JP6935229B2 - 円偏光フィルム、粘着剤層付円偏光フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents
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Description
前記位相差フィルムは、直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換する機能を有し、厚みが35μm以下であり、かつ、
前記位相差フィルムの両面は、スクラッチ試験における破壊開始荷重が異なり、前記破壊開始荷重が高い側を第1面とし、低い側を第2面とする場合に、
前記前記偏光子は、前記位相差フィルムの第1面に貼り合されていることを特徴とする円偏光フィルム、に関する。
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。例えば、「Re(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)実質的に直交または平行
「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。
(6)角度
本明細書において角度に言及するときは、特に明記しない限り、当該角度は時計回りおよび反時計回りの両方の方向の角度を包含する。
(7)長尺状
「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状を意味し、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状を含む。
図1は、本発明の円偏光フィルムの構成断面の一例を示す概略断面図である。図1の円偏光フィルムFは、偏光子1と、偏光子1の一方の側に配置された位相差フィルム2と、偏光子1のもう一方の側に配置された保護層3とを備える。位相差フィルム2は、直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換する機能を有する。したがって、本発明の円偏光フィルムは、円偏光フィルムまたは楕円偏光フィルムを意味する。円偏光フィルムFは、代表的には画像表示装置の視認側に配置される。この場合、位相差フィルム2が視認側となるように配置される。上記のような構成であれば、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、円偏光フィルムFは、屋外で用いられ得る画像表示装置にも好適に適用され得る。
偏光子1としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
位相差フィルム2は、上記のとおり、直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換する機能を有する。すなわち、位相差フィルム2は、代表的には屈折率特性がnx>nyの関係を示す。位相差フィルムの面内位相差Re(550)は、好ましくは80nm〜160nm、より好ましくは90nm〜120nmである。面内位相差がこのような範囲であれば、適切な楕円偏光性能を有する位相差フィルムを、優れた生産性および妥当なコストで得ることができる。結果として、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも良好な視認性を確保し得る偏光フィルムを、優れた生産性および妥当なコストで得ることができる。
式(1):2.0≦(X+Y)≦2.8
式(2):0≦Y≦1.0
より好ましくは、上記式(1)および式(2)を満たすセルロースエステル樹脂は、下記式(1a)と上記式(2)を満たすセルロースエステル樹脂と、下記式(1b)を満たすセルロースエステル樹脂と、を含有する。
式(1a):2.0≦(X+Y)<2.5
式(1b):2.5≦(X+Y)≦2.8なお、「アセチル基置換度」および「プロピオニル基置換度」は、上記のアシル基置換度のより具体的な指標であり、「アセチル基置換度」とは繰り返し単位のグルコースの2位、3位及び6位について、ヒドロキシル基がアセチル基によりエステル化されている割合の合計を表し、「プロピオニル基置換度」とは、繰り返し単位のグルコースの2位、3位及び6位について、ヒドロキシル基がアセチル基によりエステル化されている割合の合計を表す。
保護層3は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有する環状オレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。
前記位相差フィルム2の第2面には表面機能層4を設けることができる。前記表面機能層としては、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などが挙げられ。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、位相差フィルムそのものに設けることができるほか、別途、位相差フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
本発明の実施形態による円偏光フィルムを構成する各層の貼り合わせには、任意の適切な接着剤層(図示せず)が用いられる。接着剤層は、粘着剤層であってもよく接着剤層であってもよい。接着剤層は接着剤により形成される。接着剤の種類は特に制限されず、種々のものを用いることができる。前記接着剤層は光学的に透明であれば特に制限されず、接着剤としては、水系、溶剤系、ホットメルト系、活性エネルギー線硬化型等の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤が好適である。
