JP6927751B2 - 金庫及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、耐火金庫等における壁体として、低温側となる内側または外側の一方に発泡コンクリート壁材を張設し、高温に晒される側に配置する金属板製の密封箱体内に、普通ポルトランドセメントの粉体を充填したことを特徴とする耐火断熱壁が記載されている。
また、特許文献2には、金庫や耐火庫等の耐火什器における壁体の外面板と内面板との間の空所に、珪酸カルシウム等の軽量断熱素材からなる板状の断熱材を、アルミ箔で被包して配設すると共に、コンクリートを隙間なく充填したことを特徴とする耐火什器の断熱構造が記載されている。
そこで、本発明の目的は、防犯性、耐火性及び断熱性に優れた金庫を提供することである。
[1] 金庫本体および金庫扉を有する金庫であって、上記金庫本体および上記金庫扉のいずれか一方または両方が、上記金庫の外面を形成するための外面板部、上記金庫の内面を形成するための内面板部、および、上記外面板部と上記内面板部の間に介在する収容空間を有する金属板構造体と、上記金属板構造体の上記収容空間の一部に収容されたセメント質硬化体と、上記金属板構造体の上記収容空間の残部に収容された断熱材を含み、上記セメント質硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、高性能減水剤、消泡剤、有機繊維及び水を含み、かつ上記セメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、上記セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるセメント組成物の硬化体であることを特徴とする金庫。
[2] 上記セメントは、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを構成する粒子を研磨処理してなる、角張った表面部分を丸みを帯びた形状に変形させてなる粒径20μm以上の粗粒子、及び、上記研磨処理によって生じる粒径20μm未満の微粒子を含み、50%体積累積粒径が10〜18μmで、かつブレーン比表面積が2,100〜2,900cm2/gのものである前記[1]に記載の金庫。
[3] 上記有機繊維は、直径が0.010〜0.020mm、長さが4〜8mm、アスペクト比(繊維長/繊維直径)が300〜470のポリプロピレン繊維である前記[1]又は[2]に記載の金庫。
[4] 上記セメント組成物が、金属繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上の繊維を含み、かつ上記セメント組成物中の上記繊維の割合が、3体積%以下である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の金庫。
[5] 上記セメント質硬化体の圧縮強度が300N/mm2以上である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の金庫。
[6] 上記セメント組成物は、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材Bを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の金庫。
[7] 上記セメント質硬化体の圧縮強度が270N/mm2以上である前記[6]に記載の金庫。
[8] 上記金属板構造体が、上記セメント質硬化体と上記断熱材を隔てるための隔壁部を有する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の金庫。
[10] 上記常温養生工程と上記加熱養生工程の間に、上記硬化した成形体に吸水させる吸水工程を含む前記[9]に記載の金庫の製造方法。
[11] 上記型枠の少なくとも一部として、上記金属板構造体を用いる前記[9]に記載の金庫の製造方法。
以下、本発明で用いられるセメント組成物について詳細に説明する。
中でも、セメント組成物の流動性を向上させる観点から、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
上記微粒子の粒径の下限は、特に限定されるものではないが、セメント組成物の流動性の向上、及び、金庫を製造する際の作業性向上の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上である。
上記50%体積累積粒径が10μm以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。上記50%体積累積粒径が18μm以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
上記ブレーン比表面積が2,100cm2/g以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。上記ブレーン比表面積が2,900cm2/g以下であれば、セメント組成物の流動性が向上する。
以下、高速気流撹拌装置について、図2を参照しながら詳しく説明する。
原料であるセメントは、高速気流撹拌装置10の上部の投入口14から、開閉弁18を開いた状態で投入される。投入後、開閉弁18を閉じる。
投入されたセメントは、循環回路13の途中に設けられた開口部から循環回路13内に入り、その後、循環回路13の出口13bから、被処理物を収容する空間である衝突室17内に入る。
原料を投入後、固定体であるステーター16の内部に配設されているローター(回転体)11を高速回転させることで、ローター11及びローター11に固着されたブレード12によって高速気流が発生し、衝突室17内のセメントが撹拌される。撹拌中、セメントを構成する粒子は、衝突室17内に設けられた、循環回路13の入口13aから、循環回路13内に入り、衝突室17の中央部分に設けられた、循環回路13の出口13bから、再び衝突室17内に投入されることで循環する。
なお、図2中、点線で示す矢印は、粒子(セメントを構成する粒子、並びに、研磨処理によって生じた粗粒子および微粒子を含む。)の流れを示す。
研磨処理の時間は、好ましくは10〜60分間、より好ましくは20〜50分間、さらに好ましくは20〜40分間、特に好ましくは20〜30分間である。該時間が10分間以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。該時間が60分間を超える場合、セメント組成物の流動性の向上効果が頭打ちとなる。
