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JP6942426B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両に搭載されて、動力を伝達する動力伝達装置に関する。
自動車などの車両では、駆動源からの動力がトランスミッション(変速機)に入力され、トランスミッションで変速された動力がデファレンシャルギヤ(差動装置)などを介して駆動輪に伝達される。
図4は、従来のデファレンシャルギヤの断面図である。
デファレンシャルギヤ91は、デフケース92と、デフケース92から外側に張り出すリングギヤ93とを一体的に備えている。デフケース92には、リングギヤ93の中心線方向(回転軸線方向)の両端部に円筒状の円筒部94が形成されている。デファレンシャルギヤ91は、ユニットケース95内に収容されており、両方の円筒部94がベアリング96を介してユニットケース95に回転可能に支持されている。
ユニットケース95内には、オイルが封入されており、リングギヤ93の一部は、ユニットケース95内に溜まったオイルに浸漬している。リングギヤ93には、トランスミッションから動力が伝達される。リングギヤ93に動力が伝達されると、デフケース92およびリングギヤ93が回転し、ユニットケース95内に溜まったオイルがリングギヤ93によって掻き上げられて飛沫となり、そのオイルの飛沫がベアリング96などに供給される。これにより、ベアリング96などがオイルにより潤滑され、ベアリング96などにおける摩耗や焼き付きの発生を防止することができる。
実用新案登録第2584081号公報
ユニットケース95内に溜まっているオイルの量が多いと、オイルがリングギヤ93の抵抗となり、トルク損失によるトルク伝達効率の低下、ひいては車両の走行燃費の悪化を招く。
そこで、リングギヤ93に対する回転軸線方向の両側に、それぞれ隔壁となるオイルセパレータ97,98を設けて、ベアリング96に供給されたオイルがオイルセパレータ97,98の内側に戻らないようにすることが考えられる。この構成により、オイルセパレータ97,98に挟まれる空間、つまりリングギヤ93が収容されている空間に溜まるオイルの量の低減を期待することができる。
しかしながら、本発明に先行して開発されたセパレータ97,98は、板金のプレス加工により作製されるが、そのプレス加工後のスプリングバックにより、その形状が安定しないという問題を有している。
本発明の目的は、セパレータを設けることによってオイルを掻き上げる掻き上げ部材が浸かるオイルの量を低減でき、かつ、そのセパレータの形状を安定に保つことができる、動力伝達装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る動力伝達装置は、動力を伝達する動力伝達装置であって、オイルが封入されたケースと、ケース内に所定方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、動力により回転して、ケース内に溜まっているオイルを掻き上げて飛散させる掻き上げ部材と、掻き上げ部材に対して所定方向の少なくとも一方側に設けられ、掻き上げ部材が配置される第1空間と第1空間に対して所定方向に隣接する第2空間とを区画するセパレータとを含み、セパレータは、ケースに取り付けられており、その少なくとも一部に、回転軸線を中心とする円環状で全周にわたって繋がった部分を有している。
この構成によれば、ケース内には、オイルが溜まっており、掻き上げ部材が回転すると、その溜まっているオイルが掻き上げ部材により掻き上げられて飛散する。これにより、掻き上げ部材を回転可能に保持するベアリングなど、掻き上げ部材の周囲の各部にオイルを供給でき、各部における摩耗や焼き付きの発生を抑制できる。
掻き上げ部材に対して掻き上げ部材の回転軸線方向である所定方向の少なくとも一方側には、掻き上げ部材が配置される第1空間と第1空間に対して所定方向に隣接する第2空間とを区画するセパレータが設けられている。これにより、各部に供給されたオイルが掻き上げ部材を収容する第1空間に戻ることを抑制でき、第1空間に溜まるオイルの量、つまり掻き上げ部材が浸かるオイルの量を低減することができる。
また、セパレータがケースに取り付けられているので、掻き上げ部材に向かってケースを伝って流下してくるオイルをセパレータで阻止することができる。その結果、第1空間へのオイルの戻りを一層抑制することができ、掻き上げ部材が浸かるオイルの量を効果的に低減することができる。
