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JP6933762B2 - 差厚パイプの押出成形方法及び差厚パイプの押出成形装置 - Google Patents
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JP6933762B2 - 差厚パイプの押出成形方法及び差厚パイプの押出成形装置 - Google Patents

差厚パイプの押出成形方法及び差厚パイプの押出成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、差厚パイプの押出成形方法及び差厚パイプの押出成形装置に関する。
当該技術分野においては、厚肉部において所望の機械的強度を達成しつつ薄肉部(厚肉部以外の部分)において軽量化を図ることを目的としてパイプの軸方向における一部分に厚肉部が形成された差厚パイプ(「バテッドパイプ」及び「バテッドチューブ」等とも称呼される)が知られている。
上記のような差厚パイプの製造方法としては、例えば、素管の一端を絞り加工する工程と、該一端を絞り加工されたパイプ内に、両端部に小径部を有するとともに中間部に大径部を有し且つ該大径部と前記小径部との間にテーパー部を有する第1の芯金を挿入した後に所要径のダイス内を通過せしめパイプ内周面を前記第1の芯金の外周面に密着させることによりパイプ両端部に厚肉部を形成する工程と、該工程によりパイプ内に握持された第1の芯金を抜き取る工程と、該工程により抜き取り側の厚肉部が外周部に転移したパイプ内に前記第1の芯金の小径部と同一径からなる第2の芯金を挿入した後に所要径のダイス内を通過せしめ前記外周部に転移した厚肉部を再度内周部に転移させる工程と、該工程によりパイプに握持された第2の芯金を引き抜く工程とからなることを特徴とするダブルインナーバテッドパイプの製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
上記製造方法によれば、ダイス及び芯金を交換することにより多種多様なダブルインナーバテッドパイプを低コストにて製造することができ、自転車のフレーム等に使用される材料として理想的な素材を得ることができるとされている。しかしながら、上記製造方法は、目的とするダブルインナーバテッドパイプを得るために多くの工程を必要とする。また、第1の芯金を挿入した状態において所要径のダイス内を通過させることによりパイプ両端部に形成された後に第1の芯金を抜き取る工程により外周部に転移した厚肉部は加工硬化(歪み硬化)により硬度が高まることから、当該厚肉部を再度内周部に転移させるためには非常に高い加工荷重が必要とされる。従って、上記製造方法によっては、高い生産効率及び低いコストにて差厚パイプを製造することは困難である。
一方、当該技術分野においては、少なくとも1つの中空部を有する押出材の製造方法において、当該押出材の外周面を成形するダイスに対し、中空部を成形するマンドレルを移動させながらポンチを前進させて素管を押し出すことにより、押出軸線方向において断面形状が変化する可変断面押出材の製造方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
上記製造方法によれば、押出過程においてダイスとマンドレルとの位置関係を変化させることにより、用途に応じて、長さ方向の各部位に必要な断面形状或いは断面積を有する可変断面押出材を得ることができるとされている。しかしながら、上記製造方法によって所望の断面形状或いは断面積を有する可変断面押出材を得るためには、ダイスとマンドレルとの位置関係並びにマンドレルの移動方向及び移動速度を制御するための機構が必要である。従って、上記製造方法を実施するための装置の大型化及び構成の複雑化を招き、結果として差厚パイプの製造コストの増大を招く虞がある。
特開昭57−56117号公報 特開2001−191110号公報
上述したように、当該技術分野においては、高い生産効率及び低いコストにて差厚パイプを成形することが可能な製造方法及び製造装置に対する需要が存在する。
上記課題に鑑み、本発明者は、鋭意研究の結果、芯金が挿入された素管を先端側に小内径部を有するダイスに押し込むことにより縮径を行う押出加工において、先端に小横断面部が形成された芯金を用いることにより、先端に厚肉部を有する差厚パイプを容易に成形することができることを見出した。また、先端に薄肉部が形成された素管を使用することにより軸方向における途中の位置に厚肉部を有する差厚パイプを成形することもできる。このような素管は、例えば、上記のように厚肉部を形成する工程に先立ち、先端に小横断面部を備えない芯金を用いる押出加工によって成形することができる。更に、より高い寸法精度が求められる場合は、厚肉部を形成する工程において所謂「カウンターパンチ」を使用してもよい(詳しくは、本発明の種々の実施形態に関する説明において後述する)。
具体的には、本発明に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「本発明方法」と称呼される場合がある。)は、第1押出成形装置において実行される第1工程を含む。第1押出成形装置は、所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備える。第1工程は、所定の形状を有する第1素管の所定の位置に第1芯金が挿入された状態において素管と第1芯金との組を第1駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。
第1素管は、所定の肉厚である第1肉厚及び所定の外径である第1外径を有する筒状の部材である。本発明方法によって成形される差厚パイプは、第1薄肉部と、第1厚肉部と、を含む。第1薄肉部は、第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚及び第1外径よりも小さい所定の外径である第2外径を有する部分である。第1厚肉部は、第2肉厚よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚及び第2外径を有する部分である。
第1芯金は、第1小横断面部と、第1大横断面部と、第1横断面拡大部と、を含む。第1小横断面部は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である。第1大横断面部は、押出方向における上流側である基端側に形成され且つ第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である。第1横断面拡大部は、第1小横断面部と第1大横断面部との間に形成され且つ第1小横断面部から第1大横断面部へと近付くにつれて第1横断面から第2横断面へと横断面が拡大する部分である。
尚、第1厚肉部及び第1薄肉部の内部空間の横断面の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角形状、楕円形状及び円形状等、多種多様な形状とすることができる。換言すれば、第1厚肉部及び第1薄肉部の内部空間の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。例えば、第1厚肉部及び第1薄肉部の内部空間がそれぞれ円柱状の形状を有する場合、第1小横断面部は第1厚肉部の内径に対応する外径である第3外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、第1大横断面部を第1薄肉部の内径に対応する外径である第4外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、第1横断面拡大部は第1小横断面部から第1大横断面部へと近付くにつれて第3外径から第4外径へと外径が増大する形状を有する部分である。
第1ダイス孔は、第1大内径部と、第1小内径部と、第1内径減少部と、を含む。第1大内径部は、基端側に形成され且つ第1外径に対応する内径である第1内径を有する部分である。第1小内径部は、先端側に形成され且つ第2外径に対応する内径である第2内径を有する部分である。第1内径減少部は、第1大内径部と第1小内径部との間に形成され且つ第1大内径部から第1小内径部へと近付くにつれて第1内径から第2内径へと内径が減少する部分である。
尚、第1工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第1小横断面部の基端側の端部は第1小内径部の基端側の端部よりも基端側の位置にある。
本発明方法の1つの態様においては、第3肉厚よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚及び第2外径以下の所定の外径である第5外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を用いて第1工程が実行される。これにより、第1厚肉部よりも先端側に第2薄肉部を更に含む差厚パイプを成形することができる。第2素管は、第1工程の前に、所定の形状を有する芯金である第3芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第2ダイス孔が形成された第2ダイスと、第2ダイス孔に第3芯金を押し込むように構成された第2駆動機構と、を備える第2押出成形装置において、第2工程を実行することにより成形することができる。第2工程は、第1素管の所定の位置に第3芯金が挿入された状態におい第1素管と第3芯金との組を第2駆動機構によって第2ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、第1素管の先端側の端部に第2薄肉部を成形する工程である。尚、第2工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第3芯金の先端側の端部は第2小内径部の基端側の端部と同じ位置又は第2小内径部の基端側の端部よりも先端側の位置にある。
本発明方法のもう1つの態様においては、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域が押出加工を施さずに残される。これにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を基端側の端部に更に含む差厚パイプを成形することができる。また、詳しくは後述するように、上記のようにして形成される第2厚肉部の第1薄肉部よりも径方向において外側に突出している部分(第2外径よりも外側の部分)を、所定の構成を有する第1押圧部を更に備える第1芯金を用いて切除してもよい。
本発明方法の更にもう1つの態様においては、第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が前記第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は前記第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である第3薄肉部を基端側の端部に更に備える第1素管である第3素管を用いて第1工程が実行される。この際、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第3厚肉部を第1素管における第3薄肉部の先端側の端部に隣接する領域に残すことにより、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を更に含む差厚パイプを成形することができる。即ち、軸方向における途中の位置に他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを成形することができる。
また、本発明は、上述した本発明方法を実行することにより差厚パイプを成形する、差厚パイプの押出成形装置(以降、「本発明装置」と称呼される場合がある。)にも関する。
本発明によれば、上述した第1工程を実行することにより、先端に厚肉部を有する差厚パイプを容易に成形することができる。また、先端側の端部に薄肉部を更に備える素管を用いて第1工程を実行することにより、軸方向における途中の位置に厚肉部を有する差厚パイプを容易に成形することができる。更に、基端側の端部に第2厚肉部を有する差厚パイプ及び軸方向における途中の位置に第3厚肉部を有する差厚パイプを容易に成形することができる。即ち、本発明によれば、高い生産効率及び低いコストにて様々な構成を有する差厚パイプを製造することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第1方法)において使用される第1素管及び第1素管から成形される差厚パイプの構成の一例を示す模式的な断面図である。 第1方法において使用される第1芯金及び第1ダイスの構成の一例を示す模式的な断面図である。 第1方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第1素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 第1方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第1方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第1方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第1方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第1方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。
本発明の第2実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第2方法)において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第1素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 第2方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第2芯金の位置並びに第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第2方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第2芯金の位置並びに第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第2方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第2芯金の位置並びに第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第2方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第2芯金の位置並びに第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第2方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第2芯金の位置並びに第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。
本発明の第3実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第3方法)において使用される第2素管及び当該素管から成形される差厚パイプの構成の一例を示す模式的な断面図である。 第3方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第2素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 第3方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第3方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第3方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第3方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第3方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 本発明の第4実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第4方法)に含まれる第2工程において使用される第3芯金及び第2ダイスの構成の一例を示す模式的な断面図である。 第4方法において実行される第2工程における押出加工の実行に伴う第1素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。
本発明の第5実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第5方法)において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第2素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 第5方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第4芯金の位置並びに第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第5方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第4芯金の位置並びに第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第5方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第4芯金の位置並びに第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第5方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第4芯金の位置並びに第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 第5方法において実行される第1工程における押出加工の各段階における第1芯金及び第4芯金の位置並びに第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。 本発明の第6実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第6方法)によって成形される差厚パイプの構成の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第7実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第7方法)において実行される第1工程及び第3工程における第2素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第8実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第8方法)において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第3素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。
本発明の第9実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第9方法)に含まれる第4工程において使用される第5芯金及び第3ダイスの構成の一例を示す模式的な断面図である。 第9方法において実行される第4工程における押出加工の実行に伴う第1素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第10実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第10方法)において使用される第2素管及び当該素管から成形される差厚パイプの構成の1つの例を示す模式的な断面図である。 第10方法において使用される第6芯金及び第1ダイスの構成の1つの例を示す模式的な断面図である。 第10方法において実行される第5工程における押出加工の実行に伴う第2素管の形状の変化の1つの例を示す模式的な断面図である。 第10方法において使用される第2素管及び当該素管から成形される差厚パイプの構成のもう1つの例を示す模式的な断面図である。 本発明の第11実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(第11方法)において使用される第7芯金及び第1ダイスの構成の1つの例を示す模式的な断面図である。 第11方法において実行される第6工程における押出加工の実行に伴う第3素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。 第11方法によって成形される差厚パイプの構成の幾つかの具体例を示す模式図である。
《第1実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第1方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第1方法は、第1押出成形装置において実行される第1工程を含む。第1押出成形装置は、所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備える。第1押出成形装置の基本的な構成については当業者に周知であるので詳細な説明は省略するが、芯金及びダイスを始めとする構成要素は、例えば後述する押出加工において構成要素に作用する荷重等の加工条件に耐え得る性質(例えば、機械的強度及び耐久性等)を有する材料によって構成される。また、第1ダイス孔に第1芯金を押し込むための第1駆動機構は、押出加工に付される第1素管を構成する材料の性質(例えば、機械的強度及び硬度等)に応じて、当該技術分野において周知の種々の駆動機構の中から適宜選択することができる。典型的には、例えば油圧式プレス機等のプレス機が第1駆動機構として採用される。
第1工程は、所定の形状を有する第1素管の所定の位置に第1芯金が挿入された状態において第1素管と第1芯金との組を第1駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。この第1工程において使用される第1素管、第1芯金及び第1ダイス、並びに第1工程を実行することによって成形される差厚パイプの詳細につき、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、第1方法において使用される第1素管及び第1素管から成形される差厚パイプの構成の一例を示す模式的な断面図である。図1の(a)に示すように、第1素管11は、所定の肉厚である第1肉厚T1及び所定の外径である第1外径DO1を有する筒状の部材である。第1素管11を構成する材料は、押出加工における塑性変形により所望の形状に成形することが可能である限り、特に限定されない。典型的には、第1素管11を構成する材料は、例えば、鉛、スズ、アルミニウム、銅、ジルコニウム、チタン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、及び鋼等を始めとする金属である。
次に、図1の(b)に示すように、第1方法によって成形される差厚パイプ21は、第1薄肉部PD1と、第1厚肉部PI1と、を含む。第1薄肉部PD1は、第1肉厚T1よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚T2及び第1外径DO1よりも小さい所定の外径である第2外径DO2を有する部分である。第1厚肉部PI1は、第2肉厚T2よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚T3及び第2外径DO2を有する部分である。また、第1薄肉部PD1と第1厚肉部PI1との間には、第1薄肉部PD1から第1厚肉部PI1へと近付くにつれて第2肉厚T2から第3肉厚T3へと肉厚が増大する部分である第1テーパー部PT1が形成されている。この第1テーパー部PT1の詳細については後述する。
尚、前述したように、第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の横断面の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角形状、楕円形状及び円形状等、多種多様な形状とすることができる。換言すれば、第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。従って、第1薄肉部PD1から第1厚肉部PI1へと近付くにつれて、第1薄肉部PD1の内部空間の横断面の形状から第1厚肉部PI1の内部空間の横断面の形状へと横断面が縮小する形状を有する限り、第1テーパー部PT1の内部空間の形状もまた特に限定されない。
第1芯金は、第1小横断面部と、第1大横断面部と、第1横断面拡大部と、を含む。第1小横断面部は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である。第1大横断面部は、押出方向における上流側である基端側に形成され且つ第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である。第1横断面拡大部は、第1小横断面部と第1大横断面部との間に形成され且つ第1小横断面部から第1大横断面部へと近付くにつれて第1横断面から第2横断面へと横断面が拡大する部分である。
尚、上述したように、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。しかしながら、以下の説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間がそれぞれ円柱状の形状を有する場合について説明する。
図2の(a)は、第1方法において使用される第1芯金の構成の一例を示す模式的な断面図である。図2の(a)に示すように、第1芯金31は、第1小横断面部PDOS1と、第1大横断面部PDOL1と、第1横断面拡大部PDOT1と、を含む。第1小横断面部PDOS1は、押出方向における下流側(図2に向かって下側)である先端側に形成され且つ差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の内径に対応する外径である第3外径DO3を有する部分である。第1大横断面部PDOL1は、押出方向における上流側(図2に向かって上側)である基端側に形成され且つ差厚パイプ21の第1薄肉部PD1の内径に対応する外径である第4外径DO4を有する部分である。第1横断面拡大部PDOT1は、第1小横断面部PDOS1と第1大横断面部PDOL1との間に形成され且つ第1小横断面部PDOS1から第1大横断面部PDOL1へと近付くにつれて第3外径DO3から第4外径DO4へと外径が増大する部分である。
