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JP6925036B2 - 側溝の補修用内挿材及び側溝の補修工法 - Google Patents
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JP6925036B2 - 側溝の補修用内挿材及び側溝の補修工法 - Google Patents

側溝の補修用内挿材及び側溝の補修工法 Download PDF

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本発明は、水路と、この水路の上部から地上に達するスリット状の連通路とを有する側溝の補修に用いられる補修用内挿材及び側溝の補修工法に関する。
高速道路の路肩等に設けられている側溝には、蓋の飛散という問題を回避するため、断面形状が円形あるいは卵形の水路と、スリット状の連通路とを有するコンクリートブロックを用いた、蓋のない側溝が広く採用されている。この側溝は、車両が本来通過しない場所に設置されているが、何らかの事情によって車両が通過すると、その荷重によって、連通路が形成された上部部分が破損して崩落しまう場合がある。また、高速道路の老朽化が進み、水路を画定する水路画定面や、連通路を画定する連通路画定面の剥落も生じやすくなってきている。
上部部分が崩落した側溝や老朽化した側溝の補修を行う場合に、広範囲に渡って側溝を掘り起こして新たに水路を作り直す大掛かりな工事を行うと、長時間道路を封鎖しなければならない等の弊害が大きい。また、崩落した箇所に蓋を被せる等の応急処置がとられる場合があるが、車の乗り上げにより蓋が飛散してしまう虞がある。このため、大掛かりな工事を行うことなく、また、飛散の虞がある蓋を必要としない側溝の補修工法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特許文献1記載の側溝の補修工法は、まず、ポリ塩化ビニル管等で構成された更生管を水路に挿入すると共に、底板を有する枠部材を連通路に収容する。次いで、水路に挿入された更生管と連通路に配置された枠部材とをビスで接合し、その後、更生管の頂部(上側部)と枠部材の底板とをジグソー等で切除する。これにより、更生管の頂部にスリットが形成されると共に枠部材の底部が開放され、更生管によって形成される新たな水路と、枠部材によって形成される新たな連通路とが連通し、側溝が補修される。特許文献1記載の補修工法によれば、飛散の虞がある蓋を必要とせず、また、広範囲に渡って掘り起こすといった大掛かりな工事を行うことなく、側溝を補修することができる。
特開2017−166120号公報
しかしながら、特許文献1に記載された補修工法では、高速道路の路肩等の現地において、更生管と枠部材とを接合する作業や、更生管の頂部と枠部材の底板とをジグソー等で切除するといった作業が必要になる。大掛かりな工事ではないとはいっても、高速道路等で補修工法を実施する場合には、道路の封鎖や車線規制が必要になる場合があり、いうまでもなく、現地での作業を極力減らして、可能な限り工期を短縮することが望まれる。
本発明は上記事情に鑑み、現地での作業を減らすことができる、側溝の補修用内挿材及び側溝の補修工法を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の側溝の補修用内挿材は、水路と、該水路の上部から地上に達するスリット状の連通路とを有する側溝に挿入される補修用内挿材であって、
前記連通路に対応するスリットを有し、前記水路に挿入される本体部と、
前記本体部における、前記スリットを挟んだ両側にそれぞれ立設し、前記連通路に挿入される一対の立上り部とを備え、
前記本体部は、前記水路に挿入されると、該水路を画定する水路画定面の内側に新たな水路を形成するものであり、
前記一対の立上り部は、前記連通路に挿入されると、該連通路を画定する一対の連通路画定面の内側に新たな連通路を形成するものであることを特徴とする。