さらに、セパレータが少なくとも一部に円環状で全周にわたって繋がった部分を有しているので、セパレータが板金のプレス加工により作製されるものであっても、スプリングバックによる変形を抑制することができ、セパレータの形状を安定に保つことができる。
本発明の他の局面に係る動力伝達装置は、オイルが封入されたケースと、ケース内に所定方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、動力により回転して、ケース内に溜まっているオイルを掻き上げて飛散させる掻き上げ部材と、掻き上げ部材に対して所定方向の少なくとも一方側に設けられ、掻き上げ部材が配置される第1空間と第1空間に対して所定方向に隣接する第2空間とを区画するセパレータとを含み、セパレータは、回転軸線を中心とする円環板状をなし、その内周部が全周にわたって繋がり、かつ、当該内周部に所定方向に起伏した形状を有している。
この構成によれば、ケース内には、オイルが溜まっており、掻き上げ部材が回転すると、その溜まっているオイルが掻き上げ部材により掻き上げられて飛散する。これにより、掻き上げ部材を回転可能に保持するベアリングなど、掻き上げ部材の周囲の各部にオイルを供給でき、各部における摩耗や焼き付きの発生を抑制できる。
掻き上げ部材に対して掻き上げ部材の回転軸線方向である所定方向の少なくとも一方側には、掻き上げ部材が配置される第1空間と第1空間に対して所定方向に隣接する第2空間とを区画するセパレータが設けられている。これにより、各部に供給されたオイルが掻き上げ部材が配置される第1空間に戻ることを抑制でき、第1空間に溜まるオイルの量、つまり掻き上げ部材が浸かるオイルの量を低減することができる。
また、セパレータが円環板状をなし、その内周部が全周にわたって繋がっているので、セパレータが板金のプレス加工により作製されるものであっても、スプリングバックによる変形を抑制することができ、セパレータの形状を安定に保つことができる。
さらに、内周部に掻き上げ部材の回転軸線方向に起伏した形状を有しているので、内周部に大きな強度を持たせることができる。その結果、セパレータの形状をより安定に保つことができる。
本発明によれば、セパレータを設けることによって掻き上げ部材が浸かるオイルの量を低減できる。また、セパレータの形状を安定に保つことができる。
本発明の一実施形態に係るトランスアクスルの構成を示す断面図である。 一方のセパレータが取り付けられたユニットケースの一部を示す斜視図である。 他方のセパレータの斜視図である。 従来のデファレンシャルギヤの断面図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<トランスアクスル>
図1は、本発明の一実施形態に係るトランスアクスル1の構成を示す断面図である。なお、図1では、断面を表すハッチングの付与が省略されている。
トランスアクスル1は、車両に搭載されて、エンジン(図示せず)が発生するトルクを変速して駆動輪(図示せず)に伝達する変速ユニットであり、その外殻をなすユニットケース2内に、トルクコンバータ3、ベルト式の無段変速機4およびデファレンシャルギヤ5を備えている。
デファレンシャルギヤ5は、デフケース11を備えている。デフケース11は、その内部にギヤ収容空間12を提供している。デフケース11には、ギヤ収容空間12を貫通するピニオンシャフト13が保持されている。ピニオンシャフト13には、2個のピニオンギヤ14,15が互いに間隔を開けて回転可能に保持されている。また、ギヤ収容空間12内には、2個のサイドギヤ16,17がピニオンシャフト13の両側に分かれて配置されている。サイドギヤ16,17およびピニオンギヤ14,15は、いずれもかさ歯車からなり、各サイドギヤ16,17は、ピニオンギヤ14,15の両方と噛合している。
また、デフケース11には、サイドギヤ16,17が対向する方向、言い換えればピニオンシャフト13と直交する方向に貫通する円筒状のシャフト挿通部18,19が形成されている。シャフト挿通部18,19には、それぞれドライブシャフト21,22が挿通される。ドライブシャフト21,22の先端部は、ギヤ収容空間12内において、それぞれサイドギヤ16,17に相対回転不能に結合される。
シャフト挿通部18,19には、それぞれベアリング23,24が外嵌されている。ベアリング23,24のアウタレース(外輪)は、ユニットケース2に回転不能に保持されている。これにより、デフケース11は、ベアリング23,24を介してユニットケース2に、ドライブシャフト21,22と同一の回転軸線まわりに回転可能に支持されている。
