以下、本発明の一側面に係る重送検出装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、イメージスキャナとして構成された重送検出装置100を示す斜視図である。なお、以下では、重送検出装置100が、用紙又はプラスチックカード等の原稿を搬送する原稿搬送装置である場合を例にして説明するが、重送検出装置100は、用紙又はプラスチックカード等の媒体を搬送する装置であればどのような装置でもよい。例えば、重送検出装置100は、ファクシミリ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
重送検出装置100は、下側筐体101、上側筐体102、原稿台103、排出台105及び操作ボタン106等を備える。
上側筐体102は、重送検出装置100の上面を覆う位置に配置され、原稿つまり時、重送検出装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
原稿台103は、原稿を載置可能に下側筐体101に係合している。原稿台103には、原稿の搬送方向と直行する方向に移動可能なサイドガイド104a及び104bが設けられている。以下では、サイドガイド104a及び104bを総じてサイドガイド104と称する場合がある。
排出台105は、矢印A1で示す方向に回転可能なように、ヒンジにより下側筐体101に係合しており、図1のように開いている状態では、排出された原稿を保持することが可能となる。
操作ボタン106は、上側筐体102の表面に配置され、押下されると、操作検出信号を生成して出力する。
図2は、重送検出装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
重送検出装置100内部の搬送経路は、原稿検出センサ110、給送ローラ111、リタードローラ112、マイクロフォン113、音波発振器115a、超音波受信器115b、第1搬送ローラ116、第1従動ローラ117、第1撮像装置119a、第2撮像装置119b、第2搬送ローラ120及び第2従動ローラ121等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
下側筐体101の上面は原稿の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は原稿の搬送路の上側ガイド107bを形成する。図2において矢印A2は原稿の搬送方向を示す。以下では、上流とは原稿の搬送方向A2の上流のことをいい、下流とは原稿の搬送方向A2の下流のことをいう。
原稿検出センサ110は、給送ローラ111及びリタードローラ112の上流側に配置される接触検出センサを有し、原稿台103に原稿が載置されているか否かを検出する。原稿検出センサ110は、原稿台103に原稿が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する原稿検出信号を生成して出力する。
マイクロフォン113は、可聴音受信器の一例であり、原稿搬送路の近傍に設けられ、原稿が搬送中に発生する可聴音、又は、音波発振器115aにより出力された可聴音を受信(集音)し、受信した可聴音に応じたアナログの可聴音信号を出力する。マイクロフォン113は、給送ローラ111及びリタードローラ112の下流側に、上側筐体102内部のフレーム108に固定されて配置される。原稿が搬送中に発生する音をより的確にマイクロフォン113が集音できるように、上側ガイド107bのマイクロフォン113に対向する位置には穴109が設けられている。
音波発振器115a及び超音波受信器115bは、原稿の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。音波発振器115aには、出力する音波の周波数が設定可能であり、音波発振器115aは、設定された周波数に応じて、可聴音及び超音波を出力可能である。なお、可聴音の周波数は、20Hz以上且つ20kHz以下であり、超音波の周波数は、20kHzより大きく且つ300MHz以下である。一方、超音波受信器115bは、音波発振器115aにより発振され、原稿を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、音波発振器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と称する場合がある。
第1撮像装置119aは、主走査方向に直線状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の裏面を読み取ってアナログの画像信号を生成して出力する。同様に、第2撮像装置119bは、主走査方向に直線状に配列されたCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の表面を読み取ってアナログの画像信号を生成して出力する。なお、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを一方だけ配置し、原稿の片面だけを読み取るようにしてもよい。また、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)を利用することもできる。以下では、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを総じて撮像装置119と称する場合がある。
