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JP6939901B2 - 体温計 - Google Patents
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Description

本発明は、体温を測定する体温計に関し、特に、体表面に付けて、連続的に体温を測定して体温データを取得する貼付型の体温計に関する。
従来から、連続的に体表温度を検出して体温を計測する技術が提案されている。例えば特許文献1には、時系列の体表温度データ(例えば、就寝中に測定した測定対象者の体表温度データ)に基づいて口中温度等の体温を推定する装着式温度測定装置が開示されている。
装着式温度測定装置の本体をなすケーシングは、例えば樹脂材料を用いて長円形または略長円形の箱形状に形成され、その内部にマイクロコンピュータなどが実装された回路基板等が収容されている。このケーシングの正面側(測定対象者の体表面側)には、2個の略円形状に貫通した開口が設けられている。そして、一方の開口には、サーミスタ等からなる測温素子と、該測温素子を覆う金属製のカバーとによって構成され、体表面の温度を検出する体表温度検出部が取付けられている。また、他方の開口には、測温素子とカバーとによって構成され、外気に影響を受けた体表の温度を補助的に検出する補助体表温度検出部が取付けられている。さらに、ケーシングの裏面側には、測温素子とカバーとによって構成され、外気温度を検出する外気温度検出部が取付けられている。
そして、この装着式温度測定装置は、予め測定した体表温度データ群と体温とを用いてPLS回帰分析によって構築された逆演算モデルを用いて、各温度検出部により検出された温度検出データを時系列に並べた温度データ群から体温を推定する。
特開2008−128781号公報
ところで、測定対象者の体表面に装着して、連続的に体温を測定する際に、測温素子の検出信号を処理する回路基板等を内蔵している場合、例えば、汗などが内部に入ると、測定精度が低下するおそれや、故障の原因になるおそれもある。また、病院などで用いられる場合には、例えば、装置を消毒する際に、消毒液が内部に入るおそれもある。
しかしながら、上述した特許文献1に記載の装着式温度測定装置では、汗や消毒液などが内部に入ることを防止するといった防水性については考慮されていない。そこで、測定感度および測定精度(以下「測定感度等」という)を低下させることなく、かつ、比較的簡易な構造で防水性を確保する技術が望まれていた。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、内部に配線基板を有し、体表面に付けて、連続的に体温を測定して体温データを取得する貼付型の体温計において、測定感度等を低下させることなく、かつ、比較的簡易な構造で防水性を確保することが可能な体温計を提供することを目的とする。
本発明に係る体温計は、体表面に付けて、連続的に体温を測定して体温データを取得する体温計において、所定の熱抵抗値を有する熱抵抗体からなる熱抵抗体層、該熱抵抗体層の厚み方向に沿って配置された複数の温度検出手段、及び、該複数の温度検出手段それぞれの出力信号を処理する処理回路が実装された配線基板を有する体温測定部と、独立気泡又は防水性を有する半独立気泡の発泡素材から形成され、体温測定部を収納する上外装体と、非発泡性樹脂フィルムから形成される下外装体とを備え、上外装体と下外装体の周縁部が密着されていることを特徴とする。
本発明に係る体温計によれば、体温測定部を収納する上外装体が独立気泡又は防水性を有する半独立気泡の発泡素材から形成されるとともに、下外装体が非発泡性樹脂フィルムから形成される。そして、上外装体と下外装体の周縁部が密着されている。すなわち、防水性に優れる(水分透過性を有しない)素材から形成される上外装体と下外装体とが密着されているため、比較的簡易な構造で内部に汗や消毒液などが侵入することを防止できる。また、下外装体(体表面と接触する側)は、熱伝導性に優れた非発泡性樹脂フィルムから形成されているため、体温の測定感度を良好に保つことができる。さらに、上外装体(外気と接する側)は、熱伝導性が低い(すなわち断熱性に優れる)独立気泡又は半独立気泡の発泡素材から形成されているため、外気温変化(外乱)の影響を受け難くなり、安定した体温測定ができる。その結果、測定感度等を低下させることなく、かつ、比較的簡易な構造で防水性を確保することが可能となる。
本発明によれば、内部に配線基板を有し、体表面に付けて、連続的に体温を測定して体温データを取得する貼付型の体温計において、測定感度等を低下させることなく、かつ、比較的簡易な構造で防水性を確保することが可能となる。
