まず、本発明の主な作用について説明する。
ここで、一実施の形態である露光装置は、光制御部(デジタルマイクロミラーデバイス)が、光を変調する複数の制御素子(ミラーエレメント)がマトリクス状に配列したパターン形成部を有し、パターン情報に応じて制御素子で光を変調することによって、個々の制御素子で光を変調させ、パターン形成部で所望のパターンを形成することができる。
また、レジストが感光しないフォーカス用光を出力するフォーカス用光源と、パターン情報に応じて制御素子で光を変調する光制御部とによって、フォーカス用明暗パターンを形成することが可能となる。
また、レジストが感光する露光用光を出力する露光用光源と、パターン情報に応じて制御素子で光を変調する光制御部とによって、露光に用いる露光用パターンを形成することが可能となる。
また、パターン形成部の一部に、フォーカス用光のみを受光する領域を含むことによって、パターン形成部に、フォーカス用光のみを反射又は透過させる固有の領域を設けることができる。即ち、光制御部で露光用パターンとフォーカス用明暗パターンの両方を形成可能となる。
また、光制御部が、パターン形成部の一部にフォーカス用光のみを受光する領域を含み、フォーカス用光及び露光用光を基板に向けて投射することによって、基板を露光用パターンの光で露光すると同時に、フォーカス用明暗パターンの光が基板の表面で反射した反射光を得ることができる。
即ち、パターン形成部が、露光用光及びフォーカス用光を投射する領域と、フォーカス用光のみを投射する領域とに分かれ、それぞれの領域からの光が基板に投射されるものとなる。このことにより、露光用パターンを変更して、基板上で露光領域を移動させながら露光動作を行うスキャン露光の露光作業中に、フォーカス用明暗パターンに対応した反射光を得ることが可能となる。
なお、露光用パターンの光とは、光制御部に投射された露光用光が、制御素子によって変調された光であり、基板を露光するための露光用パターンを構成する光である。また、フォーカス用明暗パターンの光とは、光制御部に投射されたフォーカス用光が、制御素子によって変調された光であり、露光用光の基板における合焦位置を決定する際に用いる画像情報を得るためのフォーカス用明暗パターンを構成する光である。
また、検出光生成部(ガラス板)が、フォーカス用光のみを受光するパターン形成部の一部から基板に投射され、基板で反射した反射光から、光路長が互いに異なる複数の検出光を生成することによって、露光用光の基板の表面の焦点位置と、焦点位置が異なる画像情報を取得するための検出光を得ることができる。
また、検出部が、検出光生成部で生成された検出光を検出することによって、検出光に基づく画像情報を取得することができる。
例えば、ここでいう画像情報には、基板の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも前側の焦点前側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンのオフセット画像情報が含まれている。また、ここでいう画像情報には、基板の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも後側の焦点後側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンのオフセット画像情報が含まれている。
このように、検出光に基づく画像情報として、露光用光の基板の表面の焦点位置と、焦点位置が異なるオフセット画像情報を取得することで、オフセット画像情報から得られるコントラストに基づき、基板に照射される露光用光の合焦位置を決定することができる。この合焦位置と、露光用光の焦点位置とを一致させるように、光制御部と基板との距離を調整して、露光用光のフォーカス補正を行うことができる。
また、露光用光及びフォーカス用光を基板に向けて投射する光制御部と、フォーカス用光のみを受光するパターン形成部の一部から基板に投射され、基板で反射した反射光から、光路長が互いに異なる複数の検出光を生成する検出光生成部と、検出光生成部で生成された検出光を検出する検出部とによって、露光用光のフォーカス補正を露光作業と同時に実施することが可能となる。
この結果、露光用パターンを変更して、基板上で露光領域を移動させながら露光動作を行うスキャン露光の露光作業中に、露光用光のフォーカス補正を行うことが可能となる。
また、一実施の形態である露光方法は、光制御部(デジタルマイクロミラーデバイス)から露光用光を基板に向けて投射して露光しながら、フォーカス用光のみを受光する領域から基板に向けてフォーカス用光を投射することによって、基板を露光用パターンの光で露光すると同時に、フォーカス用明暗パターンの光が基板の表面で反射した反射光を得ることができる。
即ち、パターン形成部が、露光用光及びフォーカス用光を投射する領域と、フォーカス用光のみを投射する領域とに分かれ、それぞれの領域からの光が基板に投射されるものとなる。このことにより、露光用パターンを変更して、基板上で露光領域を移動させながら露光動作を行うスキャン露光の露光作業中に、フォーカス用明暗パターンに対応した反射光を得ることが可能となる。
また、フォーカス用光のみを受光する領域から基板に向けてフォーカス用光を投射して、基板で反射したフォーカス用光の反射光を、光路長が互いに異なる複数の光に変換することによって、露光用光の基板の表面の焦点位置と、焦点位置が異なる画像情報を取得するための光を得ることができる。
また、光制御部から露光用光を基板に向けて投射して露光しながら、光路長が互いに異なる複数の光の情報に基づき露光用光のフォーカス補正を行うことによって、露光用光のフォーカス補正を露光作業と同時に実施することが可能となる。
この結果、露光用パターンを変更して、基板上で露光領域を移動させながら露光動作を行うスキャン露光の露光作業中に、露光用光のフォーカス補正を行うことが可能となる。
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一又は関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、複数の類似の部材(部位)が存在する場合には、総称の符号に記号を追加し個別又は特定の部位を示す場合がある。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一又は同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
また、断面図および平面図において、各部位の大きさは実デバイスと対応するものではなく、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく図示する場合がある。また、断面図と平面図が対応する場合においても、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく図示する場合がある。
(実施の形態1)
≪露光装置の全体構成≫
本実施の形態1による露光装置の全体構成について図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施の形態1による露光装置の一例である露光装置Aは、照明光学系1と、縮小投影光学系2と、撮像光学系3とを備えている。
また、照明光学系1は、基板4に向けて露光用パターン及びフォーカス用明暗パターン(コントラスト検出用パターン)を投射する光学系である。また、縮小投影光学系2は、照明光学系1から投射された光を倍率補正して縮小投影する光学系である。
