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JP6938345B2 - トナー - Google Patents
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JP6938345B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電荷像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに使用されるトナーに関する。
近年では複写機及びプリンターのような画像形成装置が広く普及するに従い、画像形成装置に要求される性能としては、様々な使用環境においても、優れた画質の画像を安定して出力できることが求められている。
また、様々な環境に対するトナーの適応性について着目すると、環境因子の中でも影響が特に大きい因子として湿度が挙げられる。湿度は、トナーの帯電量及び帯電量分布に影響を与え、画像濃度やカブリ、また、転写性にも大きな影響を与える。
静電荷像担持体表面に現像されたトナーを、静電荷像担持体の表面から紙へ転写する工程では、紙の裏面から、紙にトナーとは逆の極性の電荷を与え、紙の表面をトナーの極性とは逆の極性に帯電させることによって、トナーの転写を行う。
このとき、紙の種類や湿度によっては、本来は紙の表面だけを帯電させるはずが、電荷が紙の裏から表へと通過してしまい、静電荷像担持体の表面のトナーをも帯電させてしまう場合がある。このとき、トナーは本来とは逆の極性に帯電される。
この現象は、「転写時突き抜け」と呼ばれる。転写時突き抜けが生じると、トナーは紙に転写されずに静電荷像担持体の表面に残る場合や、転写時のトナー像の乱れの原因となり、ハーフトーンムラや飛び散りを生じさせる場合がある。
このような現象は、高温高湿環境下で吸湿した紙を使用して画像出力を行った場合に特に顕著になる。
特許文献1では、0.1〜10μmの長さ平均径を有する錫酸塩又はジルコン酸塩を有する一成分現像剤が開示されている。
特許文献2では、アミノシランカップリング剤及びアミノシリコーンオイルから選択される少なくとも1種の表面処理剤によって表面処理された個数平均粒径が0.1〜3μmの範囲にある第1無機微粒子と、疎水化処理された平均一次粒径が0.005〜0.02μmの範囲にある第2無機微粒子を含有した現像剤が開示されている。
特許文献3では、アルカリ土類金属とチタン又はジルコニウムとの複合金属酸化物の表面に炭酸塩が偏在している複合無機粒子を有するトナーが開示されている。
特開平5−323657号公報 特開平10−48888号公報 特開2013−25223号公報
特許文献1に記載されている現像剤は、0.1〜10μmの長さ平均径を有する錫酸塩又はジルコン酸塩をトナー表面に外添することにより、長期にわたり、常に画像濃度が高く、カブリの少ない高品質な画像を提供する効果がある。
特許文献2に記載されている現像剤は、アミノシランカップリング剤及びアミノシリコーンオイルから選択される少なくとも1種の表面処理剤によって表面処理された平均粒径が0.1〜3μmの第1無機微粒子と、疎水化処理された平均一次粒径が0.005〜0.02μmの第2無機微粒子を含有している。第1無機微粒子によりアモルファスシリコ
ン系感光体の表面が研磨され、タルク、炭酸カルシウムなどの填料やトナー成分などがアモルファスシリコン系感光体の表面にフィルミングすることを抑制する。また第2無機微粒子によって現像剤の流動性が向上すると共に、正帯電性のトナーが適切に帯電されるようになり、トナーが飛散や形成される画像にカブリや濃度ムラなどが発生するのも抑制され、良好な画像が安定して得られる効果がある。
特許文献3に記載されているトナーは、アルカリ土類金属とチタン又はジルコニウムとの複合金属酸化物の表面に炭酸塩が偏在している複合無機粒子を含有し、感光体の表面劣化による画像流れを防止し、長期間にわたる画像形成においても、画質の劣化の抑制に効果がある。
しかしながら、特許文献1〜3に記載のトナーは、転写時突き抜けを考慮した設計ではないため、高温高湿環境下におけるハーフトーンムラや飛び散りが抑制された画像を出力するという観点では性能が不十分である。
本発明は上述した課題を解決する為になされるものである。すなわち、本発明は、高温高湿環境下で使用した場合でも、ハーフトーンムラ、及び、飛び散りが発生しないトナーを提供するものである。
本発明は、
結着樹脂を含有するトナー粒子、及び、無機微粒子を有するトナーであって、
該無機微粒子が、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を含有することを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、高温高湿環境下で使用した場合でも、ハーフトーンムラ、及び、飛び散りが発生しないトナーを提供することができる。
比抵抗の測定装置の概略図
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明のトナーは、
結着樹脂を含有するトナー粒子、及び、無機微粒子を有するトナーであって、
該無機微粒子が、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を含有することを特徴とする。
本発明者らの検討によれば、該トナーを用いることにより、高温高湿環境下で使用した場合であっても、転写時突き抜けによるハーフトーンムラ、及び、飛び散りが発生しないトナーを提供することができる。
該トナーが、従来にない優れた効果を得られる理由は以下のように考えている。
本発明において、転写時突き抜けとは、以下の現象をいう。
転写工程において、転写媒体である紙の裏面から、紙にトナーとは逆の極性の電荷を与え、紙の表面をトナーの極性とは逆の極性に帯電させる。このとき、本来は紙の表面だけを帯電させるはずが、電荷が紙の裏から表へと通過してしまい、静電荷像担持体の表面のトナーをも帯電させ、トナーを本来とは逆の極性に帯電させる現象である。
紙の抵抗が低い場合は電荷が流れやすくなるため、該転写時突き抜けは、高温高湿環境下で吸湿した紙を使用して画像出力を行った場合に起こりやすい。
該トナーは、トナー粒子の表面にジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を有している。そして、該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子が、転写時突き抜けによりトナーが逆極性に帯電することを抑制する。
ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は通常、ペロブスカイト型の結晶構造を有する。ペロブスカイト型の結晶構造は単位格子の体心にジルコニウムの陽イオン、各頂点にカルシウム又はストロンチウムの陽イオンが配置し、ジルコニウムの陽イオンを中心にして単位格子の面心に酸素の陰イオンが配置している。
単位格子の各頂点に存在するカルシウムイオンとストロンチウムイオンは、イオン半径が異なる。単位格子の面心に配置する酸素イオンの電子雲(原子核の周りの電子の分布)はカルシウムイオン及びストロンチウムイオンの影響を受けやすい。
単位格子の各頂点にカルシウムイオン又はストロンチウムイオンのイオン半径の異なる2つの陽イオンが存在することにより、酸素イオンの電子雲に歪ができる。歪ができることで、酸素イオンの電子雲が大きくなり、プラスの電荷を受け取りやすくなる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、上記のような理由により、プラスの電荷を受け取りやすいため、転写時突き抜けによる正の電荷は、トナー粒子の表面に存在するジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子に選択的に移動する。
そのため、トナーの帯電は負極性に保たれ、トナーは紙へ適切に転写される。その結果、高温高湿環境下においても転写時突き抜けが発生しにくく、ハーフトーンムラ、及び、飛び散りが発生しないトナーを提供することができる。
ジルコン酸カルシウム微粒子やジルコン酸ストロンチウム微粒子は通常、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子と同様に、ペロブスカイト型の結晶構造を有する。
しかし、ジルコン酸カルシウム微粒子又はジルコン酸ストロンチウム微粒子は、結晶構造の単位格子の各頂点にカルシウムイオン又はストロンチウムイオンの一種類のイオンのみが存在するため、酸素イオンの電子雲に歪ができにくい。
