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JP6940360B2 - 屋根材 - Google Patents
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Description

本発明は、屋根材の幅方向端縁に設けられた下ハゼ、上ハゼをそれぞれ隣接配置される屋根材の上ハゼ、下ハゼに嵌合させて屋根材同士を相互につなぎ合わせて建築構造物(一般住宅や事務所、マンション、福祉施設、リゾート施設等)の屋根を葺きあげるのに好適な屋根材に関するものである。
従来、建築構造物の屋根を葺きあげるのに用いられる屋根材としては、屋根材の幅方向の端縁の一方に下ハゼを備え、もう一方の幅方向の端縁に上ハゼを備えた嵌合式の屋根材が用いられている。
かかる屋根材は、その本体部分が一対の短辺部と一対の長辺部とで区画され、軒乃至軒−棟方向に沿って長尺な、偏平、矩形の平面形状を有するものが多く用いられており、下ハゼを、隣接配置される屋根材(同等の構成からなるもの)の上ハゼに嵌合させる一方、該上ハゼを隣接配置される他の屋根材の下ハゼに嵌合させることによって屋根材同士のつなぎ合わせを可能としており、これにより屋根の効率的な葺きあげ施工を実現している。
ところで、この種の屋根材は、下ハゼと上ハゼとの嵌合部から毛細管現象、すが漏れ(すが漏れとは、軒先に氷雪等が堆積し、雨水や融雪水が軒先でダム状に滞留して屋根の一部を水没させ、上ハゼ、下ハゼとの嵌合部内が雨水や融雪水で満たされてしまう状態をいう。)により雨水、融雪水等が浸入しやすい不具合を有している。
この点に関する先行技術として、特許文献1には、係合雌部の開口部内に、接着時に流動性を示し、接着後に連結する他の屋根板材に対して接着性を示す弾性体となるシール材(ホットメルト型シール材)を装着した屋根板材およびその製造方法が提案されている。
また、特許文献2には、面板部の幅方向の一端に設けられた断面略三角形状の嵌合部の内側に長手方向に沿って弾性シール部材(スポンジ、ゴム、ウレタン材等)を装着し、この弾性シール部材を、鉤状膨出部の膨出頂片との間で圧縮変形させることによって雨水の浸入を防止した屋根板およびその屋根が提案されている。
さらに、特許文献3には、上ハゼと下ハゼとの間に溝状の空間を設け、この溝状の空間によりサイフォン現象による雨水の浸入をシール材を用いることなしに防止するとともに、嵌合部内に雨水が浸入したとしてもそれを軒先から排出する屋根材の接続構造が提案されている。
特開2005−213810号公報 特開平9−256557号公報 特開2017−25649号公報
しかしながら、上記特許文献1、2で提案されているシール構造においては、シール材を別途に用意する必要があり、屋根の施工時には、通常の手順に加えてシール部材を配置する作業が不可避であり、屋根の効率的な施工が行えない不具合を有していた。
とくに、特許文献2で提案されているシール構造においては、止水材である弾性シール材を所定の位置に設置する際、成形誤差などの影響によって止水材がずれたりねじれたりする可能性があり、そのまま施工された場合には屋根材同士が正常に嵌合されず、屋根材において重要な耐風圧、防水性能が著しく低下することが懸念されていた。
なお、シール部材を配置する屋根材については、屋根材の製造時にシール部材を予め屋根材に取り付けておく試みもなされているが、この場合には、シール部材の取り付け工程が別途必要となるため効率的な製造が行えるとはいい難く、製造コストの上昇も避けられない状況にあった。
特許文献3に開示されている防水構造については、すが漏れを防止する効果は高いものの、外気温が氷点下を大きく下回る冬季においては、ハゼ内に浸入した水が軒先の開口部から排出される際に凍結し、開口部が閉塞されてしまった場合には、ハゼ内の水が排出されず屋内へ浸水するおそれもある。
本発明の目的は、上ハゼと下ハゼとを嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる場合において懸念された嵌合部での毛細管現象、あるいは、すが漏れによる雨水、融雪水等の浸入を、煩雑な作業を伴ったり、手間のかかる製造工程を経ることなしに、確実に防止できる屋根材を提案するところにある。