実施形態に係る深部体温計の外観を示す平面図、及び、底面図である。 実施形態に係る深部体温計の構成を示す断面図である。 実施形態に係る深部体温計を構成する下外装体を示す平面図である。 実施形態に係る深部体温計を構成する熱抵抗体層を示す平面図である。 実施形態に係る深部体温計を構成する配線基板を示す平面図、及び、底面図である。 実施形態に係る深部体温計を構成するフレキシブル基板を示す平面図である。 実施形態に係る深部体温計を構成する貼付部材を示す平面図、及び、分解図である。 実施形態に係る深部体温計の組立て方法を説明するための図(その1)である。 実施形態に係る深部体温計の組立て方法を説明するための図(その2)である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1〜図7を併せて用いて、実施形態に係る体温計1の構成について説明する。なお、ここでは、本発明を非加熱型の深部体温計(以下、単に「深部体温計」という)に適用した場合を例にして説明する。図1は、深部体温計1の外観を示す平面図、及び、底面図である。図2は、深部体温計1の構成を示す断面図(図1のII−II線に沿った断面図)である。図3は、深部体温計1を構成する下外装体20を示す平面図である。図4は、深部体温計1を構成する熱抵抗体層30を示す平面図である。図5は、深部体温計1を構成する配線基板40を示す平面図、及び、底面図である。図6は、深部体温計1を構成するフレキシブル基板50を示す平面図である。図7は、深部体温計1を構成する貼付部材60を示す平面図、及び、分解図である。なお、視認性を考慮して、各図の縮尺は変更されている。
深部体温計1は、第1温度センサ701と第2温度センサ702により検出された温度の差、及び、第3温度センサ703と第4温度センサ704により検出された温度の差に基づいて、測定対象者の深部からの熱流量を求め、深部体温を取得する非加熱型の深部体温計である。また、深部体温計1は、測定対象者の体表面に貼り付けて、連続的に体温を測定して体温データを取得する貼付型の深部体温計である。特に、深部体温計1は、測定感度等を低下させることなく、かつ、比較的簡易な構造で防水性を確保した深部体温計である。
深部体温計1は、主として、上外装体10、下外装体20、体温測定部15、及び、貼付部材60を備えて構成されている。また、体温測定部15は、主として、熱抵抗体層30、第2温度センサ702、第4温度センサ704が実装された配線基板40、第1温度センサ701、第3温度センサ703が実装されたフレキシブル基板50を有して構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
上外装体10は、例えば、防水性を有する独立気泡又は半独立気泡の発泡素材から形成される。上外装体10は、外気温の急激な変動(変化)により体温測定部15の温度が局所的に変化することを防ぐために、熱伝導率の低い発泡素材を用いることが好ましい。なお、素材としては、例えば、ポリウレタンや、ポリスチレン、ポリオレフィン等が好適に用いられる。また、上外装体10の加工方法としては、例えば、真空成形が好適に用いられる。上外装体10は、体温測定部15(熱抵抗体層30、配線基板40、フレキシブル基板50など)を収納できるように、断面が凹状に形成されている。そのため、発泡素材によって熱抵抗体層30の側面が覆われ、熱抵抗体層30の側面が外気に曝されることが防止される。
下外装体20は、例えば、防水性を有し(水分透過性が低く)、かつ、上外装体10よりも熱伝導率が高い非発泡性樹脂フィルムから形成される。素材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミドなどが挙げられ、特に、ポリエチレンテレフタラートが好適に用いられる。下外装体20は、第1温度センサ701、第3温度センサ703が取り付けられたフレキシブル基板50(体温測定部15)を密着して固定できるように、平面状(フラット)に形成されている。なお、体温測定部15と下外装体20との間に隙間ができると熱抵抗が変わり、熱流束に影響するため、体温測定部15と下外装体20とは、両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルムで貼り合わせる方法や、接着剤で固定する方法などにより、密着して固定することが好ましい。上外装体10と下外装体20のサイズ(外形寸法)は、同一(又は略同一)となるように形成されており、例えば、縦40〜100mm、横20〜60mm程度の大きさに形成される。
