JP6931417B2 - 光学素子 - Google Patents
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Description
コレステリック液晶層は、反射に波長選択性を有し、かつ、特定の旋回方向の円偏光のみを反射する。すなわち、コレステリック液晶層は、例えば、赤色光の右円偏光のみを反射し、それ以外の光を透過する。
このようなコレステリック液晶層を利用することにより、例えば、スクリーンを介した向こう側が視認できる、透明な投影用スクリーンが実現できる。
そのため、コレステリック液晶層の応用範囲は、制限されてしまう。
この反射構造体は、各々が所定方向に沿って延びる複数の螺旋状構造体を備えている。また、この反射構造体は、所定方向に交差すると共に、光が入射する第1入射面と、この所定方向に交差すると共に、第1入射面から入射した光を反射する反射面とを有し、第1入射面は、複数の螺旋状構造体のそれぞれの両端部のうちの一方端部を含む。また、複数の螺旋状構造体の各々は、所定方向に沿って連なる複数の構造単位を含み、この複数の構造単位は、螺旋状に旋回して積み重ねられた複数の要素を含む。また、複数の構造単位の各々は、第1端部と第2端部とを有し、所定方向に沿って互いに隣接する構造単位のうち、一方の構造単位の第2端部は、他方の構造単位の第1端部を構成し、かつ、複数の螺旋状構造体に含まれる複数の第1端部に位置する要素の配向方向は揃っている。さらに、反射面は、複数の螺旋状構造体のそれぞれに含まれる少なくとも1つの第1端部を含むものであり、かつ、第1入射面に対して非平行となっている。
そのため、特許文献1に記載される反射構造体は、鏡面反射ではなく、入射した光を、鏡面反射に対して所定の方向に角度を持たせて反射する。例えば、特許文献1に記載されるコレステリック液晶層によれば、法線方向から入射した光を、法線方向に反射するのではなく、法線方向に対して角度を有して反射する。
その結果、特許文献1によれば、コレステリック液晶層を利用する反射構造体の応用範囲を拡張できる。
[1] 複数層のコレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層と、λ/2板とを、積層してなる光学素子であって、
コレステリック液晶層は、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するものであり、
液晶配向パターンの、液晶化合物由来の光学軸の向きが連続的に回転しながら変化する一方向における、液晶化合物由来の光学軸の向きが180°回転する長さを1周期とした際に、
反射する円偏光の旋回方向が同じで、かつ、選択的な反射波長領域の少なくとも一部が重複する、2層のコレステリック液晶層の組み合わせである反射層対を、少なくとも1組、有し、
反射層対を構成するコレステリック液晶層の間に、λ/2板を有することを特徴とする光学素子。
[2] 反射層対を構成するコレステリック液晶層は、1周期の長さが等しい、[1]に記載の光学素子。
[3] 反射層対を構成するコレステリック液晶層は、液晶化合物由来の光学軸の回転方向および変化の方向が同じである、[1]または[2]に記載の光学素子。
[4] 反射層対を構成するコレステリック液晶層は、半値透過率の2つの波長間帯域をΔλhとしたとき、選択反射中心波長の差が0.8×Δλhnm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学素子。
[5] 反射層対を構成するコレステリック液晶層は、同じコレステリック液晶層である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学素子。
[6] 反射層対を、複数組、有し、異なる反射層対の間では、反射層対を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長が、互いに異なる、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学素子。
[7] 異なる反射層対の間では、反射層対を構成するコレステリック液晶層の1周期が、互いに異なる、[6]に記載の光学素子。
[8] 異なる反射層対の間では、反射層対を構成するコレステリック液晶層における、選択反射中心波長の長さの順列と、1周期の長さの順列とが、一致している、[7]に記載の光学素子。
[9] 1組の反射層対毎に、反射層対を構成するコレステリック液晶層の間に、λ/2板が設けられる、[6]〜[8]のいずれかに記載の光学素子。
[10] 選択反射中心波長が互いに異なるコレステリック液晶層を、複数層、積層した、同じコレステリック液晶層からなる積層体を、2つ、有し、2つの積層体の間に、λ/2板が設けられる、[6]〜[8]のいずれかに記載の光学素子。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、「同一」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」および「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
また、これに限定されるものではないが、可視光のうち、420〜490nmの波長領域の光は青色光であり、495〜570nmの波長領域の光は緑色光であり、620〜750nmの波長領域の光は赤色光である。
半値透過率を求める式: T1/2=100−(100−Tmin)÷2
また、複数の層の選択反射中心波長が「等しい」とは、厳密に等しいことを意味するものではなく、光学的に影響のない範囲の誤差は許容される。具体的には、複数の物の選択反射中心波長が「等しい」とは、それぞれの物同士における選択反射中心波長の差が20nm以下であることを意図し、この差は15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
本明細書において、Re(λ)は、AxoScan(Axometrics社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本発明の光学素子において、コレステリック液晶層は、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する。ここで、液晶配向パターンの、光学軸の向きが連続的に回転しながら変化する一方向における、光学軸の向きが180°回転する長さを1周期とする。
本発明の光学素子は、反射する円偏光の旋回方向が同じで、かつ、選択的な反射波長領域の少なくとも一部が重複する、2層のコレステリック液晶層の組み合わせ(本発明における反射層対)を、少なくとも1組(1対)、有し、さらに、コレステリック液晶層の組み合わせを構成する2層のコレステリック液晶層の間にλ/2板を有する。
後に詳述するが、本発明の光学素子は、このような構造を有することにより、入射した光を、鏡面反射に対して所定の方向に角度を持たせて反射することができ、さらに、従来のコレステリック反射層を用いる光学素子に比して、反射光量も大きい。
図1に、本発明の光学素子の一例を概念的に示す。
図示例の光学素子10は、緑色光を選択的に反射する光学素子で、第1G反射層14aと、λ/2板18と、第2G反射層14bと、を有する。
光学素子10において、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bは、共に、支持体20と、G配向膜24Gと、G反射コレステリック液晶層26Gと、を有する。光学素子10は、好ましい態様として、第1G反射層14aと第2G反射層14bとが、同じものである。
本発明において、貼合層は、貼り合わせの対象となる物同士を貼り合わせられる層であれば、公知の各種の材料からなる層が利用可能である。貼合層としては、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層でも、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層でも、接着剤と粘着剤との両方の特徴を持った材料からなる層でもよい。従って、貼合層は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、および、紫外線硬化型樹脂等の、光学装置および光学素子等でシート状物の貼り合わせに用いられる公知の層を用いればよい。
あるいは、貼合層で貼り合わせるのではなく、第1G反射層14a、λ/2板18、および、第2G反射層14bを積層して、枠体または治具等で保持して、本発明の光学素子を構成してもよい。
例えば、本発明の光学素子は、第1G反射層14a(G反射コレステリック液晶層26G)の表面にλ/2板18を形成し、λ/2板18の表面に、第2G反射層14bのG配向膜24Gを形成し、G配向膜24Gの表面に、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gを形成してもよい。あるいは、上述の構成から、第1G反射層14aの支持体20を剥離して、配向膜、コレステリック液晶層およびλ/2板のみで、または、コレステリック液晶層およびλ/2板のみで、本発明の光学素子を構成してもよい。
さらに、図示例の光学素子10は、λ/2板18が支持体を有していないが、支持体20と同様の支持体の表面に、λ/2板18を形成してもよい。
以上の点に関しては、後述する本発明の各態様の光学素子も、全て、同様である。
第1G反射層14aおよび第2G反射層14bにおいて、支持体20は、G配向膜24GおよびG反射コレステリック液晶層26Gを指示するものである。
なお、支持体20は、対応する光に対する透過率が50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、85%以上であるのがさらに好ましい。
支持体20の厚さは、1〜1000μmが好ましく、3〜250μmがより好ましく、5〜150μmがさらに好ましい。
単層である場合の支持体20としては、ガラス、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル、および、ポリオレフィン等からなる支持体20が例示される。多層である場合の支持体20の例としては、前述の単層の支持体のいずれかなどを基板として含み、この基板の表面に他の層を設けたもの等が例示される。
第1G反射層14aおよび第2G反射層14bにおいて、支持体20の表面にはG配向膜24Gが形成される。G配向膜24Gは、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gを形成する際に、液晶化合物30を所定の液晶配向パターンに配向するための配向膜である。
なお、以下に示すG配向膜24GおよびG反射コレステリック液晶層26Gに関する説明は、後述するR反射部材12およびB反射部材16等に設けられる配向膜においても、同様である。従って、以下の説明では、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bのG配向膜24Gと、他の配向膜とを区別する必要がない場合には、単に『配向膜』ともいう。また、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gと、他のコレステリック液晶層とを区別する必要がない場合には、単に『コレステリック液晶層』とも言う。
