(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図4を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る固定構造1を示す斜視図である。固定構造1は、消音部材40を固定するために用いられる。消音部材40は、例えば、グラスウールやロックウール、ウレタン等の多孔質材から構成されている。図1に示すように、固定構造1は、取付け部10と、固定部20と、を備える。
図2は、固定構造1の取付け部10を示す斜視図である。図3は、固定構造1の固定部20を示す斜視図である。図4は、固定部20を取付け部10に取り付ける手順を示す図である。図2に示すように、取付け部10は、複数の開口16が設けられている。
本実施の形態では、取付け部10は、板状部材から形成されている。また、取付け部10は、開口16が設けられた取付け穴部14を有している。取付け穴部14は、板状部材の表面12に対して突出して形成されている。よって、取付け部10において取付け穴部14を除く表面12は、平坦な面である。また、開口16は、表面12に沿った方向に開口している。板状部材としては、例えば、鋼板やアルミニウム板などの金属製の板材や、樹脂製の板材を用いることができる。
また、取付け部10は、第一取付け穴部14Aと第二取付け穴部14Bとの二つの取付け穴部14を有している。第一取付け穴部14Aと第二取付け穴部14Bとは、互いに離間して設けられている。第一取付け穴部14Aには、開口16aおよび開口16bの二つの開口16が設けられており、第二取付け穴部14Bには、開口16cおよび開口16dの二つの開口16が設けられている。第一取付け穴部14Aは半円筒形状の外形を有しており、開口16aおよび開口16bはその半円筒形状の軸方向の両端に設けられている。第一取付け穴部14Aは、開口16aから開口16bまで軸方向に貫通されている。開口16aの開口面および開口16bの開口面はともに、表面12に対して垂直であり、半円形状を有している。第二取付け穴部14B、開口16cおよび開口16dもそれぞれ、第一取付け穴部14A、開口16aおよび開口16bと同様に構成されている。また、第一取付け穴部14Aと第二取付け穴部14Bとは、第一取付け穴部14Aの開口16bと第二取付け穴部14Bの開口16cとが対向するように表面12上に一列に配置されている。第一取付け穴部14Aおよび第二取付け穴部14Bは、例えば、板状部材をランス曲げすることによって形成されている。
図3に示すように、固定部20は、一対の挿入部22と、接続部24と、を有している。一対の挿入部22は、第一挿入部22Aと第二挿入部22Bとから構成され、互いに離間して設けられている。本実施の形態では、第一挿入部22Aは、第一端22Aaから第二端22Abに延びて形成されている。同様に、第二挿入部22Bは、第一端22Baから第二端22Bbに延びて形成されている。また、第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bは、直線状に延びる棒状に形成されており、それぞれの延伸方向の軸線は一直線に並ぶように配置されている。第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bは、第一挿入部22Aの第二端22Abと第二挿入部22Bの第二端22Bbとが対向するように配置されている。一対の挿入部22は、取付け穴部14の開口16に挿入可能な外形寸法を有している。
接続部24は、消音部材40を保持可能であり、第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bを互いに近接離間可能に接続している。本実施の形態では、接続部24は、消音部材40を保持可能な保持部26を有している。また、接続部24は、第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bを互いに近接離間可能に、第一挿入部22Aの第二端22Abと第二挿入部22Bの第二端22Bbとを接続している。より具体的には、図1に示すように、第一挿入部22Aの第一端22Aaと第二挿入部22Bの第一端22Baとの間の距離を第一距離D1とし、第一挿入部22Aの第一端22Aaが挿入された第一取付け穴部14Aの開口16bと第二挿入部22Bの第一端22Baが挿入された第二取付け穴部14Bの開口16cとの間の距離を第二距離D2とした場合に、接続部24は、第一距離D1が第二距離D2よりも大きい状態から第一距離D1が第二距離D2よりも小さい状態までの間を、第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bを互いに近接離間可能に第一挿入部22Aの第二端22Abと第二挿入部22Bの第二端22Bbと接続している。
