JP6925201B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法、表示装置、照明装置 - Google Patents
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Description
有機EL素子は、陰極と陽極との間に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層等の複数の層が積層された構造を有している。有機EL素子としては、基板と発光層との間に陽極が配置された順構造のものと、基板と発光層との間に陰極が配置された逆構造のものとがある。逆構造の有機EL素子では、これを画像表示装置などに用いる場合に、陰極とトランジスタなどとを容易に接続できる。
金属酸化物としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化錫(SnO2)等が使用可能である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
一方、有機EL素子を含むフレキシブルディスプレイを製造する場合、柔軟性を有する樹脂材料からなる基板を用いる。樹脂材料からなる基板は耐熱性が低いため、有機EL素子の製造プロセスを低温で行うことが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、連続駆動させても発光特性が劣化しにくい有機EL素子およびその製造方法を提供することを課題とする。
また、上記の有機EL素子を含み、長期間安定して使用できる表示装置および照明装置を提供することを課題とする。
その結果、有機EL素子の陰極と発光層との間に、スズ、ジルコニウム、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ハフニウムから選ばれる1種以上の元素と、酸化亜鉛ナノ粒子とを含む電子注入層を設ければよいことを見出し、本発明を想到した。
〔1〕 陰極と陽極との間に発光層が設けられ、
前記陰極と前記発光層との間に、スズ、ジルコニウム、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ハフニウムから選ばれる1種以上の元素と、酸化亜鉛ナノ粒子とを含む電子注入層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
〔4〕 〔1〕または〔2〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含むことを特徴とする照明装置。
スズ、ジルコニウム、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ハフニウムから選ばれる1種以上の元素と、酸化亜鉛ナノ粒子と、溶媒とを含む塗布液を、前記電子注入層の被形成面に塗布する電子注入層形成工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
〔7〕 前記塗布液が、スズアセチルアセトナート錯体と、前記酸化亜鉛ナノ粒子と、溶媒からなることを特徴とする〔5〕に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
また、本発明の表示装置および照明装置は、本発明の有機EL素子を含むため、長期間安定して使用できる。
従来、酸化亜鉛ナノ粒子を含む電子注入層を有する有機EL素子を連続駆動させると、短時間で発光特性が劣化する。これは、以下に示す理由によるものであると推定される。
そこで、本発明者は、酸素との結合力が亜鉛よりも強い元素に着目し、酸素との結合力が強い元素を、酸化亜鉛ナノ粒子とともに含む電子注入層を形成した。この場合、酸素との結合力の強い元素が酸化亜鉛ナノ粒子にドープされて、酸化亜鉛ナノ粒子の酸素欠損の増加を防ぐとともに酸素欠損部位を保護し、電子注入層の発光層側に接する層の劣化を防ぐものと推定される。
「有機EL素子」
図1は、本実施形態の有機EL素子の一例を説明するための断面模式図である。図1に示す本実施形態の有機EL素子10は、陽極9(電極)と陰極3(電極)との間に、発光層6を含む積層構造が形成されているものである。
本実施形態の有機EL素子10は、基板2と発光層6との間に陰極3が配置された逆構造のものである。また、本実施形態の有機EL素子10は、無機材料を含む電子注入層1が設けられた逆構造の有機−無機ハイブリッド有機EL素子である。
また、本実施形態では、基板2と発光層6との間に陰極3が配置された逆構造の有機EL素子10を例に挙げて説明するが、本発明の有機EL素子は、基板と発光層との間に陽極が配置された順構造のものであってもよい。
基板2の材料としては、樹脂材料、ガラス材料等が挙げられる。基板2の材料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
基板2に用いられる樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等が挙げられる。基板2の材料として、樹脂材料を用いた場合、柔軟性に優れた有機EL素子10が得られるため好ましい。
基板2に用いられるガラス材料としては、石英ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。
有機EL素子10がトップエミッション型のものである場合には、基板2の材料として、透明基板だけでなく、不透明基板を用いてもよい。不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料からなる基板、ステンレス鋼のような金属板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成した基板、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