尚、図2の(a)に示す第1芯金31の基端側の端部には、第1素管11の外径である第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部PP1が形成され、第1押圧部PP1と第1大横断面部PDOL1との間に段差(破線によって囲まれた部分LD1)が形成されている。この段差により、第1工程において第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態を維持しつつ第1素管11と第1芯金31との組を第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することができる。
但し、第1工程において第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態を維持しつつ第1素管11と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込むための機構は上記に限定されない。例えば、上記のように第1押圧部PP1を、第1芯金31の一部分として一体的に形成するのではなく、第1芯金31とは別個の部材として形成し、第1駆動機構によって第1押圧部PP1を押圧することにより、第1素管11及び第1芯金31を所定の位置関係に維持しつつ第1ダイス孔41aに押し込んでもよい。或いは、第1素管11及び第1芯金31をそれぞれ別個の部材によって第1ダイス孔41aに押し込んでもよい。
次に、図2の(b)は、第1方法において使用される第1ダイスの構成の一例を示す模式的な断面図である。図2の(b)に示すように、第1ダイス孔41aは、第1大内径部PDIL1と、第1小内径部PDIS1と、第1内径減少部PDIT1と、を含む。第1大内径部PDIL1は、基端側に形成され且つ第1素管11の外径である第1外径DO1に対応する内径である第1内径DI1を有する部分である。第1小内径部PDIS1は、先端側に形成され且つ差厚パイプ21の第2外径DO2に対応する内径である第2内径DI2を有する部分である。第1内径減少部PDIT1は、第1大内径部PDIL1と第1小内径部PDIS1との間に形成され且つ第1大内径部PDIL1から第1小内径部PDIS1へと近付くにつれて第1内径DI1から第2内径DI2へと内径が減少する部分である。
第1工程は、以上のような構成を有する第1押出成形装置において実行される。図3は、第1方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第1素管11の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図3においては、図面を簡潔なものとするため、図1及び図2において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図3に関する以下の説明においては、正確を期すため、図1及び図2において示した符号を使用するので、必要に応じて図1及び図2を参照されたい。
図3の(a)に示すように、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第1素管11が挿入され、第1素管11に第1芯金31が挿入される。このとき、上述したように、第1芯金31の第1押圧部PP1と第1大横断面部PDOL1との間に形成された第1段差LD1が第1素管11の基端側の端部に当接する。その結果、第1素管11と第1芯金31との位置関係が固定される。即ち、第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態が達成される。
上述したように、第1工程においては、第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態において第1素管11と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、第1厚肉部PI1を有する差厚パイプが成形される。この第1厚肉部PI1が形成される期間においては、第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3に対応する間隙を通して押出加工を実行する必要がある。
従って、第1工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第1小横断面部PDOS1の基端側の端部は第1小内径部PDIS1の基端側の端部よりも基端側に位置する。尚、第1小横断面部PDOS1の基端側の端部と第1小内径部PDIS1の基端側の端部との間の距離は、例えば形成しようとする第1厚肉部PI1の押出方向における長さ及び第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3等に基づいて適宜定めることができる。
また、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の長さもまた、例えば形成しようとする第1厚肉部PI1の押出方向における長さ等に基づいて適宜定めることができる。具体的には、例えば第1小横断面部PDOS1の長さが過度に短い場合等、第1厚肉部PI1を形成すべき材料が第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達した時点において第1小横断面部PDOS1の先端が第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達していない場合、第1小横断面部PDOS1よりも更に先端側に当該材料が回り込む等して、例えば第1厚肉部PI1の先端側の肉厚が第3肉厚T3よりも厚くなる虞がある。このような問題を回避する観点からは、遅くとも第1厚肉部PI1を形成すべき材料が第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達した時点において、第1小横断面部PDOS1の先端が第1小内径部PDIS1の基端側の端部又はその近傍に到達していることが好ましい。
次に、図3の(b)に示すように、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第1素管11と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、所期の第1厚肉部PI1を有する差厚パイプ21が成形される。尚、図3の(b)においては、差厚パイプ21の先端側の端面が平面として描かれているが、後述するように、当該端面は必ずしも平面にはならない。従って、当該端面が平面であることが要求される用途においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって当該端面を二次加工することが望ましい。
〈第1工程の詳細〉
ここで、第1方法において実行される第1工程における押出加工の進行に伴う第1素管の形状の変化につき、更なる図面を参照しながら、より詳細に説明する。図4乃至図8は、第1工程において実行される押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。尚、図4乃至図8においては、第1芯金、第1素管及び第1ダイス孔の共通の軸AX(図3の(a)を参照)の図面に向かって右側の部分のみが描かれているが、軸AXの左側の部分についても同様である。また、図4乃至図8においても、図面を簡潔なものとするため、図1及び図2において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、これらの図面に関する以下の説明においては、正確を期すため、図1及び図2において示した符号を使用するので、必要に応じて図1及び図2を参照されたい。
図4は、図3の(a)と同様に、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第1素管11が挿入され、更に第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態を示す。即ち、図4は第1工程において押出加工が開始されるときの状態を示しており、(黒塗りの矢印によって示す)押出方向において、第1小横断面部PDOS1の基端側の端部は第1小内径部PDIS1の基端側の端部よりも基端側に位置している。
次に、図5は、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31が第1素管11と共に押出方向における下流側(先端側)へと押し込まれ始めた直後の状態を示す。第1芯金31の第1押圧部PP1による押出方向への押圧及び第1ダイス孔41aの第1内径減少部PDIT1による縮径により、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1に向かって第1素管11を構成する材料の塑性流動が生じている。
図6は、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1横断面拡大部PDOT1及び第1小横断面部PDOS1と第1ダイス41との間の空間が第1素管11を構成する材料によって充填されつつある状態を示す。尚、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1は、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部に第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の基端側の端部が到達するまでに第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1小横断面部PDOS1との間の間隙を通過する材料によって形成される。第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3は、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の横断面と第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の横断面との差によって定まる。従って、上述したように差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の内部空間が円柱状の形状を有する場合は、第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3は、第1小内径部PDIS1の内径である第2内径DI2と第1小横断面部PDOS1の外径である第3外径DO3との差によって定まる。また、第1厚肉部PI1の押出方向における長さは、第1小内径部PDIS1の基端側の端部に第1小横断面部PDOS1の基端側の端部が到達するまでに第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1小横断面部PDOS1との間の間隙を通過する材料の量及び当該間隙の面積に応じて変化する。
次に、図7は、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達した時点の状態を示す。図7に示す例においては、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の一部が第1ダイス孔41aの先端側から押し出されている。図7に示す例においては第1厚肉部PI1の先端側に形状を規定する型等が存在しないため、第1厚肉部PI1の先端側の端部において、端面が凸状となると共に第1小横断面部PDOS1の先端側に材料の一部が回り込んで肉厚が第3肉厚T3よりも厚くなっている。従って、当該端面が平面であることが要求される用途においては、上述したように、押出加工の後に例えば切削加工等によって第1厚肉部PI1の先端側の端部を二次加工することが望ましい。
また、押出加工の過程にある第1素管11の第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の基端側の端部の近傍及び第1横断面拡大部PDOT1に対向する部分(破線によって囲まれた部分)には先端側から基端側へと近付くにつれて肉厚が減少する(内径が増大する)テーパー状の部分である第1テーパー部PT1が形成されている。第1テーパー部PT1は、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部に対向する位置を第1芯金31の第1横断面拡大部PDOT1が通過するのに伴って、第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1芯金31との間の間隙が徐々に狭くなると共に先端側へ押し出される材料の流速が高まるために、第1横断面拡大部PDOT1よりも押出方向において長く且つ緩やかな傾斜を有する形状となる。このため、当該部分と第1芯金31との間に空隙が生じている。
図7に示した段階以降は、素管11の第1芯金31の第1押圧部PP1によって押出方向へと押圧される部分を構成する材料が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1芯金31の第1大横断面部PDOL1との間の間隙を通過するようになる。その結果、図8に示すように、差厚パイプ21の第1薄肉部PD1が形成され始める。第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2は、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の横断面と第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の横断面との差によって定まる。従って、上述したように差厚パイプ21の第1薄肉部PD1の内部空間が円柱状の形状を有する場合は、第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2は、第1小内径部PDIS1の内径である第2内径DI2と第1大横断面部PDOL1の外径である第4外径DO4との差によって定まる。また、第1薄肉部PD1の押出方向における長さは、第1小内径部PDIS1の基端側の端部に第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が到達した後に第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1大横断面部PDOL1との間の間隙を通過する材料の量と当該間隙の面積に応じて変化する。
尚、第1素管11の外径(第1外径DO1)及び肉厚(第1肉厚T1)に比べて、差厚パイプ21の第1薄肉部PD1の外径(第2外径DO2)及び肉厚(第2肉厚T2)はより小さい。従って、第1素管11の横断面積に比べて、第1薄肉部PD1の横断面積はより小さい。その結果、第1薄肉部PD1を形成する材料の供給源となる第1素管11の部分の押出方向における長さに比べて、第1薄肉部PD1の押出方向における長さはより大きくなる。
〈効果〉
以上説明してきたように、第1方法によれば、上述したような構成を有する第1芯金、第1ダイス及び第1駆動機構を備える第1押出成形装置において第1工程を実行することにより、第1薄肉部及び第1厚肉部を含む差厚パイプを容易に成形することができる。即ち、第1方法によれば、高い生産効率及び低いコストにて差厚パイプを製造することができる。
また、第1方法においては上述したように押出加工によって差厚パイプが成形されるので、例えば引抜加工によって差厚パイプが成形される場合に比べて、薄肉部の肉厚と厚肉部との肉厚との差をより大きくすることができる。
具体的には、第1方法によれば、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3が第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2の1.5倍以上である、差厚パイプを成形することができる。より好ましくは、第1方法によれば、第3肉厚T3が第2肉厚T2の2倍以上である、差厚パイプを成形することができる。
《第2実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第2方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
例えば図7に示したように、第1方法によって成形される差厚パイプの第1厚肉部の先端側の端部においては、端面が凸状となったり、第1小横断面部の先端側に材料の一部が回り込んで肉厚が第3肉厚よりも厚くなったりする場合がある。従って、当該端面が平面であることが要求される用途においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって第1厚肉部の先端側の端部を二次加工する必要がある。しかしながら、このように押出加工の後に二次加工を施す場合、例えば差厚パイプの製造コストの増大等の問題に繋がる虞がある。
〈構成〉
そこで、第2方法は、上述した第1方法であって、第1押出成形装置は、第2外径に等しい外径を有する円柱状の形状を有する芯金である第2芯金を更に備える。そして、この第2芯金が先端側から第1ダイス孔の第1小内径部に挿入され且つ基端側に向かって付勢されている状態において第1工程が実行される。更に、少なくとも第1工程において押出加工が開始されるとき、第2芯金の基端側の端部は第1芯金の先端側の端部に接触している。
図9は、第2方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第1素管11の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図9においては、図面を簡潔なものとするため、図1及び図2において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図9に関する以下の説明においては、正確を期すため、図1及び図2において示した符号を使用するので、必要に応じて図1及び図2を参照されたい。
図9の(a)は、第2外径DO2に等しい外径を有する円柱状の形状を有する芯金である第2芯金32が先端側から第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1に挿入され且つ基端側に向かって付勢されており、第2芯金32の基端側の端部が第1芯金31の先端側の端部に接触している点を除き、図3の(a)と同様である。
次に、図9の(b)に示すように、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第1素管11と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、所期の第1厚肉部PI1を有する差厚パイプ21が成形される。但し、第2方法においては、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1が形成される空間の先端側が第2芯金32の基端側の端面によって塞がれている。従って、第2方法によれば、第2芯金の基端側の端面に対応する平面として第1厚肉部の先端側の端面を形成することができる。
〈第1工程の詳細〉
ここで、第2方法において実行される第1工程における押出加工の進行に伴う第1素管の形状の変化につき、更なる図面を参照しながら、より詳細に説明する。図10乃至図14は、第1工程において実行される押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第1素管の形状の例を示す模式的な断面図である。尚、図10乃至図14に示す第1押出成形装置は、第2外径DO2に等しい外径を有する円柱状の形状を有する芯金である第2芯金32を更に備え、この第2芯金32が先端側から第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1に挿入され且つ基端側に向かって付勢されている点を除き、図4乃至図8に示した第1押出成形装置と同様の構成を有する。また、図10乃至図14に示す押出加工の各段階は、図4乃至図8に示した押出加工の各段階にそれぞれ対応する。
更に、図10乃至図14においても、図4乃至図8と同様に、第1芯金、第2芯金、第1素管及び第1ダイス孔の共通の軸AX(図9の(a)を参照)の図面に向かって右側の部分のみが描かれているが、軸AXの左側の部分についても同様である。加えて、図10乃至図14においても、図面を簡潔なものとするため、図1及び図2において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、これらの図面に関する以下の説明においては、正確を期すため、図1及び図2において示した符号を使用するので、必要に応じて図1及び図2を参照されたい。
図10は、図4と同様に、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第1素管11が挿入され、更に第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態を示す。加えて、図10においては、第2芯金32が先端側から第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1に挿入され且つ基端側に向かって付勢されており、第2芯金32の基端側の端部が第1芯金31の先端側の端部に接触している。即ち、図10は第1工程において押出加工が開始されるときの状態を示している。
次に、図11は、図5と同様に、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31が第1素管11と共に押出方向における下流側(先端側)へと押し込まれ始めた直後の状態を示す。第1芯金31の第1押圧部PP1による押出方向への押圧及び第1ダイス孔41aの第1内径減少部PDIT1による縮径により、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1に向かって第1素管11を構成する材料の塑性流動が生じているが、当該材料は第2芯金32には未だ到達していない。
図12は、図6と同様に、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1横断面拡大部PDOT1及び第1小横断面部PDOS1と第1ダイス41と第2芯金32の基端側の端面とによって画定される空間が第1素管11を構成する材料によって充填されつつある状態を示す。図6に示した第1方法においては差厚パイプ21の第1厚肉部PI1が形成される空間の先端側が開放されていたのに対し、図12に示す第2方法においては当該空間の先端側が第2芯金32の基端側の端面によって塞がれている。尚、この場合も、第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3は、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の横断面と第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の横断面との差によって定まる。従って、上述したように差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の内部空間が円柱状の形状を有する場合は、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の肉厚である第3肉厚T3は、第1小内径部PDIS1の内径である第2内径DI2と第1小横断面部PDOS1の外径である第3外径DO3との差によって定まる。また、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の押出方向における長さは、第1小内径部PDIS1の基端側の端部に第1小横断面部PDOS1の基端側の端部が到達するまでに第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1小横断面部PDOS1との間の間隙を通過する材料の量と当該間隙の面積に応じて変化する。
次に、図13は、図7と同様に、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達した時点の状態を示す。この場合も、押出加工の過程にある第1素管11の第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の基端側の端部の近傍及び第1横断面拡大部PDOT1に対向する部分(破線によって囲まれた部分)にテーパー状の部分(第1テーパー部PT1)が形成され、当該部分と第1芯金31との間に空隙が生じている。
但し、図13に例示する第2方法においては、上述したように差厚パイプ21の第1厚肉部PI1が形成される空間の先端側が第2芯金32の基端側の端面によって塞がれている。従って、第1厚肉部PI1の先端側の端面は、第2芯金32の基端側の端面に対応する平面として形成される。しかしながら、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の先端側の端部が第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の先端よりも先端側に押し出されると、第1厚肉部PI1の先端側の端部に押圧されて、第2芯金32が第1芯金から離れ、これら2つの芯金の間に間隙が生ずる。その結果、図13に示すように、第1厚肉部PI1の先端側の端部においては、第1小横断面部PDOS1の先端側に材料の一部が回り込んで肉厚が第3肉厚T3よりも厚くなっている部分が形成される場合がある。差厚パイプ21の用途によっては、押出加工の後に、例えば切削加工等によって、このような意図せぬ厚肉部を二次加工することが望ましい場合がある。
図13に示した段階以降は、第1素管11の第1芯金31の第1押圧部PP1によって押出方向へと押圧される部分を構成する材料が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1芯金31の第1大横断面部PDOL1との間の間隙を通過するようになる。その結果、図14に示すように、差厚パイプ21の第1薄肉部PD1が形成され始める。この場合も、第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2は、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の横断面と第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の横断面との差によって定まる。従って、上述したように差厚パイプ21の第1薄肉部PD1の内部空間が円柱状の形状を有する場合は、第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2は、第1小内径部PDIS1の内径である第2内径DI2と第1大横断面部PDOL1の外径である第4外径DO4との差によって定まる。また、第1薄肉部PD1の押出方向における長さは、第1小内径部PDIS1の基端側の端部に第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が到達した後に第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1大横断面部PDOL1との間の間隙を通過する材料の量と当該間隙の面積に応じて変化する。