そのため、ジルコン酸カルシウム微粒子やジルコン酸ストロンチウム微粒子は、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子よりもプラスの電荷を受け取りにくいため、転写時突き抜けによりトナーが正に帯電しやすく、ハーフトーンムラや飛び散りを改良する効果が得られにくい。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、
CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが、30.90deg以上31.42deg以下の範囲に最大ピークを有することが好ましい。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の該回折角2θが、上記範囲に最大ピークを有する場合、高温高湿環境下におけるハーフトーンムラ、及び、飛び散りをより抑制することができる。
該回折角2θの最大ピークは、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を作製する際に、原料である酸化ジルコニウムと炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムをそれぞれ水に分散させ、その後、各スラリーを混合する工程において、ジルコニム、カルシウム及びストロンチウムのモル比などにより制御することができる。
一般的なジルコン酸カルシウムは、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが、31.48deg以上31.56deg以下の範囲に最大ピークを有する。
一方、一般的なジルコン酸ストロンチウムは、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが、30.76deg以上30.84deg以下の範囲に最大ピークを有する。すなわち、該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、ジルコン酸カルシウムやジルコン酸ストロンチウムとは異なる物質であることがわかる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子が、CuKα線を用いたX線回折スペク
トルにおいて、回折角2θが、30.90deg以上31.42deg以下の範囲に最大ピークを有する場合、単位格子の各頂点に配置するカルシウムイオンとストロンチウムイオンのバランスが良好となり、プラスの電荷をより受け取りやすくなる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、
誘電率が、20pF/m以上125pF/m以下であることが好ましく、50pF/m以上110pF/m以下であることがより好ましい。
ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の誘電率を上記範囲に制御することで、高温高湿環境下において、転写時に紙の裏面の正の電荷が転写時突き抜けによりトナーに移動する際に、正極性の電荷がトナーの表面のジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の酸素イオンに選択的に移動しやすくなるため、ハーフトーンムラ及び飛び散りをより抑制することができる。
該誘電率は、原料である酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムの一次粒子の個数平均粒径や、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を製造する際の噴霧乾燥の温度、焼結の温度及び時間などによって制御することができる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、
比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×10Ω・cm以上1.0×1010Ω・cm以下であることがより好ましい。
ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の比抵抗を上記範囲にすることで、低温低湿環境下において、長期に渡り、画像濃度が高く、かつ、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
一般的に低温低湿環境下においては、トナーが過剰に帯電されやすい。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の比抵抗を上記範囲に制御することで、トナーの過剰帯電をリークする効果があるため、高温高湿環境下におけるハーフトーンムラと飛び散りが発生しない効果を維持しつつ、低温低湿環境下においても、長期に渡り、画像濃度が高く、かつ、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
該比抵抗は、原材料である酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムの純度やジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を製造する際の噴霧乾燥の温度、焼結の温度及び時間などによって制御することができる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.05質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上3.0質量部以下であることがさらに好ましい。
ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の含有量を上記範囲にすることで、転写時突き抜けにより、トナーが本来とは逆の極性に帯電されることを抑制する効果と、トナーの過剰帯電の抑制の効果が得られやすい。その結果、高温高湿環境下において、ハーフトーンムラ及び飛び散りがより抑制される。また、低温低湿環境下において、長期に渡り、画像濃度が高く、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上800nm以下であることが好ましく、30nm以上350nm以下であることがより好ましい。
ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径が上記範囲にあることにより、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子がトナー粒子表面に効果的に微分散する。その結果、転写時突き抜けによりトナーが本来とは逆の極性に帯電されることを抑制する効果と、トナーの過剰帯電の抑制の効果が得られやすくなる。その結果、高温高湿環境下において、ハーフトーンムラ及び飛び散りがより抑制される。また、低温低
湿環境下において、長期に渡り、画像濃度が高く、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、蛍光X線分析により検出される元素が全て酸化物であるとみなして、全酸化物の総量を100モル%としたとき、酸化ジルコニウムの含有量をXモル%、酸化カルシウムの含有量をYモル%、酸化ストロンチウムの含有量をZモル%としたときに、
X/(Y+Z)が0.90以上1.10以下(より好ましくは、0.95以上1.05以下)であり、
X+Y+Zが90以上100以下(より好ましくは、95以上100以下)であり、
Y及びZがそれぞれ10以上40以下(より好ましくは、14以上40以下)であることが好ましい。
X/(Y+Z)が0.90以上1.10以下であるということは、ジルコニウムイオンとカルシウムイオン及びストロンチウムイオンの数の比が1:1に近いということを意味する。
ジルコニウムイオンとカルシウムイオン及びストロンチウムイオンの数の比を1:1に近くすることで、ジルコン酸カルシウムストロンチウムが欠陥の少ないペロブスカイト型の構造を取りやすくなる。そのため、転写時突き抜けによりトナーが本来とは逆の極性に帯電されることを抑制する効果と、トナーの過剰帯電の抑制の効果が得られやすい。その結果、高温高湿環境下において、ハーフトーンムラ及び飛び散りがより抑制される。また、低温低湿環境下において、長期に渡り、画像濃度が高く、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
