以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、切断装置1の全体構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態における切断装置1の部分拡大平面図である。図2(a)は、図1の矢印IIa方向視における切断装置1の部分拡大側面図であり、図2(b)は、図2(a)の状態から返送ローラ4及び押えローラ5を上昇させた状態を示す切断装置1の部分拡大側面図である。
なお、図1及び図2では、図面を簡素化するために、切断装置1の一部の図示を省略し、模式的に図示すると共に、図2では、切断装置1の視認できない部分の一部を破線で図示している。また、刃部60aの下端は、搬送ローラ3の上端よりも下方に位置されるが、図2では、図面を簡素化するために、刃部60aの下端と搬送ローラ3の上端とを同一の高さで図示している。
図1に示すように、切断装置1は、被加工物(本実施形態では、板材P。図3参照)の搬送方向(図1の左右方向)に沿って延設される一対のフレーム2と、それら一対のフレーム2に軸支されると共に搬送方向に沿って並設される複数の搬送ローラ3と、それら複数の搬送ローラ3どうしの対向間(平面視における対向間)に配設される複数の返送ローラ4と、搬送ローラ3に対して鉛直方向(図1の紙面垂直方向)で対向配置される一対の押えローラ5と、それら一対の押えローラ5どうしの対向間(搬送方向における対向間)に配設される切断部6と、を備え、木材からなる平板状の板材P(図3参照)を切断するための切断装置である。
なお、平面視において、板材Pの搬送方向と直交する方向(図1の上下方向)を切断装置1の「幅方向」、その「幅方向」における各部材の寸法を「幅寸法」とそれぞれ定義し、以下の説明においても同様とする。
フレーム2は、幅方向で所定間隔を隔てて一対が対向配置され、それら一対のフレーム2の対向間に複数の搬送ローラ3が配設される。複数の搬送ローラ3は、駆動源(図示せず)によって回転駆動する搬送用のローラである。搬送ローラ3は、その回転軸を幅方向に向ける姿勢で配設されると共に板材Pを下流側(図1の右側)へ搬送する回転方向に回転(正転)可能に構成される。
返送ローラ4は、駆動源(図示せず)によって回転駆動するローラ部40と、そのローラ部40が軸支される一対の支持部41と、を備える返送用のローラである。ローラ部40は、その回転軸を幅方向に向ける姿勢で配設されると共に板材Pを上流側(図1の左側)へ搬送する回転方向に回転(逆転)可能に構成される。また、ローラ部40の幅寸法(本実施形態では、600mm)は、搬送ローラ3の幅寸法(本実施形態では、1350mm)よりも短く形成される。
図2に示すように、返送ローラ4の支持部41は、ローラ部40よりも下方に延びる態様で配設される。複数の返送ローラ4は、それぞれの支持部41どうしが第1連結部材(図示せず)(例えば、板状のフレーム)によってローラ部40よりも下方側(図2の下側)で連結される。即ち、第1連結部材は、返送ローラ4の上昇時に搬送ローラ3に干渉しない位置に設けられ、かかる第1連結部材は、制御装置(図示せず)によってNC制御されることで上下方向および幅方向に変位可能に構成される。
よって、複数の返送ローラ4は、それぞれが一体的に上下方向および幅方向で変位可能に(搬送ローラ3に対して相対変位可能に)構成される(幅方向での変位については、図3参照)。また、返送ローラ4の上昇時には、支持部41の上端が搬送ローラ3の上端よりも下方に位置される。これにより、返送ローラ4の上昇時(残材Pbの返送時に、返送ローラ4のローラ部40の上端を搬送ローラ3の上端よりも上方に位置させた場合)に支持部41が製品Paに干渉することを抑制できる。
一対の押えローラ5は、それぞれ搬送ローラ3と共に板材Pを挟持するためのローラである。複数の搬送ローラ3のうち、切断部6の上流側および下流側に配設される一対の搬送ローラ3のそれぞれの上面側(図2の上側)に押えローラ5が配置される。押えローラ5は、板材Pを搬送ローラ3の上面側から挟持するローラ部50と、そのローラ部50を鉛直方向(図2の上下方向)に昇降させる昇降部51と、を備える。
ローラ部50は、その回転軸を幅方向(図2の紙面垂直方向)に向けた姿勢で配設され、昇降部51に対して自転可能に軸支される。昇降部51は、一対のフレーム2の上面にそれぞれ固定され、昇降部51によるローラ部50の昇降動作は、制御装置(図示せず)によって制御される。昇降部51によってローラ部50を上昇させることにより、返送ローラ4の上昇時にローラ部50が残材Pb(図3(a)参照)に干渉することを抑制できる。
