JP6929564B2 - ボルト - Google Patents
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Description
本発明は、自動車部品などの締結に使用されるボルトに関するものである。
従来、ボルトをナットなどのめねじに締付ける際に、ボルトが斜めに組み込まれてしまうことによる焼付きが発生する場合があった。この問題を解決するため、特許文献1に示すようなボルトが提案されている。
特許文献1のボルトは、ねじが設けられた軸部の先端に、案内ボス部が突出して形成されている。そして、このボルトは、締付けを行う際に傾いていると、案内ボス部により、傾きが修正されるので、焼付きの発生を防止することが可能である。
しかし、特許文献1のボルトは、案内ボス部の機能を発揮するため、締結に必要なねじ長さに加え、案内ボス部の長さが呼び径の半分以上必要であるため、ボルトの首下長さが増す傾向があった。この傾向は、軽量化の観点や空間の制約から、好ましい状態ではない場面も少なくなかった。
特許文献1のボルトの問題を解決するため、特許文献2に示すようなボルトが提案されている。特許文献2のボルトは、軸部に設けたねじ部の完全ねじ山の始端部が、先端ねじ山頂点を境に外側が前に内側が後に屈曲した切り欠き形状に設けられている。このボルトは、切り欠き形状に設けられた完全ねじ山の始端部がめねじを捉えることで、傾きが修正されるので、ボルトの首下長さを増すことなく、焼付きを防止することが可能である。
特許文献1のボルトは、ねじが設けられた軸部の先端に、案内ボス部が突出して形成されている。そして、このボルトは、締付けを行う際に傾いていると、案内ボス部により、傾きが修正されるので、焼付きの発生を防止することが可能である。
しかし、特許文献1のボルトは、案内ボス部の機能を発揮するため、締結に必要なねじ長さに加え、案内ボス部の長さが呼び径の半分以上必要であるため、ボルトの首下長さが増す傾向があった。この傾向は、軽量化の観点や空間の制約から、好ましい状態ではない場面も少なくなかった。
特許文献1のボルトの問題を解決するため、特許文献2に示すようなボルトが提案されている。特許文献2のボルトは、軸部に設けたねじ部の完全ねじ山の始端部が、先端ねじ山頂点を境に外側が前に内側が後に屈曲した切り欠き形状に設けられている。このボルトは、切り欠き形状に設けられた完全ねじ山の始端部がめねじを捉えることで、傾きが修正されるので、ボルトの首下長さを増すことなく、焼付きを防止することが可能である。
特許文献2のボルトは、斜めに組み込まれることによる焼付きを防止する機能を備えているものの、その機能は十分ではなかった。特に、めねじの材質がアルミニウム合金などのような軟らかいものであると、ねじ部でめねじを傷付けてしまうことにより、少なからず焼付きが発生してしまっていた。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、ボルトが斜めに組み込まれることによる焼付きを、ボルトの首下長さの増すことなく、より効果的に防止することが可能なボルトを提供するものである。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、先端側から順番にテーパ面、案内部、ねじ部を備えたボルトであり、前記案内部は、前記ねじ部のねじ溝と同一のつる巻き線の延長上に存在し、径方向の深さが前記ねじ溝よりも深くなるように前記ねじ部の先端部に形成された溝部と、前記テーパ面の基端側の面終わり位置との間に形成されており、前記案内部の形状は、前記テーパ面の基端側の面終わり位置と前記溝部によるつる巻き線との交点を始端部にして、前記始端部から終端部へと前記ボルトの軸回り方向へ延びるとともに、前記始端部から前記終端部に移行するにつれて前記ボルトの軸方向に拡張する形状とされており、前記案内部と前記ねじ部は、前記ねじ部の先端部が前記案内部の終端部に重なることにより連続的に形成されており、前記案内部の領域は、前記始端部から前記ボルトの軸回り方向角度90〜360°の範囲に設定されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記案内部の径は、前記ボルトに対応するめねじの内径より小さく、かつ前記ボルトのねじ溝径より大きくなるように設定されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ねじ部の始端部において、ねじ山は、前記ボルトの軸回り方向角度30〜180°の範囲で完全な高さになることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、前記溝部の底を基準とした、前記案内部における前記ボルトの径方向寸法は、前記ボルトのねじ溝の底を基準とした、前記ねじ部におけるねじ山高さに対し0.4〜0.6倍であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の発明において、前記テーパ面は、前記ボルトの軸線に対する角度が15〜45°の範囲であり、前記ボルトの先端における径が前記ボルトの呼び径の0.7〜0.9倍であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記案内部の径は、前記ボルトに対応するめねじの内径より小さく、かつ前記ボルトのねじ溝径より大きくなるように設定されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ねじ部の始端部において、ねじ山は、前記ボルトの軸回り方向角度30〜180°の範囲で完全な高さになることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の発明において、前記溝部の底を基準とした、前記案内部における前記ボルトの径方向寸法は、前記ボルトのねじ溝の底を基準とした、前記ねじ部におけるねじ山高さに対し0.4〜0.6倍であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の発明において、前記テーパ面は、前記ボルトの軸線に対する角度が15〜45°の範囲であり、前記ボルトの先端における径が前記ボルトの呼び径の0.7〜0.9倍であることを要旨とする。
〔作用〕
本発明のボルトによれば、テーパ面とねじ部との間には、案内部が設けられる。この案内部は、始端部から終端部に移行するにつれてボルトの軸方向に拡張する形状で、始端部と終端部との間の前記ボルトの軸回り方向角度が90°〜360°の範囲で、終端部がねじ部の始端部と重なるようにして、ねじ部と連続的に形成される。このように形成された案内部の始端部は、ねじ部のねじ山の稜線上から基端寄りに位置ずれするため、ボルトがめねじに対して大きく斜めに傾いて組み込まれた場合、案内部が無理にめねじを捉えることがなくなる。そして、案内部が無理にめねじを捉えなければ、ねじ部とめねじとが噛み合わないので、ボルトが空転し易くなり、焼付きの発生率を低減することができる。また、案内部は、始端部と終端部との間のボルトの軸回り方向角度が90°〜360°の範囲に設定されるので、ボルトの首下長さが増すことを抑えることができる。
前記案内部の径は、前記ボルトに対応するめねじの内径より小さく、かつ前記ボルトのねじ溝径より大きくなるように設定される場合、ボルトがめねじに対して大きく斜めに傾いているときに、ボルトを好適に空転させることができる。
前記ねじ部の始端部において、ねじ山は、前記ボルトの軸回り方向角度30〜180°の範囲で完全な高さになる場合、一般的なおねじに比べて、早い段階でねじ山が完全な高さになることで、めねじとの軸線のずれを修正しやすくすることができる。
前記溝部の底を基準とした前記案内部における前記ボルトの径方向寸法は、前記ボルトのねじ溝の底を基準とした前記ねじ部におけるねじ山高さに対し、0.4〜0.6倍である場合、ボルトがめねじに対して大きく斜めに傾いているときに、ボルトを好適に空転させることができる。
前記テーパ面は、前記ボルトの軸線に対する角度が15〜45°の範囲であり、前記ボルトの先端における径が前記ボルトの呼び径の0.7〜0.9倍である場合、ボルトの先端部と、このボルトに対応するめねじの入り口との干渉を防止することができる。