X+Y+Zが90以上であるということは、ジルコン酸カルシウムストロンチウムの純度が高いことを意味する。ジルコン酸カルシウムストロンチウムの純度が高いことにより、転写時突き抜けによりトナーが本来とは逆の極性に帯電されることを抑制する効果と、トナーの過剰帯電の抑制の効果が得られやすい。その結果、高温高湿環境下において、ハーフトーンムラ及び飛び散りがより抑制される。また、低温低湿環境下において、長期に渡り、画像濃度が高く、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
Y及びZがそれぞれ10以上であることは、ジルコン酸カルシウムストロンチウム中のカルシウムイオンとストロンチウムイオンのどちらかが極端に少ない状態ではないことを意味する。ジルコン酸カルシウムストロンチウム中のカルシウムイオンとストロンチウムイオンの量が適正であることにより、転写時突き抜けによりトナーが本来とは逆の極性に帯電されることを抑制する効果と、トナーの過剰帯電の抑制の効果が得られやすい。その結果、高温高湿環境下において、ハーフトーンムラ及び飛び散りがより抑制される。また、低温低湿環境下において、長期に渡り、画像濃度が高く、カブリの発生が抑制されたトナーを提供することができる。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、必要に応じて、疎水化や、摩擦帯電性コントロールの目的で、表面処理剤により表面処理されていてもよい。
表面処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤が挙げられる。これら表面処理剤は、単独で、又は2種以上を併用してもよい。
該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の製造方法は特に制限はないが、公知の固相法又は湿式法による製造方法が例示できる。
該固相法は以下の通りである。
例えば、酸化ジルコニウムと炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムを含む混合物を洗浄、乾燥、焼結させて、機械粉砕、分級を行い、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を得る。
この場合、原料である酸化ジルコニウムは、ZrO組成を有する物質であれば特に制限されない。
また、原料である炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムは、CaCO及びSrCO組成を有する物質であれば特に制限されない。
しかしながら、焼結後、粉砕してジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を得る場合、粒度分布が不均一になりやすい。
固相法で粒度分布が均一なジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を得るためには、原料である酸化ジルコニウムと炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムの一次粒子の個数平均粒径が5nm以上200nm以下であることが好ましい。
また、原料である酸化ジルコニウムと炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムに含まれる不純物が少ないことが好ましい。不純物が多く含まれる場合、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の製造時に不純物が溶融して、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子が焼結しやすくなるため、ジルコン酸カルシウムストロンチウムの微粒子ができにくくなる。酸化ジルコニウムと炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムの純度は90.0%以上であることが好ましい。
また、以下の固相法を挙げることもできる。
酸化ジルコニウムと炭酸カルシウム及び炭酸ストロンチウムを水の存在下、均一に湿式で混合して混合物のスラリーを調製する。
該混合物のスラリーを噴霧乾燥後、焼結して、ジルコン酸カルシウムストロンチウムを得る。
噴霧乾燥には、通常のスプレードライ装置を用いることができる。スラリーの乾燥温度は、120℃以上300℃以下であることが好ましい。
混合物のスラリーを該乾燥温度の範囲で噴霧乾燥することにより、粒度分布が均一なジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を得ることができる。
ジルコン酸カルシウムストロンチウムの焼結温度は、600℃以上950℃以下であることが好ましい。ジルコン酸カルシウムストロンチウムの焼結温度を上記範囲にすることで、粒度分布が均一なジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を得ることができる。
該トナーは、帯電安定性、現像性、流動性、及び耐久性などの性能向上のために、該ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子以外の外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、及び研磨剤などの働きをする樹脂微粒子や無機微粒子が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子が挙げられる。
該無機微粒子として、シリカ微粒子が好適に例示できる。
該シリカ微粒子は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m/g以上500m/g以下であることが好ましく、50m/g以上400m/g以下であることがより好ましい。また、シリカ微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
該シリカ微粒子は、必要に応じて、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で処理されていてもよい。
該結着樹脂としては、特に限定されず、トナー用の公知の樹脂が挙げられる。
具体的には、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変
性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が挙げられ、好ましくは、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリエステル樹脂とスチレン系共重合樹脂が混合又は両者が一部反応したハイブリッド樹脂が挙げられる。
該結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、保存安定性の観点から、45℃以上であることが好ましい。また、低温定着性の観点から、該Tgは75℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。
該ガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量計(DSC)「MDSC−2920、TA Instruments社製」を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定するとよい。
具体的には、結着樹脂約3mgを精秤し、アルミニウム製パン中に入れる。一方、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。
この2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線とDSC曲線との交点を、ガラス転移温度(Tg)とする。
該トナー粒子は、離型性を与えるために、離型剤(ワックス)を含有してもよい。
該ワックスとしては、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系共重合モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物など。
これらのうち、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。
ワックスの添加タイミングは、トナー製造時に添加してもよいし、結着樹脂の製造時に添加してもよい。また、これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該トナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、非磁性2成分現像剤のいずれの態様でも使用できる。