そして、断面が凹状(略ハット状)に形成された上外装体10の周縁部と、平面状に形成された下外装体20の周縁部とは、例えば、両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルムを用いた貼り合わせ、接着剤での固定、又は、ヒートシールなどによって、密着して固定される。なお、防水性能を実現するため、上外装体10と下外装体20を密着固定する部分は、平坦で、しわがよりにくい構造であることが望ましい。すなわち、下外装体20の外縁部が平坦で、対向する上外装体10の外縁部も平坦であり、それらを貼り合わせて密着固定することが好ましい。このようにすれば、密着固定部に均一に力がかかるため、しわがよるなどの防水性能に悪影響を及ぼす問題が発生しにくくなる。
体温測定部15は、図2に示されるように、下外装体20側から順に、フレキシブル基板50、熱抵抗体層30、配線基板40の順に積層されて構成される。
熱抵抗体層30は、2つの熱流束を形成するために、熱抵抗値が異なる2つの熱抵抗体、すなわち、第1熱抵抗体301、及び、第2熱抵抗体302を有している(図4参照)。第1熱抵抗体301には、第2熱抵抗体302よりも熱伝導率が高い(熱抵抗値が低い)素材、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、アクリルやポリカーボネート、エポキシ樹脂等のプラスチック類が好適に用いられる。第2熱抵抗体302には、第1熱抵抗体301よりも熱伝導率が低い(熱抵抗値が高い)素材、例えば、ポリウレタンやポリスチレン、ポリオレフィン等の発泡プラスチック(フォーム材)が好適に用いられる。ただし、発泡状でないプラスチックやゴムなども用いることができる。なお、ここで、銅やアルミなどの金属の熱伝導率が100[W/m/K]以上であるのに対し、ポリプロピレンやポリエチレン、アクリルやポリカーボネート、エポキシ樹脂等のプラスチック類の熱伝導率は、約0.1〜0.5[W/m/K]程度であり、3桁程小さい。発泡プラスチックの熱伝導率はさらに1桁近く小さい。空気の熱伝導率はさらに小さく0.024[W/m/K]である。第1熱抵抗体301と、第2熱抵抗体302とは、配線基板40やフレキシブル基板50と積層可能とすることによる低コスト化を図るため、厚みが略同一となるように形成されている。
熱抵抗体層30を構成する第1熱抵抗体301には、厚さ方向に貫通する第3の貫通孔301aが形成されている。同様に、熱抵抗体層30を構成する第2熱抵抗体302には、厚さ方向に貫通する第3の貫通孔302aが形成されている。第3の貫通孔301aは、平面視した場合に、第1温度センサ701、第2温度センサ702が内側に納まるように形成されている。すなわち、第3の貫通孔301aの内部(内側)には、対となる第1温度センサ701と第2温度センサ702とが第1熱抵抗体301の厚さ方向に沿って配置される。同様に、第3の貫通孔302aは、平面視した場合に、第3温度センサ703、第4温度センサ704が内側に納まるように形成されている。すなわち、第3の貫通孔302aの内部(内側)には、対となる第3温度センサ703と第4温度センサ704とが第2熱抵抗体302の厚さ方向に沿って配置される。
ここで、第1温度センサ701〜第4温度センサ704(以下、総括的に、「温度センサ(請求の範囲に記載の温度検出手段に相当)70」ということもある)としては、例えば、温度によって抵抗値が変化するサーミスタや測温抵抗体などが好適に用いられる。なお、温度センサ70は、応答性を高める観点から、できるだけ熱容量が小さいことが好ましい。よって、温度センサ70としては例えばチップサーミスタが好適に用いられる。第1温度センサ701〜第4温度センサ704それぞれは、プリント配線を介して、後述する処理回路408と電気的に接続されており、温度に応じた電気信号(電圧値)が処理回路408で読み込まれる。
ところで、熱流式の深部体温計1のサイズを小さくするためには、熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)を小さくすることが重要になるが、熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)を小さくすると、対となる温度センサ70の出力値の差が小さくなるため、測定誤差が大きくなるおそれがある。ここで、温度センサ70(チップサーミスタ)は略直方体であり厚さがあるため、熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)が薄くなるとその厚さを無視できなくなる。温度センサ70(チップサーミスタ)が熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)の側面に接触していると、その接触箇所から熱が伝達されるため、温度センサ70(チップサーミスタ)の温度(検出値)が熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)の表面温度からずれた温度(値)になるおそれがある。そこで(その影響を低減するため)、温度センサ70(チップサーミスタ)周囲の熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)に第3の貫通孔301a,302aを形成し、温度センサ70(チップサーミスタ)が熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)の側面に接触しない構造とする。