〈効果〉
以上説明してきたように、第2方法においては、差厚パイプの第1厚肉部が形成される空間の先端側が第2芯金の基端側の端面によって塞がれている。従って、第2方法によれば、第2芯金の基端側の端面に対応する平面として第1厚肉部の先端側の端面を形成することができる。
《第3実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第3実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第3方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
以上説明してきたように、第1方法及び第2方法によって成形される差厚パイプにおいては、先端側の端部に第1厚肉部が形成される。しかしながら、用途によっては、差厚パイプの軸方向における端部ではなく、両端部の間の所定の位置に第1厚肉部を形成する必要がある場合がある。このような場合、例えば、上述した第1工程において十分に長い第1厚肉部を形成しておき、当該第1厚肉部の内周面の先端側を例えば切削加工等の二次加工によって減肉させて薄肉部とすることにより、差厚パイプの軸方向における途中の位置に第1厚肉部を形成することができる。しかしながら、このように押出加工の後に二次加工を施す場合、例えば差厚パイプの製造コストの増大等の問題に繋がる虞がある。
〈構成〉
そこで、第3方法は、上述した第1方法であって、第3肉厚よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚及び第2外径以下の所定の外径である第5外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を用いて、上述した第1工程が実行される、差厚パイプの押出成形方法である。
上記のように、第2薄肉部の外径である第5外径は、第3方法によって成形される差厚パイプの第2薄肉部以外の部分の外径である第2外径以下の所定の外径である。第5外径と第2外径とが等しい場合、第3方法によって成形される差厚パイプの第1薄肉部、第1厚肉部及び第2薄肉部の全てが同じ外径を有するので、これらの部分の外周面は面一となる。一方、第5外径が第2外径よりも小さい場合、第3方法によって成形される差厚パイプの第1薄肉部及び第1厚肉部の外径よりも第2薄肉部の外径が小さくなり、差厚パイプの外周面における第1厚肉部と第2薄肉部との間に段差が生ずる。
また、第2素管の第2薄肉部の内部空間の横断面の形状及び大きさは、第2素管の第2薄肉部以外の部分の内部空間の横断面の形状及び大きさと同じであっても異なっていてもよい。例えば、第2素管の第2薄肉部及び第2薄肉部以外の部分の一方の横断面の形状が非円形状(例えば、多角形状及び楕円形状等)であり他方が円形状であってもよい。或いは、第2素管の第2薄肉部及び第2薄肉部以外の部分の両方の横断面の形状が非円形状であっても円形状であってもよく、これら両方の部分の横断面の大きさが同じであっても異なっていてもよい。第2薄肉部及び第2薄肉部以外の部分の両方の横断面の形状が円形状である場合(即ち、これら両方の部分の内部空間が円柱状の形状を有する場合)、第4肉厚及び第5外径によって定まる第2薄肉部の内径は、第2素管の第2薄肉部以外の部分の内径と同じであっても異なっていてもよい。更に、第2薄肉部の肉厚である第4肉厚は、第1薄肉部の肉厚である第2肉厚と同じであっても異なっていてもよい。
以上のように、第3方法によって成形される差厚パイプは、第1厚肉部よりも先端側に第2薄肉部を更に含む。即ち、第3方法によって成形される差厚パイプにおいては、その軸方向における途中の箇所である第1薄肉部と第2薄肉部との間に第1厚肉部が形成されている。
図15は、第3方法において使用される第2素管及び第2素管から成形される差厚パイプの構成の一例を示す模式的な断面図である。第3方法において使用される第2素管12は、図15の(a)に示すように、第3肉厚T3よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚T4及び第5外径DO5を有する部分である第2薄肉部PD2を先端側の端部に更に備える点を除き、第1方法及び第2方法において使用される第1素管11と同様の構成を有する。
一方、第3方法によって成形される差厚パイプ22は、図15の(b)に示すように、第1厚肉部PI1よりも先端側に第2薄肉部PD2が更に形成されている点を除き、第1方法及び第2方法において使用される差厚パイプ21と同様の構成を有する。
尚、第3方法において使用される第1芯金及び第1ダイスは、図2に例示したような第1方法及び第2方法において使用される第1芯金及び第1ダイスと同様の構成を有するので、ここでの説明は省略する。
図16は、第3方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第2素管12の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図16においては、図面を簡潔なものとするため、図2及び図15において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図16に関する以下の説明においては、正確を期すため、図2及び図15において示した符号を使用するので、必要に応じて図2及び図15を参照されたい。
図16の(a)に示すように、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第2素管12が挿入され、第2素管12に第1芯金31が挿入される。このとき、上述したように、第1芯金31の第1押圧部PP1と第1大横断面部PDOL1との間に形成された第1段差LD1が第2素管12の基端側の端部に当接する。その結果、第2素管12と第1芯金31との位置関係が固定される。即ち、第2素管12の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態が達成される。
第3方法においても、第1方法と同様に、第1工程において第2素管12の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態において第2素管12と第1芯金31との組を第1駆動機構によって第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、第1厚肉部PI1が成形される。具体的には、図16の(b)に示すように、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31(の第1押圧部PP1)を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第2素管12と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、所期の第1厚肉部PI1を有する差厚パイプ21が成形される。
但し、第3方法においては、上述したように先端側の端部に第2薄肉部を備える第2素管を用いて第1工程が実行されるので、差厚パイプの軸方向における途中の位置である第1薄肉部と第2薄肉部との間に第1厚肉部が形成される。
〈第1工程の詳細〉
ここで、第3方法において実行される第1工程における押出加工の進行に伴う第2素管の形状の変化につき、更なる図面を参照しながら、より詳細に説明する。図17乃至図21は、第1工程において実行される押出加工の各段階における第1芯金の位置及び第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。第3方法において実行される第1工程は、第1肉厚T1及び第1外径DO1を有する筒状の部材である第1素管11に代えて、第4肉厚T4及び第2外径DO2を有する部分である第2薄肉部PD2を先端側の端部に更に備える第1素管11である第2素管12を使用する点を除き、第1方法において実行される第1工程と同様である。従って、第3方法において使用される第1押出成形装置が備える第1芯金31及び第1ダイス41は、図2に例示したような第1方法及び第2方法において使用される第1押出成形装置が備える第1芯金31及び第1ダイス41と同様の構成を有する。
図17は、第1ダイス孔41aの大内径部PDILに第2素管12が挿入され、更に第2素管12の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態を示す。即ち、図17は第1工程において押出加工が開始されるときの状態を示している。
次に、図18は、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31が第2素管12と共に押出方向における下流側(先端側)へと押し込まれ始めた直後の状態を示す。第1芯金31の第1押圧部PP1による押出方向への押圧及び第1ダイス孔41aの第1内径減少部PDIT1による縮径により、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1に向かって第2素管12を構成する材料の塑性流動が生じている。このとき、例えば第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の長さを始めとする第1押出成形装置の構成等によっては、成形される差厚パイプ22の第2薄肉部PD2と第1厚肉部PI1との境界の近傍における外周面が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の内周面から剥離して当該部分に僅かな凹みが生ずる場合がある(破線によって囲まれた部分を参照)。このような凹みが例えば品質上の問題等となる用途においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって当該部分を二次加工することが望ましい。
図19は、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1内径減少部PDIT1及び第1小横断面部PDOS1と第1ダイス41とによって画定される空間が第2素管12を構成する材料によって充填され、差厚パイプ22の第1厚肉部PI1の一部が第1芯金31の先端側の端部と第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1との間から押し出されている状態を示す。図19に示す例においては第1厚肉部PI1の先端側に形状を規定する型等が存在しないため、第1厚肉部PI1の先端側の端部において、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1の先端側に材料の一部が回り込んで肉厚が第3肉厚T3よりも僅かに厚くなっている部分が形成されている。従って、例えば、より高い寸法精度が要求される用途等においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって当該部分を二次加工することが望ましい。
次に、図20は、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達した時点の状態を示す。この段階以降は、第2素管12の第1芯金31の第1押圧部PP1によって押出方向へと押圧される部分を構成する材料が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1芯金31の第1大横断面部PDOL1との間の間隙を通過するようになる。その結果、図21に示すように、差厚パイプ22の第1薄肉部PD1が形成され始める。即ち、第3方法によって成形される差厚パイプ22においては、軸方向における端部ではなく、両端部の間の所定の位置に第1厚肉部PI1が形成される。
〈効果〉
以上説明してきたように、第3方法においては、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管に代えて、第4肉厚及び第2外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を使用して、上述した第1工程が実行される。従って、第3方法によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
《第4実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第4実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第4方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
上述したように、第3方法においては、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管に代えて、第4肉厚及び第2外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を使用して、上述した第1工程が実行される。従って、第3方法によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
ところで、上記のような第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管は、押出加工によって、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管から容易に成形することができる。
〈構成〉
そこで、第4方法は、上述した第3方法であって、上述した第1工程の前に、押出加工によって、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管から第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第2素管を成形する工程である第2工程を更に含む、差厚パイプの押出成形方法である。
第4方法において使用される第2押出成形装置は、所定の形状を有する芯金である第3芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第2ダイス孔が形成された第2ダイスと、第2ダイス孔に第3芯金を押し込むように構成された第2駆動機構と、を備える。そして、第4方法においては、第1工程の前に第2工程が実行される。第2工程は、第1素管の所定の位置に第3芯金が挿入された状態において第1素管と第3芯金との組を第2駆動機構によって第2ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、第1素管の先端側の端部に第2薄肉部を成形する工程である。第2工程によれば、例えば、図1の(a)に示したような第1素管11から図15の(a)に示したような第2素管12を容易に成形することができる。
第3芯金は、第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第3横断面を有する柱状の形状を有する芯金である。上記のように、第2工程は第1素管の先端側の端部に第2薄肉部を成形する工程である。従って、第3芯金は、少なくとも第2工程において第1素管と第3芯金との組が第2ダイス孔に押し込まれて押出加工を施される期間に亘って第2薄肉部の内部空間の横断面を規定することができるように、第1素管の所定の位置に挿入される。
尚、上述したように、第2薄肉部の内部空間の形状は特に限定されず、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。しかしながら、以下の説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、第2薄肉部の内部空間が第2薄肉部以外の部分の内部空間と同様に円柱状の形状を有する場合について説明する。
図22の(a)は、第4方法に含まれる第2工程において使用される第3芯金の構成の一例を示す模式的な断面図である。図22の(a)に例示する第3芯金33は、第1素管11の先端側の端部に形成しようとする第2薄肉部PD2の内径に対応する外径である第6外径DO6を有する円柱状の形状を有する芯金である。上述したように、第2薄肉部の内径は、第2素管の第2薄肉部以外の部分の内径と同じであっても異なっていてもよい。従って、第3芯金33の外径である第6外径DO6は、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の外径である第4外径DOS4と同じであっても異なっていてもよい。
尚、図22の(a)に示す第3芯金33の基端側の端部には、第1素管11の外径である第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第2押圧部PP2が形成され、第2押圧部PP2と第3芯金33の本体部との間に段差(破線によって囲まれた部分LD2)が形成されている。この段差により、第2工程において第1素管11の所定の位置に第3芯金33が挿入された状態を維持しつつ第1素管11と第3芯金33との組を第2ダイス42に形成された第2ダイス孔42aに押し込んで押出加工を実行することができる。
但し、第2工程において第1素管11の所定の位置に第3芯金33が挿入された状態を維持しつつ第1素管11と第3芯金33との組を第2ダイス孔42aに押し込むための機構は上記に限定されない。例えば、上記のように第2押圧部PP2を、第3芯金33の一部分として一体的に形成するのではなく、第3芯金33とは別個の部材として形成し、第2駆動機構によって第2押圧部PP2を押圧することにより、第1素管11及び第3芯金33を所定の位置関係に維持しつつ第2ダイス孔42aに押し込んでもよい。或いは、第1素管11及び第3芯金33をそれぞれ別個の部材によって第2ダイス孔42aに押し込んでもよい。
次に、図22の(b)は、第4方法に含まれる第2工程において使用される第2ダイス42の構成の一例を示す模式的な断面図である。図22の(b)に示すように、第2ダイス孔42aは、第2大内径部PDIL2と、第2小内径部PDIS2と、第2内径減少部PDIT2と、を含む。第2大内径部PDIL2は、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1と同様に、基端側に形成され且つ第1素管11の外径である第1外径DO1に対応する内径である第1内径DI1に等しい内径を有する部分である。第2小内径部PDIS2は、先端側に形成され且つ第2素管12の第2薄肉部PD2の外径である第5外径DO5に対応する内径である第3内径DI3を有する部分である。第2内径減少部PDIT2は、第2大内径部PDIL2と第2小内径部PDIS2との間に形成され且つ第2大内径部PDIL2から第2小内径部PDIS2へと近付くにつれて第1内径DI1から第3内径DI3へと内径が減少する部分である。
第2工程は、以上のような構成を有する第2押出成形装置において実行される。図23は、第2工程における押出加工の実行に伴う第1素管11の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図23においては、図面を簡潔なものとするため、図22において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図23に関する以下の説明においては、正確を期すため、図22において示した符号を使用するので、必要に応じて図22を参照されたい。
図23の(a)に示すように、第2ダイス42に形成された第2ダイス孔42aの第2大内径部PDIL2に第1素管11が挿入され、第1素管11に第3芯金33が挿入される。このとき、上述したように、第3芯金33の第2押圧部PP2と第3芯金33の本体部との間に形成された第2段差LD2が第1素管11の基端側の端部に当接する。その結果、第1素管11と第3芯金33との位置関係が固定される。即ち、第1素管11の所定の位置に第3芯金33が挿入された状態が達成される。
上述したように、第2工程においては、第1素管11の所定の位置に第3芯金33が挿入された状態において第1素管11と第3芯金33との組を第2ダイス孔42aに押し込んで押出加工を実行することにより、第1肉厚T1及び第1外径PO1を有する筒状の部材である第1素管11から第2薄肉部PD2を先端側の端部に更に備える第2素管12が成形される。この第2薄肉部PD2が形成される期間においては、第2薄肉部PD2の肉厚である第4肉厚T4に対応する間隙を通して押出加工を実行する必要がある。
従って、第2工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第3芯金の先端側の端部は第2小内径部の基端側の端部と同じ位置又は第2小内径部の基端側の端部よりも先端側の位置にある。尚、第2薄肉部PD2の押出方向における長さは、第2工程における押出加工において第2薄肉部PD2の肉厚である第4肉厚T4に対応する間隙を通過する通過する材料の量及び当該間隙の面積に応じて変化する。
次に、図23の(b)に示すように、図示しない第2駆動機構によって第3芯金33を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第1素管11と第3芯金33との組を第2ダイス孔42aに押し込んで押出加工を実行することにより、第2薄肉部PD2を先端側の端部に更に備える第2素管12が成形される。尚、図23の(b)においては、第2薄肉部PD2の先端側の端面が平面として描かれているが、当該端面は必ずしも平面にはならない。従って、当該端面が平面であることが要求される用途においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって当該端面を二次加工することが望ましい。或いは、第2方法に含まれる第1工程において使用される第2芯金32のような芯金を先端側から第2ダイス孔の第2小内径部に挿入し且つ基端側に向かって付勢することにより少なくとも第2工程において押出加工が開始されるときに当該芯金の基端側の端部を第3芯金の先端側の端部に接触させることにより、当該芯金の基端側の端面に対応する平面として第2薄肉部PD2の先端側の端面を形成してもよい。
次に、以上のようにして成形された第2薄肉部PD2を先端側の端部に更に備える第2素管12を第1素管11の代わりに使用して上述した第1工程が実行される。第4方法において実行される第1工程は、上述した第3方法において実行される第1工程と同じであるので、ここでの説明は繰り返さない。
〈効果〉
以上説明してきたように、第4方法において第1工程の前に実行される第2工程によれば、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管から、第4肉厚及び第2外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を容易に成形することができる。次に、第2工程によって成形された第2素管を用いて上述した第1工程が実行される。従って、第4方法によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
〈補足〉
第4方法に関する上記説明においては、第1工程において使用される第1押出成形装置と第2工程において使用される第2押出成形装置とが別個の押出成形装置であるものとして説明した。しかしながら、例えば第1芯金及び第3芯金が固定される部位の構成を共通化したり、第1ダイス及び第2ダイスが固定される部位の構成を共通化したりする等して実行される工程に応じて芯金及び/又はダイスを換装可能に構成することによって、第1工程及び第2工程の両方を1台の押出成形装置によって実行するようにしてもよい。
具体的には、例えば、第2薄肉部PD2の外径である第5外径DO5を差厚パイプの第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の外径である第2外径DO2と同じ大きさにする場合は、第2工程において第1ダイス41を第2ダイス42として使用することができる。この場合、第2工程から第1工程への切り替え時には、第2工程において使用した第3芯金33を第1工程において使用する第1芯金31に交換するだけで、第2押出成形装置を第1押出成形装置へと変更することができる。
《第5実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第5実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第5方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
例えば図18乃至図21に示したように、第3方法及び第4方法によって成形される差厚パイプ22の第2薄肉部PD2と第1厚肉部PI1との境界の近傍における外周面が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の内周面から剥離して当該部分に僅かな凹みが生ずる場合がある。上述したように、このような凹みが例えば品質上の問題等となる用途においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって当該部分を二次加工することが望ましい。しかしながら、このように押出加工の後に二次加工を施す場合、例えば差厚パイプの製造コストの増大等の問題に繋がる虞がある。
〈構成〉
そこで、第5方法は、上述した第3方法又は第4方法であって、第1押出成形装置は、第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第4横断面を有する柱状の形状を有する第4芯金を更に備える。そして、この第4芯金が先端側から第2素管の第2薄肉部に挿入され且つ基端側に向かって付勢されている状態において第1工程が実行される。更に、少なくとも第1工程において押出加工が開始されるとき、第4芯金の基端側の端部は第1芯金の先端側の端部に接触している。
図24は、第5方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第2素管12の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図24においては、図面を簡潔なものとするため、図2及び図15において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図24に関する以下の説明においては、正確を期すため、図2及び図15において示した符号を使用するので、必要に応じて図2及び図15を参照されたい。
図24の(a)は、第2薄肉部PD2の内部空間の横断面に対応する横断面である第4横断面を有する柱状の形状を有する第4芯金34が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1に挿入された第2素管12の第2薄肉部PD2に先端側から挿入され且つ基端側に向かって付勢されており、第4芯金34の基端側の端部が第1芯金31の先端側の端部に接触している点を除き、図16の(a)と同様である。