磁性1成分現像剤の場合、着色剤として、磁性体が好ましく用いられる。該磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、30質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
非磁性1成分現像剤、及び非磁性2成分現像剤の場合、着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。また、マグネタイト、フェライトなどの磁性体を用いることもできる。
イエロー色の着色剤としては、以下の顔料又は染料が例示できる。
顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。
染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
シアン色の着色剤としては、以下の顔料又は染料が例示できる。
顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。
染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
マゼンタ色の着色剤としては、以下の顔料又は染料が例示できる。
顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48;2、48:3、48:4、49、50、51、52、53、54、55、57、57;1、58、60、63、64、68、81、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、52、58、63、81、82、83、84、100、109、111、121、122、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料が挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該トナーは、荷電制御剤として、既知の荷電制御剤を用いることができる。
該荷電制御剤としては、アゾ系鉄化合物、アゾ系クロム化合物、アゾ系マンガン化合物、アゾ系コバルト化合物、アゾ系ジルコニウム化合物、カルボン酸誘導体のクロム化合物、カルボン酸誘導体の亜鉛化合物、カルボン酸誘導体のアルミ化合物、カルボン酸誘導体のジルコニウム化合物が挙げられる。
該カルボン酸誘導体は、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。また、荷電制御樹脂も用いることもできる。これらの荷電制御剤は、1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。荷電制御剤及び荷電制御樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
上述のように、該トナーは、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。
該キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイトなどのキャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性体が分散されたバインダー型のキャリアを用いることができる。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。被覆材に用いられる樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は複数を併用して用いることができる。
該トナーの製造方法として、粉砕法を以下に例示するが、これに限定される訳ではない。
まず、結着樹脂、及び、必要に応じて、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルのような混合機により十分混合する。
得られた混合物を、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し混練物を得る。
得られた混練物を、冷却固化後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。
さらに、トナー粒子にジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子、及び、必要に応じて、シリカ微粒子などをヘンシェルミキサーのような混合機により十分混合することによりトナーを得る。
該混合機としては、以下のものが挙げられる。
ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
該混練機としては、以下のものが挙げられる。
KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。
カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。
クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。
ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
なお、トナーの重量平均粒径(D4)は4.0μm以上9.0μm以下であることが好ましく、4.5μm以上8.5μm以下であることがより好ましく、5.0μm以上8.0μm以下であることがさらに好ましい。
また、該トナーは、負帯電性のトナーであることが好ましい。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<X線回折スペクトルの測定方法>
X線回折スペクトルの測定は、測定装置「MiniFlex600」(リガク社製)と、装置付属の制御ソフト及び解析ソフトを用い、以下の条件で行う。
測定範囲内に回折ピークを持たない無反射試料板(リガク製)に、サンプル(ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子)を粉末のまま平らになるように軽く押さえながら乗せる。平らになったら、試料板ごと装置へセットする。
[X線回折の条件]
管球:Cu
平行ビーム光学系
電圧:40kV
電流:15mA
開始角度:3°
終了角度:60°
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:10.00°/min
発散スリット:0.625deg
散乱スリット:8.0mm
受光スリット:13.0mm(Open)
なお、トナーから、トナーが有する外添剤のX線回折スペクトルを測定する場合は、以下のようにするとよい。
まず、トナーから外添剤を分離する。分離方法は、以下の通りである。
界面活性剤であるコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で50倍に希釈した希釈液20mLを50mLのポリエチレン製ボトル容器に入れる。
そこに、トナー1.0gを添加し、トナーが自然に沈降するまで静置して処理前分散液を作製する。この分散液を、振とう機(YS−8D型:(株)ヤヨイ製)にて、振とう速度:200rpmで20分間振とうし、外添剤をトナー粒子表面から離脱させる。
トナー粒子と脱離した外添剤の分離は遠心分離機を用いて行う。遠心分離工程は370
0rpmで30min行い、その後、上澄み部分を採取し、濾過及び乾燥することでトナーから分離させた外添剤を得ることができる。
<ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の組成の分析方法>
ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の組成は、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios advanced、スペクトリス社製」を用い、He雰囲気下、NaからUまでの元素を直接測定する。
試料は、装置付属の液体試料用カップを使用し、ポリプロピレンフィルムを底面に張り、試料を十分量入れ、底面に均一厚に層を形成させて、ふたをする。
出力が2.4kWの条件で測定する。
解析には、ファンダメンタルパラメータ法を用いる。
その際、検出された元素全てが酸化物であると仮定し、全酸化物の総質量を100質量%とする。
ソフトウエア「UniQuant5 ver.5.49、スペクトリス社製」を用いて、該総質量に対する、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ストロンチウム(SrO)の含有量(質量%)を酸化物換算値として求める。