配線基板40は、例えば、ガラスエポキシ基板のようなリジッド基板である。配線基板40には、第1温度センサ701〜第4温度センサ704それぞれの出力信号を処理して深部体温データを取得する処理回路408が実装されている。また、配線基板40には、取得した深部体温データを送信(出力)する無線通信部403、及び、処理回路408や無線通信部403に電力を供給するコイン電池404が実装されている。処理回路408は、主として、温度入力回路と、演算処理回路とを有している。温度入力回路は、温度センサ70の検出信号(出力電圧)を読み込むため、例えば、増幅器(例えばオペアンプ)やアナログ/デジタル・コンバータ(A/Dコンバータ)などを含んで構成されている。温度入力回路は、各温度センサ70から出力されたアナログ信号を増幅して、デジタル信号に変換し、演算処理回路に出力する。
演算処理回路は、読み込まれた測定(温度)データから深部体温を算出する。演算処理回路は、例えば、MCU(Micro Control Unit)や、EEPROM、RAM等により構成され、温度入力回路を介して読み込まれた各温度センサ70の検出値に基づいて深部体温を算出する。また、演算処理回路は、算出した深部体温データをRAMなどのメモリに記憶させる。さらに、演算処理回路は、算出した深部体温データを無線通信部403に出力することにより、外部機器に無線で出力(送信)する。
なお、ここで、演算処理回路では、2つの熱抵抗の異なる熱抵抗体301,302を用いて形成される2つの熱流束の差によって生じる熱抵抗体301,302の表裏の温度差に基づいて深部体温を演算(推定)する。より具体的には、演算処理回路では、例えば、次式(1)に基づいて、深部体温Tbを算出する。
Tb={T1(T3−T4)*Ra1−T3(T1−T2)*Ra2}/{(T3−T4)*Ra1−(T1−T2)*Ra2} ・・・(1)
なお、Tbは深部体温を、T1は第1温度センサ701により検出された温度を、T2は第2温度センサ702により検出された温度を、Ra1は第1熱抵抗体301の熱抵抗値をそれぞれ示している。また、T3は第3温度センサ703により検出された温度を、T4は第4温度センサ704により検出された温度を、Ra2は第2熱抵抗体302の熱抵抗値をそれぞれ示している。
ここで、Ra1及びRa2は既知であるため、4つの温度(T1、T2、T3、T4)を検出することによって、一義的に深部体温Tbを求めることができる。
配線基板40の下面には、第1熱抵抗体301の上面(外気側)の温度を取得する第2温度センサ702、第2熱抵抗体302の上面(外気側)の温度を検出する第4温度センサ704が実装されている。より詳細には、配線基板40の下面には、周辺の温度分布を均一化する熱均一化パターン401,402が形成されており、第2温度センサ702の一方の電極が熱均一化パターン401に接続され、第4温度センサ704の一方の電極が熱均一化パターン402に接続されている。熱均一化パターン401,402は、例えば、金属膜のような熱伝導率が高い材料で形成される。
また、外気温などの影響によって配線基板40の一部の温度のみが変化してしまうことを防止するため、第2温度センサ702、第4温度センサ704が実装されている配線層の背面側(外気側)に、外気温の温度分布の影響を熱的に均一化する熱伝導率の高い均一化部材(金属膜)を設けることが好ましい。ここで、均一化部材としては、金属箔や金属薄板などを使用してもよいが、配線基板40に形成される配線層と同様に、配線基板40(多層リジッド基板)の内層の配線パターン(ベタパターン)として形成することが望ましい。その場合、均一化部材として使用する内層の配線パターン(ベタパターン)はグランドパターンでもよいが、電気回路とは接続されておらず電流が流れない独立パターンであることが好ましい。
無線通信部403は、取得された深部体温データを外部の管理機器や情報端末(例えばスマートフォン等)に送信する。ここで、無線通信部403は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの無線を経由して、外部の管理機器や情報端末に深部体温データを送信する。薄型のコイン電池(バッテリ)404は、上述した処理回路408及び無線通信部403などに電力を供給する。なお、体温測定部15(深部体温計1)の平面積(貼り付け面積)を小さくするために、また、外気温の変化や無線通信部403の動作に伴う発熱の影響を防止するために、無線通信部403、及び、コイン電池404は、配線基板40を挟んで、温度センサ70と反対側に配設される。
