JP6930643B2 - 画像形成装置用シート状部材 - Google Patents
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Description
これは、PEEK樹脂にカーブンブラック等の導電性フィラーを配合した従来のエンドレスベルトでは、機械的耐久性を重視するあまり溶融押出成形時に急冷して製膜するため、結晶化不十分でローラー癖跡がつきやすいことによる。
即ち、従来技術では、剛性が高く耐熱性に優れた結晶化ピーク温度の高いPEEK樹脂を用い、これを溶融押出成形して製膜する際に急冷することで耐クラック性を改良しようとしているが、このような従来法では耐クラック性を十分に高めることはできず、耐ローラー癖性と耐クラック性とに共に優れたエンドレスベルトとすることはできなかった。
ビクトレックス社製PEEK「450G」:Tc=300.5℃
ビクトレックス社製PEEK「381G」:Tc=301.1℃
ビクトレックス社製PEEK「151G」:Tc=304.7℃
ビクトレックス社製PEEK「90G」:Tc=307.2℃
即ち、結晶化ピーク温度が低ければ、耐熱性が低下するが、溶融時から冷却する際の分子運動性を妨げるため結晶化しにくくなり高分子量成分が多い材料と推定できるため、耐クラック性には有利に働くのではないかと考えた。
一方、結晶化ピーク温度が高ければ、PEEK樹脂の低分子量成分が結晶核となり結晶化度が大きくなる傾向にあり、耐熱性は高いが、ミクロな領域での剛性も高くなり耐クラック性が低下するのではないかと考えた。
このような考えを基に、結晶化ピーク温度の高い材料、つまり剛性が高く耐熱性のあるPEEK樹脂を使用し、製膜過程で急冷して耐クラック性を改良する従来法とは逆に、結晶化ピーク温度の低い材料、つまり耐クラック性に優れたPEEK樹脂を選択し、製膜過程で除冷し、後結晶化をさせることにより耐ローラー癖性を改良した方が、耐クラック性と耐ローラー癖性を有利に両立させることができることを突き止め、本発明に至った。
<示差走査熱量の測定>
シート状部材を昇温速度10℃/minで400℃まで昇温させ、その後、10℃/minで23℃まで冷却させる過程での降温結晶化ピーク温度Tcを測定する。
<耐折回数の測定>
JIS P−8115(2001年)に準拠し、シート状部材から幅15mm、長さ100mmの大きさの試験片を切断し、この試験片に対して、MIT試験機にて折り曲げ速度175回/分、回転角度135°左右、引張荷重1.0kgfの条件にて、先端部の曲率半径R=0.38mmと2mmの折り曲げ治具を用い、それぞれの破壊に至る折り曲げ回数を測定する。3点の測定値の平均値を耐折回数とする。
<ローラー癖復元率の測定>
温度23℃、湿度50%の条件で24時間以上状態調整したシート状部材を15mm幅、44mm長さに切り取り、この試験片を、直径14mmのローラーに、試験片長さ方向がローラーの周方向となるように固定し、温度60℃、湿度95%の恒温恒湿層に2時間放置後、温度23℃、湿度50%の環境下に24時間放置した後、試験片をローラーから開放し、温度23℃、湿度50%で2時間放置した際に、ローラーにより断面略C字形に癖付けされた試験片の開口部の幅Lから、以下の式でローラー癖復元率(%)を算出する。
ローラー癖復元率(%)={開口幅L(mm)/試験片長44(mm)}×100
なお、本発明において、「主成分」とは複数の成分を配合してなる材料において、当該配合材料中で最も多く含まれている成分をさす。また、「シート状部材」は「フィルム状部材」を包含する広義の意味で用いられる。
本発明の画像形成装置用シート状部材は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂と19重量%未満の導電性フィラーとを含み、以下の示差走査熱量(DSC)測定で測定される降温結晶化ピーク温度Tc(以下、単に「降温結晶化ピーク温度Tc」と称す場合がある。)が299.0℃未満であることを特徴とする。
<示差走査熱量の測定>
シート状部材を昇温速度10℃/minで400℃まで昇温させ、その後、10℃/minで23℃まで冷却させる過程での降温結晶化ピーク温度Tcを測定する。
降温結晶化ピーク温度Tcが高い方が、低分子量成分が結晶核となり結晶化度が大きくなる傾向にあるとも考えられ、耐熱性は高く、ミクロな領域での剛性も高くなり、耐クラック性が低下する。