その後、全酸化物の総量を100モル%としたときの、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ストロンチウム(SrO)の含有量をモル%に換算する。
<誘電率の測定方法>
誘電率は以下の方法で測定する。
試料1.0gを秤量し、2MPaの荷重を1分間かけて、直径25mm、厚さ1.5±0.5mmの円盤状の測定試料に成型する。秤量のグラムと荷重と厚さを確認する。
この測定試料を、直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES−G2「TA Instruments社製」に装着する。
測定温度25℃にて250g/cmの荷重をかけた状態で、4284AプレシジョンLCRメータ(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1MHz、温度25℃における複素誘電率の測定値より、誘電率を算出する。
<比抵抗の測定方法>
図1に概略される測定装置を用い、電界強度10000(V/cm)における比抵抗を測定する。
抵抗測定セルAは、断面積2.4cmの穴の開いた円筒状容器(PTFE樹脂製)17、下部電極(ステンレス製)18、支持台座(PTFE樹脂製)19、上部電極(ステンレス製)20から構成される。支持台座19上に円筒状容器17を載せ、試料21を厚さ約1mmになるように充填し、充填された試料21に上部電極20を載せ、試料の厚みを測定する。図1(a)に示すように、試料のないときの間隙をd1とし、図1(b)に示すように、厚さ約1mmになるように試料を充填したときの間隙d2とすると、試料の厚みdは下記式で算出される。
d=d2−d1(mm)
この時、試料の厚みdが0.95mm以上1.04mm以下となるように試料の質量を適宜変える。
電極間に直流電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって試料の比抵抗を求めることができる。
測定には、エレクトロメーター22(ケスレー6517A ケスレー社製)及び制御用に処理コンピュータ23を用いる。
制御用の処理コンピュータにナショナルインスツルメンツ社製の制御系と制御ソフトウエア(LabVEIW ナショナルインスツルメンツ社製)を用いる。
測定条件として、試料と電極との接触面積S=2.4cm、試料の厚み0.95mm
以上1.04mm以下になるように実測した値dを入力する。また、上部電極20の荷重を270g、最大印加電圧を1000Vとする。
比抵抗(Ω・cm)=〔印加電圧(V)/測定電流(A)〕×S(cm)/d(cm)
電界強度(V/cm)=印加電圧(V)/d(cm)
試料の該電界強度における比抵抗は、グラフ上の該電界強度における比抵抗をグラフから読み取る。
<無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法>
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡「H−800」(日立製作所社製)で観察し、最大200万倍に拡大した視野において、100個の一次粒子の長径を測定し、その算術平均値を求める。
<トナーの粒度分布の測定方法>
トナーの粒度分布は以下のように測定する。
測定装置として、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンタ Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定及び解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。
「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
また、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
<無機微粒子1の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:80nm、純度:97.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:120nm、純度:99.0質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:120nm、純度:99.0質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.7:0.3となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを200℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて800℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子1を得た。
無機微粒子1をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子2の製造例>
無機微粒子1の製造例において、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.73:0.32となるように混合した以外は同様にして、無機微粒子2を得た。無機微粒子2をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子3の製造例>
無機微粒子1の製造例において、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.67:0.73となるように混合した以外は同様にして、無機微粒子3を得た。無機微粒子3をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子4の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:30nm、純度:98.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:40nm、純度:99.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:40nm、純度:99.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.2:0.9となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを150℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉
にて700℃の温度で3時間加熱し、無機微粒子4を得た。
無機微粒子4をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子5の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:100nm、純度:96.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:97.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:97.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.7:0.2となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを220℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて700℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子5を得た。
無機微粒子5をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子6の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:100nm、純度:96.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:97.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:97.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.66:0.21となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを220℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて700℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子6を得た。