ここで、前記補修用内挿材は、金属性材料又は樹脂性材料により一体形成したものであってもよいし、前記本体部と前記立上り部を、金属性材料又は樹脂性材料によりそれぞれ形成し、工場等で一体化したものであってもよい。また、前記補修用内挿材は、前記本体部と前記立上り部とを備える複数の構成体を、延在方向に接続して一体化したものであってもよい。
さらに、前記側溝は、円形の水路を有する円形側溝であってもよいし、卵形の水路を有する卵形側溝であってもよい。
またさらに、前記本体部は、前記水路に挿入されると、前記水路画定面を被覆するものであってもよく、前記一対の立上り部は、前記連通路に挿入されると、前記一対の連通路画定面をそれぞれ被覆するものであってもよい。
さらにまた、前記水路画定面及び前記連通路画定面は、その一部又は全部が、破損又は除去されている場合も含まれる。
本発明の補修用内挿材は、前記スリットを有する前記本体部と、該本体部における、該スリットを挟んだ両側にそれぞれ立設した前記一対の立上り部とを備えている。このため、本発明の補修用内挿材を前記側溝に挿入すれば、前記本体部によって前記新たな水路が形成され、前記一対の立上り部によって前記新たな連通路が形成される。この結果、現地において、前記本体部と前記一対の立上り部とを接合する作業や、該本体部の一部を切除するといった作業が不要になり、現地での作業を減らすことができる。
また、本発明の側溝の補修用内挿材において、前記本体部は、前記新たな水路を画定する内面に、該新たな水路が延在する方向と直交する方向に突出した補強リブを有するものであってもよい。
さらに、本発明の側溝の補修用内挿材において、前記新たな連通路が延在する方向に所定の間隔を空けて設けられ、前記一対の立上り部を連結する連結リブを有するものであってもよい。
ここで、前記連結リブは、前記一対の立上り部に一体的に形成されたものであってもよいし、前記一対の立上り部に対して着脱自在なものであってもよい。
前記補強リブや前記連結リブを有する態様を採用すれば、車両が通過した際の荷重等に対する強度が向上する。この結果、例えば軽量であるが強度的に弱い材料の採用や、薄肉化が可能になる。
またさらに、本発明の側溝の補修用内挿材において、前記本体部と前記立上り部とを備え金属性材料により一体形成した金属製構成体と、前記本体部と前記立上り部とを備え樹脂性材料により一体形成した樹脂製構成体とを、延在方向に接続して一体化したものであってもよい。
ここで、延在方向とは、前記新たな水路が延在する方向、及び前記新たな連通路が延在する方向のことをいう。
前記金属製構成体と前記樹脂製構成体とを接続して一体化する構成を採用すれば、例えば強度を重視して前記補修用内挿材全体を金属性材料で構成した場合と比較し、強度の低下を抑えつつ軽量化を図ることが可能になる。また、前記金属製構成体を例えば鋳物で一体に形成したとしても、前記補修用内挿材全体を鋳物で一体に形成する場合と比べ、その型枠サイズを小さくでき費用を抑えることができる。
上記目的を解決する本発明の側溝の補修工法は、水路と、該水路の上部から地上に達するスリット状の連通路とを有する側溝を補修する側溝の補修工法であって、
前記連通路に対応するスリットを有し、前記水路に挿入される本体部と、該本体部の、該スリットを挟んだ両側にそれぞれ立設し、該連通路に挿入される一対の立上り部とを備え、前記側溝に挿入されると、該本体部が、該水路を画定する水路画定面の内側に新たな水路を形成すると共に、該一対の立上り部が、該連通路を画定する一対の連通路画定面の内側に新たな連通路を形成する補修用内挿材を準備する準備行程と、
前記準備行程で準備した前記補修用内挿材を、前記側溝に挿入する挿入行程と、
前記側溝の破損箇所に充填材を充填する充填工程とを有することを特徴とする。
ここで、前記挿入工程は、前記補修用内挿材を、前記側溝が接続する集水桝から該側溝に挿入する工程であってもよい。
また、前記連通路の周りを開削等により除去し、前記補修用内挿材を挿入する開口を形成する開口形成工程と、該開口形成工程によって除去した箇所に充填材を充填する第2充填工程を有し、前記挿入工程は、前記補修用内挿材を、前記開口形成工程によって形成した前記開口から前記側溝に挿入する工程であってもよい。