図3に示すように、本実施の形態では、保持部26は、一つの平面Sに沿って形成されている。保持部26は、平面S上で略U字状に形成されている。また、接続部24は、一対の挿入部22と保持部26とを連結する連結部28をさらに有している。連結部28は、第一挿入部22Aの第二端22Abと保持部26の第一端26aとを連結する第一連結部28Aと、第二挿入部22Bの第二端22Bbと保持部26の第二端26bとを連結する第二連結部28Bと、を有している。第一連結部28Aおよび第二連結部28Bはそれぞれ線状に形成されており、保持部26が配置された平面Sに対して垂直に配置されている。また、第一連結部28Aは、第一挿入部22Aに対して垂直に連結されており、第二連結部28Bは、第二挿入部22Bに対して垂直に連結されている。第一連結部28Aおよび第二連結部28Bが互いに近接離間するように接続部24が弾性変形することによって、第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bが互いに近接離間可能である。
また、本実施の形態では、固定部20は、金属製の線材を曲げ成形することによって形成されている。金属製の線材とは、例えば鋼線である。線材は円形断面を有しており、線材の径は例えば2mm〜3mmである。
図1に示すように、固定部20を取付け部10に取り付けた状態では、一対の挿入部22がそれぞれ異なる開口16に挿入されている。より具体的には、第一取付け穴部14Aの開口16bに第一挿入部22Aの第一端22Aaが挿入され、第二取付け穴部14Bの開口16cに第二挿入部22Bの第一端22Baが挿入されている。第一挿入部22Aの外形寸法は第一取付け穴部14Aの開口16bにちょうど嵌る寸法に設定され、第二挿入部22Bの外形寸法は第二取付け穴部14Bの開口16cにちょうど嵌る寸法に設定されている。これによって、一対の挿入部22が取付け穴部14に嵌合して固定されている。また、固定部20を取付け部10に取り付けた状態では、第一距離D1は第二距離D2よりも大きいので、固定部20は取付け部10からより外れにくくなっている。
次に、図4を参照して固定部20を取付け部10に取り付ける手順を説明する。図4(a)に示すように、固定部20の接続部24に何も外力が加えられていない状態では、接続部24は第一距離D1が第二距離D2よりも大きい状態を維持している。この状態から、図4(b)に示すように、一対の挿入部22を取付け穴部14の開口16の位置にあわせる。そして、図4(b)の二点鎖線で示すように、接続部24に外力を加えて、第一距離D1が第二距離D2よりも小さくなるように一対の挿入部22を互いに近接させる。具体的には、接続部24の第一連結部28Aおよび第二連結部28Bが互いに近接するように押し狭める。これによって、第一挿入部22Aの第一端22Aaと第二挿入部22Bの第一端22Baとが互いに近接する。この状態で、一対の挿入部22を第一取付け穴部14Aの開口16bと第二取付け穴部14Bの開口16cとの間に配置する。そして、接続部24に加えられていた外力を取り除くことで、接続部24の弾力によって一対の挿入部22が互いに離間する。このとき、第一挿入部22Aの第一端22Aaを第一取付け穴部14Aの開口16bに挿入し、第二挿入部22Bの第一端22Baを第二取付け穴部14Bの開口16cに挿入する。これによって、図4(c)に示すように、一対の挿入部22が取付け穴部14に嵌合して固定され、固定部20が取付け部10に取り付けられる。
本実施の形態によれば、消音部材40を固定するために用いられる固定構造1は、複数の開口16が設けられた取付け部10と、互いに離間して設けられ、複数の開口16のうちの異なる開口16b、16cにそれぞれ挿入された一対の挿入部22と、消音部材40を保持可能であり、一対の挿入部22を互いに近接離間可能に接続する接続部24と、を有する固定部20と、を備える。
上述した構成によれば、一対の挿入部22を適宜近接離間させて開口16に挿入することで、固定部20を取付け部10に取り付けることができる。このため、前述した従来の固定方法のように固定部をスライドさせるスリット部を設ける必要はないのでその分のスペースが不要であり、また比較的単純な構成の取付け部10を設けるだけで固定部20を取り付けられるので、固定部20の取付け位置の自由度を高めることができる。加えて、従来の固定方法のように消音部材を固定部で押圧する必要はないので、固定部20の押圧による消音部材40のへたり等の消音部材40の損傷も防止できる。さらに、開口16は挿入部22を挿入するために使用されるので、開口16の寸法を挿入部22が挿入可能な程度まで小さくすることができる。このため、開口16による笛音などの異音の発生を抑制できる。