原稿台103に載置された原稿は、給送ローラ111が図2の矢印A3の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を原稿搬送方向A2に向かって搬送される。リタードローラ112は、原稿搬送時、図2の矢印A4の方向に回転する。給送ローラ111及びリタードローラ112の働きにより、原稿台103に複数の原稿が載置されている場合、原稿台103に載置されている原稿のうち給送ローラ111と接触している原稿のみが分離される。これにより、分離された原稿以外の原稿の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。給送ローラ111及びリタードローラ112は、原稿の分離部として機能する。
原稿は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117の間に送り込まれる。原稿は、第1搬送ローラ116が図2の矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置119aと第2撮像装置119bの間に送り込まれる。撮像装置119により読み取られた原稿は、第2搬送ローラ120が図2の矢印A6の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
図3は、重送検出装置100の概略構成を示すブロック図である。
重送検出装置100は、前述した構成に加えて、第1画像A/D変換器130a、第2画像A/D変換器130b、絶対値信号生成回路131、超音波A/D変換器132、可聴音信号生成部133、駆動装置137、インタフェース装置138、温度センサ139、湿度センサ140、記憶装置150、CPU(Central Processing Unit)160及び処理回路170等をさらに有する。
第1画像A/D変換器130aは、第1撮像装置119aから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU160及び処理回路170に出力する。同様に、第2画像A/D変換器130bは、第2撮像装置119bから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU160及び処理回路170に出力する。以下、これらのデジタルの画像データを読取画像と称する。また、以下では、第1画像A/D変換器130a及び第2画像A/D変換器130bを総じて画像A/D変換器130と称する場合がある。
絶対値信号生成回路131は、超音波センサ115から出力されたアナログの超音波信号の絶対値を取った絶対値信号を生成し、超音波A/D変換器132に出力する。
超音波A/D変換器132は、絶対値信号生成回路131から出力された絶対値信号をアナログデジタル変換してデジタルの超音波信号を生成し、CPU160に出力する。
可聴音信号生成部133は、マイクロフォン113、フィルタ134、増幅器135及び音A/D変換器136等を含んでいる。フィルタ134は、マイクロフォン113から出力されたアナログの可聴音信号に対して、予め定められた周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタを適用し、増幅器135に出力する。増幅器135は、フィルタ134から出力された信号を増幅させて音A/D変換器136に出力する。音A/D変換器136は、増幅器135から出力された信号を所定間隔ごとにサンプリングしてデジタル変換したデジタルの可聴音信号を生成し、CPU160に出力する。
駆動装置137は、1つ又は複数のモータを含み、CPU160からの制御信号によって、給送ローラ111、リタードローラ112、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ120を回転させて原稿の搬送動作を行う。
インタフェース装置138は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置138の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
温度センサ139は、重送検出装置100における温度(気温)を検出し、検出した温度を示す温度情報をCPU160に出力する。
湿度センサ140は、重送検出装置100における湿度を検出し、検出した湿度を示す湿度情報をCPU160に出力する。
記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、重送検出装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等である。
また、記憶装置150には、読取画像、重送判定閾値、高度テーブル、閾値テーブル、温度補正テーブル及び湿度補正テーブル等が格納される。重送判定閾値は、用紙の重送が発生したか否かを判定する重送判定処理で使用される閾値である。高度テーブル、閾値テーブル、温度補正テーブル及び湿度補正テーブルの詳細については後述する。
CPU160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、CPU160に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等が用いられてもよい。また、CPU160に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
