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JP6926078B2 - 回路形成方法、および回路形成装置 - Google Patents
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回路形成方法、および回路形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂を吐出する第1吐出装置と、金属微粒子を含有する金属含有液を吐出する第2吐出装置とを用いて回路を形成する回路形成方法、および回路形成装置に関する。
近年、下記特許文献に記載されているように、紫外線の照射等により硬化する硬化性樹脂によって3次元造形物を形成する技術が開発されている。このような技術を利用して、硬化性樹脂により樹脂層を形成し、その樹脂層を用いて回路が形成される。
特開2013−043338号公報
上記特許文献に記載されている技術を利用して、回路が形成される際には、硬化性樹脂によって樹脂層が形成されるだけなく、金属微粒子を含有する金属含有液によって配線も形成される。このように、硬化性樹脂と金属含有液とを用いて回路が形成される際に、硬化性樹脂と金属含有液との各々は、吐出装置によって吐出されるが、吐出された際の硬化性樹脂と金属含有液と各々の着弾径が、吐出予定位置の温度によって相違する場合がある。着弾径の相違は、配線の幅の不均一,樹脂層の膜厚の不均一等を引き起こす虞があり、望ましくない。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、硬化性樹脂、若しくは金属含有液の着弾径の相違を抑制することである。
上記課題を解決するために、本発明の回路形成方法は、硬化性樹脂を吐出する第1吐出装置と、金属微粒子を含有する金属含有液を吐出する第2吐出装置とを用いて回路を形成する回路形成方法であって、前記第1吐出装置による硬化性樹脂の複数の吐出予定位置と、前記第2吐出装置による金属含有液の複数の吐出予定位置との一方の温度を測定する測定工程と、前記測定工程において測定された測定値に基づいて、前記複数の吐出予定位置測定時刻と測定温度との関係を示す一次式を推定する推定工程と、前記推定工程において推定された前記一次式に基づく前記複数の吐出予定位置の温度変化に基づいて、前記吐出予定位置の温度が所定の温度になると予測されるタイミングで、前記吐出予定位置への吐出を実行する吐出実行工程と、前記吐出実行工程において前記吐出予定位置に均一の着弾径で吐出された硬化性樹脂と金属含有液との一方を硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の回路形成装置は、硬化性樹脂を吐出する第1吐出装置と、金属微粒子を含有する金属含有液を吐出する第2吐出装置と、前記第1吐出装置による硬化性樹脂の複数の吐出予定位置と、前記第2吐出装置による金属含有液の複数の吐出予定位置との一方の温度を測定する測定装置と前記第1吐出装置と前記第2吐出装置との作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が、前記測定装置によって測定された測定値に基づいて、前記複数の吐出予定位置測定時刻と測定温度との関係を示す一次式を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記一次式に基づく前記複数の吐出予定位置の温度変化に基づいて、前記吐出予定位置の温度が所定の温度になると予測されるタイミングで、前記吐出予定位置への吐出を実行する吐出実行部と、前記吐出実行部によって前記吐出予定位置に均一の着弾径で吐出された硬化性樹脂と金属含有液との一方を硬化させる硬化部とを有することを特徴とする。
本発明の回路形成方法および回路形成装置では、硬化性樹脂、若しくは、金属含有液の吐出予定位置の温度が測定され、その測定温度に基づいて、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化が推定される。そして、推定された吐出予定位置の温度変化に基づいて、吐出予定位置の温度が所定の温度になると予測されるタイミングで、硬化性樹脂、若しくは、金属含有液が吐出予定位置に吐出される。これにより、硬化性樹脂、若しくは、金属含有液が吐出される際の吐出予定位置の温度を一定の温度とすることが可能となり、着弾径の相違を好適に抑制することが可能となる。
第1実施例の回路形成装置を示す図である。 図1の回路形成装置の制御装置を示すブロック図である。 樹脂積層体が形成された状態の回路を示す断面図である。 樹脂積層体の上に配線が形成された状態の回路を示す断面図である。 樹脂積層体の上に金属インクが吐出された状態の回路を示す平面図である。 樹脂積層体の上に従来の手法に従って金属インクが吐出された状態の回路を示す平面図である。 測定時間と測定温度との関係を示すグラフである。 樹脂積層体の上に本発明の手法に従って金属インクが吐出された状態の回路を示す平面図である。 第2実施例の回路形成装置を示す図である。 図9の回路形成装置の制御装置を示すブロック図である。
