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JP6929441B2 - リアクトル - Google Patents
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Description

この発明は、リアクトルに関する。
近年、電力変換装置の小型化および高出力化に対する需要が高まっている。一般に、電力変換装置に含まれる半導体素子のスイッチング周波数を高周波化すると、電力変換装置に含まれているリアクトルが小型化できることが知られている。しかしながら、スイッチング周波数を高くすると、リアクトルのコアの発熱量が増加する上、リアクトルの小型化により放熱面積が減少するため、コアの放熱性が低下する。
また、従来のリアクトルのコアは、熱伝導率の低い樹脂ケースに覆われ、樹脂ケースの周囲には銅またはアルミのコイルが巻回されている。従って、リアクトルのコアからコイル外側の雰囲気までの熱抵抗が高く、放熱性が低いという課題があった。
所望の電気的特性を得るために、リアクトルには、コアで構成される磁路に空隙(以下、「コアギャップ」と称する)が設けられる。コアギャップから漏れる磁束が、巻回されたコイルに鎖交することでコイルの渦電流損が発生する。一般的に、コアギャップの長さが長くなると、渦電流損が増加することが知られている。コアギャップは、リアクトルの生産性向上のために、多くても3か所程度しか設けられないため、1か所あたりの長さが長くなり、コイルの渦電流損が増加するという課題があった。
特許文献1には、リアクトルを収納する放熱用ケースの内部に弾性樹脂または絶縁油などを充填することにより、リアクトルの放熱性を高めることについて述べられている。
特開2003−197444号公報
しかしながら、特許文献1のリアクトルでは、コアが熱伝導性の低い弾性樹脂で覆われているため、コアから放熱用ケースまでの熱抵抗が高く、コアの放熱性が低い。また、接着剤などを使用して分割コアを結合しているため、コアギャップの長さの精度が低く、コアギャップから漏れる磁束によるコイルの渦電流損が増加するという問題があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、コアの放熱性が高くコイルの渦電流損が小さいリアクトルの提供を目的とする。
本発明に係るリアクトルは、円環状コアを周方向に分割した形状である軟磁性材料の複数の分割コアと、複数の分割コアを組み合わせて形成される円環状コアにおいて、各分割コアの間に配置される非磁性材料のコアギャップ部材と、分割コアおよびコアギャップ部材を収納する、円環状の放熱用ケースと、放熱用ケースに巻回されるコイルと、を備える。そして、放熱用ケースは、熱伝導率が100W/(m・K)以上の材料で構成される。
本発明に係るリアクトルでは、分割コアで生じた熱を放熱用ケースから放熱することによって、分割コアの高い放熱性を得ることができる。また、分割コアの個数に応じてコアギャップが複数個所に分散して設けられるため、コアギャップから漏れる磁束がコイルに鎖交することで発生するコイルの渦電流損を小さくすることができる。本発明の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1に係るリアクトルの斜視図である。 実施の形態1に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態1に係るリアクトルの断面図である。 固定用部材の三面図である。 実施の形態2に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態2の変形例1に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態2の変形例2に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態3に係るリアクトルの斜視図である。 実施の形態3に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態3に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態4に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態4に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態5に係るリアクトルの断面図である。 実施の形態5に係るリアクトルの断面図である。 第1コアギャップ部材の三面図である。 第2コアギャップ部材の三面図である。 第1コアギャップ部材の三面図である。 第1コアギャップ部材の三面図である。 第1コアギャップ部材の三面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。異なる実施の形態において、同一の構成には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