デフケース11にはさらに、一方のシャフト挿通部18とピニオンシャフト13との間に、その外周面から径方向に張り出すフランジ部25が形成されている。フランジ部25には、リングギヤ26が固定されている。リングギヤ26は、デフケース11を取り囲む略円環板状のウェブ27と、ウェブ27の外周を取り囲む略円筒状のリム28とを一体的に有している。リム28は、ウェブ27からデフケース11の回転軸線に沿う方向の両側に突出している。リム28の外周面には、ギヤ歯が形成されており、このギヤ歯は、無段変速機4の出力ギヤ31と噛合している。
無段変速機4から出力される動力は、出力ギヤ31からリングギヤ26に伝達される。これにより、リングギヤ26およびデフケース11が一体に回転する。デフケース11の回転は、ピニオンギヤ14,15を介して、各サイドギヤ16,17の回転に変換される。これにより、各サイドギヤ16,17と一体にドライブシャフト21,22が回転し、ドライブシャフト21,22の回転が車両の駆動輪に伝達される。
<セパレータ>
ユニットケース2内には、リングギヤ26に対してリングギヤ26の回転軸線に沿う方向の両側に、それぞれ隔壁となるセパレータ41,42が設けられている。これにより、ユニットケース2内には、セパレータ41,42に両側から挟まれ、リングギヤ26が配置される第1空間43と、セパレータ41,42に対してそれらの対向方向の外側の第2空間44,45とが区画されている。
図2は、セパレータ41が取り付けられたユニットケース2の一部を示す斜視図である。
セパレータ41は、リングギヤ26に対するシャフト挿通部18側、つまりトルクコンバータ3と無段変速機4との並び方向における無段変速機4側に設けられている。
セパレータ41は、略円環板状の一部を切り欠いた形状に形成されている。セパレータ41の内周部51は、切り欠かれておらず、全周にわたって繋がっている。その全周にわたって繋がった内周部51は、内周縁に沿った平面状の第1平面部52からリングギヤ26側と反対側に傾斜して、第1平面部52と段違いの平面状をなす第2平面部53に連続するように形成されることにより、リングギヤ26の回転軸線の方向(以下、単に「回転軸線方向」という。)に起伏した形状を有している。
セパレータ41の外周部54には、周方向に間隔を空けた2箇所に、リングギヤ26側と反対側に凹んだ凹部55が形成されている。凹部55には、ボルト穴56が貫通して形成されている。セパレータ41は、2つのボルト穴56がリングギヤ26の回転軸線よりも下側に位置するように周方向の位置が調整されて、各ボルト穴56に挿通されるボルトにより、ユニットケース2に固定されている。
また、ユニットケース2には、回転軸線方向に延びる面57が形成されており、この面57には、リングギヤ26の回転軸線側に凹んだ溝部58が形成されている。溝部58は、回転軸線方向に延びる直線を中心とする円弧状に湾曲しており、その回転軸線方向の一端がセパレータ41の内周部51で閉鎖されている。これにより、無段変速機4から流れるオイル(たとえば、クラッチCの潤滑油)が溝部58に集まる。溝部58をセパレータ41に向かって流れるオイルは、溝部58の端に達するとセパレータ41の内周部51に堰き止められて、その内周部51とユニットケース2との隙間からベアリング23に供給される。そのため、ベアリング23をオイルで十分に潤滑させることができる。
図3は、セパレータ42の斜視図である。
セパレータ42は、リングギヤ26に対するシャフト挿通部19側、つまりトルクコンバータ3と無段変速機4との並び方向におけるトルクコンバータ3側に設けられている。
セパレータ42は、略円筒状の内周部61と、内周部61に連続して形成され、内周部61から離れるにつれて緩やかに拡径する中間部62と、中間部62に連続して形成され、中間部62から回転軸線方向と直交する径方向に広がる外周部63とを一体に有している。中間部62および外周部63は、それらの一部が切り欠かれており、内周部61は、切り欠かれておらず、全周にわたって繋がっている。中間部62および外周部63の切り欠かれた部分64は、外周部63の縁から内周部61と中間部62との境界まで連続して切り欠かれた部分65と、外周部63のみが切り欠かれた部分66とを含んでいる。
外周部63には、周方向に間隔を空けた2箇所に、リングギヤ26側と反対側に凹んだ凹部67が形成されている。凹部67には、ボルト穴68が貫通して形成されている。セパレータ42は、外周部63が下側に位置し、中間部62および外周部63の切り欠かれた部分64が上側に位置するように周方向の位置が調整されて、各ボルト穴68に挿通されるボルトにより、ユニットケース2に固定されている。