基板2の平均厚さはデジタルマルチメーター、ノギスなどにより測定できる。
陰極3の材料としては、ITO(インジウム酸化錫)、IZO(インジウム酸化亜鉛)、FTO(フッ素酸化錫)、InSnZnO(インジウム酸化亜鉛錫、ITZO)、In3O3、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物の導電材料を用いることが好ましい。これらの中でも特に、陰極3の材料としてITO、IZO、FTOを用いることが好ましい。
電子注入層1は、スズ、ジルコニウム、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ハフニウムから選ばれる1種以上の元素と、酸化亜鉛ナノ粒子とを含む。
スズ、ジルコニウム、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ハフニウムは、いずれも酸素との結合力が亜鉛よりも強い元素である。本実施形態では、スズ、ジルコニウム、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ハフニウムから選ばれる1種以上の元素(以下、「ドープ元素」という場合がある。)の中でも、特に透明性や導電性が良好であるため、スズが好ましい。
電子注入層1の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
有機電子注入層4の材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物;ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物;ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレンのようなポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、ポリ(ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物;ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物;ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物や、特許文献3に記載のホウ素含有化合物や、特許文献4に記載のポリアミン類等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
有機電子注入層4の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。または、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
電子輸送層5の材料としては、電子輸送層5の材料として通常用いることができるいずれの材料も用いることができ、これらを混合して用いてもよい。
電子輸送層5の材料として用いることができる低分子化合物の例としては、ビス[2−(o−ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール]亜鉛(II)(ZnBTZ2)、ホウ素含有化合物、トリス−1,3,5−(3’−(ピリジン−3’’−イル)フェニル)ベンゼン(TmPyPhB)のようなピリジン誘導体、(2−(3−(9−カルバゾリル)フェニル)キノリン(mCQ))のようなキノリン誘導体、2−フェニル−4,6−ビス(3,5−ジピリジルフェニル)ピリミジン(BPyPPM)のようなピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)のようなフェナントロリン誘導体、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(4’−(2−ピリジニル)−4−ビフェニル)−[1,3,5]トリアジン(MPT)のようなトリアジン誘導体、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBI)のようなイミダゾール誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(Zn(BTZ)2)、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)等に代表される各種金属錯体、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール誘導体に代表される有機シラン誘導体等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
これらの中でも、ZnBTZ2が好ましい。
電子輸送層5の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定できる。
発光層6を形成する材料は、低分子化合物であってもよいし、高分子化合物であってもよいし、これらを混合して用いてもよい。
発光層6の平均厚さは、発光層6の材料が低分子化合物である場合、水晶振動子膜厚計により測定できる。発光層6の材料が高分子化合物である場合、接触式段差計により測定できる。
正孔輸送層7の材料としては、正孔輸送層7の材料として通常用いることができるいずれの材料も用いることができ、これらを混合して用いてもよい。
これらの中でも、DBTPB、α−NPD、TPTEのようなアリールアミン系化合物が好ましい。
正孔輸送層7の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定できる。