本発明のボルトによれば、テーパ面とねじ部との間には、案内部が設けられる。この案内部は、始端部から終端部に移行するにつれてボルトの軸方向に拡張する形状で、始端部と終端部との間の前記ボルトの軸回り方向角度が90°〜360°の範囲で、終端部がねじ部の始端部と重なるようにして、ねじ部と連続的に形成される。このように形成された案内部の始端部は、ねじ部のねじ山の稜線上から基端寄りに位置ずれするため、ボルトがめねじに対して大きく斜めに傾いて組み込まれた場合、案内部が無理にめねじを捉えることがなくなる。そして、案内部が無理にめねじを捉えなければ、ねじ部とめねじとが噛み合わないので、ボルトが空転し易くなり、焼付きの発生率を低減することができる。また、案内部は、始端部と終端部との間のボルトの軸回り方向角度が90°〜360°の範囲に設定されるので、ボルトの首下長さが増すことを抑えることができる。
前記案内部の径は、前記ボルトに対応するめねじの内径より小さく、かつ前記ボルトのねじ溝径より大きくなるように設定される場合、ボルトがめねじに対して大きく斜めに傾いているときに、ボルトを好適に空転させることができる。
前記ねじ部の始端部において、ねじ山は、前記ボルトの軸回り方向角度30〜180°の範囲で完全な高さになる場合、一般的なおねじに比べて、早い段階でねじ山が完全な高さになることで、めねじとの軸線のずれを修正しやすくすることができる。
前記溝部の底を基準とした前記案内部における前記ボルトの径方向寸法は、前記ボルトのねじ溝の底を基準とした前記ねじ部におけるねじ山高さに対し、0.4〜0.6倍である場合、ボルトがめねじに対して大きく斜めに傾いているときに、ボルトを好適に空転させることができる。
前記テーパ面は、前記ボルトの軸線に対する角度が15〜45°の範囲であり、前記ボルトの先端における径が前記ボルトの呼び径の0.7〜0.9倍である場合、ボルトの先端部と、このボルトに対応するめねじの入り口との干渉を防止することができる。
〔効果〕
本発明によれば、ボルトの首下長さを増すことなく、ボルトの姿勢を修正する機能を備えつつ、傾きが大きい場合には、無理に姿勢を修正しようとせず空転することによって、幅広い状況下において、より効果的に焼付きを防止することが可能となる。
本発明によれば、ボルトの首下長さを増すことなく、ボルトの姿勢を修正する機能を備えつつ、傾きが大きい場合には、無理に姿勢を修正しようとせず空転することによって、幅広い状況下において、より効果的に焼付きを防止することが可能となる。
以下に本発明の実施例を示す。
図1に示すように、ボルト1は同一の軸線Ax上に配置された頭部2と軸部3とを備えている。図2に示すように、軸部3には、先端側から順番に、テーパ面11、案内部12、ねじ山13Aとねじ溝13Bとを有するねじ部13が設けられている。
ボルト1の頭部2の形状は、特に限定されず、図1中では六角柱状としたが、六角穴が設けられた円柱状や半球状や逆円錐台状、リング状、蝶状等としてもよい。あるいは、頭部2を省略してボルト1をスタッドボルトとしてもよい。
ボルト1の材質は、特に限定されず、例えば鋼、ステンレス、アルミ合金、チタン合金等の合金、あるいは合成樹脂等、用途に応じたものが使用される。
これ以降の記載において、基端側とは軸線Axの方向でボルト1の頭部2側、先端側とは軸線Axの方向でボルト1の軸部3側を示す。また、周方向とはボルト1の軸回り方向、径方向とはボルト1の径方向を示す。
図1に示すように、ボルト1は同一の軸線Ax上に配置された頭部2と軸部3とを備えている。図2に示すように、軸部3には、先端側から順番に、テーパ面11、案内部12、ねじ山13Aとねじ溝13Bとを有するねじ部13が設けられている。
ボルト1の頭部2の形状は、特に限定されず、図1中では六角柱状としたが、六角穴が設けられた円柱状や半球状や逆円錐台状、リング状、蝶状等としてもよい。あるいは、頭部2を省略してボルト1をスタッドボルトとしてもよい。