無機微粒子6をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子7の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:100nm、純度:96.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:97.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:97.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.94:0.24となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを220℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて700℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子7を得た。
無機微粒子7をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子8の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:100nm、純度:94.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:96.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:96.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.92:0.26となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを220℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて700℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子8を得た。
無機微粒子8をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムで
あることを確認した。
<無機微粒子9の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:100nm、純度:94.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:96.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:96.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.94:0.23となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを220℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて700℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子9を得た。
無機微粒子9をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子10の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:100nm、純度:94.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:96.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:96.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.23:0.94となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを220℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて700℃の温度で4時間加熱し、無機微粒子10を得た。
無機微粒子10をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子11の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:92.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:93.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:93.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.23:0.94となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを250℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて800℃の温度で4時間30分加熱し、無機微粒子11を得た。
無機微粒子11をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子12の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:5nm、純度:97.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:10nm、純度:99.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:10nm、純度:99.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.23:0.94となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを130℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて650℃の温度で2時間加熱し、無機微粒子12を得た。
無機微粒子12をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子13の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:95.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:97.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:97.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.23:0.94となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを260℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて820℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子13を得た。
無機微粒子13をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子14の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:150nm、純度:92.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:93.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:93.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.24:0.93となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを260℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて820℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子14を得た。
