aからバイパス通路35や上流側吸気通路部31aに導入されるとき、そのEGRガスやブローバイガスに含まれる水分が冷却され、吸気通路31の壁面に結露することにより凝縮水が発生する。この凝縮水は上流側吸気通路部31aの底部に溜まり易い。この凝縮水は、吸気流と共に過給機2の隙間に侵入し易く、過給機2の隙間に侵入した凝縮水は、エンジン停止中に且つ冷間時に氷結する虞がある。
図1に示すように、PCM10は、過給機2の内壁温度(壁温)を推定する内壁温推定部11と、過給機2とABV4と吸気バルブ6とグリルシャッター8の作動を制御する制御部13等を備えている。このPCM10は、CPUと、ROMと、RAMと、イン側インターフェースと、アウト側インターフェース等で構成されている。ROMには、各種制御するためのプログラムやデータが格納され、RAMにはCPUが演算処理を行う際に使用される処理領域(ワークメモリ)が設けられている。
最初に、内壁温推定部11について説明する。
内壁温推定部11は、過給機2の温度上昇量と温度低下量とを夫々推定し、これら推定された温度上昇量と温度低下量の差分によって過給機2の内壁温度(過給機に関連する温度)を推定している。温度上昇量は、過給機2の過給状態に関連するパラメータ、具体的には、各センサ23〜27によって夫々検出された吸気量、外気温、過給機2の回転数、過給機2の上流側圧力及び下流側圧力に基づき所定の演算式を用いて演算される。
また、温度低下量は、過給機2の冷却性に関連するパラメータ、具体的には、各センサ28,29によって夫々検出された車速及びグリルシャッター開度に基づき所定の演算式を用いて演算される。
ここで、図5に示すように、車両の前端部に配置されるエンジンの前面部にはシュラウド14が設けられ、このシュラウド14の枠状のシュラウドフレーム15には水平に延びる複数枚のグリルシャッター8(走行風制御弁に相当する)が水平軸回りに回動可能に付設され、これら複数枚のグリルシャッター8は1つの駆動モータ9により回動駆動されて、全閉から全開に亙って開度調節可能に構成されている。このグリルシャッター8は、車速等に応じて開閉制御され、その開度に応じてエンジンルーム内に導入される走行風の風量が変わり、過給機2の温度低下量にも影響を及ぼしている。
次に、制御部13について説明する。
制御部13は、エンジン回転数とエンジン負荷によって過給領域が設定された過給領域マップ(図示略)と、過給領域においてエンジンの運転状態に基づき目標過給圧力が設定された目標過給圧マップ(図示略)とを有している。制御部13は、エンジンの運転状態が過給領域にあるときは、電磁クラッチ3を締結すると共にABV4(バイパス弁)を目標過給圧に応じて開閉する。
このとき、目標過給圧マップに基づき設定された目標過給圧によって、締結度合(デューティー率)とABV4の開度を夫々設定する。その締結度合とABV4の開度に応じた指令信号が電磁クラッチ3と駆動装置5に夫々出力される。
図9に示すように、制御部13は、電磁クラッチ3に出力するデューティー率の変化量が所定値以上の場合、例えば、デューティー率0%から100%に移行させる場合、過給機2の回転数の急激な変化(締結ショック)を抑えるために中間デューティー率(例えば、20%)の制御期間を設けている。尚、通常運転時には電磁クラッチ3のデューティー率が高い程ABV4の開度は小さくされる。尚、制御部13は、エンジンの運転状態が非過給領域にあるときは電磁クラッチ3を非締結にし且つABV4を開弁状態にする。
次に、本願特有の過給機制御について、図6、図7のフローチャートに基づいて説明する。図7のフローチャートは、割込み処理により図6の制御と並行的に実行される。
尚、図6、図7の図中、Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。
この過給機制御は、エンジンの作動中にPCM10により常時実行される制御で、最初にS1において各種センサ類20〜29から各種信号が読み込まれ、S2において、前述のように内壁温推定部11によりS/C壁温(過給機の機体温度)を推定する演算が実行される。
次に、S3おいて、エンジン回転数とスロットル開度と過給領域マップに基づいて、S/C作動条件成立か否か(つまり、エンジンの運転状態が過給領域か否か)判定される。その判定がNoの場合はS4において、S/C壁温が第1設定温度T1(例えば、3°C)未満か否か判定し、その判定がNoの場合はS10へ移行し、S4の判定がYesの場合はS5においてS/C壁温が第2設定温度T2(例えば、0°C)未満か否か判定し、その判定がYesのときはS6に移行し、S4の判定がNoの場合とS5の判定がNoの場合はS10へ移行する。
S5の判定がYesの場合はS6とS7のステップにおいて過給機2の強制駆動が実行される。即ち、S6においては、電磁クラッチ3を不完全締結(例えば、デューティー率20%)状態に切換えて過給機2を強制的に駆動し、次のS7おいてはABV4を閉弁する。図10は、電磁クラッチ3を不完全締結して過給機2を強制駆動する場合の例を示し、このとき過給機2内に氷結がなければ過給機2の回転数が図10のように増加していく。
