以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1実施形態:自動精算機1000]
図1に示されるように、第1実施形態に係る硬貨処理装置10は、自動精算機1000の一部を構成している。自動精算機1000は、硬貨処理装置10と紙幣処理装置20とを備える。なお、図1において、自動精算機1000の一部の図示が省略されている。
図1において、太い破線で囲まれる部分が硬貨処理装置10であり、太い一点鎖線で囲まれる部分が紙幣処理装置20である。なお、図1において、硬貨処理装置10および紙幣処理装置20は、それぞれの一部が前後に重なる状態で配置されている。
さらに、自動精算機1000は、硬貨処理装置10および紙幣処理装置20に共通の制御装置5も備える(図2参照)。なお、図1において、自動精算機1000の一部が仮想線(2点鎖線)で描かれている。
硬貨処理装置10は、硬貨投入部11に投入される硬貨9を主硬貨容器30または予備硬貨容器39へ回収する硬貨回収機能と、主硬貨容器30内の硬貨9を釣銭として硬貨払出部43へ排出する硬貨払出機能とを備える。
同様に、紙幣処理装置20は、紙幣出入口61に挿入される紙幣を不図示の紙幣容器へ回収する紙幣回収機能と、前記紙幣容器内の前記紙幣を釣銭として紙幣出入口61へ排出する紙幣払出機能とを備える。
図1に示される自動精算機1000は、第1正面101およびその反対側の第2正面102のそれぞれに、硬貨投入部11、硬貨払出部43および紙幣出入口61を備える。なお、第1正面101および第2正面102は、硬貨処理装置10および紙幣処理装置20それぞれの装置正面でもある。
[硬貨処理装置10]
図1に示されるように、硬貨処理装置10は、2つの硬貨受入装置1と、硬貨搬入装置2と、3つの硬貨入出金装置3と、予備硬貨容器39と、硬貨搬出装置4と、2つの硬貨払出部43とを備えている。
硬貨搬入装置2、3つの硬貨入出金装置3、予備硬貨容器39および硬貨搬出装置4は、自動精算機1000の本体99内に設けられている。なお、自動精算機1000の本体99は、硬貨処理装置10および紙幣処理装置20それぞれの本体でもある。
図2に示されるように、自動精算機1000は、本体99に取り付けられた2つの正面外装部材100を備える。2つの正面外装部材100は、第1正面101および第2正面102の外装を成す部材である。
例えば、正面外装部材100が金属製の部材であることが考えられる。正面外装部材100には、入金口100aおよび出金口100bが形成されている。なお、2つの正面外装部材100は、硬貨処理装置10および紙幣処理装置20の外装を成す部材でもある。
2つの硬貨投入部11のうちの一方は第1正面101を成す正面外装部材100に取り付けられており、他方は第2正面102を成す正面外装部材100に取り付けられている。
以下の説明において、正面外装部材100における第1正面101または第2正面102を成す外側の面のことと外側面100xと称し、本体99に対向する内側の面のことを内側面100yと称する(図2参照)。なお、外側面100xおよび内側面100yは、それぞれ正面外装部材100のオモテ面およびウラ面でもある。
硬貨投入部11は、正面外装部材100における入金口100aが形成された部分に取り付けられている。入金口100aは、正面外装部材100を外側面100xから内側面100yへ貫通する開口である。
硬貨投入部11における正面外装部材100の外側面100x側の部分に投入された硬貨9は、自重によって入金口100aを通過して硬貨投入部11における正面外装部材100の内側面100y側の部分へ移動する。
硬貨入出金装置3各々は、複数の硬貨9を収容可能な主硬貨容器30と、主硬貨容器30から硬貨9を排出する硬貨排出装置33とを備える。主硬貨容器30は、隔壁310によって第1収容室31と第2収容室32とに区切られている。
硬貨処理装置10は、3つの主硬貨容器30を備えるため、3つの第1収容室31と3つの第2収容室32とを有する。第1収容室31は、第2収容室32よりも容積が大きい。3つの第1収容室31および3つの第2収容室32は、それぞれ予め定められた種類の硬貨9を収容する。
以下の説明において、第1収容室31に収容される硬貨9は、第2収容室32に収容される硬貨9よりも釣銭として使用される頻度が高い硬貨である。硬貨9の種類は、自動精算機1000の用途および自動精算機1000が設置される地域などに応じて定められる。