図1から図3を参照し、実施の形態1に係るリアクトル1について説明する。図1は、リアクトル1の斜視図である。図1において、水平方向をx軸、垂直方向をy軸、奥行き方向をz軸とする。図2は、xz平面におけるリアクトル1の断面図であり、図3は、円環形状の放熱用ケース30,31の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル1の断面図である。
リアクトル1は、磁性体部品100と、磁性体部品100に巻回されたコイル90とを備えている。磁性体部品100は、複数の分割コア10と、非磁性材料のコアギャップ部材20と、放熱用ケース30,31と、固定用部材60,61とを備えている。
分割コア10は、一般的な円環状コアを周方向に分割した形状である。すなわち、複数の分割コア10を組み合わせることによって円環状コアが構成される。分割コア10は軟磁性材料により構成され、ダストコア、フェライトコア、アモルファスコアまたはナノ結晶コアである。ダストコアの場合、分割コア10の材料は、例えば、純鉄、Fe−Si合金、Fe−Si−Al合金、Ni−Fe合金、またはNi−Fe−Mo合金である。フェライトコアの場合、分割コア10の材料は、Mn−Zn系またはNi−Zn系である。分割コア10には、絶縁のために粉末樹脂が塗布されていても良い。
一般的に、ダストコアとフェライトコアは、粉状の材料をプレス機で成形した後、熱処理により形成される。このとき、プレスされる面にかかる圧力を一定にする必要があるため、コアが大型化すればするほど、プレス能力が高いプレス機を使用する必要がある。また、成形された材料は熱処理時に収縮するため、コアが大型化すると寸法の精度が低くなる。アモルファスコアとナノ結晶コアは、薄い帯状の材料を積み重ねた後、熱処理により形成される。これらもダストコアやフェライトコアと同様に、熱処理時に収縮するため、コアが大型化すると寸法の精度が低くなる。しかし、分割コア10は、円環状コアを分割した形状であり、円環状コアに比べて小さいため、製造が容易であり、製造時の寸法ばらつきを小さくすることができる。
コアギャップ部材20は、例えば樹脂または絶縁紙などの非磁性体により構成される。コアギャップ部材20を構成する樹脂として、例えば、ポリプロピレン(PP)、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、フッ素、フェノール、メラミン、ポリウレタン、エポキシまたはシリコンが用いられる。また、コアギャップ部材20を構成する絶縁紙として、例えばクラフトパルプ、アラミドまたはファイバーが用いられる。
コアギャップ部材20は、円筒部23と、円筒部23の外周面から放射状に突出した複数の薄板部24とが一体成形された構成である。コアギャップ部材20の円筒部23は、その外周面が、複数の分割コア10を組み合わせて形成される円環状コアの内周面と接するように配置される。複数の分割コア10は、コアギャップ部材20の複数の薄板部24によって仕切られた円筒部23の外側の空間に配置される。従って、コアギャップ部材20の薄板部24の厚みがコアギャップの長さとなる。
ダストコアの場合、比透磁率が26から150程度と小さいため、コアギャップの合計長が0.1から2mm程度となるようにコアギャップ部材20の薄板部24の厚みが定められる。フェライトコアの場合、比透磁率が1500から4000と高いため、コアギャップの合計長が0.1から20mm程度と長くなるようにコアギャップ部材20の薄板部24の厚みが定められる。分割コア10の数が多くコアギャップの数が多いほど、1つのコアギャップの長さが短くなるため、コアギャップから漏れる磁束がコイル90に鎖交することで発生するコイル90の渦電流損を低減することができる。
複数のコアギャップ部材を垂直方向に重ねることによりコアギャップ部材20が構成されても良い。また、製造を容易にするため、分割コア10と接触するコアギャップ部材20の一部または全ての面に接着剤を塗布し、コアギャップ部材20を分割コア10に固定しても良い。なお、コアギャップ部材20は円筒部23の代わりに円環部を備えていても良い。
放熱用ケース30,31は、一方端面が開放された円環形状である。放熱用ケース30,31は、互いに反対方向から分割コア10およびコアギャップ部材20を収納する。また、放熱用ケース30は、外周面から垂直に突出した凸部301を有しており、凸部301には固定穴70が形成される。同様に、放熱用ケース31も外周面から垂直に突出した凸部311を有しており、凸部311には固定穴70が形成される。図3に示すように、放熱用ケース30,31の固定穴70に固定用部材61が螺合することにより、放熱用ケース30,31は締結される。放熱用ケース30,31は、例えば銅、アルミ、金、銀、シリコンまたはニッケルなど、熱伝導率が100W/(m・K)以上と高い材料で構成される。