得られた研磨処理物(粗粒子と微粒子の混合物)は、排出弁19を開くことによって、排出口15から排出される。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、セメント組成物の流動性を向上させ、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、石英粉末またはフライアッシュを使用することが好ましい。
なお、本明細書中、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末には、セメントは含まれないものとする。
無機粉末の50%体積累積粒径は、市販の粒度分布測定装置(例えば、日機装社製、製品名「マイクロトラックHRA モデル9320−X100」)を用いて求めることができる。
具体的には、粒度分布測定装置を用いて、累積粒度曲線を作成し、該累積粒度曲線から50%体積累積粒径を求めることができる。この際、試料を分散させる溶媒であるエタノール20cm3に対して、試料0.06gを添加し、90秒間、超音波分散装置(例えば、日本精機製作所社製、製品名「US300」)を用いて超音波分散したものを測定する。
無機粉末の95%体積累積粒径は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは8μm以下、より好ましくは7μm以下、特に好ましくは6μm以下である。
セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100体積%中、シリカフュームの割合は5〜25体積%、好ましくは7〜23体積%である。該割合が5体積%未満の場合、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。該割合が25体積%を超える場合、セメント組成物の流動性が低下する。
セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100体積%中、無機粉末の割合は15〜35体積%、好ましくは17〜33体積%である。該割合が15体積%未満の場合、セメント質硬化体の圧縮強度が低下する。該割合が35体積%を超える場合、セメント組成物の流動性が低下する。
骨材Aの最大粒径は、1.2mm以下、好ましくは1.1mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である。該最大粒径が1.2mm以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度が高くなる。
骨材Aの粒度分布は、セメント組成物の流動性を向上させ、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、0.6mm以下の粒径の骨材の割合が、95質量%以上、0.3mm以下の粒径の骨材の割合が、40〜50質量%、及び、0.15mm以下の粒径の骨材の割合が、6質量%以下であることが好ましい。
セメント組成物中の骨材Aの割合は、好ましくは20〜40体積%、より好ましくは22〜38体積%、さらに好ましくは30〜37体積%、特に好ましくは32〜36体積%である。該割合が20体積%以上であれば、セメント組成物の発熱量が小さくなり、かつ、セメント質硬化体の収縮量が小さくなる。該割合が40体積%以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
高性能減水剤の配合量は、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100質量部に対して、固形分換算で、好ましくは0.2〜1.5質量部であり、より好ましくは0.4〜1.2質量部である。該量が0.2質量部以上であれば、減水性能が向上し、セメント組成物の流動性が向上する。該量が1.5質量部以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
消泡剤の配合量は、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.07質量部、特に好ましくは0.01〜0.05質量部である。該量が0.001質量部以上であれば、セメント組成物の強度発現性が向上する。該量が0.1質量部を超えると、セメント組成物の強度発現性の向上効果が頭打ちとなる。
有機繊維の寸法は、セメント組成物中における有機繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の耐火性の向上の観点から、直径が0.005〜1.000mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.008〜0.500mm、長さが4〜25mmであることがより好ましく、直径が0.010〜0.030mm、長さが4〜10mmであることがさらに好ましく、直径が0.012〜0.020mm、長さが4〜8mmであることが特に好ましい。
また、有機繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜500、より好ましくは30〜490、さらに好ましくは200〜480、さらに好ましくは230〜470、特に好ましくは300〜450である。
中でも、セメント質硬化体の耐火性のさらなる向上の観点から、直径が0.010〜0.030mm、長さが4〜10mm、アスペクト比(繊維長/繊維直径)が230〜480のポリプロピレン繊維が好ましく、直径が0.010〜0.020mm、長さが4〜8mm、アスペクト比(繊維長/繊維直径)が300〜470のポリプロピレン繊維がより好ましく、直径が0.012〜0.020mm、長さが4〜8mm、アスペクト比(繊維長/繊維直径)が300〜450のポリプロピレン繊維が特に好ましい。
セメント組成物中の有機繊維の割合は、好ましくは0.05〜1.0体積%、より好ましくは0.07〜0.9体積%、さらに好ましくは0.08〜0.8体積%、さらに好ましくは0.10〜0.5体積%、特に好ましくは0.15〜0.3体積%である。該割合が0.05体積%以上であれば、セメント質硬化体の耐火性がより向上する。該割合が1.0体積%以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
金属繊維の寸法は、セメント組成物中における金属繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の曲げ強度の向上の観点から、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