また、撮像光学系3は、フォーカス用明暗パターンを投射された基板4からの反射光から、光路長の異なる検出光を生成して、この検出光から焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報(コントラスト検出パターン画像情報)を取得するための光学系である。
≪照明光学系≫
本実施の形態1による露光装置の照明光学系について図1、図2及び図4を用いて説明する。
図1に示すように、照明光学系1は、露光用光源10、フォーカス用光源11、コリメータレンズ12、コリメータレンズ13、ミラー14、ダイクロイックミラー15及びミラー16を有している。また、照明光学系1は、フィルタ17及びデジタルマイクロミラーデバイス(以下、「DMD」と称する)18を有している。
また、露光用光源10は、基板4の表面のレジストを感光する青色光や紫外光等の短波長の光を出力する光源である。露光用光源10は、例えば、レーザ、LED(Light Emitting Diode)又はランプ等により構成される。即ち、ここでいう短波長の光が、本願請求項における露光用光に該当する。
また、フォーカス用光源11は、基板4の表面のレジストが感光しない長波長の光を出力する光源である。フォーカス用光源11は、例えば、赤色発光ダイオード等により構成される。即ち、ここでいう長波長の光が、本願請求項におけるフォーカス用光に該当する。
また、コリメータレンズ12は、露光用光源10の出力光を平行光に整形するレンズである。ミラー14、ダイクロイックミラー15及びミラー16は、コリメータレンズ12の透過光を反射して、DMD18に導く反射部材である。
また、コリメータレンズ13は、フォーカス用光源11の出力光を平行光に整形するレンズである。ダイクロイックミラー15は、コリメータレンズ13の透過光を透過し、ミラー16に導く透過・反射部材である。ミラー16は、コリメータレンズ13及びダイクロイックミラー15の透過光を反射して、DMD18に導く反射部材である。
また、フィルタ17は、入射する長波長の光及び短波長の光のうち、短波長の光の一部を遮光して、DMD18に入射させる部材である。図1に示すように、フィルタ17は、DMD18から少し離れた位置に配置されている。
図2(a)に示すように、フィルタ17は、図2(a)で見る左右の端部のそれぞれに、長波長の光のみが透過可能な(短波長の光を遮光する)領域である露光用光カット領域170及び露光用光カット領域171を有している。
また、図2(a)に示すように、フィルタ17における露光用光カット領域170と露光用光カット領域171とに挟まれた領域が、長波長の光及び短波長の光が透過する光透過領域172となっている。
即ち、フィルタ17に入射した光のうち、露光用光カット領域170及び露光用光カット領域171に入射した短波長の光が遮光され、DMD18には長波長の光のみが入射する領域が形成される。
このようなフィルタ17を透過した光が、DMD18に入射して、図2(b)に示すように、DMD18のパターン形成部180が、2つのフォーカス用パターンエリア181及びフォーカス用パターンエリア182と、露光用パターンエリア183とに分割される。なお、ここでいうDMD18が、本願請求項における光制御部に該当する。但し、光制御部はデジタルマイクロミラーデバイス18に限定されない。
パターン形成部180において、フォーカス用パターンエリア181は、フィルタ17の露光用光カット領域170を透過した長波長の光が入射する領域である。また、フォーカス用パターンエリア182は、フィルタ17の露光用光カット領域171を透過した長波長の光が入射する領域である。
また、パターン形成部180は、フォーカス用パターンエリア181とフォーカス用パターンエリア182とで挟まれた領域に、長波長の光及び短波長の光が入射して、露光用パターンエリア183が形成される。
また、図1に示すように、フィルタ17がDMD18から少し離れた位置に配置されていることから、DMD18のパターン形成部180には、長波長の光のみが入射する領域と、長波長の光及び短波長の光が入射する領域とが混在する遷移領域184が形成される。
また、図2(b)に示すように、パターン形成部180の外周には、DMD18の枠部での光の反射を防止するマスク185が形成されている。
また、図2(b)における左右方向は、図1に示す基板4に対するスキャン方向と平行な方向となっている。即ち、フォーカス用パターンエリア181及びフォーカス用パターンエリア182は、パターン形成部180におけるスキャン方向の一方の端部及び他方の端部のそれぞれに形成されている。
なお、スキャン露光方式での基板4に対するスキャン方向は、基板4と、照明光学系1及び縮小投影光学系2とを相対的に移動させる移動の方向を変えることで、進行方向(次のタイミングのパターン情報に向かう方向)を変えることができる。
即ち、基板4に対するスキャン方向は、一方方向のみを進行方向とする場合と、一方方向及びその反対方向の双方向を進行方向とする場合とが含まれる。
従って、フォーカス用パターンエリア181が、スキャン方向における進行方向側の端部(前方側の端部)に該当し、フォーカス用パターンエリア182がスキャン方向における進行方向と反対側の端部(後方側の端部)に該当する。
また、スキャン方向の進行方向が変わる場合には、フォーカス用パターンエリア182が、スキャン方向における進行方向側の端部(前方側の端部)に該当し、フォーカス用パターンエリア181がスキャン方向における進行方向と反対側の端部(後方側の端部)に該当する。
また、DMD18は、フィルタ17を通過した短波長の光が露光用パターンエリア183に投射され、所望の露光用パターンを形成する空間光変調手段である。また、DMD18は、フィルタ17を通過した長波長の光がフォーカス用パターンエリア181及びフォーカス用パターンエリア182に投射され、所望のフォーカス用明暗パターンを形成する空間光変調手段である。
従って、DMD18には、露光用光及びフォーカス用光が投射され、これらの光を同時に、所望のパターンに変調させることができる。
また、DMD18は、半導体素子上に微細なミラーエレメントをマトリクス状に配列して、1枚のパネルを形成している。即ち、この1枚のパネルがパターン形成部180となる。なお、ここでいうミラーエレメントが、本願請求項における制御素子に該当する。但し、制御素子はミラーエレメントに限定されない。
また、DMD18を構成する各ミラーエレメントは、独立して傾斜角度を変えることができ、露光用光源10及びフォーカス用光源11からの光の投射に対して、そのON/OFFを制御できるようになっている。
また、図4に示すように、DMD18にはコントローラ54が電気的に接続されており、所定位置のミラーエレメントから光を反射することができる。これにより、図1に示すように、DMD18は、所望の露光用パターン及びフォーカス用明暗パターンを形成して、基板4に向けて投射することが可能となる。
DMD18が形成する露光用パターンとは、基板4の表面のレジストを感光させ、所望の電気回路パターンを形成するものである。また、露光装置Aはスキャン露光を行う装置であり、露光用パターンは、基板4の表面における露光領域の変化に伴い、そのパターンの内容が変化する。
また、DMD18が形成するフォーカス用明暗パターンはストライプパターンとして形成される。このストライプパターンの光に基づき、撮像光学系3において、露光用光の合焦位置を決定するための2つのオフセット画像情報が取得される。
