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JP6944282B2 - メタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法 - Google Patents
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JP6944282B2 - メタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法 - Google Patents

メタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法に関する。
従来より、メタン発酵施設等において、例えば、有機廃棄物等のバイオマス原料から、種々の発酵技術によって、メタンガス等のバイオガスを生成させることが、広く行われている。
例えば、メタン発酵施設において、バイオマス原料からメタンガスを生成させる場合、バイオマス原料を液化、加水分解等によって低分子化、酸生成させることで、低級脂肪酸及びアルコールを生成させる。そして、水素生成、酢酸生成によって、水素+二酸化炭素、又は酢酸を、細菌(メタン生成菌)を用いて発酵させることで、メタンガスが生成される。このようにして生成されたメタンガス及び熱を、回収するようになっている。
ところで、メタン発酵施設において、施設の立ち上げを円滑に行ったり、メタンガスを計画通りに回収したりするためには、メタン発酵を担うメタン生成菌が、発酵槽の発酵液中に、一定数以上存在することが重要である。そのため、メタン生成菌の効率的なモニタリング方法が求められている。
そこで、メタン発酵におけるメタン生成菌のモニタリングに関する技術として、メタン生成菌に特異的に存在する蛍光性補酵素(8‐ヒドロキシ‐5‐ジアザフラビン誘導体、以下、蛍光物質F420という)の蛍光強度を測定することで、メタン生成菌の活性を測定する技術が、例えば、特開平1‐250041号公報(特許文献1)及び特開平8‐154662号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1に記載のメタン生成菌計測装置では、発酵槽と、発酵槽中のメタン生成菌を含有する被検体を流すための導管と、被検体に所定の波長範囲の励起光を照射する光源と、被検体が励起光の照射を受けて発する蛍光のうち所定の波長範囲の蛍光を蛍光画像として取得するビデオカメラと、蛍光画像を画像処理してメタン生成菌以外の物質に基づく蛍光を排除する画像処理回路と、を備える。
係るメタン生成菌計測装置では、蛍光強度の測定において、光源からメタン生成菌に420nmの光を照射して、蛍光物質F420を青白く光らせ、ビデオカメラで蛍光強度を測定する。測定された蛍光強度のデータは、画像処理回路に送られる。
この種のメタン生成菌計測装置では、励起光を照射する前の段階において、メタン生成菌を含む被検体を、予め洗浄するためのメンブレンフィルタ及び洗浄制御装置を設けることで、発酵槽中に含まれるメタン生成菌以外の蛍光物質を除去し、蛍光画像のバックグランドを除去することができる、とされている。
また、特許文献2に記載のメタン発酵槽の自動制御システムは、メタン発酵槽と、メタン発酵槽に接続され、メタン生成菌を送り出すサンプリングラインと、サンプリングラインに接続され、メタン生成菌の前処理を行う前処理装置と、前処理装置に接続された蛍光分光光度計と、蛍光分光光度計に接続されたデータ解析装置と、を備える。
特許文献2に記載のメタン発酵槽の自動制御システムでは、メタン発酵槽からサンプリングラインを介して、発酵液をサンプリングし、発酵液を前処理装置に送る。前処理装置では、発酵液の希釈、メタン生成菌中の蛍光物質F420を菌体外に溶出させるためのアルカリ処理、及び加熱処理等が行われる。
そして、前処理後のサンプルを、蛍光分光光度計に送り、蛍光強度を測定する。蛍光強度の測定では、メタン生成菌に420nmの光を照射して、蛍光物質F420を青白く光らせ、蛍光分光光度計で蛍光強度を測定する。測定された蛍光強度のデータは、データ解析装置に送られる。データ解析装置は、送られてきたデータを解析し、原料槽から原料投入ラインを介して、メタン生成菌を含む原料液を、メタン発酵槽内に必要時に必要量だけ、投入するようになっている。
特開平1‐250041号公報 特開平8‐154662号公報
しかしながら、特許文献1に記載のメタン発酵システムでは、上述のように、メタン生成菌に励起光を照射する前の段階において、被検体を予め洗浄するためのメンブレンフィルタ及び洗浄制御装置を設ける必要があるため、洗浄に使用する大がかりな設備等が別途必要である。また、測定で使用された被験体を、そのまま排出するため、再利用することができない、という問題があった。