本発明において、降温結晶化ピーク温度Tcの高い材料、つまり剛性が高く耐熱性のあるPEEK樹脂を使用し製膜条件で急冷することで耐クラック性を改良する従来法とは逆に、降温結晶化ピーク温度Tcの低いPEEK樹脂、つまり耐クラック性に優れたPEEK樹脂を選択し、製膜条件で除冷化して後結晶化をさせることにより耐ローラー癖性を改良することで、耐クラック性と耐ローラー癖性を両立させる。
本発明の画像形成装置用シート状部材は、降温結晶化ピーク温度Tcが299.0℃未満であることを特徴とする。
本発明で用いるPEEK樹脂は、上記の降温結晶化ピーク温度Tcを実現する上で、それ自体の降温結晶化ピーク温度Tcが300.0℃未満であり、特に298.0℃以下、とりわけ297.5℃以下で292.0℃以上であることが好ましい。
本発明の画像形成装置用シート状部材の降温結晶化ピーク温度Tcを実現するための、本発明で用いるPEEK樹脂の降温結晶化ピーク温度Tcが、本発明の画像形成装置用シート状部材の降温結晶化ピーク温度Tcと必ずしも一致しない理由は以下の通りである。
即ち、シート状部材は、カーボンブラック等の導電性フィラーが配合され、また加熱混練、溶融押出等の工程を経て製膜される。このとき、カーボンブラック等の導電性フィラー自体が結晶化への核剤として作用すること(結晶化しやすくなる)、加熱混練、溶融押出によりPEEK樹脂が架橋(分子量が大きくなる)又は劣化(分子量が小さくなる)することなどから、得られるシート状部材の降温結晶化ピーク温度Tcは、配合成分、製膜方法、製造条件等により変化し、必ずしも原料として用いたPEEK樹脂の降温結晶化ピーク温度Tcと同じとはならない。
本発明の画像形成装置用シート状部材において、本発明の目的を損なわない範囲で、主成分のPEEK樹脂に対し、アロイ材として耐熱性を有する熱可塑性樹脂を配合してもよい。
本発明で用いる導電性フィラーとしては、用途に要求される性能を満たすものであれば特に制限はなく、各種のものを用いることができ、具体的には、カーボンブラックやカーボンファイバー、グラファイトなどのカーボン系フィラー、金属系導電性フィラー、金属酸化物系導電性フィラーなどの導電性金属系フィラーを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合物として用いてもよい。
本発明の画像形成装置用シート状部材には、各種目的に応じて任意の配合成分を配合することができる。
また、導電性フィラー以外の導電性成分として、ポリエーテルエステルアミドといった高分子ポリマータイプの帯電防止剤や、イオン導電性物質、例えば四級アンモニウム塩等を併用してもよい。
以下に本発明の画像形成装置用シート状部材の製造方法について説明する。
本発明のシート状部材の製造方法には特に制限はなく、常法に従って製造することも可能であるが、PEEK樹脂と導電性フィラーとを含む樹脂組成物を、環状ダイを介してチューブ状に溶融押出し、該チューブ状の押出物の内面を冷却マンドレルに接触させて冷却固化する内部冷却マンドレル方式で画像形成装置用シート状部材を連続溶融押出成形する押出成形工程で、環状ダイの溶融樹脂出口部と冷却マンドレルとの間において、押出物のフロストラインを形成させる本発明の画像形成装置用シート状部材の押出成形方法により製造することが、耐クラック性に優れた降温結晶化ピーク温度Tcの低いPEEK樹脂を用いた上で、徐冷による後結晶化で耐ローラー癖性を改良し、耐クラック性と耐ローラー癖性とをより確実に両立させる上で好ましい。
成形に先立って、まず、PEEK樹脂、導電性フィラー等を加熱混練する。この加熱混練手段には特に制限はなく、公知の技術を用いることができる。例えば、PEEK樹脂、導電性フィラー、及び必要に応じて配合されるその他の添加成分を加熱混練して樹脂組成物とするのであれば、一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。特に、これらを二軸混練押出機により混合し、ペレット化した後に成形する手法が好ましく用いられる。
本発明において、成形方法については特に限定されるものではなく、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、或いはインフレーション成形法、遠心成形法、ゴム押出成形法等の公知の方法を採用して得ることができるが、特に好ましい方法は、連続溶融押出成形法である。特に、環状ダイよりチューブ状に押出した押出物(溶融チューブ)を、冷却又は冷却固化しつつ引き取る押出成形法が好ましく、とりわけチューブの内径を高精度で制御可能な下方押出方式の内部冷却マンドレル方式或いはバキュームサイジング方式が好ましい。特に、内部冷却マンドレル方式がシームレスベルトを容易に得ることができるため画像形成装置用ベルトの成形法としては最も好ましい。この場合、環状ダイとしては、その円周方向に複数の温度調節機構が設けられているものが好ましい。また、溶融チューブの冷却は、80〜150℃の範囲に温度調節した金型を、その内側又は外側に接触させて行うことが好ましく、このようにして、溶融チューブを円筒形状を保持したまま引き取ることが好ましい。