次のS8においては、S/C回転数が設回転数より小さいか否か(つまり、過給機2の回転数が立ち上がったか否か)判定し、氷結等により過給機2の回転数が立ち上がらない場合にはS8の判定がYesとなり、S9において過給機2が氷結していると判定し、次にS11において、電磁クラッチ3がオフに切換えられ、その後制御はリターンする。
それ故、過給機2が氷結している場合等に過給機2が破損するのを防止できる。
他方、過給機2の回転数が立ち上がってS8の判定がNoとなった場合には、S13へ移行して過給機2の暖機促進のため電磁クラッチ3が通常のデューティー率で締結状態に切換えられて駆動され、その後制御はリターンする。
S4の判定がNoである場合やS5の判定がNoである場合は、非過給領域であって、凝縮水の氷結の虞がないため、S10においてABV4が開弁状態にされ、次にS11において電磁クラッチ3が非締結状態にされ、その後制御はリターンする。
エンジンの運転状態が過給領域にあってS3の判定がYesのときは、S12においてABV4が目標過給圧に応じて開閉され、次にS13において電磁クラッチ3が通常のデューティー率(例えば、100%)で締結状態に切換えられて駆動され、その後制御はリターンする。
次に、図7の割込み処理は、グリルシャッター8の開度を制御する制御であり、この割込み処理が開始されると、S20においてS/C壁温が第1設定温度T1(例えば、3°C)未満か否か判定され、その判定がYesの場合は走行風による過給機2の温度低下を防止する為、S21においてグリルシャッター8が全閉に切換えられてその後リターンする。
S20の判定がNoの場合はS22において車速Vが設定車速(例えば、100Km/h)以上か否か判定し、その判定がYesの場合はS24へ移行する。S22の判定がNoの場合はS23において潤滑油の油温が設定油温(例えば、60°C)以上か否か判定し、その判定がYesの場合はS24へ移行し、S23の判定がNoの場合はS25へ移行する。S24においては、エンジンのオーバーヒートを防ぐ為に、グリルシャッター8が全開に切換えられてその後リターンする。S25においてはエンジンルームへ走行風を導入する必要がないため、グリルシャッター8が全閉に切換えられてその後リターンする。
次に、上記過給装置1の作用、効果について説明する。
前記制御部13は、過給機2の壁温が第1設定温度T1よりも低い時はグリルシャッター8を閉じ側(全閉)に制御するため、過給機2の温度低下を抑制して、暖機のため過給機2を駆動する頻度を下げて燃費悪化を抑制できる。
また、過給機2の壁温が第1設定温度T1よりも低く設定された第2設定温度T2よりも低い時はグリルシャッター8を閉じ側(全閉)に制御すると共に、エンジンの運転状態が所定の非過給領域にあるときであっても前記駆動部に過給機2の強制駆動制御を実行させるため、過給機2の温度低下を抑制しながら、過給機2の暖機(昇温)を促進して、過給機2内での凝縮水の氷結を防止することができる。
前記制御部13は、エンジンの運転状態が非過給領域にあるときは電磁クラッチ3を非締結にし且つABV4を開弁するため、非過給領域のとき流路抵抗を軽減しながら吸気を供給することができる。
また、過給機2の壁温が第2設定温度T2よりも低い時は、エンジンの運転状態が非過給領域であってもABV4を閉作動して過給機2を強制駆動するため、過給機2の暖機(昇温)が促進されるため、冷間時であっても過給機2内に凝縮水が氷結することがない。
前記制御部13は、過給機強制駆動時、電磁クラッチ3を締結すると共に、ABV4を閉弁するため、過給機2を強制駆動することで、過給機2の昇温を促進できる。
前記制御部13は、過給機2の壁温を、過給機2の過給状態に関連するパラメータと、過給機2の冷却性に関連するパラメータとに基づいて推定する。
それ故、過給機2の過給状態に関連するパラメータから過給機の温度上昇量を推定し、過給機2の冷却性に関連するパラメータから過給機2の温度降下量を推定し、過給機2に関連する温度を精度よく推定することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更する例について説明する。
1]図8は、図7の割込み処理の変更形態を示すもので、変更したステップS30〜S34についてのみ説明する。
S30において過給機2の壁温が第2設定温度T2より低いか否か判定され、その判定がYesのときはS31へ移行し、S30の判定がNoのときはS22へ移行し、S22〜S25が実行される。
S31において車速Vが設定車速(例えば、100Km/h)以上か否か判定し、その判定がYesの場合はS33へ移行する。S31の判定がNoの場合はS32において油温が設定油温(例えば、60°C)以上か否か判定し、その判定がYesの場合はS33へ移行し、S32の判定がNoの場合はS34へ移行する。
S31の判定がYesの場合とS32の判定がYesの場合は、S33においてグリルシャッター8が半開に切換えられ、その後リターンする。S34においては過給機2の暖機を図るためグリルシャッター8が全閉に切換えられ、その後リターンする。
このように、過給機2の壁温が設定温度T2より低い場合でも、車速Vが設定車速以上であるときは、グリルシャッター8の閉じ側への制御を制限することで、過給機2の機能確保と車両の走行安定性確保との両立を図ることができる。