また、特許文献2に記載のメタン発酵システムでは、発酵液の希釈、メタン生成菌中の蛍光物質F420を菌体外に溶出させるためのアルカリ処理、及び加熱処理等の前処理、及び前処理を行うための試薬が必要である。
さらに、特許文献1及び特許文献2に記載のメタン発酵システムでは、メタン発酵槽中のメタン生成菌を、ある程度の時間間隔(タイムラグ)で測定することは可能であるが、メタン発酵槽中のメタン生成菌の菌数を、リアルタイムに測定することはできず、メタン生成菌のオンサイトでの正確な測定については、全く考慮されていない、という問題があった。
そこで、発明者等は、メタン生成菌のより効率的なモニタリング方法として、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵中のメタン生成菌の菌数を測定することを検討した。
本発明は、斯かる実情に鑑み、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵中のメタン生成菌の菌数を測定することのできるメタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法を提供することを目的とする。
本発明に係るメタン発酵システムは、メタン生成菌を用いてバイオマスを発酵し、メタンガスを生成するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽に接続され、前記メタン発酵槽内の消化液の一部を引き抜いてから、さらに前記メタン発酵槽に戻す循環導管と、非接触で前記循環導管を通る前記メタン生成菌の量を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
上記構成のメタン発酵システムによれば、メタン生成菌を用いてバイオマスを発酵し、メタンガスを生成するメタン発酵槽と、メタン発酵槽に接続され、メタン発酵槽内の消化液の一部を引き抜いてから、さらにメタン発酵槽に戻す循環導管と、非接触で循環導管を通るメタン生成菌の量を検出する検出部と、を備えるため、検出部において、メタン生成菌に直接接触することなく、非接触で循環導管を通るメタン生成菌の量を検出することができる。
また、大がかりな設備等を別途必要とせず、前処理、及び前処理等で使用する試薬が不要である。これにより、メタン発酵槽内において、消化液の性状の変化を伴う処理を行う必要がないため、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を循環させることができる。その結果、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵中のメタン生成菌の菌数を測定することができる。
また、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を循環させるため、排出する必要がなく、消化液の一部を循環させてメタン発酵槽に戻し、メタン発酵に再利用することができる。その結果、消化液が循環導管内を絶えず流れているため、循環導管内に、例えば、消化液中の固形分等による汚れが付着することがない。
さらに、例えば、メタン発酵槽中のメタン生成菌の生育状況を確認するための指標として、pH値の測定を行う場合がある。そのような場合、循環導管を、pH値測定用の循環経路と併用することができる。
本発明の一態様として、前記検出部は、前記循環導管に設けられ、前記循環導管の内部の前記消化液を透視する透明窓部と、該透明窓部に光を照射する光源と、前記透明窓部から反射する光を検出する撮影部と、該撮影部で撮影したデータを画像化する画像処理演算部と、を備える、のが好ましい。
上記構成のメタン発酵システムによれば、検出部は、循環導管に設けられ、循環導管の内部の消化液を透視する透明窓部と、該透明窓部に光を照射する光源と、透明窓部から反射する光を検出する撮影部と、該撮影部で撮影したデータを画像化する画像処理演算部と、を備えるため、光源から循環導管の透明窓部に、光が照射され、透明窓部から反射する光は、撮影部によって検出(撮影)され、撮影部で撮影されたデータは、画像処理演算部によって画像化される。
したがって、光源、透明窓部、撮影部及び画像処理演算部といった簡単な構成で、メタン生成菌に直接接触することなく、非接触で循環導管を通るメタン生成菌の量を検出することができる。これにより、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵中のメタン生成菌の菌数を測定することができる。