さらに、金属繊維の形状は、直線状よりも、何らかの物理的付着力を付与する形状(例えば、螺旋状や波形)であることが好ましい。螺旋状等の形状であれば、金属繊維とマトリックスとが、引き抜けながら応力を担保するため、セメント質硬化体の曲げ強度が向上する。
炭素繊維の寸法は、セメント組成物中における炭素繊維の材料分離の防止や、セメント質硬化体の破壊エネルギーの向上の観点から、直径が0.005〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.01〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
水の配合量は、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜20質量部、より好ましくは11〜18質量部、特に好ましくは14〜16質量部である。該量が10質量部以上であれば、セメント組成物の流動性が向上する。該量が20質量部以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
該フロー値が180mm以上であれば、金庫を製造する際の作業性を向上させることができる。
また、上記セメント組成物からなるモルタル(後述する骨材Bを含まないもの)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、好ましくは300N/mm2以上、より好ましくは320N/mm2以上、さらに好ましくは330N/mm2以上、さらに好ましくは350N/mm2以上、さらに好ましくは370N/mm2以上、特に好ましくは400N/mm2以上である。
骨材Bとしては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、天然エメリー砂、人工細骨材(例えば、スラグ細骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成細骨材や、人工(人造)エメリー砂)、再生細骨材、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材(例えば、スラグ粗骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成粗骨材)、再生粗骨材、アルミナまたは炭化物(例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素等)の粗粉砕物、またはこれらの混合物等が挙げられる。
骨材Bの最大粒径は、13mm以下、好ましくは12mm以下、より好ましくは11mm以下、特に好ましくは10mm以下である。該最大粒径が13mm以下であれば、セメント組成物の強度発現性が向上し、例えば、270N/mm2以上の圧縮強度を発現することができる。
また、骨材Bの最大粒径は、コストの低減等の観点から、1.2mmを超える値であり、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、特に好ましくは7mm以上である。
なお、本明細書中、骨材Bの最大粒径が5mm以上の場合における「最大粒径」とは、骨材B全体の90質量%以上が通るふるいのうち、最小寸法のふるいの呼び寸法で示される骨材Bの粒径(一般に、粗骨材の最大粒径の定義として知られているもの)をいう。
なお、本明細書中、骨材Bの最小粒径とは、骨材Bの中の最も粒径が小さいものから粒径が大きなものに向かって累積していった場合において、骨材B全体の15質量%に達したときの骨材Bの粒径をいう。
骨材Aと骨材Bの合計量に対する骨材Bの割合は、好ましくは40体積%以下、より好ましくは30体積%以下、特に好ましくは25体積%以下である。該割合が40体積%以下であれば、セメント組成物の強度発現性を向上させることができる。
骨材Bを含むセメント組成物(例えば、コンクリート)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、好ましくは270N/mm2以上、より好ましくは280N/mm2以上、さらに好ましくは290N/mm2以上、さらに好ましくは300N/mm2以上、さらに好ましくは310N/mm2以上、さらに好ましくは315N/mm2以上、特に好ましくは320N/mm2以上である。
金庫1は、金庫本体2と金庫扉3からなる。金庫1の形状は、特に限定されるものではなく、一般的な金庫の形状であればよい。
金庫本体2および金庫扉3のいずれか一方または両方は、金庫1の外面を形成するための外面板部4a、5a、金庫1の内面を形成するための内面板部4b、5b、および、外面板部4a、5aと内面板部4b、5bの間に介在する収容空間を有する金属板構造体4、5と、金属板構造体4、5の収容空間の一部に収容されたセメント質硬化体6、7と、金属板構造体4、5の収容空間の残部に収容された断熱材8、9を含む。
セメント質硬化体6、7と断熱材8、9は、金属板構造体4、5の収容空間に、金庫1の外部から内部に向かって、セメント質硬化体6、7からなる層と断熱材8、9からなる層が、この順に配設された状態となるように収容される。
セメント質硬化体と断熱材は、図1に示すように金庫1の外面側にセメント質硬化体6、7を収容し、金庫1の内面側に断熱材8、9を収容してもよいし、あるいは、金庫の内面側にセメント質硬化体を収容し、金庫の外面側に断熱材を収容してもよい。また、断熱材の両面にセメント質硬化体が配置するように断熱材等を収容して、断熱材からなる層の両面にセメント質硬化体からなる層が積層した状態にしてもよい。
金属板構造体4、5を構成する外面板部4a、5a、内面板部4b、5b、及び隔壁部4c、5cは、溶接等によって互いに固着される。
金属板構造体4、5の材質としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、鋼等が挙げられる。
なお、外面板部とは、金属板構造体のうち、金庫の扉を閉めた状態において、目視可能な金庫の表面部分をいう。内面板部とは、金属板構造体のうち、金庫の扉を開けた状態において、金庫の内部(金庫の外面板部を除く金庫の表面部分)の目視可能な表面部分をいう。隔壁部とは、金属板構造体の目視できない部分をいう。
金庫1の各部材(セメント質硬化体6、7等)は、エポキシ樹脂等の接着剤やボルト等を用いて固着される。