また、取付け部10は、板状部材から形成されている。取付け部10は、開口が設けられた取付け穴部14を有している。取付け穴部14は、板状部材の表面12に対して突出して形成されている。開口16は、表面12に沿った方向に開口している。このように、開口16は、表面12に対して突出して形成された取付け穴部14において表面12に沿った方向に開口しているため、固定部20を取付け部10に取り付ける際に、一対の挿入部22を表面12に沿って移動させて開口16に挿入することができる。したがって、一対の挿入部22の開口16への挿入がより容易になる。また、取付け穴部14は、板状部材をランス曲げすることによって形成されている。これによって、容易に取付け穴部14を形成することができる。さらに、取付け穴部14の開口16の開口面は半円形に形成されており、開口16に挿入される挿入部22は開口16の周縁に囲まれている。よって、開口16に挿入される挿入部22はその周方向の広範囲の部分で開口16に接触している。このため、消音部材40から固定部20を介して取付け部10に加えられる荷重を支持する方向は、従来の固定方法のように消音部材の弾力を受ける方向に限定されず、例えば固定部20の連結部28に沿って保持部26から挿入部22に向かう方向やその逆に挿入部22から保持部26に向かう方向等、様々な方向からの荷重を支持することができる。したがって、固定部20の取付け位置の自由度をさらに高めることができる。
また、固定部20は、金属製の線材を曲げ成形することによって形成されているので、安価に製作でき、かつ形状の自由度を高めることができる。よって、消音部材40の配置や形状に応じた形状に、固定部20を容易に形成することができる。加えて、従来の固定方法で用いられる固定金具では保持部が面状に形成されていたが、固定部20は線材から形成されているのでこのような面状の部分を有していない。このため、騒音が面状の部分に反射されて発生する反射音を防止できるので、消音部材40の消音効果をより効率的に得ることができる。
また、接続部24の保持部26は、一つの平面Sに沿って形成されている。このため、平面部を有する消音部材40を保持部26によって安定的に保持することができる。
なお、本実施の形態では、固定部20は金属製であるとしたが、これに限らず、樹脂製であってもよい。この場合は、例えば射出成形等で固定部20を形成することができるので、固定部20において一対の挿入部22および連結部28を線状に形成しつつ、保持部26を面状に形成することができる。保持部26を面状に形成すると上述のとおり反射音が増加するが、その一方で保持部26による消音部材40の保持の安定性を向上させることができる。また、固定部20を形成する金属製の線材は円形断面であるとしたが、これに限らず、例えば楕円形断面や多角形断面等であってもよい。
また、第一取付け穴部14Aと第二取付け穴部14Bとが表面12上に一列に配置され、第一挿入部22Aと第二挿入部22Bとが同軸上に配置されていたが、これに限らない。一対の挿入部22を取付け穴部14に固定できる配置であれば、特に限定されない。また、開口16が設けられた取付け穴部14は、表面12に対して突出して形成されていたが、これに限らない。例えば、板状部材から形成された取付け部10に十分な厚さがある場合には、取付け穴部14が表面12から突出する構成を備えずに、表面12から板状部材の厚さ方向に対して斜めに延びる穴を設けて、この穴を開口16として用いてもよい。
また、固定部20の接続部24の保持部26は、平面S上で略U字状に形成されているとしたが、これに限らない。保持部26は、消音部材40をより保持しやすいように、平面S上で例えば略W字状に形成されていてもよい。
また、一対の挿入部22を互いに近接離間させる構成として、第一連結部28Aおよび第二連結部28Bが互いに近接離間するように弾性変形する構成を利用していたが、これに限らない。例えば、ばね等を利用して一対の挿入部22を互いに近接離間させるようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係る固定部20の変形例について、図5および図6を参照して説明する。図5は、固定部20の変形例を示す斜視図である。図6は、固定部20の他の変形例を示す斜視図である。図5および図6に示すように、固定部20の保持部26は、保持する消音部材40の形状や保持方法等に応じて様々な形状を採用することができる。