本発明の他態様として、前記循環導管の途中に設けられた循環用ポンプを、さらに備える、のが好ましい。
上記構成のメタン発酵システムによれば、循環導管の途中に設けられた循環用ポンプを、さらに備えるため、メタン発酵槽から循環導管に、消化液をより効率的に送り出して、循環導管内に消化液を常に流し続けることで、消化液を効率的に循環させることができる。
本発明の他態様として、前記循環導管は、前記透明窓部に対向する領域に、前記消化液の液体分のみを導入するじゃま板をさらに備える、のが好ましい。
メタン発酵槽中には、バイオマスやメタン生成菌等の固形分、及び発酵液等の液体分が存在している。上記構成のメタン発酵システムによれば、循環導管は、透明窓部に対向する領域に、消化液の液体分のみを導入するじゃま板をさらに備えるため、循環導管を通って透明窓部に対向する領域に、消化液の液体分のみを効率的に導入することができる。
また、じゃま板を備えることで、透明窓部付近の消化液の流路(断面積)を狭くし、検出対称となる消化液(メタン生成菌)の量を低減させることができる。
本発明のメタン生成菌のモニタリング方法は、メタン発酵槽中のメタン生成菌のモニタリング方法であって、前記メタン発酵槽中の消化液を取り出して、前記メタン発酵槽中に戻す循環路を形成する工程と、前記循環路の表面に、所定の波長範囲の励起光を照射する工程と、前記メタン生成菌に特有の補酵素F420の蛍光量を検出する工程と、単位面積当たりの前記蛍光量の総量を算出する工程と、を備える、ことを特徴とする。
上記構成のメタン生成菌のモニタリング方法によれば、メタン発酵槽中のメタン生成菌のモニタリング方法であって、メタン発酵槽中の消化液を取り出して、メタン発酵槽中に戻す循環路を形成する工程と、循環路の表面に、所定の波長範囲の励起光を照射する工程と、メタン生成菌に特有の補酵素F420の蛍光量を検出する工程と、単位面積当たりの前記蛍光量の総量を算出する工程と、を備えるため、メタン生成菌を1個ずつ分離する必要がなく、メタン生成菌に直接接触することなく、非接触で循環導管を通るメタン生成菌の量を検出することができる。
また、大がかりな設備等が不要であり、前処理及び前処理等で使用する試薬が不要である。これにより、メタン発酵槽内において、消化液の性状の変化を伴う処理を行う必要がないため、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を排出する必要がない。そのため、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を循環させることができ、消化液の一部を循環させてメタン発酵槽に戻し、メタン発酵に再利用することができる。その結果、消化液が循環導管内を絶えず流れているため、循環導管内に、例えば、消化液中の固形分等による汚れが付着することがない。メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムにメタン発酵中のメタン生成菌の菌数を測定することができる。
本発明のさらに別の態様として、予め作成したメタン生成菌密度‐蛍光量の検量線から、前記循環路に流れてきた前記消化液中の表面メタン生成菌密度を算出し、さらに断面積で除して元の消化液中のメタン生成菌密度を算出する工程を、さらに備える、のが好ましい。
上記構成のメタン生成菌のモニタリング方法によれば、予め作成したメタン生成菌密度‐蛍光量の検量線から、循環路に流れてきた消化液中の表面メタン生成菌密度を算出し、さらに断面積で除して元の消化液中のメタン生成菌密度を算出する工程を、さらに備えるため、メタン生成菌密度‐蛍光量の検量線を用いて、単位面積当たりの蛍光量の総量から、メタン生成菌密度を容易に求めることができる。これにより、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムにメタン発酵中のメタン生成菌数を測定することができる。
以上のように、本発明のメタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法によれば、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵中のメタン生成菌数を測定することができる、といった優れた効果を奏し得る。
本発明の一実施形態に係るメタン発酵システムの全体構成を示す図である。 同実施形態に係るメタン発酵システムの検出部の構成を示す拡大図である。 同実施形態に係るメタン発酵システムの検出部の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るメタン発酵システムの概略について、添付図面を参照して説明する。