切断部6は、板材Pを切断する複数(本実施形態では、4個)の丸鋸60と、それら複数の丸鋸60を保持する本体部61と、を備える。丸鋸60は、円盤状の鋸として構成される刃部60aと、その刃部60aを回転駆動させる駆動部60bと、を備え、本体部61を挟んで上流側および下流側の双方に2個ずつ配設される。
刃部60aは、その回転軸を幅方向に向けた姿勢で配設され、刃部60aの下端は、搬送ローラ3の上端(即ち、板材Pの搬送面)よりも下方に位置される。よって、搬送ローラ3で搬送される板材Pは、丸鋸60によって搬送方向に沿って切断される。
本体部61は、幅方向で一対のフレーム2に架設される態様で配設される。本体部61は、丸鋸60の駆動部60bを幅方向にスライド可能に保持すると共に幅方向に沿って延設される保持部61aを備える(図1参照)。保持部61aに対する駆動部60bのスライド変位は、制御装置(図示せず)のNC制御によって制御され、複数の丸鋸60は、それぞれが個別に幅方向で変位可能に構成される。よって、それぞれの丸鋸60の刃部60aどうしの対向間隔を変更することにより、板材Pの幅方向における切断寸法(製品Paおよび残材Pbの幅寸法)を変化させることができる(図3参照)。
次いで、図3を参照して、板材Pの切断方法について説明する。図3(a)は、板材Pを切断した状態を示す切断装置1の部分拡大平面図であり、図3(b)は、図3(a)での切断時に生じた残材Pbを切断した状態を示す切断装置1の部分拡大平面図である。なお、図3では、図面を簡素化するために、ローラ部40及び支持部41の符号を省略すると共に、切断装置1の視認できない部分の一部を破線で図示している。また、図3では、切断前の板材P及び残材Pbを2点鎖線で図示している。
図3に示すように、一対のフレーム2のうちの幅方向一側(図3(a)の下側)のフレーム2から等間隔に丸鋸60の刃部60aを配置して回転駆動させると共に、板材Pを搬送ローラ3に載置(幅方向一側のフレーム2に沿って載置)した状態で搬送ローラ3を正転させる(切断部6の上流側から下流側に板材Pを搬送する)ことにより、板材Pが搬送方向に沿って切断される。フレーム2から等間隔に配設される4個の刃部60aによって板材Pが切断されるので、4個の製品Paが生産されると共に1個の残材Pbが形成される。
次に、返送ローラ4を幅方向で移動させ、残材Pbの幅寸法に合わせた位置に返送ローラ4(ローラ部40)を配置しつつ上昇させる(搬送ローラ3に対して上方に相対変位させる)ことにより、返送ローラ4によって残材Pbを持ち上げることができる。この時、支持部41が製品Paに干渉しない高さまで返送ローラ4を上昇させることにより、返送ローラ4(支持部41)が製品Paに干渉することなく、残材Pbを持ち上げることができる。
なお、残材Pbの幅寸法に合わせた位置とは、返送ローラ4(ローラ部40)が残材Pbを支持可能な位置であって、返送ローラ4(ローラ部40)が製品Paに干渉しない位置である。よって、例えば、残材Pbの幅方向一側(図3(a)の下側)の端部にローラ部40の幅方向一側の端部を沿わせるか、若しくは、残材Pbの幅方向一側の端部よりも他側に若干(例えば、20mm)ずらした位置にローラ部40を位置させた状態で返送ローラ4を上昇させれば良い。これにより、返送ローラ4が製品Paに干渉することなく、返送ローラ4によって残材Pbを持ち上げることができる。
残材Pbを持ち上げた状態で返送ローラ4を逆転させると共に、搬送ローラ3を正転させることにより、残材Pbを上流側(図3(a)に左側)に返送しつつ、製品Paを下流側(図3(a)の右側)へ搬送することができる。よって、残材Pbの返送と製品Paの搬送とを板材Pの搬送路内で同時に行うことができる。また、残材Pbを返送ローラ4によって切断部6よりも上流側へ返送することができるので、残材Pbを切断部6で再度切断することができる。
即ち、5個以上の丸鋸60を用いることにより、板材Pに対する1回の切断によって残材Pbを生じさせることなく、製品Paを生産することも可能であるが、本実施形態の切断装置1によれば、1の板材Pに対する複数回の切断によって製品Paを複数回に分けて生産することができる。よって、切断装置1の後工程(例えば、他の切断装置による製品Paの幅方向における切断)での処理能力が切断装置1よりも低い場合であっても、かかる後工程の処理能力に合わせて切断装置1で製品Paを生産することができる。