図5に示すように、固定部20の変形例である固定部20Aの保持部26Aは、消音部材40Aの角部を保持できるように、V字状に形成された部分を有している。これによって、固定部20Aは、消音部材40Aをより安定して保持することができる。また、図6に示すように、固定部20の他の変形例である固定部20Bの保持部26Bは、消音部材40Bの曲面部を保持できるように、円弧状に形成された部分を有している。これによって、固定部20Bは、消音部材40Bをより安定して保持することができる。
このほか、例えば消音部材を第一連結部28Aと第二連結部28Bとの間に配置し、略U字状の保持部26で消音部材の外周を囲むようにして、消音部材を保持してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る固定構造2について、図7を参照して説明する。図7は、固定構造2を示す斜視図である。なお、上述した実施の形態1に係る固定構造1と同様の構成を有する部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る固定構造2は、一対の挿入部の構成に関して実施の形態1に係る固定構造1と異なっている。固定構造2の固定部120は、実施の形態1に係る固定部20と同様に、一対の挿入部122と、接続部24と、を有している。一対の挿入部122を構成する第一挿入部122Aと第二挿入部122Bとは同軸上に配置されているが、実施の形態1に係る固定部20とは異なり、第一挿入部122Aの第一端122Aaと第二挿入部122Bの第一端122Baとが対向するように配置されている。また、第一挿入部122Aの第二端122Abは第一連結部28Aに対して垂直に連結され、第二挿入部122Bの第二端122Bbは第二連結部28Bに対して垂直に連結されている。よって、実施の形態1に係る固定部20と同様に、第一連結部28Aおよび第二連結部28Bが互いに近接離間するように弾性変形することによって、第一挿入部122Aおよび第二挿入部122Bが互いに近接離間可能である。
図7に示すように、固定部120を取付け部10に取り付けた状態では、第一取付け穴部14Aの開口16aに第一挿入部122Aの第一端122Aaが挿入され、第二取付け穴部14Bの開口16dに第二挿入部122Bの第一端122Baが挿入されている。このとき、第一挿入部122Aの第一端122Aaと第二挿入部122Bの第一端122Baとの間の距離である第一距離D11は、第一挿入部122Aの第一端122Aaが挿入された第一取付け穴部14Aの開口16aと第二挿入部122Bの第一端122Baが挿入された第二取付け穴部14Bの開口16dとの間の距離である第二距離D12よりも小さい。これにより、固定部120は取付け部10から外れにくくなっている。
固定部120を取付け部10に取り付ける場合は、まず、固定部120の接続部24に何も外力が加えられていない状態では、接続部24は第一距離D1が第二距離D2よりも小さい状態を維持している。この状態から、接続部24に外力を加えて、第一距離D1が第二距離D2よりも大きくなるように一対の挿入部122を互いに離間させる。具体的には、接続部24の第一連結部28Aおよび第二連結部28Bが互いに離間するように広げられると、第一挿入部122Aの第一端122Aaと第二挿入部122Bの第一端122Baとが互いに離間する。この状態で、一対の挿入部122の間に第一取付け穴部14Aの開口16aと第二取付け穴部14Bの開口16dとを配置する。そして、接続部24に加えられていた外力を取り除くことで、接続部24の弾力によって一対の挿入部122が互いに近接する。このとき、第一挿入部122Aの第一端122Aaを第一取付け穴部14Aの開口16aに挿入し、第二挿入部122Bの第一端122Baを第二取付け穴部14Bの開口16dに挿入する。これによって、一対の挿入部122が取付け穴部14に嵌合して固定され、固定部120が取付け部10に取り付けられる。
このように構成された固定構造2においても、実施の形態1に係る固定構造1と同様の効果を得ることができる。
次に、本実施の形態に係る固定構造2の変形例について、図8を参照して説明する。図8は、固定構造2の変形例を示す斜視図である。図8に示すように、固定構造2の変形例である固定構造2Aの取付け部110は、取付け穴部114を有している。取付け穴部114には、開口16eおよび開口16fの二つの開口16が設けられている。取付け穴部114、開口16eおよび開口16fはそれぞれ、第一取付け穴部14A、開口16aおよび開口16bと同様に構成されている。また、取付け穴部114の軸方向の外形寸法は、第一挿入部122Aの軸方向の外形寸法と第二挿入部122Bの軸方向の外形寸法との和よりも大きく設定されている。