CPU160は、操作ボタン106、原稿検出センサ110、超音波センサ115、第1撮像装置119a、第2撮像装置119b、第1画像A/D変換器130a、第2画像A/D変換器130b、超音波A/D変換器132、可聴音信号生成部133、駆動装置137、インタフェース装置138、温度センサ139、湿度センサ140、記憶装置150及び処理回路170等と接続され、これらの各部を制御する。CPU160は、駆動装置137の駆動制御、撮像装置119の原稿読取制御等を行い、読取画像を取得する。また、CPU160は、重送判定閾値を設定し、設定した重送判定閾値に基づいて重送検出処理等を行う。
処理回路170は、読取画像から出力された読取画像に所定の画像処理を実行し、画像処理が実行された読取画像を記憶装置150に格納する。なお、処理回路170の代わりに、DSP、LSI,ASIC又はFPGA等が用いられてもよい。
図4Aは、高度テーブルのデータ構造の一例を示す。
図4Aに示すように、高度テーブルには、音波発振器115aが所定の可聴音を出力した場合に音A/D変換器136が出力するデジタルの可聴音信号の信号値の範囲と、重送検出装置100の設置場所の高度の範囲とが関連付けて記憶されている。高度テーブルは、様々な高度(気圧環境)に重送検出装置100を置いた状態で、音波発振器115aに所定の可聴音を出力させたときに音A/D変換器136が出力するデジタルの可聴音信号の信号値を測定した実験結果に基づいて設定される。
図4Bは、閾値テーブルのデータ構造の一例を示す。
図4Bに示すように、閾値テーブルには、重送検出装置100の設置場所の高度の範囲と、重送判定閾値とが関連付けて記憶されている。各重送判定閾値は、様々な高度(気圧環境)に重送検出装置100を置いた状態で、音波発振器115aに所定の超音波を出力させたときに超音波A/D変換器132が出力するデジタルの超音波信号の信号値を測定した実験結果に基づいて設定される。各重送判定閾値は、一枚の用紙を通過させた超音波による超音波信号の信号値と、二枚の用紙を通過させた超音波による超音波信号の信号値との間の値に設定される。
図4Cは、温度補正テーブルのデータ構造の一例を示す。
図4Cに示すように、温度補正テーブルには、重送検出装置100における温度の範囲と、温度補正係数とが関連付けて記憶されている。温度補正係数は、重送判定閾値に乗算することにより、重送判定閾値を補正するための係数である。なお、温度補正係数として、重送判定閾値に対して加算、減算又は除算するための係数が設定されてもよい。各温度補正係数は、様々な温度環境に重送検出装置100を置いた状態で、音波発振器115aに所定の超音波を出力させたときに超音波A/D変換器132が出力するデジタルの超音波信号の信号値を測定した実験結果に基づいて設定される。例えば、常温時の温度補正係数として1が設定され、他の温度の温度補正係数として、常温時における超音波信号の信号値に対する、各温度における超音波信号の信号値の比率が設定される。各温度補正係数は、温度が低い程、低くなるように設定される。
図4Dは、湿度補正テーブルのデータ構造の一例を示す。
図4Dに示すように、湿度補正テーブルには、重送検出装置100における湿度の範囲と、湿度補正係数とが関連付けて記憶されている。湿度補正係数は、重送判定閾値に乗算することにより、重送判定閾値を補正するための係数である。なお、湿度補正係数として、重送判定閾値に対して加算、減算又は除算する係数が設定されてもよい。各湿度補正係数は、様々な湿度環境に重送検出装置100を置いた状態で、音波発振器115aに所定の超音波を出力させたときに超音波A/D変換器132が出力するデジタルの超音波信号の信号値を測定した実験結果に基づいて設定される。例えば、常湿時の補正係数として1が設定され、他の湿度の補正係数として、常湿時における超音波信号の信号値に対する、各湿度における超音波信号の信号値の比率が設定される。
図5は、記憶装置150及びCPU160の概略構成を示す図である。
図5に示すように、記憶装置150には、制御プログラム151、設定プログラム152、補正プログラム153、画像生成プログラム154、検出プログラム155及びジャム判定プログラム156等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。CPU160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部161、設定部162、補正部163、画像生成部164、検出部165及びジャム判定部166として機能する。
図6は、重送検出装置100の閾値設定処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図6に示したフローチャートを参照しつつ、重送検出装置100の閾値設定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により重送検出装置100の各要素と協働して実行される。図5に示す動作のフローは、例えば、重送検出装置100の電源投入後の初期化時(装置起動時)に実行される。
最初に、制御部161は、音波発振器115aが出力する音波の周波数を可聴音の周波数帯域に設定し、音波発振器115aから所定の可聴音を出力させる(ステップS101)。
次に、設定部162は、音A/D変換器136を介してマイクロフォン113からデジタルの可聴音信号を取得する(ステップS102)。