また、液晶配向パターンにおける、光学軸30Aの向きが連続的に回転しながら変化する一方向において、光学軸30Aの向きが180°回転する長さを1周期Λ(光学軸の回転周期)とする。光学素子10は、好ましい態様として、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gは、液晶配向パターンにおける1周期の長さが等しい。さらに、光学素子10は、好ましい態様として、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bは、G反射コレステリック液晶層26Gの液晶配向パターンにおける、光学軸30Aの回転方向、および、光学軸30Aが回転しながら変化する方向が、共に同じである。
このような構成を有することにより、第1G反射層14aと第2G反射層14bとで、緑色光を同じ方向に反射することができる。
例えば、ポリマーなどの有機化合物からなるラビング処理膜、無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、ならびに、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチルなどの有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB(Langmuir-Blodgett:ラングミュア・ブロジェット)膜を累積させた膜、等が例示される。
配向膜に使用する材料としては、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー、特開2005−97377号公報、特開2005−99228号公報、および、特開2005−128503号公報記載の配向膜等の形成に用いられる材料が好ましい。
偏光の照射は、光配向膜に対して、垂直方向または斜め方向から行うことができ、非偏光の照射は、光配向膜に対して、斜め方向から行うことができる。
中でも、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、光架橋性ポリアミド、光架橋性ポリエステル、シンナメート化合物、および、カルコン化合物は、好適に利用される。
配向膜の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
なお、図示は省略するが、光源64は直線偏光P0を出射する。λ/4板72Aおよび72Bは、互いに直交する光学軸を備えている。λ/4板72Aは、直線偏光P0(光線MA)を右円偏光PRに、λ/4板72Bは直線偏光P0(光線MB)を左円偏光PLに、それぞれ変換する。
この際の干渉により、G配向膜24Gに照射される光の偏光状態が干渉縞状に周期的に変化するものとなる。これにより、G配向膜24Gにおいて、配向状態が周期的に変化する配向パターンが得られる。
露光装置60においては、2つの光線MAおよびMBの交差角αを変化させることにより、配向パターンの周期を調節できる。すなわち、露光装置60においては、交差角αを調節することにより、液晶化合物30に由来する光学軸30Aが一方向に向かって連続的に回転する配向パターンにおいて、光学軸30Aが回転する1方向における、光学軸30Aが180°回転する1周期の長さを調節できる。
このような配向状態が周期的に変化した配向パターンを有する配向膜上に、コレステリック液晶層を形成することにより、後述するように、液晶化合物30に由来する光学軸30Aが一方向に向かって連続的に回転する液晶配向パターンを有する、G反射コレステリック液晶層26Gを形成できる。
また、λ/4板72Aおよび72Bの光学軸を、それぞれ、90°回転することにより、光学軸30Aの回転方向を逆にすることができる。
例えば、支持体20をラビング処理する方法、支持体20をレーザ光等で加工する方法等によって、支持体20に配向パターンを形成することにより、コレステリック液晶層が、液晶化合物30に由来する光学軸30Aの向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する構成とすることも、可能である。
第1G反射層14aおよび第2G反射層14bにおいて、G配向膜24Gの表面には、G反射コレステリック液晶層26Gが形成される。
なお、図1においては、図面を簡略化して光学素子10の構成を明確に示すために、G反射コレステリック液晶層26Gは、配向膜の表面の液晶化合物30(液晶化合物分子)のみを概念的に示している。しかしながら、G反射コレステリック液晶層26Gは、図2に概念的に示すように、通常のコレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層と同様に、液晶化合物30が螺旋状に旋回して積み重ねられた螺旋構造を有し、液晶化合物30が螺旋状に1回転(360°回転)して積み重ねられた構成を螺旋1ピッチとして、螺旋状に旋回する液晶化合物30が、複数ピッチ、積層された構造を有する。この点に関しては、後述するR反射コレステリック液晶層26RおよびB反射コレステリック液晶層26Bも同様である。
G反射コレステリック液晶層26Gは、緑色光の右円偏光GRを反射して、それ以外の光を透過するもので、緑色光の波長領域に選択反射中心波長を有するコレステリック液晶層である。
コレステリック液晶相は、特定の波長において選択反射性を示すことが知られている。選択反射の中心波長λ(選択反射中心波長λ)は、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチPに依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射中心波長を調節することができる。コレステリック液晶相のピッチは、コレステリック液晶層の形成の際、液晶化合物と共に用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。なお、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチPとは、すなわち、コレステリック液晶相の螺旋構造における螺旋の周期である。
なお、ピッチの調節については富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60−63に詳細な記載がある。螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および、「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
従って、図示例の光学素子10においては、コレステリック液晶層は、右捩れのコレステリック液晶相を固定してなる層である。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類および/または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
反射波長領域の半値幅は、光学素子10の用途に応じて調節され、例えば10〜500nmであればよく、好ましくは20〜300nmであり、より好ましくは30〜100nmである。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を層状に固定して形成できる。
コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよい。コレステリック液晶相を固定した構造は、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造が好ましい。
なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、コレステリック液晶層において、液晶化合物30は液晶性を示さなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、液晶性を失っていてもよい。
また、コレステリック液晶層の形成に用いる液晶組成物は、さらに界面活性剤およびキラル剤を含んでいてもよい。
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよい。
コレステリック液晶相を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1−272551号公報、特開平6−016616号公報、特開平7−110469号公報、特開平11−080081号公報、および、特開2001−328973号公報等に記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報および特開2010−244038号公報等に記載のものを好ましく用いることができる。
コレステリック液晶層を形成する際に用いる液晶組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤は、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶相とするために寄与する配向制御剤として機能できる化合物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコ−ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましく例示される。
なお、界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014−119605号公報の段落[0082]〜[0090]に記載の化合物が好ましい。
キラル剤(カイラル剤)はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル剤は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(twisted nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、および、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であるのが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であるのが好ましく、不飽和重合性基であるのがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であるのがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、米国特許第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、米国特許第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、ならびに、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜12質量%であるのがさらに好ましい。