さらに、前記準備工程において、金属製の前記補修用内挿材と、樹脂製の前記補修用内挿材とを準備し、前記挿入工程は、該金属製の補修用内挿材と、該樹脂製の補修用内挿材とを、前記側溝に交互に挿入する工程としてもよい。
本発明の側溝の補修工法によれば、現地において、前記本体部と前記一対の立上り部とを接合する作業や、該本体部の一部を切除するといった作業が不要になり、現地での作業を減らすことができる。
本発明によれば、現地での作業を減らすことができる、側溝の補修用内挿材及び側溝の補修工法を提供することができる。
本発明の側溝の補修用内挿材と、本発明の側溝の補修工法を適用する、高速道路の路肩部分を示す断面図である。 (a)は、本発明の側溝の補修用内挿材を示す正面図であり、(b)は、(a)に示す側溝の補修用内挿材を、右斜め上方から見た斜視図である。 (a)は、本発明の側溝の補修工法を実施する、高速道路の路肩の一部を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 本発明の側溝の補修工法における工程の一例を示すフローチャートである。 (a)は、図4(a)のB−B線断面図であり、挿入工程の様子を示している。(b)は、(a)のC−C線断面図である。 側溝に挿入された補修用内挿材を移動させる台車の斜視図である。 (a)は、補強リブを備えた第1変形例の補修用内挿材の正面図であり、(b)は、(a)の側面図である。 (a)は、連結リブを備えた第2変形例の補修用内挿材の正面図であり、(b)は、(a)の側面図である。 (a)は、着脱自在な着脱連結リブを備えた第3変形例の補修用内挿材の正面図であり、(b)は、(a)の着脱連結リブを、鉛直方向の軸を中心として90度回転させ、正面から見て横向きにした様子を示す図である。 第4変形例の補修用内挿材の斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の説明では、高速道路の路肩に設けられた側溝を補修する態様を例に挙げて説明する。なお、本発明は、一般道路に設けられた側溝の補修や、公園等に設けられた側溝の補修にも適用することができる。
図1は、本発明の側溝の補修用内挿材と、本発明の側溝の補修工法を適用する、高速道路の路肩部分を示す断面図である。図1では、紙面と直交する方向が高速道路の進行方向になり、図の左右方向が高速道路の幅方向になる。また、図1では、左側が高速道路の本線側になる。
図1に示すように、高速道路の路肩9には、縁石91に沿って側溝1が設けられている。本実施形態の側溝1には、鉄筋コンクリート製の側溝ブロック10が用いられており、延在方向(図1では紙面に直交する方向)の長さが数m程度の側溝ブロック10が、高速道路の進行方向に接続されて側溝1が構成されている。側溝1には、側溝ブロック10の水路画定面10aによって画定された、断面形状が円形の水路Wが形成されている。水路画定面10aの内径は、200mm〜500mm程度(例えば450mm)である。また、側溝1には、水路Wの上部につながり、水路Wから地上に達するスリット状の連通路Sが形成されている。この連通路Sは、側溝ブロック10における、水路画定面10aの上端に連なる一対の連通路画定面10bによって画定されている。一対の連通路画定面10bの幅方向の間隔は、60mm〜80mm程度(例えば60mm)である。なお、側溝1は、水路Wの断面形状が円形の態様(円形側溝)に限られるものではなく、例えば水路Wの断面形状が卵形の態様(卵形側溝)であってもよい。
ここで、側溝1は、路肩9の、本来車両が通過しない場所に設置されているが、一点鎖線でタイヤTを示すように、何らかの事情によって側溝1上を車両が通過すると、その荷重によって、側溝ブロック10における上部側の部分Bが破損して崩落しまう場合がある。また、高速道路の老朽化が進み、水路画定面10aや連通路画定面10bが剥落してしまう場合もある。本発明は、このような崩落や剥落が生じた側溝1の補修や、崩落等の予防措置として用いられるものである。
