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JP6928966B2 - 鉄筋溶接用の裏当て材 - Google Patents
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本発明は、鉄筋溶接用の裏当て材に関する。
特許文献1などにより、鉄筋同士を溶接する際に用いるセラミクス製の裏当て材が知られている。
日本国特許第3764272号
上述した裏当て材を使った溶接は、鉄筋の端部同士を近づけて形成された端部同士の隙間を覆うように裏当て材を鉄筋に取り付けた状態で行われる。
鉄筋の端部同士の隙間に溶接棒の先端を近づけて、鉄筋の端部同士と裏当て材で囲まれた空間の中に溶接材を流し込むことにより、鉄筋同士を溶接する。
溶接する際には、作業者が目視で溶接材が該空間に十分に流し込まれたかを確認している。しかしながら、裏当て材は様々なセラミクスから形成することができるため、場合によってはこの目視による確認が難しいことがあった。
本発明は、目視による溶接作業の確認がしやすい鉄筋溶接用裏当て材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明によれば、SiOおよびAlを主成分として含むセラミクス材からなり、ハンター白度が59以上である、鉄筋溶接用裏当て材が提供される。
本発明によれば、目視による溶接作業の確認がしやすい鉄筋溶接用裏当て材が提供される。
本実施形態の裏当て材を示す斜視図である。 裏当て材を用いて鉄筋同士を溶接する際の模式図である。 実施例1〜実施例14および比較例15〜比較例18のハンター白度および識別容易性を示す表である。 実施例1〜実施例14および比較例15〜比較例18に用いたセラミクスの組成を示す表である。 ハンター白度とFeの含有量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて、より詳細に説明する。
図1は本実施形態の鉄筋溶接用裏当て材10を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の裏当て材10は長手方向に延びる部材であり、断面U字形状を有している。
図2は、裏当て材10を用いて鉄筋2,3同士を溶接する様子を示す模式図である。図2においては、鉄筋2,3の長手方向に沿った断面を示している。図2に示すように、裏当て材10は鉄筋2,3同士を溶接する際に用いられる。
本実施形態の裏当て材10を用いた鉄筋2,3同士を溶接する手順を説明する。
まず、溶接の作業者はそれぞれの鉄筋2,3の端部を所定の隙間Gを介して互いに向かい合うように配置する。次に作業者は、この隙間Gを覆うように裏当て材10を鉄筋2,3に取り付ける。図2に示したように水平方向に延びる鉄筋2,3同士を溶接する際には、隙間Gの下方をU字の裏当て材10の底部11が覆うように、裏当て材10を配置する。図示せぬ取り付け冶具により裏当て材10を鉄筋2,3に支持してもよいし、作業者が皮手袋を嵌めた手で裏当て材10を支えてもよい。なお作業の迅速さから、作業者には、取り付け冶具を用いずに手で裏当て材10を支えることが好まれている。
作業者は、アーク溶接により鉄筋2,3同士を溶接する。作業者は、隙間Gを溶接棒21を溶かした溶接材22で埋めるように溶接する。鉄筋2,3と溶接棒21との間にアークを生じさせて溶接棒21と鉄筋2,3を溶融させ、溶接材22を鉄筋2,3の端部同士の隙間Gに流し込み、ビードを形成する。U字状の裏当て材10が隙間Gを覆っているため、溶接材22が落下することなく隙間Gに留まり、鉄筋2,3同士を確実に溶接することができる。
鉄筋2,3の端面の全体に溶接材22を付与して溶接が完了したら、裏当て材10を鉄筋2,3から取り外す。なお、隙間Gに面する裏当て材10の表面12が溶接時の熱により溶融し、この裏当て材10の表面12が溶接材22と接着している。このため、作業者がU字状の裏当て材10の両端部13(図1参照)をそれぞれ金づちなどで叩くなどすると、この接着した表面12を中心に裏当て材10が割れ、簡単に裏当て材10を鉄筋2,3から取り外すことができる。
以上のような溶接に用いられる裏当て材10は、SiOおよびAlを主成分として含むセラミクスである。裏当て材10の融点は1000℃〜1200℃程度とすることが好ましい。例えば、裏当て材10はコージライト(cordierite)と呼ばれるセラミクスで形成することができる。
作業者は、防護メガネ越しに鉄筋2,3同士の隙間Gに溶接材22が十分に流し込まれたかを確認しながら溶接を行う。鉄筋2,3同士の隙間Gから裏当て材10の表面12が見える場合は、まだ十分に溶接材22が隙間Gに流し込まれていないことを意味している。作業者は、鉄筋2,3同士の隙間から裏当て材10の表面12が見えなくなることをもって、溶接材22が十分に該隙間Gに流し込まれたと判断している。