また、返送ローラ4が幅方向に移動可能に構成されるので、残材Pbによって返送ローラ4を持ち上げた後に、返送ローラ4を幅方向他側に変位させることができる。これにより、幅方向において丸鋸60から離間する方向に返送ローラ4を変位させることができるので、残材Pbを返送する際に残材Pbが丸鋸60(刃部60a)に干渉することを抑制できる。よって、例えば、残材Pbとの干渉を回避するための昇降機能を丸鋸60に設けることを不要にできるので、切断装置1の製品コストを低減できる。
ここで、図3(b)に示すように、板材Pの1回目の切断時(図3(a)参照)よりも、2回目の切断時(残材Pbの切断時)における刃部60aどうしの幅方向の対向間隔を狭く(若しくは、広く)設定することにより、製品Pcの幅寸法を短く(若しくは、長く)することができる。この場合、製品Pcの幅寸法が製品Paから変化する分、1回目の切断時の残材Pbに比べ、2回目の切断時に生じる残材Pdの幅方向における位置(幅寸法)が変化する。また、例えば、板材Pの切断時(図3(a)参照)よりも、板材Pの次に加工される新たな板材の切断時における製品Paの幅寸法が変化する場合も同様に、切断時に生じる残材Pbの幅方向における位置(幅寸法)が変化する。
これに対して、本実施形態では、返送ローラ4を幅方向で変位させることができるので、切断時に生じる残材Pb,Pdの位置(幅寸法)が変化しても、その変化に応じて返送ローラ4を幅方向に変位させることができる。即ち、残材Pb,Pdの生じる位置(幅寸法)に合わせて返送ローラ4を変位させることにより、返送ローラ4の上昇時に返送ローラ4が製品Pa,Pcに干渉することや、残材Pb,Pdの返送時に返送ローラ4から残材Pb,Pdが落下することを抑制できる。よって、板材Pや残材Pb、又は、板材Pの次に加工される新たな板材を切断する場合に、それぞれ異なる切断寸法で切断することができるので、切断装置1の汎用性が向上する。
ここで、例えば、残材Pb,Pdが生じる位置(幅寸法)に合わせて返送ローラ4を配置するために、NC制御によって複数の返送ローラ4をそれぞれ個別に幅方向で変位させる構成を採用することも可能である。しかしながら、かかる構成では、複数の返送ローラ4のそれぞれに駆動源を設ける必要があるので、切断装置1の製品コストが上昇する。
これに対して、本実施形態では、複数の返送ローラ4は、それぞれの支持部41どうしが第1連結部材(図示せず)によって連結されるので、かかる第1連結部材に対して幅方向に駆動力を付与すれば、複数の返送ローラ4を幅方向で一体的に変位させることができる。よって、例えば、1の駆動源によって複数の返送ローラ4を幅方向で変位させることができるので、切断装置1の製品コストが低減する。
次いで、図4及び図5を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、返送ローラ4が幅方向で変位可能に構成される場合について説明したが、第2実施形態の返送ローラは、幅方向で変位可能に構成される第1返送ローラ204aと、幅方向で変位不能に固定される第2返送ローラ204bとから構成される。なお、上述した第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図4(a)は、第2実施形態の切断装置201によって板材Pを切断した状態を示す切断装置201の部分拡大平面図であり、図4(b)は、図4(a)での切断時に生じた残材Pbを切断した状態を示す切断装置201の部分拡大平面図である。図5(a)は、第1返送ローラ204aを第2返送ローラ204bよりも幅方向外側へ変位させた状態を示す切断装置201の部分拡大平面図であり、図5(b)は、第1返送ローラ204a及び押えローラ5を上昇させた状態を示す切断装置201の部分拡大側面図である。
なお、図4及び図5では、図面を簡素化するために、切断装置201の一部の図示を省略し、模式的に図示すると共に、ローラ部40及び支持部41の符号を省略している。また、図4及び図5では、切断装置201の視認できない部分の一部を破線で図示すると共に、切断前の板材P及び残材Pbを2点鎖線で図示している。
図4に示すように、切断装置201は、平面視において複数の搬送ローラ3どうしの対向間に配設される第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bを備える。第1返送ローラ204aは、ローラ部の幅方向における寸法(本実施形態では、300mm)が第1実施形態のローラ部40の幅方向における寸法(600mm)よりも短くされる点を除き、返送ローラ4と同一の構成とされる。