図2および図3には、2つの凸部311および2つの固定穴70が示されている。しかし、放熱用ケース30,31における固定穴70は、2つに限らず3つ以上であっても良い。また、固定穴70はタップ穴に限らずキリ穴でも良い。
また、図1には、放熱用ケース30,31が同一の形状で示されている。放熱用ケース30,31が同一形状であることで、低コスト化が図られる。しかし、放熱用ケース30,31は、分割コア10の一部または全ての面と接触する形状であれば、互いに異なる形状であっても良い。放熱用ケース30,31は、厚いほど熱拡散性に優れるが、製造の容易性を考慮して、1から5mm程度の厚みが好ましい。
放熱用ケース30と放熱用ケース31が直接接触しないように、両者の間には固定用部材60が配置される。固定用部材60は、例えば樹脂、絶縁紙または非導電性接着剤により構成される。固定用部材60を構成する樹脂は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、フッ素、フェノール、メラミン、ポリウレタン、エポキシまたはシリコンである。固定用部材60を構成する絶縁紙は、例えば、クラフトパルプ、アラミドまたはファイバーである。
図4は、固定用部材60の三面図である。固定用部材60は、放熱用ケース30,31の外周面と接触する環状部601と、環状部601から突出した2つの凸部602を備えている。凸部602は、放熱用ケース30,31の凸部301,311と接触する部分であり、固定穴70に対応して、固定用部材61が挿入される固定穴603を備えている。すなわち、固定用部材61が、放熱用ケース30の固定穴70と、固定用部材60の固定穴603と、放熱用ケース31の固定穴70に挿入されることにより、放熱用ケース30は固定用部材60を介して放熱用ケース31と固定される。
なお、図4に示した固定用部材60の形状は、固定用部材60が樹脂または絶縁紙で構成される場合の例である。固定用部材60が非導電性接着剤である場合、固定用部材60によって放熱用ケース30と放熱用ケース31が固定されるため、放熱用ケース30,31は固定穴70を備えなくても良い。
コイル90は電流が流れるため、電気抵抗率が低い銅またはアルミなどで構成される。隣り合うコイル90の短絡を防止するため、コイル90には絶縁被膜が付けられるか、あるいは絶縁紙が巻かれることが好ましい。絶縁被膜または絶縁紙の厚さは、隣り合うコイル90の短絡を防止する観点から、0.001から0.1mm程度が望ましい。
<A−2.製造方法>
次に、リアクトル1の製造方法について述べる。
まず、放熱用ケース31に分割コア10とコアギャップ部材20を収納する。この状態で、分割コア10とコアギャップ部材20は下部が放熱用ケース31に収納され、上部は放熱用ケース31から突出している。次に、放熱用ケース31の開放端面に固定用部材60を配置する。さらに、分割コア10とコアギャップ部材20の上部を放熱用ケース30で収納する。そして、放熱用ケース30,31の固定穴70に固定用部材61を締結し、磁性体部品100を形成する。最後に、磁性体部品100にコイル90を巻回し、リアクトル1を形成する。
<A−3.効果>
リアクトル1の分割コア10から発生する熱は、以下の2つの経路を辿って、リアクトル1の外部の雰囲気(以下、単に「雰囲気」と称する)に放熱される。
放熱経路1:分割コア10→放熱用ケース30,31→コイル90→雰囲気
放熱経路2:分割コア10→放熱用ケース30,31→雰囲気
放熱用ケース30,31は、上述したように熱伝導率が100W/(m・K)以上と高い材料で構成されるため、熱抵抗が小さい。従って、放熱経路2の熱抵抗は十分に小さい。また、コイル90の絶縁被膜またはコイル90に巻かれた絶縁紙は、0.001から0.1mm程度であるため、熱抵抗が小さい。さらに、コイル90自体は、銅またはアルミであり熱伝導率が100W/(m・K)以上と高いため、熱抵抗が小さい。従って、放熱経路1の熱抵抗も従来の構成と比較して十分に小さい。すなわち、いずれの放熱経路1,2も熱抵抗が小さいため、リアクトル1においては分割コア10の高い放熱性が得られる。
また、コアギャップ部材20の円筒部23の外周面が、複数の分割コア10を組み合わせて構成される円環状コアの内周面と接するように配置されることで、分割コア10は放熱用ケース30,31の外周側に押し込まれ、放熱用ケース30,31の外周面と接触する。分割コア10で発生した熱を、コイル90の発熱が集中する放熱用ケース30,31の内周面ではなく、コイル90の発熱が集中しない放熱用ケース30,31の外周面から放熱することにより、分割コア10の高い放熱性が得られる。