次に、設定部162は、取得した可聴音信号に基づいて、重送検出装置100の設置場所の高度を推定する(ステップS103)。設定部162は、高度テーブルから、取得した可聴音信号の信号値に対応する高度を特定し、特定した高度を重送検出装置100の設置場所の高度として推定する。
次に、設定部162は、推定した高度に基づいて、重送判定閾値を設定する(ステップS104)。設定部162は、閾値テーブルから、推定した高度に対応する重送判定閾値を特定し、特定した重送判定閾値を重送判定処理で使用する重送判定閾値として記憶装置150に設定する。
次に、補正部163は、温度センサ139から温度情報を取得する(ステップS105)。
次に、補正部163は、取得した温度情報に示される温度に基づいて、重送判定閾値を補正する(ステップS106)。補正部163は、温度補正テーブルから、温度情報に示される温度に対応する温度補正係数を特定し、特定した温度補正係数を重送判定閾値に乗算することにより重送判定閾値を補正し、記憶装置150に記憶する。
次に、補正部163は、湿度センサ140から湿度情報を取得する(ステップS107)。
次に、補正部163は、取得した湿度情報に示される湿度に基づいて、重送判定閾値を補正し(ステップS108)、一連のステップを終了する。補正部163は、湿度補正テーブルから、湿度情報に示される湿度に対応する湿度補正係数を特定し、特定した湿度補正係数を重送判定閾値に乗算することにより重送判定閾値を補正し、記憶装置150に記憶する。
なお、補正部163は、ステップS105及びS106の処理、又は、ステップS107及びS108の処理を省略してもよい。
図7は、重送検出装置100の原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下、図7に示したフローチャートを参照しつつ、重送検出装置100の原稿読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により重送検出装置100の各要素と協働して実行される。図7に示す動作のフローは、定期的に実行される。
最初に、制御部161は、利用者により、原稿の読み取りを指示するための操作ボタン106が押下されて、原稿の読み取りを指示する操作検出信号を操作ボタン106から受信するまで待機する(ステップS201)。
次に、制御部161は、原稿検出センサ110から受信する原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS202)。
原稿台103に原稿が載置されていない場合、制御部161は、ステップS201へ処理を戻し、操作ボタン106から新たに操作検出信号を受信するまで待機する。
一方、原稿台103に原稿が載置されている場合、制御部161は、駆動装置137を駆動して給送ローラ111、リタードローラ112、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ120を回転させて、原稿を搬送させる(ステップS203)。
次に、制御部161は、異常発生フラグがONであるか否かを判定する(ステップS204)。この異常発生フラグは、重送検出装置100の起動時にOFFに設定され、後述する異常判定処理で異常が発生したと判定されるとONに設定される。
異常発生フラグがONである場合、制御部161は、異常処理として、駆動装置137を停止して、原稿の搬送を停止させる。また、制御部161は、不図示のスピーカ、LED(Light Emitting Diode)等により、異常が発生したことを利用者に通知し、異常発生フラグをOFFに設定し(ステップS205)、一連のステップを終了する。
一方、異常発生フラグがONでない場合、画像生成部164は、搬送された原稿を撮像装置119に読み取らせ、画像A/D変換器130を介して読取画像を取得する(ステップS206)。
次に、画像生成部164は、読取画像をインタフェース装置138を介して不図示の情報処理装置へ送信する(ステップS207)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像生成部164は、読取画像を記憶装置150に記憶しておく。
次に、制御部161は、原稿検出センサ110から受信する原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が残っているか否かを判定する(ステップS208)。
原稿台103に原稿が残っている場合、制御部161は、ステップS203へ処理を戻し、ステップS203〜S208の処理を繰り返す。一方、原稿台103に原稿が残っていない場合、制御部161は、一連のステップを終了する。
図8は、異常判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により重送検出装置100の各要素と協働して実行される。図8に示すフローチャートは、原稿の搬送中に、所定の時間間隔ごとに実行される。異常判定処理が実行される前に、制御部161は、音波発振器115aが出力する音波の周波数を超音波の周波数帯域に設定し、音波発振器115aから所定の超音波を出力させる。
最初に、検出部165は、重送判定処理を実施する(ステップS301)。検出部165は、重送判定処理において、超音波センサ115から取得した超音波信号の信号値と、記憶装置150に設定された重送判定閾値に基づいて、用紙の重送が発生したことを検出する。重送判定処理の詳細については後述する。