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、および、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレートおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]および4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートおよびビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ならびに、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であれば、架橋密度向上の効果が得られやすく、コレステリック液晶相の安定性がより向上する。
液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、および、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましい。
有機溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。
すなわち、配向膜上にコレステリック液晶層を形成する場合には、配向膜に液晶組成物を塗布して、液晶化合物をコレステリック液晶相の状態に配向した後、液晶化合物を硬化して、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を形成するのが好ましい。
液晶組成物の塗布は、インクジェットおよびスクロール印刷等の印刷法、ならびに、スピンコート、バーコートおよびスプレー塗布等のシート状物に液体を一様に塗布できる公知の方法が全て利用可能である。
本発明の光学素子10において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を形成する液晶化合物30に由来する光学軸30Aの向きが、コレステリック液晶層の面内において、一方向に連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。この点に関しては、後述するR反射コレステリック液晶層26RおよびB反射コレステリック液晶層26Bも同様である。
なお、液晶化合物30に由来する光学軸30Aとは、液晶化合物30において屈折率が最も高くなる軸、いわゆる遅相軸である。例えば、液晶化合物30が棒状液晶化合物である場合には、光学軸30Aは、棒形状の長軸方向に沿っている。以下の説明では、液晶化合物30に由来する光学軸30Aを、『液晶化合物30の光学軸30A』または『光学軸30A』ともいう。
なお、平面図とは、図1において、光学素子10を上方から見た図であり、すなわち、光学素子10を厚さ方向から見た図である。光学素子10の厚さ方向とは、すなわち、光学素子10における各層(膜)の積層方向である。
また、図3では、本発明の光学素子10の構成を明確に示すために、図1と同様、液晶化合物30はG配向膜24Gの表面の液晶化合物30のみを示している。
以下の説明では、矢印X方向と直交する方向を、便宜的にY方向とする。すなわち、図1、図2および後述する図4では、Y方向は、紙面に直交する方向となる。
また、G反射コレステリック液晶層26Gを形成する液晶化合物30は、G反射コレステリック液晶層26Gの面内において、矢印X方向に沿って、光学軸30Aの向きが、連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有する。図示例においては、液晶化合物30の光学軸30Aが、矢印X方向に沿って、時計回り方向に連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有する。
液晶化合物30の光学軸30Aの向きが矢印X方向(所定の一方向)に連続的に回転しながら変化しているとは、具体的には、矢印X方向に沿って配列されている液晶化合物30の光学軸30Aと、矢印X方向とが成す角度が、矢印X方向の位置によって異なっており、矢印X方向に沿って、光学軸30Aと矢印X方向とが成す角度がθからθ+180°あるいはθ−180°まで、順次、変化していることを意味する。
なお、矢印X方向に互いに隣接する液晶化合物30の光学軸30Aの角度の差は、45°以下であるのが好ましく、15°以下であるのがより好ましく、より小さい角度であるのがさらに好ましい。
言い換えれば、G反射コレステリック液晶層26Gを形成する液晶化合物30は、Y方向では、液晶化合物30の光学軸30Aと矢印X方向とが成す角度が等しい。
すなわち、矢印X方向に対する角度が等しい2つの液晶化合物30の、矢印X方向の中心間の距離を、1周期の長さΛとする。具体的には、図3に示すように、矢印X方向と光学軸30Aの方向とが一致する2つの液晶化合物30の、矢印X方向の中心間の距離を、1周期の長さΛとする。
以下の説明では、この1周期の長さΛを『1周期Λ』とも言う。図3では、G反射コレステリック液晶層26Gの1周期Λであるので、1周期Λを『ΛG』と示している。
本発明の光学素子10において、コレステリック液晶層の液晶配向パターンは、この1周期Λを、矢印X方向すなわち光学軸30Aの向きが連続的に回転して変化する一方向に繰り返す。
コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層は、通常、入射した光(円偏光)を鏡面反射する。
これに対して、上述のような液晶配向パターンを有するG反射コレステリック液晶層26Gは、入射した光を、鏡面反射に対して矢印X方向に角度を有した方向に反射する。例えば、G反射コレステリック液晶層26Gは、法線方向から入射した光を、法線方向に反射するのではなく、法線方向に対して矢印Xに傾けて反射する。法線方向から入射した光とは、すなわち正面から入射した光であり、主面に対して垂直に入射した光である。主面とは、シート状物の最大面である。
以下、図4を参照して説明する。
従って、第1G反射層14aまたは第2G反射層14bGに光が入射すると、G反射コレステリック液晶層26Gは、緑色光の右円偏光GRのみを反射し、それ以外の光を透過する。
ここで、G反射コレステリック液晶層26Gでは、液晶化合物30の光学軸30Aが矢印X方向(一方向)に沿って回転しながら変化している。そのため、光学軸30Aの向きによって、入射した緑色光の右円偏光GRの絶対位相の変化量が異なる。
さらに、G反射コレステリック液晶層26Gに形成された液晶配向パターンは、矢印X方向に周期的なパターンである。そのため、G反射コレステリック液晶層26Gに入射した緑色光の右円偏光GRには、図4に概念的に示すように、それぞれの光学軸30Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Qが与えられる。
また、液晶化合物30の光学軸30Aの矢印X方向に対する向きは、矢印X方向と直交するY方向の液晶化合物30の配列では、均一である。
これによりG反射コレステリック液晶層26Gでは、緑色光の右円偏光GRに対して、XY面に対して矢印X方向に傾いた等位相面Eが形成される。
そのため、緑色光の右円偏光GRは、等位相面Eの法線方向に反射され、反射された緑色光の右円偏光GRは、XY面に対して矢印X方向に傾いた方向に反射される。等位相面Eの法線方向とは、等位相面Eと直交する方向である。また、XY面とは、G反射コレステリック液晶層26Gの主面である。
一方、矢印X方向(一方向)に向かって、液晶化合物30の光学軸30Aが連続的に回転するコレステリック液晶層による光の反射角度は、矢印X方向において、光学軸30Aが180°回転する液晶配向パターンの1周期の長さΛ、すなわち、1周期Λによって異なる。具体的には、1周期Λが短いほど、入射光に対する反射光の角度が大きくなる。
以上の点については、後に詳述する。
この際においては、導光板で光を全反射させるためには、入射光に対して、ある程度の大きな角度で光を反射させて導光板に導入する必要がある。また、導光板を伝播してきた光を確実に出射させるためにも、入射光に対して、ある程度の大きな角度で光を反射させる必要がある。
また、前述のように、コレステリック液晶層による光の反射角度は、液晶配向パターンにおける1周期Λを短くすることで、入射光に対する反射角度を大きくできる。
なお、液晶配向パターンの精度等を考慮すると、コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおける1周期Λは、0.1μm以上とするのが好ましい。
また、本発明の光学素子は、反射する円偏光の旋回方向が同じで、かつ、図6に概念的に示すように、選択的な反射波長領域の少なくとも一部が斜線部で示すように重複する、コレステリック液晶層の組み合わせを、少なくとも1組、有する。選択的な反射波長領域の少なくとも一部が重複するかどうかは、反射光の波長分布を測定することにより確認できる。
さらに、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、好ましくは、光学軸30Aが180°回転する1周期Λが等しく、かつ、コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおける液晶化合物30の光学軸30Aの回転方向、ならびに、光学軸30Aが回転しながら連続的に変化する方向が等しい。
すなわち、光学素子10の第1G反射層14aおよび第2G反射層14bは、同じ材料を用いて、同じ形成条件(作業条件)で形成された2枚の反射層である。あるいは、光学素子10の第1G反射層14aおよび第2G反射層14bは、支持体に、G配向膜およびG反射コレステリック液晶層を形成した、1枚の大きなシート状物を作製して、このシート状物から目的とするサイズのシートを、2枚、切り出すことで作製してもよい。
このような2枚の第1G反射層14aおよび第2G反射層14bを、液晶配向パターンにおける液晶化合物30の光学軸30Aが連続的に変化する方向を一致させて、積層することで、光学素子10を構成する。
このような構成を有すことにより、第1G反射層14aで反射する緑色光の反射方向と、第2G反射層14bで反射する緑色光の反射方向を、好適に一致することができ、目的とする方向への反射光の光量を、好適に向上できる。
以下の説明では、『反射する円偏光の旋回方向が等しく、かつ、選択的な反射波長領域が重複するコレステリック液晶層の組み合わせ』、すなわち、本発明における反射層対を、単に『コレステリック液晶層の組み合わせ』ともいう。