ボルト1の材質は、特に限定されず、例えば鋼、ステンレス、アルミ合金、チタン合金等の合金、あるいは合成樹脂等、用途に応じたものが使用される。
これ以降の記載において、基端側とは軸線Axの方向でボルト1の頭部2側、先端側とは軸線Axの方向でボルト1の軸部3側を示す。また、周方向とはボルト1の軸回り方向、径方向とはボルト1の径方向を示す。
図2に示すように、前記テーパ面11は、先端側に向かうにつれ小径になるように形成されている。
テーパ面11は、軸線Axに対する角度θ1が15〜45°の範囲に設定されることが好ましい。またテーパ面11は、先端側の径d1が、ボルト1の呼び径d3の0.7〜0.9倍(0.7d3≦d1≦0.9d3)に設定されることが好ましい。
角度θ1は、より好ましくは20°〜45°の範囲、さらに好ましくは20°〜40°の範囲である。径d1はボルト1の呼び径d3の、より好ましくは0.7〜0.8倍、さらに好ましくは0.75〜0.8倍である。
テーパ面11は、前記のように角度θ1と径d1とを設定することで、ボルト1の先端部とめねじの入り口との干渉を防止することができる。
テーパ面11は、軸線Axに対する角度θ1が15〜45°の範囲に設定されることが好ましい。またテーパ面11は、先端側の径d1が、ボルト1の呼び径d3の0.7〜0.9倍(0.7d3≦d1≦0.9d3)に設定されることが好ましい。
角度θ1は、より好ましくは20°〜45°の範囲、さらに好ましくは20°〜40°の範囲である。径d1はボルト1の呼び径d3の、より好ましくは0.7〜0.8倍、さらに好ましくは0.75〜0.8倍である。
テーパ面11は、前記のように角度θ1と径d1とを設定することで、ボルト1の先端部とめねじの入り口との干渉を防止することができる。
前記ねじ部13の先端部には、溝部14が設けられている。この溝部14は、ねじ部13のねじ溝13Bと同一のつる巻き線の延長上に存在するように形成されている。そして、溝部14は、ねじ溝13Bに比べて、径方向の深さが若干深くなるように形成されている。
図3は、案内部12を平面に展開して示した図である。同図中の線12cは、溝部14によるつる巻き線を示している。同図中の線12dは、テーパ面11の基端側の面終わり位置を示している。
案内部12は、線12dと線12cとの間、つまりテーパ面11の基端側の面終わり位置と、溝部14との間に形成されている。
案内部12は、線12dと線12cとの間、つまりテーパ面11の基端側の面終わり位置と、溝部14との間に形成されている。
図4に示すように、案内部12の始端部12aは、テーパ面11の基端側の面終わり位置(図3中で線12d)上で、溝部14によるつる巻き線(図3中で線12c)との交点に設けられる。案内部12の終端部12bは、始端部12aから周方向で時計回りに延びた位置に設けられる。
案内部12が形成される領域は、始端部12aと終端部12bとの間の周方向の角度θ2で設定される。このθ2は、ボルト1の構造上、必然的に90°〜360°の範囲である。
そして、案内部12は、始端部12aから終端部12bに移行するにつれ、基端側に拡張されて幅広になる形状に形成される(図3参照)。
案内部12が形成される領域は、始端部12aと終端部12bとの間の周方向の角度θ2で設定される。このθ2は、ボルト1の構造上、必然的に90°〜360°の範囲である。
そして、案内部12は、始端部12aから終端部12bに移行するにつれ、基端側に拡張されて幅広になる形状に形成される(図3参照)。
溝部14の底を基準とした案内部12の高さ(径方向の寸法)は、ねじ部13におけるねじ溝13Bの底を基準としたねじ山13Aの高さに対し、0.4〜0.6倍であることが好ましい。案内部12の高さはねじ山13Aの高さに対し、より好ましくは0.4〜0.55倍、さらに好ましくは0.45〜0.55倍である。
また、案内部12の径d2は、ボルト1に対応するめねじの内径より僅かに小さく、かつねじ溝13Bの径d4より僅かに大きくなるように設定することが好ましい。
上記のように設定された案内部12を有するボルト1は、めねじの軸線に対して傾いた状態で挿入された場合に、めねじ穴に入り込み過ぎることを防止することができるので、ボルト1とめねじとのピッチずれによる噛み込みの発生を低減することができる。