例えば、第1収容室31に収容される硬貨9が、1円硬貨、10円硬貨および100円硬貨であり、第2収容室32に収容される硬貨9が、5円硬貨、50円硬貨および500円硬貨であることが考えられる。もちろん、第1収容室31および第2収容室32のそれぞれに収容される硬貨9の種類はこの限りではない。
硬貨受入装置1は、硬貨投入部11および硬貨識別装置12を有する。硬貨識別装置12は、硬貨投入部11に投入される硬貨9の種類を識別する。例えば、硬貨識別装置12は、硬貨9の大きさ、重量および材質のうちの1つまたは複数を判定し、その判定結果に応じて硬貨9の種類を識別する。硬貨識別装置12は、硬貨9の種類の識別結果を制御装置5へ送信する。
硬貨搬入装置2は、硬貨投入部11に投入され、硬貨識別装置12を通過した硬貨9を予め定められた搬入位置P0へ搬送する。本実施形態において、硬貨搬入装置2は、硬貨9の種類に応じた複数の搬入位置P0へ硬貨9を搬送する。
複数の搬入位置P0は、3つの主硬貨容器30における第1収容室31および第2収容室32と、1つの予備硬貨容器39とに対して上方の位置である。
例えば、硬貨搬入装置2がベルトコンベアであることが考えられる。この場合、硬貨搬入装置2は、回転可能に支持された無担の搬入ベルト21と、搬入ベルト21を回転させる搬入モーター22とを備える。
搬入モーター22が正回転することにより、搬入ベルト21は、2つの硬貨投入部11の一方に投入された硬貨9を搬入位置P0へ搬送する。同様に、搬入モーター22が逆回転することにより、搬入ベルト21は、2つの硬貨投入部11の他方に投入された硬貨9を搬入位置P0へ搬送する。
搬入ベルト21は、複数の搬入位置P0に沿って配置されている。搬入ベルト21は、硬貨9の上面に接し、硬貨9を搬送板24上に滑らせつつ搬送する。
硬貨搬入装置2は、複数の搬入位置P0に対応する複数のゲート機構23をさらに備える。ゲート機構23各々は、搬入位置P0に配置されたシャッター231とシャッター231を変位させるソレノイドなどのアクチュエーター232とを備える。
シャッター231は、搬送板24に形成された開口を閉じる閉位置と、前記開口を解放する開位置との間で変位可能な部材である。アクチュエーター232は、制御装置5の制御信号に従って、シャッター231を一時的に前記閉位置から前記開位置へ変位させる。
搬入ベルト21が硬貨9を搬送しているときに、第1収容室31の上方のシャッター231が開くと、硬貨9が搬送板24の前記開口を通じて第1収容室31内へ落下する。
同様に、搬入ベルト21が硬貨9を搬送しているときに、第2収容室32の上方のシャッター231が開くと、硬貨9が搬送板24の前記開口を通じて第2収容室32内へ落下する。
同様に、搬入ベルト21が硬貨9を搬送しているときに、予備硬貨容器39の上方のシャッター231が開くと、硬貨9が搬送板24の前記開口を通じて予備硬貨容器39内へ落下する。
硬貨排出装置33は、硬貨9を主硬貨容器30から1枚ずつ釣銭として排出する。硬貨排出装置33各々は、第1収容室31の底部を成す第1回転板331と、第2収容室32の底部を成す第2回転板332と、第1回転板331および第2回転板332を回転させる回転板駆動機構330とを備える。回転板駆動機構330は、排出モーター330aおよび排出ギヤ機構330bを備える(図2参照)。
第1回転板331は、主硬貨容器30の第1収容室31の底で回転可能に支持されている。第2回転板332は、主硬貨容器30の第2収容室32の底で回転可能に支持されている。
回転板駆動機構330は、第1回転板331および第2回転板332を回転させる。即ち、第1回転板331および第2回転板332は、排出モーター330aから排出ギヤ機構330bを通じて回転力が伝達されることによって回転する。
排出ギヤ機構330bは、不図示の第1ワンウェイクラッチおよび第2ワンウェイクラッチを含む。前記第1ワンウェイクラッチは、第1回転板331を第1回転方向にのみ回転させ、前記第2ワンウェイクラッチは、第2回転板332を第2回転方向にのみ回転させる。
回転板駆動機構330が第1回転板331を前記第1回転方向へ回転させることにより、第1収容室31内の硬貨9が、1枚ずつ硬貨搬出装置4へ排出される。回転板駆動機構330が第2回転板332を前記第2回転方向へ回転させることにより、第2収容室32内の硬貨9が、1枚ずつ硬貨搬出装置4へ排出される。