本発明の金庫の製造方法の一例は、上述したセメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生または気中養生して、硬化した成形体を得る常温養生工程と、硬化した成形体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る加熱養生工程と、加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、セメント質硬化体を得る工程と、セメント質硬化体、金属板構造体および断熱材を用いて、金庫を作製する組立工程を含むものである。
本工程は、セメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る工程である。
打設を行う前に、セメント組成物を混練する方法としては、特に限定されるものではない。また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。さらに、打設(成形)方法も特に限定されるものではない。
なお、本工程における未硬化の成形体は、セメント組成物中の気泡を低減又は除去したセメント組成物からなるものであってもよい。セメント組成物中の気泡を低減又は除去することで、セメント組成物の強度発現性をより向上させることができる。
セメント組成物中の気泡を低減又は除去する方法としては、(1)セメント組成物の混練を減圧下で行う方法、(2)混練後のセメント組成物を、型枠内に打設する前に減圧して脱泡させる方法、(3)セメント組成物を型枠内に打設した後、減圧して脱泡させる方法等が挙げられる。
本工程は、未硬化の成形体を、10〜40℃(好ましくは15〜30℃)で24時間以上(好ましくは24〜72時間、より好ましくは24〜48時間)、封緘養生または気中養生した後、硬化した成形体を得る工程である。
養生温度が10℃以上であれば、養生時間をより短くすることができる。養生温度が40℃以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くすることができる。
養生時間が24時間以上であれば、脱型の際に、硬化した成形体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。
一般的な型枠を用いた場合(型枠の少なくとも一部として、金属板構造体を使用していない場合)、本工程において硬化した成形体を型枠から脱型する。
型枠として金属板構造体の少なくとも一部を使用している場合、型枠を金庫の一部として使用するため、型枠の金属板構造体の部分については脱型を行わない。
また、本工程において、硬化した成形体が、好ましくは20〜100N/mm2、より好ましくは30〜80N/mm2の圧縮強度を発現した時に、硬化した成形体を型枠から脱型することが好ましい。該圧縮強度が20N/mm2以上であれば、脱型の際に、硬化した成形体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。該圧縮強度が100N/mm2以下であれば、後述する吸水工程において、少ない労力で、硬化した成形体に吸水させることができる。
一般的な型枠を用いている場合(型枠の少なくとも一部として、金属板構造体を使用していない場合)、常温養生工程と加熱養生工程の間に、常温養生工程において得られた硬化した成形体に吸水させる吸水工程を含んでもよい。
硬化した成形体に吸水させる方法としては、該成形体を水中に浸漬させる方法が挙げられる。また、該成形体を水中に浸漬させる方法において、短時間で吸水量を増やし、セメント質硬化体の圧縮強度を高くする観点から、(1)該成形体を、減圧下の水の中に浸漬させる方法、(2)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬させた後、該成形体を浸漬させたまま、水温を40℃以下に低下させる方法、(3)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬させた後、該成形体を沸騰している水から取り出して、次いで、40℃以下の水に浸漬させる方法、(4)該成形体を、加圧下の水の中に浸漬させる方法、又は(5)該成形体への水の浸透性を向上させる薬剤を溶解させた水溶液の中に、該成形体を浸漬させる方法、が好ましい。
上記成形体を、沸騰している水の中に浸漬させる方法としては、高温高圧容器や熱温水水槽等の設備を利用する方法が挙げられる。
硬化した成形体を、減圧下の水または沸騰している水の中に浸漬させる時間は、吸水率を高くする観点から、好ましくは3分間以上、より好ましくは8分間以上、特に好ましくは20分間以上である。該時間の上限は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは60分間、より好ましくは45分間である。
これらの吸水率が0.2体積%以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くすることができる。
なお、型枠の少なくとも一部として、金属板構造体を使用した場合、吸水工程を行っても硬化した成形体に吸水させることができない。
本工程は、前工程で得られた硬化した成形体について、70℃以上100℃未満(好ましくは75〜95℃、より好ましくは80〜92℃)で6時間以上の蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃(好ましくは160〜190℃)で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る工程である。
本工程において、蒸気養生または温水養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは24時間以上、より好ましくは24〜96時間、特に好ましくは36〜72時間である。オートクレーブ養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは8〜60時間、より好ましくは12〜48時間である。蒸気養生もしくは温水養生とオートクレーブ養生の両方を行う場合(例えば、蒸気養生もしくは温水養生を行った後、さらにオートクレーブ養生を行う場合)、蒸気養生もしくは温水養生における養生時間は、好ましくは6〜72時間、より好ましくは12〜48時間であり、オートクレーブ養生における養生時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは4〜18時間である。
本工程において、養生温度が前記範囲内であれば、養生時間を短くすることができ、また、セメント質硬化体の圧縮強度を向上させることができる。
また、本工程において、養生時間が前記範囲内であれば、セメント質硬化体の圧縮強度を高くすることができる。