第1実施例
回路形成装置の構成
図1に回路形成装置10を示す。回路形成装置10は、搬送装置20と、第1造形ユニット22と、第2造形ユニット24と、測定ユニット26と、制御装置(図2参照)27を備える。それら搬送装置20と第1造形ユニット22と第2造形ユニット24と測定ユニット26とは、回路形成装置10のベース28の上に配置されている。ベース28は、概して長方形状をなしており、以下の説明では、ベース28の長手方向をX軸方向、ベース28の短手方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向の両方に直交する方向をZ軸方向と称して説明する。
搬送装置20は、X軸スライド機構30と、Y軸スライド機構32とを備えている。そのX軸スライド機構30は、X軸スライドレール34とX軸スライダ36とを有している。X軸スライドレール34は、X軸方向に延びるように、ベース28の上に配設されている。X軸スライダ36は、X軸スライドレール34によって、X軸方向にスライド可能に保持されている。さらに、X軸スライド機構30は、電磁モータ(図2参照)38を有しており、電磁モータ38の駆動により、X軸スライダ36がX軸方向の任意の位置に移動する。また、Y軸スライド機構32は、Y軸スライドレール50とステージ52とを有している。Y軸スライドレール50は、Y軸方向に延びるように、ベース28の上に配設されており、X軸方向に移動可能とされている。そして、Y軸スライドレール50の一端部が、X軸スライダ36に連結されている。そのY軸スライドレール50には、ステージ52が、Y軸方向にスライド可能に保持されている。さらに、Y軸スライド機構32は、電磁モータ(図2参照)56を有しており、電磁モータ56の駆動により、ステージ52がY軸方向の任意の位置に移動する。これにより、ステージ52は、X軸スライド機構30及びY軸スライド機構32の駆動により、ベース28上の任意の位置に移動する。
ステージ52は、基台60と、保持装置62と、昇降装置(図2参照)64と、温度維持装置(図2参照)66とを有している。基台60は、平板状に形成され、上面に基板が載置される。保持装置62は、基台60のX軸方向の両側部に設けられている。そして、基台60に載置された基板のX軸方向の両縁部が、保持装置62によって挟まれることで、基板が固定的に保持される。また、昇降装置64は、基台60の下方に配設されており、基台60を昇降させる。また、温度維持装置66は、基台60に内蔵されており、基台60に載置された基板を所定の温度に維持する。
第1造形ユニット22は、ステージ52の基台60に載置された基板(図3参照)70の上に配線を造形するユニットであり、第1印刷部72と、焼成部74とを有している。第1印刷部72は、インクジェットヘッド(図2参照)76を有しており、基台60に載置された基板70の上に、金属インクを線状に吐出する。金属インクは、金属の微粒子が溶剤中に分散されたものである。なお、インクジェットヘッド76は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式によって複数のノズルから導電性材料を吐出する。
焼成部74は、レーザ照射装置(図2参照)78を有している。レーザ照射装置78は、基板70の上に吐出された金属インクにレーザを照射する装置であり、レーザが照射された金属インクは焼成し、配線が形成される。なお、金属インクの焼成とは、エネルギーを付与することによって、溶剤の気化や金属微粒子保護膜の分解等が行われ、金属微粒子が接触または融着をすることで、導電率が高くなる現象である。そして、金属インクが焼成することで、金属製の配線が形成される。
また、第2造形ユニット24は、ステージ52の基台60に載置された基板70の上に樹脂層を造形するユニットであり、第2印刷部84と、硬化部86とを有している。第2印刷部84は、インクジェットヘッド(図2参照)88を有しており、基台60に載置された基板70の上に紫外線硬化樹脂を吐出する。なお、インクジェットヘッド88は、例えば、圧電素子を用いたピエゾ方式でもよく、樹脂を加熱して気泡を発生させノズルから吐出するサーマル方式でもよい。