硬貨搬出装置4は、第1収容室31および第2収容室32の一方または両方から排出される硬貨9を、釣銭として硬貨払出部43へ搬送する。即ち、硬貨搬出装置4は、主硬貨容器30内の硬貨9を第1正面101側または第2正面102側へ送り出す。
例えば、硬貨搬出装置4がベルトコンベアであることが考えられる。この場合、硬貨搬出装置4は、回転可能に支持された無担の搬出ベルト41と、搬出ベルト41を回転させる搬出モーター42とを備える。
搬出モーター42が正回転することにより、搬出ベルト41は、硬貨9を2つの硬貨払出部43のうち一方へ搬送する。同様に、搬出モーター42が逆正回転することにより、搬出ベルト41は、硬貨9を2つの硬貨払出部43の他方へ搬送する。
2つの硬貨払出部43のうちの一方は第1正面101を成す正面外装部材100に取り付けられており、他方は第2正面102を成す正面外装部材100に取り付けられている。
硬貨払出部43は、正面外装部材100における出金口100bの縁に取り付けられている。出金口100bは、正面外装部材100を外側面100xから内側面100yへ貫通する開口である。
硬貨搬出装置4によって硬貨払出部43における正面外装部材100の内側面100y側の部分へ搬送された硬貨9は、自重によって出金口100bを通過して硬貨払出部43における正面外装部材100の外側面100x側の部分へ移動する。
図3に示されるように、制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、二次記憶装置53および通信装置54などを備える。
なお、図1に示されるように、紙幣処理装置20は、紙幣搬送機構63も備える。紙幣搬送機構63は、紙幣出入口61に挿入される紙幣を前記紙幣容器へ搬送可能である。さらに、紙幣搬送機構63は、前記紙幣容器内の前記紙幣の一部を紙幣出入口61へ釣銭として搬送可能である。
さらに、紙幣処理装置20は、本体99内における前記紙幣の搬送経路に設けられた紙幣識別装置64も備える(図1参照)。紙幣識別装置64は、紙幣出入口61に挿入された後に本体99内で搬送される紙幣の種類を識別する。紙幣識別装置64は、紙幣の種類の識別結果を制御装置5へ送信する。
CPU51は、二次記憶装置53に記憶されたコンピュータープログラムを実行する。これにより、CPU51は、硬貨入金制御部51a、紙幣入金制御部51b、釣銭額算出部51c、硬貨出金制御部51dおよび紙幣出金制御部51eとして動作する。
RAM52は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM52は、CPU51が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU51が前記コンピュータープログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
二次記憶装置53は、コンピューター読み取り可能な不揮発性のデータ記憶装置である。二次記憶装置53は、前記コンピュータープログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などが、二次記憶装置53として採用されることが考えられる。
通信装置54は、予め定められた通信プロトコルに従って不図示のホスト装置との間で通信を実行する。CPU51は、通信装置54を通じて前記ホスト装置との間でデータの受け渡しを行う。
硬貨入金制御部51aは、2つの硬貨識別装置12から硬貨9の種類の識別結果を取得し、硬貨搬入装置2の搬入モーター22を制御する。さらに、硬貨入金制御部51aは、硬貨9の種類の識別結果を、通信装置54を通じて予め定められたホスト装置へ送信する。
具体的には、硬貨入金制御部51aは、硬貨9の種類の識別結果の取得先に対応する方向へ搬入モーター22を回転させる。さらに、硬貨入金制御部51aは、硬貨9の種類の識別結果に対応する搬入位置P0のシャッター231を開く方向へアクチュエーター232を制御する。これにより、硬貨9が、硬貨9の種類の識別結果に対応する第1収容室31内または第2収容室内へ落下する。