さらに、複数の分割コア10を組み合わせることによって大型の円環状コアが構成されるため、分割コア10の製造ばらつきによる特性分布を最小化することができる。これにより、大型の円環状コアで発生する局所的な発熱量増加などが防止され、円環状コアの発熱分布が一様になり、高い放熱性が得られる。
また、コアギャップの長さが、コアギャップ部材20の薄板部24の厚みにより高精度に調整可能であるため、コアギャップのばらつきに起因する電気的性能のばらつきが抑制される。
さらに、コアギャップが複数箇所に分散されているため、コアギャップから漏れる磁束がコイル90に鎖交することで発生するコイル90の渦電流損が低減される。
このように、実施の形態1に係るリアクトル1は、円環状コアを周方向に分割した形状である軟磁性材料の複数の分割コア10と、複数の分割コア10を組み合わせて形成される円環状コアにおいて、各分割コア10の間に配置される非磁性材料のコアギャップ部材20と、分割コア10およびコアギャップ部材20を収納する、円環状の放熱用ケース30,31と、放熱用ケース30,31に巻回されるコイル90と、を備える。そして、放熱用ケース30,31は、熱伝導率が100W/(m・K)以上の材料で構成される。以上の構成により、分割コア10で生じた熱を放熱用ケース30,31から放熱することが可能となり、分割コア10の放熱性を高めることができる。また、分割コア10の個数に応じてコアギャップが複数個所に分散して設けられるため、コアギャップから漏れる磁束がコイル90に鎖交することで発生するコイル90の渦電流損が低減される。また、分割コア10の高い放熱性とコイル90の渦電流損の低減とにより、リアクトル1を構成する部材の温度上昇が低減され、リアクトル1の大容量化、小型化、低コスト化が実現する。
<B.実施の形態2>
<B−1.構成>
実施の形態2に係るリアクトル2の構成について説明する。リアクトル2の斜視図は図1に示した通りであり、実施の形態1に係るリアクトル1と同様である。図5は、放熱用ケース30,31の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル2の断面図である。
リアクトル2は、分割コア10の上面と放熱用ケース30との間、さらに分割コア10の下面と放熱用ケース31との間に、第1放熱用部材80を備えている。第1放熱用部材80以外のリアクトル2の構成は、実施の形態1に係るリアクトル1の構成と同様である。このように、分割コア10と放熱用ケース30,31との間に第1放熱用部材80を設けることにより、分割コア10と放熱用ケース30,31とが直接接触している場合に比べて、両者間の接触熱抵抗が低減し、分割コア10の放熱性が高まる。また、第1放熱用部材80が分割コア10および放熱用ケース30,31の寸法ばらつきを吸収することにより、分割コア10と放熱用ケース30,31の第1放熱用部材80を介した接触面積が製品間でばらつくことが抑制される。
第1放熱用部材80は、樹脂またはゴムにより構成される。第1放熱用部材80を構成する樹脂は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であり、これらの材料に加えて熱伝導性フィラーが含有されても良い。第1放熱用部材80を構成するゴムは、例えばシリコンまたはウレタンである。第1放熱用部材80は、剛性を有してもよいし、可撓性を有してもよい。分割コア10および放熱用ケース30,31の寸法ばらつきを吸収するため、第1放熱用部材80の厚みは0.1から3mm程度が好ましい。
<B−2.変形例>
実施の形態2の変形例1に係るリアクトル2Aの構成について説明する。リアクトル2Aの斜視図は図1に示した通りであり、実施の形態1に係るリアクトル1と同様である。図6は、放熱用ケース30,31の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル2Aの断面図である。リアクトル2Aは、分割コア10と放熱用ケース30,31との間に、第1放熱用部材81を備えている。第1放熱用部材81は、分割コア10の上面と放熱用ケース30との間、および分割コア10の下面と放熱用ケース31との間に加えて、分割コア10の外周面と放熱用ケース30,31との間にも形成される。第1放熱用部材81には、上記した第1放熱用部材80の材料に加えて、流動性のあるエポキシ等の樹脂材料を用いることが可能である。
リアクトル2Aにおいて第1放熱用部材81が分割コア10を覆う面は、リアクトル2において第1放熱用部材80が分割コア10を覆う面よりも多い。従って、リアクトル2Aによればリアクトル2よりも分割コア10と放熱用ケース30,31との間の接触熱抵抗が低減される。
また、第1放熱用部材81によって放熱用ケース30,31が固定されるため、放熱用ケース30,31に固定穴70は不要である。放熱用ケース30,31の外周面に固定穴70を設けるための凸部301,311を形成する必要がないため、放熱用ケース30,31の構成を簡略化することができる。また、固定用部材61を放熱用ケース30,31に締結する製造工程を省略することができる。