また、案内部12の径d2は、ボルト1に対応するめねじの内径より僅かに小さく、かつねじ溝13Bの径d4より僅かに大きくなるように設定することが好ましい。
上記のように設定された案内部12を有するボルト1は、めねじの軸線に対して傾いた状態で挿入された場合に、めねじ穴に入り込み過ぎることを防止することができるので、ボルト1とめねじとのピッチずれによる噛み込みの発生を低減することができる。
案内部12は、終端部12bがねじ部13の始端部と重なるようにして、ねじ部13と連続的に形成されている。
案内部12の終端部12b(ねじ部13の始端部)において、ねじ山13Aは、ねじ部13の始端から周方向へ徐々に高くなり、周方向の角度θ3(以下、「立ち上がり角度θ3」とする)で完全な高さ(他のねじ山13Aと同じ高さ)になる。立ち上がり角度θ3は、好ましくは30°〜180°に設定される。また立ち上がり角度θ3は、より好ましくは40°〜90°、さらに好ましくは50°〜70°に設定される。
一般的なおねじの立ち上がり角度は、360°以上に設定される。即ち、ねじ部13は、一般的なおねじに比べて、早い段階でねじ山13Aが完全な高さとなるよう設定される。この設定により、ボルト1は、一般的なおねじに比べ、めねじとの軸線のずれを修正しやすくすることができる。
案内部12の終端部12b(ねじ部13の始端部)において、ねじ山13Aは、ねじ部13の始端から周方向へ徐々に高くなり、周方向の角度θ3(以下、「立ち上がり角度θ3」とする)で完全な高さ(他のねじ山13Aと同じ高さ)になる。立ち上がり角度θ3は、好ましくは30°〜180°に設定される。また立ち上がり角度θ3は、より好ましくは40°〜90°、さらに好ましくは50°〜70°に設定される。
一般的なおねじの立ち上がり角度は、360°以上に設定される。即ち、ねじ部13は、一般的なおねじに比べて、早い段階でねじ山13Aが完全な高さとなるよう設定される。この設定により、ボルト1は、一般的なおねじに比べ、めねじとの軸線のずれを修正しやすくすることができる。
案内部12は、始端部12aから終端部12bに移行するにつれて基端側に拡張して幅広になる形状とされている。この形状で、角度θ2が前記の範囲に設定され、終端部12bがねじ部13の始端部と重なるように形成されることにより、案内部12の始端部12aは、ねじ山13Aの山頂を通るつる巻き線13Cの延長上から基端寄りに外れて位置している(図3参照)。
図5は、めねじの軸線Ax2に対するボルト1の軸線Axの傾き角度が、姿勢修正限界値より大きい角度のθb1である場合を示している。この場合、ねじ部13よりも小径な案内部12は、めねじに接触せず、またボルト1の締付けを試みても、案内部12の始端部12aがねじ山13Aの山頂を通るつる巻き線の延長上から基端寄りに位置ずれしているため、案内部12が無理にめねじを捉えることがない。そして、ねじ部13の始端部は、この案内部12の終端部12bと重なるように形成されているので、案内部12が無理にめねじを捉えることがなければ、ねじ部13とめねじとが噛み合う確率は非常に小さくなる。従って、ねじ部13とめねじとが噛み合わないことにより、ボルト1が空転し易くなって、焼付きの発生率が低減される。
図5は、めねじの軸線Ax2に対するボルト1の軸線Axの傾き角度が、姿勢修正限界値より大きい角度のθb1である場合を示している。この場合、ねじ部13よりも小径な案内部12は、めねじに接触せず、またボルト1の締付けを試みても、案内部12の始端部12aがねじ山13Aの山頂を通るつる巻き線の延長上から基端寄りに位置ずれしているため、案内部12が無理にめねじを捉えることがない。そして、ねじ部13の始端部は、この案内部12の終端部12bと重なるように形成されているので、案内部12が無理にめねじを捉えることがなければ、ねじ部13とめねじとが噛み合う確率は非常に小さくなる。従って、ねじ部13とめねじとが噛み合わないことにより、ボルト1が空転し易くなって、焼付きの発生率が低減される。