図2(a)は、本発明の側溝の補修用内挿材3を示す正面図であり、同図(b)は、同図(a)に示す側溝の補修用内挿材3を、右斜め上方から見た斜視図である。以下、側溝の補修用内挿材3を、単に補修用内挿材3と称する場合がある。また、図2(a)における左右方向を、補修用内挿材3の幅方向と称し、図2(a)における紙面と直交する方向、すなわち、図2(b)における、左斜め下方と右斜め上方とを結ぶ方向を、補修用内挿材3の延在方向と称して説明する。
図2(a)及び同図(b)に示すように、補修用内挿材3は、円筒の上部部分にスリットが形成された、正面視においていわゆるランドルト環状の本体部31と、本体部31のスリットを挟んだ両側の端部311にそれぞれ立設した一対の立上り部32とを備えている。補修用内挿材3は、本体部31と一対の立上り部32とが一体形成されたものであってもよいし、それぞれ形成された本体部31と一対の立上り部32とを溶接又は接着により一体化したものであってもよい。また、補修用内挿材3は、例えばダクタイル鋳鉄の鋳物等、金属性材料により形成したものであってもよいし、樹脂性材料により形成したものであってもよい。樹脂性材料により形成したものとしては、ガラスマットにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ熱硬化させたものや、塩化ビニル樹脂により形成したものが例示できる。
本体部31の内側には、内周面31aによって画定された空間が形成されている。この空間は、後述する側溝の補修工法によって、本体部31が、図1に示す側溝1の水路Wに挿入されると新たな水路を形成する空間であり、図2(a)では、新水路W’の符号で示している。また、一対の立上り部32の内側には、内面32aによって画定された(挟まれた)空間が形成されている。この空間は、側溝の補修工法によって、一対の立上り部32が、図1に示す側溝1の連通路Sに挿入されると新たな連通路を形成する空間であり、図2(a)では、新連通路S’の符号で示している。
次いで、本発明の側溝の補修工法について説明する。
図3(a)は、本発明の側溝の補修工法を実施する、高速道路の路肩の一部を示す平面図である。なお、図3(a)では、図の左右方向が高速道路の進行方向になる。また、図面を簡略化するため、図3(a)では、側溝1と集水桝8のみを示すと共に、集水桝8間の側溝1の途中部分を省略している。図3(b)は、同図(a)のA−A線断面図である。
図3(a)及び同図(b)に示すように、側溝1は、側溝ブロック10の上側部分の一部が崩落し、崩落箇所10cが生じている。この崩落箇所10cは、図1に示す側溝ブロック10における上部側の部分Bに相当する部分が崩落して生じたものである。
集水桝8は、側溝1の数十m〜数百mおきに設けられたものであり、その上面には、開口81b(図5(a)参照)が形成された受枠81と、開口81bを閉塞するグレーチング82を有している。また、受枠81は、側溝ブロック10の連通路画定面10bに対応した一対のスリット画定面81aを有しており、連通路Sに対応したスリットが形成されている。
図4は、本発明の側溝の補修工法における工程の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、側溝の補修工法では、まず準備工程を実施する(ステップ1)。この準備工程では、図2に示す補修用内挿材3を準備する。本実施形態の補修用内挿材3は、所定の型枠を用いて一体に鋳造されたダクタイル鋳鉄製のものである。
続いて、水路W内に崩落した、側溝ブロック10の破片の除去や、水路W内の清掃等を行い、次いで、図4に示す挿入工程を実施する(ステップ2)。
図5(a)は、図4(a)のB−B線断面図であり、挿入工程の様子を示している。
図5(a)に示すように、崩落箇所10cが生じた側溝ブロック10を挟んだ両側の集水桝8のうち、一方(図では左側)の集水桝8の開口81bから補修用内挿材3を下方に挿入する。次いで、集水桝8内に挿入された補修用内挿材3を、集水桝8に接続した側溝ブロック10に横方向(図では右方向)に挿入していく。具体的には、補修用内挿材3の立上り部32を、集水桝8の一対のスリット画定面81a間に形成されたスリットを通して、連通路Sに挿入し、補修用内挿材3の本体部31を水路Wに挿入していく。なお、集水桝8にスリットが形成されていない場合には、集水桝8を削ってスリットを形成すればよい。