次に、図24の(b)に示すように、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第2素管11と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、所期の第1厚肉部PI1を有する差厚パイプ21が成形される。但し、第5方法においては、上述したように、第4芯金34が先端側から第2素管12の第2薄肉部PD2に挿入されている。その結果、第1厚肉部PI1が形成される空間が閉じており、この閉じた空間に第1厚肉部PI1を形成する材料が充満することにより第1厚肉部PI1の先端側の部分が形成される。従って、差厚パイプ22の第2薄肉部PD2と第1厚肉部PI1との境界の近傍における外周面が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の内周面から剥離して当該部分に凹みが生ずる可能性を低減することができる。
尚、図24に例示した第4芯金34の基端側の端面の周縁部は面取りが施されている。しかしながら、第4芯金34の基端側の端面の形状は、このような形状に限定されず、差厚パイプ22に形成される第1厚肉部PI1の先端側に求められる形状に応じた形状とすることができる。
〈第1工程の詳細〉
ここで、第5方法において実行される第1工程における押出加工の進行に伴う第2素管の形状の変化につき、更なる図面を参照しながら、より詳細に説明する。但し、上述したように、第2薄肉部の内部空間の形状は特に限定されず、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。従って、第4芯金もまた、第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する様々な形状を有する横断面である第4横断面を有する柱状の形状を有する。しかしながら、以下の説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、第2薄肉部の内部空間が第2薄肉部以外の部分の内部空間と同様に円柱状の形状を有する場合について説明する。
図25乃至図29は、第1工程において実行される押出加工の各段階における第1芯金及び第4芯金の位置並びに第2素管の形状の例を示す模式的な断面図である。尚、図25乃至図29に示す第1押出成形装置は、第2薄肉部PD2の内径に対応する外径である第7外径DO7を有する円柱状の形状を有する第4芯金34を更に備え、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1に挿入された第2素管12の第2薄肉部PD2に第4芯金34が先端側から挿入され且つ基端側に向かって付勢されている点を除き、図17乃至図21に示した第1押出成形装置と同様の構成を有する。また、図25乃至図29に示す押出加工の各段階は、図17乃至図21に示した押出加工の各段階にそれぞれ対応する。
更に、図25乃至図29においても、図17乃至図21と同様に、第1芯金、第4芯金、第2素管及び第1ダイス孔の共通の軸AX(図24の(a)を参照)の図面に向かって右側の部分のみが描かれているが、軸AXの左側の部分についても同様である。加えて、図25乃至図29においても、図面を簡潔なものとするため、図2及び図15において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、これらの図面に関する以下の説明においては、正確を期すため、図2及び図15において示した符号を使用するので、必要に応じて図2及び図15を参照されたい。
図25は、図17と同様に、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第2素管12が挿入され、更に第1素管11の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態を示す。加えて、図25においては、第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1に挿入された第2素管12の第2薄肉部PD2に第4芯金34が先端側から挿入され且つ基端側に向かって付勢されており、第4芯金34の基端側の端部が第1芯金31の先端側の端部に接触している。即ち、図25は第1工程において押出加工が開始されるときの状態を示している。
次に、図26は、図18と同様に、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31が第2素管12と共に押出方向における下流側(先端側)へと押し込まれ始めた直後の状態を示す。第1芯金31の第1押圧部PP1による押出方向への押圧及び第1ダイス孔41aの第1内径減少部PDIT1による縮径により、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1に向かって第2素管12を構成する材料の塑性流動が生じているが、当該材料は第4芯金34には未だ到達していない。
この段階において、図18に示した例においては、成形される差厚パイプ22の第2薄肉部PD2と第1厚肉部PI1との境界の近傍における外周面が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の内周面から剥離して当該部分に僅かな凹みが生じていた(破線によって囲まれた部分を参照)。しかしながら、図26に例示する第5方法においては、第2素管12の第2薄肉部PD2に第4芯金34が先端側から挿入されているので、上述したように第1厚肉部PI1を形成する材料が閉じた空間に充満することにより第1厚肉部PI1の先端側の部分が形成される。その結果、第1小内径部PDIS1の内周面からの差厚パイプ22の上記外周面の剥離が低減され、当該部分における凹みの発生が低減される。
図27は、図19と同様に、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1内径減少部PDIT1及び第1小横断面部PDOS1と第1ダイス41と第4芯金34の基端側の端部によって画定される空間が第2素管12を構成する材料によって充填され、差厚パイプ22の第1厚肉部PI1の一部が第1芯金31の先端側の端部と第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1との間から押し出されている状態を示す。このように第1芯金31の先端側の端部よりも先端側に押し出された第1厚肉部PI1の先端側の部分により第4芯金34が先端側に押圧されて、第4芯金34が第1芯金31から離れ、これら2つの芯金の間に間隙が生ずる。その結果、図27に示すように、第1厚肉部PI1の先端側の端部においては、第1小横断面部PDOS1の先端側に材料の一部が回り込んで肉厚が第3肉厚T3よりも厚くなっている部分が形成される場合がある。差厚パイプ21の用途によっては、押出加工の後に、例えば切削加工等によって、このような意図せぬ厚肉部を二次加工することが望ましい場合がある。
次に、図28は、押出加工が更に進行して、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部に到達した時点の状態を示す。この段階以降は、第2素管12の第1芯金31の第1押圧部PP1によって押出方向へと押圧される部分を構成する材料が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部と第1芯金31の第1大横断面部PDOL1との間の間隙を通過するようになる。その結果、図29に示すように、差厚パイプ22の第1薄肉部PD1が形成され始める。このように、第5方法によって成形される差厚パイプ22においても、軸方向における端部ではなく、両端部の間の所定の位置に第1厚肉部PI1が形成される。
〈効果〉
以上説明してきたように、第5方法においては、第2素管12の第2薄肉部PD2に第4芯金34が先端側から挿入されているので、第1小内径部PDIS1の内周面からの差厚パイプ22の上記外周面の剥離を低減し、当該部分における凹みの発生を低減することができる。即ち、第5方法によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に且つ高い寸法精度にて成形することができる。
《第6実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第6実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第6方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
以上説明してきたように、第1方法乃至第5方法によれば、差厚パイプの先端側の端部又は軸方向における途中の位置(第1薄肉部と第2薄肉部との間)に第1厚肉部を形成することができる。しかしながら、用途によっては、差厚パイプの基端側の端部に他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも厚い肉厚を有する部分を形成する必要がある場合がある。
〈構成〉
そこで、第6方法は、上述した第1方法乃至第5方法の何れかであって、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部が差厚パイプの基端側の端部に形成される、差厚パイプの押出成形方法である。
差厚パイプの軸方向における第2厚肉部の長さは、第1工程において押出加工を施さずに残す第1素管の基端側の端部の長さによって定まる。また、このように第2厚肉部は第1工程において第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことによって形成されるので、第2厚肉部の肉厚及び外径は自ずと第1肉厚及び第1外径となる。即ち、第2厚肉部は、径方向において外側へ突出するフランジ状の形状を有する部分である。
図30は、第6方法によって成形される差厚パイプの構成の一例を示す模式的な断面図である。図30に示す差厚パイプ23は、第1肉厚T1及び第1外径DO1を有する部分である第2厚肉部PI2が基端側の端部に形成されている点を除き、図15の(b)に示した差厚パイプ22と同様の構成を有する。
〈効果〉
以上のように、第6方法によれば、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を差厚パイプの基端側の端部に容易に形成することができる。従って、例えばフランジ等、差厚パイプの他の部分よりも大きい外径を有する部分を必要とする用途に好適な差厚パイプを高い生産効率及び低いコストにて製造することができる。
《第7実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第7実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第7方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
上記のように、第6方法によれば、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を差厚パイプの基端側の端部に容易に形成することができる。
また、第1工程において、第1芯金の基端側の端部に形成された第1押圧部の先端側の端部は、第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部(即ち、第1内径減少部の基端側の端部)までしか到達することができない。その結果、差厚パイプの少なくとも第1芯金の第1大横断面部と第1ダイス孔の第1内径減少部との間の部分(即ち、差厚パイプの基端側の端部の近傍)には、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも厚い肉厚を有する部分が形成される。
しかしながら、用途によっては、上記のような第2厚肉部が差厚パイプの基端側の端部に形成されているのではなく、第1薄肉部が差厚パイプの基端側の端部にまで延在する必要がある場合がある。このような用途においては、差厚パイプの基端側の端部の近傍に形成された他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも厚い肉厚を有する部分を例えば切削加工等の二次加工によって取り除くことができる。しかしながら、このように押出加工の後に二次加工を施す場合、例えば差厚パイプの製造コストの増大等の問題に繋がる虞がある。
〈構成〉
そこで、第7方法は、上述した第1方法乃至第5方法の何れかであって、第1芯金は、第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ第1素管の外径である第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備える。第1押圧部は、芯部と、外周部と、によって構成されている。芯部は、差厚パイプの第1薄肉部の外径である第2外径に等しい外径を有する円柱状の部分である。外周部は、芯部の径方向における外側に摺動可能に配設され且つ第1素管の外径である第1外径に等しい外径及び差厚パイプの第1薄肉部の外径である第2外径に対応する内径を有する円筒状の部分である。
更に、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さないことにより第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部が第1素管の基端側の端部に形成される。加えて、第7方法は、第1工程の後に、第2厚肉部の第2外径よりも外側の部分を切除する工程である第3工程を更に含む。第3工程においては、第1押圧部の外周部は押圧されず、第1押圧部の芯部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1小内径部の基端側の端部よりも先端側に位置する状態にまで第1押圧部の芯部が押圧方向に押圧される。これにより、第2厚肉部の第2外径よりも外側の部分が切除され、第1薄肉部が基端側の端部にまで延在している差厚パイプを容易に成形することができる。
図31は、第7方法において実行される第1工程及び第3工程における第2素管12の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図31においては、図面を簡潔なものとするため、図2及び図15において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図31に関する以下の説明においては、正確を期すため、図2及び図15において示した符号を使用するので、必要に応じて図2及び図15を参照されたい。また、図31に示す例においては、第2薄肉部を先端側の端部に備える第1素管である第2素管を用いるが、第2薄肉部を先端側の端部に備えない第1素管を用いる場合も同様である。
図31の(a)に示すように、第1芯金31は、第1大横断面部PDOL1よりも基端側に形成され且つ第2素管12の基端側の外径である第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部PP1を備える。第1押圧部PP1は、芯部PP1aと外周部PP1bとによって構成されている。第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第2素管12が挿入され、第2素管12に第1芯金31が挿入される。このとき、上述したように、第1芯金31の第1押圧部PP1と第1大横断面部PDOL1との間に形成された第1段差LD1が第2素管12の基端側の端部に当接する。その結果、第2素管12と第1芯金31との位置関係が固定される。即ち、第2素管12の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態が達成される。
第7方法においても、上述した第1方法及び第3方法と同様に、第1工程において第2素管12の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態において第2素管12と第1芯金31との組を第1駆動機構によって第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することにより、第1厚肉部PI1が成形される。具体的には、図31の(b)に示すように、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31(の第1押圧部PP1)を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第2素管12と第1芯金31との組を第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行する。この際、第1押圧部PP1を構成する芯部PP1a及び外周部PP1bは互いに位置関係を維持したまま押圧方向に押圧される。これにより、所期の第1厚肉部PI1を有する差厚パイプ21が成形される。
但し、第7方法において実行される第1工程においては、第2素管12の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さないことにより第1肉厚T1及び第1外径DO1を有する部分である第2厚肉部PI2が第2素管12の基端側の端部に形成される(破線によって囲まれた部分を参照)。
次に、第7方法において実行される第3工程においては、第1押圧部PP1の外周部PP1bは押圧されず、第1押圧部PP1の芯部PP1aの先端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部よりも先端側に位置する状態にまで第1押圧部PP1の芯部PP1aが押圧方向に押圧される(図中の白抜きの矢印を参照)。これにより、第2厚肉部PI2の第2外径よりも外側の部分が切除され、第1薄肉部PD1が基端側の端部にまで延在している差厚パイプ24が成形される。
〈効果〉
以上のように、第7方法においては、第1工程において素管の基端側の端部に残された第2厚肉部を、単一の押出成形装置において芯金及びダイスを組み替えること無く、容易に切除することができる。即ち、第7方法によれば、第1薄肉部が基端側の端部にまで延在している差厚パイプを容易に成形することができる。
《第8実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第8実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第8方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
上述したように、第6方法によれば、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を差厚パイプの基端側の端部に容易に形成することができる。しかしながら、用途によっては、差厚パイプの基端側の端部ではなく、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を形成する必要がある場合がある。
〈構成〉
そこで、第8方法は、上述した第1方法乃至第5方法の何れかであって、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を用いて第1工程が実行される、差厚パイプの押出成形方法である。第3薄肉部は、第1素管の肉厚である第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び第1素管の外径である第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である。
また、第8方法において使用される第1芯金は、第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備える。第1押圧部は、第1押圧部の先端側の端面に開口し且つ第3薄肉部に対応する形状を有する空間である収容部を備える。
更に、第1工程において、第3薄肉部が収容部に収容されている状態において押出加工を施す。但し、第1芯金の第1押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工を終了する。これにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第3厚肉部が第3素管における第3薄肉部の先端側の端部に隣接する領域に残される。従って、結果として得られる差厚パイプは、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を更に含む。即ち、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを成形することができる。
上述したように、第3素管の第3薄肉部の内部空間の横断面は、差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい。この要件が満たされる限りにおいて、第3素管の第3薄肉部の内部空間の横断面の形状及び大きさは、差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面の形状及び大きさと同じであっても異なっていてもよい。例えば、第3素管の第3薄肉部及び差厚パイプの第1薄肉部の一方の横断面の形状が非円形状(例えば、多角形状及び楕円形状等)であり他方が円形状であってもよい。或いは、第3素管の第3薄肉部及び差厚パイプの第1薄肉部の両方の横断面の形状が非円形状であっても円形状であってもよく、これら両方の部分の横断面の大きさが同じであっても異なっていてもよい。第3素管の第3薄肉部及び差厚パイプの第1薄肉部の両方の横断面の形状が円形状である場合(即ち、これら両方の部分の内部空間が円柱状の形状を有する場合)、第5肉厚及び第8外径によって定まる第3薄肉部の内径は、差厚パイプの第1薄肉部の内径と同じであっても異なっていてもよい。更に、第3薄肉部の肉厚である第5肉厚は、第1薄肉部の肉厚である第2肉厚と同じであっても異なっていてもよい。加えて、第3素管の第3薄肉部の外径である第8外径は、第1素管の外径である第1外径よりも小さい。この要件が満たされる限りにおいて、第8外径は、差厚パイプの第1薄肉部及び第1厚肉部の外径である第2外径と同じであっても異なっていてもよい。後者の場合、第8外径は、第2外径よりも大きくてもよく或いは第2外径よりも小さくてもよい。
図32は、第8方法において実行される第1工程における押出加工の実行に伴う第3素管の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図32においては、図面を簡潔なものとするため、図1及び図2において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図32に関する以下の説明においては、正確を期すため、図1及び図2において示した符号を使用するので、必要に応じて図1及び図2を参照されたい。また、図32に示す例においては、第2薄肉部を先端側の端部に備えない第1素管である第3素管を用いるが、第2薄肉部を先端側の端部に備える第1素管である第3素管を用いる場合も同様である。
図32に示すように、第8方法においては、基端側の端部に第3薄肉部PD3を更に備える第1素管である第3素管13を用いて第1工程が実行される。第3薄肉部PD3は、第1素管の肉厚である第1肉厚T1よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚T5及び第1素管の外径である第1外径DO1よりも小さい所定の外径である第8外径DO8を有する。更に、図32に例示する第3薄肉部PD3の内部空間の横断面は、差厚パイプ25の第1薄肉部PD1の内部空間の横断面よりも僅かに大きい。また、第8方法において使用される第1芯金31は、第1大横断面部PDOL1よりも基端側に形成され且つ第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部PP1を更に備える。第1押圧部PP1は、第1押圧部PP1の先端側の端面に開口し且つ第3薄肉部PD3に対応する形状を有する空間である収容部PP1cを備える。
図32の(a)に示すように、第8方法においても、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第3素管13が挿入され、第3素管13に第1芯金31が挿入される。このとき、上述したように、第3素管13の第3薄肉部PD3が第1芯金31の第1押圧部PP1に形成された収容部PP1cに収容される。その結果、第3素管13と第1芯金31との位置関係が固定される。即ち、第3素管13の所定の位置に第1芯金31が挿入された状態が達成される。
次に、第1工程において、第3薄肉部PD3が収容部PP1cに収容されている状態において押出加工が施される。図32の(b)は、図示しない第1駆動機構によって第1芯金31が第3素管13と共に押出方向における下流側(先端側)へと押し込まれ始めた後の状態を示す(図中の黒塗りの矢印を参照)。第1芯金31の第1押圧部PP1による押出方向への押圧及び第1ダイス孔41aの第1内径減少部PDIT1による縮径により、第1芯金31の第1小横断面部PDOS1に向かって第3素管13を構成する材料の塑性流動が生じ、第1厚肉部PI1が形成され始めている。
図32の(c)は、押出加工が更に進行して(図中の白抜きの矢印を参照)、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の先端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部よりも先端側に到達した時点の状態を示す。この状態において、第1芯金31の第1押圧部PP1の先端側の端部は、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDOL1の先端側の端部に未だ到達していない。この時点において押出加工を終了することにより、第1肉厚T1及び第1外径DO1を有する部分である第3厚肉部PI3が第3素管13における第3薄肉部PD3の先端側の端部に隣接する領域に残される(破線によって囲まれた部分を参照)。従って、結果として得られる差厚パイプ25は、第1薄肉部PD1の基端側の端部に形成された第3厚肉部PI3及び第3厚肉部PI3よりも基端側に形成された第3薄肉部PD3を更に含む。即ち、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを成形することができる。
〈効果〉
以上のように、第8方法においては、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を用いて第1工程が実行され、第1芯金の第1押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工を終了する。これにより、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を更に含む差厚パイプを容易に成形することができる。即ち、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを容易に成形することができる。