図6(a)は、めねじの軸線Ax2に対するボルト1の軸線Axの傾き角度が、姿勢修正限界値より小さい角度のθb2である場合を示している。この場合、案内部12は、めねじに接触することで、めねじを捉えることができる状態となる。この状態でボルト1の締付けを試みると、めねじが案内部12の終端部12bからねじ部13の始端部へと案内され、図6(b)に示すように、ねじ部13とめねじとのピッチが合うようにボルト1の姿勢が修正されて、正常に締結することができる。
姿勢修正限界値は、好ましくは10°未満以下、より好ましくは8°以下、さらに好ましくは6°以下に設定される。姿勢修正限界値が10°以上の場合、焼付きの発生率が増加してしまう。
姿勢修正限界値は、好ましくは10°未満以下、より好ましくは8°以下、さらに好ましくは6°以下に設定される。姿勢修正限界値が10°以上の場合、焼付きの発生率が増加してしまう。
図7、図8及び図9は、本実施例のボルトと特許文献1、2のボルト及び一般的なC面付のボルトにおける斜め挿入性能確認試験を行った結果を示すグラフである。
斜め挿入性能確認試験は、図10に示す試験装置50を使用し、以下に示す試験条件で行った。
ここで、試験装置50は、試験台G上に設置された固定治具51と、当接板52と、支持体53とを有している。固定治具51上にはナット54が固定されている。当接板52は、固定治具51の近傍に配置されるとともに、ナット54のめねじの軸線Ax2に対し、図中に矢印で出示すように傾動可能とされている。支持体53は、上端部が当接板52の上端部と回動可能に繋げられ、下端部が図中に矢印で出示すように試験台G上をスライド移動可能に設けられることにより、軸線Ax2に対して測定角度θbとなるように傾動された当接板52を支持固定するように構成されている。
斜め挿入性能確認試験は、図10に示す試験装置50を使用し、以下に示す試験条件で行った。
ここで、試験装置50は、試験台G上に設置された固定治具51と、当接板52と、支持体53とを有している。固定治具51上にはナット54が固定されている。当接板52は、固定治具51の近傍に配置されるとともに、ナット54のめねじの軸線Ax2に対し、図中に矢印で出示すように傾動可能とされている。支持体53は、上端部が当接板52の上端部と回動可能に繋げられ、下端部が図中に矢印で出示すように試験台G上をスライド移動可能に設けられることにより、軸線Ax2に対して測定角度θbとなるように傾動された当接板52を支持固定するように構成されている。
〔試験条件〕
(試験方法)
試験装置50において、当接板52を測定角度θbに傾け、支持体53で支持固定する。次いで、試験対象となるボルトBをインパクトレンチ55に装着し、このインパクトレンチ55の背中部分を当接板52に当接させた状態とする。この状態でボルトBのナット54への締付けを行い、締付け時の合否判定を行った。
(合否判定)
焼付き:ボルトBもしくはナット54のねじ山が変形し、挿入できない。
空転:ボルトBのねじ山がナット54のめねじと噛み合わず、空回りする。
正常締結:ボルトBがナット54にスムーズに挿入される。
(測定サンプル数)
本実施例、特許文献1、特許文献2及びC面付を各20個ずつ。
(確率)
測定サンプル数20個のうち、焼付き、空転及び正常締結のそれぞれの個数を測定し、百分率を算出した。
(試験したボルトとナットのサイズ)
M10(呼び径10mm)×1.25(ピッチ(mm)
(試験用ボルト)
ねじ部の先端から軸部の先端までの不完全ねじ長さが、本実施例1.5mm、特許文献16.2mm、特許文献21.5mm、C面付2.5mmのものを使用した。
(使用したインパクトレンチ)
自重:1.65kg
回転速度:2300回転/分
(測定角度)
図7でθb=6°、図8でθb=8°、図9でθb=10°とした。
(試験方法)
試験装置50において、当接板52を測定角度θbに傾け、支持体53で支持固定する。次いで、試験対象となるボルトBをインパクトレンチ55に装着し、このインパクトレンチ55の背中部分を当接板52に当接させた状態とする。この状態でボルトBのナット54への締付けを行い、締付け時の合否判定を行った。