無機微粒子14をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子15の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:170nm、純度:91.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:160nm、純度:92.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:160nm、純度:92.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.24:0.93となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを260℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて820℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子15を得た。
無機微粒子15をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子16の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:170nm、純度:91.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:160nm、純度:92.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:160nm、純度:92.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.24:0.93となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを250℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて800℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子16を得た。
無機微粒子16をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子17の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:92.0質量%)と
炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:92.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:92.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:0.17:1.00となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを230℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて780℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子17を得た。
無機微粒子17をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子18の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:92.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:92.5質量%)及び炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:92.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム、カルシウム及びストロンチウムのモル比が1:1.00:0.17となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを250℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて780℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子18を得た。
無機微粒子18をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子19の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:92.0質量%)と炭酸カルシウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:92.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム及びカルシウムのモル比が1:1となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを250℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて780℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子19を得た。
無機微粒子19をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムであることを確認した。
<無機微粒子20の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:92.0質量%)と炭酸ストロンチウム(一次粒子の個数平均粒径:200nm、純度:92.5質量%)をそれぞれ水に分散させてスラリーを調製した。
各スラリーを、ジルコニウム及びストロンチウムのモル比が1:1となるように混合して、混合スラリーを得た。
得られた混合スラリーを250℃で噴霧乾燥した。その後、噴霧乾燥した粉末を電気炉にて780℃の温度で5時間加熱し、無機微粒子20を得た。
無機微粒子20をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸ストロンチウムであることを確認した。
<無機微粒子21の製造例>
酸化ジルコニウム(一次粒子の個数平均粒径:180nm、純度:92.0質量%)を水に分散させたスラリーに、塩酸を加えてpH1.2とし、解膠処理を行った。
その後、ジルコニウムに対するモル比が1.1倍となるように塩化カルシウム水溶液を添加し、10mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加してpH13.0に調整後、窒素ガスを吹き込み20分間放置し、反応容器内を窒素ガスで置換した。
次に、この反応容器に窒素を流しながら、さらに撹拌混合しつつ混合溶液をオートクレーブ内で155℃に加温して3時間撹拌保持し、ジルコン酸カルシウム微粒子を形成した。
続いて、スラリー温度が50℃になるまで冷却した後、反応容器内に炭酸ガスを吹き込みながら、徐々に水酸化カルシウム水溶液を加えて2時間攪拌を行った。得られたスラリーをろ別、洗浄、及び乾燥した後、ハンマーミルを用いて粉砕し、無機微粒子21を得た。
無機微粒子21をX線回折法にて同定した結果、ジルコン酸カルシウムであることを確認した。
得られた無機微粒子1〜21について、X線回折分析及び蛍光X線分析、並びに、誘電率、比抵抗及び一次粒子の個数平均粒径の測定を行った。
各無機微粒子の物性を表1に示す。
Figure 0006938345
<結着樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2mol付加物):60.0モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2mol付加物):40.0モル部
・テレフタル酸:80.0モル部
・無水トリメリット酸:20.0モル部
上記モノマーを5リットルオートクレーブに仕込んだ。そこに、還流冷却器、水分分離装置、Nガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内にNガスを導入しながら230℃で縮重合反応を行った。反応終了後、オートクレーブから反応物を取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。