硬化部86は、平坦化装置(図2参照)90と照射装置(図2参照)92とを有している。平坦化装置90は、インクジェットヘッド88によって基板70の上に吐出された紫外線硬化樹脂の上面を平坦化するものであり、例えば、紫外線硬化樹脂の表面を均しながら余剰分の樹脂を、ローラもしくはブレードによって掻き取ることで、紫外線硬化樹脂の厚みを均一させる。また、照射装置92は、光源として水銀ランプもしくはLEDを備えており、基板70の上に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、基板70の上に吐出された紫外線硬化樹脂が硬化し、樹脂層が造形される。
また、測定ユニット26は、測定部100を有している。測定部100は、温度センサ(図2参照)110を有しており、温度センサ110によって、ステージ52の上に載置された基板70上の任意の位置の温度が測定される。なお、温度センサ110として、接触式の温度センサと非接触式の温度センサとがあるが、非接触式の温度センサを採用することが好ましい。非接触式の温度センサとしては、焦電形温度センサ,サーモパイル,放射温度計等が挙げられる。
また、制御装置27は、図2に示すように、コントローラ120と、複数の駆動回路122とを備えている。複数の駆動回路122は、上記電磁モータ38,56、保持装置62、昇降装置64、温度維持装置66、インクジェットヘッド76、レーザ照射装置78、インクジェットヘッド88、平坦化装置90、照射装置92に接続されている。コントローラ120は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路122に接続されている。これにより、搬送装置20、第1造形ユニット22、第2造形ユニット24の作動が、コントローラ120によって制御される。また、コントローラ120は、測定ユニット26の温度センサ110に接続されており、温度センサ110による検出値が、コントローラ120に入力される。
回路形成装置の作動
回路形成装置10では、上述した構成によって、基板70の上に回路パターンが形成される。具体的には、ステージ52の基台60に基板70がセットされ、そのステージ52が、第2造形ユニット24の下方に移動される。そして、第2造形ユニット24において、図3に示すように、基板70の上に樹脂積層体130が形成される。樹脂積層体130は、インクジェットヘッド88からの紫外線硬化樹脂の吐出と、吐出された紫外線硬化樹脂への照射装置92による紫外線の照射とが繰り返されることにより形成される。
詳しくは、第2造形ユニット24の第2印刷部84において、インクジェットヘッド88が、基板70の上面に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。続いて、紫外線硬化樹脂が薄膜状に吐出されると、硬化部86において、紫外線硬化樹脂の膜厚が均一となるように、紫外線硬化樹脂が平坦化装置90によって平坦化される。そして、照射装置92が、その薄膜状の紫外線硬化樹脂に紫外線を照射する。これにより、基板70の上に薄膜状の樹脂層132が形成される。
続いて、インクジェットヘッド88が、その薄膜状の樹脂層132の上に紫外線硬化樹脂を薄膜状に吐出する。そして、平坦化装置90によって薄膜状の紫外線硬化樹脂が平坦化され、照射装置92が、その薄膜状に吐出された紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することで、薄膜状の樹脂層132の上に薄膜状の樹脂層132が積層される。このように、薄膜状の樹脂層132の上への紫外線硬化樹脂の吐出と、紫外線の照射とが繰り返され、複数の樹脂層132が積層されることで、樹脂積層体130が形成される。
上述した手順により樹脂積層体130が形成されると、ステージ52が第1造形ユニット22の下方に移動される。そして、第1印刷部72において、インクジェットヘッド76が、樹脂積層体130の上面に金属インクを、回路パターンに応じて線状に吐出する。次に、焼成部74において、レーザ照射装置78が、金属インクにレーザを照射する。これにより、金属インクが焼成し、図4に示すように、樹脂積層体130の上に配線136が形成される。このように、回路形成装置10では、紫外線硬化樹脂によって樹脂積層体130が形成され、金属イオンによって配線136が形成されることで、基板70の上に回路パターンが形成される。
なお、配線136を形成するための金属インクは、揮発成分,硬化成分等を含んでいるため、金属インクが吐出される位置(以下、「吐出予定位置」と記載する場合がある)の温度によって、金属インクの着弾径が異なる場合がある。ちなみに、金属インクの着弾径とは、インクジェットヘッド76によって吐出された金属インクが吐出予定位置に着弾した際の金属インクの液滴の径を意味している。詳しくは、金属インクが吐出予定位置に吐出されると、着弾と同時に、揮発成分の乾燥、若しくは硬化成分の硬化が進行する。このため、吐出予定位置の温度が高い場合には、金属インクの乾燥、若しくは硬化が速く進行するため、金属インクが濡れ拡がる前に金属インクの流動性が低下し、着弾径は小さくなる。一方、吐出予定位置の温度が低い場合には、金属インクの乾燥、若しくは硬化が遅く進行するため、金属インクが濡れ拡がり、着弾径は大きくなる。このように、着弾径が異なると、金属インクの焼成により形成される配線136の幅等を一定にすることができないため、望ましくない。
