JP6930066B2 - 発泡壁紙、及び発泡壁紙の製造方法 - Google Patents
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Description
紙基材は、坪量50g/m2以上100g/m2以下かつ厚み80μm以上150μm以下である。発泡樹脂層は、坪量50g/m2以上220g/m2以下かつ3倍以上の発泡倍率である。表面保護層は、坪量5g/m2以上40g/m2以下である。なお、紙基材、発泡樹脂層及び表面保護層の合計坪量は170g/m2以下であると好ましい。また、発泡剤は、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤であると好ましい。
以下に、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る発泡壁紙の製造方法について説明する。ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1に、本発明の一実施形態に係る発泡壁紙10の断面の形状の一例を示す。
本実施形態に係る発泡壁紙10は、基材となる紙基材1の上に、発泡樹脂層2、適宜設ける絵柄模様層3、表面保護層4が、この順に積層されている。更に、本実施形態に係る発泡壁紙10の表面にはエンボス模様5が賦型されている。
紙基材1は、いわゆる壁紙用裏打紙(繊維質シート)である。紙基材1としては、例えば、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)等が挙げられる。
発泡樹脂層2は、紙基材1の表面に発泡剤を含有した樹脂を塗工することで形成される。本実施形態では、樹脂に対して、発泡剤、可塑剤、安定剤、減粘剤その他の有機系添加剤、及び充填剤として無機粉体(無機フィラー)を用途に応じて適宜混合し、紙基材1の表面にシート状もしくは絵柄模様状に塗工することで、発泡樹脂層2を設ける。
樹脂の塗工方法としては、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法等の塗工方法を挙げられる。
発泡剤の添加量としては、発泡樹脂層2の厚みと発泡倍率(発泡前後での体積の膨張率)にもよるが、例えば、樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下、好ましくは5質量部以上15質量部以下程度が良い。
なお、発泡樹脂層2の坪量と発泡倍率を、坪量50g/m2以上220g/m2以下かつ3倍以上の発泡倍率とすることで、不陸隠蔽性を得るのに十分なボリューム感を有しかつ優れた表面強度を有するとともに、後述するエンボス模様5の凹凸形状もシャープに再現することができる。
このように、本実施形態に係る発泡樹脂層2は、水性エマルジョン系樹脂と発泡剤と無機フィラーとを含有する樹脂組成物により形成される。
絵柄模様層3は、発泡壁紙10に意匠性を付与する。絵柄模様層3は、例えば、発泡樹脂層2の表面に絵柄模様を印刷することで形成できる。もしくは、発泡樹脂層2を絵柄模様状に塗工することでも形成できる。絵柄模様層3の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1μm以上10μm以下程度とすることが好ましい。
また、発泡樹脂層2が絵柄模様層3に対するベタ層の役割を果たす場合、又は発泡樹脂層2を絵柄模様状に塗工する場合には、発泡樹脂層2も着色剤を含有していても良い。
表面保護層4は、絵柄模様層3の表面に、艶調整及び/又は絵柄模様層3の保護を意図して形成される。表面保護層4の厚みは限定的ではないが、0.1μm以上15μm以下程度が好ましい。ここで、表面保護層4の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層4であれば、例えば、シリカ等の既知フィラーを含む表面保護層4がある。表面保護層4の形成方法としては、例えば、グラビア印刷等の公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層3と表面保護層4との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層3の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層4を設けることもできる。発泡壁紙10の表面強度(耐スクラッチ性等)、耐汚染性、絵柄模様層3の保護等を目的として表面保護層4を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
このように、本実施形態に係る表面保護層4は、アクリル系樹脂とフィラーとを含有する。