ここで、必ずしも、露光用光源10とフォーカス用光源11とを別途に設ける必要はない。例えば、露光用光源及びフォーカス用光源の両方を組み入れて、露光用光及びフォーカス用光を同時に照射可能な光源を採用することができる。
また、必ずしも、光制御部としてDMD18が採用される必要はなく、例えば、液晶パネル、発光ダイオードアレイ又は磁気光学効果等を用いることも可能である。
また、必ずしも、図2(b)に示すDMD18のパターン形成部180のように、スキャン方向の両端にフォーカス用パターンエリア181及びフォーカス用パターンエリア182がそれぞれ形成され、これらに挟まれた領域に露光用パターンエリア183が形成される必要はない。
但し、DMD18のパターン形成部180では、内側の領域は光学系の収差が小さく、外側の領域は光学系の収差が大きくなる構造となっている。そのため、光学系の収差が小さいパターン形成部180の内側の領域を露光用パターンエリアとして利用することで、露光の精度を向上させることができる。
従って、DMD18のパターン形成部180で、スキャン方向の両端にフォーカス用パターンエリアがそれぞれ形成され、これらに挟まれた領域に露光用パターンエリアが形成されることが好ましい。
なお、ここでいうパターン形成部180のスキャン方向の両端とは、本願請求項における「次のタイミングのパターン情報に向かう方向におけるパターン形成部の前方の端部側及び後方の端部側」に該当する。
また、必ずしも、DMD18のパターン形成部180のスキャン方向の進行方向側の端部にフォーカス用パターンエリア181が形成される必要はない。例えば、スキャン方向の進行方向と反対側の端部のみにフォーカス用パターンエリアが形成される構成であってもよい。
但し、DMD18のパターン形成部180のスキャン方向の進行方向側の端部にフォーカス用パターンエリアを形成することで、露光用パターンエリアからの光で基板4に露光する作業に先行して、露光用光の合焦位置の情報を得ることができる。この結果、合焦位置の情報をフィードバックさせる時間的な余裕が生じ、露光の精度を向上させることができる。
従って、DMD18のパターン形成部180のスキャン方向の進行方向側の端部にフォーカス用パターンエリアが形成されることが好ましい。
また、必ずしも、DMD18のパターン形成部180のスキャン方向の両端にフォーカス用パターンエリア181及びフォーカス用パターンエリア182がそれぞれ形成される必要はない。例えば、スキャン方向の進行方向側の端部のみ又は、スキャン方向の進行方向と反対側の端部のみにフォーカス用パターンエリアが形成される構成であってもよい。
但し、DMD18のパターン形成部180のスキャン方向の両端にフォーカス用パターンエリアをそれぞれ形成することで、それぞれのエリアから、露光用光の合焦位置の情報を得ることが可能となり、合焦位置の決定において精度を向上させることができる。
従って、DMD18のパターン形成部180のスキャン方向の両端にフォーカス用パターンエリアがそれぞれ形成されることが、更に好ましい。
なお、ここでいうスキャン方向の進行方向とは、本願請求項における「次のタイミングのパターン情報に向かう方向」に該当する。
≪縮小投影光学系≫
本実施の形態1による露光装置の縮小投影光学系について図1を用いて説明する。
図1に示すように、縮小投影光学系2は、ミラー20、リレーレンズ21及び対物レンズ22を有している。
また、ミラー20は、DMD18からの反射光をリレーレンズ21に導く反射部材である。また、リレーレンズ21は、DMD18で形成された露光用パターンの光及びフォーカス用明暗パターンの光を基板4で結像させるためのレンズである。
また、対物レンズ22はリレーレンズ21と共に、透過光を倍率補正するレンズである。対物レンズ22及びリレーレンズ21が、ズームレンズを構成するレンズ群として、光の倍率補正を行う。DMD18で形成された各パターンの光を倍率補正することで、入射した光を基板4に向けて縮小投影することができる。
また、対物レンズ22及びリレーレンズ21の倍率補正により、対物レンズ22及びリレーレンズ21と基板4との間の距離の調整も可能であり、縮小投影光学系2の設計の自由度を高めることができる。
ここで、必ずしも、縮小投影光学系2において、ミラー20が設けられる必要はなく、照明光学系1を構成する部材の配置位置によっては、ミラー20を省略することもできる。但し、ミラー20を設けることで露光装置Aの構造を小型化することができる。
≪撮像光学系≫
本実施の形態1による露光装置の撮像光学系について図1乃至図3を用いて説明する。
図1に示すように、撮像光学系3は、対物レンズ22、ハーフミラー30、結像レンズ31及びハーフミラー32を有している。また、撮像光学系3は、フォーカスオフセット用のガラス板33、フォーカス用カメラ34及びアライメント用カメラ35を有している。
また、対物レンズ22は、基板4の反射光(フォーカス用明暗パターンの光)をフォーカス用光として、フォーカス用カメラ34の結像面に結像させる結像光学系を兼ねている。対物レンズ22は、基板4の反射光を集光して、ハーフミラー30に入射させるレンズである。
また、ハーフミラー30は、対物レンズ22を透過した基板4からの反射光を結像レンズ31に導く部材である。
また、結像レンズ31は、ハーフミラー30からの反射光をフォーカス用カメラ34で結像させるレンズである。なお、ここでいうフォーカス用カメラ34が、本願請求項における検出部に該当する。
また、図1に示すように、ガラス板33は、フォーカス用カメラ34の前に設けられている。ガラス板33は、結像レンズ31を透過した透過光から、光路長が互いに異なるコントラスト検出用光を生成する部材である。
なお、ここでいうガラス板33が、本願請求項における検出光生成部に該当する。但し、検出光生成部はガラス板33に限定されない。また、ここでいうコントラスト検出用光が、本願請求項における検出光に該当する。
図3に示すように、ガラス板33は、上下方向において、上半分は厚みが小さな薄板領域330、下半分は厚みが大きな厚板領域331で形成されている。また、ガラス板33は同一の光の屈折率を有するガラスで形成されている。
ガラス板33に入射した光は、薄板領域330及び厚板領域331のそれぞれの板厚に応じた光路を透過して、入射光と透過光との間で光路長が互いに異なるコントラスト検出用光に変換される。
ここで、薄板領域330への入射光から生成されたコントラスト検出用光は、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも前側の焦点前側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報を取得するための光となる。なお、図1には、焦点前側位置を、符号aを付したラインで示している。また、図1には、合焦位置を、符号bを付したラインで示している。
また、厚板領域331への入射光から生成されたコントラスト検出用光は、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも後側の焦点後側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報を取得するための光となる。なお、図1には、焦点後側位置を、符号cを付したラインで示している。
また、ガラス板33の右端部332は、図2(b)に示すDMD18のフォーカス用パターンエリア181に対応している。即ち、フォーカス用パターンエリア181から投射された光は、ガラス板33の右端部332を透過する。