このため、回路形成装置10では、基台60に温度維持装置66が内蔵されており、基台60に載置される基板70の温度が一定に保たれている。これにより、基板70の温度が一定に保たれることで、基板70の上に形成される樹脂積層体130の上面の温度、つまり、吐出予定位置の温度を一定に保つことが可能となり、金属インクの着弾径を均一にすることが可能となる。しかしながら、金属インクが吐出される樹脂積層体130は、複数の樹脂層132によって構成されており、樹脂積層体130を構成する樹脂層132の積層数によって、樹脂積層体130の表面温度が異なる場合がある。
詳しくは、樹脂積層体130を構成する樹脂層132は、紫外線の照射により形成されるため、樹脂積層体130は周囲の温度より高くなる場合がある。このため、例えば、樹脂積層体130が温度維持装置66によって冷却されるが、樹脂積層体130が1層の樹脂層132によって構成されている場合には、樹脂積層体130の表面温度は、比較的短い時間で、温度維持装置66によって所定の温度に冷却される。このため、その樹脂積層体130の表面に吐出される金属インクは、比較的大きな着弾径の金属インクとなる。なお、図5に、1層の樹脂層132により構成される樹脂積層体130に吐出された金属インク138を、点線によって示す。
一方、例えば、樹脂積層体130が10層の樹脂層132によって構成されている場合には、樹脂積層体130の表面温度が、温度維持装置66によって所定の温度に冷却されるためには、比較的長い時間を要する。このため、樹脂積層体130の表面温度が、温度維持装置66によって所定の温度に冷却される前に、金属インクが樹脂積層体130の表面に吐出される場合がある。このような場合には、樹脂積層体130の表面温度は、1層の樹脂層132により構成される樹脂積層体130と比較して、10層の樹脂層132により構成される樹脂積層体130の方が高くなり、樹脂積層体130の表面に吐出される金属インクは、比較的小さな着弾径の金属インクとなる。なお、図5に、10層の樹脂層132により構成される樹脂積層体130に吐出された金属インク138を、一点鎖線によって示す。このように、樹脂積層体130を構成する樹脂層132の積層数によって、樹脂積層体130の表面温度が異なり、金属インクの着弾径が異なる場合がある。
また、1つの樹脂積層体130の上に金属インクが吐出される場合であっても、吐出位置によって、着弾径が異なる場合がある。詳しくは、樹脂積層体130の外縁に近い位置ほど、外気への放熱効果が高いため、樹脂積層体130の表面温度は、樹脂積層体130の外縁に近いほど、低くなり、樹脂積層体130の中央に近いほど、高くなる。このため、図6に示すように、樹脂積層体130の表面に吐出された金属インク138の着弾径は、樹脂積層体130の外縁に近いほど、大きくなり、樹脂積層体130の中央に近いほど、小さくなる。このように、1つの樹脂積層体130の上に金属インクが吐出される場合であっても、吐出位置によって、着弾径が異なる場合がある。
このようなことに鑑みて、回路形成装置10では、測定ユニット26において、樹脂積層体130の表面温度を測定し、測定された温度に基づいて、樹脂積層体130の表面温度の時間の経過に伴う温度変化が推定される。そして、推定された温度変化に基づいて、金属インクの吐出予定位置の温度が所定の温度となるタイミングで、金属インクの吐出が行われる。詳しくは、基板70の上に樹脂積層体130が形成された後に、ステージ52が測定ユニット26の下方に移動され、温度センサ110によって、樹脂積層体130の吐出予定位置の温度が、所定の時間毎に複数回、測定される。そして、測定された温度は、コントローラ120に送信され、コントローラ120において記憶される。なお、金属インクは線状に吐出されるため、線状に位置する複数の吐出予定位置の温度が測定され、コントローラ120に送信される。また、コントローラ120において、測定温度とともに、測定された時刻も記憶される。