発泡壁紙10の最表層である表面保護層4の表面に対してエンボス加工(エンボス版を用いた凹凸賦型)を施し、エンボス模様5を賦型(付与)する。エンボス加工では、例えば、発泡壁紙10を、深度15μm以上の凹部を有するエンボスロールと、硬度が50度以上90度未満のゴム製のバックロールとの間を通過させて、発泡壁紙10に凹凸形状を施すようにしても良い。硬度の計測方法としては、例えば、JIS K−6301 A型を用いることができる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本実施形態に係る発泡壁紙10では、発泡樹脂層2を単一の組成(単層)にして、発泡樹脂層2の塗布量を限定することにより、絵柄模様層3のインキ割れを防いだ。
紙基材1として坪量85g/m2かつ厚み130μmの普通紙(日本製紙(株):「WK685AP」)を用い、発泡樹脂層2としてEVA樹脂(住化ケムテックス製:「S−7400(HQ)」)100質量部に対して、防火性能を付与するために無機粉体(無機フィラー)80質量部、発泡厚みを得るために熱膨張性マイクロカプセル発泡剤(松本油脂製薬製:「FT−16」)10質量部を加えたペーストを合計坪量185g/m2となるようにコーティング法により塗布した後、表面保護層4としてアクリル樹脂(DIC(株):「ATC−354」)を合計坪量205g/m2となるようにリップコーター法により塗布し、発泡炉出口紙面温度150℃及びエンボスヒーター出口紙面温度180℃で加熱発泡を行い、同時にエンボスヒーター通過後直ちにエンボスロールにて加圧してエンボス模様5の付与を行い、その後冷却、乾燥して実施例1の発泡壁紙を作成した。
紙基材1として坪量85g/m2かつ厚み130μmの普通紙(日本製紙(株):「WK685AP」)を用い、発泡樹脂層2としてEVA樹脂(住化ケムテックス製:「S−7400(HQ)」)100質量部に対して無機粉体(無機フィラー)80質量部を加えたペーストを合計坪量185g/m2となるようにコーティング法により塗布した後、絵柄模様層3として水性インキを用いてグラビア印刷にて絵柄印刷を行った上で、表面保護層4としてアクリル樹脂(DIC(株):「ATC−354」)を合計坪量205g/m2となるようにリップコーター法により塗布し、発泡炉出口紙面温度150℃及びエンボスヒーター出口紙面温度180℃で加熱発泡を行い、同時にエンボスヒーター通過後直ちにエンボスロールにて加圧してエンボス模様5の付与を行い、その後冷却、乾燥して実施例2の発泡壁紙を作成した。
表面保護層4としてアクリル樹脂を塗布した後、発泡炉出口紙面温度150℃及びエンボスヒーター出口紙面温度180℃で加熱発泡を行い、冷却、乾燥して実施例1の発泡壁紙を作成した。すなわち、エンボス模様5の付与を行わなかった。それ以外は実施例1と同様にして比較例1の発泡壁紙を作成した。
表面保護層4としてアクリル樹脂を塗布せず(表面保護層4を除去)、エンボスヒーター出口紙面温度を160℃とした。それ以外は実施例2と同様にして比較例2の発泡壁紙を作成した。
紙基材1として坪量85g/m2かつ厚み130μmの普通紙(日本製紙(株):「WK685AP」)を用い、発泡樹脂層2としてEVA樹脂(住化ケムテックス製:「S−7400(HQ)」)100質量部に対して無機粉体(無機フィラー)80質量部を加えたペーストを合計坪量185g/m2となるようにコーティング法により塗布した後、表面保護層4としてアクリル樹脂(DIC(株):「ATC−354」)を合計坪量205g/m2となるようにリップコーター法により塗布し、発泡炉出口紙面温度150℃及びエンボスヒーター出口紙面温度180℃で加熱発泡を行い、冷却、乾燥して比較例3の発泡壁紙を作成した。
(不陸隠蔽性)
不陸隠蔽性を評価するため、厚さ110μm、直径20mmの円形シールを準不燃規格の石膏ボード(厚さ9.5mm)に1枚貼り、側面から光を当てて目視で不陸の場所(水平でない場所)を特定できるか否かを評価した。
○(合格) :不陸の場所を特定できない
×(不合格):不陸の場所を特定できる
表面強度を評価するため、壁紙工業会制定の規格「表面強化壁紙性能規定」に準拠した試験により、引っ掻き時の表面の破損状態を目視判定し、原紙層(紙基材1)が露出するか否かを評価した。
○(合格) :原紙層が露出しない
×(不合格):原紙層が露出する
耐汚染性を評価するため、壁紙工業会制定の規格「汚れ防止壁紙性能規定」に準拠した試験により、表面に付着した汚染物の拭き取りの可否を評価した。
○(合格) :表面に付着した汚染物の拭き取りができる
×(不合格):表面に付着した汚染物の拭き取りができない
下記の表1に評価結果を示す。
比較例1は、不陸隠蔽性については不合格となったため、表面強度及び耐汚染性については合格となったが、総合評価を不合格とした。