また、ガラス板33の左端部333は、図2(b)に示すDMD18のフォーカス用パターンエリア182に対応している。即ち、フォーカス用パターンエリア182から投射された光は、ガラス板33の左端部333を透過する。なお、ガラス板33は、透過光の光束に対して、大きめに形成されている。
また、ガラス板33は、右端部332と左端部333とに挟まれた中央部334が、図2(b)に示すDMD18の露光用パターンエリア183に対応している。
また、ガラス板33の右端部332及び左端部333はそれぞれ、上側が薄板領域330、下側が厚板領域331で構成されている。従って、右端部332及び左端部333は、それぞれの部分を通過する入射光を、光路長が互いに異なるコントラスト検出用光に変換することができる。
なお、図3で見る右端部332と左端部333とを結ぶ方向は、図2(b)で示したDMDのパターン形成部180と同様に、スキャン方向と平行な方向となっている。
また、フォーカス用カメラ34は、ガラス板33を透過した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子である。即ち、ガラス板33を透過して生成されたコントラスト検出用光を受光する。
また、フォーカス用カメラ34は、コントラスト検出用光から、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面と焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を生成する。また、2つのオフセット画像情報のコントラストに基づいて、基板4に対する露光用光の合焦位置が決定される。なお、図1には、合焦位置を、符号Bを付したラインで示している。
この2つのオフセット画像情報は、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも前側の焦点前側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報と、同焦点面よりも後側の焦点後側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報である。なお、図1には、焦点前側位置を、符号Aを付したラインで示し、焦点後側位置を、符号Cを付したラインで示している。
また、フォーカス用カメラ34は、図3に示すガラス板33の右端部332及び左端部333を透過する光を受光する。そのため、フォーカス用カメラ34は、右端部332の透過光に基づく2つのオフセット画像情報と、左端部333の透過光に基づく2つのオフセット画像情報を生成することができる。
また、アライメント用カメラ35は、基板4における露光用パターンの光の反射光から、基板4に設けられた位置合わせ用のアライメントマークを検出するための光電変換素子である。
ここで、必ずしも、基板4からの反射光を、ガラス板33の厚みが異なる薄板領域330及び厚板領域331に透過させてコントラスト検出用光に変換する必要はない。例えば、光の屈折率が異なる素材に反射光を透過させ、反射光の光路長を変えることができれば充分である。
但し、厚みが異なる領域を有するガラス板は、光の光路長の変換を、厚みを変えるだけで調整することができ、所望の光路長を得やすい利点がある。また、ガラス板は、形状の加工及び原料の調達が容易であり、製造コストを抑えることができる。
従って、基板4からの反射光を、ガラス板33の厚みが異なる薄板領域330及び厚板領域331に透過させてコントラスト検出用光に変換することが好ましい。
なお、ここでいうガラス板33が本願請求項における板状体に該当する。また、ここでいう、薄板領域330が本願請求項における板状体の厚みが小さな領域に該当し、厚板領域331が本願請求項における板状体の厚みが大きな領域に該当する。
また、必ずしも、ガラス板33の右端部332及び左端部333のそれぞれで、上側が薄板領域330、下側が厚板領域331で構成される必要はない。ガラス板33におけるDMD18のフォーカス用パターンに対応する領域で厚みを変えて、基板4の反射光の光路長を変えることができれば充分である。
例えば、ガラス板33の右端部332を薄板領域、左端部333を厚板領域として形成することができる。また、逆に、ガラス板33の右端部332を厚板領域、左端部333を薄板領域として形成することも可能である。更には、ガラス板33の右端部332のみ、又は、左端部333のみに薄板領域及び厚板領域を形成することもできる。
但し、ガラス板33の右端部332及び左端部333のそれぞれに、厚みが異なる薄板領域330及び厚板領域331を形成することで、スキャン方向が双方向に入れ替わるスキャン露光において、いずれの方向でもスキャン方向の進行方向側の領域で露光用光のフォーカス補正が可能となる。
即ち、常に、露光用パターンエリアからの光で基板4に露光する作業に先行して、露光用光の合焦位置の情報を得ることができる。この結果、合焦位置の情報をフィードバックさせる時間的な余裕が生じ、露光の精度を向上させることができる。
従って、ガラス板33の右端部332及び左端部333のそれぞれで、上側が薄板領域330、下側が厚板領域331で構成されることが好ましい。
また、必ずしも、ガラス板33が、図3に示すように、矩形状に形成される必要はなく、例えば、円形に形成することも可能である。例えば、ガラス板を円形に形成することで光学系に組み込みやすくなる。
≪制御構成≫
本実施の形態1による露光装置の制御構成について図1及び図4を用いて説明する。
図4に示すように、露光装置Aには互いに通信可能なネットワークを介してパーソナルコンピュータ等の制御装置5が接続されている。制御装置5は、露光装置Aの各構成部分に種々の指示信号を送信する装置である。
図4に示すように、制御装置5が有する制御部50は、CPU(Central Processing Unit)や、書き換え可能な半導体素子で構成されるRAM(Random Access Memory)及び不揮発性の半導体メモリで構成されるROM(Read Only Memory)から構成されている。
また、制御部50は、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開して、CPUによりこの処理プログラムを実行するようになっている。また、制御装置5には、制御部50に電気的に接続された入力部51及び記憶部52が設けられている。
また、制御装置5には、ステージ駆動部53及びDMD18を制御するコントローラ54が接続されている。
また、制御装置5には、フォーカス用カメラ34、及び合焦位置決定手段としてのFFT解析部55が接続されている。更に、制御装置5には、フォーカス用カメラ34に異常が発生した際の、補助的なフォーカス補正手段となりうるアライメント用カメラ35が接続されている。
また、入力部51は、キーボード、マウス及びタッチパネル等から構成され、ユーザによる指示入力ができるようになっている。
また、記憶部52は、半導体メモリ等からなる記録用のメモリであり、入力部51から入力された情報等を記録する記録領域を有している。記憶部52は、例えばフラッシュメモリ等の内蔵型メモリ、あるいは着脱可能なメモリカード又はメモリスティックであり、既知の記録媒体を利用することができる。
また、ステージ駆動部53は、図1に示す基板4を支持する図示しないステージの上下移動や傾斜を制御することにより、基板4の位置を調整する部材である。