以下に、本発明の画像形成装置用シート状部材の製造に好適に採用される本発明の画像形成装置用シート状部材の押出成形方法について、図1を参照して説明する。
(1) ダイス温度を、用いたPEEK樹脂の融点より極端に高くない範囲の、360〜410℃程度とし、押出物の引き取り速度を0.7〜2.0m/minとして、冷却マンドレル5に到る前に結晶化を促進する。
(2) ダイスリップ径と冷却マンドレル径の比を0.8以上1.2以下にする。
上述のようにして成形された画像形成装置用シート状部材は、成形後に熱処理を行ってもよく、これにより、より耐ローラー癖性が向上した画像形成装置用シート状部材とすることが可能となる。
本発明の画像形成装置用シート状部材の好適な物性及び特性を以下に挙げる。
本発明の画像形成装置用シート状部材の厚みは、用途によっても異なるが、弾性率(ここで、弾性率とは後述の「引張弾性率」である。)にも関係し、弾性率3000MPa程度とするために40μm以上、160μm以下が好ましく、50μm以上、150μm以下がより好ましい。厚みが厚すぎると厚み偏差が大きくなるため、例えばエンドレスベルトの場合、ベルトの周速が変わり、画像ズレが起こる可能性があり、また、表層と中央部(厚み方向の中央部分)の配向差が大きくなりすぎ、導電性フィラー等の分散の差が大きく、電気抵抗値の差が大きくなるため好ましくない。シート状部材の好ましい厚みは60〜140μmであり、とりわけ70〜125μmであることが、厚み偏差が少なく、また、チューブ状に押出成形する場合、良好な成形安定性が得られるため好ましい。
本発明の画像形成装置用シート状部材の引張弾性率は、1500MPa以上、4500MPa以下であることが好ましい。引張弾性率が低いと、例えばエンドレスベルトの場合、ローラー表面に付着したトナーの外添剤やごみ等によりベルトが傷になることがあるため好ましくない。また、例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合に、張力により少し伸びが発生してしまい、色ズレなどの不具合を発生することがある。逆に、引張弾性率が高すぎる場合は、エンドレスベルトを駆動する際にモータ負荷がかかるため、厚み設定を薄くする必要が生じ、一旦ローラーとベルト間にゴミが入り込んだり、感光体との摩擦による傷等が入るとクラックが入り易く、信頼性に問題があるため好ましくない。また、一次転写におけるトナーの転写効率を向上させるためには、ベルトが伸びない程度の引張弾性率が必要であり、かつエンドレスベルトが硬くならない程度の引張弾性率が必要である。シート状部材のより好ましい引張弾性率の範囲は2000MPa以上、3500MPa以下、特に2500MPa以上、3300MPa以下である。
本発明の画像形成装置用シート状部材を例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合には、耐屈曲性が悪いとクラックが発生して画像が得られなくなるので耐屈曲性の良好なシート状部材が好ましい。
具体的な数値としては、治具先端のR=2mmの治具で折り曲げた場合に、破断回数が50万回以上であればエンドレスベルトとして優れた機能を発揮して使用することができるが、実用的には75万回以上が好ましく、100万回以上であれば更に好ましい。高弾性ベルトの場合、JIS規格通りの治具先端R=0.38mmでは、屈曲が強すぎて、正確な耐久性が読み取れないが、エンドレスベルトの耐屈曲性の目安としては、上記耐折回数として5000回以上、特に1万回以上、2万回未満であることが好ましい。
印加電圧100V,10秒にて測定した表面電気抵抗率をSR(100V)、印加電圧1000V,10秒にて測定した表面電気抵抗率をSR(1000V)、印加電圧100V,10秒にて測定した体積電気抵抗率をVR(100V)と表記した場合、本発明の画像形成装置用シート状部材のSR(100V)は特に制限がないが、中間転写ベルトとしては、1×107〜1×1012Ω/□であることが好ましく、1×108〜1×1011Ω/□であることがより好ましい。また、基材層のSR(1000V)は1×107〜1×1012Ω/□であることが好ましく、1×108Ω〜1×1010Ω/□であることがより好ましい。また、SR(100V)/SR(1000V)の比は100以下であることが好ましく、10以下であることが、印加電圧の振れによる電気抵抗値変化が少なく、感光体から中間転写ベルトへのトナーの転写(一次転写)と中間転写ベルトから紙へのトナーの転写(二次転写)が安定して行われるため好ましい。