次に、ジャム判定部166は、ジャム判定処理を実施する(ステップS302)。ジャム判定部166は、ジャム判定処理において、音A/D変換器136から取得したデジタルの可聴音信号に基づいて、用紙のジャムが発生したか否かを判定する。ジャム判定処理の詳細については後述する。
次に、制御部161は、原稿搬送処理に異常が発生したか否かを判定する(ステップS303)。制御部161は、用紙の重送及びジャムのうちの少なくとも一つが発生した場合、異常が発生したと判定する。すなわち、制御部161は、用紙の重送及びジャムの何れも発生していない場合にのみ、異常が発生していないと判定する。
制御部161は、原稿搬送処理に異常が発生した場合、異常発生フラグをONに設定し(ステップS304)、一連のステップを終了する。一方、制御部161は、原稿搬送処理に異常が発生していない場合、特に処理を行わず、一連のステップを終了する。
図9は、重送判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
図9に示す動作のフローは、図8に示すフローチャートのステップS301において実行される。
最初に、検出部165は、超音波A/D変換器132を介して超音波センサ115からデジタルの超音波信号を取得する(ステップS401)。
次に、検出部165は、取得した超音波信号の信号値が、記憶装置150に設定された重送判定閾値未満であるか否かを判定する(ステップS402)。
図10は、超音波信号の特性について説明するための図である。
図10のグラフ1000において、実線1001は一枚の用紙が搬送されている場合の超音波信号の特性を示し、点線1002は用紙の重送が発生している場合の超音波信号の特性を示す。グラフ1000の横軸は時間を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。重送が発生していることにより、区間1003において点線1002の超音波信号の信号値が低下している。そのため、検出部165は、超音波信号の信号値が重送判定閾値ThA未満であるか否かにより用紙の重送が発生したか否かを判定することができる。
検出部165は、超音波信号の信号値が重送判定閾値未満である場合、用紙の重送が発生したと判定し(ステップS403)、一連のステップを終了する。一方、検出部165は、超音波信号の信号値が重送判定閾値以上である場合、用紙の重送は発生していないと判定し(ステップS404)、一連のステップを終了する。このように、検出部165は、超音波信号の信号値と重送判定閾値に基づいて用紙の重送が発生したことを検出する。
図11は、ジャム判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
図11に示す動作のフローは、図8に示すフローチャートのステップS302において実行される。
最初に、ジャム判定部166は、音A/D変換器136からデジタルの可聴音信号を取得する(ステップS501)。
図12Aは、デジタルの可聴音信号の例を示すグラフである。図12Aに示すグラフ1200は、音A/D変換器136から出力された可聴音信号を表す。グラフ1200の横軸は時間を示し、縦軸は信号値を示す。
次に、ジャム判定部166は、音A/D変換器136から出力された可聴音音信号について絶対値を取った信号を生成する(ステップS502)。
図12Bは、可聴音信号の絶対値を取った信号の例を示すグラフである。図12Bに示すグラフ1210は、グラフ1200の可聴音信号の絶対値を取った信号を表す。グラフ1210の横軸は時間を示し、縦軸は信号値の絶対値を示す。
次に、ジャム判定部166は、可聴音信号の絶対値を取った信号の外形を抽出した外形信号を生成する(ステップS503)。ジャム判定部166は、外形信号として包絡線を抽出する。
図12Cは、外形信号の例を示すグラフである。図12Cに示すグラフ1220は、グラフ1210の可聴音信号の絶対値を取った信号の包絡線1221を表す。グラフ1220の横軸は時間を示し、縦軸は信号値の絶対値を示す。
次に、ジャム判定部166は、外形信号について、第1の閾値Th1以上である場合に増大させ、第1の閾値Th1未満である場合に減少させるカウンタ値を算出する(ステップS504)。ジャム判定部166は、所定の時間間隔(例えばアナログデジタル変換のサンプリング間隔)ごとに、包絡線1221の値が第1の閾値Th1以上であるか否かを判定する。ジャム判定部166は、包絡線1221の値が第1の閾値Th1以上である場合、カウンタ値をインクリメントし、第1の閾値Th1未満である場合、カウンタ値をデクリメントする。
図12Dは、外形信号について算出されたカウンタ値の例を示すグラフである。図12Dに示すグラフ1230は、グラフ1220の包絡線1221について算出されたカウンタ値を表す。グラフ1220の横軸は時間を示し、縦軸はカウンタ値を示す。
次に、ジャム判定部166は、カウンタ値が第2の閾値Th2以上であるか否かを判定する(ステップS505)。ジャム判定部166は、カウンタ値が第2の閾値Th2以上であればジャムが発生したと判定し(ステップS506)、カウンタ値が第2の閾値Th2未満であればジャムは発生していないと判定し(ステップS507)、一連のステップを終了する。