配線基板40の上面には、上外装体10を介して電源のオン/オフ操作を受け付ける電源スイッチ406が実装されている。また、配線基板40の上面には、使用者(例えば、測定対象者や看護師など)による操作や体温の測定状態(例えば、電源スイッチ406のオン/オフ、測定開始/終了等)に応じて点灯又は点滅するLED405(請求の範囲に記載の発光手段に相当)が実装されている。なお、LEDに代えて、例えば、VCSEL等を用いてもよい。さらに、配線基板40の下面側にはフレキシブル基板50を電気的に接続するためのFPCコネクタ407が取り付けられている。
フレキシブル基板50は、例えば、ポリイミドやポリエステルなどから形成されており、可撓性を有する。フレキシブル基板50には、第1熱抵抗体301の皮膚側の温度を取得する第1温度センサ701、第2熱抵抗体302の皮膚側の温度を取得する第3温度センサ703が実装されている。より詳細には、図6に示されるように、フレキシブル基板50には、周辺の温度分布を均一化するために、熱均一化パターン501,502が形成されており、第1温度センサ701の一方の端子が熱均一化パターン501に接続され、第3温度センサ703の一方の端子が熱均一化パターン502に接続されている。熱均一化パターン501,502は、例えば、金属膜のような熱伝導率が高い材料で形成されている。第1温度センサ701、第3温度センサ703それぞれは、配線パターン53及び、上記FPCコネクタ407を介して、配線基板40(処理回路408)に接続されており、温度に応じた電気信号(電圧値)が処理回路408(温度入力回路)で読み込まれる。なお、上述したように、下外装体20、フレキシブル基板50、熱抵抗体層30、及び、配線基板40は、熱流束を形成するため、間に隙間が生じないように、例えば、両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルムなどで密着して固定される。
貼付部材60は、図7に示されるように、下外装体20の外側の面に貼り付けられる第1接着層601、該第1接着層601に貼り付けられる通気性を有する通気層603(すなわち、水分を通す水分透過層)、及び、該通気層603に貼り付けられる第2接着層602を有して構成される。ところで、深部体温計1を皮膚に貼り付けて使用する場合、汗が皮膚と深部体温計1(下外装体20)との間に長時間たまったままになると、皮膚が炎症を起こすおそれがあるが、貼付部材60に水分を通す通気層603を設けることで、汗等での蒸れを抑制する。通気層603(水分透過層)としては、例えば、不織布を好適に用いることができる。なお、不織布に代えて、織物や編物の布を用いてもよい。また、紙や、木材、スポンジ/連続気泡の発泡材料などを用いてもよいし、体温測定部15の中央から周縁に向かう溝や孔が形成されたプラスチックやゴム、金属の構造体を用いてもよい。
通気層603(水分透過層)は空気を内部に含むため、通常、熱伝導率が低くなる。そのため、通気層603(水分透過層)が皮膚との間にあると体温測定精度に影響する。そこで(安定して体温を測定するために、)皮膚の温度を測定する第1温度センサ701、第3温度センサ703、及び、これらに接続された熱均一化パターン501,502と重なる領域には、通気層603(水分透過層)を配置しないようにする。
ここで、通気層603(水分透過層)に不織布を用いた場合を例にして説明する。図7に示されるように、不織布(通気層603)の両面には、生体適合性のある両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルム(第1接着層601、第2接着層602)が貼り付けられる。通気層603及び第2接着層602には、平面視した場合に、第1温度センサ701、第3温度センサ703が内側に納まる第1の貫通孔60a,60bが、厚み方向に形成されている。ここで、下外装体20に貼り付けられる両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルム(第1接着層601)には貫通孔を形成しないことが好ましい。貫通孔が形成されていると、すなわち貫通孔が設けられている領域において第1接着層601がないと、第1接着層601の面積が減少し、下外装体20が皮膚に密着しにくくなり、測定精度が低下するおそれが生じるためである。