ここで、光学素子の光反射量の点では、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、選択的な反射波長領域の重複領域が広い方が好ましい。具体的には、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、半値透過率の2つの波長間帯域をΔλhとしたとき、選択反射中心波長の差が0.8×Δλhnm以下であるのが好ましく、0.6×Δλhnm以下であるのがより好ましく、0.4×Δλhnm以下であるのがさらに好ましく、選択反射中心波長が一致しているのが特に好ましく、図示例のG反射コレステリック液晶層26Gのように、選択的な反射波長領域が一致する同じコレステリック液晶層であるのが中でも特に好ましい。
なお、2層のコレステリック液晶層の半値透過率の2つの波長間帯域が異なる場合は、両者の平均値をΔλhとして用いる。
ここで、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、液晶配向パターンにおける1周期Λの長さの差は、小さい方が好ましい。前述のように、1周期Λの長さが短いほど、入射光に対する反射角度が大きくなる。従って、1周期Λの長さの差が小さいほど、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層による光の反射方向を近くできる。コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、液晶配向パターンにおける1周期Λの長さの差が20%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましく、図示例のG反射コレステリック液晶層26Gのように、1周期Λが一致するのがさらに好ましい。
しかしながら、上述の液晶配向パターンを有するコレステリック液晶層は、液晶配向パターンにおける液晶化合物30の光学軸30Aが連続的に変化する方向(または、その逆方向)に、光を傾けて反射する。従って、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層による光の反射方向を一致させるためには、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、液晶配向パターンにおける液晶化合物30の光学軸30Aが連続的に変化する方向を同方向とするのが好ましい。
しかしながら、液晶配向パターンにおける光学軸30Aの回転方向が逆方向であると、コレステリック液晶層による光の反射方向が逆方向になる。従って、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層による光の反射方向を一致させるためには、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層は、液晶配向パターンにおける光学軸30Aの回転方向を同方向とするのが好ましい。
λ/2板とは、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/2を満たす板のことをいう。この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)、または紫外線のいずれかの波長、または赤外線のいずれかの波長において達成されていればよい。また、第1G反射層14aおよび第2G反射層14bと、λ/2板18とは、コレステリック液晶層の選択反射中心波長と、λ/2板18のRe(λ)=λ/2となる波長とが、一致しているのが好ましい。
なお、前述のように、λ/2板18は、支持体20と同様の支持体を有してもよいが、この場合には、λ/2板18と支持体との組み合わせがλ/2板であることを意図する。
一例として、重合性の液晶化合物を重合させてなるλ/2板、ポリマーフィルムからなるλ/2板、2枚のポリマーフィルムを積層したλ/2板、位相差層としてλ/2の位相差を有するλ/2板、および、構造複屈折でλ/2の位相差を発現するλ/2板等が例示される。
なお、図7においては、光学素子10の作用を明確に示すために、第1G反射層14aはG反射コレステリック液晶層26Gのみを、第2G反射層14bはG反射コレステリック液晶層26Gのみを、それぞれ示す。また、同様の理由で、図7では、第1G反射層14a、λ/2板18および第2G反射層14bは離間して示す。さらに、同様の理由で、光学素子10には、法線方向(正面)から光が入射したとする。
光学素子10に入射した光は、まず、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gによって、緑色光の右円偏光GRのみが反射され、それ以外の光は透過する。
ここで、G反射コレステリック液晶層26Gは、前述のように、液晶化合物30に由来する光学軸30Aが、矢印X方向に向かって時計回りで連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。従って、緑色光の右円偏光GRは、法線方向ではなく、法線方向に対して矢印X方向に傾いて反射される。
λ/2板18に入射して、透過した円偏光は、旋回方向を逆に変換される。従って、第2G反射層14bを透過した緑色光の左円偏光GLは、λ/2板18によって緑色光の右円偏光GRに変換される。
従って、緑色光の右円偏光GRは、G反射コレステリック液晶層26Gによって反射される。ここで、第1G反射層14aのG反射コレステリック液晶層26Gと、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gとは、同じものである。従って、第1G反射層14aのG反射コレステリック液晶層26Gによって反射された緑色光の右円偏光GRは、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gによって反射された緑色光の右円偏光GRと、同じ方向に反射される。
λ/2板18を透過した緑色光の左円偏光GLは、次いで、第2G反射層14bに入射する。前述のように、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gは、緑色光の右円偏光GRのみを反射し、それ以外の光は透過する。従って、第2G反射層14b(G反射コレステリック液晶層26G)に入射した緑色光の左円偏光GLは、そのまま透過して、光学素子10の反射光となる。
これに対し、反射する円偏光の旋回方向が同じで、かつ、選択的な反射波長領域の少なくとも一部が重複するコレステリック液晶層の組み合わせを有し、このコレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層の間に、λ/2板を有する本発明の光学素子は、右円偏光および左円偏光の両方を反射できるので、従来のコレステリック液晶層を利用する光学素子に比して、鏡面反射に対して角度を有する方向への反射光量(反射率)を大幅に向上できる。
図8に、本発明の光学素子の別の例を概念的に示す。
図1に示す光学素子10は、緑色光のみを反射するモノクロ画像等に対応する光学素子であったが、図8に示す光学素子50は、赤色光、緑色光および青色光を反射する、フルカラー画像等に対応する光学素子である。
また、R反射部材12は、第1R反射層12aと、λ/2板18Rと、第2R反射層12bと、を有する。G反射部材14は、第1G反射層14aと、λ/2板18Gと、第2G反射層14bと、を有する。B反射部材16は、第1B反射層16aと、λ/2板18Bと、第2B反射層16bと、を有する。
ここで、G反射部材14のλ/2板18Gは、前述のλ/2板18と同じものである。すなわち、G反射部材14は、上述した光学素子10と同様のものである。
G反射部材14を構成する第1G反射層14aおよび第2G反射層14bは、上述した光学素子10と同様、支持体20と、G配向膜24Gと、G反射コレステリック液晶層26Gと、を有する。
B反射部材16を構成する第1B反射層16aおよび第2B反射層16bは、支持体20と、B配向膜24Bと、B反射コレステリック液晶層26Bと、を有する。B反射部材16では、第1B反射層16aのB反射コレステリック液晶層26Bと、第2B反射層16bのB反射コレステリック液晶層26Bとが、反射する円偏光の旋回方向が同じで、かつ、選択的な反射波長領域の少なくとも一部が重複する、コレステリック液晶層の組み合わせ、すなわち、本発明における反射層対を構成する。
すなわち、R反射部材12を構成するコレステリック液晶層の組み合わせと、G反射部材14を構成するコレステリック液晶層の組み合わせと、B反射部材16を構成するコレステリック液晶層の組み合わせとは、重複する選択的な反射波長領域は、互いに異なる。
言い換えれば、図8に示す光学素子50は、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長が互いに異なる、本発明の光学素子を、3つ、積層した構成を有するものである。
従って、R反射部材12を構成する第1R反射層12aと第2R反射層12b、ならびに、B反射部材16を構成する第1B反射層16aおよび第2B反射層16bも、それぞれを構成するコレステリック反射層の組み合わせは、反射する円偏光の旋回方向が等しく(右円偏光)、かつ、選択的な反射波長領域が完全に重複している。
従って、R反射部材12を構成する第1R反射層12aと第2R反射層12b、ならびに、B反射部材16を構成する第1B反射層16aおよび第2B反射層16bも、それぞれを構成するコレステリック反射層の組み合わせは、液晶配向パターンにおける光学軸30Aが180°回転する1周期Λが完全に一致し、かつ、液晶配向パターンにおける液晶化合物30の光学軸30Aが連続的に変化する方向(X方向)、および、光学軸30Aの回転方向も等しい(時計回り)。
すなわち、R配向膜24Rは、R反射部材12のR反射コレステリック液晶層26Rを形成する際に、液晶化合物30を所定の液晶配向パターンに配向するための配向膜である。また、B配向膜24Bは、B反射部材16のB反射コレステリック液晶層26Bを形成する際に、液晶化合物30を所定の液晶配向パターンに配向するための配向膜である。
また、光学素子50は、より好ましい態様として、R反射部材12と、G反射部材14と、B反射部材16とで、各反射層を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長の長さの順列と、1周期Λの順列とが、一致している。
光学素子50において、各反射部材の各反射層を構成するコレステリック液晶層の選択反射中止波長の長さは、『R反射部材12>G反射部材14>B反射部材16』であるので、各反射層を構成するコレステリック液晶層の液晶配向パターンの1周期Λの長さも『R反射部材12>G反射部材14>B反射部材16』となる。
従って、各反射層の配向膜は、各コレステリック液晶層が、この液晶配向パターンを形成できるように、形成される。
B反射部材16のB反射コレステリック液晶層26Bは、青色光の右円偏光BRを反射して、それ以外の光を透過するもので、青色光の波長領域に選択反射中心波長を有するコレステリック液晶層である。