図12Cにおいて、包絡線1221は、時刻T1で第1の閾値Th1以上となり、その後、第1の閾値Th1未満となっていない。そのため、図12Dに示すように、カウンタ値は時刻T1から増大していき、時刻T2で第2の閾値Th2以上となり、ジャム判定部166は、ジャムが発生したと判定する。
なお、ステップS503において、ジャム判定部166は、外形信号として、包絡線を求める代わりに、可聴音信号の絶対値を取った信号を所定間隔ごとにピークホールドした信号を求めてもよい。また、ジャム判定部166は、外形信号として、可聴音信号の絶対値を取った信号に公知の平滑化フィルタ、平均化フィルタ又はローパスフィルタを適用させた信号を求めてもよい。
以下、可聴音信号に基づいて重送判定閾値を設定することの技術的意義について説明する。
図13Aは、重送検出装置100が設置されている高度と、重送検出装置100が各高度に設置されている場合に出力される超音波信号の信号値との関係を示すグラフである。
図13Aの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。グラフ1301は、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示し、グラフ1302は、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。図13Aに示すように、重送検出装置100が設置されている高度が高い程、即ち、重送検出装置100における気圧が低い程、超音波は減衰し、超音波信号の信号値は低くなる。
例えば、重送判定閾値が15である場合、高度が2.5km未満の環境において、重送検出装置100は、一枚のPPC用紙が搬送されているか二枚のPPC用紙が搬送されているかを正しく判別することができる。しかしながら、高度が2.5km以上の環境では、一枚のPPC用紙が搬送されたときの信号値も、二枚のPPC用紙が搬送されたときの信号値も重送判定閾値未満となるため、重送検出装置100は、両者を正しく判別することができない。また、重送判定閾値が5である場合、高度が1km以上の環境において、重送検出装置100は、一枚のPPC用紙が搬送されているか二枚のPPC用紙が搬送されているかを正しく判別することができる。しかしながら、高度が1km未満の環境では、一枚のPPC用紙が搬送されたときの信号値も、二枚のPPC用紙が搬送されたときの信号値も重送判定閾値以上となるため、重送検出装置100は、両者を正しく判別することができない。
したがって、重送検出装置100は、設置場所の高度が高い程、低くなるように重送判定閾値を設定することにより、設置場所の高度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かを正しく判定することができる。特に、重送検出装置100は、0km〜5kmの高度に設置されている場合に、用紙の重送が発生したか否かを正しく判定することができる。
図13Bは、重送検出装置100が設置されている高度と、重送検出装置100が各高度に設置されている場合にマイクロフォン113が集音する所定の可聴音の音圧値との関係を示すグラフである。
図13Bの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は音圧値[dB]を示す。グラフ1311は理論値を示し、グラフ1312は実験による実測値を示す。図13Bに示すように、重送検出装置100が設置されている高度が高い程、即ち、重送検出装置100における気圧が低い程、可聴音は減衰し、音圧値は低くなる。
したがって、重送検出装置100は、所定の可聴音に基づく可聴音信号の信号値から、重送検出装置100の設置場所の高度を推定することができる。
図14Aは、重送検出装置100が設置されている環境の温度及び高度(気圧)と、重送検出装置100が各環境に設置されている場合に出力される超音波信号の信号値との関係を示すグラフである。
図14Aの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。グラフ1401は、重送検出装置100における温度が60℃である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1402は、重送検出装置100における温度が25℃である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1403は、重送検出装置100における温度が0℃である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1404は、重送検出装置100における温度が60℃である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1405は、重送検出装置100における温度が25℃である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1406は、重送検出装置100における温度が0℃である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。
図14Aに示すように、重送検出装置100における温度が低い程、超音波は減衰し、超音波信号の信号値は低くなる。したがって、検出部165は、重送検出装置100における温度が低い程、低くなるように、重送判定閾値を補正することにより、重送検出装置100が設置されている環境の温度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かを精度良く判定することができる。