実施の形態2の変形例2に係るリアクトル2Bの構成について説明する。図7は、放熱用ケース30,31の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル2Bの断面図である。リアクトル2Bは、リアクトル2Aを形成した後、放熱用ケース30,31の周囲を第2放熱用部材82で覆うことにより得られる。第2放熱用部材82は、流動性のあるエポキシ等の樹脂材料、若しくはシリコンまたはウレタン等のゴム材料で構成される。これにより、隣り合うコイル90の間、またはコイル90と放熱用ケース30,31との間に第2放熱用部材82が充填される。従って、リアクトル2Bによればリアクトル2Aよりも分割コア10の放熱性を高めることができる。
<B−3.効果>
実施の形態2に係るリアクトル2、または実施の形態2の変形例1にかかるリアクトル2Aは、分割コア10と放熱用ケース30,31との間に設けられる第1放熱用部材80または第1放熱用部材81を備える。従って、分割コア10と放熱用ケース30,31との接触熱抵抗が小さくなり、分割コア10の放熱性が高まる。また、第1放熱用部材80,81が分割コア10と放熱用ケース30,31の寸法ばらつきを吸収するため、分割コア10と放熱用ケース30,31の第1放熱用部材80,81を介した接触面積のばらつきが抑制される。
実施の形態2の変形例2にかかるリアクトル2Aは、隣り合うコイル90の間、およびコイル90と放熱用ケース30,31との間に設けられる第2放熱用部材82を備える。従って、高い放熱性が得られる。
<C.実施の形態3>
<C−1.構成>
図8から図10を参照し、実施の形態3に係るリアクトル3について説明する。図8は、リアクトル3の斜視図である。図8において、水平方向をx軸、垂直方向をy軸、奥行き方向をz軸とする。図9は、xz平面におけるリアクトル3の断面図であり、図10は、円環形状の放熱用ケース33の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル3の断面図である。
リアクトル3は、リアクトル1の放熱用ケース30,31に代えて放熱用ケース33を備えており、分割コア10の上面に第3放熱用部材83を備えている。放熱用ケース33と第3放熱用部材83以外のリアクトル3の構成は、実施の形態1に係るリアクトル1と同様である。
放熱用ケース33は、一つの端面が開放端面となった円環形状であり、分割コア10およびコアギャップ部材20を収納する。放熱用ケース33は、外周面の端部のうち開放端面に接する端部に切り欠き部50を有する。また、放熱用ケース33は、内周面の端部のうち開放端面に接する端部に切り欠き部51を有する。コイル90は、切り欠き部50,51に沿って放熱用ケース33に巻き回される。切り欠き部50,51がコイル90のガイドとなることで、手作業によるコイル90の巻き回しが容易になる他、巻き回し回数の間違いが防止される。従って、リアクトル3の製造コストが低減する。
図9に示すように、放熱用ケース33の外周面の切り欠き部50は、切り欠き部50に沿って巻き回されるコイル90がコアギャップと重ならないように、コアギャップ部材20の薄板部24から離れて配置される。これにより、コアギャップから漏れる磁束がコイル90に鎖交して発生する渦電流損が低減される。
放熱用ケース33には、例えば、銅、アルミ、金、銀、またはシリコンなど、熱伝導率が100W/(m・K)以上と高い材料が用いられる。放熱用ケース33は、厚いほど熱拡散性に優れるが、製造の容易性を考慮して、1から5mm程度の厚みが好ましい。
第3放熱用部材83は、円環形状の板状またはブロックである。第3放熱用部材83には、例えば、銅、アルミ、金、銀、シリコンまたはニッケルなど、熱伝導率が100W/(m・K)以上と高い材料が用いられる。第3放熱用部材83は、厚いほど熱拡散性に優れるが、製造の容易性を考慮して、1から5mm程度の厚みが好ましい。第3放熱用部材83は、放熱用ケース33と接触してもよい。但し、放熱用ケース33の幅w1より、第3放熱用部材83の幅w2を小さくし、第3放熱用部材83が放熱用ケース33の外周面の切り欠き部50と内周面の切り欠き部51に同時に接触しない構造とする。これにより、放熱用ケース33と第3放熱用部材83が分割コア10の断面に対して1ターン巻線とならないようにする。
<C−2.効果>
実施の形態3のリアクトル3において、放熱用ケース33の一つの端面は開放端面であり、放熱用ケース33は、開放端面に接する内周面と外周面との端部に、それぞれ切り欠き部50,51を有し、コイル90は切り欠き部50,51に沿って巻き回される。従って、切り欠き部50,51をガイドとして、手作業によるコイル90の巻き回しを容易に行うことができる。また、巻き回し回数の間違いが防止される。これにより、リアクトル3の製造コストが低減する。