固定部120を取付け部110に取り付けた状態では、取付け穴部114の開口16eに第一挿入部122Aの第一端122Aaが挿入され、取付け穴部114の開口16fに第二挿入部122Bの第一端122Baが挿入されている。このとき、第一挿入部122Aの第一端122Aaと第二挿入部122Bの第一端122Baとの間の距離である第一距離D11は、第一挿入部122Aの第一端122Aaが挿入された取付け穴部114の開口16eと第二挿入部122Bの第一端122Baが挿入された取付け穴部114の開口16fとの間の距離である第二距離D12Aよりも小さい。
この固定構造2Aのように、取付け部110に取付け穴部114が一つだけ設けられた構成であっても、上述した固定構造2と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る固定構造3について、図9を参照して説明する。図9は、固定構造3を示す斜視図である。なお、上述した実施の形態1に係る固定構造1と同様の構成を有する部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る固定構造3は、取付け部の構成に関して実施の形態1に係る固定構造1と異なっている。図9に示すように、固定構造3は、取付け部210と、固定部220と、を備える。取付け部210は、複数の開口16として開口16gおよび開口16hが設けられている。本実施の形態では、取付け部210は、開口16gおよび開口16hが設けられた取付け穴部214を有している。取付け穴部214は、取付け部210の表面12に対して窪んで形成されている。また、取付け穴部214は半円筒形状の外形を有しており、開口16gおよび開口16hはその半円筒形状の軸方向の両端に設けられている。取付け穴部214は、開口16gから開口16hまで軸方向に貫通されており、開口16gと開口16hとの間に窪み部214aが形成されている。開口16gの開口面および開口16hの開口面はともに、表面12に対して垂直であり、半円形状を有している。
固定部220は、一対の挿入部22と、接続部224と、を有している。接続部224は、保持部26に加えて、連結部228をさらに有している。連結部228は、第一挿入部22Aの第二端22Abと保持部26の第一端26aとを連結する第一連結部228Aと、第二挿入部22Bの第二端22Bbと保持部26の第二端26bとを連結する第二連結部228Bと、を有している。第一連結部228Aは、第一部分228Aaと第二部分228Abとから構成されるL字状に形成されている。第一部分228Aaは、取付け穴部214の窪み部214aに入り込む部分であり、第一挿入部22Aの第二端22Abと連結されている。第二部分228Abは、取付け部210の表面12に沿って配置される部分であり、保持部26の第一端26aと連結されている。同様に、第二連結部228Bは、第一部分228Baと第二部分228Bbとから構成されるL字状に形成されている。第一部分228Baは、取付け穴部214の窪み部214aに入り込む部分であり、第二挿入部22Bの第二端22Bbと連結されている。第二部分228Bbは、取付け部210の表面12に沿って配置される部分であり、保持部26の第二端26bと連結されている。第一連結部228Aおよび第二連結部228Bが互いに近接離間するように弾性変形することによって、第一挿入部22Aおよび第二挿入部22Bが互いに近接離間可能である。
固定部220を取付け部210に取り付けた状態では、取付け穴部214の開口16gに第一挿入部22Aの第一端22Aaが挿入され、取付け穴部214の開口16hに第二挿入部22Bの第一端22Baが挿入されている。このとき、第一挿入部22Aの第一端22Aaと第二挿入部22Bの第一端22Baとの間の距離である第一距離D21は、第一挿入部22Aの第一端22Aaが挿入された取付け穴部214の開口16gと第二挿入部22Bの第一端22Baが挿入された取付け穴部214の開口16hとの間の距離である第二距離D22よりも大きい。これにより、固定部220は取付け部210から外れにくくなっている。