そして、樹脂積層体130の吐出予定位置の温度測定が終了すると、コントローラ120は、記憶された測定温度と測定時刻とに基づいて、回帰分析を行うことで、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化を推定する。詳しくは、例えば、測定時刻Xと測定温度Yとの間に線形回帰モデルを当てはめることで、図7に示すように、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式を推定する。この際、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式の傾き及び切片は、例えば、最小二乗法を用いて推定される。なお、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式は、温度測定された複数の吐出予定位置毎に推定される。そして、複数の吐出予定位置毎に、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式が推定されると、その一次式に基づいて、予め設定された設定温度Tに対応する時刻tが演算される。つまり、複数の吐出予定位置毎に、吐出予定位置の温度が設定温度Tになる時刻tが演算される。
また、コントローラ120において上記演算が行われている間、つまり、樹脂積層体130の吐出予定位置の温度測定が終了した後に、ステージ52が第1造形ユニット22の下方に移動される。そして、第1造形ユニット22では、複数の吐出予定位置毎に、コントローラ120で演算された時刻tになるタイミングで、複数の吐出予定位置に、金属インクがインクジェットヘッド76によって順次、吐出される。つまり、複数の吐出予定位置毎に、吐出予定位置の温度が設定温度Tになるタイミングで、複数の吐出予定位置に、金属インクが、順次、スポット的に吐出される。これにより、金属インクが吐出される際の吐出予定位置の温度を一定とすることが可能となり、図8に示すように、金属インクの吐出位置に関わらず、金属インクの着弾径を均一にすることが可能となる。また、上記手法を採用することで、樹脂積層体130を構成する樹脂層132の積層数が異なる場合であっても、金属インクの着弾径を均一にすることが可能となる。そして、樹脂積層体130への金属インクの吐出が完了すると、焼成部74において、金属インクの焼成が行われる。これにより、幅の均一な配線136が形成される。
なお、制御装置27のコントローラ120は、図2に示すように、測定部180と、推定部182と、吐出実行部184とを有している。測定部180は、温度センサ110により吐出予定位置の温度を測定するための機能部である。推定部182は、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化、つまり、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式を推定するための機能部である。吐出実行部184は、推定された一次式に基づいて予測された時刻tになるタイミングで、金属インクを吐出するための機能部である。
第2実施例
第2実施例の回路形成装置200を図9に示す。第2実施例の回路形成装置200は、測定ユニット26が温度調整部102を有していることを除いて、第1実施例の回路形成装置10と同じである。このため、温度調整部102についてのみ説明し、回路形成装置10と同じ構成要素については、回路形成装置10と同じ符号を用い、説明を省略する。
温度調整部102は、樹脂積層体130の表面温度を調整するものであり、図10に示すように、スポットクーラ112を有している。スポットクーラ112は、冷風を任意の位置に向かって送風する装置であり、測定部100の温度センサ110と並んで配設されている。このため、スポットクーラ112は、温度センサ110によって測定される樹脂積層体130の表面の任意の位置を、冷風によって冷却することが可能である。
上記構造の回路形成装置200では、スポットクーラ112によって、樹脂積層体130の表面温度が均一とされた後に、第1実施例と同様に、吐出予定位置の温度が設定温度Tになる時刻tが演算され、その時刻tになるタイミングで、吐出予定位置に金属インクが吐出される。詳しくは、第2実施例の回路形成装置200においても、基板70の上面に、複数の樹脂層132が積層されることで、樹脂積層体130が形成される。そして、基板70の上に樹脂積層体130が形成されると、ステージ52が測定ユニット26の下方に移動される。
測定ユニット26では、まず、温度センサ110によって、樹脂積層体130の複数の吐出予定位置の温度が測定される。そして、複数の吐出予定位置の各々の温度が、設定温度Tより少し高い温度Tとなるように、各吐出予定位置に、スポットクーラ112によって冷風が吹き付けられる。この際、温度センサ110による吐出予定位置の温度測定は継続して行われており、測定された温度はコントローラ120に入力される。そして、フィードバック制御によって、吐出予定位置の温度が温度Tとなるように、コントローラ120がスポットクーラ112の作動を制御する。これにより、樹脂積層体130の複数の吐出予定位置の温度が、全て温度Tで均一となる。