<D.実施の形態4>
<D−1.構成>
図11および図12を参照し、実施の形態4に係るリアクトル4について説明する。図11は、xz平面におけるリアクトル4の断面図であり、図12は、円環形状の放熱用ケース34の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル4の断面図である。
リアクトル4は、リアクトル3の放熱用ケース33に代えて放熱用ケース34を備える。放熱用ケース34以外のリアクトル4の構成は、実施の形態3に係るリアクトル3と同様である。
放熱用ケース34の一つの端面は、開放された開放端面である。放熱用ケース34の外周面の端部のうち開放端面に接する端部には、当該端部から放熱用ケース34の外方へ突出する凸部341が設けられている。凸部341は、例えば、実施の形態3に係る放熱用ケース33の外周面における2つの切り欠き部50に挟まれた部分をL字に折り曲げることによって形成される。放熱用ケース34の凸部341以外の構成は、実施の形態3に係る放熱用ケース33と同様である。凸部341には固定穴72が設けられており、固定穴72に挿入した固定用部材62を用いて放熱用ケース34は冷却器200に固定される。
冷却器200は、放熱用ケース34の開放端面を覆った状態で放熱用ケース34に固定される。従って、分割コア10で発生した熱は、放熱用ケース34を介して冷却器200へ放熱される。また、コイル90で発生した熱は、第3放熱用部材83を介して冷却器200へ放熱される。冷却器200から雰囲気までの熱抵抗は非常に小さいため、冷却器200の表面積を放熱用ケース34の表面積より大きくすることにより、分割コア10とコイル90の放熱性が高まる。
冷却器200には、例えば、銅、アルミ、金、銀、シリコンまたはニッケルなど、熱伝導率が100W/(m・K)以上と高い材料が用いられる。冷却器200の冷却方式は、自然空冷、強制空冷または液冷などいかなる方式であっても良い。
分割コア10またはコイル90と冷却器200との間に絶縁耐圧が必要で、分割コア10またはコイル90の絶縁皮膜によっては十分な絶縁耐圧を確保できない場合、分割コア10またはコイル90と冷却器200との間に絶縁材料として樹脂または絶縁紙を設けても良い。この場合、樹脂は、例えばポリプロピレン(PP)、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、フッ素、フェノール、メラミン、ポリウレタン、エポキシまたはシリコン、若しくは熱伝導性フィラーを含有する、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。また、絶縁紙として、例えばクラフトパルプ、アラミドまたはファイバーを用いることができる。
上記の絶縁材料を設ける場合、分割コア10と冷却器200との間の熱抵抗は増加する。しかし、冷却器200と雰囲気との間の熱抵抗は低いため、分割コア10とコイル90の放熱性に問題はない。また、分割コア10またはコイル90と冷却器200との間で十分な絶縁耐圧を確保することができる。
<D−2.効果>
実施の形態4に係るリアクトル4において、放熱用ケース34の一つの端面は、開放された開放端面であり、放熱用ケース34は、外周面の開放端面に接する端部から突出する凸部341を有し、凸部341は、放熱用ケース34の開放端面上に配置される冷却器200に固定される。これにより、分割コア10またはコイル90で発生した熱を冷却器200に放熱することができるため、分割コア10とコイル90の放熱性が向上する。
<E.実施の形態5>
実施の形態1から4において、コアギャップ部材20を、円筒部23と複数の薄板部24が一体成形された構成として示した。これに対して実施の形態5では、コアギャップ部材20を個別に成形された複数の部材の組み合わせで構成する。以下の説明では、実施の形態1のコアギャップ部材20を個別に成形された複数の部材の組み合わせで構成した例として、実施の形態5に係るリアクトル5を説明する。しかし、本実施の形態は、実施の形態2から実施の形態4に対しても適用可能である。
<E−1.構成>
図13から図16を参照し、実施の形態5に係るリアクトル5について説明する。リアクトル5の斜視図は図1に示した通りであり、実施の形態1に係るリアクトル1と同様である。図13は、xz平面におけるリアクトル5の断面図であり、図14は、円環形状の放熱用ケース31の環の中心を通るyz平面におけるリアクトル5の断面図である。図15は第1コアギャップ部材21の三面図であり、図16は第2コアギャップ部材22の三面図である。
リアクトル5のコアギャップ部材20は、円筒状の第1コアギャップ部材21と、薄板状の複数の第2コアギャップ部材22とを組み合わせて構成される。コアギャップ部材20以外のリアクトル5の構成は、実施の形態1に係るリアクトル1の構成と同様である。