正孔注入層8は、無機材料からなるものであってもよいし、有機材料からなるものであってもよい。
正孔注入層8が有機材料である場合、正孔注入層8の材料として、例えばテトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)および/または1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)等を用いることができる。
正孔注入層8の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
陽極9の材料としては、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられる。この中でも陽極9の材料として、Au、Ag、Alのいずれかを用いることが好ましい。
有機EL素子10がトップエミッション型のものである場合には、陽極9の材料として、透明な材料を用いることが好ましい。有機EL素子10がトップエミッション型のものであって、陽極9の材料として照射光に不透明な材料を用いる場合、平均厚さを10〜30nm程度にすることで、透明な陽極9として使用できる。
陽極9の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定できる。
本実施形態では、本発明の有機EL素子の製造方法の一例として、図1に示す有機EL素子10を製造する方法を例に挙げて説明する。
図1に示す有機EL素子10は、基板2上に、陰極3と、電子注入層1と、有機電子注入層4と、電子輸送層5と、発光層6と、正孔輸送層7と、正孔注入層8と、陽極9とをこの順に形成することにより製造できる。
塗布液に用いられる酸化亜鉛ナノ粒子の粒径は、レーザー光回折散乱法や、X線回折法、レーザードップラー法(動的電気永動光散乱法)によって測定できる。
ドープ元素がスズを含む場合、塗布液の材料としてスズ含有塩を用いることが好ましい。本実施形態における「スズ含有塩」は、スズの塩およびスズの錯体を含むものを意味する。
ドープ元素がシリコンを含む場合、塗布液の材料として、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、モノトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどを用いることが好ましい。
ドープ元素がゲルマニウムを含む場合、塗布液の材料として、塩化ゲルマニウム、ヨウ化ゲルマニウム、臭化ゲルマニウム、硫化ゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム、テトライソプロポキシゲルマニウムなどを用いることが好ましい。
ドープ元素がチタンを含む場合、塗布液の材料として、酢酸チタン、硝酸チタン、塩化チタン、フッ化チタン、臭化チタン、硫化チタン、テトラメトキシチタン、チタニウムアセチルアセトナート錯体などを用いることが好ましい。
ドープ元素がハフニウムを含む場合、塗布液の材料として、塩化ハフニウム、フッ化ハフニウム、臭化ハフニウム、硫化ハフニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウムなどを用いることが好ましい。
塗布液は、ドープ元素と酸化亜鉛ナノ粒子と溶媒の他に、必要に応じて、分散剤などを含むものであってもよい。
塗布液の製造方法としては、酸化亜鉛ナノ粒子と溶媒とからなる酸化亜鉛ナノ粒子分散溶液と、ドープ元素と溶媒とを含むドープ元素溶液とを任意の割合で混合する方法などにより製造できる。酸化亜鉛ナノ粒子分散溶液中の溶媒と、ドープ元素溶液中の溶媒とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
熱処理を行うことで、塗布液を塗布して形成された塗膜中に含まれる溶媒の除去が促進され、塗膜の乾燥が促進される。また、熱処理を行うことで、ドープ元素を含む材料の一部または全部を、分解および/または酸化してもよい。
本発明において低分子化合物とは、高分子化合物(重合体)ではない材料を意味し、必ずしも分子量が低い有機化合物を意味するものではない。
本発明の有機EL素子は、上述した実施形態において説明した有機EL素子に限定されるものではない。
図1に示す有機EL素子10においては、有機電子注入層4、電子輸送層5、正孔輸送層7、正孔注入層8は、必要に応じて形成すればよく、設けられていなくてもよい。
また、陰極3、電子注入層1、有機電子注入層4、電子輸送層5、発光層6、正孔輸送層7、正孔注入層8、陽極9の各層は、1層で形成されているものであってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。
本実施形態の表示装置は、有機EL素子を複数配列した素子配列群を用いて画像を表示するものである。本実施形態の表示装置は、連続駆動させても発光特性が劣化しにくく、発光輝度の低下が生じにくい有機EL素子を備える。このため、長期間安定して使用できる。
「照明装置」
本実施形態の照明装置は、有機EL素子を複数配列した素子配列群を用いて面発光を行うものである。本実施形態の照明装置は、連続駆動させても発光特性が劣化しにくく、発光輝度の低下が生じにくい有機EL素子を備える。このため、長期間安定して使用できる。
以下に示す方法により、図1に示す逆構造の有機EL素子10を製造した。
[1]ITO膜(膜厚150nm、幅3mmにパターニング済)からなる陰極3を有する平均厚さ0.7mmの市販されているガラス製透明基板(以下、単に基板とも称する)2を用意した。
上記の陰極3を有する洗浄した基板2をスピンコーターにセットし、基板2の陰極3上(被形成面)に上記混合溶液を滴下し、毎分2000回転で45秒間回転させて塗布した。次に、陰極3上に混合溶液の塗布された基板2を、大気中でホットプレートにより120℃で30秒間熱処理した。これにより、スズと酸化亜鉛ナノ粒子とを含む混合物からなる電子注入層1を形成した。