固定部220を取付け部210に取り付ける場合は、まず、固定部220の接続部224に何も外力が加えられていない状態では、接続部224は第一距離D21が第二距離D22よりも大きい状態を維持している。この状態から、接続部224に外力を加えて、第一距離D21が第二距離D22よりも小さくなるように一対の挿入部22を互いに近接させる。具体的には、接続部224の第一連結部228Aおよび第二連結部228Bが互いに近接するように押し狭めると、第一挿入部22Aの第一端22Aaと第二挿入部22Bの第一端22Baとが互いに近接する。この状態で、取付け穴部214の開口16gと開口16hとの間の窪み部214aに一対の挿入部22を配置する。そして、接続部224に加えられていた外力を取り除くことで、接続部224の弾力によって一対の挿入部22が互いに離間する。このとき、第一挿入部22Aの第一端22Aaを取付け穴部214の開口16gに挿入し、第二挿入部22Bの第一端22Baを取付け穴部214の開口16hに挿入する。これによって、一対の挿入部22が取付け穴部214に嵌合して固定され、固定部220が取付け部210に取り付けられる。
このように構成された固定構造3においても、実施の形態1に係る固定構造1と同様の効果を得ることができる。また、取付け穴部214は、表面12に対して窪んで形成されているので、取付け穴部214の上に消音部材40を配置した場合の表面12と消音部材40との隙間を小さくすることができ、開口16による笛音などの異音の発生をより確実に抑制できる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る消音装置50について、図10を参照して説明する。図10は、消音装置50を示す斜視図である。消音装置50は、例えば、消音チャンバーや消音ダクト、消音制気口ボックスや消音ボックス付の送風機等に適用できる。なお、上述した実施の形態1に係る固定構造1と同様の構成を有する部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10に示すように、消音装置50は、筐体60と、消音部材140と、取付け部310と、固定部20と、を備える。本実施の形態では、筐体60は、一面が開放された直方体形状に形成されており、開放された一面に開口部62が形成されている。開口部62によって、筐体60の内部と外部とが連通されている。
消音部材140は、筐体60内に設けられている。消音部材140は、筐体60内に設けられた設置面64に合わせて配置されている。本実施の形態では、設置面64は、筐体60において開口部62が形成された面に対向する側部66Cの内面である。また、消音部材140は、筐体60内に収容可能な外形寸法を有する直方体形状に形成されている。消音部材140は、実施の形態1に係る消音部材40と同様の材料から構成されている。
取付け部310は、筐体60に設けられている。本実施の形態では、取付け部310Aおよび取付け部310Bの二つの取付け部310が筐体60に設けられている。取付け部310Aは、筐体60において開口部62と側部66Cとの間の側部66Aに設けられ、取付け部310Bは、筐体60の側部66Aに対向する側部66Bに設けられている。取付け部310Aおよび取付け部310Bはそれぞれ、実施の形態1に係る固定構造1の取付け部10と同様に構成されており、取付け穴部14を有する。取付け部310Aの取付け穴部14は、側部66Aの内面(表面)66Asに対して突出して形成されている。取付け部310Bの取付け穴部14は、側部66Bの内面(表面)66Bsに対して突出して形成されている。また、取付け部310Aおよび取付け部310Bはそれぞれ、筐体60内において消音部材140の開口部62に向かう面140sよりも開口部62に近い位置に配置されている。
固定部20は、取付け部310Aおよび取付け部310Bに対応して、二つ設けられている。すなわち、本実施の形態では、取付け部310および固定部20は、二組設けられている。
消音部材140を筐体60内に取り付ける際には、消音部材140を筐体60内の設置面64に合わせて配置する。固定部20の保持部26を消音部材140に向けた状態で、上述した実施の形態1と同様にして、固定部20を取付け部310Aと取付け部310Bとの各々に取り付ける。これによって、二つの固定部20の保持部26が消音部材140の面140sにそれぞれ当接し、消音部材140が設置面64と固定部20との間に保持される。
本実施の形態に係る消音装置50においても、実施の形態1に係る固定構造1と同様の効果を得ることができる。加えて、固定部20の取付け位置の自由度が高くできることから、要求される消音性能に応じて設定される様々な配置や形状の消音部材140にも対応することができるので、より効果的に消音することができる。また、取付け部310および固定部20を二組設けることによって、より確実に消音部材140を保持することができる。
なお、本実施の形態では、取付け部310および固定部20は二組設けられているとしたが、これに限らない。取付け部310および固定部20の組数は、一組でもよいし三組以上の複数組でもよく、固定部20で保持する消音部材140の配置や形状、大きさ等に応じて、適宜設定することができる。