本実施形態に係るメタン発酵システムは、例えば、メタンガス等のバイオガスを発生させるためのメタン発酵装置を備えた、一般的なメタン発酵施設等に設置されるためのものである。
図1に示すように、本実施形態に係るメタン発酵システム100は、メタン生成菌を用いてバイオマスを発酵し、メタンガスを生成するメタン発酵槽10と、メタン発酵槽10に接続され、メタン発酵槽10内の消化液の一部を引き抜いてから、さらにメタン発酵槽10に戻す循環導管11と、非接触で循環導管11を通るメタン生成菌の量を検出する検出部12と、を備える。
本実施形態に係るメタン発酵槽10として、メタン発酵施設、有機性廃棄物等の処理施設等に設置される一般的なメタン発酵槽が、使用可能である。本実施形態において、メタン発酵槽10は、底面10aと、底面10aから立ち上がる側壁部10bと、を備える。
なお、メタン発酵槽10には、有機性廃棄物等のバイオマス、発酵菌としてのメタン生成菌、消化液、栄養等が供給されている。バイオマスの種類、発酵菌、栄養及び消化液の種類等は、必要に応じて、適宜変更可能である。
メタン発酵に必要なメタン生成菌の個数として、例えば、メタン発酵槽10中に、1×10個程度存在していればよい。後述するメタン生成菌のモニタリング方法によるモニタリングの結果、毎日のメタン発酵槽10中へのメタン生成菌の投入量を調整するようにする。例えば、メタン発酵が40日間で行われる場合、メタン生成菌を、毎日1/40量ずつ投入すればよい。投入材料の量や配合は、栄養で調整することが可能である。
本実施形態において、循環導管11は、ガラス管、もしくは、側面の一部が、ガラス製であることが好ましい。なお、本実施形態において、循環導管11として、励起波長420nmの光と蛍光波長472nmの光とが透過可能な、石英ガラスが望ましいが、ガラスの材質は、特に限定されるものではない。また、循環導管11は、ガラスに限定されるものではなく、例えば、風化することなく、硬くて透明な材質であればよい。
本実施形態において、循環導管11は、メタン発酵槽10の側壁部10bの外側に接続されている。より具体的には、循環導管11は、メタン発酵槽10の側壁部10bの外側から水平方向に延びる第一の導管11aと、第一の導管11aに接続され、第一の導管11aから上方向に向けて(垂直方向に)延びる第二の導管11bと、第二の導管11bに接続され、第二の導管11bからメタン発酵槽10の側壁部に向けて延びる第三の導管11cと、を備える。
図2に示すように、本実施形態において、検出部12は、循環導管11に設けられ、循環導管11の内部の消化液を透視する透明窓部13と、該透明窓部13に光を照射する光源14と、透明窓部13から反射する光を検出(撮影)する撮影部15と、該撮影部15で撮影したデータを画像化する画像処理演算部16と、を備える。
本実施形態において、透明窓部13は、略矩形状を呈し、第二の導管11bの外周面に形成されている。
光源14は、透明窓部13に対向する領域を通るメタン生成菌に、420nmの光を照射し、メタン生成菌に特有の蛍光物質F420を青白く光らせる。光源14としては、一般的に用いられるものが使用可能である。
撮影部15は、透明窓部13から反射する470nmの反射光の蛍光強度を検出(撮影)する。本実施形態において、撮影部15として、CCDカメラが使用されているが、これに限定されるものではなく、透明窓部13から反射する470nmの反射光の蛍光強度を検出(撮影)可能なものであればよい。
撮影部15によって検出、撮影された蛍光強度のデータは、画像処理演算部16に送られる。画像処理演算部16は、撮影部15で撮影したデータを画像化し、撮影部15に接続された画像表示部としてのモニター(図示せず)によって表示するとともに、単位面積当たりの蛍光量の総量を算出する。
図1に示すように、本実施形態において、メタン発酵システム100は、循環導管11の途中に設けられた循環用ポンプ17を、さらに備える。
循環用ポンプ17としては、特に限定されるものではなく、一般的な導管や配管等の循環用に用いられるものが使用可能である。本実施形態において、循環用ポンプ17は、第一の導管11aの途中に設けられている。
図3に示すように、本実施形態において、循環導管11は、透明窓部13に対向する領域に、消化液の液体分Lのみを導入するじゃま板18をさらに備える。
じゃま板18は、その一部又は全体が、メッシュ状に形成され、消化液の固形分Sと液体分Lとを分離させて、透明窓部13に対向する領域に、液体分Lのみを導入するように構成されている。
本実施形態において、じゃま板18は、透明窓部13と同様の材質で形成されている。本実施形態において、じゃま板18は、透明窓部13と同様の材質で形成されているが、これに限定されるものではない。なお、じゃま板18は、スリット形状を有してもよい。