本工程は、加熱養生後の硬化体を、150〜200℃(好ましくは170〜190℃)で24時間以上(好ましくは24〜72時間、より好ましくは36〜48時間)、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、セメント組成物を硬化してなるセメント質硬化体を得る工程である。
本工程における加熱は、通常、乾燥雰囲気下(換言すると、水や水蒸気を人為的に供給しない状態)で行われる。
加熱温度が150℃以上であれば、加熱時間をより短くすることができる。加熱温度が200℃以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くすることができる。
加熱時間が24時間以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くすることができる。
また、耐火性に優れている。
また、得られたセメント質硬化体は、寸法安定性に優れている。「JIS A 1129−2:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法)」に準拠して測定した、40×40×160mmの供試体を6カ月間保存した場合における上記セメント質硬化体の収縮ひずみは、好ましくは10×10−6以下、より好ましくは8×10−6以下、特に好ましくは6×10−6以下である。
さらに、得られたセメント質硬化体は、大きな曲げ強度を有する。上記セメント質硬化体の「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法)」に準拠して測定した曲げ強度は、好ましくは20N/mm2以上、より好ましくは25N/mm2以上、さらに好ましくは30N/mm2以上、特に好ましくは35N/mm2以上である。
本工程は、高温加熱工程で得られたセメント質硬化体、金属板構造体および断熱材を用いて、上述した金庫を作製する工程である。
一般的な型枠を用いた場合(型枠の少なくとも一部として、金属板構造体を使用していない場合)、セメント質硬化体と、金属板構造体(外面板部、内面板部、隔壁部)と、断熱材を用意し、エポキシ樹脂等を用いて、各々を固着することで上述した金庫を作製することができる。各部材を固着する順番は特に限定されるものではないが、例えば、外面板部にセメント質硬化体を固着した後、該セメント質硬化体に断熱材を固着し、次いで、該断熱材に内面板部を固着する方法等が挙げられる。
型枠の少なくとも一部として、金属板構造体を使用した場合(例えば、外面板部と隔壁部からなる型枠を使用した場合)、セメント質硬化体が収容された金属板構造体の金庫の内面側となる面(隔壁部)に断熱材を固着した後、該断熱材に内面板部を固着する方法等が挙げられる。
[使用材料]
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)シリカフュームA:BET比表面積20m2/g
(3)シリカフュームB:BET比表面積17m2/g
(4)無機粉末A:珪石粉末、50%体積累積粒径2μm、最大粒径12μm、95%体積累積粒径5.8μm
(5)無機粉末B:珪石粉末、50%体積累積粒径7μm、最大粒径67μm、95%体積累積粒径27μm
(6)骨材A1(細骨材):珪砂(最大粒径1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:98質量%、0.3mm以下の粒径のもの:45質量%、0.15mm以下の粒径のもの:3質量%)
(7)骨材A2(細骨材):人工エメリー砂(宇治電化学工業社製、修正モース硬度:12、最大粒径1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:96質量%、0.3mm以下の粒径のもの:46質量%、0.15mm以下の粒径のもの:1質量%)
(8)ポリカルボン酸系高性能減水剤:固形分量27.4質量%、フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」
(9)消泡剤:BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」
(10)水:水道水
(11)有機繊維A:ポリプロピレン繊維(直径:0.025mm、長さ:6mm、アスペクト比:240)
(12)有機繊維B:ポリプロピレン繊維(直径:0.014mm、長さ:6mm、アスペクト比:429)
(13)有機繊維C:ポリプロピレン繊維(直径:0.018mm、長さ:6mm、アスペクト比:333)
(14)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
(15)骨材B(粗骨材):硬質砂岩砕石1005(粒径:5〜10mm)
セメント、シリカフュームA及び無機粉末Aを、粉体原料(セメント、シリカフュームA及び無機粉末A)の合計量100体積%中、セメント等の各割合が表1に示す割合となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の割合が表1に示す割合となる量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表1に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。
その後、セメント組成物中の有機繊維の割合が表1に示す割合となる量の有機繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行った。
混練後のセメント組成物のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。なお、本明細書中、該フロー値を「0打ちフロー値」という。
この成形体を、表2に示す時間、減圧したデシケーター内で水に浸漬した(表2中、「減圧下」と示す。)。なお、減圧は、アズワン社製の「アスピレーター(AS−01)」を使用して行った。浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
浸漬後、この成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃まで降温した後、180℃で48時間加熱を行った。
加熱後の成形体(セメント質硬化体)の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。