ところで、鉄筋2,3同士の隙間Gは、溶接する鉄筋の太さにもよるが5〜10mm程度である。例えば呼び径が50mmの鉄筋を溶接する際には10mm程度の隙間Gを設ける。つまり、隙間Gは幅狭(10mm)でかつ深い(50mm)形状であり、さらに溶接棒21をこの隙間Gの近傍に配置すると、この隙間Gを通して隙間Gの底に位置する裏当て材10の表面12を見ようとすることは難しい。
このように裏当て材10の表面12はただでさえ見にくいのであるが、裏当て材10の色合いによってさらに見にくくなる。裏当て材10は様々なセラミクスで形成することができるため、様々な色合いの裏当て材10がある。しかしながら、暗い色合いの裏当て材10は鉄筋2,3と判別しにくい。
その上、防護メガネは、アークから目を保護するために高い遮光率を有している。このため、溶接前に防護メガネを装着せずに裸眼で確認する際には十分に鉄筋2,3の輪郭と裏当て材10の表面12とを区別できても、溶接時に防護メガネを装着すると、鉄筋2,3の輪郭と裏当て材10の表面12との識別が困難な場合がある。そこで本実施形態の裏当て材10は、ハンター白度を59以上としている。なお、ハンター白度とは、JIS P 8123に定められた測定方法により表した白さの指標である。
<実施例>
図3に示すように、ハンター白度を異ならせた実施例1〜14および比較例15〜18を作製し、それぞれのハンター白度と識別容易性とを評価した。実施例1〜実施例3は共通の組成Aを有するセラミクスで形成した。同様にして、共通の組成Bを有するセラミクスから実施例4〜6を作製し、共通の組成Cを有するセラミクスから実施例7〜9を作製し、共通の組成Dを有するセラミクスから実施例10〜12を作製し、組成Eを有するセラミクスから実施例13を作製し、組成Fを有するセラミクスから実施例14を作製し、組成Gを有するセラミクスから比較例15を作製し、組成Hを有するセラミクスから比較例16を作製し、組成Iを有するセラミクスから比較例17を作製し、組成Jを有するセラミクスから比較例18を作製した。
組成A〜Fを図4に示す。
組成Aは、図SiO:61.00wt%、Al:25.40wt%、Fe:1.50wt%、TiO:0.74wt%、CaO:2.15wt%、MgO:7.65wt%、NaO:0.13wt%、KO:1.24wt%である。
組成Bは、SiO:68.20wt%、Al:22.70wt%、Fe:1.11wt%、TiO:0.43wt%、CaO:0.50wt%、MgO:1.13wt%、NaO:1.22wt%、KO:4.24wt%である。
組成Cは、SiO:68.00wt%、Al:28.80wt%、Fe:0.50wt%、TiO:0.34wt%、CaO:0.18wt%、MgO:0.44wt%、NaO:0.45wt%、KO:0.89wt%である。
組成Dは、SiO:43.80wt%、Al:43.10wt%、Fe:0.74wt%、TiO:0.68wt%、CaO:0.83wt%、MgO:9.40wt%、NaO:0.23wt%、KO:1.14wt%である。
組成Eは、SiO:62.63wt%、Al:26.31wt%、Fe:0.40wt%、TiO:0.51wt%、CaO:0.38wt%、MgO:0.12wt%、NaO:1.30wt%、KO:2.43wt%である。
組成Fは、SiO:42.82wt%、Al:39.84wt%、Fe:0.70wt%、TiO:0.55wt%、CaO:14.22wt%、MgO:0.28wt%、NaO:0.47wt%、KO:0.54wt%である。
組成Gは、SiO:72.14wt%、Al:18.23wt%、Fe:1.02wt%、TiO:0.39wt%、CaO:0.54wt%、MgO:0.15wt%、NaO:2.06wt%、KO:4.35wt%である。
組成Hは、SiO:71.82wt%、Al:18.08wt%、Fe:1.32wt%、TiO:0.36wt%、CaO:0.57wt%、MgO:0.20wt%、NaO:4.27wt%、KO:18.08wt%である。
組成Iは、SiO:67.29wt%、Al:20.80wt%、Fe:5.32wt%、TiO:0.56wt%、CaO:0.38wt%、MgO:2.43wt%、NaO:0.36wt%、KO:2.25wt%である。
組成Jは、SiO:65.65wt%、Al:23.83wt%、Fe:1.69wt%、TiO:0.40wt%、CaO:0.36wt%、MgO:0.33wt%、NaO:1.63wt%、KO:3.26wt%である。
識別容易性は、熟練溶接工の官能検査により行った。鉄筋の輪郭と裏当て材の表面とが容易に識別が可能なものを1、識別が不可能ではないものを2、識別が困難なものを3と、三段階評価をした。図4に、実施例1〜14および比較例15〜18のハンター白度と識別容易性の評価結果を示す。
<実施例1〜3>
実施例1の裏当て材のハンター白度は、61.04であった。実施例1の裏当て材の識別容易性は、2であった。