《第9実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第9実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第9方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
上述したように、第8方法においては、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管に代えて、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を使用して、上述した第1工程が実行される。第3薄肉部は、第1素管の肉厚である第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び第1素管の外径である第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である。従って、第8方法によれば、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を更に含む差厚パイプを容易に成形することができる。
ところで、上記のような第3薄肉部を基端側の端部に更に備える第1素管である第3素管は、押出加工によって、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管から容易に成形することができる。
〈構成〉
そこで、第9方法は、上述した第8方法であって、上述した第1工程の前に、押出加工によって、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管から第3薄肉部を基端側の端部に更に備える第3素管を成形する工程である第4工程を更に含む、差厚パイプの押出成形方法である。
第9方法において使用される第3押出成形装置は、所定の形状を有する芯金である第5芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第3ダイス孔が形成された第3ダイスと、第3ダイス孔に第5芯金を押し込むように構成された第3駆動機構と、を備える。そして、第9方法においては、第1工程の前に第4工程が実行される。第4工程は、第1素管の所定の位置に第5芯金が挿入された状態において第1素管と第5芯金との組を第3駆動機構によって第3ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、第1素管の先端側の端部に第3薄肉部を成形し、第3薄肉部が成形された側の端部が基端側となるように第1素管を反転させて第3素管を得る工程である。第4工程によれば、例えば、図1の(a)に示したような第1素管11から図32の(a)に示したような第3素管13を容易に成形することができる。
第5芯金は、第3薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第5横断面を有する柱状の形状を有する芯金である。上記のように、第4工程は第1素管の先端側の端部に第3薄肉部を成形し、第3薄肉部が成形された側の端部が基端側となるように第1素管を反転させて第3素管を得る工程である。従って、第5芯金は、少なくとも第4工程において第1素管と第5芯金との組が第3ダイス孔に押し込まれて押出加工を施される期間に亘って第3薄肉部の内部空間の横断面を規定することができるように、第1素管の所定の位置に挿入される。
尚、上述したように、第3素管の第3薄肉部の内部空間の横断面が差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きいという要件が満たされる限りにおいて、第3薄肉部の内部空間の形状は特に限定されず、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。しかしながら、以下の説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、第3薄肉部の内部空間が第3薄肉部以外の部分の内部空間と同様に円柱状の形状を有する場合について説明する。
図33の(a)は、第9方法に含まれる第4工程において使用される第5芯金の構成の一例を示す模式的な断面図である。図33の(a)に例示する第5芯金35は、第1素管11の先端側の端部に形成しようとする第3薄肉部PD3の内径に対応する外径である第9外径DO9を有する円柱状の形状を有する芯金である。上述したように、第3素管の第3薄肉部の内部空間の横断面は、差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい必要がある。従って、第5芯金35の外径である第9外径DO9は、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の外径である第4外径DOS4よりも大きい必要がある。
尚、図33の(a)に示す第5芯金35の基端側の端部には、第1素管11の外径である第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第3押圧部PP3が形成され、第3押圧部PP3と第5芯金35の本体部との間に段差(破線によって囲まれた部分LD3)が形成されている。この段差により、第4工程において第1素管11の所定の位置に第5芯金35が挿入された状態を維持しつつ第1素管11と第5芯金35との組を第3ダイス43に形成された第3ダイス孔43aに押し込んで押出加工を実行することができる。
但し、第4工程において第1素管11の所定の位置に第5芯金35が挿入された状態を維持しつつ第1素管11と第5芯金35との組を第3ダイス孔43aに押し込むための機構は上記に限定されない。例えば、上記のように第3押圧部PP3を、第5芯金35の一部分として一体的に形成するのではなく、第5芯金35とは別個の部材として形成し、第3駆動機構によって第3押圧部PP3を押圧することにより、第1素管11及び第5芯金35を所定の位置関係に維持しつつ第3ダイス孔43aに押し込んでもよい。或いは、第1素管11及び第5芯金35をそれぞれ別個の部材によって第3ダイス孔43aに押し込んでもよい。
次に、図33の(b)は、第9方法に含まれる第4工程において使用される第3ダイス43の構成の一例を示す模式的な断面図である。図33の(b)に示すように、第3ダイス孔43aは、第3大内径部PDIL3と、第3小内径部PDIS3と、第3内径減少部PDIT3と、を含む。第3大内径部PDIL3は、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1と同様に、基端側に形成され且つ第1素管11の外径である第1外径DO1に対応する内径である第1内径DI1に等しい内径を有する部分である。第3小内径部PDIS3は、先端側に形成され且つ第3素管12の第3薄肉部PD3の外径である第8外径DO8に対応する内径である第4内径DI4を有する部分である。第3内径減少部PDIT3は、第3大内径部PDIL3と第3小内径部PDIS3との間に形成され且つ第3大内径部PDIL3から第3小内径部PDIS3へと近付くにつれて第1内径DI1から第4内径DI4へと内径が減少する部分である。
第4工程は、以上のような構成を有する第3押出成形装置において実行される。図34は、第4工程における押出加工の実行に伴う第1素管11の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図34においては、図面を簡潔なものとするため、図33において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図34に関する以下の説明においては、正確を期すため、図33において示した符号を使用するので、必要に応じて図33を参照されたい。
図34の(a)に示すように、第3ダイス43に形成された第3ダイス孔43aの第3大内径部PDIL3に第1素管11が挿入され、第1素管11に第5芯金35が挿入される。このとき、上述したように、第5芯金35の第3押圧部PP3と第5芯金35の本体部との間に形成された第3段差LD3が第1素管11の基端側の端部に当接する。その結果、第1素管11と第5芯金35との位置関係が固定される。即ち、第1素管11の所定の位置に第5芯金35が挿入された状態が達成される。
上述したように、第4工程においては、第1素管11の所定の位置に第5芯金35が挿入された状態において第1素管11と第5芯金35との組を第3ダイス孔43aに押し込んで押出加工を実行することにより、第1肉厚T1及び第1外径DO1を有する筒状の部材である第1素管11から第3薄肉部PD3を先端側の端部に更に備える第3素管13が成形される。この第3薄肉部PD3が形成される期間においては、第3薄肉部PD3の肉厚である第5肉厚T5に対応する間隙を通して押出加工を実行する必要がある。
従って、第4工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第5芯金の先端側の端部は第3小内径部の基端側の端部と同じ位置又は第3小内径部の基端側の端部よりも先端側の位置にある。尚、第3薄肉部PD3の押出方向における長さは、第4工程における押出加工において第3薄肉部PD3の肉厚である第5肉厚T5に対応する間隙を通過する通過する材料の量及び当該間隙の面積に応じて変化する。
次に、図34の(b)に示すように、図示しない第3駆動機構によって第5芯金35を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第1素管11と第5芯金35との組を第3ダイス孔43aに押し込んで押出加工を実行することにより、第3薄肉部PD3を先端側の端部に更に備える第3素管13が成形される。尚、図34の(b)においては、第3薄肉部PD3の先端側の端面が平面として描かれているが、当該端面は必ずしも平面にはならない。従って、当該端面が平面であることが要求される用途においては、押出加工の後に例えば切削加工等によって当該端面を二次加工することが望ましい。或いは、第2方法に含まれる第1工程において使用される第2芯金32のような芯金を先端側から第3ダイス孔の第3小内径部に挿入し且つ基端側に向かって付勢することにより少なくとも第4工程において押出加工が開始されるときに当該芯金の基端側の端部を第5芯金の先端側の端部に接触させることにより、当該芯金の基端側の端面に対応する平面として第3薄肉部PD3の先端側の端面を形成してもよい。
次に、第3薄肉部が成形された側の端部が基端側となるように第1素管を反転させる。このようにして得られる第3薄肉部PD3を基端側の端部に更に備える第3素管13を第1素管11の代わりに使用して上述した第1工程が実行される。第9方法において実行される第1工程は、上述した第3方法において実行される第1工程と同じであるので、ここでの説明は繰り返さない。
〈効果〉
以上説明してきたように、第9方法において第1工程の前に実行される第4工程によれば、上述したような第3薄肉部を基端側の端部に更に備える第1素管である第3素管を容易に成形することができる。次に、第4工程によって成形された第3素管を用いて上述した第1工程が実行される。従って、第9方法によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
〈補足〉
第9方法に関する上記説明においては、第1工程において使用される第1押出成形装置と第4工程において使用される第3押出成形装置とが別個の押出成形装置であるものとして説明した。しかしながら、例えば第1芯金及び第5芯金が固定される部位の構成を共通化したり、第1ダイス及び第3ダイスが固定される部位の構成を共通化したりする等して実行される工程に応じて芯金及び/又はダイスを換装可能に構成することによって、第1工程及び第4工程の両方を1台の押出成形装置によって実行するようにしてもよい。
具体的には、例えば、第3薄肉部PD3の外径である第8外径DO8を差厚パイプの第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の外径である第2外径DO2と同じ大きさにする場合は、第4工程において第1ダイス41を第3ダイス43として使用することができる。この場合、第4工程から第1工程への切り替え時には、第4工程において使用した第5芯金35を第1工程において使用する第1芯金31に交換するだけで、第3押出成形装置を第1押出成形装置へと変更することができる。
《第10実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第10実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第10方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、第3方法においては、第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を用いて、上述した第1工程が実行される。第2薄肉部は、目的とする差厚パイプの第1厚肉部の肉厚である第3肉厚よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚及び目的とする差厚パイプの外径である第2外径以下の所定の外径である第5外径を有する部分である。また、本発明に係る差厚パイプの押出成形方法(本発明方法)によって成形される差厚パイプの第1薄肉部は、第1素管の肉厚である第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚及び第1素管の外径である第1外径よりも小さい所定の外径である第2外径を有する。
以上のように、第2素管の第2薄肉部の肉厚である第4肉厚は、差厚パイプの第1厚肉部の肉厚である第3肉厚よりも小さい限り特に限定されず、差厚パイプの第1薄肉部の肉厚である第2肉厚に必ずしも等しい必要は無い。また、第2素管の第2薄肉部の外径である第5外径は、差厚パイプの外径である第2外径以下である限り特に限定されず、第2外径に必ずしも等しい必要は無い。
従って、第2素管の第2薄肉部の肉厚である第4肉厚が差厚パイプの第1薄肉部の肉厚である第2肉厚に等しくないという条件である条件A及び第2素管の第2薄肉部の外径である第5外径が差厚パイプの外径である第2外径未満であるという条件Bの何れか一方又は両方が成立する場合、たとえ第3方法によって得られるパイプに第1厚肉部が形成されていなくても、当該パイプは差厚パイプに該当する。即ち、上記条件A及び/又は条件Bが成立する場合、第3方法において実行される第1工程において第1厚肉部が形成されなくても差厚パイプを得ることができる。
〈構成〉
そこで、第10方法は、第4押出成形装置において実行される第5工程を含む。第4押出成形装置は、所定の形状を有する芯金である第6芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第6芯金を押し込むように構成された第4駆動機構と、を備える。第4押出成形装置の基本的な構成については、前述した第1押出成形装置乃至第3押出成形装置と同様に当業者に周知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
第5工程は、前述した第2素管の所定の位置に第6芯金が基端側から挿入された状態において第2素管と第6芯金との組を第4駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。この第5工程において使用される第2素管、第6芯金及び第1ダイス、並びに第5工程を実行することによって成形される差厚パイプの詳細につき、図面を参照しながら以下に説明する。
第10方法において使用される第2素管は、例えば図15の(a)に例示した第2素管12のように、前述した第3方法において使用される第2素管と同様である。但し、第10方法において使用される第2素管の第2薄肉部は、上述した条件A及び/又は条件Bが成立するように構成されている。即ち、第2素管の第2薄肉部の肉厚である第4肉厚が差厚パイプの第1薄肉部の肉厚である第2肉厚に等しくないという条件である条件A及び第2素管の第2薄肉部の外径である第5外径が差厚パイプの外径である第2外径未満であるという条件Bの何れか一方又は両方が成立する。
尚、上述した条件A及び/又は条件Bが成立するように構成された第2薄肉部を先端側の端部に備える第2素管は様々な形状を有することができる。図35は、第10方法において使用される第2素管及び当該素管から成形される差厚パイプの構成の1つの例を示す模式的な断面図である。図35の(a)に例示する第2素管12aは、図35の(b)に例示する差厚パイプ26aの第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚T4を有する部分である第2薄肉部PD2を先端側の端部に備える。即ち、第2素管12aにおいては、上述した条件Aが成立している。尚、第2素管12aの第2薄肉部PD2外径である第5外径DO5は、差厚パイプ26aの外径である第2外径DO2に等しい。
一方、第10方法によって第2素管12aから成形される差厚パイプ26aにおいては、第1厚肉部が形成されておらず、図35の(b)に例示するように、第1薄肉部PD1の先端側に第2薄肉部PD2が形成されている。上述したように第2薄肉部PD2の肉厚である第4肉厚T4は第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2よりも小さいので、図35の(b)に例示するパイプ26aは差厚パイプに該当する。
図36の(a)は、第10方法において使用される第6芯金の構成の一例を示す模式的な断面図である。図36の(a)に示すように、第6芯金36は、前述した第1芯金等のように小横断面部を先端側に備えず、第1大横断面部PDOL1のみを含む。第1大横断面部PDOL1は、差厚パイプ26aの第1薄肉部PD1の内径に対応する外径である第4外径DO4を有する部分である。第6芯金36の基端側の端部には、第2素管12aの外径である第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第4押圧部PP4が形成され、第4押圧部PP4と第1大横断面部PDOL1との間に段差(破線によって囲まれた部分LD4)が形成されている。この段差により、第5工程において第2素管12aの所定の位置に第6芯金36が挿入された状態を維持しつつ第2素管12aと第6芯金36との組を第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することができる。
次に、図36の(b)は、第10方法において使用される第1ダイスの構成の一例を示す模式的な断面図である。図36の(b)に例示するように、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aは、第1大内径部PDIL1と、第1小内径部PDIS1と、第1内径減少部PDIT1と、を含む。即ち、図36の(b)に例示する第1ダイス41は図2の(b)に例示した第1ダイス41と同様の構成を有するので、ここでの詳細な説明は省略する。
第5工程は、以上のような構成を有する第4押出成形装置において実行される。図37は、第10方法において実行される第5工程における押出加工の実行に伴う第2素管12aの形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図37においては、図面を簡潔なものとするため、図35及び図36において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図37に関する以下の説明においては、正確を期すため、図35及び図36において示した符号を使用するので、必要に応じて図35及び図36を参照されたい。
図37の(a)に示すように、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第2素管12aが挿入され、第2素管12aに第6芯金36が挿入される。このとき、第6芯金36の第4押圧部PP4と第1大横断面部PDOL1との間に形成された第4段差LD4が第2素管12aの基端側の端部に当接する。その結果、第2素管12aと第6芯金36との位置関係が固定される。即ち、第2素管12aの所定の位置に第6芯金36が挿入された状態が達成される。
第10方法において実行される第5工程においても、第3方法において実行される第1工程と同様に、第2素管12aの所定の位置に第6芯金36が挿入された状態において第2素管12aと第6芯金36との組を第4駆動機構によって第1ダイス孔41aに押し込むことにより押出加工が実行される。具体的には、図37の(b)に示すように、図示しない第4駆動機構によって第6芯金36(の第4押圧部PP4)を押出方向(図面に向かって下向き)に押圧して(図中の黒塗りの矢印を参照)第2素管12aと第6芯金36との組を第1ダイス孔41aに押し込むことにより押出加工が実行される。
但し、上述したように、第6芯金36は、前述した第1芯金等のように小横断面部を先端側に備えず、第1大横断面部PDOL1のみを含む。従って、上記押出加工により、第1薄肉部PD1は成形されるものの、第1厚肉部PI1は成形されない。即ち、第10方法によって第2素管12aから成形される差厚パイプ26aは、図35の(b)に例示したように、先端側の端部に形成された第2薄肉部PD2と第2薄肉部PD2の基端側に形成された第1薄肉部PD1とを備える。
図35の(a)に例示した第2素管12aにおいては、上述した条件Aが成立しており、第2素管12aの先端側の端部に形成された第2薄肉部PD2の肉厚である第4肉厚T4は差厚パイプ26aの第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2よりも小さい。上述した条件A及び/又は条件Bが成立するように構成された第2薄肉部を先端側の端部に備える第2素管は、上記に限定されず、様々な形状を有することができる。
図38は、第10方法において使用される第2素管及び当該素管から成形される差厚パイプの構成のもう1つの例を示す模式的な断面図である。図38の(a)に例示する第2素管12bは、図38の(b)に例示する差厚パイプ26bの第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚T4及び差厚パイプ26bの外径である第2外径DO2よりも小さい所定の外径である第5外径DO5を有する部分である第2薄肉部PD2を先端側の端部に備える。即ち、第2素管12bにおいては、上述した条件A及び条件Bの両方が成立している。
一方、第10方法によって第2素管12bから成形される差厚パイプ26bにおいては、第1厚肉部が形成されておらず、図38の(b)に例示するように、第1薄肉部PD1の先端側に第2薄肉部PD2が形成されている。上述したように第2薄肉部PD2の肉厚である第4肉厚T4は第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2よりも小さく且つ第2薄肉部PD2の外径である第5外径DO5は差厚パイプ26bの外径である第2外径DO2よりも小さいので、図38の(b)に例示するパイプ26bもまた差厚パイプに該当する。
上記のような第2素管12bから差厚パイプ26bを成形する第5工程もまた、上述したような第6芯金及び第1ダイスを備える第4押出成形装置によって実行することができる。尚、上述した第2素管12a及び12bを始めとする第10方法において使用される第2素管は、例えば、前述した第4方法において実行される第2工程を実行することにより、第1素管から容易に成形することができる。
〈効果〉
以上のように、第10方法によって成形される差厚パイプにおいては、上述したような第1肉厚部は形成されないものの、上述した条件A及び/又は条件Bが成立する。従って、第10方法によれば、第5工程を実行することにより、単純な構造を有する芯金から差厚パイプを容易に成形することができる。
《第11実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第11実施形態に係る差厚パイプの押出成形方法(以降、「第11方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、第8方法においては、第3薄肉部を基端側の端部に更に備える第1素管である第3素管を用いて、上述した第1工程が実行される。第3薄肉部は、前述したように、第1素管の肉厚である第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び第1素管の外径である第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である。
また、第8方法において使用される第1芯金は、第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備える。第1押圧部は、第1押圧部の先端側の端面に開口し且つ第3薄肉部に対応する形状を有する空間である収容部を備える。
更に、第8方法においては、第1工程において、第3薄肉部が収容部に収容されている状態において押出加工が実行される。但し、第1芯金の第1押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工が終了される。これにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第3厚肉部が第3素管における第3薄肉部の先端側の端部に隣接する領域に残される。従って、結果として得られる差厚パイプは、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を更に含む。即ち、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを成形することができる。
前述したように、第3薄肉部の肉厚である第5肉厚は、第1薄肉部の肉厚である第2肉厚と同じであっても異なっていてもよい。また、第3素管の第3薄肉部の外径である第8外径は、第1素管の外径である第1外径よりも小さい。この要件が満たされる限りにおいて、第8外径は、差厚パイプの第1薄肉部及び第1厚肉部の外径である第2外径と同じであっても異なっていてもよい。後者の場合、第8外径は、第2外径よりも大きくてもよく或いは第2外径よりも小さくてもよい。
従って、たとえ第8方法によって得られる差厚パイプに第1厚肉部が形成されていなくても、当該パイプは差厚パイプに該当する。即ち、第8方法において実行される第1工程において第1厚肉部が形成されなくても差厚パイプを得ることができる。
〈構成〉
そこで、第11方法は、第5押出成形装置において実行される第6工程を含む。第5押出成形装置は、所定の形状を有する芯金である第7芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第7芯金を押し込むように構成された第5駆動機構と、を備える。第5押出成形装置の基本的な構成については、前述した第1押出成形装置乃至第4押出成形装置と同様に当業者に周知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