(合否判定)
焼付き:ボルトBもしくはナット54のねじ山が変形し、挿入できない。
空転:ボルトBのねじ山がナット54のめねじと噛み合わず、空回りする。
正常締結:ボルトBがナット54にスムーズに挿入される。
(測定サンプル数)
本実施例、特許文献1、特許文献2及びC面付を各20個ずつ。
(確率)
測定サンプル数20個のうち、焼付き、空転及び正常締結のそれぞれの個数を測定し、百分率を算出した。
(試験したボルトとナットのサイズ)
M10(呼び径10mm)×1.25(ピッチ(mm)
(試験用ボルト)
ねじ部の先端から軸部の先端までの不完全ねじ長さが、本実施例1.5mm、特許文献16.2mm、特許文献21.5mm、C面付2.5mmのものを使用した。
(使用したインパクトレンチ)
自重:1.65kg
回転速度:2300回転/分
(測定角度)
図7でθb=6°、図8でθb=8°、図9でθb=10°とした。
上記の斜め挿入性能確認試験の結果、本実施例のボルトは、正常な締結あるいは空転となる確率が極めて高く、焼付きは、傾き角度が10°の場合にのみ30%程度しか発生しておらず、焼付きの発生率が極めて低かった。
一方、特許文献1、2のボルトは、傾き角度が8°の場合にも焼付きが発生しており、また一般的なC面付のボルトは、傾き角度が6°で既に焼付きが発生していた。
焼付きの発生率と先端側不完全ねじ長さを総合的に考慮すると、本実施例のボルトが、上述の供試ボルト4種類の中で最も市場の要求(作業性向上、軽量化)に適っていることが示された。
一方、特許文献1、2のボルトは、傾き角度が8°の場合にも焼付きが発生しており、また一般的なC面付のボルトは、傾き角度が6°で既に焼付きが発生していた。
焼付きの発生率と先端側不完全ねじ長さを総合的に考慮すると、本実施例のボルトが、上述の供試ボルト4種類の中で最も市場の要求(作業性向上、軽量化)に適っていることが示された。
1 ボルト
11 テーパ部
12 案内部
13 ねじ部
14 溝部
11 テーパ部
12 案内部
13 ねじ部
14 溝部
Claims (5)
- 先端側から順番にテーパ面、案内部、ねじ部を備えたボルトであり、
前記案内部は、前記ねじ部のねじ溝と同一のつる巻き線の延長上に存在し、径方向の深さが前記ねじ溝よりも深くなるように前記ねじ部の先端部に形成された溝部と、前記テーパ面の基端側の面終わり位置との間に形成されており、
前記案内部の形状は、前記テーパ面の基端側の面終わり位置と前記溝部によるつる巻き線との交点を始端部にして、前記始端部から終端部へと前記ボルトの軸回り方向へ延びるとともに、前記始端部から前記終端部に移行するにつれて前記ボルトの軸方向に拡張する形状とされており、
前記案内部と前記ねじ部は、前記ねじ部の先端部が前記案内部の終端部に重なることにより連続的に形成されており、
前記案内部の領域は、前記始端部から前記ボルトの軸回り方向角度90〜360°の範囲に設定されている
ことを特徴とするボルト。 - 前記案内部の径は、前記ボルトに対応するめねじの内径より小さく、かつ前記ボルトのねじ溝径より大きくなるように設定される請求項1に記載のボルト。
- 前記案内部の終端部において、ねじ山は、前記ボルトの軸回り方向角度30〜180°の範囲で完全な高さになる請求項1又は請求項2に記載のボルト。
- 前記溝部の底を基準とした前記案内部における前記ボルトの径方向寸法は、前記ボルトのねじ溝の底を基準とした前記ねじ部におけるねじ山高さに対し、0.4〜0.6倍である請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載のボルト。
- 前記テーパ面は、前記ボルトの軸線に対する角度が15〜45°の範囲であり、前記ボルトの先端における径が前記ボルトの呼び径の0.7〜0.9倍である請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載のボルト。
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