ここで、必ずしも、ステージ駆動部53によるステージの駆動により基板4の位置を移動させる必要はない。例えば、照明光学系1を移動させることで、照明光学系1と基板4との距離を調整する構成とすることも可能である。
また、コントローラ54は、露光用光源10及びフォーカス用光源11のON/OFFの制御する部材である。また、コントローラ54は、制御部50の指示信号に基づき、DMD18のミラーエレメントの傾斜角度を制御する部材である。
また、コントローラ54は、ステージ駆動部53による、基板4を載置したステージを所定の方向に一定の速度で移動させる動きに同期するようにDMD18を制御する。
この基板4の動きに同期したコントローラ54によるDMD18の制御により、スキャン露光を行うことが可能となる。
また、ステージ駆動部53は、後述するFFT解析部55が決定した基板4における露光用光の合焦位置に情報に基づき、露光用光のフォーカス補正を行う部材である。ステージ駆動部53によるフォーカス補正は、スキャン露光の露光作業と同時に実施するように制御されている。
また、フォーカス用カメラ34は、制御部50の制御により基板4の表面の反射光を受光して電気信号に変換し、その電気信号を画像データとしてFFT解析部55に送信するよう構成されている。
また、FFT解析部55は、フォーカス用カメラ34で生成された2つのオフセット画像情報から、基板4における露光用光の合焦位置を決定する合焦位置決定手段である。FFT解析部55は、2つのオフセット画像情報のコントラストに基づいて合焦位置を決定する。
この、FFT解析部55による基板4における露光用光の合焦位置はFFT解析により求められる。なお、FFT解析は、フォーカス用カメラ34で受光したコントラスト検出用光の受光強度分布に基づき決定されるが、その内容は既知の技術と同様であるため、詳細な説明は省略する。
≪露光方法及びフォーカス補正方法≫
本実施の形態1による露光方法及びフォーカス補正方法について図1乃至図6を用いて説明する。
まず、図1に示すように、露光用光源10及びフォーカス用光源11から光を出力して、コリメータレンズ12、コリメータレンズ13、ミラー14、ダイクロイックミラー15及びミラー16を経て、光をフィルタ17に入射させる。
フィルタ17に入射した露光用光及びフォーカス用光は、露光用光の一部が遮光され、図2(b)に示すDMD18のパターン形成部180に投射される。
DMD18のパターン形成部180では、フォーカス用パターンエリア181及びフォーカス用パターンエリア182にフォーカス用光のみが照射され、フォーカス用明暗パターンが形成される。また、DMD18のパターン形成部180では、露光用パターンエリア183に露光用光及びフォーカス用光が照射され、露光用パターンが形成される。
また、DMD18は各ミラーエレメントの傾斜角度を図4に示すコントローラ54から供給される信号に応じて制御して、ミラーエレメントの配列に応じたパターンを形成する。
また、DMD18にフォーカス用明暗パターン及び露光用パターンを表示すると、各パターンの光が、縮小投影光学系2を経て、ステージ上に載置された基板4に投射される。
なお、図5の右上に、各パターンの一例として、基板4の表面の一部に投射された露光用パターン60、フォーカス用明暗パターン70及びフォーカス用明暗パターン71を示している。
図4に示すコントローラ54は、図5に示す矢印Xに沿う方向及び矢印Yに沿う方向に、基板4を載置したステージを移動させる。これにより、基板4上の各パターンの光が投射される露光領域を変えることができる。
例えば、図5に示すように、符号Sで示すスキャン方向にコントローラ54がステージを一定の速度で移動させながら、ステージ上の基板4の位置に同期した露光用パターン60をDMD18に表示する。また、DMD18には、同時にフォーカス用明暗パターン70及びフォーカス用明暗パターン71が表示される。
即ち、ステージの移動に合わせて描画パターンがスクロールするようになっている。これにより、図6に示すように、ステージの移動方向に細長いパターン80を一度に露光することができる。
図4に示すコントローラ54は、制御装置5により予め設定された信号に基づいて、元の大きなパターンを細長いパターンに分割し、1本ずつ露光するように信号を供給していくことによって、元のパターンを基板4上に露光する。この露光がスキャン露光と呼ばれる。
また、スキャン露光では、図6に示すように、基板4上には、DMD18からフォーカス用明暗パターン70及びフォーカス用明暗パターン71が投射される。
フォーカス用明暗パターン70及びフォーカス用明暗パターン71からの光が基板4で反射して、反射光を元に、露光作業と同時に、露光用光のフォーカス補正が行われる。以下、フォーカス補正の流れについて説明する。
まず、図1に示すように、基板4の反射光が対物レンズ22を透過して、ハーフミラー30に導かれる。この基板4の反射光には、基板4で反射したフォーカス用明暗パターンの光及び露光用パターンの光が含まれている。
また、ハーフミラー30に入射した基板4からの反射光は、ハーフミラー30で反射光と透過光とに分割され、そのうちの反射光が結像レンズ31に導かれる。結像レンズ31に入射した光は集光され、ハーフミラー32に導かれる。
また、ハーフミラー32に入射した結像レンズ31を透過した光は、ハーフミラー32で反射光と透過光とに分割され、そのうちの透過光がフォーカス用カメラ34に向けて導かれる。また、ハーフミラー32で分割された反射光は、アライメント用カメラ35で受光される。
また、図1に示すように、フォーカス用カメラ34の前方にはガラス板33が設けられ、ガラス板33を透過した光は、光路長が互いに異なるコントラスト検出用光に変換される。
ここで、図2(b)に示すDMD18のフォーカス用パターンエリア181から投射された光は、図3に示すガラス板33の右端部332を透過する。また、図2(b)に示すDMD18のフォーカス用パターンエリア182から投射された光は、図3に示すガラス板33の左端部333を透過する。
また、右端部332及び左端部333はそれぞれ、薄板領域330と厚板領域331が含まれている。そのため、透過光は、薄板領域330を透過して光路長が変換される光と、厚板領域331を透過して光路長が変換される光となる。これらの光がコントラスト検出用光として、フォーカス用カメラ34で受光される。
また、フォーカス用パターンエリア181及び右端部332は、スキャン方向の進行方向側(前側)の領域である。また、フォーカス用パターンエリア182及び左端部333は、スキャン方向の進行方向と反対側(後側)の領域である。
また、フォーカス用カメラ34は、ガラス板33で光路長が変換されたコントラスト検出用光を受光して、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面と焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を生成する。
また、ガラス板33の右端部332を透過する光のうち、薄板領域330を透過した光から、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも前側の焦点前側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報を生成する。