これらの作業を繰り返すと共に、また、他方(図では右側)の集水桝8近傍に配置されたウインチ7で引っ張りながら、集水桝8間の全長に亘って補修用内挿材3を挿入させる。なお、図5(a)では、側溝ブロック10に3つの補修用内挿材3が挿入された様子を示している。
次いで、図4に示す充填工程を実施する(ステップ3)。この充填工程では、充填材としてのモルタルが破損箇所(崩落箇所)に充填される。
図5(b)は、同図(a)のC−C線断面図である。なお、図5(b)では、充填工程が実施され、モルタルが充填された後の様子を示している。
図5(b)に示すように、崩落箇所10cと補修用内挿材3との間にはモルタルMが充填されている。この充填されたモルタルMが固まると側溝の補修工法が完了する。また、側溝ブロック10の水路画定面10aが、本体部31によって被覆されると共に、本体部31の内周面31aによって画定された新水路W’が形成される。さらに、側溝ブロック10の一対の連通路画定面10bが、一対の立上り部32によってそれぞれ被覆されると共に、一対の立上り部32の内面32aによって画定された新連通路S’が形成される。すなわち、本体部31は、水路Wに挿入されると、水路Wを画定する水路画定面10aの内側に新たな水路(新水路W’)を形成するものであり、一対の立上り部32は、連通路Sに挿入されると、連通路Sを画定する一対の連通路画定面10bの内側に新たな連通路(新連通路S’)を形成するものである。これにより、崩落箇所10cが補修されると共に、補修用内挿材3によって、側溝ブロック10が補強され、さらに、水路画定面10aと一対の連通路画定面10bが被覆される。これらの結果、側溝ブロック10の新たな崩落や、水路画定面10a及び連通路画定面10bの剥落等を防ぐことができる。
なお、側溝ブロック10が一カ所崩落した場合には、他の部分も崩落する可能性が高まっている。このため、集水桝8間の全長に亘って補修用内挿材3を挿入させる態様が好ましいが、応急処置或いはコスト等を考え、崩落箇所10cとその周りだけに補修用内挿材3を挿入させることも可能である。この場合には、崩落箇所10cの周囲を開削して、図3(a)の一点鎖線で示すように、補修用内挿材3よりも大きな挿入開口10dを形成し(開口形成工程)、この挿入開口10dから補修用内挿材3を挿入した後(挿入工程)、開削した箇所にモルタルを充填(第2充填工程)してもよい。
図6は、側溝に挿入された補修用内挿材を移動させる台車6の斜視図である。
図5(a)に示すウインチ7で補修用内挿材3を移動させてもよいが、補修用内挿材3の移動には、ウインチ7に代えて、あるいはウインチ7と共に、図6に示す台車6を用いてもよい。なお、図6では、左斜め下方と右斜め上方とを結ぶ方向が、補修用内挿材3の延在方向に対応する、台車6の延在方向になる。
図6に示すように、台車6は、ベース部61と、4つのローラ62と、一対のピン部材63を備えている。ベース部61は、平面視において、延在方向に長い長方形の板材である。このベース部61の幅方向の両側に、ローラ62が2つずつ回転自在に取り付けられている。ベース部61に取り付けられたローラ62の幅方向の間隔は、図3に示す、一対の連通路画定面10bの間隔よりも大きく設定されている。
一対のピン部材63は、ベース部61の幅方向中央部分において延在方向に間隔を空けて配置されている。また、一対のピン部材63それぞれは、ベース部61を上下方向に貫通すると共に、円弧状の両矢印で示すように、鉛直方向の軸を中心としてベース部61に対して回転自在に設けられている。ピン部材63の上端部分には、フック等を取り付ける取付部631が設けられ、下端部分には、係合部632が設けられている。係合部632は、半円状の板材であり、ピン部材63を回転させることで、図では実線で示す、延在方向に沿った姿勢と、図では一点鎖線で示す、延在方向に直交する方向に沿った姿勢とに変更することができる。