<実施例1>
(トナー1の製造例)
・結着樹脂1 100部
・フィッシャートロプッシュワックス 5部
(融点105℃)
・磁性酸化鉄粒子: 90部
(個数平均粒径0.20μm、Hc(抗磁力)=10kA/m、σs(飽和磁化)=83Am/kg、σr(残留磁化)=13Am/kg)
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。
その後、ジェットミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.8μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
該トナー粒子100部に対して、1.0部の無機微粒子1、及び、2.0部の疎水化処理をしたシリカ微粒子(BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m/g)を、外添混合した。その後、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。トナー1の処方を表2に示す。
トナーの評価には、市販のデジタル複写機(image RUNNER ADVANCE 4551i キヤノン株式会社製)のプロセススピードを252mm/sに改造した評価機を用いた。
<ハーフトーンムラの評価>
ハーフトーンムラの評価は、高温高湿(30℃、80%RH)環境下において、600dpiの解像度で2ドット3スペースのハーフトーン画像を出力し、得られた画像についてハーフトーン画質(現像の濃淡ムラ)を目視で評価した。
評価紙はCS−520(52.0g/m紙、A4、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用い、該評価紙を高温高湿環境下に48時間以上放置して十分に吸湿させた状態で使用した。
(評価基準)
A:濃淡ムラは感じられない。
B:濃淡ムラがわずかにみられるが、ほぼ気にならない。
C:濃淡ムラが若干みられる。
D:濃淡ムラが確認できる。
E:濃淡ムラが非常に目立つ。
<飛び散りの評価>
飛び散りの評価は、高温高湿(30℃、80%RH)環境下において行った。
評価紙はCS−520(52.0g/m紙、A4、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用い、該評価紙を高温高湿環境下に48時間以上放置して十分に吸湿させた状態で使用した。
飛び散りの評価は、100μm(潜像)ラインでの格子パターン(1cm間隔)をプリントし、その飛び散りを、光学顕微鏡を用いて目視で評価した。
(評価基準)
A:ラインが非常にシャープで飛び散りはほとんどない。
B:わずかに飛び散っている程度でラインはシャープである。
C:飛び散りがやや多いがラインは比較的シャープである。
D:飛び散りがかなり多くラインがぼんやりした感じになる。
E:Dのレベルに満たない。
<画像濃度の評価>
評価は各環境下において〔常温常湿(23℃、55%RH)環境下、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、低温低湿(5℃、5%RH)環境下〕、印字比率5%のテストチャートを10枚連続通紙し、その後に評価を行った。
低温低湿環境下においては、その後、1万枚連続通紙し、その後にも同様の評価を行い、トナーの過剰帯電を抑制できているのかを評価した。
1万枚連続通紙により、トナーが過剰帯電した場合は、トナーの画像濃度が低くなる。
評価紙はCS−680(68.0g/m紙、A4、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用いた。
評価方法は、20mm四方のベタ黒パッチが現像域内に5箇所配置されたオリジナル画像を出力し、その5点平均を画像濃度とした。
なお、画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(X−rite社製、X−rite
500Series)を用いて測定した。
(評価基準)
A:画像濃度1.45以上
B:画像濃度1.40以上1.45未満
C:画像濃度1.35以上1.40未満
D:画像濃度1.30以上1.35未満
E:画像濃度1.30未満
<カブリの評価>
カブリの評価は、各環境において〔常温常湿(23℃、55%RH)環境下、高温高湿(30℃、80%RH)環境下、低温低湿(5℃、5%RH)環境下〕、印字比率5%のテストチャートを10枚連続通紙し、その後に評価を行った。
低温低湿環境下においては、その後、1万枚連続通紙し、その後にも同様の評価を行い、トナーの過剰帯電を抑制できているのかを評価した。
1万枚連続通紙により、トナーが過剰帯電した場合は、カブリの発生が顕著になる。
評価方法は、ベタ白画像を下記の基準で評価した。
なお、測定は反射率計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度の最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Dr−Dsをカブリ量としてカブリの評価を行った。したがって、数値が小さいほどカブリの発生が少ないことを示す。
(評価基準)
A:カブリが1.0未満
B:カブリが1.0以上2.0未満
C:カブリが2.0以上3.0未満
D:カブリが3.0以上4.0未満
E:カブリが4.0以上
<トナー2〜22の製造例>
無機微粒子の種類及び添加量を表2のように変更した以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー2〜22を得た。
<実施例2〜22>
トナー2〜22を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
Figure 0006938345
Figure 0006938345
Figure 0006938345
<トナー23〜25の製造例>
無機微粒子の種類及び添加量を表5のように変更した以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー23〜25を得た。
Figure 0006938345
<比較例1〜3>
トナー23〜25を実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表6及び表7に示す。
Figure 0006938345
Figure 0006938345
17:円筒状容器、18:下部電極、19:支持台座、20:上部電極、21:試料、22:エレクトロメーター、23:処理コンピュータ、d1:試料がないときの間隙、
d2:試料を充填したときの間隙

Claims (6)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子、及び、無機微粒子を有するトナーであって、
    該無機微粒子が、ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子を含有することを特徴とするトナー。
  2. 前記ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、
    CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、
    回折角2θが、30.90deg以上31.42deg以下の範囲に最大ピークを有する、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、
    誘電率が、20pF/m以上125pF/m以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子は、
    比抵抗が、1.0×10Ω・cm以上1.0×1012Ω・cm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の含有量が、トナー粒子100質量部に対して、0.05質量部以上10.0質量部以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記ジルコン酸カルシウムストロンチウム微粒子の一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上800nm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
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