比較例2は、不陸隠蔽性については合格となったが、表面強度及び耐汚染性については不合格となったため、総合評価を不合格とした。
比較例3は、不陸隠蔽性、表面強度及び耐汚染性の全ての項目で不合格となったため、総合評価を不合格とした。
実施例1と比較例1とを対比することで、エンボス模様5の付与を行わなければ、不陸の場所を特定できるようになってしまうことが確認できた。
実施例2と比較例2とを対比することで、表面保護層4を形成しなければ、原紙層が露出し、表面に付着した汚染物の拭き取りができなくなることが確認できた。
2…発泡樹脂層
3…絵柄模様層
4…表面保護層
5…エンボス模様
10…発泡壁紙
Claims (7)
- 紙基材と、
水性エマルジョン系樹脂と発泡剤と無機フィラーとを含有する発泡樹脂層と、
樹脂とフィラーとを含有する表面保護層と、
が積層されており、
前記紙基材と、前記発泡樹脂層と、前記表面保護層とが積層された積層体の表面にはエンボス模様が形成されており、
前記表面保護層に含有される前記樹脂は、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、またはフッ素系樹脂であり、
前記紙基材、前記発泡樹脂層及び前記表面保護層の合計坪量は170g/m2以下であり、
前記紙基材は、坪量50g/m2以上65g/m2以下かつ厚み80μm以上150μm以下であり、
前記発泡樹脂層は、坪量50g/m2以上85g/m2以下かつ3倍以上の発泡倍率であり、
前記表面保護層は、坪量5g/m2以上20g/m2以下であり、
前記発泡樹脂層に含有される前記水性エマルジョン系樹脂は、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)が5質量%以上11質量%以下の範囲内にあるエチレン−メタクリル酸共重合体であり、且つ、190℃、荷重21.18Nの条件で測定したメルトフローレートが10分当たり10g以上100g以下の範囲内であり、
前記発泡樹脂層に含有される前記発泡剤は、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤であることを特徴とする発泡壁紙。 - 前記表面保護層に含有される前記樹脂は、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙。
- 紙基材として坪量50g/m2以上65g/m2以下かつ厚み80μm以上150μm以下の普通紙を用い、
発泡樹脂層として水性エマルジョン系樹脂100質量部に対して無機フィラー80質量部及び熱膨張性マイクロカプセル発泡剤10質量部を加えたペーストを坪量50g/m2以上85g/m2以下となるようにコーティング法により塗布し、
表面保護層として、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、またはフッ素系樹脂を坪量5g/m2以上20g/m2以下となるようにリップコーター法により塗布し、
発泡炉出口紙面温度150℃及びエンボスヒーター出口紙面温度180℃で加熱発泡を行い、
同時に、エンボスヒーター通過後直ちにエンボスロールにて加圧してエンボス模様の付与を行い、
その後冷却、乾燥する工程を有し、
前記発泡樹脂層に含有される前記水性エマルジョン系樹脂は、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)が5質量%以上11質量%以下の範囲内にあるエチレン−メタクリル酸共重合体であり、且つ、190℃、荷重21.18Nの条件で測定したメルトフローレートが10分当たり10g以上100g以下の範囲内であり、
前記紙基材、前記発泡樹脂層及び前記表面保護層の合計坪量は170g/m2以下であることを特徴とする発泡壁紙の製造方法。 - 前記発泡樹脂層をコーティング法により塗布した後、絵柄模様層として水性インキを用いてグラビア印刷にて絵柄印刷を行うことを特徴とする請求項3に記載の発泡壁紙の製造方法。
- 前記絵柄模様層を、水性エマルジョン樹脂を主成分とした発泡性インキ、または塩化ビニルペースト樹脂を主成分とした発泡性インキで形成することを特徴とする請求項4に記載の発泡壁紙の製造方法。
- 前記絵柄模様層に含有される結着材樹脂は、スチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、またはゴム系樹脂であることを特徴とする請求項4又は5に記載の発泡壁紙の製造方法。
- 前記表面保護層としてフッ素系樹脂を坪量5g/m2以上20g/m2以下となるようにリップコーター法により塗布することを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の発泡壁紙の製造方法。
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