次に、樹脂積層体130の複数の吐出予定位置の温度が均一になると、それら複数の吐出予定位置の温度のうちの任意の位置の温度が、温度センサ110によって、所定の時間毎に複数回、測定される。そして、測定された温度は、コントローラ120に送信され、送信された測定温度が、測定時間とともに、コントローラ120において記憶される。そして、樹脂積層体130の吐出予定位置の温度測定が終了すると、コントローラ120は、記憶された測定温度と測定時刻とに基づいて、回帰分析を行うことで、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化、つまり、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式を推定する。なお、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式の推定手法は、第1実施例と同じであるため、説明を省略する。
そして、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す一次式が推定されると、その一次式に基づいて、設定温度Tに対応する時刻tが演算される。つまり、複数の吐出予定位置のうちの任意の位置の吐出予定位置の温度が設定温度Tになる時刻tが演算される。ただし、温度センサ110による温度測定が開始される前に、樹脂積層体130の複数の吐出予定位置の温度が、スポットクーラ112によって全て均一の温度とされているため、時刻tは、複数の吐出予定位置の全ての温度が設定温度Tになる時刻と考えられる。
また、コントローラ120において上記演算が行われている間、つまり、樹脂積層体130の吐出予定位置の温度測定が終了した後に、ステージ52が第1造形ユニット22の下方に移動される。そして、第1造形ユニット22では、コントローラ120で演算された時刻tになるタイミングで、複数の吐出予定位置の全てに、金属インクがインクジェットヘッド76によって、連続的に吐出される。これにより、金属インクが吐出される際の吐出予定位置の温度を設定温度Tとすることが可能となり、金属インクの吐出位置,樹脂積層体130を構成する樹脂層132の積層数に関わらず、金属インクの着弾径を均一にすることが可能となる。そして、樹脂積層体130への金属インクの吐出が完了すると、焼成部74において、金属インクの焼成が行われる。これにより、幅の均一な配線136が形成される。
このように、第2実施例の回路形成装置200においても、吐出予定位置の温度が設定温度Tとなるタイミングを予測し、そのタイミングで金属インクを吐出することで、第1実施例の回路形成装置10と同様に、金属インクの着弾径を均一にすることが可能となる。また、第2実施例の回路形成装置200では、吐出予定位置の温度が、設定温度Tより少し高い温度である温度Tにスポットクーラ112によって強制的に冷却されている。これにより、吐出予定位置の温度が設定温度Tとなるまでの時間、つまり、金属インクを吐出するまでの待機時間が短くなり、タクトタイムの短縮を図ることが可能となる。さらに言えば、第2実施例の回路形成装置200では、複数の吐出予定位置の全ての温度がスポットクーラ112によって均一とされている。このため、それら複数の吐出予定位置に、金属インクを連続的に吐出することが可能となり、タクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
なお、制御装置27のコントローラ120は、図10に示すように、測定部180と、推定部182と、吐出実行部184と、調整部186とを有している。測定部180と推定部182と吐出実行部184とは、第1実施例のものと同じ機能部である。調整部186は、スポットクーラ112によって吐出予定位置の温度を任意の温度に調整するための機能部である。
ちなみに、上記実施例において、回路形成装置10は、回路形成装置の一例である。制御装置27は、制御装置の一例である。インクジェットヘッド76は、第2吐出装置の一例である。インクジェットヘッド88は、第1吐出装置の一例である。温度センサ110は、測定装置の一例である。スポットクーラ112は、温度調整装置の一例である。推定部182は、推定部の一例である。吐出実行部184は、吐出実行部の一例である。回路形成装置200は、回路形成装置の一例である。また、測定部180により実行される工程が、測定工程の一例である。推定部182により実行される工程が、推定工程の一例である。吐出実行部184により実行される工程が、吐出実行工程の一例である。調整部186により実行される工程が、調整工程の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記実施例では、金属インクを吐出する手法について、説明しているが、上記手法を、紫外線硬化樹脂を吐出する手法に適用することが可能である。また、紫外線硬化樹脂に限られず、熱等により硬化する硬化性樹脂を吐出する手法に、上記手法を適用することも可能である。