また、通常、両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルム(第2接着層602)は、不織布(通気層603)よりも水分透過性が悪いため、少なくとも第2接着層602には、厚み方向に形成された複数(図7の例では7個)の第2の貫通孔60cを形成することが好ましい。その場合、例えば、直径1〜10mm程度の第2の貫通孔60cを2〜20mm程度の間隔で配置することが好ましい。なお、第2の貫通孔60cに代えて、例えば、交差部を有する切り込み(すなわち十字状に交差している切り込み)を形成してもよい。その場合、長さ1〜10mm程度の切り込みを交差させたものを2〜20mm程度の間隔で配置することが好ましい。
次に、図8及び図9を併せて参照しつつ、深部体温計1の組立て方法(製造方法)について説明する。図8は、深部体温計1の組立て方法を説明するための図(その1)である。図9は、深部体温計1の組立て方法を説明するための図(その2)である。
深部体温計1は、例えば、次の(1)〜(6)の工程で組み立てられる。
(1)配線基板40の裏面に熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)の一方の面が両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルムで密着固定される。
(2)フレキシブル基板50が、配線基板40のFPCコネクタ407に接続された後、熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)の他方の面に両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルム45で密着固定される。
(3)コイン電池404が配線基板40に装着される(例えば、配線基板40上に実装された電池ホルダに挿入される)。
(4)体温測定部15(配線基板40、熱抵抗体層30、フレキシブル基板50)のフレキシブル基板50側が下外装体20の中央部分に両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルムで密着固定される。
(5)上外装体10の周縁部と下外装体20の周縁部とが上記(4)で用いた両面粘着テープまたは両面において粘着性を有するフィルムで密着固定される。
(6)貼付部材60が下外装体20(底面)に貼り付けられる。以上のようにして、深部体温計1が組み立てられる(製造される)。なお、本実施形態では、第1温度センサ701及び第3温度センサ703が、下外装体20の中心から対称な位置に配置されていないため、貼付部材60の貼付方向を示すための印20aを下外装体20に付けている。よって、貼付部材60の切り欠きと印20aとが一致するように、貼付部材60を下外装体20に貼り付けることにより、貼付部材60の貼り付け方向を誤ることが防止される。なお、第1温度センサ701及び第3温度センサ703を下外装体20の中心から対称な位置に配置して、貼付部材60の貼付方向を示す印20aをなくしてもよい。
ところで、使用前の状態において第2接着層602が測定対象者以外に貼付されることを防ぐため、第2接着層602は測定時に剥離可能なセパレータによって覆われている。上述したように組み立てられた深部体温計1を使用する際には、まず、貼付部材60の第2接着層602に付着しているセパレータ(剥離紙)を剥がす。そして、電源スイッチ406を押して電源をオンにした後、測定対象者の測定部位に貼り付ける。なお、測定中に誤って電源スイッチ406を押してしまうことがあり得るため、電源のオン・オフは、例えば、数秒以上の長押しや複数回の押しこみによって操作を受け付けるようにすることが好ましい。操作を受け付けた際には、LED405が所定の発光パターンで発光し、操作が受け付けられたことを使用者(例えば、測定対象者や看護師など)に知らせる。電源がオンになると深部体温測定と測定データのメモリへの保存、及び、無線によるデータ出力が開始される。なお、測定部位としては、深部体温を測定する場合には、胸部、腋下、背中、腰部、頸部、後頭部、額が好ましいが、体温変動を測定する場合であれば、腹部、脇腹、大腿、足首、腕、手首等でもよい。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、体温測定部15を収納する上外装体10が独立気泡又は防水性を有する半独立気泡の発泡素材から形成されるとともに、下外装体20が非発泡性樹脂フィルムから形成される。そして、上外装体10と下外装体20の周縁部が密着されている。すなわち、防水性に優れる(水分透過性を有しない)素材から形成される上外装体10と下外装体20とが密着されているため、比較的簡易な構造で内部に汗や消毒液などが侵入することを防止できる。また、下外装体20(体表面と接触する側)は、熱伝導性に優れた非発泡性樹脂フィルムから形成されているため、体温の測定感度を良好に保つことができる。さらに、上外装体10(外気と接する側)は、熱伝導性が低い(すなわち断熱性に優れる)独立気泡又は半独立気泡の発泡素材から形成されているため、外気温変化(外乱)の影響を受け難くなり、安定した体温測定ができる。その結果、測定感度等を低下させることなく、かつ、比較的簡易な構造で防水性を確保することが可能となる。