図14Bは、重送検出装置100が設置されている環境の湿度及び高度(気圧)と、重送検出装置100が各環境に設置されている場合に出力される超音波信号の信号値との関係を示すグラフである。
図14Bの横軸は重送検出装置100が設置されている高度[km]を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。グラフ1411は、重送検出装置100における湿度が80%である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1412は、重送検出装置100における湿度が50%である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1413は、重送検出装置100における湿度が30%である状態で、一枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1414は、重送検出装置100における湿度が80%である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1415は、重送検出装置100における湿度が50%である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。グラフ1416は、重送検出装置100における湿度が30%である状態で、二枚のPPC用紙を搬送させたときの超音波信号の信号値を示す。
図14Bに示すように、重送検出装置100における湿度に応じて、超音波信号の信号値は変化する。したがって、検出部165は、重送検出装置100における湿度に基づいて重送判定閾値を補正することにより、重送検出装置100が設置されている環境の湿度に関わらず、用紙の重送が発生したか否かを精度良く判定することができる。
以上詳述したように、重送検出装置100は、図6〜9に示したフローチャートに従って動作することによって、音波発振器115aに可聴音を出力させ、マイクロフォン113が受信した可聴音に基づいて重送判定閾値を設定する。そして、重送検出装置100は、設定した重送判定閾値に基づいて、重送が発生したか否かを判定する。これにより、重送検出装置100は、より精度良く重送を検出することが可能となった。
重送検出装置100は、ジャムが発生したか否かを判定するために使用されるマイクロフォン113を使用して、重送検出装置100が設置されている高度を推定する。重送検出装置100は、重送検出装置100が設置されている高度を検出するための特殊なセンサを設ける必要がないため、装置サイズの増大及び装置コストの増大を抑制しつつ、適切な重送判定閾値を設定することが可能となった。また、利用者は、重送検出装置100が特定の高度環境で使用される場合に、誤って重送が検出されることを防止するために、重送検出機能を無効にする必要がなくなり、利用者の利便性を向上させることが可能となった。また、重送検出装置100は、重送検出装置100の電源投入後の初期化時(装置起動時)にのみ、音波発振器115aに所定の可聴音を出力させるので、その可聴音が利用者の耳障りになることを抑制することができる。
図15は、他の実施形態に係る重送検出装置における処理回路270の概略構成を示す図である。処理回路270は、制御回路271、設定回路272、補正回路273、画像生成回路274、検出回路275及びジャム判定回路276等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
制御回路271は、制御部の一例である。制御回路271は、音波発振器115aに音波制御信号を送信して、音波発振器115aから可聴音又は超音波を出力させる。また、制御回路271は、駆動装置137に駆動制御信号を送信して、駆動装置137を駆動し、原稿を搬送させる。
設定回路272は、設定部の一例である。設定回路272は、音A/D変換器136からデジタルの可聴音信号を受信し、受信した可聴音信号に基づいて、重送判定閾値を記憶装置150に設定する。
補正回路273は、補正部の一例である。補正回路273は、温度センサ139から温度情報を受信し、受信した温度情報に基づいて、重送判定閾値を補正する。また、補正回路273は、湿度センサ140から湿度情報を受信し、受信した湿度情報に基づいて、重送判定閾値を補正する。
画像生成回路274は、画像生成部の一例である。画像生成回路274は、画像A/D変換器130を介して撮像装置119から読取画像を受信し、インタフェース装置138を介して不図示の情報処理装置へ送信する。
検出回路275は、検出部の一例である。検出回路275は、超音波A/D変換器132を介して超音波センサ115からデジタルの超音波信号を受信するとともに、記憶装置150から重送判定閾値を受信する。検出回路275は、受信した超音波信号及び伝搬時間に基づいて用紙の重送が発生したことを検出し、検出結果を示す検出信号をCPU160に送信する。
ジャム判定回路276は、ジャム判定部の一例である。ジャム判定回路276は、音A/D変換器136からデジタルの可聴音信号を受信し、受信した可聴音信号に基づいて、ジャムが発生したか否かを判定し、判定結果を示す判定信号をCPU160に送信する。
以上詳述したように、重送検出装置は、処理回路270を用いる場合においても、より精度良く重送を検出することが可能となった。