図3に示すように、じゃま板18は、断面視において、略三角形状に形成されている。本実施形態において、じゃま板18は、断面視において、略三角形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、任意の形状が可能である。
以上のように、本実施形態に係るメタン発酵システム100によれば、検出部12において、メタン生成菌に直接接触することなく、非接触で循環導管11を通るメタン生成菌の量を検出することができる。
また、大がかりな設備等を別途必要とせず、前処理、及び前処理等で使用する試薬が不要である。これにより、メタン発酵槽10内において、消化液の性状の変化を伴う処理を行う必要がないため、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を循環させることができる。その結果、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵中のメタン生成菌数を測定することができる。
また、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を循環させるため、排出する必要がなく、消化液の一部を循環させてメタン発酵槽10に戻し、メタン発酵に再利用することができる。その結果、消化液が循環導管11内を絶えず流れているため、循環導管11内に、例えば、消化液中の固形分S等による汚れが付着することがない。
さらに、メタン生成菌の測定において、例えば、メタン発酵槽10中のメタン生成菌の生育状況を確認するための指標として、pH値の測定を行う場合がある。そのような場合、循環導管11を、pH値測定用の循環経路と併用することができる。
また、検出部12において、光源14から循環導管11の透明窓部13に、420nmの光が照射され、透明窓部13から反射する472nmの光は、撮影部15によって検出(撮影)され、撮影部15で撮影したデータは、画像処理演算部16によって画像化される。
したがって、検出部12として、光源14、透明窓部13、撮影部15及び画像処理演算部16といった簡単な構成で、メタン生成菌に直接接触することなく、非接触で循環導管11を通るメタン生成菌の量を検出することができる。これにより、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムに、メタン発酵槽10中のメタン生成菌の菌数を測定することができる。
また、循環用ポンプ17によって、メタン発酵槽10から循環導管11に、消化液をより効率的に送り出して、循環導管11内に消化液を常に流し続けることで、消化液を効率的に循環させることができる。
また、じゃま板18によって、循環導管11を通って透明窓部13に対向する領域に、消化液の液体分Lのみを効率的に導入することができる。
また、じゃま板18を備えることで、透明窓部13付近の消化液の流路(断面積)を狭くし、検出対称となる消化液(メタン生成菌)の量を低減させることができる。
本実施形態に係るメタン発酵システム100の構成についての説明は以上の通りであり、次に、本実施形態に係るメタン発酵システム100を用いて、メタン発酵装置(図示せず)における、メタン発酵槽10中のメタン生成菌をモニタリングする作業について説明する。
本実施形態に係るメタン発酵槽10中のメタン生成菌のモニタリング方法は、メタン発酵槽10中の消化液を取り出して、メタン発酵槽10中に戻す循環路を形成する工程と、循環路の表面に、所定の波長範囲の励起光を照射する工程と、メタン生成菌に特有の補酵素F420の蛍光量を検出する工程と、単位面積当たりの蛍光量の総量を算出する工程と、を備える。
より具体的には、メタン発酵槽10中のメタン生成菌のモニタリング方法は、メタン発酵槽10中の消化液を取り出して、メタン発酵槽10中に戻す循環路としての循環導管11を形成する工程と、循環路(循環導管11)の表面に、光源14から420nmの励起波長の励起光を照射する工程と、撮影部15によりメタン生成菌に特有の補酵素F420の472nmの蛍光量を検出する工程と、画像処理演算部16により撮影部15で撮影したデータを画像化し、単位面積当たりの蛍光量の総量を算出する工程と、を備える。
本実施形態において、メタン発酵槽10中のメタン生成菌のモニタリング方法は、予め作成したメタン生成菌密度‐蛍光量の検量線から、循環路(循環導管11)に流れてきた消化液中の表面メタン生成菌密度を算出し、さらに断面積で除して元の消化液中のメタン生成菌密度を算出する工程を、さらに備える。