なお、陽極9を蒸着する時、ステンレス製の蒸着マスクを用いて蒸着面が幅3mmの帯状になるようにした。このことにより、有機EL素子10の発光面積を9mm2とした。
酸化亜鉛ナノ粒子分散溶液とドープ元素溶液とエタノールを1:0.1:10.9の体積比で混ぜ合わせて、混合溶液としたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
ドープ元素溶液として、スズアセチルアセトナート錯体(シグマアルドリッチ社製)2.7重量%のエタノール溶液を作製し、酸化亜鉛ナノ粒子分散溶液とドープ元素溶液とエタノールを1:4:7の体積比で混ぜ合わせて、混合溶液としたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
ドープ元素溶液として、ジルコニウムアセチルアセトナート錯体(シグマアルドリッチ社製)2.7重量%のエタノール溶液を作製し、酸化亜鉛ナノ粒子分散溶液とドープ元素溶液とエタノールを1:1:10の体積比で混ぜ合わせて、混合溶液としたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
混合溶液に代えて、イソプロパノールで12倍に希釈した酸化亜鉛ナノ粒子溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
実施例1〜4および比較例1の有機EL素子について、それぞれEHC社製の「有機EL寿命測定装置」により、一定電流での駆動を開始してからの経過時間と、相対輝度との関係を調べた。具体的には、有機EL素子に一定電流が流れるように電圧を自動的に調整し、一定電流での駆動を開始してからの経過時間に対する相対輝度の測定(コニカミノルタ社製の輝度計(LS−110)による)を行った。なお、電流値は、測定開始時の輝度が1000cd/m2になるように、実施例1〜4および比較例1の各有機EL素子ごとに設定した。その結果を図2に示す。
例えば、経過時間1000時間の時点で、比較例1では180cd/m2程度輝度が減少している。これに対し、実施例1では78cd/m2程度、実施例2では72cd/m2程度、実施例3では84cd/m2程度、実施例4では130cd/m2程度しか減少していない。
このことから、実施例1〜4の有機EL素子とすることで、連続駆動させた場合の輝度の劣化を抑制できることが確認できた。
電子注入層を形成する工程において、スパッタ装置(芝浦メカトロニック社製)を用いて、膜厚5nmの亜鉛・スズ酸化物(ZTO)膜を成膜したこと以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。ZTO膜の成膜は、亜鉛・スズ酸化物ターゲット(ZnO:SnO2=1mol:1mol)を用い、アルゴンと酸素(酸素濃度3%)を導入した状態で、スパッタリング処理により行った。
ZTO膜の成膜後、大気中にて、比較例3では150℃1時間の熱処理を行い、比較例4では400℃1時間の熱処理を行った。比較例2では熱処理を行わなかった。
ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、有機EL素子への電圧印加を行い、コニカミノルタ社製の「LS−110」により、発光輝度を測定した。
実施例1〜4及び比較例2〜4における輝度100cd/m2発光時の電圧を表1に示す。
これに対し、実施例1〜4の有機EL素子は、比較例2〜4と比較して駆動電圧が低い。このことから、スズと酸化亜鉛ナノ粒子とを含む電子注入層では、120℃の低温の熱処理でも、良好な特性を有する電子注入層が得られることが確認できた。
2 基板
3 陰極
4 有機電子注入層
5 電子輸送層
6 発光層
7 正孔輸送層
8 正孔注入層
9 陽極
10 有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)
Claims (7)
- 陰極と陽極との間に発光層が設けられ、前記陰極が基板と前記発光層との間に配置され、
前記陰極と前記発光層との間に、スズ、ジルコニウムから選ばれる1種以上の元素と、酸化亜鉛ナノ粒子とを含む電子注入層が設けられ、前記電子注入層と前記発光層との間に前記電子注入層に接して有機材料で構成される有機電子注入層もしくは電子輸送層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記酸化亜鉛ナノ粒子の平均粒径が1〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含むことを特徴とする表示装置。
- 請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含むことを特徴とする照明装置。
- 請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
スズ、ジルコニウムから選ばれる1種以上の元素と、酸化亜鉛ナノ粒子と、溶媒とを含む塗布液を、前記電子注入層の被形成面に塗布する電子注入層形成工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記塗布液が、酢酸スズと、前記酸化亜鉛ナノ粒子と、溶媒からなることを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記塗布液が、スズアセチルアセトナート錯体と、前記酸化亜鉛ナノ粒子と、溶媒からなることを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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