本発明は、本体部分の幅方向の一端に下ハゼを有し、該本体部分の幅方向の他端に上ハゼを有する屋根材の複数枚を、軒方向、軒−棟方向に沿って配列するとともに、各屋根材の下ハゼ、上ハゼを、隣接配置される屋根材の上ハゼ、下ハゼにそれぞれ嵌合させて屋根材同士を相互につなぎ合わせて屋根を構築する屋根材であって、該本体部分は、下ハゼの末端から上ハゼに向けて伸延し該本体部分の裏面を覆い隠す裏貼り材を有し、
該裏貼り材は、上ハゼの少なくとも一部分を覆い隠すとともに、隣接配置される屋根材の下ハゼとの間にて挟持される延長部分を有することを特徴とする屋根材である。
上記の構成からなる屋根材において、前記下ハゼは、頭頂部を形成する天板に、上方に向けて開放され、前記本体部分の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部を有するのが好ましく、裏貼り材は、オレフィン系樹脂で構成するのが好ましい。
本発明の屋根材によれば、本来、主に屋根の結露防止に使用される裏貼り材に上ハゼの少なくとも一部分を覆い隠す延長部分を設け、屋根材のつなぎ合わせに際して、該延長部分を、隣接配置される屋根材の下ハゼとの相互間で挟持するようにしたため、この部位をシール材として機能させることが可能となり、嵌合部での毛細管現象、あるいはすが漏れによる雨水や融雪水等の浸入を確実に防止することができる。
また、本発明の屋根材によれば、下ハゼの頭頂部を形成する天板に、上方に向けて開放され、本体部分の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部を設けるようにしたため、雨水や融雪水が嵌合部に浸入しても、それを軒先に向けて流下させて外部へ排出することができるとともに、該溝部により等圧空間が形成されるため、嵌合部に雨水を吹き込むような圧力(風圧)が作用しても、その圧力を外部へ逃がすことが可能(圧力の低減)で、裏貼り材の延長部分による止水効果がより一層高まる。
裏貼り材の延長部分をシール材として機能させることにより、シール部材を配置する作業は不要となり屋根の効率的な施工が可能となる。また、屋根材の製造過程では、裏貼り材を設ける領域を延長するだけで事足りるため、余計な工程が付加されることがなく、屋根材の効率的な製造が可能になる。
本発明に好適な屋根材を模式的に示した外観斜視図である。 図1に示した屋根材の正面を拡大して示した図である。 図1に示した屋根材の平面を示した図である。 図1に示した屋根材の底面を示した図である。 図1〜4に示した屋根材を用いて構築された屋根の一部分をその正面について示した図である。 屋根材のつなぎ合わせ状況を要部について示した図である。 本発明にしたがう屋根材の例を要部について示した図である。 本発明にしたがう屋根材の他の例を要部について示した図である。 雨水の浸入経路を示した図である。 本発明にしたがう屋根材のさらに他の例をその正面について模式的に示した図である。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に好適な屋根材を模式的に示した外観斜視図であり、図2は、図1に示した屋根材の正面図を拡大して示した図であり、図3は、図1に示した屋根材の平面図であり、図4は、図1に示した屋根材の底面図である。
図1〜4に示した屋根材は、隣接配置される屋根の相互間で上ハゼ、下ハゼを相互に嵌合させるとともに、タイトフレームTの吊子に形成された連係爪部t1に連係させて固定、保持することによって山部と谷部が交互に配列された図5に示す如き屋根を構築するのに好適な折板屋根材を例として示したものである。なお、本発明は、上ハゼを下ハゼに嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる嵌合タイプの屋根材の全てに適用可能であり、折板屋根材にのみ限定されるものではない。
図1〜4における符号1は、屋根材である。この屋根材1は、軒方向に沿って伸延する一対の短辺部1a、1bと、この短辺部1a、1bにつながり、軒−棟方向に沿って伸延する一対の長辺部1c、1dによって区画された偏平、矩形の平面形状からなる本体部分(溝板)を有している。
屋根材1の本体部分は、図示はしないが、軒方向に沿って伸延する一対の長辺部と、この長辺部につながり、軒−棟方向に沿って伸延する一対の短辺部とによって区画された扁平、矩形の平面形状からなるものを適用することも可能であり、屋根材の平面形状については図示のものに限定されることはない。長さについても適宜に変更することができる。