また、消音部材140を設置面64と固定部20との間に保持していたが、これに限らず、複数の固定部20の保持部26の間に消音部材140を保持してもよい。例えば、消音部材140を筐体60の側部66Cから離間して配置する場合には、側部66Cと消音部材140との間に取付け部310および固定部20をさらに設けて、この固定部20の保持部26と、消音部材140の面140sと開口部62との間に設けられた固定部20の保持部26との間に消音部材140を保持することができる。なお、この場合には、例えば側部66Aの内面66Asを設置面として消音部材140が配置される。
また、開口部62は、直方体形状の筐体60において開放された一面に形成されていたが、これに限らない。開口部62は、消音部材140で消音すべき音が筐体60内に伝播するように開口していればよい。また、消音部材140で消音すべき音が筐体60内で発生する場合には、開口部62は設けられなくてもよい。
次に、本実施の形態に係る消音装置50の変形例について、図11を参照して説明する。図11は、消音装置50の変形例を示す斜視図である。図11に示すように、消音装置50の変形例である消音装置50Aは、取付け部310の配置および固定部20の向きが消音装置50と異なっている。消音装置50Aでは、取付け部310は、筐体内60において設置面64と消音部材140の面140sとの間に配置されている。固定部20は、消音装置50の構成とは逆に、保持部26において連結部28が延びる側を消音部材140の面140sに向けた状態で、取付け部310に取り付けられている。これによって、取付け部310と固定部20の保持部26以外の部分とは、消音部材140によって覆われる。
このような構成の消音装置50Aであっても、上述した消音装置50と同様の効果を得ることができる。さらに、取付け部310の取付け穴部14は消音部材140に覆われているので、取付け部310の取付け穴部14に設けられた開口16による異音の発生をより確実に抑制することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る送風機70について、図12および図13を参照して説明する。図12は、送風機70を示す断面図である。図13は、図12のXIII−XIII線における断面図である。なお、上述した実施の形態1に係る固定構造1と同様の構成を有する部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12に示すように、送風機70は、筐体160と、ファン80と、消音部材240と、取付け部410と、固定部20と、を備える。筐体160は、吸込み口161と吹出し口162とが設けられている。本実施の形態では、筐体160は、略直方体の箱状に形成されている。吸込み口161は、筐体160の一つの側部166Aに形成された開口である。吹出し口162は、筐体160の側部166Aに対向する側部166Bに形成された開口である。吸込み口161および吹出し口162にはそれぞれ、図示しない外部のダクトと接続するための筒状のフランジ163が設けられている。
ファン80は、筐体160内に設けられており、吸込み口161から吹出し口162に送風可能である。本実施の形態では、ファン80は、遠心式ファンである。筐体160内には、ファン80を取り囲むファンケーシング82と、ファン80を駆動するモータ86と、が設けられている。ファンケーシング82は、内部が空洞の箱状に形成されている。ファンケーシング82は、筐体160の側部166Aと側部166Bとを連結する側部166Cと側部166Cに対向する側部166Dとの間に、側部166Cと側部166Dとに対して所定の隙間が形成されるように配置されている。ファンケーシング82において側部166Cに対向する側面82aには、ファンケーシング82の内部と連通する吸気口83Aが形成されている。ファンケーシング82において側部166Dに対向する側面82bには、ファンケーシング82の内部と連通する吸気口83Bが形成されている。ファン80は、吸気口83Aと吸気口83Bとに挟まれるように配置されている。ファンケーシング82において側面82aおよび側面82bに直交する側面82cには、ファンケーシング82の内部と連通する吐出口84が形成されている。吐出口84は、筐体160の吹出し口162と連通している。モータ86の駆動軸は、ファン80の回転軸80aと連結されている。ファン80の回転軸80aは、ファンケーシング82の側面82aおよび側面82bに対して直交するように配置されている。ファン80がモータ86によって駆動されることで、図12中の矢印で示すように、吸込み口161から空気が流入し、ファンケーシング82の手前で空気の流れが二方向に分岐され、それぞれファンケーシング82の吸気口83Aと吸気口83Bとからファン80に吸い込まれ、ファンケーシング82の吐出口84を介して吹出し口162から吹き出される。