但し、硬貨9の種類の識別結果に対応する第1収容室31または第2収容室32の満杯が検出されている場合、硬貨入金制御部51aは、予備硬貨容器39に対応するシャッター231を開く方向へアクチュエーター232を制御する。これにより、硬貨9が、予備硬貨容器39内へ落下する。
例えば、不図示のレベルセンサーが、第1収容室31および第2収容室32のそれぞれに設けられることが考えられる。この場合、前記レベルセンサーが、第1収容室31および第2収容室32それぞれについて、硬貨9が予め定められた満杯レベルまで積み上がったか否かを検出する。
また、硬貨入金制御部51aが、第1収容室31および第2収容室32のそれぞれへの硬貨9の累積搬入枚数をカウントすることも考えられる。
紙幣入金制御部51bは、紙幣処理装置20が備える紙幣識別装置64から紙幣の種類の識別結果を取得し、紙幣搬送機構63が備えるモーターを制御する。さらに、紙幣入金制御部51bは、前記紙幣の種類の識別結果を、通信装置54を通じて前記ホスト装置へ送信する。
以下の説明において、第1正面101および第2正面102のうち、硬貨9の種類を識別した硬貨識別装置12または紙幣識別装置64によって種類が識別された前記紙幣の挿入口となった紙幣出入口61が存在する側の一方を入金側正面と称する。
釣銭額算出部51cは、2つの硬貨識別装置12および紙幣識別装置64から硬貨9の種類および前記紙幣の種類の識別結果を取得し、入金額を計算する。さらに、釣銭額算出部51cは、前記ホスト装置から精算額を受信し、前記入金額と前記精算額との差額を釣銭額として算出する。さらに、釣銭額算出部51cは、前記釣銭額に相当する釣銭用の紙幣の種類および枚数と釣銭用の硬貨9の種類および枚数とを設定する。
硬貨出金制御部51dは、釣銭額算出部51cにより設定された釣銭用の硬貨9の種類に応じて、動作させる排出モーター330aおよびその回転方向を決定する。さらに、釣銭額算出部51cにより設定された釣銭用の硬貨9の枚数に応じて排出モーター330aの回転数を制御する。
さらに、硬貨出金制御部51dは、前記入金側正面に対応する方向へ排出モーター330aを回転させる。これにより、釣銭用の硬貨9が硬貨払出部43へ排出される。
紙幣出金制御部51eは、釣銭額算出部51cにより設定された釣銭用の紙幣の種類に応じて、紙幣搬送機構63に含まれるモーターおよびアクチュエーターを制御する。これにより、釣銭用の紙幣が紙幣出入口61へ排出される。
ところで、硬貨処理装置10は、主硬貨容器30内の硬貨9を釣銭とは関係なく順次連続して硬貨払出部43へ送り出す硬貨連続排出機能を備える。この場合、多数の硬貨9が硬貨払出部43に溜まる。
例えば、硬貨出金制御部51dは、不図示の管理者用操作部に対して予め定められた特殊開始操作が行われたことを検出した場合に、硬貨連続排出制御を実行する。前記特殊開始操作は、3つの第1収容室31のうちの1つ、または、3つの第2収容室32のうちの1つを対象収容室として指定する操作を含む。
前記硬貨連続排出制御において、硬貨出金制御部51dは、予め定められた終了イベントが発生するまで、前記対象収容室に対応する搬出モーター42を前記対象収容室に対応する方向へ回転させる。
例えば、前記終了イベントの第1の例は、不図示の硬貨センサーによって前記対象収容室が空になったことが検出されたことである。また、前記終了イベントの第2の例は、硬貨入金制御部51aによって前記対象収容室についてカウントされた前記累積搬入枚数に対応する回転数分だけ搬出モーター42が回転したことである。
前記硬貨連続排出制御が行われることにより、硬貨搬出装置4は、3つの主硬貨容器30内の硬貨9を釣銭とは関係なく順次連続して第1正面101側または第2正面102側へ送り出すことが可能である。
前記硬貨連続排出機能は、主硬貨容器30内の硬貨9を回収するための管理者向けの機能である。前記硬貨連続排出機能は、本体99から主硬貨容器30を取り出す作業を必要としないため、前記管理者にとって便利な機能である。
前記硬貨連続排出機能によって多数の硬貨9が硬貨払出部43へ送り出される場合に、硬貨払出部43から硬貨9を取り出す操作が遅れると、多くの硬貨9が本体99内における出金口100bに繋がる通路で滞留する。この場合、硬貨9が、前記通路の隙間から漏れ出す、または、前記通路から溢れ出す等の不都合が生じるおそれがある。硬貨処理装置10において、そのような不都合を回避できることが望まれる。