本発明の画像形成装置用シート状部材としては、具体的には、画像形成装置用エンドレスベルト、或いは画像形成装置用用紙分離爪が挙げられる。
また、クリーニング性を向上させる目的で、表面を研磨し平滑にしても良く、また、表面にコート材を塗布した積層エンドレスベルトとしてもよい。
また、端面補強等の目的のために、このエンドレスベルトの外側及び/又は内側に、必要に応じて側縁に沿って耐熱テープ等の補強テープを貼り合わせてもよい。
また、エンドレスベルトの蛇行防止目的で、エンドレスベルトの側縁に、ウレタンゴムやシリコンゴム等のゴム製のシート(蛇行防止ガイド)を接着剤にて張り合わせてもよい。
更には、上記補強テープと組み合わせて、補強テープをエンドレスベルトに貼り合わせた上で蛇行防止ガイドを貼り合わせた方がベルト耐クラック発生防止効果とベルト蛇行防止効果があるため好ましい。
エンドレスベルトの成形材料としては下記のものを用いた。
ダイセルエボニック社製 PEEK「3300G」(本発明用)
降温結晶化ピーク温度Tc=294.3℃
ダイセルエボニック社製 PEEK「2000G」(本発明用)
降温結晶化ピーク温度Tc=298.3℃
ビクトレックス社製 PEEK「650G」(本発明用)
降温結晶化ピーク温度Tc=294.8℃
ビクトレックス社製 PEEK「381G」(比較例用)
降温結晶化ピーク温度Tc=301.1℃
ビクトレックス社製 PEEK「450G」(比較例用)
降温結晶化ピーク温度Tc=300.5℃
尚、降温結晶化ピーク温度Tcは、購入した原料を400℃でプレス成形して得られたシート状片について、本発明で規定される方法でDSC測定して求めたものである。
電気化学(株)製 アセチレンブラック「デンカブラック」
DBP吸油量:180ml/100g
比表面積:65m2/g
揮発分:0%
平均一次粒子径:39nm
pH:9
得られたエンドレスベルトの評価方法は以下の通りである。
セイコー電子工業(株)製 商品名「SSC−5200」を使用し、試料を昇温速度10℃/minで400℃まで昇温させ、その後、10℃/minで23℃まで冷却させる過程での降温結晶化ピーク温度Tcを測定した。
ダイヤインスツルメンツ(株)製 商品名「ハイレスタ(URプローブ)」を使用し印加電圧100V,1000V 各10秒の条件にて表面電気抵抗率を測定した。印加電圧100Vのときの表面電気抵抗率を「SR(100V)」、印加電圧1000Vのときの表面電気抵抗率を「SR(1000V)」と記載する。
体積電気抵抗率は、エンドレスベルトの外表面に対して印加電圧100Vで測定した値を採用した。この体積電気抵抗率を「VR(100V)」と記載する。
エンドレスベルトを例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合には、プリンタ内でローラーに張架された状態で60℃以上程度の高温下にさらされた際に、エンドレスベルトにローラーの跡(ローラー癖)が付くと、画像に影響を及ぼすため好ましくない。エンドレスベルトの耐ローラー癖性は以下の方法で評価した。
温度23℃、湿度50%の条件で24時間以上状態調整したエンドレスベルトを15mm幅、44mm長さに切り取り、この試験片を、直径14mmのローラーに、試験片長さ方向がローラーの周方向となるようにセロハンテープ等で固定し、温度60℃湿度95%の恒温恒湿層に2時間放置後、温度23℃、湿度50%の環境下に24時間放置した後、試験片をローラーから開放し、温度23℃湿度50%で2時間放置した際の試験片の開口幅L(ローラーにより断面略C字形に癖付けされた試験片の開口部の幅)から以下の式で求めた値を、ローラー癖復元率(%)とする。この値は70%以上であることが、耐ローラー癖性に優れ好ましい。
ローラー癖復元率(%)={開口幅L(mm)/試験片長44(mm)}×100
ISO R1184−1970に準拠し、エンドレスベルトから、幅15mm、長さ150mmの大きさの試験片を切り取り、この試験片に対して引張速度1mm/min、つかみ具間距離100mmとして測定した。
JIS P−8115(2001年)に準拠し、エンドレスベルトから、幅15mm、長さ100mmの大きさの試験片を切断し、この試験片に対して、MIT試験機にて折り曲げ速度175回/分、回転角度135°左右、引張荷重1.0kgfの条件にて、先端部の曲率半径R=0.38mmと2mmの折り曲げ治具を用い、それぞれの破壊に至る折り曲げ回数を測定した。数値は3点の平均値を用いた。