この台車6は、集水桝8から側溝1に挿入した補修用内挿材3に係合部632を係合させて、補修用内挿材3を移動させることができる。具体的には、まず、連通路Sを跨ぐようにローラ62を側溝ブロック10の上面に載せて、補修用内挿材3を挿入する集水桝8の近傍に台車6を配置する。次いで、ピン部材63の下側部分が、補修用内挿材3における、一対の立上り部32の内面32a間に挿入されるように、補修用内挿材3を集水桝8から側溝1に挿入する。次に、台車6のピン部材63を回転させて、係合部632を、延在方向と直交する方向に沿った姿勢とする。これにより、ピン部材63の係合部632が、補修用内挿材3における本体部31のスリットを挟んだ両側の端部311(図2参照)に係合する。この状態で、取付部631に取り付けたワイヤをウインチ等で引っ張ることで、ローラ62が回転して台車6が所定の方向に移動し、この台車6に係合した補修用内挿材3も所定方向に移動させることができる。所望の場所まで補修用内挿材3を移動させたら、ピン部材63を回転させて、係合部632を延在方向に沿った姿勢とする。これにより、係合部632と補修用内挿材3との係合が解除され、台車6を補修用内挿材3から取り外すことができる。
以上説明した、補修用内挿材3及び、この補修用内挿材3を用いた側溝の補修工法によれば、現地において、本体部31と一対の立上り部32とを接合する作業や、本体部31等の一部を切除するといった作業が不要になり、現地での作業を減らすことができる。
次に、図2及び図5に示す補修用内挿材3の変形例について説明する。以下に説明する変形例においては、図2及び図5に示す実施形態との相違点を中心に説明し、図2及び図5に示す実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
補修用内挿材3は、薄肉化等を図る場合や、軽量であるが強度的に弱い材料、例えば樹脂材料を用いる場合などには、車両が通過した際の荷重に十分耐えうるように、強度を向上させる構成を採用することが好ましい。
図7(a)は、補強リブを備えた第1変形例の補修用内挿材の正面図であり、同図(b)は、同図(a)の側面図である。
図7(a)に示すように、第1変形例の補修用内挿材3は、本体部31の内周面31aから内側(新水路W’が延在する方向と直交する方向)に突出した一対の補強リブ312を有している。これら一対の補強リブ312は、本体部31のスリットを挟んだ両側の端部311から、本体部31の内周面31aにおける下側部分にかけて設けられている。また、図7(b)に示すように、これら一対の補強リブ312は、補修用内挿材3の延在方向に間隔を空けて複数組(図では2組)設けられている。
本変形例の補修用内挿材3によれば、図7(a)において白抜きの矢印示す、車両が通過した際に本体部31の上側部分に掛かる荷重は、直線の矢印で示すように補強リブ312によって本体部31の下側部分に伝えられる。このため、車両が通過した際に大きな荷重が掛かっても、本体部31の上側部分が変形したり破損したりすることが抑えられ、側溝ブロック10(図1参照)の崩落等をより確実に防ぐことができる。
ここで、一対の補強リブ312の形態は特に限定されるものではないが、図1に示すような、側溝ブロック10における上部側の部分Bの崩落を効果的に防ぐためには、本体部31の端部311あるいは端部311の近傍から、本体部31の下側部分にかけて補強リブ312を設ける態様が好ましい。また、第1変形例の補修用内挿材3のように、新水路W’の下側領域は、水の流れを確保するため開放しておく態様が好適である。
図8(a)は、連結リブを備えた第2変形例の補修用内挿材3の正面図であり、同図(b)は、同図(a)の側面図である。
図8(a)に示すように、第2変形例の補修用内挿材3は、一対の立上り部32を連結すると共に、本体部31における、一対の端部311も連結する連結リブ321を有している。この連結リブ321は、図8(b)に示すように、補修用内挿材3の延在方向(新連通路S’の延在方向)に間隔を空けて複数(図では2つ)設けられている。