本実施形態によれば、断面が凹状に形成された上外装体10に体温測定部15を収納できるため、該体温測定部15を平面状に形成された下外装体20に密着して固定することが可能となる。すなわち、下外装体20と体温測定部15とを密着することができるため、熱伝導性を良好に保つこと(すなわち精度よく、かつ安定して体温を測定すること)ができる。また、断面が凹状に形成された上外装体10の周縁部と、平面状に形成された下外装体20の周縁部とが、密着して固定されるため、密着面積を比較的広くとることができ、比較的簡易な構造でより防水性を高めることができる。
本実施形態によれば、貼付部材60を構成する通気層603及び第2接着層602に、第1温度センサ701、第3温度センサ703が内側に納まる第1の貫通孔60a,60bが、厚み方向に形成されているため、第1接着層601及びフィルム状の下外装体20を介して、測定対象者の体表面と第1温度センサ701、第3温度センサ703とが密着するように、深部体温計1を貼り付けることができる。よって、熱伝導率の低い空気の層が間に入らないため、精度よく、かつ安定して体温を連続的に測定することができる。また、体表面から出る汗などを、通気層603を通して外部に放出することができる。よって、深部体温計1を長時間貼り付けて体温を連続測定するような場合であっても、皮膚の蒸れを抑制することが可能となる。
本実施形態によれば、上述した第1温度センサ701、第3温度センサ703が内側に納まる第1の貫通孔60a,60bに加えて、厚み方向に形成された複数の第2の貫通孔60cがさらに形成されているため、より効率よく、体表面から出る汗などを、通気層603を通して外部に放出することができる。よって、深部体温計1を長時間貼り付けて体温を連続測定するような場合であっても、より効果的に皮膚の蒸れを抑制することが可能となる。
本実施形態によれば、4つの温度センサ70が、熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)を厚さ方向に貫通する第3の貫通孔301a,302aの内側に配置されているため、すなわち、温度センサ70と熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)との側面での接触が防止されるため、温度をより正確に検出(測定)することが可能となる。
本実施形態によれば、熱抵抗体層30が、熱抵抗値が異なり、厚みが略同一の2つの熱抵抗体301,302を有し、当該2つの熱抵抗体301,302それぞれに、一対の温度センサ70が配置されている。そのため、熱抵抗値が異なる2つの熱抵抗体301,302によって生じる温度分布(熱抵抗値が異なる2組の熱流系の温度)を測定することができる。また、熱抵抗値が異なる2つの熱抵抗体301,302の厚みが略同一となるように形成されているため、構造を簡素化でき、製造コストを低減することが可能となる。
本実施形態によれば、体温測定部15が、取得した体温データを外部に送信する無線通信部403と、処理回路408及び無線通信部403に電力を供給するコイン電池404とをさらに備えている。よって、外部機器と接続するためのケーブルが不要となるため、ケーブル取り出し部の防水処理(防水構造)が不要となる。そのため、比較的簡易な構造でより防水性を高めることができる。また、ケーブルがなくなることにより、測定対象者の行動が阻害されにくくなるため、長時間連続して体温を測定することが可能となる。
本実施形態によれば、無線通信部403、及び、コイン電池404が、配線基板40を挟んで、4つの温度センサ70と反対側に配設されている。そのため、深部体温計1の平面積(貼り付け面積)を小さくすることができる。また、無線通信部403などの動作に伴う発熱が温度センサ70の検出値に影響を与えることを防止できる。さらに、無線通信部403やコイン電池404などの熱容量が比較的大きな部材を、上外装体10(外気側)と、熱抵抗体層30及び温度センサ70との間に配置することにより、外気温の変化(外乱)の影響をより低減することが可能となる。
本実施形態によれば、使用者(例えば、測定対象者や看護師など)による操作、及び、体温の測定状態に応じて点灯又は点滅するLED405を備えているため、例えば、電源のオン・オフ、測定中や測定終了、エラー(異常)発生等の情報を使用者(例えば、測定対象者や看護師など)に視認させることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上述した熱抵抗体層30(第1熱抵抗体301、第2熱抵抗体302)、配線基板40、フレキシブル基板50それぞれの形状や、大きさ、配置、及び、第1温度センサ701〜第4温度センサ704の配置等は、上記実施形態に限られることなく、例えば精度等の要件にしたがって任意に設定することができる。