また、ガラス板33の右端部332を透過する光のうち、厚板領域331を透過した光から、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも後側の焦点後側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報を生成する。即ち、ガラス板33の右端部332と左端部333のそれぞれから、2つのオフセット画像情報が生成される。
更に、フォーカス用カメラ34は、ガラス板33の左端部333を透過する光からも同様に、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面の前後を焦点位置とする2つのフォーカス用明暗パターンの画像情報を生成する。
次に、図4に示すFFT解析部55は、フォーカス用カメラ34で生成したオフセット画像情報から、FFT解析を行うことにより、基板4の合焦位置を決定して、解析結果を制御部50に出力する。なお、図1では、基板4の合焦位置を、符号Bで示すラインで示している。
続いて、図4に示すステージ駆動部53は、制御部50の指示信号により、FFT解析部55により決定された合焦位置に基板4を移動させる。即ち、基板4に対する露光用光の焦点位置が、決定した合焦位置に一致するようにフォーカス補正の処理を行う。
このフォーカス補正の処理は、基板4に対して露光作業を行っている際に、同時に進行する。そのため、スキャン露光において、露光中に、合焦位置の決定及びフォーカス補正の処理が実行される。
また、上述したように、ハーフミラー32で分割された反射光は、アライメント用カメラ35で受光される。アライメント用カメラ35では、基板4における露光用パターンの光の反射光から、基板4に設けられた位置合わせ用のアライメントマークを検出する。
また、アライメント用カメラ35で検出したアライメントマークの位置情報は制御部50に出力される。また、制御部50の指示信号により、基板4が設定された位置に位置するようにステージ駆動部53が基板4の位置を修正する。
このように本実施の形態1によれば、DMD18にフィルタ17を介してフォーカス用光源11の光及び露光用光源10の光を投射して、パターン形成部180を、フォーカス用明暗パターンを形成するエリアと露光用パターンを形成するエリアとに分割することができる。
そのため、DMD18から基板4の表面に対して、同時にフォーカス用明暗パターンの光及び露光用パターンの光を投射することが可能となる。また、基板4の反射光を、フォーカス用カメラ34の前方に設けた厚みが異なる領域を有するガラス板33に透過させ、焦点位置の異なるオフセット画像情報を取得することができる。
このオフセット画像情報から得られたコントラストに基づき、基板4における露光用光の合焦位置を決定して、露光中にリアルタイムで露光用光のフォーカス補正を行うことができる。
従って、スキャン露光の露光作業に伴い、常にフォーカス補正を行い、焦点位置のずれを修正しながら露光を行うことが可能となる。また、これにより、露光作業に要する時間を短縮することができる。
また、基板4に露光しながらフォーカス補正を行うため、高精度な焦点位置の調整を行うことができ、焦点ずれの発生を抑止したシャープな露光結果を得ることが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、フォーカス用カメラ34とは別に、アライメント用カメラ35を設けたことで、アライメント用カメラ35の全視野で、基板4のアライメントマークを検索することができる。
これにより、基板4上のアライメントマークの位置が大きくずれていても、カメラの視野範囲内に収めやすくなり、基板4の位置の確認を容易に行うことができる。
また、フォーカス用カメラ34又はアライメント用カメラ35の一方に異常が生じた際にも、互いの機能を相補して利用することができる。
即ち、例えば、アライメント用カメラ35が故障した際には、フォーカス用カメラ34で、ガラス板33における露光用パターンの光が透過する光を受光して、基板4のアライメントマークを検出することができる。
ここで、図3に示すガラス板33は、上半分が薄板領域330として形成されているため、同領域を透過する光からアライメントマークを検出することが可能であり、一定の面積の視野範囲を、アライメントマークの検出に利用することができる。
また、例えば、フォーカス用カメラ34が故障した際には、アライメント用カメラ35で、ガラス板33におけるフォーカス用明暗パターンの光が透過する光を受光して、静的なフォーカス補正を行うことができる。
また、本実施の形態1によれば、ガラス板33の形状が簡易な形状であり、その製造が容易であるとの利点も有する。ガラス板33は、同一のガラス素材で形成され、上半分と下半分の厚みを異ならせた形状であるため、容易に製造することができる。
(実施の形態2)
≪露光装置の全体構成≫
本実施の形態2による露光装置の全体構成について図7を用いて説明する。
図7に示すように、本実施の形態2による露光装置の一例である露光装置Bは、照明光学系1と、縮小投影光学系2と、撮像光学系9とを備えている。なお、露光装置Bにおいて、前述の実施の形態1における露光装置Aと異なる構成は撮像光学系9である。
≪撮像光学系≫
本実施の形態2による露光装置の撮像光学系について図7及び図8を用いて説明する。
図7に示すように、撮像光学系9は、対物レンズ22、ハーフミラー30及び結像レンズ31を有している。また、撮像光学系9は、フォーカスオフセット用のガラス板93及びフォーカス用カメラ94を有している。
また、図7に示すように、ガラス板93は、フォーカス用カメラ94の前に設けられている。ガラス板93は、結像レンズ31を透過した透過光から、光路長が互いに異なるコントラスト検出用光を生成する部材である。
図8に示すように、ガラス板93は、図8で見る上下方向において、下半分、かつ、左右の端部は厚みが大きな厚板領域931で形成されている。また、ガラス板93の上半分、及びガラス板93の左右の端部にそれぞれ位置する2つの厚板領域931で挟まれた領域は、厚みが小さな薄板領域930で形成されている。また、ガラス板93は同一の屈折率を有するガラス素材で形成されている。
ガラス板93に入射した光は、薄板領域930及び厚板領域931のそれぞれの板厚に応じた光路を透過するものとなり、入射光と透過光との間で光路長が互いに異なるコントラスト検出用光に変換される。
ここで、薄板領域930への入射光から生成されたコントラスト検出用光は、図7に示す基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも前側の焦点前側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報を取得するための光となる。なお、図7には、焦点前側位置を、符号aを付したラインで示している。また、図7には、合焦位置を、符号bを付したラインで示している。
また、厚板領域931への入射光から生成されたコントラスト検出用光は、図7に示す基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも後側の焦点後側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報を取得するための光となる。なお、図7には、焦点後側位置を、符号cを付したラインで示している。
また、ガラス板93の右端部932は、図2(b)に示すDMD18のフォーカス用パターンエリア181に対応している。即ち、フォーカス用パターンエリア181から投射された光は、ガラス板93の右端部932を透過する。