本変形例によれば、連結リブ321によって、補修用内挿材3が部分的に管状に構成される。このため、車両が通過した際に大きな荷重(白抜きの矢印)が掛かっても、本体部31の上側部分が変形したり破損したりすることが抑えられ、側溝ブロック10(図1参照)の崩落等を防ぐことができる。また、新水路W’内に水の流れを遮るものもない。なお、補修用内挿材3の強度が確保できる場合には、連結リブ321によって、一対の立上り部32だけを連結する態様としてもよい。
図9(a)は、着脱自在な着脱連結リブを備えた第3変形例の補修用内挿材の正面図である。図9(b)は、同図(a)の着脱連結リブを、鉛直方向の軸を中心として90度回転させ、正面から見て横向きにした様子を示す図である。
図9(a)の二点鎖線の円で囲んだ部分を拡大して示すように、第3変形例の補修用内挿材3は、一対の立上り部32の内面32aが、下方に向かうに従い間隔が狭くなるテーパ状の傾斜面で形成されている。また、一対の立上り部32間には、着脱連結リブ322が配置されている。この着脱連結リブ322は、補修用内挿材3の延在方向(新連通路S’の延在方向)に間隔を空けて複数取り付けられている。
図9(b)では着脱連結リブ322を側方から見た様子を示しており、着脱連結リブ322は、側方から見ると、一対の立上り部32の間隔よりも薄い板状のものである。また、図9(a)に示す、正面から見た着脱連結リブ322は、上側から下側にかけて、嵌合部3221と、連結部3222と、抜止部3223とが記載順に設けられている。嵌合部3221は、その側面が、一対の立上り部32の内面32aに対応し、上方から差し込むと内面32aに嵌合するテーパ状の傾斜面で形成されている。なお、着脱連結リブ322の嵌合部3221が、一対の立上り部32の内面32aに嵌合した状態では、着脱連結リブ322の上端が、一対の立上り部32の上端と同じ高さになるか、あるいはやや低くなるように設定されている。
連結部3222は、嵌合部3221と抜止部3223とを連結する部分であり、一対の立上り部32の内面32aとの間に隙間が生じるように、内面32aよりも内側に傾いたテーパ状の傾斜面で形成されている。抜止部3223は、本体部31の両側の端部311の間隔よりも幅方向に大きく拡がった幅広の部分である。
図9(a)の実線で示すように、一対の立上り部32間に取り付けられた着脱連結リブ322は、嵌合部3221の側面が、一対の立上り部32の内面32aに嵌合しているため、図8に示す第2変形例と同様に補修用内挿材3が部分的に管状に構成され、補修用内挿材3の強度が向上する。また、一点鎖線で示すように、着脱連結リブ322が浮き上がろうとしても、抜止部3223が、本体部31の両側の端部311やその周囲の内周面31aに引っ掛かかるため、着脱連結リブ322が不用意に抜けてしまうことが防止される。
着脱連結リブ322を補修用内挿材3から取り外すには、図9(b)に示すように、鉛直方向の軸を中心として90度回転させることで横向きにした姿勢で、上方に引き抜けばよい。本変形例によれば、着脱連結リブ322を取り外すことができるため、新連通路S’(図5(b)参照)から新水路W’に清掃具を挿入し、この清掃具を延在方向に移動させて新水路W’を清掃することができる。また、このような清掃を行う清掃器具(例えば、特開2017−155502号公報参照)等も使用することができる。
図10は、第4変形例の補修用内挿材3の斜視図である。図10では、左斜め下方と右斜め上方とを結ぶ方向が延在方向になる。
図10に示すように、本変形例の補修用内挿材3は、1又は複数の金属製構成体3Aと、1又は複数の樹脂製構成体3Bとを、延在方向に接続して一体化したものである。具体的には、3つの金属製構成体3Aのそれぞれの間に、樹脂製構成体3Bが配置されている。これら金属製構成体3Aと樹脂製構成体3Bとは、例えば接着により接続されている。なお、一点鎖線で示す連結バー33を用い、この連結バー33と3つの金属製構成体3Aそれぞれとを溶接等で一体化してもよい。