第2返送ローラ204bは、配設位置が異なる点、及び、幅方向で変位不能に固定される点を除き、第1返送ローラ204aと同一の構成とされる。即ち、複数の第2返送ローラ204bの支持部どうしは、それぞれ第2連結部材(例えば、板状のフレーム)によって連結されており、第2連結部材は、制御装置(図示せず)によってNC制御されることで上下方向のみに変位可能に構成される。
第2返送ローラ204bは、一対のフレーム2のうちの幅方向他側(図4(a)の上側)に位置するフレーム2に近接した位置に(例えば、幅方向で50mmの間隔を隔てて)配設される。よって、第1返送ローラ204aを幅方向一側(図4(a)の下側)に向けて変位させることにより、幅方向における第1返送ローラ204aの寸法よりも長い幅寸法の残材Pbを第1返送ローラ204aおよび第2返送ローラ204bによって返送(支持)することができる。
これにより、第1返送ローラ204aを小型化できるので、例えば、第1返送ローラ204a(第1連結部材)を幅方向で変位させるために必要とされる駆動力を低減させることができる。よって、駆動源(例えば、駆動モータやアクチュエータ)の数を減らすことや、小型化することができるので、切断装置201の製品コストを低減できる。
また、1の板材Pに対する2回目以降の切断時(残材Pbの切断時)に生じる残材Pdの位置が幅方向で変化し(図4(b)参照)、第2返送ローラ204bによって支持できない位置に残材Pdが生じた場合でも、かかる残材Pdを支持可能な位置に第1返送ローラ204aを変位させることにより、残材Pdを第1返送ローラ204aによって返送することができる。
ここで、例えば、第1実施形態の切断装置1のように、搬送方向に沿った1列の返送ローラ4によって残材を返送する構成の場合、残材を安定して支持するには、幅方向における返送ローラの寸法を比較的長く(例えば、想定される残材の幅寸法よりも長い寸法で)形成する必要がある。この場合、返送ローラの幅寸法を長く形成すれば残材を安定して支持できる一方で、返送ローラの幅寸法を長く形成すると、その分、製品の幅寸法に制約が生じる(製品と返送ローラとの干渉を回避するために、搬送ローラ3の幅寸法から返送ローラの幅寸法を割り引いた寸法で製品を形成する必要があるため)。
これに対して、本実施形態では、幅方向で変位する第1返送ローラ204aと、搬送路の幅方向端部側に固定される第2返送ローラ204bとを備えるので、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bの幅寸法(第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bの合計の幅寸法)を比較的短く形成しても、第1返送ローラ204aと第2返送ローラ204bとによって残材Pbの幅方向両端を安定して支持することができる。即ち、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bの幅寸法を比較的短く(例えば、残材Pbの幅寸法よりも短い寸法で)形成することにより、より長い幅寸法で製品を形成することを可能にしつつ、残材を安定して返送することができる。
この場合、例えば、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bよりも長い幅寸法の残材Pbを支持するために、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bの双方を幅方向で変位可能に構成することも可能である。しかしながら、かかる構成では、幅方向に変位させるための駆動源を第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bのそれぞれに設ける必要があるため、製品コストが増大する。
これに対して、本実施形態では、第1返送ローラ204aのみが幅方向に変位可能に構成されるので、その分、駆動源の数を減少させることができる。よって、切断装置201の製品コストを低減できる。
図5に示すように、製品Paが第2返送ローラ204bに干渉する寸法で切断される場合、第2返送ローラ204bを上昇させた場合に第2返送ローラ204bが製品Paに当接する恐れがある。即ち、第2返送ローラ204bが幅方向で変位不能に固定されるので、第2返送ローラ204bに製品Paが干渉する場合には、第2返送ローラ204bによって残材Pbを返送することができない。
これに対して、本実施形態では、第2返送ローラ204bは、幅方向における第1返送ローラ204aの変位軌跡から外れた位置に配置されるので、第1返送ローラ204aを第2返送ローラ204bよりも幅方向他側(図5(a)の上側)まで変位させることができる。