また、ガラス板93の左端部933は、図2(b)に示すDMD18のフォーカス用パターンエリア182に対応している。即ち、フォーカス用パターンエリア182から投射された光は、ガラス板93の左端部933を透過する。
また、ガラス板93の右端部932及び左端部933はそれぞれ、上側が薄板領域930、下側が厚板領域931で構成されている。従って、右端部932及び左端部933は、それぞれの部分を通過する入射光を、光路長が互いに異なるコントラスト検出用光に変換することができる。
なお、図8で見る右端部932と左端部933とを結ぶ方向は、図2(b)で示したDMDのパターン形成部180と同様に、スキャン方向と平行な方向となっている。
また、ガラス板93は、右端部932と左端部933とに挟まれた中央部934が、図2(b)で示したDMD18の露光用パターンエリア183に対応している。
また、フォーカス用カメラ94は、ガラス板93を透過した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子である。即ち、ガラス板93を透過して生成されたコントラスト検出用光を受光する。
また、フォーカス用カメラ94は、コントラスト検出用光から、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面と焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を生成する。また、2つのオフセット画像情報のコントラストに基づいて、基板4に対する露光用光の合焦位置が決定される。なお、図7には、合焦位置を、符号Bを付したラインで示している。
この2つのオフセット画像情報は、基板4の表面と光学的に共役な位置にある焦点面よりも前側の焦点前側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報と、同焦点面よりも後側の焦点後側位置を焦点位置とするフォーカス用明暗パターンの画像情報である。なお、図7には、焦点前側位置を、符号Aを付したラインで示し、焦点後側位置を、符号Cを付したラインで示している。
また、フォーカス用カメラ94は、図8に示すガラス板93の右端部932及び左端部933を透過する光を受光する。そのため、フォーカス用カメラ94は、右端部932の透過光に基づく2つのオフセット画像情報と、左端部933の透過光に基づく2つのオフセット画像情報を生成することができる。
また、フォーカス用カメラ94は、基板4に設けられたアライメントマークを検出するアライメントカメラの機能も備えている。フォーカス用カメラ94は、基板4で反射した露光用パターンの光を受光して、基板4のアライメントマークの位置を検出する。
なお、本実施の形態2による露光装置Bの制御構成、露光方法及びフォーカス補正方法は、前述の実施の形態1による露光装置Aの内容と同様であり、その詳細な説明は省略する。
このように本実施の形態2によれば、撮像光学系9におけるカメラが1台で構成されており、撮像光学系9を小型化することができる。ひいては、露光装置Bの全体的な構造の小型化に寄与するものとなる。
また、露光装置Bを構成する部材の中で、比較的高価なカメラを最低限の台数で済ませることができるため、装置の製造コストを低減することができる。
(検出光生成部の変形例1)
本実施の形態1、2における検出光生成部の変形例1について図9及び図10を用いて説明する。ガラス板の厚みを異ならせる領域の違いに基づく検出光生成部の変形例1を説明する。
図9(a)には、DMD100のフォーカス用明暗パターンを形成する領域として、スキャン方向の進行方向側(前側)の領域101と、スキャン方向の進行方向と反対側(後側)の領域102を示している。また、DMD100の中央側の領域103に露光用パターンが形成される。
なお、DMD100は、フォーカス用明暗パターンを形成する領域を模式的に示したものであり、前述したDMD18の構成もDMD100に含まれるものである。
DMD100と、図9(b)乃至図9(e)で示す各ガラス板は対応しており、DMD100の前側の領域101から投射されたフォーカス用光は、各ガラス板のスキャン方向の進行方向側(前側)の領域に入射する。
また、DMD100の後側の領域102から投射されたフォーカス用光は、各ガラス板のスキャン方向の進行方向と反対側(後側)の領域に入射する。
図9(b)の左図に示すように、ガラス板104では、スキャン方向の前側の領域105にガラス板の厚みが大きな厚板領域105a及び厚みが小さな薄板領域105bが形成されている。また、ガラス板104は、スキャン方向の後側の領域106にも、ガラス板の厚みが大きな厚板領域106a及び厚みが小さな薄板領域106bが形成されている。
なお、前述の実施の形態1における露光装置Aのガラス板33(図3参照)及び前述の実施の形態2における露光装置Bのガラス板93(図8参照)は、ガラス板の厚みを異ならせる領域のバリエーションとしては、このガラス板104のパターンに分類される。
このガラス板104では、スキャン方向の前側の領域105及びスキャン方向の後側の領域106のそれぞれを透過する光から、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。従って、基板における露光用光の焦点位置の情報を精度高く得ることが可能となる。
また、ガラス板104では、スキャン露光において、スキャン方向の前側の領域105で先行して、基板における露光用光の合焦位置の情報を得ることができる。即ち、DMD100の中央側の領域103から、基板に向けて露光用光が投射されるため、合焦位置の情報をフィードバックさせる時間的な余裕が生じる構成となっている。
更に、ガラス板104では、図9(b)の左図に示すA−A'方向(スキャン方向)において、同じ厚みを有する領域を透過する光を比較することで、スキャン方向における基板4の傾きを確認することができる。
ここでは、ガラス板104の厚板領域105aを透過する光と厚板領域106aを透過する光とを比較する。又は、ガラス板104の薄板領域105bを透過する光と薄板領域106bを透過する光とを比較する。即ち、スキャン方向の前後で2つの光を比較するものとなる。
図9(b)の右図に示すように、スキャン方向の前側の光120と、スキャン方向の後側の光121は、いずれも、基板4の表面で反射された光である。つまり、各反射光は、光が反射された基板4の表面の位置の高さ方向の情報を有している。
よって、光120及び光121の高さ方向の情報に基づき、スキャン方向における基板4の傾きを検出することができる。このスキャン方向における基板4の傾きの情報は、前述の実施の形態1において説明した制御部50(図4参照)に送信され、ステージ駆動部53で、基板4の傾きの調整に利用することができる。
また、図9(c)に示すように、ガラス板107では、スキャン方向の前側の領域108にガラス板の厚みが大きな厚板領域が形成されている。また、ガラス板107は、スキャン方向の後側の領域109にガラス板の厚みが小さな薄板領域が形成されている。
このガラス板107では、スキャン方向の前側の領域108を透過する光と、スキャン方向の後側の領域109を透過する光に基づき、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。このように、スキャン方向の前後の領域を用いて、露光用光の合焦位置を決定することができる。