第6工程は、前述した第3素管の所定の位置に第7芯金が基端側から挿入された状態において第3素管と第7芯金との組を第5駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。この第6工程において使用される第3素管、第7芯金及び第1ダイス、並びに第6工程を実行することによって成形される差厚パイプの詳細につき、図面を参照しながら以下に説明する。
第11方法において使用される第3素管は、例えば図32の(a)に例示した第3素管13のように、前述した第8方法において使用される第3素管と同様である。前述したように、第3薄肉部の肉厚である第5肉厚は、第1薄肉部の肉厚である第2肉厚と同じであっても異なっていてもよい。また、第3素管の第3薄肉部の外径である第8外径は、第1素管の外径である第1外径よりも小さい。この要件が満たされる限りにおいて、第8外径は、差厚パイプの第1薄肉部及び第1厚肉部の外径である第2外径と同じであっても異なっていてもよい。後者の場合、第8外径は、第2外径よりも大きくてもよく或いは第2外径よりも小さくてもよい。
図39の(a)は、第11方法において使用される第7芯金の構成の一例を示す模式的な断面図である。図39の(a)に示すように、第7芯金37は、図32の(a)に例示した第1芯金31等のように小横断面部を先端側に備えず、第1大横断面部PDOL1のみを含む。この点を除き、第7芯金37は、前述した第8方法において使用される第1芯金と同様の構成を有する。即ち、第7芯金37は、第1大横断面部PDOL1よりも基端側に形成され且つ第1外径DO1に等しい外径を有する円柱状の部分である第5押圧部PP5を更に備える。第5押圧部PP5と第1大横断面部PDOL1との間に段差(破線によって囲まれた部分LD5)が形成されている。この段差により、第6工程において第3素管13の所定の位置に第7芯金37が挿入された状態を維持しつつ第3素管13と第7芯金37との組を第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aに押し込んで押出加工を実行することができる。尚、第5押圧部PP5は、第5押圧部PP5の先端側の端面に開口し且つ第3薄肉部PI3に対応する形状を有する空間である収容部を備える。従って、第6工程において第3素管13の所定の位置に第7芯金37が挿入された状態において、第3素管13の第3薄肉部は当該収容部に収容される(嵌合する)。
次に、図39の(b)は、第11方法において使用される第1ダイスの構成の一例を示す模式的な断面図である。図39の(b)に例示するように、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aは、第1大内径部PDIL1と、第1小内径部PDIS1と、第1内径減少部PDIT1と、を含む。即ち、図39の(b)に例示する第1ダイス41は図2の(b)及び図16の(b)に例示した第1ダイス41と同様の構成を有するので、ここでの詳細な説明は省略する。
第6工程は、以上のような構成を有する第5押出成形装置において実行される。図40は、第11方法において実行される第6工程における押出加工の実行に伴う第3素管13の形状の変化の一例を示す模式的な断面図である。尚、図40においては、図面を簡潔なものとするため、図39等において示した各部位に付された符号の一部のみが表示されている。しかしながら、図40に関する以下の説明においては、正確を期すため、図39等において示した符号を使用するので、必要に応じて図39等を参照されたい。
図40の(a)に示すように、第11方法においても、第1ダイス41に形成された第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1に第3素管13が挿入され、第3素管13に第1芯金31が挿入される。このとき、上述したように、第3素管13の第3薄肉部PD3が第7芯金37の第5押圧部PP5に形成された収容部PP5cに収容される。その結果、第3素管13と第7芯金37との位置関係が固定される。即ち、第3素管13の所定の位置に第7芯金37が挿入された状態が達成される。
次に、第6工程において、第3薄肉部PD3が収容部PP5cに収容されている状態において押出加工が施される。図40の(b)は、図示しない第5駆動機構によって第7芯金37が第3素管13と共に押出方向における下流側(先端側)へと押し込まれ始めた後の状態を示す(図中の黒塗りの矢印を参照)。第7芯金37の第5押圧部PP5による押出方向への押圧及び第1ダイス孔41aの第1内径減少部PDIT1による縮径により、第7芯金37の第1大横断面部PDOL1と第1ダイス穴41aの第1小内径部PDIS1との間の空隙に向かって第3素管13を構成する材料の塑性流動が生じ、第1薄肉部PD1が形成されている。即ち、第7芯金37は小横断面部を先端側に備えないため、第6工程の実行によって第1肉厚部は形成されない。
図40の(c)は、押出加工が更に進行して(図中の白抜きの矢印を参照)、第7芯金37の第1大横断面部PDOL1の基端側の端部が第1ダイス孔41aの第1小内径部PDIS1の基端側の端部の近傍に到達した時点の状態を示す。この状態において、第7芯金37の第5押圧部PP5の先端側の端部は、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDOL1の先端側の端部に未だ到達していない。この時点において押出加工を終了することにより、第1肉厚T1及び第1外径DO1を有する部分である第3厚肉部PI3が第3素管13における第3薄肉部PD3の先端側の端部に隣接する領域に残される(破線によって囲まれた部分を参照)。このようにして第3厚肉部PI3が形成される工程については、前述した第8方法と同様である。従って、結果として得られる差厚パイプ27は、第1薄肉部PD1の基端側の端部に形成された第3厚肉部PI3及び第3厚肉部PI3よりも基端側に形成された第3薄肉部PD3を含む。即ち、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを成形することができる。
図41は、第11方法によって成形される差厚パイプの構成の幾つかの具体例を示す模式図である。図41の(a)は差厚パイプを基端側から観察した状態を示す模式的な平面図であり、図41の(b)は(a)に示す線A−Aによって表される差圧パイプの軸を通る平面による差圧パイプの模式的な断面図である。図示しないが、第3厚肉部PI3の外径は第1外径DO1に等しく、第3厚肉部PI3の肉厚は第1肉厚T1に等しい。また、第1薄肉部PD1及び第3薄肉部PD3の内径はそれぞれφ1及びφ3である。
前述したように、第3薄肉部PD3の肉厚である第5肉厚T5は、第1薄肉部PD1の肉厚である第2肉厚T2と同じであっても異なっていてもよい。また、第3薄肉部PD3の外径である第8外径DO8は、第1素管の外径である第1外径DO1よりも小さいという要件が満たされる限りにおいて、第1薄肉部PD1の外径である第2外径DO2と同じであっても異なっていてもよい。従って、図41に示すように、第11方法によれば、多種多様な構成を有する差厚パイプを容易に成形することができる。
尚、第10方法によって上記のような多種多様な構成を有する差厚パイプを得るために使用される多種多様な第3素管13は、例えば、前述した第9方法において実行される第4工程を実行することにより、第1素管から容易に成形することができる。
〈効果〉
以上のように、第11方法においては、上述したような第1肉厚部は形成されないものの、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を用いて第6工程が実行され、第7芯金の第5押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工が終了される。これにより、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を含む差厚パイプを容易に成形することができる。即ち、第11方法によれば、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備え且つ先端側の端部に第1肉厚部を備えない差厚パイプを容易に成形することができる。
《第12実施形態》
ところで、本明細書の冒頭において述べたように、本発明は、上述した第1方法乃至第11方法を始めとする差厚パイプの押出成形方法のみならず、差厚パイプの押出成形装置にも関する。そこで、本発明の各種実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置につき以下に説明する。
先ず、本発明の第12実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第12装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第12装置は、所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備える、差厚パイプの押出成形装置である。第12装置は、第1工程を実行することにより所定の形状を有する差厚パイプを成形するように構成されている。第1工程は、所定の形状を有する第1素管の所定の位置に第1芯金が挿入された状態において第1素管と第1芯金との組を第1駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。
図1の(a)に示したように、第1素管11は、所定の肉厚である第1肉厚T1及び所定の外径である第1外径DO1を有する筒状の部材である。
図1の(b)に示したように、第12装置によって成形される差厚パイプ21は、第1薄肉部PD1と、第1厚肉部PI1と、を含む。第1薄肉部PD1は、第1肉厚T1よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚T2及び第1外径DO1よりも小さい所定の外径である第2外径DO2を有する部分である。第1厚肉部PI1は、第2肉厚T2よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚T3及び第2外径DO2を有する部分である。
前述したように、第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の横断面の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角形状、楕円形状及び円形状等、多種多様な形状とすることができる。換言すれば、第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。従って、第1薄肉部PD1から第1厚肉部PI1へと近付くにつれて、第1薄肉部PD1の内部空間の横断面の形状から第1厚肉部PI1の内部空間の横断面の形状へと横断面が縮小する形状を有する限り、第1テーパー部PT1の内部空間の形状もまた特に限定されない。
第1芯金は、第1小横断面部と、第1大横断面部と、第1横断面拡大部と、を含む。第1小横断面部は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である。第1大横断面部は、押出方向における上流側である基端側に形成され且つ第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である。第1横断面拡大部は、第1小横断面部と第1大横断面部との間に形成され且つ第1小横断面部から第1大横断面部へと近付くにつれて第1横断面から第2横断面へと横断面が拡大する部分である。
尚、上述したように、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の横断面の形状は特に限定されず、それぞれ、例えば多角形状、楕円形状及び円形状等、多種多様な形状とすることができる。従って、第1芯金31の第1小横断面部、第1大横断面部及び第1横断面拡大部の横断面もまた、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間の横断面の形状に対応する様々な形状を有する。
前述した第1方法に関する説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、差厚パイプ21の第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の内部空間がそれぞれ円柱状の形状を有する構成を図2の(a)に例示した。図2の(a)に示したように、第1芯金31は、第1小横断面部PDOS1と、第1大横断面部PDOL1と、第1横断面拡大部PDOT1と、を含む。第1小横断面部PDOS1は、押出方向における下流側(図2に向かって下側)である先端側に形成され且つ差厚パイプ21の第1厚肉部PI1の内径に対応する外径である第3外径DO3を有する部分である。第1大横断面部PDOL1は、押出方向における上流側(図2に向かって上側)である基端側に形成され且つ差厚パイプ21の第1薄肉部PD1の内径に対応する外径である第4外径DO4を有する部分である。第1横断面拡大部PDOT1は、第1小横断面部PDOS1と第1大横断面部PDOL1との間に形成され且つ第1小横断面部PDOS1から第1大横断面部PDOL1へと近付くにつれて第3外径DO3から第4外径DO4へと外径が増大する部分である。
図2の(b)に示したように、第1ダイス孔41aは、第1大内径部PDIL1と、第1小内径部PDIS1と、第1内径減少部PDIT1と、を含む。第1大内径部PDIL1は、基端側に形成され且つ第1素管11の外径である第1外径DO1に対応する内径である第1内径DI1を有する部分である。第1小内径部PDIS1は、先端側に形成され且つ差厚パイプ21の第2外径DO2に対応する内径である第2内径DI2を有する部分である。第1内径減少部PDIT1は、第1大内径部PDIL1と第1小内径部PDIS1との間に形成され且つ第1大内径部PDIL1から第1小内径部PDIS1へと近付くにつれて第1内径DI1から第2内径DI2へと内径が減少する部分である。
また、第12装置は、第1工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第1小横断面部PDOS1の基端側の端部は第1小内径部PDIS1の基端側の端部よりも基端側に位置するように構成されている。
以上のように、第12装置は前述した第1方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第12装置の構成及び作動の詳細については第1方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
上述したような構成を有する第12装置において第1工程を実行することにより、第1薄肉部及び第1厚肉部を含む差厚パイプを容易に成形することができる。即ち、第12装置によれば、高い生産効率及び低いコストにて差厚パイプを製造することができる。
また、第12装置においては上述したように押出加工によって差厚パイプが成形されるので、例えば引抜加工によって差厚パイプが成形される成形装置に比べて、薄肉部の肉厚と厚肉部との肉厚との差をより大きくすることができる。
具体的には、第12装置によれば、差厚パイプの第1厚肉部の肉厚である第3肉厚が第1薄肉部の肉厚である第2肉厚の1.5倍以上である、差厚パイプを成形することができる。より好ましくは、第12装置によれば、第3肉厚が第2肉厚の2倍以上である、差厚パイプを成形することができる。
《第13実施形態》
次に、本発明の第13実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第13装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第13装置は、上述した第12装置であって、第2外径に等しい外径を有する円柱状の形状を有する芯金である第2芯金を更に備え、第2芯金が先端側から第1ダイス孔の第1小内径部に挿入され且つ基端側に向かって付勢されている状態において第1工程を実行するように構成された、差厚パイプの押出成形装置である。更に、第13装置は、少なくとも第1工程において押出加工が開始されるとき、第2芯金の基端側の端部は第1芯金の先端側の端部に接触しているように構成されている。
以上のように、第13装置は前述した第2方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第13装置の構成及び作動の詳細については第2方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第13装置においては、差厚パイプの第1厚肉部が形成される空間の先端側が第2芯金の基端側の端面によって塞がれている。従って、第13装置によれば、第2芯金の基端側の端面に対応する平面として第1厚肉部の先端側の端面を形成することができる。
《第14実施形態》
次に、本発明の第14実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第14装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第14装置は、上述した第9装置であって、第3肉厚よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚及び第2外径以下の所定の外径である第5外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を用いて第1工程を実行するように構成された、差厚パイプの押出成形装置である。第14装置によって成形される差厚パイプは、第1厚肉部よりも先端側に第2薄肉部を更に含む。
以上のように、第14装置は前述した第3方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第14装置の構成及び作動並びに第2素管の構成の詳細については第3方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第14装置においては、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管に代えて、第4肉厚及び第2外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を使用して、上述した第1工程が実行される。従って、第14装置によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
《第15実施形態》
次に、本発明の第15実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第15装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第15装置は、上述した第14装置であって、所定の形状を有する芯金である第3芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第2ダイス孔が形成された第2ダイスと、第2ダイス孔に第3芯金を押し込むように構成された第2駆動機構と、を更に備える、差厚パイプの押出成形装置である。そして、第15装置は、第1工程の前に第2工程を実行するように構成されている。第2工程は、第1素管の所定の位置に第3芯金が挿入された状態において第1素管と第3芯金との組を第2駆動機構によって第2ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、第1素管の先端側の端部に第2薄肉部を成形する工程である。第15装置によれば、例えば、図1の(a)に示したような第1素管11から図15の(a)に示したような第2素管12を容易に成形することができる。
第3芯金は、第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第3横断面を有する柱状の形状を有する芯金である。上記のように、第2工程は第1素管の先端側の端部に第2薄肉部を成形する工程である。従って、第3芯金は、少なくとも第2工程において第1素管と第3芯金との組が第2ダイス孔に押し込まれて押出加工を施される期間に亘って第2薄肉部の内部空間の横断面を規定することができるように、第1素管の所定の位置に挿入される。
尚、第3方法に関する説明において上述したように、第2薄肉部の内部空間の形状は特に限定されず、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。しかしながら、以下の説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、第2薄肉部の内部空間が第2薄肉部以外の部分の内部空間と同様に円柱状の形状を有する場合について説明する。
図22の(a)に例示した第3芯金33は、第1素管11の先端側の端部に形成しようとする第2薄肉部PD2の内径に対応する外径である第6外径DO6を有する円柱状の形状を有する芯金である。第3方法に関する説明において上述したように、第2薄肉部の内径は、第2素管の第2薄肉部以外の部分の内径と同じであっても異なっていてもよい。従って、第3芯金の外径である第6外径DO6は、第1芯金の第1大横断面部の外径である第4外径DOS4と同じであっても異なっていてもよい。
図22の(b)に例示したように、第2ダイス孔42aは、第2大内径部PDIL2と、第2小内径部PDIS2と、第2内径減少部PDIT2と、を含む。第2大内径部PDIL2は、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1と同様に、基端側に形成され且つ第1素管11の外径である第1外径DO1に対応する内径である第1内径DI1に等しい内径を有する部分である。第2小内径部PDIS2は、先端側に形成され且つ第2素管12の第2薄肉部PD2の外径である第5外径DO5に対応する内径である第3内径DI3を有する部分である。第2内径減少部PDIT2は、第2大内径部PDIL2と第2小内径部PDIS2との間に形成され且つ第2大内径部PDIL2から第2小内径部PDIS2へと近付くにつれて第1内径DI1から第3内径DI3へと内径が減少する部分である。
また、第15装置は、第2工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第3芯金の先端側の端部が第2小内径部の基端側の端部と同じ位置又は第2小内径部の基端側の端部よりも先端側の位置にあるように構成されている。
以上のように、第15装置は前述した第4方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第15装置の構成及び作動の詳細については第4方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第15装置によれば、第1工程の前に第2工程が実行され、第1肉厚及び第1外径を有する筒状の部材である第1素管から、第4肉厚及び第2外径を有する部分である第2薄肉部を先端側の端部に更に備える第1素管である第2素管を容易に成形することができる。次に、第2工程によって成形された第2素管を用いて上述した第1工程が実行される。従って、第15装置によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
〈補足〉
第4方法に関する説明において述べたように、例えば第1芯金及び第3芯金が固定される部位の構成を共通化したり、第1ダイス及び第2ダイスが固定される部位の構成を共通化したりする等して、実行される工程に応じて芯金及び/又はダイスを換装可能に押出成形装置を構成してもよい。
具体的には、例えば、第2薄肉部PD2の外径である第5外径DO5を差厚パイプの第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の外径である第2外径DO2と同じ大きさにする場合は、第2工程において第1ダイス41を第2ダイス42として使用することができる。この場合、第2工程から第1工程への切り替え時には、第2工程において使用した第3芯金33を第1工程において使用する第1芯金31に交換するだけでよい。
《第16実施形態》
次に、本発明の第16実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第16装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第16装置は、上述した第14装置又は第15装置であって、第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第4横断面を有する柱状の形状を有する第4芯金を更に備える、差厚パイプの押出成形装置である。そして、第16装置は、この第4芯金が先端側から第2素管の第2薄肉部に挿入され且つ基端側に向かって付勢されている状態において第1工程を実行するように構成されている。更に、第16装置は、少なくとも第1工程において押出加工が開始されるとき、第4芯金の基端側の端部が第1芯金の先端側の端部に接触しているように構成されている。
以上のように、第16装置は前述した第5方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第16装置の構成及び作動の詳細については第5方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第16装置においては、第2素管12の第2薄肉部PD2に第4芯金34が先端側から挿入されているので、第5方法に関する説明において述べたような第1小内径部PDIS1の内周面からの差厚パイプ22の外周面の剥離を低減し、当該部分における凹みの発生を低減することができる。即ち、第16装置によれば、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に且つ高い寸法精度にて成形することができる。
《第17実施形態》
次に、本発明の第17実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第17装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第17装置は、上述した第12装置乃至第16装置の何れかであって、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を差厚パイプの基端側の端部に形成するように構成された、差厚パイプの押出成形装置である。
以上のように、第17装置は前述した第6方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第17装置の構成及び作動の詳細については第6方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第17装置によれば、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を差厚パイプの基端側の端部に容易に形成することができる。従って、例えばフランジ等、差厚パイプの他の部分よりも大きい外径を有する部分を必要とする用途に好適な差厚パイプを高い生産効率及び低いコストにて製造することができる。