屋根材1としては、具体的には、厚さ0.6〜1.0mm程度の亜鉛めっき鋼板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板等を用いることができる。なお、本発明において「隣接配置される屋根材」とは、本発明にしたがう屋根材と同じ構成からなる屋根材を意味しているが、以下の説明において「隣接配置される屋根材」については、符号に(′)を付して表示することとする。
また、図における符号2a、2bは、下端部が本体部分の長辺部1c、1dにそれぞれつながり、その部位を起点に斜め上方へ立ち上がる傾斜側壁、3は、傾斜側壁2aの上端において片持ち状態で連結された下ハゼである。この下ハゼ3は、長辺部1cと同じ長さを有しており、頭頂部を形成する天板3aと、天板3aの幅方向の一端および傾斜側壁2aの上端部との相互間で一体連結する張り出し顎部3bと、該天板3aの幅方向のもう一端に垂下保持され、タイトフレームTの連係爪部t1の外表面に当接可能な垂下片3c(タイトフレームTの連係爪部t1の外表面に沿う傾斜を有している)から構成されている。
天板3aの幅方向の中央部には、上方に向けて開放され、本体部分の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部3a1が形成されている。溝部3a1は、屋根材の流れ方向(傾き方向)に貫通する空間領域を形成するものであって、下ハゼ3と隣接配置される屋根材の上ハゼ(4′)との嵌合部において、たとえ、毛細管現象やすが漏れにより雨水が浸入することがあってもそれを軒先に向け流下させて外部へ排出することができるだけでなく、外気の圧力と等しい等圧空間となるため、下ハゼ3と上ハゼ(4′)との間に雨水を吹き込むような圧力(風圧)が作用してもその圧力を外部へ逃がすことができる(圧力の低減)ようになっている(嵌合部内の風圧による影響を小さくすることができる)。
また、4は、長辺部1dと同じ長さを有し、傾斜側壁2bの上端において片持ち状態で連結された上ハゼである。上ハゼ4は、ここでは、ドーム形状をなすものを例として示してあり、隣接配置される屋根材の下ハゼ(3′)の天板(3a′)、張り出し顎部(3b′)、垂下片(3c′)を入れ込む内部空間を有する頭部4aと、この頭部4aの下端につながり、下ハゼ(3′)の張り出し顎部(3b′)およびタイトフレームTの連係爪部t1(図5参照)に係合可能な内向きの凸部4b、4cとから構成されている。上ハゼ4の凸部4bの下端には、隣接配置される屋根材(1′)の傾斜側壁(2b′)の外表面に当接可能な垂下壁4dが設けられている。
上ハゼ4の凸部4b、4cとの間には、頭部4aの内部空間につながる開口が形成されており、この開口を通して隣接配置される屋根材(1′)の下ハゼ(3′)の天板(3a′)を内部空間に入れ込むことにより上ハゼ4と隣接配置される屋根材(1′)の下ハゼ(3′)が嵌合し、下ハゼ3については、隣接配置される屋根材(1′)の上ハゼ(4′)の内部空間に入り込むことでその両者が嵌合することになる。
上ハゼ4と下ハゼ(3′)の嵌合、下ハゼ3と上ハゼ(4′)との嵌合は、いずれにおいても、タイトフレームTの連係爪部t1において行われ、上ハゼ4と下ハゼ(3′)、下ハゼ3と上ハゼ(4′)が嵌合状態におかれたとき、上ハゼ4の凸部4b、4c、下ハゼ3の張り出し顎部3bは、タイトフレームTの連係爪部t1に引っ掛かることになり、これにより屋根材1は、タイトフレームTに固定、保持される。屋根材1をタイトフレームTにより強固に固定するため連結ボルトを用いることもできる。
本発明にしたがう屋根材1の下ハゼ3、上ハゼ4は、いずれも、屋根材1となる板素材に曲げ加工(ロールによる曲げ加工やプレス加工等)を施すことによって本体部分とともに成形されるものであり、その形状については適宜変更することが可能であって図示のような断面形状に限定されることはない。
また、5は、下ハゼ3の末端から上ハゼ4に向けて伸延する裏貼り材である。裏貼り材5は、上ハゼ4の少なくとも一部分を覆い隠す延長部分5aを有している。延長部分5aは、屋根材同士をつなぎ合わせる際に、図5、図6に示すように、隣接配置される屋根材(1′)の下ハゼ(3′)との間にて挟持されるものであって、これによって、嵌合部内への雨水、融雪水等の浸入を防止することができるようになっている。