また、図9(d)に示すように、ガラス板110では、スキャン方向の前側の領域111にガラス板の厚みが小さな薄板領域が形成されている。また、ガラス板110は、スキャン方向の後側の領域112にガラス板の厚みが大きな厚板領域が形成されている。
このガラス板110では、上述したガラス板107と同様に、スキャン方向の前側の領域111を透過する光と、スキャン方向の後側の領域112を透過する光に基づき、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。
更に、図9(e)に示すように、ガラス板113では、スキャン方向の前側の領域114に、図9(e)で見る左右側にガラス板の厚みが大きな厚板領域114aが形成され、左右側にそれぞれ位置する2つの厚板領域114aの間に、厚みが小さな厚板領域114bが形成されている。
また、ガラス板113では、スキャン方向の後側の領域115に、図9(e)で見る左右側にガラス板の厚みが大きな厚板領域115aが形成され、左右側にそれぞれ位置する2つの厚板領域115aの間に、厚みが小さな薄板領域115bが形成されている。
このガラス板113では、ガラス板104と同様に、スキャン方向の前側の領域114及びスキャン方向の後側の領域115のそれぞれを透過する光から、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。
また、厚板領域が、スキャン方向の前後側にそれぞれ2カ所形成されていることから、基板における露光用光の焦点位置の情報を、より一層精度高く得ることが可能となる。
なお、ガラス板113では、ガラス板104と同様に、スキャン露光において、合焦位置の情報をフィードバックさせる時間的な余裕が生じるものとなっている。また、スキャン方向における基板の傾きを確認することも可能となる。
図10(a)には、DMD200のフォーカス用明暗パターンを形成する領域として、スキャン方向の進行方向側(前側)の領域201を示している。また、DMD200の中央側の領域202に露光用パターンが形成される。
DMD200と、図10(b)乃至図10(d)で示す各ガラス板は対応しており、DMD200の前側の領域201から投射されたフォーカス用光は、各ガラス板のスキャン方向の進行方向側(前側)の領域に入射する。
図10(b)に示すように、ガラス板203では、スキャン方向の前側の領域204にガラス板の厚みが大きな厚板領域204a及び厚みが小さな薄板領域204bが形成されている。
このガラス板203では、スキャン方向の前側の領域204を透過する光から、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。
また、ガラス板203では、上述したガラス板104と同様に、スキャン露光において、合焦位置の情報をフィードバックさせる時間的な余裕が生じるものとなっている。
また、図10(c)に示すように、ガラス板205では、スキャン方向の前側の領域206にガラス板の厚みが大きな厚板領域206aが形成されている。また、厚板領域206aに続いて、ガラス板の厚みが小さな薄板領域206bが形成されている。
このガラス板205では、ガラス板203と同様に、スキャン方向の前側の領域206を透過する光に基づき、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。
また、図10(d)の左図に示すように、ガラス板207では、スキャン方向の前側の領域208に、図10(d)の左図で見る左右側にガラス板の厚みが大きな厚板領域208aが形成され、左右側にそれぞれ位置する2つの厚板領域208aの間に、厚みが小さな厚板領域208bが形成されている。
このガラス板207では、ガラス板203と同様に、スキャン方向の前側の領域208を透過する光から、焦点位置の異なる2つのオフセット画像情報を取得することができる。
また、厚板領域が、スキャン方向の前側に2カ所形成されていることから、基板における露光用光の焦点位置の情報を、より一層精度高く得ることが可能となる。
更に、ガラス板207では、図10(d)の左図に示すB−B'方向(スキャン方向と直交する方向)において、同じ厚みを有する領域を透過する光を比較することで、スキャン方向と直交する方向における基板4の傾きを確認することができる。
ここでは、ガラス板207における左右2カ所の厚板領域208aを透過する2つの光を比較する。即ち、スキャン方向と直交する方向の左右で2つの光を比較するものとなる。
図10(d)の右図に示すように、スキャン方向と直交する方向の左側の光220と、スキャン方向と直交する方向の右側の光221は、いずれも、基板4の表面で反射された光である。つまり、各反射光は、光が反射された基板4の表面の位置の高さ方向の情報を有している。
よって、光220及び光221の高さ方向の情報に基づき、スキャン方向と直交する方向における基板4の傾きを検出することができる。このスキャン方向と直交する方向における基板4の傾きの情報は、前述の実施の形態1において説明した制御部50(図4参照)に送信され、ステージ駆動部53で、基板4の傾きの調整に利用することができる。
ここで、図10(b)乃至図10(d)では、ガラス板のスキャン方向における前側の領域のみで、ガラス板の厚み板を異ならせる形状を示したが、ガラス板の形状はこれに限定されるものではない。例えば、ガラス板のスキャン方向における後側の領域のみで、ガラス板の厚み板を異ならせる形状を採用してもよい。
(検出光生成部の変形例2)
本実施の形態1、2における検出光生成部の変形例2について図11を用いて説明する。
図11(a)に示す検出光生成部300は、同一の部材で形成され、厚みが異なる領域を有する形状となっている。即ち、検出光生成部300は、厚みが大きな厚板領域301及び厚みが小さな薄板領域302を有している。
即ち、検出光生成部300は、光の屈折率が同じ素材で形成され、その厚みの違いにより、厚みが異なる領域を透過した透過光の光路長を変えることができる。なお、検出光生成部300は、光透過性を有していれば、これを形成する素材は特に限定されるものではない。
また、図11(b)に示す検出光生成部303は、図11(b)で見る左側に光透過性を有する透過部304が設けられている。透過部304の右側は、何も配置されない領域305となっている。なお、ここでいう透過部304が、本願請求項における光屈折部に該当する。
この検出光生成部303からは、透過部304を透過して、入射光に対する光路長が変換された光と、領域305を通過した光(光路長が変わらない光)とが得られるものとなる。このような検出光生成部303から得られた光に基づき、露光用光の合焦位置を決定することができる。
また、図11(c)に示す検出光生成部307は、同じ厚みを有する透過部308及び透過部309で構成されている。この透過部308と透過部309とは光の屈折率が異なる素材で形成されている。
このように、検出光生成部307は、光の屈折率が異なる素材で形成され、光の屈折率の違いにより、各透過部を透過した透過光の光路長を変えることができる。このような、光の屈折率が異なる素材を透過した光に基づき、露光用光の合焦位置を決定することができる。
以上で説明したとおり、本実施の形態に係る露光装置は、スキャン露光方式の露光作業と合わせてフォーカス補正が可能であり、効率がよく精度の高い露光を行うことができる。
また、本実施の形態に係る露光方法は、スキャン露光方式の露光作業と合わせてフォーカス補正が可能であり、効率がよく精度の高い露光を行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。