R反射部材12およびB反射部材16において、R反射コレステリック液晶層26およびB反射コレステリック液晶層26Bは、選択反射中心波長および液晶配向パターンにおける1周期Λが異なる以外は、基本的に、上述したG反射コレステリック液晶層26Gと同様のものである。
これに対して、R反射コレステリック液晶層26RおよびB反射コレステリック液晶層26Bは、上述したG反射コレステリック液晶層26Gと同様、面内で光学軸30Aが連続的に回転して変化する液晶配向パターンを有する。
前述のように、このような液晶配向パターンを有するコレステリック液晶層は、入射した光を、鏡面反射ではなく、鏡面反射に対して光学軸30Aが連続的に回転して変化する矢印X方向に傾けて反射する。例えば、法線方向(正面)から入射した光を、法線方向ではなく、法線方向に対して矢印X方向に傾けて反射する。
従って、図8に示す光学素子のように、赤色光、緑色光および青色光を反射する場合には、赤色光と緑色光と青色光とで反射角度が異なる。具体的には、液晶配向パターンの1周期Λが同じであって、コレステリック反射層の反射中心波長が、赤色光、緑色光および青色光の領域のもので比較した場合には、入射光に対する反射光の角度は、赤色光が最も大きく、次いで緑色光が大きく、青色光が最も小さい。
そのため、例えば、ARグラスの導光板において、導光板への光の入射および出射のための回折素子として、液晶配向パターンの1周期Λが同じで、反射中心波長が異なるコレステリック液晶層による反射素子を用いた場合には、フルカラー画像では、赤色光と緑色光と青色光とで反射方向が異なってしまい、赤色画像と緑色画像と青色画像とが一致しない、いわゆる色ズレを有する画像が観察されてしまう。
以下の説明では、各コレステリック液晶層における1周期Λを識別するために、R反射コレステリック液晶層26Rにおける1周期Λを『ΛR』、G反射コレステリック液晶層26Gにおける1周期Λを『ΛG』、B反射コレステリック液晶層26Bにおける1周期Λを『ΛB』、とも言う。
すなわち、R反射コレステリック液晶層26Rの選択反射中心波長をλR、G反射コレステリック液晶層26Gの選択反射中心波長をλG、および、B反射コレステリック液晶層26Bの選択反射中心波長をλBとすると、図示例の光学素子10では、選択反射中心波長は、『λR>λG>λB』であるので、各コレステリック液晶層の液晶配向パターンの1周期Λは図1に示すように、『1周期ΛR>1周期ΛG>1周期ΛB』となっている。
この場合には、光学素子を構成する全てのコレステリック液晶層を対象として、各反射層を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長の順列と、1周期Λの順列とが、一致しているのが好ましく、また、以下に示す条件を満たすのがより好ましい。
従って、選択反射中心波長が異なるコレステリック液晶層を用いる複数の反射層において、選択反射中心波長の順列と、1周期Λの順列とが一致している図8に示す光学素子50によれば、光の反射角度の波長依存性を大幅に少なくして、波長の異なる光を、ほぼ同じ方向に反射できる。そのため、光学素子50を、例えば、ARグラスにおいて、導光板への光の入射部材および導光板からの光の出射部材として用いることにより、1枚の導光板で、色ズレを生じることなく、赤色画像、緑色画像および青色画像を伝播して、適正な画像を使用者に表示できる。
しかも、本発明の光学素子は、コレステリック液晶層で光を反射するので、液晶配向パターンにおける1周期Λの調節によって、光の反射角度も高い自由度で調節可能である。
ここで、光学素子50は、R反射部材12、G反射部材14およびB反射部材16の積層方向において、いずれか一方の表面から見た際に、
1層目の反射層を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長をλ1;
n層目(nは2以上の整数)の反射層を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長をλn;
1層目の反射層を構成するコレステリック液晶層の液晶配向パターンにおける1周期ΛをΛ1;
n層目の反射層を構成するコレステリック液晶層の液晶配向パターンにおける1周期ΛをΛn; とした際に、下記の式(1)を満たすのが好ましい。
0.8×[(λn/λ1)Λ1]≦Λn≦1.2×[(λn/λ1)Λ1]・・・ 式(1)
また、本発明の光学素子は、下記の式(2)を満たすのがより好ましい。
0.9×[(λn/λ1)Λ1]≦Λn≦1.1×[(λn/λ1)Λ1]・・・ 式(2)
さらに、本発明の光学素子は、下記の式(3)を満たすのがさらに好ましい。
0.95×[(λn/λ1)Λ1]≦Λn≦1.05×[(λn/λ1)Λ1]・・ 式(3)
各コレステリック液晶層の選択反射中心波長λと、液晶配向パターンにおける1周期Λとが、式(1)を満たすことにより、各波長の光の反射角度を、より好適に一致させることができ、より光の反射角度の波長依存性を小さくできる。
ここで、本発明においては、図8の光学素子50のように、反射部材の積層方向に向かって、反射部材を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長が、順次、長くなるように、各反射層を積層するのが好ましい。
コレステリック液晶層による光の反射では、入射光の角度に応じて、選択反射する光の波長が短波長側に移動する、いわゆるブルーシフト(短波シフト)が生じる。これに対して、異なる色の光を反射する反射部材を、反射部材を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長の順番に積層することで、選択反射中心波長が短い側を光入射側にして、ブルーシフトによる影響を低減できる。
B反射部材16において、第1B反射層16aと第2B反射層16bとの間には、λ/2板18Bを有する。すなわち、コレステリック液晶層の組み合わせを構成する2層のB反射コレステリック液晶層26Bの間には、λ/2板18Bが設けられる。
λ/2板18Rおよびλ/2板18Bは、共に、λ/2板18(λ/2板18G)と同様のものであり、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/2を満たす板である。
好ましくは、λ/2板18Rは、波長635nmにおける面内レターデーションRe(635)がRe(635)=λ/2を満たす。λ/2板18Rにおいて、波長635nmの面内レターデーションRe(635)には特に制限はないが、297〜338nmが好ましく、302〜333nmがより好ましく、307〜328nmがさらに好ましい。
また、好ましくは、λ/2板18Bは、波長450nmにおける面内レターデーションRe(450)がRe(450)=λ/2を満たす。λ/2板18Bにおいて、波長450nmの面内レターデーションRe(450)には特に制限はないが、205〜245nmが好ましく、210〜240nmがより好ましく、215〜235nmがさらに好ましい。
図8に示す光学素子50において、R反射部材12およびB反射部材16は、選択的に反射する光の波長領域が異なる以外は、基本的に、光学素子10すなわちG反射部材14と同様の作用を有する。
光学素子50に入射した光は、まず、B反射部材16の第2B反射層16bのB反射コレステリック液晶層26Bによって、青色光の右円偏光BRのみが反射され、それ以外の光は透過する。B反射コレステリック液晶層26Bは、液晶化合物30に由来する光学軸30Aが、矢印X方向に向かって時計回りで連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。従って、青色光の右円偏光BRは、法線方向ではなく、矢印X方向に傾いて反射される。
λ/2板18Bに入射して、透過した円偏光は、旋回方向を逆に変換される。従って、λ/2板18Bを透過した青色光の左円偏光BLは、青色光の右円偏光BRにそれぞれ変換される。
G反射コレステリック液晶層26Gは、液晶化合物30に由来する光学軸30Aが、矢印X方向に向かって時計回りで連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。従って、緑色光の右円偏光GRは、法線方向ではなく、矢印X方向に傾いて反射される。
λ/2板18Gに入射して、透過した円偏光は、旋回方向を逆に変換される。従って、λ/2板18Gを透過した緑色光の左円偏光GLは、緑色光の右円偏光GRに変換される。
従って、緑色光の右円偏光GRは、G反射コレステリック液晶層26Gによって反射される。ここで、第1G反射層14aのG反射コレステリック液晶層26Gと、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gとは、同じものである。従って、第1G反射層14aのG反射コレステリック液晶層26Gによって反射された緑色光の右円偏光GRは、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gによって反射された緑色光の右円偏光GRと、同じ方向に反射される。
B反射部材16に入射した緑色光の左円偏光GLは、第1B反射層16aを透過して、次いで、λ/2板18Bによって緑色光の右円偏光GRに変換され、第2B反射層16bを透過して、光学素子10の反射光となる。
R反射コレステリック液晶層26Rは、液晶化合物30に由来する光学軸30Aが、矢印X方向に向かって時計回りで連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。従って、緑色光の右円偏光GRは、法線方向ではなく、矢印X方向に傾いて反射される。
B反射部材16に入射した赤色光の左円偏光RLは、第1B反射層16aを透過して、次いで、λ/2板18Bによって赤色光の右円偏光RRに変換され、第2B反射層16bを透過して、光学素子10の反射光となる。
λ/2板18Rに入射して、透過した円偏光は、旋回方向を逆に変換される。従って、λ/2板18Rを透過した赤色光の左円偏光RLは、赤色光の右円偏光RRに変換される。
従って、赤色光の右円偏光RRは、R反射コレステリック液晶層26Rによって反射される。ここで、第1R反射層12aのR反射コレステリック液晶層26Rと、第2R反射層12bのR反射コレステリック液晶層26Rとは、同じものである。従って、第1R反射層12aのR反射コレステリック液晶層26Rによって反射された赤色光の右円偏光RRは、第2R反射層12bのR反射コレステリック液晶層26Rによって反射された赤色光の右円偏光RRと、同じ方向に反射される。
G反射部材14に入射した赤色光の左円偏光RLは、第1G反射層14aを透過して、次いで、λ/2板18Gによって赤色光の右円偏光RRに変換され、第2G反射層14bを透過して、B反射部材16に入射する。
B反射部材16に入射した赤色光の右円偏光RRは、第1B反射層16aを透過して、次いで、λ/2板18Bによって赤色光の左円偏光RLに変換され、第2B反射層16bを透過して、光学素子10の反射光となる。