また、加熱後の成形体(セメント質硬化体)について、耐火炉を用いて加熱を行い、耐火性(加熱時間:60分間)を評価した。加熱は、「ISO834」に定められた加熱曲線に準拠して、60分間行い、加熱後、自然冷却した。なお、上記加熱における最高温度は900℃であった。
冷却後の成形体(セメント質硬化体)について、爆裂の有無、質量減少率及び残存圧縮強度を用いて、特に爆裂の有無を重視して耐火性を評価した。なお、爆裂が少なく、質量減少率が小さくかつ残存圧縮強度が大きいほど耐火性に優れている。
0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、および耐火性の評価を表2に示す。なお、表2中、「◎」は、耐火性に極めて優れている(冷却後の成形体のひび割れ幅は1mm未満)ことを表し、「○」は、耐火性に優れている(冷却後の成形体のひび割れ幅は1mm以上、10mm未満)ことを表し、「×」は耐火性に劣っている(冷却後の成形体のひび割れ幅は10mm以上であり、かつ、剥落がある)ことを示す。また、後述の実施例および比較例における0打ちフロー値、吸水率、および圧縮強度の各値も表2に示す。
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から15質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mm2であった。
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、沸騰している水(沸騰水)に、表2に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[実施例4]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例2と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
シリカフュームAの配合割合を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの配合割合を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は50N/mm2であった。
また、上記セメント質硬化体と同様にして、40×40×160mmの供試体を製造し、「JIS A 1129−2:2010 モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」に準拠して、6か月保存した場合における収縮ひずみを測定した。
さらに、得られたセメント質硬化体に対して、「JIS A 1148(コンクリートの凍結溶解試験方法)」に準拠して測定した値を用いて、「ASTM C666 75」の耐久性指数(300サイクル)を算出した。
なお、耐久性指数は、最大値が100であり、最大値に近いほど凍結融解抵抗性に優れていることを示す。
以上の結果を表2に示す。なお、後述の実施例における収縮ひずみおよび耐久性指数も表2に示す。
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例5と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
シリカフュームAの配合割合を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの配合割合を30体積%から20体積%に変更した以外は、実施例2と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mm2であった。
[実施例8]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様にして沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例7と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。
また、実施例5と同様にして、収縮ひずみの測定、耐久性指数の算出、および耐火性の評価を行った。
セメント、シリカフュームA及び無機粉末Aを、粉体原料(セメント、シリカフューム及び無機粉末)の合計量100体積%中、セメント等の各割合が表1に示す割合となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の割合が表1に示す割合となる量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表1に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練を行った後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、セメント組成物中の有機繊維及び金属繊維の各々の割合が表1に示す割合となる量の有機繊維及び金属繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行った。
得られたセメント組成物について、実施例1と同様にして、0打ちフロー値を測定した。
また、得られたセメント組成物を材料として用いて、実施例1と同様の方法で、セメント質硬化体(成形体)を得た。
得られたセメント質硬化体(成形体)について、実施例1と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。
さらに、実施例5と同様にして、得られたセメント質硬化体の曲げ強度を測定した。
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、実施例3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、実施例9と同様にして、セメント組成物及びその硬化体を得た。
セメント組成物及びその硬化体について、実施例9と同様にして、各種物性を測定した。
また、実施例5と同様にして、耐久性指数の算出、および耐火性の評価を行った。
さらに、冷却後の成形体(セメント質硬化体)について、加熱を「ISO834」に定められた加熱曲線に準拠して180分間を行う以外は実施例1における耐火性(加熱時間:60分間)の評価と同様にして耐火性(加熱時間:180分間)の評価を行った。なお、上記加熱における最高温度は1,100℃であった。