<実施例1>
ダイセルエボニック社製PEEK「3300G」85.5重量部に、アセチレンブラックを14.5重量部を配合し、二軸混練押出機(池貝(株)製「PCM45」)を用いてペレット化した。混練条件は、シリンダー温度380℃を基本とした。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは295.6℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は85%、耐折回数はR=0.38で10780回、R=2mmでは100万回でも破断せず、耐クラック性、耐ローラー癖性ともに良好であった。
溶融押出成形時の引き取り速度を1.5m/minとした以外は実施例1と同様にエンドレスベルトを得た。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインはダイスリップ部から15mm(L1=15mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは294.3℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は80%、耐折回数はR=0.38で11100回、R=2mmでは100万回でも破断せず、耐クラック性、耐ローラー癖性ともに良好であった。
溶融押出成形時の引き取り速度を1.8m/minとした以外は実施例1と同様にエンドレスベルトを得た。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインとなる結晶化温度は、ダイスリップ部から20mm(L1=20mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは293.6℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は78%、耐折回数はR=0.38で13000回、R=2mmで100万回でも破断せず、耐クラック性、耐ローラー癖性ともに良好であった。
ダイセルエボニック社製PEEK「3300G」70重量部、ダイセルエボニック社製PEEK「2000G」17重量部に、アセチレンブラックを13重量部を配合し、溶融押出成形時の引き取り速度を1.7m/minとし、厚みを80μmとなるよう押し出し量を調整した以外は実施例2と同様にエンドレスベルトを得た。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインとなる結晶化温度は、ダイスリップ部から18mm(L1=18mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは295.6℃であり、厚み80μm、SR(100V)は4.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は78%、耐折回数はR=0.38で17500回、R=2mmで100万回でも破断せず、耐クラック性、耐ローラー癖性ともに良好であった。
ビクトレックス社製PEEK「650G」84重量部に、アセチレンブラックを16重量部を配合し、溶融押出成形時の引き取り速度を1.0m/minとし、厚みを80μmとなるよう押し出し量を調整した以外は実施例2と同様にエンドレスベルトを得た。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインとなる結晶化温度は、ダイスリップ部から10mm(L1=10mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは292.8℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は80%、耐折回数はR=0.38で16000回、R=2mmで70万回で破断したが使用可能なレベルであり、耐ローラー癖性は良好だった。
ビクトレックス社製PEEK「381G」84.5重量部に、アセチレンブラックを15.5重量部配合し、二軸混練押出機(池貝(株)製「PCM45」)を用いてペレット化した。混練条件は、シリンダー温度380℃を基本とした。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインはダイスリップ部から15mm(L1=15mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは303.8℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は54%、耐折回数は、R=0.38で3000回、R=2mmで75万回の半導電性エンドレスベルトであったため、耐クラック性、耐ローラー癖とも目標に到達しなかった。