また、光学素子50は、選択反射中心波長が異なるコレステリック液晶層を用いるR反射部材12、G反射部材14およびB反射部材16において、コレステリック液晶層の選択反射中心波長の順列と、液晶配向パターンの1周期Λの順列とが一致している。そのため、光の反射角度の波長依存性を大幅に少なくして、赤色光、緑色光および青色光を、ほぼ同じ方向に反射できる。そのため、光学素子50を、例えば、ARグラスにおいて、導光板への光の入射部材および導光板からの光の出射部材として用いることにより、1枚の導光板で、色ズレを生じることなく、赤色画像、緑色画像および青色画像を伝播して、適正な画像を使用者に表示できる。
この点に関しては、後に詳述する。
図9に、本発明の光学素子の別の例の概念図を示す。なお、図9に示す光学素子52は、上述の図8に示す光学素子と同じ部材を多く有するので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は異なる点を主に行う。
図8に示す光学素子50は、1組のコレステリック液晶層の組み合わせ毎に、コレステリック液晶層の間にλ/2板を有する。これに対し、図9に示す光学素子52は、間にλ/2板を挟まずに、選択反射中心波長の異なるコレステリック液晶層を用いる反射層を、複数層、積層した積層体を、2つ、有し、この2つの積層体の間に、λ/2板を有する。
その上で、第1R反射層12aと第1G反射層14aと第1B反射層16aとの積層体、および、第2R反射層12bと第2G反射層14bと第2B反射層16bとの積層体を作製し、積層体の間に、λ/2板18Zを配置している。
これにより、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層である第1R反射層12aおよび第2R反射層12bのR反射コレステリック液晶層26Rの間、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層である第1G反射層14aおよび第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gの間、および、コレステリック液晶層の組み合わせを構成するコレステリック液晶層である第1B反射層16aおよび第2B反射層16bのB反射コレステリック液晶層26Bの間に、λ/2板18Zを配置して、本発明の光学素子を構成している。
すなわち、光学素子52に光が入射すると、まず、第2B反射層16bのB反射コレステリック液晶層26Bで青色光の右円偏光が反射され、次いで、第2G反射層14bのG反射コレステリック液晶層26Gで緑色光の右円偏光が反射され、次いで、第2R反射層12bのR反射コレステリック液晶層26Rで赤色光の右円偏光が反射される。
また、第2R反射層12bと第2G反射層14bと第2B反射層16bとの積層体を透過した光は、λ/2板18Zに入射、透過して、左円偏光が右円偏光に変換される。
λ/218Zを透過した光は、まず、第1B反射層16aのB反射コレステリック液晶層26Bで青色光の右円偏光が反射され、次いで、第1G反射層14aのG反射コレステリック液晶層26Gで緑色光の右円偏光が反射され、次いで、第1R反射層12aのR反射コレステリック液晶層26Rで赤色光の右円偏光が反射される。
従って、赤色光、緑色光および青色光の右円偏光および左円偏光を、同じ方向に反射できるので、高光量の反射光を所定の方向に反射できる。
また、図示例の光学素子52は、選択反射中心波長が異なるコレステリック液晶層を用いるR反射部材12、G反射部材14およびB反射部材16において、コレステリック液晶層の選択反射中心波長の順列と、液晶配向パターンの1周期Λの順列とが一致しているので、光の反射角度の波長依存性を大幅に少なくして、赤色光、緑色光および青色光を、ほぼ同じ方向に反射できる。
さらに、光学素子52においても、積層方向に向かって、コレステリック液晶層の選択反射中心波長が、順次、長くなるように、各反射層を積層することにより、前述の光学素子50と同様、ブルーシフトによる影響を低減できる。
ここで、光学素子52は、1層のλ/2板18Zで、赤色光、緑色光および青色光に対応する。そのため、λ/2板18Zは、複屈折率が逆分散となる液晶材料を用いて構成する(逆分散性を有する位相差板を用いる)等によって、広い波長領域の光に対応できるようにするのが好ましい。
上述の本発明の光学素子は、いずれの光学素子も、コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおける液晶化合物30の光学軸30Aは、矢印X方向のみに沿って、連続して回転している。
しかしながら、本発明は、これに制限はされず、コレステリック液晶層において、液晶化合物30の光学軸30Aが一方向に沿って連続して回転するものであれば、各種の構成が利用可能である。
あるいは、同心円状ではなく、液晶化合物30の光学軸の向きが連続的に回転しながら変化する一方向が、コレステリック液晶層34の中心から放射状に設けられた液晶配向パターンも、利用可能である。
さらに、図10では、コレステリック液晶層34を1層のみ示すが、本発明の光学素子は、コレステリック液晶層の組み合わせを有するのは、前述のとおりである。また、好ましい構成および各種の態様は、前述の各種の実施形態と同様である。
コレステリック液晶層34では、液晶化合物30の光学軸の向きは、コレステリック液晶層34の中心から外側に向かう多数の方向、例えば、矢印A1で示す方向、矢印A2で示す方向、矢印A3で示す方向…に沿って、連続的に回転しながら変化している。
また、好ましい態様として、図10に示すようにコレステリック液晶層34の中心から放射状に、同じ方向に回転しながら変化するものが挙げられる。図10で示す態様は、反時計回りの配向である。図10中の矢印A1、A2およびA3の各矢印において、光学軸の回転方向は、中心から外側に向かうにつれて反時計回りとなっている。
この液晶配向パターンを有するコレステリック液晶層34に入射した円偏光は、液晶化合物30の光学軸の向きが異なる個々の局所的な領域において、それぞれ、絶対位相が変化する。この際に、それぞれの絶対位相の変化量は、円偏光が入射した液晶化合物30の光学軸の向きに応じて異なる。
すなわち、コレステリック液晶層の液晶配向パターンを同心円状とすることにより、本発明の光学素子は、例えば、凹面鏡または凸面鏡としての機能を発現する。
前述のように、入射方向に対する光の反射角度は、液晶配向パターンにおける1周期Λが短いほど、大きくなる。従って、液晶配向パターンにおける1周期Λを、コレステリック液晶層34の中心から、光学軸が連続的に回転する1方向の外方向に向かって、漸次、短くすることにより、光を、より集束でき、凹面鏡としての性能を、向上できる。
また、コレステリック液晶層34の中心から、光学軸が連続的に回転する1方向の外方向に向かって、光学軸が180°回転する1周期Λを、漸次、短くすることにより、コレステリック液晶層による光を、より発散でき、凸面鏡としての性能を、向上できる。
また、コレステリック液晶層34の中心から、光学軸が連続的に回転する1方向の外方向に向かって、光学軸が180°回転する1周期Λを、漸次、短くすることにより、コレステリック液晶層が反射する光を、より発散でき、凸面鏡としての性能を、向上できる。
なお、コレステリック液晶層の螺旋状に旋回する方向を逆にした上で、液晶配向パターンにおいて光学軸の連続的な回転方向を、コレステリック液晶層34の中心から、逆方向に回転させることで、光学素子を凹面鏡として作用させることができる。
Φ(r)=(π/λ)[(r2+f2)1/2−f]・・・式(4)
ここで、rは同心円の中心からの距離で式『r=(x2+y2)1/2』で表わされる。xおよびyは面内の位置を表し、(x、y)=(0、0)は同心円の中心を表す。Φ(r)は中心からの距離rにおける光学軸の角度、λはコレステリック液晶層の選択反射中心波長、fは目的とする焦点距離を表わす。
さらに、例えば反射光に光量分布を設けたい場合など、光学素子の用途によって、光学軸が連続的に回転する1方向に向かって、1周期Λを、漸次、変更するのではなく、光学軸が連続的に回転する1方向において、部分的に1周期Λが異なる領域を有する構成も利用可能である。
さらに、本発明の光学素子は、1周期Λが全面的に均一なコレステリック液晶層と、1周期Λが異なる領域を有するコレステリック液晶層とを有してもよい。この点に関しては、図1に示すような、一方向のみに光学軸が連続的に回転する構成でも、同様である。
露光装置80は、レーザ82を備えた光源84と、レーザ82からのレーザ光MをS偏光MSとP偏光MPとに分割する偏光ビームスプリッター86と、P偏光MPの光路に配置されたミラー90AおよびS偏光MSの光路に配置されたミラー90Bと、S偏光MSの光路に配置されたレンズ92と、偏光ビームスプリッター94と、λ/4板96とを有する。
P偏光MPおよびS偏光MSは、偏光ビームスプリッター94で合波されて、λ/4板96によって偏光方向に応じた右円偏光および左円偏光となって、支持体20の上の配向膜24に入射する。
ここで、右円偏光と左円偏光の干渉により、配向膜24に照射される光の偏光状態が干渉縞状に周期的に変化するものとなる。同心円の内側から外側に向かうにしたがい、左円偏光と右円偏光の交差角が変化するため、内側から外側に向かってピッチが変化する露光パターンが得られる。これにより、配向膜24において、配向状態が周期的に変化する同心円状の配向パターンが得られる。
また、レンズ92の屈折力を調節することによって、光学軸が連続的に回転する一方向において、液晶配向パターンの1周期の長さΛを変更できる。具体的には、平行光と干渉させる、レンズ92で広げる光の広がり角によって、光学軸が連続的に回転する一方向において、液晶配向パターンの1周期の長さΛを変えることができる。より具体的には、レンズ92の屈折力を弱くすると、平行光に近づくため、液晶配向パターンの1周期の長さΛは、内側から外側に向かって緩やかに短くなり、Fナンバーは大きくなる。逆に、レンズ92の屈折力を強めると、液晶配向パターンの1周期の長さΛは、内側から外側に向かって急に短くなり、Fナンバーは小さくなる。
例えば、液晶配向パターンの1周期Λを、矢印X方向に向かって、漸次、短くすることにより、集光するように光を反射する光学素子を得ることができる。
また、液晶配向パターンにおいて光学軸が180°回転する方向を逆にすることにより、矢印X方向にのみ拡散するように光を反射する光学素子を得ることができる。コレステリック液晶層が反射する円偏光の方向(螺旋構造のセンス)を逆にすることでも、矢印X方向にのみ拡散するように光を反射する光学素子を得ることができる。なお、コレステリック液晶層が反射する円偏光の方向を逆にした上で、液晶配向パターンにおいて光学軸が180°回転する方向を逆にすることにより、集光するように光を反射する光学素子を得ることができる。
さらに、例えば反射光に光量分布を設けたい場合など、光学素子の用途によって、矢印X方向に向かって、1周期Λを漸次、変更するのではなく、矢印X方向において、部分的に1周期Λが異なる領域を有する構成も利用可能である。例えば、部分的に1周期Λを変更する方法として、集光したレーザ光の偏光方向を任意に変えながら、光配向膜をスキャン露光してパターニングする方法等を利用することができる。