本発明の実施形態による円偏光フィルムの製造方法の一例について、特徴的な部分のみを簡単に説明する。この製造方法は、偏光子1と偏光子1の一方の側に配置された位相差フィルム2と偏光子1のもう一方の側に配置された保護層3とを有する積層体を作製すること、および、当該積層体を例えば85℃以上の温度で加熱すること(以下、高温加熱と称する場合もある)を含む。高温加熱の加熱温度は、好ましくは86℃以上である。高温加熱の加熱温度の上限は、例えば100℃である。高温加熱の加熱時間は、好ましくは3分〜10分であり、より好ましくは3分〜6分である。高温加熱の前および/または後に、積層体を85℃未満の温度で加熱(低温加熱)してもよい。低音加熱の加熱温度および加熱時間は、目的および得られる偏光フィルムの所望の特性に応じて適切に設定され得る。高温加熱および/または低温加熱は、偏光子、位相差フィルム(位相差フィルム)および保護層(保護フィルム)の積層における接着剤の乾燥処理を兼ねてもよい。なお、偏光子、位相差フィルム(位相差フィルム)および保護層(保護フィルム)の形成方法は、上記のとおり、または、任意の適切な方法が採用され得る。偏光子、位相差フィルム(位相差フィルム)および保護層(保護フィルム)の積層方法もまた、任意の適切な方法が採用され得る。
本発明の実施形態による画像表示装置は、光学セルの視認側に円偏光フィルムを備える。円偏光フィルムは、位相差フィルムが前記偏光子よりも視認側となるように配置されている。光学セルを備える画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置が挙げられる。このような画像表示装置は、上記の偏光フィルムを視認側に備えることにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、このような画像表示装置は、屋外においても好適に用いられ得る。
破壊開始荷重の測定装置としては、CSM InstrumentsSA社製のナノスクラッチテスターを使用した。各位相差フィルム(サンプル)の第1面または第2面をスライドガラスに貼り付け、もう一方の面(第2面または第1面)を上向きにして、上記測定装置のステージに固定した。そして、23℃、50%RHの測定環境下、円錐型のダイヤモンド製圧子(先端の曲率半径10μm)を備えたカンチレバーST−150を用いて、上記装置の連続荷重モードで、0〜300mNまで荷重(スクラッチ荷重)を増加させつつ一方向に擦過するスクラッチ試験を行った。
上記スクラッチ試験を実施したサンプルを、装置付属の光学顕微鏡(ニコン社製)を用いて、対物レンズ20倍でスクラッチ痕を表面観察した。そして、スクラッチ痕上において背面層がスクラッチ方向に2μmよりも長く剥離した最初の箇所を破壊開始点とし、その破壊開始点のスクラッチ方向に対する長さ(破壊長さ)の中心に対応するスクラッチ荷重を破壊開始荷重とした。図2は、破壊開始前(非破壊部)におけるスクラッチ痕を示す画像であり、図3は、破壊開始点におけるスクラッチ痕を示す画像である。
上記サンプルを測定した結果、破壊開始荷重の大きい面を第1面、小さい面を第2面とした。結果を表1に示す。
重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ30μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に浸漬し、膨潤させながらポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の2.0倍となるように一軸延伸を行った。次いで、ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物(重量比0.5:8)の濃度が0.3重量%の水溶液(染色浴)に浸漬し、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の3.0倍となるように一軸延伸しながら染色した。その後、ホウ酸5重量%、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(架橋浴1)中に浸漬しながら、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の3.7倍となるように延伸した後、60℃のホウ酸4重量%、ヨウ化カリウム5重量%の水溶液(架橋浴2)中で、ポリビニルアルコールフィルムの長さが元長の6倍となるように延伸した。その後、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(ヨウ素含浸浴)でヨウ素イオン含浸処理を行った後、60℃のオーブンで4分間乾燥し、長尺状(ロール状)の偏光子を得た。得られた偏光子の厚みは12μmであった。偏光子の吸収軸は、長尺方向と平行であった。
溶液流延法により得られた長尺状のトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを、斜め延伸したフィルムを用いた。延伸フィルム(TACフィルムの延伸物)の厚みは、それぞれ、35μm、32μm、28μ、25μm、20μ、40μmのものを用いた。
各延伸フィルム(TACフィルムの延伸物)には、第1面または第2面(偏光子に貼り合わせない面)にそれぞれ厚みは5μmハードコート層を設けた。
各延伸フィルム(TACフィルムの延伸物)は面内位相差Re(550)が105nmになるようにそれぞれ調整したものであり、その遅相軸と長尺方向とのなす角度は45°であった。
長尺状のシクロオレフィン(COP)フィルム(厚み13μm,商品名:ZF14−013,日本ゼオン(株)製)を用いた。
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200,ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル化度:5モル%)を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度4%に調整して水系接着剤を得た。