本実施形態に係るメタン生成菌のモニタリング方法を用いて、メタン発酵槽10中のメタン生成菌の菌数を測定する場合、まず、図1に示すように、メタン発酵槽10内の消化液の一部を、循環用ポンプ17によって、第一の導管11aに送り出し、第二の導管11b、第三の導管11cへと、消化液の一部を順に送り出すことで、循環路(循環導管11)を形成する。なお、図1において、循環路(循環導管11)内の消化液の流れを、矢印で示している。
なお、この時点で、すぐに次の工程に進むようにしてもよいが、例えば、所定の時間間隔をあけて、消化液中の固形分Sが、第二の導管11bの下側(底部)にある程度溜まるのを待ってから、次の工程に進むようにしてもよい。
メタン発酵槽10内の消化液の一部を、循環用ポンプ17によって、第一の導管11aに送り出した当初、消化液中の固形分Sの濃度は、約10%程度になっている。消化液の一部が、第二の導管11b、第三の導管11cへと、順に送り出されることで、循環路(循環導管11)を形成するようになると、消化液中の固形分Sの濃度は、約8%程度になっている。
そして、図2に示すように、光源14から透明窓部13に向けて、420nmの光を照射する。次に、透明窓部13から反射する470nmの反射光の蛍光強度から、メタン生成菌に特有の補酵素F420の蛍光量を、撮影部15によって、検出(撮影)する。
そして、図1及び図2に示すように、撮影部15によって撮影されたデータを、画像処理演算部16に送る。次に、画像処理演算部16は、撮影部15で撮影したデータを画像化し、撮影部15に接続された画像表示部としてのモニター(図示せず)によって表示するとともに、予め作成したメタン生成菌密度‐蛍光量の検量線から、循環路(循環導管11)に流れてきた消化液中の表面メタン生成菌密度を算出し、さらに断面積で除して元の消化液中のメタン生成菌密度を算出することで、単位面積当たりの蛍光量の総量を算出する。
そして、算出されたメタン生成菌密度に基づいて、メタン発酵に必要なメタン生成菌の個数を、メタン発酵槽10中へ随時投入する。
以上のように、本実施形態に係るメタン生成菌のモニタリング方法によれば、面全体の発光度合で菌の量(全体の光強度)を推定するため、メタン生成菌を1個ずつ分離する必要がなく、また、メタン生成菌に直接接触することなく、非接触で循環導管を通るメタン生成菌の量を検出することができる。
また、大がかりな設備等が不要であり、前処理及び前処理等で使用する試薬が不要である。これにより、メタン発酵槽10内において、消化液の性状の変化を伴う処理を行う必要がないため、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を排出する必要がない。そのため、メタン生成菌の量を検出するために使用された消化液を循環させることができ、消化液の一部を循環させてメタン発酵槽に戻し、メタン発酵に再利用することができる。
その結果、消化液が循環導管11内を絶えず流れているため、循環導管11内に、例えば、消化液中の固形分S等による汚れが付着することがない。これにより、メタン発酵施設において、オンサイトでリアルタイムにメタン発酵中のメタン生成菌数を測定することができる。
上述のように、メタン発酵に必要なメタン生成菌の個数として、例えば、メタン発酵槽10中に、1×10個程度存在していればよい。メタン生成菌のモニタリング方法によるモニタリングの結果、毎日のメタン発酵槽10中へのメタン生成菌の投入量を調整するようにする。例えば、メタン発酵が40日間で行われる場合、メタン生成菌を、毎日1/40量ずつ投入すればよい。投入材料の量や配合は、栄養で調整することが可能である。
尚、本発明のメタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
上記実施形態において、循環導管11は、メタン発酵槽10の側壁部の外側から水平方向に延びる第一の導管11aと、第一の導管11aに接続され、第一の導管11aから上方向に向けて(垂直方向に)延びる第二の導管11bと、第二の導管11bに接続され、第二の導管11bからメタン発酵槽10の側壁部に向けて延びる第三の導管11cと、を備えるが、これに限定されるものではない。例えば、循環導管11は、チューブや配管等で構成され、メタン発酵槽10中に直接差し込まれるような構成であってもよい。要は、循環導管11は、メタン発酵槽10中の消化液を取り出して、メタン発酵槽10中に戻す循環路を形成するような構成であればよい。
上記実施形態において、非接触で循環導管11を通るメタン生成菌の量を検出する検出部12として、循環導管11に設けられ、循環導管11の内部の消化液を透視する透明窓部13と、該透明窓部13に光を照射する光源14と、透明窓部13から反射する光を検出(撮影)する撮影部15と、該撮影部15で撮影したデータを画像化する画像処理演算部16と、を備えるが、これに限定されるものではない。要は、検出部12は、非接触で循環導管を通るメタン生成菌の量を検出できるような構成であればよい。