また、硬貨処理装置10のコンパクト化および製造コスト抑制の観点から、極力簡易な構成により、硬貨9が前記通路の隙間から漏れ出す等の不都合を回避できることが望ましい。
硬貨処理装置10は、多数の硬貨9が出金口100bへ送り出される場合において、硬貨9が前記通路の隙間から漏れ出す等の不都合を極力簡易な構成によって回避できる硬貨払出部43を備える。
[硬貨払出部43]
図1および図4に示されるように、硬貨払出部43は、内側硬貨払出部44と、外側硬貨払出部45とを含む。
内側硬貨払出部44は、硬貨払出部43における正面外装部材100の内側面100y側の部分である。外側硬貨払出部45は、硬貨払出部43における正面外装部材100の外側面100x側の部分である。
外側硬貨払出部45は、正面外装部材100における出金口100bの縁に取り付けられた合成樹脂製の硬質の部材である。
図6に示されるように、外側硬貨払出部45は、硬貨を溜める硬貨受部45aを有する。さらに、外側硬貨払出部45は、硬貨受部45aの上方の開口を開閉可能な可動カバー部45bも有する。ユーザーまたは管理者は、可動カバー部45bを開いた上で、硬貨9を硬貨受部45a内から取り出す。
本実施形態において、外側硬貨払出部45は、透明な部材である。これにより、前記ユーザーまたは前記管理者は、硬貨受部45a内の硬貨9を視認することができる。その結果、外側硬貨払出部45が透明であることは、前記ユーザーまたは前記管理者が硬貨受部45a内の硬貨9を取り忘れることを防ぐことに寄与する。
なお、可動カバー部45bが透明な部材であり、硬貨受部45aが、硬貨9を目立ちやすくする黄色または橙色などの不透明な色の部材であることも考えられる。
図4〜図6に示されるように、内側硬貨払出部44は、硬貨案内部441と、シート部材442とを含む。硬貨案内部441は、正面外装部材100における出金口100bの縁に取り付けられた合成樹脂製の硬質の部材である。
硬貨案内部441は、下板部441aおよび一対の側板部441bを有する。硬貨案内部441は、硬貨搬出装置4の搬出ベルト41から送り出される硬貨9を出金口100bへ案内する。
下板部441aは、正面外装部材100における出金口100bの下側の縁から本体99側へ張り出して形成されている。下板部441aは、正面外装部材100から搬出ベルト41の下部へ向かって斜め上方へ傾斜している。
即ち、下板部441aは、搬出ベルト41の下部から出金口100bへ向かって斜め下方へ傾斜している。従って、硬貨搬出装置4の搬出ベルト41から送り出される硬貨9は、下板部441a上に落下し、さらに、自重によって下板部441a上を滑り落ちる。これにより、硬貨9は、出金口100bを通過し、さらに硬貨受部45a内へ移動する。
一対の側板部441bは、下板部441aに連なり、正面外装部材100における出金口100bの両側方の縁から本体99側へ張り出して形成されている。本実施形態において、下板部441aは、一対の側板部441bよりも本体99側へ突出している。
一対の側板部441bは、硬貨9が下板部441aからこぼれ落ちることを防ぐ。硬貨案内部441の内部は、本体99内における出金口100bに繋がる通路の一部である。
前述したように、硬貨案内部441は硬質な部材である。そのため、一対の側板部441bと本体99のフレーム99aとの干渉を防ぐため、一対の側板部441bは、本体99のフレーム99aとの間に隙間を隔てて配置される。前記隙間の大きさは、硬貨案内部441および正面外装部材100などの各種の部材の寸法公差を考慮して定められる。
硬貨搬出装置4が釣銭として送り出す硬貨9の数は多くない。そのため、硬貨搬出装置4が硬貨9を釣銭として送り出す場合、硬貨9が硬貨案内部441内で滞留することはない。この場合、硬貨9が、一対の側板部441bと本体99のフレーム99aとの間の隙間から漏れ出す、または、硬貨案内部441から溢れ出す等の不都合は生じない。
一方、前記硬貨連続排出制御によって多数の硬貨9が出金口100bへ送り出される場合に、硬貨払出部43の硬貨受部45aから硬貨9を取り出す操作が遅れると、多くの硬貨9が硬貨受部45a内および硬貨案内部441内で滞留する。
硬貨9が硬貨案内部441内で滞留すると、硬貨9が、一対の側板部441bと本体99のフレーム99aとの間の隙間から漏れ出す、または、硬貨案内部441から溢れ出す等の不都合が生じるおそれがある。