図15に示すように、円筒状の第1コアギャップ部材21は、第2コアギャップ部材22の個数に対応した8つの切り欠き部52を有している。一方、図16に示すように、薄板状の第2コアギャップ部材22は、第1コアギャップ部材21の切り欠き部52に対応する切り欠き部53を有している。第2コアギャップ部材22の切り欠き部53が第1コアギャップ部材21の切り欠き部52に適合するように、第2コアギャップ部材22を第1コアギャップ部材21の切り欠き部52に挿入することにより、両者が組み合わされてコアギャップ部材20が形成される。
第1コアギャップ部材21および第2コアギャップ部材22は、樹脂または絶縁紙などの非磁性体により構成される。第1コアギャップ部材21および第2コアギャップ部材22を構成する樹脂は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、フッ素、フェノール、メラミン、ポリウレタン、エポキシまたはシリコンである。第1コアギャップ部材21および第2コアギャップ部材22を構成する絶縁紙は、例えば、クラフトパルプ、アラミドまたはファイバーである。
図15では、8つの切り欠き部52を示しているが、その数は第2コアギャップ部材22の個数に対応している。第2コアギャップ部材22の数が変われば、それに応じて切り欠き部52の数も変わる。また、本実施の形態では、第1コアギャップ部材21を円筒状とし、第2コアギャップ部材22を薄板状とした。この例によれば、第1コアギャップ部材21および第2コアギャップ部材22の形状が簡単であるため、製造コストを低減することができる。しかし、第1コアギャップ部材21および第2コアギャップ部材22の形状はこれらに限らない。
<E−2.効果>
実施の形態5に係るリアクトルにおいて、コアギャップ部材20は、複数の切り欠き部52を有する第1コアギャップ部材21と、第1コアギャップ部材21の複数の切り欠き部52に挿入される複数の第2コアギャップ部材22とを備える。このように、複数の部材の組み合わせによってコアギャップ部材20を構成することにより、コアギャップ部材20を容易に製造することが可能となる。
<F.実施の形態6>
実施の形態5において、コアギャップ部材20を、円筒状の第1コアギャップ部材21と薄板状の第2コアギャップ部材22との組み合わせで構成することについて説明した。実施の形態6では、第1コアギャップ部材21の様々な変形例について説明する。なお、本実施の形態は、実施の形態2から実施の形態4に対しても適用可能である。
<F−1.構成>
図17は、第1コアギャップ部材25の三面図である。第1コアギャップ部材25は、円筒部の外周面に突起物26を有する他は、第1コアギャップ部材21と同様である。
第1コアギャップ部材25による効果は以下の通りである。リアクトルの製造工程において、放熱用ケース31に第1コアギャップ部材25が挿入された後、放熱用ケース31に分割コア10が挿入される。このとき、分割コア10は第1コアギャップ部材25の突起物26に当接して放熱用ケース31の外周部に押し出される。そのため、分割コア10は放熱用ケース31の外周面に確実に接触し、実施の形態1で説明した分割コア10の放熱性がより高まる。
図18は、第1コアギャップ部材27の三面図である。第1コアギャップ部材27は、円筒軸方向に対してテーパ形状である他は、第1コアギャップ部材21と同様である。
第1コアギャップ部材27による効果は以下の通りである。リアクトルの製造工程において、放熱用ケース31に第1コアギャップ部材27が挿入された後、放熱用ケース31に分割コア10が挿入される。このとき、分割コア10は第1コアギャップ部材27に当接する。第1コアギャップ部材27は円筒軸方向に対してテーパ形状であるため、分割コア10は放熱用ケース31の外周部に押し出され、放熱用ケース31の外周面に確実に接触する。そのため、実施の形態1で説明した分割コア10の放熱性がより高まる。
図19は、第1コアギャップ部材28の三面図である。第1コアギャップ部材28は円筒状に巻き回された薄板であり、その厚み方向に、第2コアギャップ部材22の個数に対応した8つの切り欠き部54を有している。切り欠き部54は、第2コアギャップ部材22が挿入されるものであり、第1コアギャップ部材21における切り欠き部52と同様の機能を有する。
第1コアギャップ部材28による効果は以下の通りである。リアクトルの製造工程において、第1コアギャップ部材28が円筒状に巻き回されて放熱用ケース31に挿入される。その後、放熱用ケース31に分割コア10が挿入される。このとき、第1コアギャップ部材28は、薄板状に戻ろうとする応力により放熱用ケース31の外周に向かって広がる。この応力によって、分割コア10は放熱用ケース31の外周部に押し出され、放熱用ケース31の外周面に確実に接触する。そのため、実施の形態1で説明した分割コア10の放熱性がより高まる。
<F−2.効果>