裏貼り材5は、延長部分5aを含め、その厚さを0.2〜1.6mm程度、最大でも厚さ4.0mm程度に設定されたオレフィン系樹脂、例えば、発泡ポリエチレン樹脂を用いることができる。かかる裏貼り材5によれば、屋根材1の裏面における結露を防止することができるだけでなく、延長部分5aがシール材としての十分な機能を備えることになる。
裏貼り材5に延長部分5aを設けるにあたっては、上ハゼ4の幅方向の全域とすることができるが、裏貼り材5の使用量を極力削減しながらも、より高いシールが実現できるように、図7に示すように、上ハゼ4の頭部4aの天面板4a1の直下まで延長するか、あるいは図8に示すように、隣接配置される屋根材(1′)の下ハゼ(3′)の溝部(3a1′)の直近に至るまで延長する図6、図7に示すような延長部分5aは、とりわけ止水効果が高い。
通常、金属製の屋根材は、主に結露等の発生を防止する観点から、裏貼り材5を設けるのが一般的であり、とくに、上掲図1に示した如き折板屋根材では、下ハゼ3の末端、すなわち、下ハゼ3の幅方向の端縁から上ハゼ4の、隣接配置される屋根材(1′)の下ハゼ3′の末端に対応する領域に設けられているにすぎない。しかし、本発明では、裏貼り材5に、上ハゼ4の少なくとも一部分を覆う延長部分5aを設け、この延長部分5aを隣接配置される屋根材の下ハゼ(3′)にて挟持するようにしたため、シール材を別途に設けることなしに雨水や融雪水の浸入を防止することが可能となり、屋根を効率的に構築し得る。また、屋根材の製造に際しては、裏貼り材5に延長部分5aを設けるだけでよいため、屋根材の製造に際して余計な工程が付加されることもない利点を有している。
図9は、雨水の浸入経路を示した図である。とくに、下ハゼ3の天板3aに溝部3a1を設けた屋根材においては、嵌合部において雨水を吹き込むような圧力(風圧)が作用して図9に示す如き経路を辿って雨水が浸入したとしてもその圧力を効果的に低減することが可能であり、裏貼り材5の延長部分5aによる止水効果をより一層高めることができる。
溝部3a1については、下ハゼ3の天板3aの幅方向の中央部に設けた逆台形状をなすものを例として示したが、例えば、図10に示すような断面形状を有する溝部3a1を適用することも可能であり、溝部3a1の断面形状については限定されない。
本発明によれば、上ハゼと下ハゼを嵌合させて屋根材同士をつなぎ合わせる場合において懸念されていた嵌合部での毛細管現象やすが漏れによる雨水、融雪水の浸入を、シール材を取り付けるなどの煩雑な作業を伴うことなしに、確実に防止し得る屋根材が提供できる。
1、1′ 屋根材
1a、1b 短辺部
1c、1d 長辺部
2a、2b、2a′、2b′ 傾斜側壁
3、3′ 下ハゼ
3a、3a′ 天板
3a1、3a1′ 溝部
3b、3b′ 張り出し顎部
3c、3c′ 垂下片
4、4′ 上ハゼ
4a、4a′ 頭部
4b、4c、4b′、4c′ 凸部
5、5′ 裏貼り材
5a、5a′ 延長部分
T タイトフレーム
t1 連係爪部

Claims (2)

  1. 本体部分の幅方向の一端に下ハゼを有し、該本体部分の幅方向の他端に上ハゼを有する屋根材の複数枚を、軒方向、軒−棟方向に沿って配列するとともに、各屋根材の下ハゼ、上ハゼを、隣接配置される屋根材の上ハゼ、下ハゼにそれぞれ嵌合させて屋根材同士を相互につなぎ合わせて屋根を構築する屋根材であって、
    前記下ハゼは、頭頂部を形成する天板に、上方に向けて開放され、前記本体部分の長手方向に沿って連続的に伸延する少なくとも1本の溝部を有し、
    該本体部分は、下ハゼの末端から上ハゼに向けて伸延し該本体部分の裏面を覆い隠す裏貼り材を有し、
    該裏貼り材は、上ハゼの頭部の天面板の幅方向の内側端の直下、または隣接配置される屋根材の下ハゼの溝部の幅方向の外側端の直近に至るまで延長して該上ハゼの頭部内壁面を覆い隠すとともに、隣接配置される屋根材の下ハゼとの間にて挟持される延長部分を有することを特徴とする屋根材。
  2. 前記裏貼り材は、オレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載した屋根材。
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