溶融押出成形時の冷却マンドレルの外表面の温度を120℃にした以外は比較例1と同様にエンドレスベルトを得た。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインはダイスリップ部から15mm(L1=15mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは303.8℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は82%であったが、耐折回数はR=0.38で1000回、R=2mmで50万回の半導電性エンドレスベルトであったため、耐クラック性は目標に到達しなかった。
ビクトレックス社製PEEK「450G」84重量部に、アセチレンブラックを16重量部配合し、溶融押出成形時の冷却マンドレルの外表面の温度を120℃にした以外は比較例1と同様にエンドレスベルトを得た。
ダイスリップ部と冷却マンドレルとの距離は55mm(L1+L2=55mm)で、フロストラインはダイスリップ部から15mm(L1=15mm)の位置にあり、ダイスリップ部と冷却マンドレルとの間にあった。
表1に示されるように、得られたエンドレスベルトの降温結晶化ピーク温度Tcは300.3℃であり、厚み80μm、SR(100V)は3.0×109Ωであった。ローラー癖復元率は80%であったが、耐折回数はR=0.38で4000回、R=2mmで70万回の半導電性エンドレスベルトであったため、耐クラック性は目標に到達しなかった。
2 環状ダイ
3 ダイスリップ部
4 溶融チューブ
5 冷却マンドレル
6 引取機
F フロストライン
Claims (5)
- 画像形成装置に用いられるシート状部材であって、ポリエーテルエーテルケトン樹脂と19重量%未満の導電性フィラーとを含み、以下の示差走査熱量測定で測定される降温結晶化ピーク温度Tcが299.0℃未満であることを特徴とする画像形成装置用シート状部材。
<示差走査熱量の測定>
シート状部材を昇温速度10℃/minで400℃まで昇温させ、その後、10℃/minで23℃まで冷却させる過程での降温結晶化ピーク温度Tcを測定する。 - 請求項1において、以下の耐折回数の測定で測定される、R=0.38mmでの耐折回数が5000回以上、2万回未満で、R=2mmでの耐折回数が50万回以上であることを特徴とする画像形成装置用シート状部材。
<耐折回数の測定>
JIS P−8115(2001年)に準拠し、シート状部材から幅15mm、長さ100mmの大きさの試験片を切断し、この試験片に対して、MIT試験機にて折り曲げ速度175回/分、回転角度135°左右、引張荷重1.0kgfの条件にて、先端部の曲率半径R=0.38mmと2mmの折り曲げ治具を用い、それぞれの破壊に至る折り曲げ回数を測定する。3点の測定値の平均値を耐折回数とする。 - 請求項1又は2において、以下のローラー癖復元率の測定で求められるローラー癖復元率が70%以上であることを特徴とする画像形成装置用シート状部材。
<ローラー癖復元率の測定>
温度23℃、湿度50%の条件で24時間以上状態調整したシート状部材を15mm幅、44mm長さに切り取ったものを試験片とし、この試験片を、直径14mmのローラーに、試験片長さ方向がローラーの周方向となるように固定し、温度60℃、湿度95%の恒温恒湿層に2時間放置後、温度23℃、湿度50%の環境下に24時間放置した後、試験片をローラーから開放し、温度23℃、湿度50%で2時間放置した際に、ローラーにより断面略C字形に癖付けされた試験片の開口部の幅Lから、以下の式でローラー癖復元率(%)を算出する。
ローラー癖復元率(%)={開口幅L(mm)/試験片長44(mm)}×100 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、エンドレスベルト又は用紙分離爪であることを特徴とする画像形成装置用シート状部材。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記導電性フィラーがアセチレンブラックであることを特徴とする画像形成装置用シート状部材。
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