前述のように、光学素子50は、反射角度の波長依存性が小さいので、ディスプレイ40が照射した赤色光、緑色光および青色光を同じ方向に反射できる。そのため、1枚の導光板42で、赤色画像、緑色画像および青色画像を伝播しても、色ズレのないフルカラー画像を、導光板からARグラスの使用者Uによる観察位置に出射できる。従って、本発明の光学素子50を用いることにより、ARグラスの導光板を、全体的に薄く、軽くして、ARグラスの構成を簡略化できる。
なお、本発明の光学素子を利用する導光素子は、図12に示すように、導光板42に、互いに離間する2つの本発明の光学素子を設ける構成に制限はされず、導光板42への光の導入のため、または、導光板42から光を出射するため、導光板に本発明の光学素子を1つのみ、設けた構成であってもよい。
例えば、本発明の光学素子は、赤色光のみを反射するものでも、青色光のみを反射するものでも、赤外線のみを反射するものでも、紫外線のみを反射するものでもよい。
また、本発明の光学素子は、赤色光、緑色光および青色光等の可視光から選択される1色または2色と、赤外線および/または紫外線を反射する構成でもよく、可視光以外の光のみを反射する構成でもよい。あるいは、本発明の光学素子は、赤色光、緑色光および青色光に加え、赤外線および/または紫外線を反射する構成でもよく、可視光以外の光のみを反射する構成でもよい。あるいは、本発明の光学素子は、赤色光、緑色光および青色光から選択される2色を反射する構成、または、赤色光、緑色光および青色光から選択される1色と、赤外線または紫外線とを反射する構成でもよく、可視光以外の光のみを反射する構成でもよい。
<第1G反射層および第2G反射層の作製>
(支持体、および、支持体の鹸化処理)
支持体として、市販されているトリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム社製、Z−TAC)を用意した。
支持体を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させて、支持体の表面温度を40℃に昇温した。
その後、支持体の片面に、バーコーターを用いて下記に示すアルカリ溶液を塗布量14mL(リットル)/m2で塗布し、支持体を110℃に加熱し、さらに、スチーム式遠赤外ヒーター(ノリタケカンパニーリミテド社製)の下を、10秒間搬送した。
続いて、同じくバーコーターを用いて、支持体のアルカリ溶液塗布面に、純水を3mL/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗およびエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンを10秒間搬送して乾燥させ、支持体の表面をアルカリ鹸化処理した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
水酸化カリウム 4.70質量部
水 15.80質量部
イソプロパノール 63.70質量部
界面活性剤
SF−1:C14H29O(CH2CH2O)2OH 1.0 質量部
プロピレングリコール 14.8 質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
支持体のアルカリ鹸化処理面に、下記の下塗り層形成用塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。塗膜が形成された支持体を60℃の温風で60秒間、さらに100℃の温風で120秒間乾燥し、下塗り層を形成した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記変性ポリビニルアルコール 2.40質量部
イソプロピルアルコール 1.60質量部
メタノール 36.00質量部
水 60.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下塗り層を形成した支持体上に、下記の配向膜形成用塗布液を#2のワイヤーバーで連続的に塗布した。この配向膜形成用塗布液の塗膜が形成された支持体を60℃のホットプレート上で60秒間乾燥し、配向膜を形成した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記光配向用素材 1.00質量部
水 16.00質量部
ブトキシエタノール 42.00質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 42.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
図5に示す露光装置を用いて配向膜を露光して、配向パターンを有する配向膜P−1を形成した。
露光装置において、レーザとして波長(325nm)のレーザ光を出射するものを用いた。干渉光による露光量を100mJ/cm2とした。なお、2つのレーザ光およびの干渉により形成される配向パターンの1周期(光学軸が180°回転する長さ)は、2つの光の交差角(交差角α)を変化させることによって制御した。
コレステリック液晶層を形成する液晶組成物として、下記の組成物A−1を調製した。この組成物A−1は、選択反射中心波長が530nmで、右円偏光を反射するコレステリック液晶層(コレステリック液晶相)を形成する、液晶組成物である。
組成物A−1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物L−1 100.00質量部
重合開始剤(BASF製、Irgacure(登録商標)907)
3.00質量部
光増感剤(日本化薬製、KAYACURE DETX−S)
1.00質量部
キラル剤Ch−1 5.68質量部
レベリング剤T−1 0.08質量部
メチルエチルケトン 268.20質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
このようなG反射コレステリック反射層の形成を、2枚の支持体に対して行い、第1G反射層および第2G反射層を作製した。
G反射層の断面をSEM(Scanning Electron Microscope)で確認したところ、G反射層のコレステリック液晶相は8ピッチであった。
G反射コレステリック液晶層は、図3に示すような周期的な配向表面になっていることを偏光顕微鏡で確認した。なお、このG反射コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物由来の光学軸が180°回転する1周期は、1.1μmであった。
(支持体および配向膜の形成)
第1G反射層(第2G反射層)と同様にして、支持体を形成し、支持体の鹸化処理を行い、下塗り層を形成して、配向膜を形成した。
形成した配向膜に偏光紫外線(50mJ/cm2、超高圧水銀ランプ使用)を照射することで、配向膜の露光を行った。
λ/2層を形成する液晶組成物として、下記の組成物R−1を調製した。
組成物R−1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶化合物L−2 42.00質量部
液晶化合物L−3 42.00質量部
液晶化合物L−4 16.00質量部
重合開始剤PI−1 0.50質量部
レベリング剤G−1 0.20質量部
メチルエチルケトン 176.00質量部
シクロペンタノン 44.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
λ/2板は、調製した組成物R−1を配向膜上に塗布することにより形成した。塗布した塗膜をホットプレート上で70℃に加熱し、その後、65℃に冷却した。その後、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を500mJ/cm2の照射量で塗膜に照射することにより、液晶化合物の配向を固定化した。
これにより、λ/2板を作製した。作製したλ/2板のRe(530)は、265nmであった。
このようにして作製した第1G反射層および第2G反射層、λ/2板を、図1に示す光学素子と同様に第1G反射層、λ/2板および第2G反射層の順番で、接着剤(綜研化学社製、SKダイン2057)で貼り合わせて、光学素子を作製した。第1G反射層および第2G反射層は、液晶化合物の光学軸が回転しながら連続的に変化する方向を一致させた。
以下、接着剤は、同じものを用いた。
<第1G反射層および第2G反射層の作製>
図5に示す露光装置によって配向膜を露光する際の2つの光の交差角を変更した以外は、配向膜P−1と同様にして、配向パターンを有する配向膜P−2を形成した。
組成物B−1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
液晶化合物L−2 80.00質量部
液晶化合物L−3 20.00質量部
重合開始剤(BASF製、Irgacure(登録商標)907)
5.00質量部
キラル剤Ch−2 4.25質量部
メガファックF444(DIC製) 0.50質量部
メチルエチルケトン 255.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
G反射コレステリック液晶層は、図3に示すような周期的な配向表面になっていることを偏光顕微鏡で確認した。なお、このG反射コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物由来の光学軸が180°回転する1周期は、1.1μmであった。
この第1G反射層および第2G反射層を用いて、実施例1と同様に光学素子を作製した。
<第1G反射層および第2G反射層の作製>
キラル剤Ch−1の添加量を5.92質量部に変更した以外は、組成物A−1と同様に、組成物A−2を調製した。この組成物A−2は、選択反射中心波長が510nmで、右円偏光を反射するコレステリック液晶層を形成する、液晶組成物である。
また、 キラル剤Ch−1の添加量を5.46質量部に変更した以外は、組成物A−1と同様に、組成物A−3を調製した。この組成物A−3は、選択反射中心波長が550nmで、右円偏光を反射するコレステリック液晶層を形成する、液晶組成物である。
組成物A−2を用いた以外は、実施例1と同様にG反射コレステリック液晶層を形成して、第1G反射層を作製した。このG反射コレステリック層の半値透過率の2つの波長は476nmおよび545nmで、波長間帯域Δλhは69nmであった。従って、0.8×Δλh=55.2である。
また、組成物A−3を用いた以外は、実施例1と同様にG反射コレステリック液晶層を形成して、第2G反射層を作製した。このG反射コレステリック層の半値透過率の2つの波長は515nmおよび586nmで、波長間帯域Δλhは71nmであった。従って、0.8×Δλh=56.8である。
第1G反射層のG反射コレステリック層の選択反射中心波長は510nm、第2G反射層のG反射コレステリック層の選択反射中心波長葉550nmで、両者の差は40nmであるので、『0.8×Δλh』以下である。
なお、コレステリック液晶層の半値透過率の2つの波長の測定は、分光光度計(島津製作所製、UV−3150)によって行った。