(円偏光フィルムの作製)
位相差フィルムとして、厚み35μmの延伸フィルム(TACフィルムの延伸物)の第2面にハードコート層を設けたものを用いた。当該位相差フィルムの第1面を、上記水系接着剤を乾燥後の接着剤層の厚みが80nmとなるように塗工した。保護フィルムにも同様に上記水系接着剤を乾燥後の接着剤層の厚みが80nmとなるように塗工した。次いで、23℃の温度条件下で、偏光子の両面に、前記接着剤付きの位相差フィルムと保護フィルムをロール機で貼り合せ、その後55℃で4分間、86℃で4分乾燥して円偏光フィルムを作製した。前記偏光子と接着剤付きの位相差フィルムと保護フィルムの貼り合わせは、偏光子と保護フィルムの接着剤層とが接するように行った。得られた円偏光フィルムは、偏光子の吸収軸方向が長尺方向に平行であり、位相差フィルムの遅相軸と長尺方向とのなす角度が45°であった。
実施例1において、位相差フィルムに用いた延伸フィルムの厚み、当該位相差フィルムを偏光子に貼り合わせる面を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして円偏光フィルムを得た。
なお、実施例1〜5と比較例1〜5で用いた同じ厚さの位相差フィルムは同じ位相差フィルムであり、偏光子に貼り合わせた面のみが相違する。また、比較例6と比較例7で用いた同じ厚さの位相差フィルムは同じ位相差フィルムであり、偏光子に貼り合わせた面のみが相違する
得られた円偏光フィルムについて、下記方法によりピール力を測定した。
円偏光フィルムを偏光子の延伸方向と平行に200mm、直交方向に15mmの大きさに切り出し、位相差フィルムと偏光子との間にカッターナイフで切り込みを入れ、円偏光フィルムの位相差フィルム側をガラス板に貼り合わせた。テンシロンにより、90度方向に保護フィルムと偏光子とを剥離速度3000mm/minで剥離し、その剥離強度(N/15mm)を測定した。剥離後の剥離面について、赤外吸収スペクトルをATR法によって測定し、位相差フィルムの凝集破壊(フィルム破断)であることを確認した。
なお、ピール力は0.8N/15mm以上であるのが好ましく、さらには1N/15mm以上であるのが好ましく、さらには1.5N/15mm以上であるのが好ましい。表1には、ピール力は0.8N/15mm以上の場合を「〇」、0.8N/15未満の場合を「×」、とした。
位相差フィルムを偏光子に貼り合わせる面の破壊開始荷重はは55mN以上である場合には、偏光子との剥離力を0.8N/15mmを満足することができる。
得られた円偏光フィルムを、偏光子の吸収軸方向が長辺となるように112mm×65mm(5インチサイズ)に切り出した。切り出した円偏光フィルムを水平な平面上にハードコート層が上面になる向きで静置し、上記平面からサンプルの端部がカールして浮いた高さを計測した。最も大きく浮いた部分の高さ(最大浮き高さ)が3mm以下の場合を○、最大浮き高さが3mmを超える場合を×とした。
1 偏光子
2 位相差フィルム
3 保護層
4 表面機能層
Claims (10)
- 偏光子と、当該偏光子の一方の側に配置された位相差フィルムと、当該偏光子のもう一方の側に配置された保護層とを備え、
前記位相差フィルムは、直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換する機能を有し、厚みが35μm以下であり、かつ、
前記位相差フィルムの両面は、スクラッチ試験における破壊開始荷重が異なり、前記破壊開始荷重が高い側を第1面とし、低い側を第2面とする場合に、
前記偏光子は、前記位相差フィルムの第1面に貼り合されていることを特徴とする円偏光フィルム。 - 前記位相差フィルムの第1面の破壊開始荷重が55mN以上であることを特徴とする請求項1に記載の円偏光フィルム。
- 前記位相差フィルムの第2面に表面機能層を有することを特徴とする請求項1または2記載の円偏光フィルム。
- 前記偏光子の吸収軸と前記位相差フィルムの遅相軸とのなす角度が35°〜55°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれに記載の円偏光フィルム。
- 長尺状であり、前記位相差フィルムの遅相軸と長尺方向とのなす角度が35°〜55°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれに記載の円偏光フィルム。
- 前記位相差フィルムが、溶液流延法によりキャスティング体上で成型された樹脂フィルムの延伸物であり、当該樹脂フィルムのキャスティング体側の面が前記第1面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の円偏光フィルム。
- 前記位相差フィルムがセルロースエステル系フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の円偏光フィルム。
- 前記偏光子と前記位相差フィルムおよび前記保護層とが、接着剤層を介して貼り合わせられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の円偏光フィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の円偏光フィルムおよび粘着剤層を有することを特徴とする粘着剤層付円偏光フィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の円偏光フィルムまたは請求項9記載の粘着剤層付円偏光フィルムを、光学セルの視認側に備え、前記位相差フィルムが前記偏光子よりも視認側に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
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