上記実施形態では、本発明を2熱流束型の深部体温計に適用した場合を例にして説明したが、本発明は、1熱流束型の深部体温計に適用してもよい。また、深部体温計以外の体温計に適用することもできる。また、コイン電池404に代えて、例えば、ボタン電池や、無線(ワイヤレス)で充電する二次電池を用いてもよい。
1 深部体温計
10 上外装体
15 体温測定部
20 下外装体
30 熱抵抗体層
301 第1熱抵抗体
302 第2熱抵抗体
301a,302a 第3の貫通孔
40 配線基板
401,402 熱均一化パターン
403 無線通信部
404 コイン電池
405 LED
406 電源スイッチ
407 FPCコネクタ
50 フレキシブル基板
501,502 熱均一化パターン
60 貼付部材
601 第1接着層
602 第2接着層
603 通気層
60a,60b 第1の貫通孔
60c 第2の貫通孔
701,702,703,704 温度センサ

Claims (11)

  1. 所定の熱抵抗値を有する熱抵抗体からなる熱抵抗体層、該熱抵抗体層の厚み方向に沿って配置された複数の温度検出手段、及び、該複数の温度検出手段それぞれの出力信号を処理する処理回路が実装された配線基板を有する体温測定部と、
    水性を有する素材から形成され、前記体温測定部を収納する上外装体と、
    水性を有するフィルムから形成される下外装体と、を備え、
    前記上外装体と前記下外装体とは、周縁部が密着されている体温計。
  2. 前記下外装体の熱抵抗値は、前記上外装体の熱抵抗値よりも低い、請求項1に記載の体温計。
  3. 前記上外装体は、独立気泡又は防水性を有する半独立気泡の発泡素材から形成される、請求項2に記載の体温計。
  4. 前記上外装体は、前記体温測定部を収納できるように、断面が凹状に形成されており、
    前記下外装体は、前記体温測定部を密着して固定できるように、平面状に形成されており、
    断面が凹状に形成された前記上外装体の周縁部と、平面状に形成された前記下外装体の周縁部とが、密着して固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の体温計。
  5. 前記下外装体の外側の面に貼り付けられる第1接着層、該第1接着層に貼り付けられる通気性を有する通気層、及び、該通気層に貼り付けられる第2接着層を有する貼付部材を備え、
    前記通気層及び前記第2接着層には、平面視した場合に、前記温度検出手段が内側に納まる第1の貫通孔が、厚み方向に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の体温計。
  6. 少なくとも前記第2接着層には、厚み方向に形成された複数の第2の貫通孔、及び/又は、交差部を有する切り込みがさらに形成されていることを特徴とする請求項に記載の体温計。
  7. 前記熱抵抗体層には、厚さ方向に貫通する第3の貫通孔が形成されており、
    前記複数の温度検出手段は、前記第3の貫通孔の内側であって、前記熱抵抗体層における前記第3の貫通孔を規定する周壁との間に空間を隔てて配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の体温計。
  8. 前記熱抵抗体層は、熱抵抗値が異なり、厚みが略同一の2つの熱抵抗体を有し、
    当該2つの熱抵抗体それぞれに、一対の前記温度検出手段が配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の体温計。
  9. 前記体温測定部は、取得した体温データを外部に送信する無線通信部と、
    前記処理回路及び前記無線通信部に電力を供給する電池と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の体温計。
  10. 前記配線基板は互いに逆方向に向く第1主面及び第2主面を有し、前記複数の温度検出手段は、前記配線基板の前記第1主面側に配置され、前記無線通信部、及び、前記電池は、前記配線基板の前記第2主面側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の体温計。
  11. 使用者による操作、及び、体温の測定状態に応じて点灯又は点滅する発光手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の体温計。
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