また、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bは、それぞれが異なる連結部材(第1連結部材および第2連結部材)(図示せず)で連結されるので、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204bをそれぞれ個別に昇降させる(第1返送ローラ204aのみを上昇させる)ことができる(図5(b)参照)。これにより、製品Paの幅寸法が第2返送ローラ204bに干渉する場合であっても、第1返送ローラ204aによって残材Pbを持ち上げつつ上流側へ返送することができる。
ここで、例えば、一対のフレーム2のうちの幅方向他側(図5(a)の上側)のフレーム2に極力近接した位置(例えば、幅方向で10mmの間隔を隔てて)第2返送ローラ204bを配設すれば、製品Paの幅寸法をより長く形成することも可能である。この場合には、第2返送ローラ204bのローラ部の幅寸法よりも、第1返送ローラ204aのローラ部の幅寸法を短く形成すれば良い。
これにより、第2返送ローラ204bよりも幅方向外側に第1返送ローラ204aを変位させることができる。即ち、第2返送ローラ204bの幅寸法よりも第1返送ローラ204aの幅寸法を短く形成することにより、第2返送ローラ204bが製品Paに干渉することを抑制しつつ、仮に第2返送ローラ204bが製品Paに干渉する場合でも、第1返送ローラ204aによって残材Pbを返送することができる。
次いで、図6を参照して、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、第2返送ローラ204bが幅方向で変位不能に固定される場合を説明したが、第3実施形態では、第2返送ローラ304bが幅方向で変位可能に構成される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図6(a)は、第3実施形態の切断装置301によって板材Pを切断した状態を示す切断装置301の部分拡大平面図であり、図6(b)は、図6(a)での切断時に生じた残材Pbを切断した状態を示す切断装置301の部分拡大平面図である。なお、図6では、図面を簡素化するために、切断装置301の一部の図示を省略し、模式的に図示すると共に、ローラ部40及び支持部41の符号を省略している。また、図6では、切断装置301の視認できない部分の一部を破線で図示すると共に、切断前の板材P及び残材Pbを2点鎖線で図示している。
図6に示すように、切断装置301は、平面視において複数の搬送ローラ3どうしの対向間に配設される第2返送ローラ304bを備える。第2返送ローラ304bは、幅方向に変位可能に構成される(第2返送ローラ304bの支持部41どうしを連結する第2連結部材が、制御装置(図示せず)によってNC制御されることで幅方向および上下方向に変位可能に構成される)点を除き、第2実施形態の第2返送ローラ204bと同一の構成とされる。
ここで、第2実施形態のように、第2返送ローラ204bが搬送路の幅方向他側で固定される構成の場合、1の板材Pに対して複数回の切断を行うと、第2返送ローラ204bで支持不能な位置に残材Pdが生じることがある(図4(b)参照)。この場合、第1返送ローラ204aで残材Pdを返送することができるものの、残材Pdの幅寸法が第1返送ローラ204aの幅寸法よりも長くなると、第1返送ローラ204aによって残材Pdを安定して支持(返送)することができなくなる恐れがある。
これに対して、本実施形態では、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ304bの双方が幅方向で変位可能に構成される。これにより、1回目の切断時によって生じた残材Pbや、その残材Pbを切断した際の残材Pdの幅寸法が第1返送ローラ204aよりも長い場合であっても、第1返送ローラ204aによって残材Pb,Pdの幅方向一端(図6の下側の端部)を支持すると共に、第2返送ローラ304bによって残材Pb,Pdの幅方向他端(図6の上側の端部)を支持することができる。
即ち、第1返送ローラ204a(第2返送ローラ304b)の幅寸法よりも残材Pb,Pdの幅寸法が長い場合であっても、残材Pb,Pdの幅方向両端を第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ304bによって確実に支持することができる。よって、第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ304bによって残材Pb,Pdを安定して返送することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で例示した寸法は一例であり、適宜設定できる。