金属製構成体3Aは、本体部31と、一対の立上り部32とを備え、例えばダクタイル鋳鉄製の一体のものである。樹脂製構成体3Bは、本体部31と、一対の立上り部32とを備え、例えば、ガラスマットにエポキシ樹脂を含浸させ熱硬化させて一体形成したものである。
本変形例によれば、金属製構成体3Aを鋳造によって一体形成する態様としても、補修用内挿材3全体を鋳造によって一体形成する態様に比べ、鋳造に用いる型枠を小型化してコストを抑えることができる。また、金属製構成体3Aの間に樹脂製構成体3Bを挟むことで、強度の低下を抑えつつ補修用内挿材3の軽量化を図ることができる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。また、以上説明した実施形態やいずれかの変形例にのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、実施形態や他の変形例に適用してもよい。例えば、図10に示す第4変形例の補修用内挿材3において、金属製構成体3A又は樹脂製構成体3Bのいずれか一方に、図7に示す第1変形例の補強リブ312、図8に示す第2変形例の連結リブ321、あるいは図9に示す第3変形例の着脱連結リブ322を設けてもよい。
1 側溝
10 側溝ブロック
10a 水路画定面
10b 連通路画定面
10c 崩落箇所
3 補修用内挿材
31 本体部
31a 内周面
312 補強リブ
32 立上り部
32a 内面
321 連結リブ
322 着脱連結リブ
3A 金属製構成体
3B 樹脂製構成体
S 連通路
S’ 新連通路(新たな連通路)
W 水路
W’ 新水路(新たな水路)

Claims (5)

  1. 水路と、該水路の上部から地上に達するスリット状の連通路とを有する側溝に挿入される側溝の補修用内挿材であって、
    前記連通路に対応するスリットを有し、前記水路に挿入される本体部と、
    前記本体部における、前記スリットを挟んだ両側にそれぞれ立設し、前記連通路に挿入される一対の立上り部とを備え、
    前記本体部は、前記水路に挿入されると、該水路を画定する水路画定面の内側に新たな水路を形成するものであり、
    前記一対の立上り部は、前記連通路に挿入されると、該連通路を画定する一対の連通路画定面の内側に新たな連通路を形成するものであることを特徴とする側溝の補修用内挿材。
  2. 前記本体部は、前記新たな水路を画定する内面に、該新たな水路が延在する方向と直交する方向に突出した補強リブを有するものであることを特徴とする請求項1記載の側溝の補修用内挿材。
  3. 前記新たな連通路が延在する方向に所定の間隔を空けて設けられ、前記一対の立上り部を連結する連結リブを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の側溝の補修用内挿材。
  4. 前記本体部と前記立上り部とを備え金属性材料により一体形成した金属製構成体と、前記本体部と前記立上り部とを備え樹脂性材料により一体形成した樹脂製構成体とを、延在方向に接続して一体化したものであることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の側溝の補修用内挿材。
  5. 水路と、該水路の上部から地上に達するスリット状の連通路とを有する側溝を補修する側溝の補修工法であって、
    前記連通路に対応するスリットを有し、前記水路に挿入される本体部と、該本体部の、該スリットを挟んだ両側にそれぞれ立設し、該連通路に挿入される一対の立上り部とを備え、前記側溝に挿入されると、該本体部が、該水路を画定する水路画定面の内側に新たな水路を形成すると共に、該一対の立上り部が、該連通路を画定する一対の連通路画定面の内側に新たな連通路を形成する補修用内挿材を準備する準備行程と、
    前記準備行程で準備した前記補修用内挿材を、前記側溝に挿入する挿入行程と、
    前記側溝の破損箇所に充填材を充填する充填工程とを有することを特徴とする側溝の補修工法。
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