実施例2の裏当て材のハンター白度は、59.71であった。実施例2の裏当て材の識別容易性は、2であった。
実施例3の裏当て材のハンター白度は、60.06であった。実施例3の裏当て材の識別容易性は、2であった。
<実施例4〜6>
実施例4の裏当て材のハンター白度は、74.18であった。実施例4の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例5の裏当て材のハンター白度は、71.41であった。実施例5の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例6の裏当て材のハンター白度は、71.11であった。実施例6の裏当て材の識別容易性は、1であった。
<実施例7〜9>
実施例7の裏当て材のハンター白度は、83.20であった。実施例7の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例8の裏当て材のハンター白度は、84.21であった。実施例8の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例9の裏当て材のハンター白度は、84.99であった。実施例9の裏当て材の識別容易性は、1であった。
<実施例10〜12>
実施例10の裏当て材のハンター白度は、88.72であった。実施例10の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例11の裏当て材のハンター白度は、87.23であった。実施例11の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例12の裏当て材のハンター白度は、89.49であった。実施例12の裏当て材の識別容易性は、1であった。
<実施例13,14>
実施例13の裏当て材のハンター白度は、78.33であった。実施例13の裏当て材の識別容易性は、1であった。
実施例14の裏当て材のハンター白度は、85.34であった。実施例14の裏当て材の識別容易性は、1であった。
<比較例15〜18>
比較例15の裏当て材のハンター白度は、43.0であった。比較例15の裏当て材の識別容易性は、3であった。
比較例16の裏当て材のハンター白度は、36.7であった。比較例16の裏当て材の識別容易性は、3であった。
比較例17の裏当て材のハンター白度は、29.75であった。比較例17の裏当て材の識別容易性は、3であった。
比較例18の裏当て材のハンター白度は、42.30であった。比較例18の裏当て材の識別容易性は、3であった。
以上の結果より、ハンター白度が59以上であれば、鉄筋の輪郭と裏当て材の表面とを判別できることが確認できた。また、ハンター白度が70以上であればさらに判別しやすい。なお、ハンター白度を59以上とするために、Feの含有量を1.50wt%以下とすることが好ましい。
図5は、ハンター白度とFeの含有量との関係をグラフに示したものである。
ハンター白度はセラミクス中のFeの含有量が高いと考えられた。なお、図5を作成するために、共通の組成Aを有する実施例1〜3についてハンター白度の平均値を算出し、共通の組成Bを有する実施例4〜6についてハンター白度の平均値を算出し、共通の組成Cを有する実施例7〜9についてハンター白度の平均値を算出し、共通の組成Dを有する実施例10〜12についてハンター白度の平均値を算出した。
図5に示すように、Feの含有量が高いほどハンター白度が低くなる傾向がみられた。そこで、ハンター白度を59以上とするために、Feの含有量は1.50[wt%]以下とすることが好ましい。より好ましくは、ハンター白度を70以上とするために、Feの含有量は1.00[wt%]以下とすることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
2,3 鉄筋
10 裏当て材
11 底部
12 表面
13 端部
21 溶接棒
22 溶接材
G 隙間

Claims (3)

  1. 一対の鉄筋の棒状の端部同士を溶接するときに用いられる鉄筋溶接用裏当て材であって、
    溶接時に、前記鉄筋を覆うような断面U字形状の前記鉄筋溶接用裏当て材は、その底部が一対の向かい合う前記鉄筋の前記端部同士の間に生じる隙間を覆うように用いられるものであり、
    前記隙間を通して前記底部を観察して前記隙間に溶接材が流し込まれたか否かを判別するために、SiOおよびAlを主成分として含むセラミクス材からなり、ハンター白度が59以上とされている、鉄筋溶接用裏当て材。
  2. 前記ハンター白度が70以上である、請求項1に記載の鉄筋溶接用裏当て材。
  3. Feの含有量が1.50wt%以下である、請求項1に記載の鉄筋溶接用裏当て材。
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