《第18実施形態》
次に、本発明の第18実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第18装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第18装置は、上述した第12装置乃至第16装置の何れかであって、第1芯金は、第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ第1素管の外径である第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備える。第1押圧部は、芯部と、外周部と、によって構成されている。芯部は、差厚パイプの第1薄肉部の外径である第2外径に等しい外径を有する円柱状の部分である。外周部は、芯部の径方向における外側に摺動可能に配設され且つ第1素管の外径である第1外径に等しい外径及び差厚パイプの第1薄肉部の外径である第2外径に対応する内径を有する円筒状の部分である。
更に、第18装置は、第1工程において、第1素管の基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さないことにより第1肉厚及び第1外径を有する部分である第2厚肉部を第1素管の基端側の端部に形成するように構成されている。加えて、第18装置は、第1工程の後に、第2厚肉部の第2外径よりも外側の部分を切除する工程である第3工程を実行するように構成されている。第18装置は、第3工程において、第1押圧部の外周部は押圧せず、第1押圧部の芯部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1小内径部の基端側の端部よりも先端側に位置する状態にまで第1押圧部の芯部を押圧方向に押圧する。これにより、第2厚肉部の第2外径よりも外側の部分が切除され、第1薄肉部が基端側の端部にまで延在している差厚パイプを容易に成形することができる。
以上から明らかであるように、第18装置は前述した第7方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第18装置の構成及び作動並びに第1芯金が備える第1押圧部の構成の詳細については第7方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
以上のように、第18装置によれば、第1工程において素管の基端側の端部に残された第2厚肉部を、単一の押出成形装置において芯金及びダイスを組み替えること無く、容易に切除することができる。即ち、第18装置によれば、第1薄肉部が基端側の端部にまで延在している差厚パイプを容易に成形することができる。
《第19実施形態》
次に、本発明の第19実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第19装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第19装置は、上述した第12装置乃至第16装置の何れかであって、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を用いて第1工程を実行するように構成された、差厚パイプの押出成形装置である。第3薄肉部は、第1素管の肉厚である第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び第1素管の外径である第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である。
また、第19装置が備える第1芯金は、第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備える。第1押圧部は、第1押圧部の先端側の端面に開口し且つ第3薄肉部に対応する形状を有する空間である収容部を備える。
更に、第19装置は、第1工程において、第3薄肉部が収容部に収容されている状態において押出加工を施すように構成されている。但し、第19装置は、第1芯金の第1押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工を終了するように構成されている。これにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第3厚肉部が第3素管における第3薄肉部の先端側の端部に隣接する領域に残される。従って、結果として得られる差厚パイプは、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を更に含む。即ち、第19装置は、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを成形することができる。
以上から明らかであるように、第19装置は前述した第8方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第19装置が用いる第3素管の構成、第19装置が備える第1芯金の構成、並びに第19装置の構成及び作動の詳細等については第8方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
以上のように、第19装置は、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を用いて第1工程を実行し、第1芯金の第1押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工を終了するように構成されている。これにより、第1肉厚及び第1外径を有する部分である第3厚肉部が第3素管における第3薄肉部の先端側の端部に隣接する領域に残される。第19装置によれば、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備える差厚パイプを容易に成形することができる。
《第20実施形態》
次に、本発明の第20実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第20装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第20装置は、上述した第19装置であって、所定の形状を有する芯金である第5芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第3ダイス孔が形成された第3ダイスと、第3ダイス孔に第5芯金を押し込むように構成された第3駆動機構と、を更に備える、差厚パイプの押出成形装置である。そして、第20装置は、第1工程の前に第4工程を実行するように構成されている。第4工程は、第1素管の所定の位置に第5芯金が挿入された状態において第1素管と第5芯金との組を第3駆動機構によって第3ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、第1素管の先端側の端部に第3薄肉部を成形し、第3薄肉部が成形された側の端部が基端側となるように第1素管を反転させて第3素管を得る工程である。第20装置によれば、例えば、図1の(a)に示したような第1素管11から図32の(a)に示したような第2素管12を容易に成形することができる。
第5芯金は、第3薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第5横断面を有する柱状の形状を有する芯金である。上記のように、第4工程は第1素管の先端側の端部に第2薄肉部を成形し、第3薄肉部が成形された側の端部が基端側となるように第1素管を反転させて第3素管を得る工程である。従って、第5芯金は、少なくとも第4工程において第1素管と第5芯金との組が第3ダイス孔に押し込まれて押出加工を施される期間に亘って第3薄肉部の内部空間の横断面を規定することができるように、第1素管の所定の位置に挿入される。
尚、第9方法に関する説明において上述したように、第3素管の第3薄肉部の内部空間の横断面が差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きいという要件が満たされる限りにおいて、第3薄肉部の内部空間の形状は特に限定されず、例えば多角柱状、楕円柱状及び円柱状等、多種多様な形状とすることができる。しかしながら、以下の説明においては、本発明に関する理解を容易なものとすることを目的として、第3薄肉部の内部空間が第3薄肉部以外の部分の内部空間と同様に円柱状の形状を有する場合について説明する。
図33の(a)に例示した第5芯金35は、第1素管11の先端側の端部に形成しようとする第3薄肉部PD3の内径に対応する外径である第9外径DO9を有する円柱状の形状を有する芯金である。第9方法に関する説明において上述したように、第3素管の第3薄肉部の内部空間の横断面は、差厚パイプの第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい必要がある。従って、第5芯金35の外径である第9外径DO9は、第1芯金31の第1大横断面部PDOL1の外径である第4外径DOS4よりも大きい必要がある。
図33の(b)に例示したように、第3ダイス孔43aは、第3大内径部PDIL3と、第3小内径部PDIS3と、第3内径減少部PDIT3と、を含む。第3大内径部PDIL3は、第1ダイス孔41aの第1大内径部PDIL1と同様に、基端側に形成され且つ第1素管11の外径である第1外径DO1に対応する内径である第1内径DI1に等しい内径を有する部分である。第3小内径部PDIS3は、先端側に形成され且つ第3素管13の第3薄肉部PD3の外径である第8外径DO8に対応する内径である第4内径DI4を有する部分である。第3内径減少部PDIT3は、第3大内径部PDIL3と第3小内径部PDIS3との間に形成され且つ第3大内径部PDIL3から第3小内径部PDIS3へと近付くにつれて第1内径DI1から第4内径DI4へと内径が減少する部分である。
また、第20装置は、第4工程において押出加工が開始されるとき、押出方向において、第5芯金の先端側の端部が第3小内径部の基端側の端部と同じ位置又は第3小内径部の基端側の端部よりも先端側の位置にあるように構成されている。
以上のように、第20装置は前述した第9方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。従って、第20装置の構成及び作動の詳細については第9方法に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第20装置によれば、第1工程の前に第4工程が実行され、上述したような第3薄肉部を基端側の端部に更に備える第1素管である第3素管を容易に成形することができる。次に、第4工程によって成形された第3素管を用いて上述した第1工程を実行することにより、軸方向における端部ではなく両端部の間の所定の位置に第1厚肉部が形成された差厚パイプを容易に成形することができる。
〈補足〉
第9方法に関する説明において述べたように、例えば第1芯金及び第5芯金が固定される部位の構成を共通化したり、第1ダイス及び第3ダイスが固定される部位の構成を共通化したりする等して、実行される工程に応じて芯金及び/又はダイスを換装可能に押出成形装置を構成してもよい。
具体的には、例えば、第3薄肉部PD3の外径である第8外径DO8を差厚パイプの第1厚肉部PI1及び第1薄肉部PD1の外径である第2外径DO2と同じ大きさにする場合は、第4工程において第1ダイス41を第3ダイス43として使用することができる。この場合、第4工程から第1工程への切り替え時には、第4工程において使用した第5芯金35を第1工程において使用する第1芯金31に交換するだけでよい。
《第21実施形態》
次に、本発明の第21実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第21装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第21装置は、前述した第10方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。即ち、第21装置は、所定の形状を有する芯金である第6芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第6芯金を押し込むように構成された第4駆動機構と、を備える、差厚パイプの押出成形装置である。第21装置は、前述した第5工程を実行することにより所定の形状を有する差厚パイプを成形するように構成されている。第5工程は、前述した第2素管の所定の位置に第6芯金が基端側から挿入された状態において第2素管と第6芯金との組を第4駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。
第21装置を構成する第6芯金、第1ダイス及び第4駆動機構の詳細については、前述した第10方法に関する説明において既に述べたので、ここでの説明は省略する。また、第21装置によって実行される第5工程の詳細についても、前述した第10方法に関する説明において既に述べたので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第21装置によって成形される差厚パイプにおいては、前述したような第1肉厚部は形成されないものの、第10方法に関する説明において前述した条件A及び/又は条件Bが成立する。従って、第21装置によれば、第5工程を実行することにより、単純な構造を有する芯金から差厚パイプを容易に成形することができる。
《第22実施形態》
次に、本発明の第22実施形態に係る差厚パイプの押出成形装置(以降、「第22装置」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第22装置は、前述した第11方法に対応する差厚パイプの押出成形装置である。即ち、第22装置は、所定の形状を有する芯金である第7芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、第1ダイス孔に第7芯金を押し込むように構成された第5駆動機構と、を備える、差厚パイプの押出成形装置である。第22装置は、前述した第6工程を実行することにより所定の形状を有する差厚パイプを成形するように構成されている。第6工程は、前述した第3素管の所定の位置に第7芯金が基端側から挿入された状態において第3素管と第7芯金との組を第5駆動機構によって第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である。
第22装置を構成する第7芯金、第1ダイス及び第5駆動機構の詳細については、前述した第11方法に関する説明において既に述べたので、ここでの説明は省略する。また、第22装置によって実行される第6工程の詳細についても、前述した第11方法に関する説明において既に述べたので、ここでの説明は省略する。
〈効果〉
第22装置によって実行される第11方法においては、上述したような第1肉厚部は形成されないものの、基端側の端部に第3薄肉部を更に備える第1素管である第3素管を用いて第6工程が実行され、第7芯金の第5押圧部の先端側の端部が第1ダイス孔の第1大内径部の先端側の端部に到達する前に押出加工が終了される。これにより、第1薄肉部の基端側の端部に形成された第3厚肉部及び第3厚肉部よりも基端側に形成された第3薄肉部を含む差厚パイプを容易に成形することができる。即ち、第22装置によれば、差厚パイプの軸方向における途中の位置に、他の部分よりも大きい外径及び第1薄肉部よりも大きい肉厚を有する部分を備え且つ先端側の端部に第1肉厚部を備えない差厚パイプを容易に成形することができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
11…第1素管、12,12a,12b…第2素管、13…第3素管、21,22,23,24,25,26a,26b,27…差厚パイプ、31…第1芯金、32…第2芯金、33…第3芯金、34…第4芯金、35…第5芯金、36…第6芯金、37…第7芯金、41…第1ダイス、41a…第1ダイス孔、42…第2ダイス、42a…第2ダイス孔、43…第3ダイス、43a…第3ダイス孔、AX…軸、T1…第1肉厚、T2…第2肉厚、T3…第3肉厚、T4…第4肉厚、T5…第5肉厚、DO1…第1外径、DO2…第2外径、DO3…第3外径、DO4…第4外径、DO5…第5外径、DO6…第6外径、DO7…第7外径、DO8…第8外径、DO9…第9外径、DI1…第1内径、DI2…第2内径、DI3…第3内径、DI4…第4内径、PD1…第1薄肉部、PD2…第2薄肉部、PD3…第3薄肉部、PI1…第1厚肉部、PI2…第2厚肉部、PI3…第3厚肉部、PT1…第1テーパー部、PDOS1…第1小横断面部、PDOL1…第1大横断面部、PDOL2…第2大外径部、PDOT1…第1横断面拡大部、PDIS1…第1小内径部、PDIS2…第2小内径部、PDIS3…第3小内径部、PDIL1…第1大内径部、PDIL2…第2大内径部、PDIL3…第3大内径部、PDIT1…第1内径減少部、PDIT2…第2内径減少部、PDIT3…第3内径減少部、PP1…第1押圧部、PP1a…芯部、PP1b…外周部、PP1c…収容部、PP2…第2押圧部、PP3…第3押圧部、PP4…第4押圧部、PP5…第5押圧部、LD1…第1段差、LD2…第2段差、LD3…第3段差、LD4…第4段差、LD5…第5段差。

Claims (24)

  1. 所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、前記第1ダイス孔に前記第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備える第1押出成形装置において、所定の形状を有する第1素管の所定の位置に前記第1芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第1芯金との組を前記第1駆動機構によって前記第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である第1工程を含む、差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第1素管は、所定の肉厚である第1肉厚及び所定の外径である第1外径を有する筒状の部材であり、
    前記差厚パイプは、前記第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚及び前記第1外径よりも小さい所定の外径である第2外径を有する部分である第1薄肉部と、前記第2肉厚よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚及び前記第2外径を有する部分である第1厚肉部と、を含み、
    前記第1芯金は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ前記第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である第1小横断面部と、前記押出方向における上流側である基端側に形成され且つ前記第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である第1大横断面部と、前記第1小横断面部と前記第1大横断面部との間に形成され且つ前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第1横断面から前記第2横断面へと横断面が拡大する部分である第1横断面拡大部と、を含み、
    前記第1ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1外径に対応する内径である第1内径を有する部分である第1大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第2外径に対応する内径である第2内径を有する部分である第1小内径部と、前記第1大内径部と前記第1小内径部との間に形成され且つ前記第1大内径部から前記第1小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第2内径へと内径が減少する部分である第1内径減少部と、を含み、
    前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第1小横断面部の前記基端側の端部は前記第1小内径部の前記基端側の端部よりも前記基端側の位置にあ
    前記第1厚肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1小横断面部は前記第1厚肉部の内径に対応する外径である第3外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1大横断面部は前記第1薄肉部の内径に対応する外径である第4外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1横断面拡大部は前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第3外径から前記第4外径へと外径が増大する形状を有する部分であり、
    前記第1押出成形装置は、前記第2外径に等しい外径を有する円柱状の形状を有する芯金である第2芯金を更に備え、
    前記第2芯金が前記先端側から前記第1小内径部に挿入され且つ前記基端側に向かって付勢されている状態において前記第1工程が実行され、
    少なくとも前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記第2芯金の前記基端側の端部は前記第1芯金の前記先端側の端部に接触している、
    差厚パイプの押出成形方法。
  2. 所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、前記第1ダイス孔に前記第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備える第1押出成形装置において、所定の形状を有する第1素管の所定の位置に前記第1芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第1芯金との組を前記第1駆動機構によって前記第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である第1工程を含む、差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第1素管は、所定の肉厚である第1肉厚及び所定の外径である第1外径を有する筒状の部材であり、
    前記差厚パイプは、前記第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚及び前記第1外径よりも小さい所定の外径である第2外径を有する部分である第1薄肉部と、前記第2肉厚よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚及び前記第2外径を有する部分である第1厚肉部と、を含み、
    前記第1芯金は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ前記第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である第1小横断面部と、前記押出方向における上流側である基端側に形成され且つ前記第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である第1大横断面部と、前記第1小横断面部と前記第1大横断面部との間に形成され且つ前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第1横断面から前記第2横断面へと横断面が拡大する部分である第1横断面拡大部と、を含み、
    前記第1ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1外径に対応する内径である第1内径を有する部分である第1大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第2外径に対応する内径である第2内径を有する部分である第1小内径部と、前記第1大内径部と前記第1小内径部との間に形成され且つ前記第1大内径部から前記第1小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第2内径へと内径が減少する部分である第1内径減少部と、を含み、
    前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第1小横断面部の前記基端側の端部は前記第1小内径部の前記基端側の端部よりも前記基端側の位置にあり、

    前記第1厚肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1小横断面部は前記第1厚肉部の内径に対応する外径である第3外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1大横断面部は前記第1薄肉部の内径に対応する外径である第4外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1横断面拡大部は前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第3外径から前記第4外径へと外径が増大する形状を有する部分であり、
    前記第3肉厚よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚及び前記第2外径以下の所定の外径である第5外径を有する部分である第2薄肉部を前記先端側の端部に更に備える前記第1素管である第2素管を用いて前記第1工程が実行され、
    前記差厚パイプは、前記第1厚肉部よりも前記先端側に前記第2薄肉部を更に含む、
    差厚パイプの押出成形方法。
  3. 請求項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    所定の形状を有する芯金である第3芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第2ダイス孔が形成された第2ダイスと、前記第2ダイス孔に前記第3芯金を押し込むように構成された第2駆動機構と、を備える第2押出成形装置において、前記第1素管の所定の位置に前記第3芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第3芯金との組を前記第2駆動機構によって前記第2ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、前記第1素管の前記先端側の端部に前記第2薄肉部を成形する工程である第2工程を、前記第1工程の前に更に含み、
    前記第3芯金は、前記第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第3横断面を有する柱状の形状を有する芯金であり、