シート部材442は、硬貨9が、一対の側板部441bと本体99のフレーム99aとの間の隙間から漏れ出すこと、および、硬貨案内部441から溢れ出すことを防ぐ。
シート部材442は、一対の側板部441bよりも薄く、可撓性を有する。従って、シート部材442は、硬貨案内部441よりも軟質である。例えば、シート部材442は、ポリエチレンテレフタラートを主成分とするシート状の部材である。
シート部材442は、不透明の部材である。例えば、シート部材442が黒色の部材であることが考えられる。
シート部材442は、一対の側板固定部442aと、一対の側板延長部442bと、連結部442cと、一対の本体側張出部442dとを有する。シート部材442は、平らなシート状の部材が折り曲げられることによって得られる部材である。
一対の側板固定部442a、一対の側板延長部442bおよび一対の本体側張出部442dは、鉛直方向に沿って形成されている。一方、連結部442cは、水平方向に沿って形成されている。
一対の側板固定部442aは、一対の側板部441bに固定された部分である。例えば、一対の側板固定部442aは、接着剤またはネジなどによって一対の側板部441bに固定される。
一対の側板延長部442bは、一対の側板固定部442aに連なっており、一対の側板部441bから上方へ張り出している。一対の側板延長部442bは、一対の側板部441bとともに相互に対向する一対の側壁を形成する。即ち、一対の側板延長部442bは、一対の側板部441bが形成する硬貨9の通路の両側の側壁を上方へ延長する部分である。
本実施形態において、一対の側板延長部442bは形状が異なる。一対の側板延長部442b各々の形状は、本体99における対向する部分の形状に応じて定まる。従って、一対の側板延長部442bの形状が同じであることも考えられる。
連結部442cは、一対の側板延長部442bと連なる部分である。連結部442cは、一対の側板延長部442bが硬貨9から受ける圧力によって外側へ変形することを防ぐ補強部である。
下板部441a、一対の側板部441b、一対の側板延長部442bおよび連結部442cは、出金口100bの周囲を囲む壁を形成する。
本実施形態において、シート部材442は、連結部442cに連なる内側面固定部442eをさらに有する。内側面固定部442eは、鉛直方向に沿って形成されている。
内側面固定部442eは、正面外装部材100の内側面100yにおける出金口100bの上側の部分に固定される部分である。例えば、内側面固定部442eは、接着剤またはネジなどによって正面外装部材100の内側面100yに固定される。
内側面固定部442eは、一対の側板延長部442bが硬貨9から受ける圧力によって外側へ変形することをより確実に防ぐ。
また、図4に示されるように、紙幣識別装置64は、出金口100bに対して本体99側の上方に配置されている。紙幣識別装置64は、紙幣を撮影するカメラなどの光学装置64aを含む。
硬貨処理装置10の外部の光が、出金口100bを通過して光学装置64aに入射すると、紙幣識別装置64が紙幣を誤認識するおそれがある。本実施形態において、連結部442cは、出金口100bから光学装置64aへ向かう経路を遮る遮光部でもある。
本実施形態において、連結部442cの一部は、一対の側板延長部442bよりも本体99側へ突出している。
一対の本体側張出部442dは、一対の側板固定部442aに連なり、一対の側板部441bよりも本体99側へ張り出した部分である。一対の本体側張出部442dは、一対の側板部441bと本体99との間の隙間を埋める。
図4に示される例では、一対の本体側張出部442dは、一対の側板部441bと本体99のフレーム99aとの間の隙間を埋める。
一対の本体側張出部442dは、硬貨9が一対の側板部441bと本体99のフレーム99aとの間の隙間から漏れ出すことを防ぐ。
シート部材442は、可撓性を有する柔軟な部材である。そのため、仮に一対の本体側張出部442dが本体99のフレーム99aに接触した場合でも、シート部材442が損傷する、または、正面外装部材100を本体99に正しく取り付けることができない、などの不都合は生じない。
図6には、硬貨処理装置10が備えるスピーカー81が仮想線で示されている。スピーカー81は、アラーム音またはメッセージ音声などを出力する。スピーカー81は、正面外装部材100に対し本体99側に設けられている。例えば、スピーカー81が、正面外装部材100の内側面100yに取り付けられている。