また、配線136が形成される際に、金属インク138が積層され、積層された金属インク138が焼成されることで、配線136が形成される場合がある。このような場合には、金属インクの積層数も考慮して、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化が推定される。つまり、金属インクの積層数および、測定時刻Xと測定温度Yとの関係に基づいて、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化が推定される。また、本発明が硬化性樹脂を吐出する手法に適用される場合には、紫外線硬化樹脂などの硬化性樹脂の積層数および、測定時刻Xと測定温度Yとの関係に基づいて、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化が推定される。
また、上記実施例では、吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化が推定される際に、線形回帰モデルが利用されているが、非線形回帰モデルを利用してもよい。また、最小二乗法だけでなく、種々の手法を用いて、測定時刻Xと測定温度Yとの関係を示す回帰式を推定してもよい。
10:回路形成装置 27:制御装置 76:インクジェットヘッド(第2吐出装置) 88:インクジェットヘッド(第1吐出装置) 110:温度センサ(測定装置) 112:スポットクーラ(温度調整装置) 180:測定部(測定工程) 182:推定部(推定工程) 184:吐出実行部(吐出実行工程) 186:調整部(調整工程) 200:回路形成装置

Claims (5)

  1. 硬化性樹脂を吐出する第1吐出装置と、金属微粒子を含有する金属含有液を吐出する第2吐出装置とを用いて回路を形成する回路形成方法であって、
    前記第1吐出装置による硬化性樹脂の複数の吐出予定位置と、前記第2吐出装置による金属含有液の複数の吐出予定位置との一方の温度を測定する測定工程と、
    前記測定工程において測定された測定値に基づいて、前記複数の吐出予定位置測定時刻と測定温度との関係を示す一次式を推定する推定工程と、
    前記推定工程において推定された前記一次式に基づく前記複数の吐出予定位置の温度変化に基づいて、前記吐出予定位置の温度が所定の温度になると予測されるタイミングで、前記吐出予定位置への吐出を実行する吐出実行工程と、
    前記吐出実行工程において前記吐出予定位置に均一の着弾径で吐出された硬化性樹脂と金属含有液との一方を硬化させる硬化工程と
    を含む回路形成方法。
  2. 前記推定工程が、前記吐出予定位置への前記第1吐出装置による硬化性樹脂の積層数と、前記吐出予定位置への前記第2吐出装置による金属含有液の積層数との一方も利用して、前記吐出予定位置の時間の経過に伴う温度変化を推定することを特徴とする請求項1に記載の回路形成方法。
  3. 前記測定工程が、複数の前記吐出予定位置の温度を測定し、
    前記吐出実行工程が、前記複数の吐出予定位置の各々の温度が所定の温度になると予測されるタイミングで、前記複数の吐出予定位置への吐出を順次実行する請求項1または請求項2に記載の回路形成方法。
  4. 前記測定工程において前記吐出予定位置の温度が測定される前に、その吐出予定位置の温度を、温度調整装置によって調整する調整工程を含み、
    前記測定工程が、前記調整工程において温度調整された前記吐出予定位置の温度を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の回路形成方法。
  5. 硬化性樹脂を吐出する第1吐出装置と、
    金属微粒子を含有する金属含有液を吐出する第2吐出装置と、
    前記第1吐出装置による硬化性樹脂の複数の吐出予定位置と、前記第2吐出装置による金属含有液の複数の吐出予定位置との一方の温度を測定する測定装置と
    前記第1吐出装置と前記第2吐出装置との作動を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置が、
    前記測定装置によって測定された測定値に基づいて、前記複数の吐出予定位置測定時刻と測定温度との関係を示す一次式を推定する推定部と、
    前記推定部によって推定された前記一次式に基づく前記複数の吐出予定位置の温度変化に基づいて、前記吐出予定位置の温度が所定の温度になると予測されるタイミングで、前記吐出予定位置への吐出を実行する吐出実行部と、
    前記吐出実行部によって前記吐出予定位置に均一の着弾径で吐出された硬化性樹脂と金属含有液との一方を硬化させる硬化部と
    を有する回路形成装置。
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