上記各実施形態では、板材Pを切断する切断手段の一例として、丸鋸60(回転する円盤状の刃部60aを備えるもの)を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板材Pの上下に対向する複数のスリッター(板材Pの板厚方向両側の面に当接するように配設され、板材Pの搬送に伴って従動する(自転する)回転刃)によって板材Pを切断する構成でも良い。また、かかるスリッターを幅方向に複数設ける構成でも良い。
上記各実施では、切断部6が4個の丸鋸60を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、1〜3個、若しくは、5個以上の丸鋸60を切断部6が備える構成でも良い。
上記各実施形態では、丸鋸60が幅方向で変位可能に構成される場合を説明したが、例えば、丸鋸60を鉛直方向に変位させる(例えば、駆動部60bに対して刃部60aを鉛直方向に変位させる)構成でも良い。これにより、残材の返送時に丸鋸60の刃部60aが残材に干渉することを抑制できる。
上記各実施形態では、被加工物の一例として、木材から成る平板状の板材Pを例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被加工物の材質や形状は限定されない。よって、例えば、被加工物は、紙、樹脂、又は、金属材料から構成されるものでも良いし、被加工物の形状は、枠状や角柱状に構成されるものでも良い。
上記各実施形態では、搬送ローラ3、返送ローラ4、第1返送ローラ204a、及び第2返送ローラ204b,304bが駆動源によって回転駆動されるローラである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、搬送ローラ3、返送ローラ4、第1返送ローラ204a、及び第2返送ローラ204b,304bの一部が駆動源によって回転駆動し、一部は板材Pの搬送によって従動する(駆動源を持たず、自転する)構成でも良い。また、ローラではなく、ベルトコンベアで構成しても良く、それらローラやベルトコンベアを組み合わせても良い。
上記各実施形態では、第1連結部材(返送ローラ4どうし、又は、第1返送ローラ204aどうしを連結するもの)及び第2連結部材(第2返送ローラ204b,304bどうしを連結するもの)を幅方向および上下方向の双方で動作させるための具体的な手段の説明を省略した。かかる手段の一例として、複数のアクチュエータによって支持される(昇降可能に構成される)ベース部材を設け、そのベース部材によって第1連結部材および第2連結部材を支持し、ベース部材に対して第1連結部材および第2連結部材をスライド変位させれば良い。
スライド変位させるための構成の一例としては、例えば、幅方向に沿って形成されるスライド部材(例えば、レール)をベース部材上に設け、そのスライド部材によって第1連結部材および第2連結部材を案内しつつ、第1連結部材および第2連結部材をアクチュエータによって駆動させれば良い。また、第1連結部材および第2連結部材の幅方向での変位時に、支持部41が第1連結部材および第2連結部材に干渉する場合には、支持部41が通過可能なスリット状の通路を第1連結部材および第2連結部材に形成すれば良い。
上記各実施形態では、複数の返送ローラ4のそれぞれが一体的に上下方向および幅方向で変位可能に構成される場合や、複数の第1返送ローラ204aのそれぞれが一体的に上下方向および幅方向で変位可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ての返送ローラがそれぞれ個別に上下方向または幅方向で変位する構成でも良い。
上記第2実施形態および第3実施形態では、第1返送ローラ204aの変位軌跡から外れた位置に第2返送ローラ204b,304bが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1返送ローラ204aと第2返送ローラ204b,304bとを幅方向に沿って並べて配設しても良い。これにより、搬送方向における第1返送ローラ204a及び第2返送ローラ204b,304bの配設スペースを縮小できる。よって、切断装置201,301を小型化することができる。