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から11質量部に変更し、骨材A1の配合量を35.5体積%から30.0体積%に変更し、高性能減水剤の配合量を0.74質量部から0.81質量部に変更し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は、実施例1と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は54N/mm2であった。
脱型後の成形体を、沸騰している水(沸騰水)に、表2に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、実施例11と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出、及び、セメント質硬化体の圧縮強度等の測定を行った。
また、実施例5と同様にして、耐久性指数の算出、および耐火性の評価を行った。
骨材A1の配合量を、30.0体積%から24.0体積%に変更し、セメント組成物中の骨材Bの割合が6.0体積%となる量の骨材Bを使用した以外は実施例11のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物の製造は、実施例1と同様にして、各材料(粉体原料、骨材A1、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、有機繊維及び消泡剤)を混練した後、さらに骨材Bをオムニミキサに投入して、1分間混練することで行った。
得られたセメント組成物(混練物)を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、セメント質硬化体の圧縮強度を測定した。なお、脱型時の圧縮強度は43N/mm2であった。
骨材A1の配合量を、35.5体積%から28.5体積%に変更し、セメント組成物中の骨材Bの割合が7.0体積%となる量の骨材Bを使用した以外は実施例8のセメント組成物と同様の配合で、セメント組成物を製造した。
セメント組成物の製造は、実施例1と同様にして、各材料(粉体原料、骨材A1、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、有機繊維及び消泡剤)を混練した後、さらに、骨材Bをオムニミキサに投入して、1分間混練することで行った。
得られたセメント組成物(混練物)を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設する以外は実施例8と同様にして、セメント質硬化体を得た。
実施例1と同様にして、吸水率の算出およびセメント質硬化体の圧縮強度の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は37N/mm2であった。
また、実施例5と同様にして、耐久性指数の算出、耐火性の評価を行った。
骨材A1の代わりに骨材A2を使用した以外は、実施例4と同様にして、セメント組成物及びその硬化体(成形体)を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は47N/mm2であった。
また、実施例1と同様にして、耐火性の評価を行った。
[実施例16]
骨材A1の代わりに骨材A2を使用した以外は、実施例12と同様にして、セメント組成物及びその硬化体(成形体)を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値等の測定を行った。なお、圧縮強度は、測定限界(511N/mm2)を超えていた。また、脱型時の圧縮強度は55N/mm2であった。
有機繊維Aの代わりに有機繊維Bを使用し、セメント組成物中の有機繊維Bの割合を0.1体積%とし、かつ、粉体原料100質量部当たりの高性能減水剤の配合量(固形分換算)を0.83質量部とした以外は、実施例10と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例1と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定、セメント質硬化体の吸水率の算出及び圧縮強度の測定を行った。なお、脱型時の圧縮強度は48N/mm2であった。
また、冷却後の成形体(セメント質硬化体)について、耐火性(加熱時間:180分間)の評価を、加熱を「ISO834」に定められた加熱曲線に準拠して180分間で行う以外は実施例1における耐火性(加熱時間:60分間)の評価と同様にして行った。なお、上記加熱における最高温度は1,100℃であった。
セメント組成物中の有機繊維Bの割合を0.2体積%とした以外は、実施例17と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例17と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は47N/mm2であった。
[実施例19]
有機繊維Bの代わりに有機繊維Cを使用し、セメント組成物中の有機繊維Cの割合を0.2体積%とした以外は、実施例17と同様にして、セメント組成物及びセメント質硬化体(加熱後の成形体)を得た。
実施例17と同様にして、セメント組成物の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は47N/mm2であった。
セメント、シリカフュームB及び無機粉末Bを、粉体原料(セメント、シリカフュームB及び無機粉末B)の合計量100体積%中、セメント等の各割合が表1に示す割合となるように混合した。得られた混合物と、セメント組成物中の骨材A1の割合が表1に示す割合となる量の細骨材を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表1に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。
得られた混練物を材料として用いて、実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られた混練物(セメント組成物)及びその硬化体について、実施例1と同様にして、各種物性を測定した。
また、本発明で用いられるセメント組成物(骨材Bを含まないもの:実施例1〜12、15〜19)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、340N/mm2以上であり、非常に大きいことがわかる。
また、金属繊維を含むセメント組成物(実施例9〜10)の曲げ強度は、40N/mm2以上であり大きいことがわかる。