つまり、過給機2の壁温が第2設定温度T2よりも低い時、過給機2が強制駆動されると過給機2の温度が上昇するとともに、車速が設定車速以上であると過給機2の回転数が高まり、過給機2の温度上昇が促進されることから、グリルシャッター8を閉じ側に制御しなくても、過給機2の氷結が抑制される。このように、過給機2の氷結が問題とならない車速が設定車速以上であるときは、グリルシャッター8の閉じ側への制御を制限することで、走行風をエンジンルーム内にも導入して走行風の流れ抵抗を軽減して、走行安定性を確保することができる。
2〕前記実施形態においては、過給機温度を過給機の過給状態に関するパラメータと過給機の冷却性に関するパラメータとに基づき推定し、過給機の過給状態に関するパラメータが、吸気量、外気温、過給機の回転数、過給機の上流側圧力及び下流側圧力である例を説明したが、5つの要素のうち少なくとも1つを用いても良い。また、上記の少なくとも1つと5つの要素以外の要素との組み合わせで温度上昇量を推定しても良い。
同様に、過給機の冷却性に関するパラメータが、車速、グリルシャッターの開度である例を説明したが、2つの要素のうち少なくとも1つを用いても良い。また、上記の少なくとも1つと2つの要素以外の要素との組み合わせで温度低下量を推定しても良い。
3〕前記実施形態においては、リショルム式過給機の例を説明したが、特に、機械式の過給機に限られず、ブロアを電動モータで駆動可能な電動過給機、ターボ式過給機等過給機一般に適用することが可能である。
4]図5のS7のステップを省略し、電磁クラッチ3を非締結にし、且つS8のようにABV4を閉弁状態に切換えることで、過給機2をフリー回転可能状態にして、S9において過給機2の回転数を設定回転数と比較するように構成してもよい。
過給機2に氷結がなければ過給機2の回転数が立ち上がるけれども、過給機2に氷結が存在すると過給機2の回転数が立ち上がらないから、図5の過給機制御と同様の作用効果が得られる。この場合、吸気流により過給機2を強制的に駆動する強制的駆動が実行されることになる。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 過給装置
2 過給機
3 電磁クラッチ
4 ABV
8 グリルシャッター
9 駆動モータ
10 PCM
11 内壁温推定部
13 制御部
20 油温センサ
35 バイパス通路

Claims (5)

  1. 車両のエンジンルーム内への走行風の導入状態を変更可能な走行風制御弁と、エンジンの吸気通路に設けられた過給機と、この過給機を駆動する駆動部と、前記走行風制御弁と前記駆動部を制御する制御手段であってエンジンの運転状態が所定の過給領域にあるときに前記過給機を駆動し且つ運転状態が非過給領域のときに前記過給機の駆動を停止するように前記駆動部を制御する制御手段とを備えたエンジンの過給装置において、
    前記制御手段は、前記過給機に関連する温度が第1設定温度よりも低い時は前記走行風制御弁を閉じ側に制御し、前記過給機に関連する温度が第1設定温度よりも低く設定された第2設定温度よりも低い時は前記走行風制御弁を閉じ側に制御すると共に、エンジンの運転状態が所定の非過給領域にあるときであっても前記駆動部に前記過給機の強制駆動制御を実行させるように構成されたことを特徴とするエンジンの過給装置。
  2. 前記制御手段は、前記過給機に関連する温度が第2設定温度よりも低い時であっても、車速が設定車速以上であるときは、前記走行風制御弁の閉じ側への制御を制限するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの過給装置。
  3. 前記駆動部は、前記過給機とエンジンの出力軸との締結状態を制御可能とした電磁クラッチと、前記過給機をバイパスするバイパス通路と、前記バイパス通路に配設されるバイパス弁とを備え、
    前記制御手段は、エンジンの運転状態が過給領域にあるときは前記電磁クラッチを締結すると共に前記バイパス弁を目標過給圧に応じて開閉し、エンジンの運転状態が非過給領域にあるときは前記電磁クラッチを非締結にし且つ前記バイパス弁を開弁するように構成されると共に、
    前記過給機に関連する温度が第2設定温度よりも低い時は、エンジンの運転状態が非過給領域であっても前記バイパス弁を閉作動して前記過給機を強制駆動するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの過給装置。
  4. 前記制御手段は、前記過給機強制駆動時、前記電磁クラッチを締結すると共に、前記バイパス弁を閉弁することを特徴とする請求項3に記載のエンジンの過給装置。
  5. 前記制御手段は、前記過給機に関連する温度を、前記過給機の過給状態に関連するパラメータと、前記過給機の冷却性に関連するパラメータとに基づいて推定するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの過給装置。
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