    前記第2ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1内径に等しい内径を有する部分である第2大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第5外径に対応する内径である第3内径を有する部分である第2小内径部と、前記第2大内径部と前記第2小内径部との間に形成され且つ前記第2大内径部から前記第2小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第3内径へと内径が減少する部分である第2内径減少部と、を含み、
    前記第2工程において押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第3芯金の前記先端側の端部は前記第2小内径部の前記基端側の端部と同じ位置又は前記第2小内径部の前記基端側の端部よりも前記先端側の位置にある、
    差厚パイプの押出成形方法。
  4. 請求項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第2薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、
    前記第3芯金は、前記第2薄肉部の内径に対応する外径である第6外径を有する円柱状の形状を有する芯金である、
    差厚パイプの押出成形方法。
  5. 請求項乃至請求項の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第1押出成形装置は、前記第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第4横断面を有する柱状の形状を有する第4芯金を更に備え、
    前記第4芯金が前記先端側から前記第2素管の前記第2薄肉部に挿入され且つ前記基端側に向かって付勢されている状態において前記第1工程が実行され、
    少なくとも前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記第4芯金の前記基端側の端部は前記第1芯金の前記先端側の端部に接触している、
    差厚パイプの押出成形方法。
  6. 請求項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第2薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、
    前記第4芯金は、前記第2薄肉部の内径に対応する外径である第7外径を有する円柱状の形状を有する芯金である、
    差厚パイプの押出成形方法。
  7. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第1工程において、前記第1素管の前記基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、前記第1肉厚及び前記第1外径を有する部分である第2厚肉部が前記差厚パイプの前記基端側の端部に形成される、
    差厚パイプの押出成形方法。
  8. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第1芯金は、前記第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ前記第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備え、
    前記第1押圧部は、前記第2外径に等しい外径を有する円柱状の部分である芯部と、前記芯部の径方向における外側に摺動可能に配設され且つ前記第1外径に等しい外径及び前記第2外径に対応する内径を有する円筒状の部分である外周部と、によって構成されており、
    前記第1工程において、前記第1素管の前記基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さないことにより前記第1肉厚及び前記第1外径を有する部分である第2厚肉部が前記第1素管の前記基端側の端部に形成され、
    前記第1工程の後に、前記第1押圧部の前記外周部は押圧せず、前記第1押圧部の前記芯部の前記先端側の端部が前記第1ダイス孔の前記第1小内径部の前記基端側の端部よりも前記先端側に位置する状態にまで前記第1押圧部の前記芯部を前記押圧方向に押圧することにより、前記第2厚肉部の前記第2外径よりも外側の部分を切除する工程である第3工程を更に含む、
    差厚パイプの押出成形方法。
  9. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び前記第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が前記第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は前記第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である第3薄肉部を前記基端側の端部に更に備える前記第1素管である第3素管を用いて前記第1工程が実行され、
    前記第1芯金は、前記第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ前記第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備え、
    前記第1押圧部は、前記第1押圧部の前記先端側の端面に開口し且つ前記第3薄肉部に対応する形状を有する空間である収容部を備え、
    前記第1工程において、前記第3薄肉部が前記収容部に収容されている状態において押出加工を施し且つ前記第1押圧部の前記先端側の端部が前記第1大内径部の前記先端側の端部に到達する前に押出加工を終了することにより、前記第1肉厚及び前記第1外径を有する部分である第3厚肉部が前記第3素管における前記第3薄肉部の前記先端側の端部に隣接する領域に残され、
    前記差厚パイプは、前記第1薄肉部の前記基端側の端部に形成された前記第3厚肉部及び前記第3厚肉部よりも前記基端側に形成された前記第3薄肉部を更に含む、
    差厚パイプの押出成形方法。
  10. 請求項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    所定の形状を有する芯金である第5芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第3ダイス孔が形成された第3ダイスと、第3ダイス孔に第5芯金を押し込むように構成された第3駆動機構と、を備える第3押出成形装置において、前記第1素管の所定の位置に前記第5芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第5芯金との組を前記第3駆動機構によって前記第3ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、前記第1素管の前記先端側の端部に前記第3薄肉部を成形し、前記第3薄肉部が成形された側の端部が前記基端側となるように前記第1素管を反転させて前記第3素管を得る工程である第4工程を、前記第1工程の前に更に含み、
    前記第5芯金は、前記第3薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第5横断面を有する柱状の形状を有する芯金であり、
    前記第3ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1内径に等しい内径を有する部分である第3大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第8外径に対応する内径である第4内径を有する部分である第3小内径部と、前記第3大内径部と前記第3小内径部との間に形成され且つ前記第3大内径部から前記第3小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第4内径へと内径が減少する部分である第3内径減少部と、を含み、
    前記第4工程において押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第5芯金の前記先端側の端部は前記第3小内径部の前記基端側の端部と同じ位置又は前記第3小内径部の前記基端側の端部よりも前記先端側の位置にある、
    差厚パイプの押出成形方法。
  11. 請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第3肉厚が前記第2肉厚の1.5倍以上である、
    差厚パイプの押出成形方法。
  12. 請求項11に記載された差厚パイプの押出成形方法であって、
    前記第3肉厚が前記第2肉厚の2倍以上である、
    差厚パイプの押出成形方法。
  13. 所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、前記第1ダイス孔に前記第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備え、
    所定の形状を有する第1素管の所定の位置に前記第1芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第1芯金との組を前記第1駆動機構によって前記第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である第1工程を実行することにより所定の形状を有する差厚パイプを成形するように構成された、
    差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第1素管は、所定の肉厚である第1肉厚及び所定の外径である第1外径を有する筒状の部材であり、
    前記差厚パイプは、前記第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚及び前記第1外径よりも小さい所定の外径である第2外径を有する部分である第1薄肉部と、前記第2肉厚よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚及び前記第2外径を有する部分である第1厚肉部と、を含み、
    前記第1芯金は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ前記第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である第1小横断面部と、前記押出方向における上流側である基端側に形成され且つ前記第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である第1大横断面部と、前記第1小横断面部と前記第1大横断面部との間に形成され且つ前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第1横断面から前記第2横断面へと横断面が拡大する部分である第1横断面拡大部と、を含み、
    前記第1ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1外径に対応する内径である第1内径を有する部分である第1大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第2外径に対応する内径である第2内径を有する部分である第1小内径部と、前記第1大内径部と前記第1小内径部との間に形成され且つ前記第1大内径部から前記第1小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第2内径へと内径が減少する部分である第1内径減少部と、を含み、
    前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第1小横断面部の前記基端側の端部は前記第1小内径部の前記基端側の端部よりも前記基端側の位置にあ
    前記第1厚肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1小横断面部は前記第1厚肉部の内径に対応する外径である第3外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1大横断面部は前記第1薄肉部の内径に対応する外径である第4外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1横断面拡大部は前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第3外径から前記第4外径へと外径が増大する形状を有する部分であり、
    前記第2外径に等しい外径を有する円柱状の形状を有する芯金である第2芯金を更に備え、
    前記第2芯金が前記先端側から前記第1小内径部に挿入され且つ前記基端側に向かって付勢されている状態において前記第1工程を実行するように構成されており、
    少なくとも前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記第2芯金の前記基端側の端部は前記第1芯金の前記先端側の端部に接触している、
    差厚パイプの押出成形装置。
  14. 所定の形状を有する芯金である第1芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第1ダイス孔が形成された第1ダイスと、前記第1ダイス孔に前記第1芯金を押し込むように構成された第1駆動機構と、を備え、
    所定の形状を有する第1素管の所定の位置に前記第1芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第1芯金との組を前記第1駆動機構によって前記第1ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、所定の形状を有する差厚パイプを成形する工程である第1工程を実行することにより所定の形状を有する差厚パイプを成形するように構成された、
    差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第1素管は、所定の肉厚である第1肉厚及び所定の外径である第1外径を有する筒状の部材であり、
    前記差厚パイプは、前記第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第2肉厚及び前記第1外径よりも小さい所定の外径である第2外径を有する部分である第1薄肉部と、前記第2肉厚よりも大きい所定の肉厚である第3肉厚及び前記第2外径を有する部分である第1厚肉部と、を含み、
    前記第1芯金は、押出方向における下流側である先端側に形成され且つ前記第1厚肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第1横断面を有する部分である第1小横断面部と、前記押出方向における上流側である基端側に形成され且つ前記第1薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第2横断面を有する部分である第1大横断面部と、前記第1小横断面部と前記第1大横断面部との間に形成され且つ前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第1横断面から前記第2横断面へと横断面が拡大する部分である第1横断面拡大部と、を含み、
    前記第1ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1外径に対応する内径である第1内径を有する部分である第1大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第2外径に対応する内径である第2内径を有する部分である第1小内径部と、前記第1大内径部と前記第1小内径部との間に形成され且つ前記第1大内径部から前記第1小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第2内径へと内径が減少する部分である第1内径減少部と、を含み、
    前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第1小横断面部の前記基端側の端部は前記第1小内径部の前記基端側の端部よりも前記基端側の位置にあり、
    前記第1厚肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1小横断面部は前記第1厚肉部の内径に対応する外径である第3外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第1大横断面部は前記第1薄肉部の内径に対応する外径である第4外径を有する円柱状の形状を有する部分であり、
    前記第1横断面拡大部は前記第1小横断面部から前記第1大横断面部へと近付くにつれて前記第3外径から前記第4外径へと外径が増大する形状を有する部分であり、
    前記第3肉厚よりも小さい所定の肉厚である第4肉厚及び前記第2外径以下の所定の外径である第5外径を有する部分である第2薄肉部を前記先端側の端部に更に備える前記第1素管である第2素管を用いて前記第1工程を実行するように構成されており、
    前記差厚パイプは、前記第1厚肉部よりも前記先端側に前記第2薄肉部を更に含む、
    差厚パイプの押出成形装置。
  15. 請求項14に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    所定の形状を有する芯金である第3芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第2ダイス孔が形成された第2ダイスと、前記第2ダイス孔に前記第3芯金を押し込むように構成された第2駆動機構と、を更に備え、
    前記第1素管の所定の位置に前記第3芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第3芯金との組を前記第2駆動機構によって前記第2ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、前記第1素管の前記先端側の端部に前記第2薄肉部を成形する工程である第2工程を、前記第1工程の前に実行するように構成されており、
    前記第3芯金は、前記第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第3横断面を有する柱状の形状を有する芯金であり、
    前記第2ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1内径に等しい内径を有する部分である第2大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第5外径に対応する内径である第3内径を有する部分である第2小内径部と、前記第2大内径部と前記第2小内径部との間に形成され且つ前記第2大内径部から前記第2小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第3内径へと内径が減少する部分である第2内径減少部と、を含み、
    前記第2工程において押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第3芯金の前記先端側の端部は前記第2小内径部の前記基端側の端部と同じ位置又は前記第2小内径部の前記基端側の端部よりも前記先端側の位置にある、
    差厚パイプの押出成形装置。
  16. 請求項15に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第2薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、且つ、前記第3芯金は前記第2薄肉部の内径に対応する外径である第6外径を有する円柱状の形状を有する芯金である、
    差厚パイプの押出成形装置。
  17. 請求項14乃至請求項16の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第2薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第4横断面を有する柱状の形状を有する第4芯金を更に備え、
    前記第4芯金が前記先端側から前記第2素管に挿入され且つ前記基端側に向かって付勢されている状態において前記第1工程を実行するように構成されており、
    少なくとも前記第1工程において前記押出加工が開始されるとき、前記第4芯金の前記基端側の端部は前記第1芯金の前記先端側の端部に接触している、
    差厚パイプの押出成形装置。
  18. 請求項17に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第2薄肉部の内部空間は円柱状の形状を有しており、
    前記第4芯金は、前記第2薄肉部の内径に対応する外径である第7外径を有する円柱状の形状を有する芯金である、
    差厚パイプの押出成形装置。
  19. 請求項13乃至請求項18の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第1工程において、前記第1素管の前記基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さずに残すことにより、前記第1肉厚及び前記第1外径を有する部分である第2厚肉部を前記差厚パイプの前記基端側の端部に形成するように構成された、
    差厚パイプの押出成形装置。
  20. 請求項13乃至請求項18の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第1芯金は、前記第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ(前記第1素管の外径である)前記第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備え、
    前記第1押圧部は、(前記差厚パイプの前記第1薄肉部の外径である)前記第2外径に等しい外径を有する円柱状の部分である芯部と、前記芯部の径方向における外側に摺動可能に配設され且つ(前記第1素管の外径である)前記第1外径に等しい外径及び(前記差厚パイプの前記第1薄肉部の外径である)前記第2外径に対応する内径を有する円筒状の部分である外周部と、によって構成されており、
    前記第1工程において、前記第1素管の前記基端側の端部における所定の領域に押出加工を施さないことにより前記第1肉厚及び前記第1外径を有する部分である第2厚肉部を前記第1素管の前記基端側の端部に形成し、
    前記第1工程の後に、前記第1押圧部の前記外周部は押圧せず、前記第1押圧部の前記芯部の前記先端側の端部が前記第1ダイス孔の前記第1小内径部の前記基端側の端部よりも前記先端側に位置する状態にまで前記第1押圧部の前記芯部を前記押圧方向に押圧することにより、前記第2厚肉部の前記第2外径よりも外側の部分を切除する工程である第3工程を更に実行する、
    ように構成されている、
    差厚パイプの押出成形装置。
  21. 請求項13乃至請求項18の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第1肉厚よりも小さい所定の肉厚である第5肉厚及び前記第1外径よりも小さい所定の外径である第8外径を有し且つ内部空間の横断面が前記第1薄肉部の内部空間の横断面と同一であるか又は前記第1薄肉部の内部空間の横断面よりも大きい部分である第3薄肉部を前記基端側の端部に更に備える前記第1素管である第3素管を用いて前記第1工程を実行するように構成されており、
    前記第1芯金は、前記第1大横断面部よりも基端側に形成され且つ(前記第1素管の外径である)前記第1外径に等しい外径を有する円柱状の部分である第1押圧部を更に備え、
    前記第1押圧部は、前記第1押圧部の前記先端側の端面に開口し且つ前記第3薄肉部に対応する形状を有する空間である収容部を備え、
    前記第1工程において、前記第3薄肉部が前記収容部に嵌合している状態において押出加工を施し且つ前記第1押圧部の前記先端側の端部が前記第1大内径部の前記先端側の端部に到達する前に押出加工を終了することにより、前記第1肉厚及び前記第1外径を有する部分である第3厚肉部を前記第3素管における前記第3薄肉部の前記先端側の端部に隣接する領域に残すように構成されており、
    前記差厚パイプは、前記第1薄肉部の前記基端側の端部に形成された前記第3厚肉部及び前記第3厚肉部よりも前記基端側に形成された前記第3薄肉部を更に含む、
    差厚パイプの押出成形装置。
  22. 請求項21に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    所定の形状を有する芯金である第5芯金と、所定の形状を有する貫通孔である第3ダイス孔が形成された第3ダイスと、第3ダイス孔に第5芯金を押し込むように構成された第3駆動機構と、を更に備え、
    前記第1素管の所定の位置に前記第5芯金が挿入された状態において前記第1素管と前記第5芯金との組を前記第3駆動機構によって前記第3ダイス孔に押し込んで押出加工を実行することにより、前記第1素管の前記先端側の端部に前記第3薄肉部を成形し、前記第3薄肉部が成形された側の端部が前記基端側となるように前記第1素管を反転させて前記第3素管を得る工程である第4工程を、前記第1工程の前に実行するように構成されており、
    前記第5芯金は、前記第3薄肉部の内部空間の横断面に対応する横断面である第5横断面を有する柱状の形状を有する芯金であり、
    前記第3ダイス孔は、前記基端側に形成され且つ前記第1内径に等しい内径を有する部分である第3大内径部と、前記先端側に形成され且つ前記第8外径に対応する内径である第4内径を有する部分である第3小内径部と、前記第3大内径部と前記第3小内径部との間に形成され且つ前記第3大内径部から前記第3小内径部へと近付くにつれて前記第1内径から前記第4内径へと内径が減少する部分である第3内径減少部と、を含み、
    前記第4工程において押出加工が開始されるとき、前記押出方向において、前記第5芯金の前記先端側の端部は前記第3小内径部の前記基端側の端部と同じ位置又は前記第3小内径部の前記基端側の端部よりも前記先端側の位置にある、
    差厚パイプの押出成形装置。
  23. 請求項13乃至請求項22の何れか1項に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第3肉厚が前記第2肉厚の1.5倍以上である、
    差厚パイプの押出成形装置。
  24. 請求項23に記載された差厚パイプの押出成形装置であって、
    前記第3肉厚が前記第2肉厚の2倍以上である、
    差厚パイプの押出成形装置。
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