第1コアギャップ部材25は、円筒状であり、外周面に突起物26を有する。第1コアギャップ部材25がリアクトルに用いられる場合、放熱用ケース31に挿入された分割コア10は第1コアギャップ部材25の突起物26に当接して放熱用ケース31の外周部に押し出される。そのため、分割コア10は放熱用ケース31の外周面に確実に接触し、放熱性が高まる。
第1コアギャップ部材27は円筒状であり、第コアギャップ部材27の外周面が円筒軸方向に対してテーパ形状を有する。第1コアギャップ部材27がリアクトルに用いられる場合、放熱用ケース31に挿入された分割コア10は第1コアギャップ部材27の外周面に沿って放熱用ケース31の外周部に押し出され、放熱用ケース31の外周面に確実に接触する。これにより、分割コア10の放熱性が高まる。

第1コアギャップ部材28は、円筒状に巻き回された薄板である。第1コアギャップ部材28は、リアクトルに用いられる場合、円筒状に巻き回されて放熱用ケース31に挿入される。そのため、放熱用ケース31に挿入された分割コア10は、第1コアギャップ部材28が薄板状に戻ろうとする応力によって放熱用ケース31の外周部に押し出され、放熱用ケース31の外周面に確実に接触する。これにより、分割コア10の放熱性が高まる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形または省略したりすることが可能である。この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1,2,2A,2B,3,4,5 リアクトル、10 分割コア、20 コアギャップ部材、21,25,27,28 第1コアギャップ部材、22 第2コアギャップ部材、23 円筒部、24 薄板部、26 突起物、30,31,33,34 放熱用ケース、50,51,52,53,54 切り欠き部、60,61,62 固定用部材、70,72,603 固定穴、80,81 第1放熱用部材、82 第2放熱用部材、83 第3放熱用部材、90 コイル、100 磁性体部品、200 冷却器、301,311,341,602 凸部、601 環状部。

Claims (10)

  1. 円環状コアを周方向に分割した形状である軟磁性材料の複数の分割コアと、
    複数の前記分割コアを組み合わせて形成される前記円環状コアにおいて、各前記分割コアの間に配置される非磁性材料のコアギャップ部材と、
    前記分割コアおよび前記コアギャップ部材を収納する、円環状の放熱用ケースと、
    前記放熱用ケースに巻回されるコイルと、を備え、
    前記放熱用ケースは、熱伝導率が100W/(m・K)以上の材料で構成される、
    リアクトル。
  2. 前記分割コアと前記放熱用ケースとの間に設けられる第1放熱用部材をさらに備える、
    請求項1に記載のリアクトル。
  3. 隣り合う前記コイルの間、および前記コイルと前記放熱用ケースとの間に設けられる第2放熱用部材をさらに備える、
    請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記放熱用ケースの一つの端面は開放端面であり、
    前記放熱用ケースは、前記開放端面に接する内周面と外周面との端部に、それぞれ切り欠き部を有し、
    前記コイルは前記切り欠き部に沿って巻き回される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記放熱用ケースの一つの端面は開放端面であり、
    前記放熱用ケースは、外周面の前記開放端面に接する端部から突出する凸部を有し、
    前記凸部は、前記放熱用ケースの前記開放端面上に配置される冷却器に固定される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記コアギャップ部材は、
    複数の切り欠き部を有する第1コアギャップ部材と、
    前記第1コアギャップ部材の複数の前記切り欠き部に挿入される複数の第2コアギャップ部材とを備える、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記第1コアギャップ部材は、円筒状であり、外周面に突起物を有する、
    請求項6に記載のリアクトル。
  8. 前記第1コアギャップ部材は円筒状であり、
    前記第1コアギャップ部材の外周面が円筒軸方向に対してテーパ形状を有する、
    請求項6に記載のリアクトル。
  9. 前記第1コアギャップ部材は、円筒状に巻き回された薄板である、
    請求項6に記載のリアクトル。
  10. 前記放熱用ケースの前記切り欠き部は、前記切り欠き部に沿って巻き回されるコイルが前記コアギャップ部材と重ならないように、前記コアギャップ部材から離れて配置される、
    請求項4に記載のリアクトル。
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