シート部材442の一対の側板延長部442bには、硬貨9よりも小さな複数の孔442fが形成されている。これにより、スピーカー81が出力する音が、複数の孔442fおよび出金口100bを通じて硬貨処理装置10の外へ伝搬しやすい。
なお、硬貨処理装置10の外装部材は、高い防水性が要求される。そのため、正面外装部材100には、スピーカー81が出力する音を外側面100x側へ伝搬させる専用の孔は形成されていない。
また、孔442fの径が硬貨9の径よりも小さいため、硬貨9が孔442fを通じてシート部材442の外側へ漏れ出すこともない。
本実施形態において、一対の側板延長部442bは、シート部材442において、出金口100bから光学装置64aへ向かう経路を遮らない部分である。一方、連結部442cには孔442fは形成されていない。前述したように、連結部442cは、出金口100bから光学装置64aへ向かう経路を遮る部分である。
以上に示されるように、硬貨処理装置10が採用されれば、多数の硬貨9が出金口100bへ送り出される場合に、硬貨9が通路の隙間から漏れ出す、または、硬貨9が硬貨案内部441から溢れ出す等の不都合な状況の発生を回避することができる。
また、シート部材442を硬貨案内部441に追加するという極簡易な構成により、硬貨9の漏れ等の不都合な状況の発生を回避することができる。
また、硬貨案内部441等の部品を交換することなくシート部材442を追加することにより、シート部材442を備えていない既存の硬化処理装置を改良することも容易である。
[第2実施形態]
次に、図7を参照しつつ、第2実施形態に係る硬貨処理装置について説明する。図7において、図1〜図6に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。
本実施形態に係る硬貨処理装置は、硬貨処理装置10のシート部材442がシート部材442Pに置き換えられた構成を有している。
シート部材442Pは、シート部材442から一対の側板延長部442bが省略された構成を有している。シート部材442Pは、シート部材442と同様に、一対の側板固定部442aと、連結部442cと、本体側張出部442dとを有する。
シート部材442Pにおいて、連結部442cは、一対の側板固定部442aに連なっている。また、図7に示される例では、連結部442cは、一部が折れ曲がった板状である。シート部材442Pの連結部442cも、出金口100bから光学装置64aへ向かう経路を遮る遮光部の役割を果たす。
硬貨案内部441における一対の側板部441bの下板部441aからの高さが十分に高い場合、シート部材442Pが採用されてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る硬貨処理装置は、硬貨処理装置10と同様の構成を備えるが、シート部材442から孔442fが省略されている。
スピーカー81の音を正面外装部材100の外側面100x側へ伝搬しやすくすることが特に要求されない場合、本実施形態が採用されてもよい。
[第4実施形態]
硬貨処理装置10のシート部材442において、複数の孔442fが一対の側板部441bの両方に形成されている。
しかしながら、硬貨9よりも小さな複数の孔442fが一対の側板部441bの一方にのみ形成されたシート部材442を備える硬化処理装置が、第4実施形態として採用されることも考えられる。
[第5実施形態]
硬貨処理装置10のシート部材442において、複数の孔442fが、一対の側板部441bに形成されている。
しかしながら、硬貨9よりも小さな複数の孔442fが連結部442cに形成されたシート部材442を備える硬化処理装置が、第5実施形態として採用されることも考えられる。
本実施形態において、光学装置64aを含む紙幣認識装置64は、出金口100bから一対の側板延長部442bの一方である第1側板延長部に向かう経路の延長線上の位置に配置されている。
本実施形態において、連結部442cは、シート部材442において、出金口100bから光学装置64aへ向かう経路を遮らない部分である。一方、一対の側板部441bにおける少なくとも前記第1側板延長部には、孔442fは形成されていない。前記第1側板延長部は、出金口100bから光学装置64aへ向かう経路を遮る部分である。