本実施形態において、透明窓部13は、略矩形状を呈し、第二の導管11bの外周面に形成されているが、これに限定されるものではない。要は、透明窓部13は、循環導管11に設けられ、循環導管11の内部の消化液を透視することができるような構成であればよい。
上記実施形態において、循環用ポンプ17は、第一の導管11aの途中に設けられているが、これに限定されるものではない。要は、循環用ポンプ17は、循環導管11に設けられ、メタン発酵槽10から循環導管11に、消化液をより効率的に送り出して、循環導管11内に消化液を常に流し続けることで、消化液を効率的に循環させることができるような構成であればよい。
上記実施形態において、メタン発酵槽10中の消化液に、固形分Sが多く存在している場合、循環導管11内に、目の粗いフィルタを設けて、固形分Sと液体分Lとの流路を分け、液体分L中に拡散しているメタン生成菌のみを、測定対象とするようにしてもよい。
上記実施形態において、メタン生成菌のモニタリング方法は、循環導管11内の消化液を、所定時間に一度、逆循環させる工程を、さらに備えるようにしてもよい。そうすることで、循環導管11内に、例えば、バイオマスやメタン生成菌等の固形分Sが詰まったり、消化液等の液体分Lが、循環導管11の内壁に付着したりすることを防ぐことができる。
また、検出部12に対向する領域にじゃま板18を設ける場合、じゃま板18のメッシュ形状に、バイオマスやメタン生成菌等の固形分Sが目詰まりする等の不具合を改善することができる。
上記実施形態において、検出部12に、フローサイトメータ等の測定器を組み合わせるようにしてもよい。
本発明のメタン発酵システム及びメタン生成菌のモニタリング方法は、メタンガス等のバイオガスを発生させるためのメタン発酵装置を備えた、一般的なメタン発酵施設等に有効に適用される。
10 メタン発酵槽、10a 底面、10b 側壁部、11 循環導管、11a 第一の導管、11b 第二の導管、11c 第三の導管、12 検出部、13 透明窓部、14 光源、15 撮影部、16 画像処理演算部、17 循環用ポンプ、18 じゃま板、100 メタン発酵システム、S 固形分、L 液体分。

Claims (5)

  1. メタン生成菌を用いてバイオマスを発酵し、メタンガスを生成するメタン発酵槽と、
    前記メタン発酵槽に接続され、前記メタン発酵槽内の消化液の一部を引き抜いてから、さらに前記メタン発酵槽に戻す循環導管と、
    前記循環導管の途中位置に設けられ、前記循環導管内を通過する消化液を透視する透明窓部と、
    前記透明窓部に面する位置に設けられ、前記消化液を固形分と液体分とに分離して、前記透明窓部に面する領域に液体分を導入し、その他の領域に固形分を通過させるじゃま板と、
    前記透明窓部に面する領域を通過する液体分に励起光を照射する光源と、
    前記励起光によりメタン生成菌の補酵素F420から発せられる蛍光を、前記透明窓部を介して検出する撮影部と、
    前記撮影部で撮影したデータを画像化する画像処理演算部とを備える、メタン発酵システム。
  2. 前記循環導管の途中に設けられた循環用ポンプをさらに備える、請求項1に記載のメタン発酵システム。
  3. 前記じゃま板は、その一部又は全体がメッシュ状に形成されている、請求項1又は2に記載のメタン発酵システム。
  4. メタン発酵槽中のメタン生成菌のモニタリング方法であって、
    前記メタン発酵槽中の消化液を取り出して、前記メタン発酵槽中に戻す循環路を形成する工程と、
    前記循環路内の途中位置には透明窓部が設けられており、前記透明窓部に面する領域に液体分を導入し、その他の領域に固形分を通過させるようにじゃま板を設けることで、消化液を固形分と液体分とに分離する工程と、
    前記透明窓部において、前記分離した液体分に向けて所定の波長範囲の励起光を照射する工程と、
    前記メタン生成菌に特有の補酵素F420の蛍光量を、前記透明窓部を介して撮影部によって検出する工程と、
    前記撮影部によって撮影されたデータを画像化する画像処理演算部において、単位面積当たりの前記蛍光量の総量を算出する工程とを備える、メタン生成菌のモニタリング方法。
  5. 予め作成したメタン生成菌密度‐蛍光量の検量線から、前記循環路に流れてきた前記消化液中の表面メタン生成菌密度を算出し、さらに断面積で除して元の消化液中のメタン生成菌密度を算出する工程をさらに備える、請求項4に記載のメタン生成菌のモニタリング方法。
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