また、修正モース硬度が12である細骨材を用いたセメント組成物(実施例15〜16)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、490N/mm2以上であり、極めて大きいことがわかる。
さらに、骨材B(粗骨材)を含むセメント組成物(実施例13〜14)を硬化してなるセメント質硬化体の圧縮強度は、325N/mm2以上であり、大きいことがわかる。
また、実施例5、8におけるセメント質硬化体の収縮ひずみは5×10−6以下であり小さいものである。
さらに、実施例5、8、10、12、14におけるセメント質硬化体の耐久性指数から、これらのセメント質硬化体が、凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。
これらの結果から、本発明の金庫に用いられるセメント質硬化体は、高い圧縮強度を有し、耐火性、寸法安定性及び凍結融解抵抗性に優れていることがわかる。
一方、比較例1では、セメント質硬化体の圧縮強度は290N/mm2であり、実施例1〜19と比べて小さいことがわかる。また、比較例1におけるセメント質硬化体は、耐火性に劣ることがわかる。
2 金庫本体
3 金庫扉
4、5 金属板構造体
4a、5a 外面板部
4b、5b 内面板部
4c、5c 隔壁部
6、7 セメント質硬化体
8、9 断熱材
10 高速気流撹拌装置
11 ローター
12 ブレード
13 循環回路
13a 循環回路の入口
13b 循環回路の出口
14 投入口
15 排出口
16 ステーター
17 衝突室
18 開閉弁
19 排出弁
Claims (9)
- 金庫本体および金庫扉を有する金庫であって、
上記金庫本体および上記金庫扉のいずれか一方または両方が、上記金庫の外面を形成するための外面板部、上記金庫の内面を形成するための内面板部、および、上記外面板部と上記内面板部の間に介在する収容空間を有する金属板構造体と、上記金属板構造体の上記収容空間の一部に収容されたセメント質硬化体と、上記金属板構造体の上記収容空間の残部に収容された断熱材を含み、
上記セメント質硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、高性能減水剤、消泡剤、有機繊維及び水を含み、かつ上記セメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、上記セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるセメント組成物(ただし、最大粒径が1.2mmを超える骨材を含むものを除く。)の硬化体であり、
上記セメント質硬化体の圧縮強度が300N/mm 2 以上であることを特徴とする金庫。 - 金庫本体および金庫扉を有する金庫であって、
上記金庫本体および上記金庫扉のいずれか一方または両方が、上記金庫の外面を形成するための外面板部、上記金庫の内面を形成するための内面板部、および、上記外面板部と上記内面板部の間に介在する収容空間を有する金属板構造体と、上記金属板構造体の上記収容空間の一部に収容されたセメント質硬化体と、上記金属板構造体の上記収容空間の残部に収容された断熱材を含み、
上記セメント質硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、最大粒径が1.2mm以下の骨材A、最大粒径が1.2mmを超え、13mm以下の骨材B、高性能減水剤、消泡剤、有機繊維及び水を含み、かつ上記セメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、上記セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるセメント組成物の硬化体であり、
上記セメント質硬化体の圧縮強度が270N/mm 2 以上であることを特徴とする金庫。 - 上記セメントは、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを構成する粒子を研磨処理してなる、角張った表面部分を丸みを帯びた形状に変形させてなる粒径20μm以上の粗粒子、及び、上記研磨処理によって生じる粒径20μm未満の微粒子を含み、50%体積累積粒径が10〜18μmで、かつブレーン比表面積が2,100〜2,900cm2/gのものである請求項1又は2に記載の金庫。
- 上記有機繊維は、直径が0.010〜0.020mm、長さが4〜8mm、アスペクト比(繊維長/繊維直径)が300〜470のポリプロピレン繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金庫。
- 上記セメント組成物が、金属繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上の繊維を含み、かつ上記セメント組成物中の上記金属繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上の繊維の割合が、3体積%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金庫。
- 上記金属板構造体が、上記セメント質硬化体と上記断熱材を隔てるための隔壁部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の金庫。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の金庫を製造するための方法であって、
上記セメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、
上記未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生または気中養生して、硬化した成形体を得る常温養生工程と、
上記硬化した成形体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る加熱養生工程と、
上記加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、セメント質硬化体を得る高温加熱工程と、
上記セメント質硬化体、上記金属板構造体および上記断熱材を用いて、上記金庫を作製する組立工程、
を含むことを特徴とする金庫の製造方法。 - 上記常温養生工程と上記加熱養生工程の間に、上記硬化した成形体に吸水させる吸水工程を含む請求項7に記載の金庫の製造方法。
- 上記型枠の少なくとも一部として、上記金属板構造体を用いる請求項7に記載の金庫の製造方法。
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