この第1G反射層および第2G反射層を用いて、実施例1と同様に光学素子を作製した。
λ/2板を用いない以外は、実施例1と同様にして光学素子を作製した。
[比較例2]
λ/2板を用いない以外は、実施例2と同様にして光学素子を作製した。
[比較例3]
λ/2板を用いない以外は、実施例3と同様にして光学素子を作製した。
<第1G反射層および第2G反射層の作製>
配向膜を露光する露光装置として、図11に示す露光装置を用いた以外は、配向膜P−1と同様にして配向膜P−3を形成した。なお、図11に示す露光装置を用いることによって、配向パターンの1周期が、外方向に向かって、漸次、短くなるようにした。
組成物A−1を配向膜P−3に多層塗布した以外は、実施例1のと同様にして、G反射コレステリック液晶層を形成して、第1G反射層および第2G反射層を作製した。
G反射コレステリック液晶層は、図10に示すような同心円状(放射状)の周期的な配向表面になっていることを偏光顕微鏡で確認した。なお、このR反射コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物由来の光学軸が180°回転する1周期は、中心部の1周期が326μmで、中心から2.5mmの距離での1周期が10.6μm、中心から5.0mmの距離での1周期が5.3μmで、外方向に向かって1周期が短くなる液晶配向パターンであった。
表1には中心から5.0mmの距離での1周期を記載している。
λ/2板を用いない以外は、実施例4と同様にして光学素子を作製した。
<第1B反射層および第2B反射層の作製>
図5に示す露光装置によって配向膜を露光する際の2つの光の交差角を変更した以外は、配向膜P−1と同様にして、配向パターンを有する配向膜P−4を形成した。
また、キラル剤Ch−1の添加量を6.77質量部に変更した以外は、組成物A−1と同様にして、コレステリック液晶層を形成する組成物A−4を調製した。この組成物A−4は、選択反射中心波長が450nmで、右円偏光を反射するコレステリック液晶層を形成する、液晶組成物である。
組成物A−4を配向膜P−4上に多層塗布した以外は、実施例1のG反射コレステリック液晶層と同様に、B反射コレステリック液晶層を形成して、第1B反射層および第2B反射層を作製した。
B反射コレステリック液晶層は、図3に示すような周期的な配向表面になっていることを偏光顕微鏡で確認した。なお、このB反射コレステリック液晶層の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物由来の光学軸が180°回転する1周期は、0.9μmであった。
実施例1のλ/2板の作製において、Re(450)が225nmとなるように膜厚を調節した以外は、実施例1と同様にしてλ/2板を作製した。
このようにして作製した第1B反射層および第2B反射層、λ/2板を、図8に示す光学素子と同様に第1B反射層、λ/2板および第2B反射層の順番で、接着剤で貼り合わせて、B反射部材を作製した。第1G反射層および第2G反射層は、液晶化合物の光学軸が回転しながら連続的に変化する方向を一致させた。
実施例1の光学素子を、G反射部材とした。
B反射部材とG反射部材とを、接着剤で貼り合わせて、光学素子を作製した。B反射部材とG反射部材は、反射層の液晶化合物の光学軸が回転しながら連続的に変化する方向を一致させた。
λ/2板を用いない以外は、実施例5と同様にして光学素子を作製した。
<λ/2板の作製>
実施例1と同じλ/2板を作製した。
このλ/2板の一方の面に、実施例5と同様の第2G反射層および実施例1と同様の第2B反射層を、λ/2板側から、この順番で接着剤で貼り合わせ、他方の面に、実施例1と同様の第1B反射層および実施例5と同様の第1G反射層を、λ/2板側から、この順番で接着剤で貼り合わせ、光学素子を作製した。
各反射層は、液晶化合物の光学軸が回転しながら連続的に変化する方向を一致させた。
作製した光学素子に、法線方向(正面すなわち法線に対する角度0°の方向)から光を入射した際における、緑色光、または、緑色光および青色光の反射光の、入射光に対する角度(反射角度)を測定した。光の入射は、第2反射層を表面とする側からとした。
具体的には、緑色光(530nm)および青色光(450nm)に出力の中心波長を持つレーザ光を、作製した光学素子に、法線方向に100cm離れた位置から垂直入射させ、反射光を100cmの距離に配置したスクリーンで捉えて、反射角度を算出した。なお、実施例1〜3および比較例1〜3は、緑色光のみで測定を行った。
また、実施例5および実施例6、ならびに、比較例5および比較例6では、緑色光および青色光の平均反射角度を算出し、さらに、平均反射角度θaveと、緑色光および青色光のうちの最大反射角度θmaxおよび最小反射角度θminとから、下記の式によって、反射の波長依存性PE[%]を算出した。PEが小さいほど、反射の波長依存性が低い。
PE[%]=[(θmax−θmin)/θave]×100
PEが10%以下の場合をA、
PEが10%超20%以下の場合をB、
PEが20%超30%以下の場合をC、
PEが30%超の場合をD、と評価した。
図13に示す方法で、相対光強度を測定した。
作製した光学素子に正面(法線に対する角度0°の方向)から光を入射した際における、反射光の、入射光に対する相対光強度を測定した。
具体的には、530nmに出力中心波長を持つレーザ光Lを、光源100から、作製した光学素子Sに垂直入射させた。反射角θで反射された反射光Lrの光強度を光検出器102で測定した。そして、反射光Lrの光強度と光Lの光強度との比をとり、反射光Lrの入射光(レーザ光L)に対する相対光強度値を求めた(反射光Lr/レーザ光L)。反射角θは、先に測定した反射角度(実施例4および比較例4は焦点距離を測定した点からの反射光の角度)とした。
なお、選択反射中心波長が450nmのB反射コレステリック液晶層を有する反射層を積層した光学素子に対しては、450nmに出力中心波長を持つレーザ光Lを入射光として用いた測定も行い、波長530nmのレーザ光Lによる測定と、波長450nmのレーザ光による測定との平均値で評価した。
相対光強度が0.8以上1.0以下の場合をA、
相対光強度が0.5以上0.8未満の場合をB、
相対光強度が0.5未満の場合をC、と評価した。
結果を下記の表に示す。
また、実施例5および実施例6に示されるように、互いにコレステリック液晶層の選択反射中心波長が異なる、複数のコレステリック液晶層の組み合わせを有する場合おいて、コレステリック液晶層の選択反射中心の順列と液晶配向パターンにおける1周期の順列とを一致させることで、反射の波長依存性を低くできる。
12 R反射部材
12a 第1R反射層
12b 第2R反射層
14 G反射部材
14a 第1G反射層
14b 第2G反射層
16 B反射部材
16a 第1B反射層
16b 第2B反射層
18,18B,18G,18R,18Z λ/2板
20 支持体
24B B配向膜
24G G配向膜
24R R配向膜
26B B反射コレステリック液晶層
26G G反射コレステリック液晶層
26R R反射コレステリック液晶層
30 液晶化合物
30A 光学軸
34 コレステリック液晶層
40 ディスプレイ
42 導光板
60,80 露光装置
62.82 レーザ
64,84 光源
68,86,94 偏光ビームスプリッター
70A,70B,90A,90B ミラー
72A,72B,96 λ/4板
92 レンズ
100 半導体レーザ
102 直線偏光子
104 λ/4板
BL 青色光の左円偏光
BR 青色光の右円偏光
GL 緑色光の左円偏光
GR 緑色光の右円偏光
RL 赤色光の左円偏光
RR 赤色光の右円偏光
M レーザ光
MA,MB 光線
MP P偏光
MS S偏光
PO 直線偏光
PR 右円偏光
PL 左円偏光
Q 絶対位相
E 等位相面
U 使用者
S サンプル
T 第2支持体
L 光
Lt 回折光
Lt1 出射光
Lt2 反射光
Claims (10)
- 複数層のコレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層と、λ/2板とを、積層してなる光学素子であって、
前記コレステリック液晶層は、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するものであり、
前記液晶配向パターンの、前記液晶化合物由来の光学軸の向きが連続的に回転しながら変化する前記一方向における、前記液晶化合物由来の光学軸の向きが180°回転する長さを1周期とした際に、
反射する円偏光の旋回方向が同じで、かつ、選択的な反射波長領域の少なくとも一部が重複する、2層の前記コレステリック液晶層の組み合わせである反射層対を、少なくとも1組、有し、
前記反射層対を構成するコレステリック液晶層の間に、前記λ/2板を有し、
前記反射層対を構成するコレステリック液晶層は、前記液晶化合物由来の光学軸の回転方向および変化の方向が同じであることを特徴とする光学素子。 - 前記反射層対を構成するコレステリック液晶層は、前記1周期の長さが等しい、請求項1に記載の光学素子。
- 前記反射層対を構成するコレステリック液晶層は、半値透過率の2つの波長間帯域をΔλhとしたとき、選択反射中心波長の差が0.8×Δλhnm以下である、請求項1または2に記載の光学素子。
- 前記反射層対を構成するコレステリック液晶層は、同じ前記コレステリック液晶層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記反射層対を、複数組、有し、異なる前記反射層対の間では、前記反射層対を構成するコレステリック液晶層の選択反射中心波長が、互いに異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記異なる反射層対の間では、
前記反射層対を構成するコレステリック液晶層の前記1周期が、互いに異なる、請求項5に記載の光学素子。 - 前記異なる反射層対の間では、
前記反射層対を構成するコレステリック液晶層における、選択反射中心波長の長さの順列と、前記1周期の長さの順列とが、一致している、請求項6に記載の光学素子。 - 1組の前記反射層対毎に、前記反射層対を構成するコレステリック液晶層の間に、前記λ/2板が設けられる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の光学素子。
- 選択反射中心波長が互いに異なる前記コレステリック液晶層を、複数層、積層した、同じ前記コレステリック液晶層からなる積層体を、2つ、有し、
前記2つの積層体の間に、前記λ/2板が設けられる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の光学素子。 - 前記コレステリック液晶層の選択反射中心波長が、順次、長くなるように、複数組の前記反射層対を配置し、
前記コレステリック液晶層の選択反射中心波長が短い側の前記反射層対を、光入射側とする、請求項5〜9のいずれか1項に記載の光学素子。
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