<作用効果>
この構成によれば、ユニットケース2内には、オイルが溜まっており、リングギヤ26が回転すると、その溜まっているオイルがリングギヤ26により掻き上げられて飛散する。これにより、デフケース11を回転可能に保持するベアリング23,24など、リングギヤ26の周囲の各部にオイルを供給でき、各部における摩耗や焼き付きの発生を抑制できる。
リングギヤ26に対して回転軸線方向の両側には、リングギヤ26が配置される第1空間43と第1空間43に対して回転軸線方向に隣接する第2空間44,45とを区画するセパレータ41,42が設けられている。これにより、各部に供給されたオイルがリングギヤ26を収容する第1空間43に戻ることを抑制でき、第1空間43に溜まるオイルの量、つまりリングギヤ26が浸かるオイルの量を低減することができる。
セパレータ41,42は、ユニットケース2に取り付けられているので、リングギヤ26に向かってユニットケース2を伝って流下してくるオイルをセパレータ41,42で阻止することができる。その結果、第1空間43へのオイルの戻りを一層抑制することができ、リングギヤ26が浸かるオイルの量を効果的に低減することができる。
さらに、セパレータ41,42が少なくとも一部に円環状で全周にわたって繋がった部分、すなわち、セパレータ41が内周部51を有し、セパレータ42が内周部61を有しているので、セパレータ41,42が板金のプレス加工により作製されるものであっても、スプリングバックによる変形を抑制することができ、セパレータ41,42の形状を安定に保つことができる。
また、セパレータ41については、全周にわたって繋がった内周部51が回転軸線方向に起伏した形状を有しているので、内周部51に大きな強度を持たせることができる。その結果、セパレータ41の形状をより安定に保つことができる。
なお、内周部51に形成される起伏は、全周にわたって繋がっていてもよいし、1または複数の箇所で分断されていてもよい。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、リングギヤ26に対してリングギヤ26の回転軸線に沿う方向の両側にセパレータ41,42が設けられている構成を取り上げたが、セパレータ41,42の一方が不要であれば、その一方を省略することもできる。
また、トランスアクスル1には、ベルト式の無段変速機4が備えられているが、本発明は、ベルト式の無段変速機4を備えるトランスアクスル1に限らず、ベルト式以外の方式の無段変速機や有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)などを備えるトランスアクスルに広く適用可能である。さらには、動力伝達装置の形態は、トランスアクスルに限らず、デファレンシャルギヤ5の単体であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:トランスアクスル(動力伝達装置)
2:ユニットケース(ケース)
26:リングギヤ
41,42:セパレータ
43:第1空間
44,45:第2空間
51,61:内周部

Claims (2)

  1. 動力を伝達する動力伝達装置であって、
    オイルが封入されたケースと、
    前記ケース内に所定方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、動力により回転して、前記ケース内に溜まっているオイルを掻き上げて飛散させる掻き上げ部材と、
    前記掻き上げ部材に対して前記所定方向の少なくとも一方側に設けられ、前記掻き上げ部材が配置される第1空間と前記第1空間に対して前記所定方向に隣接する第2空間とを区画するセパレータとを含み、
    前記セパレータは、略円筒状の内周部と、前記内周部に連続して形成され、前記内周部から離れるにつれて緩やかに拡径する中間部と、前記中間部に連続して形成され、前記中間部から前記回転軸線と直交する径方向に広がる外周部とを一体に有し、前記外周部に一部が切り欠かれた部分を有しており、前記外周部における前記ケースに固定される部分が前記掻き上げ部材側と反対側に凹んだ凹部に形成され、前記内周部が全周にわたって繋がっている、動力伝達装置。
  2. 前記セパレータは、前記切り欠かれた部分が上側に位置するように周方向の位置が調整されており、前記切り欠かれた部分に臨む端縁が前記掻き上げ部材に対して前記径方向の内側に位置する、請求項1に記載の動力伝達装置。
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