消音部材240は、筐体160内に設けられている。消音部材240は、筐体160内に設けられた設置面164に合わせて配置されている。本実施の形態では、消音部材240は、直方体形状に形成されており、実施の形態1に係る消音部材40と同様の材料から構成されている。また、設置面164は、筐体160の側部166Cの内面166Csと筐体160の側部166Dの内面166Dsとの二つの面である。筐体160内には、消音部材240Aと消音部材240Bの二つの消音部材240が設けられている。消音部材240Aは内面166Csに合わせて配置され、消音部材240Bは内面166Dsに合わせて配置されている。消音部材240Aおよび消音部材240Bは、筐体160の側部166Aにも当接するように配置されている。また、図12および図13に示すように、消音部材240Aおよび消音部材240Bは、筐体160において側部166A、側部166B、側部166Cおよび側部166Dに直交する側部166Eから側部166Eに対向する側部166Fに延びている。
取付け部410は、筐体160に設けられている。本実施の形態では、消音部材240Aの保持に用いられる取付け部410Aおよび取付け部410Bの二つの取付け部410と、消音部材240Bの保持に用いられる二つの取付け部410と、が筐体60に設けられている。取付け部410Aは、筐体160の側部166Eに設けられ、取付け部410Bは、筐体160の側部166Fに設けられている。取付け部410Aおよび取付け部410Bは、前述した消音装置50Aの取付け部310と同様に構成されている。取付け部410Aの取付け穴部14は、側部166Eの内面(表面)166Esに対して突出して形成されており、取付け部410Bの取付け穴部14は、側部166Fの内面(表面)166Fsに対して突出して形成されている。また、消音部材240Bの保持に用いられる二つの取付け部410は、消音部材240Aの保持に用いられる取付け部410Aおよび取付け部410Bと同様に構成されている。
固定部20は、消音部材240Aの保持に用いられる取付け部410Aおよび取付け部410Bと消音部材240Bの保持に用いられる二つの取付け部410とに対応して、四つ設けられている。すなわち、本実施の形態では、取付け部410および固定部20は、四組設けられている。
消音部材240Aを筐体160内に取り付ける際には、まず、消音部材240Aを筐体160内の側部166Cの内面166Csに合わせて配置する。固定部20の保持部26を消音部材240Aに向けた状態で、より詳細には、保持部26において連結部28が延びる側を消音部材240Aに向けた状態で、一対の挿入部22を取付け部410Aの取付け穴部14の開口16の位置に合わせる。位置を合わせた開口16、16間の距離よりも一対の挿入部22の第一端22Aa、22Ba間の距離が小さくなるように、一対の挿入部22を互いに近接させて開口16、16間に配置する。そして、開口16、16間の距離よりも一対の挿入部22の第一端22Aa、22Ba間の距離が大きくなるように一対の挿入部22を互いに離間させて、一対の挿入部22の第一端22Aa、22Baを位置を合わせた開口16、16に挿入する。これによって、固定部20が取付け部410Aに取り付けられる。同様にして、固定部20を取付け部410Bに取り付ける。これによって、二つの固定部20の保持部26が消音部材240Aにそれぞれ当接し、消音部材240Aが設置面164である内面166Csと固定部20との間に保持される。消音部材240Bも同様にして筐体160内に取り付けることができる。
本実施の形態に係る送風機70においても、実施の形態1に係る固定構造1および実施の形態4に係る消音装置50Aと同様の効果を得ることができる。また、消音部材240Aおよび消音部材240Bによって、ファン80の運転により発生する騒音を小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、ファン80は遠心式ファンであるとしたが、これに限らない。ファン80は、他の種類のファンであってもよく、ファンケーシング82およびモータ86も、ファン80の種類に応じて適宜選択されてよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれら実施の形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。