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JP6944818B2 - コンクリート体の構築方法 - Google Patents
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Description

本発明は、既存コンクリート体の上方に僅かな隙間を空けて新たにコンクリート体を構築するコンクリート体の構築方法に関する。
従来より、砂を用いて、鉄筋コンクリート体の底型枠材を支持する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、建物の逆打ち工法において、柱を構築する方法が示されている。まず、根切り底面上に砂型枠を設置し、この砂型枠の中に砂を充填する。次に、充填砂の面上に捨コンクリートを打設し、この捨てコンクリート上にコンクリートパネルを敷設し、捨コンクリートおよびコンクリートパネルの上面にプラスチックシートを敷き、柱主筋を配筋する。次に、捨コンクリート上に柱の側型枠材を建て込み、コンクリートを打設する。次に、コンクリートの硬化後に砂型枠および柱の側型枠材を解体し、充填砂を崩壊させて捨コンクリートおよびコンクリートパネルを解体する。
特許文献2では、逆打工法において、スラブを構築する方法が示されている。まず、構築階の梁よりも下方まで掘削し、掘削部底面に敷き砂を平滑に敷き均し、敷き砂上に均一に下地板を敷設して下地板上に、型枠ユニットにより梁型枠およびスラブ型枠を組み立てる。次に、各型枠内に配筋してコンクリートを打設し、打設コンクリートが所定の強度を発現したのち、次の下層を掘削することで敷砂を崩壊させるとともに、型枠を解体する。
しかしながら、既存コンクリート体の上に僅かな隙間を空けてコンクリート体を構築する場合、特許文献1、2の方法では、構築対象となるコンクリート体を形成するための底型枠材の支持および解体が困難であった。
特開平1−71942号公報 特開平5−79049号公報
本発明は、既存コンクリート体の上方に僅かな隙間を空けてコンクリート体を構築する場合に、この構築対象となるコンクリート体の底型枠材を容易に支持でき、かつ、この底型枠材を容易に解体できる、コンクリート体の構築方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、床スラブ上方に僅かな隙間を空けて梁などのコンクリート体を構築する方法として、コンクリート体を形成するための底型枠材を大掛かりな支保工で支持せずに、床スラブの上面に砂層を形成し、その砂層上に平板状の発泡体、底型枠材の順で重ねて設置することで、所定高さを容易に確保できかつ簡単に解体撤去もできる点に着眼して、本発明に至った。本発明の特徴は、砂層で床スラブの局所的な凹凸を吸収して上面を平坦にするとともに、その砂層上に軽量で一定の弾性および剛性を有する平板状の発泡体を設置して、砂層および発泡体で底型枠材を支える点である。発泡体の撓みに対しては、砂層を形成する粒状体の一部が流動することにより、底型枠材をほぼ平坦な状態に維持できる。
第1の発明のコンクリート体の構築方法は、既存コンクリート体(例えば、後述の免震層の床スラブ20)の上方に所定の隙間を空けて新たなコンクリート体(例えば、後述の大梁30)を構築するコンクリート体の構築方法であって、前記既存コンクリート体の上面に砂を敷き込んで砂層(例えば、後述の砂層40)を形成する工程(例えば、後述のステップS1、S2)と、当該砂層の上に、構築対象となる新たなコンクリート体の底型枠材(例えば、後述の底型枠材33)を設置する工程(例えば、後述のステップS3)と、当該底型枠材の上にコンクリートを打設する工程(例えば、後述のステップS4)と、前記砂層を構成する砂を圧縮空気で吹き飛ばして、前記既存コンクリート体と前記底型枠材との間に隙間を形成する工程(例えば、後述のステップS6)と、前記底型枠材を解体する工程(例えば、後述のステップS7、S8)と、を含むことを特徴とする。
ここで、所定の隙間とは、既存コンクリート体の上方20cm以下である。すなわち、本発明では、既存コンクリート体の上方20cm以下の空間に下端面が位置するように、新たなコンクリート体を構築するものである。既存コンクリート体の上方20cmを超える高さ位置に下端面が位置するように新たなコンクリート体を構築する場合は、本発明の底型枠材の設置方法を採用しなくても、底型枠材の下に端太角等の型枠支持材を配置し、その型枠支持材を支保工で支持すればよいからである。
この発明によれば、既存コンクリート体の上面に砂層を形成し、その砂層上に底型枠材を配置した。このように底型枠材の支保工として砂層を用いることで、既存コンクリート体と構築対象となる新たなコンクリート体との間の隙間が狭くても、支保工の高さをかなり低くできるので、新たなコンクリート体の底型枠材を容易に支持できる。
また、コンクリート打設後に、コンプレッサなどによる圧縮空気により砂層の砂を吹き飛ばすことで、既存コンクリート体と底型枠材との間に隙間を形成して、底型枠材を含む型枠全体を容易に取り外すことができる。
また、掃除機などにより、吹き飛ばした砂を吸引することで、散乱した砂を容易に撤去できる。
第2の発明のコンクリート体の構築方法は、前記砂層を形成する工程では、当該砂層の上面に発泡体(例えば、後述の発泡体42)を設けるとともに、当該発泡体と前記底型枠材との間にフィルム(例えば、後述の樹脂フィルム43)を敷設することを特徴とする。
この発明によれば、砂層の上面に発泡体を設けることで、底型枠材を所定の弾性および剛性を有する発泡体で支持できるので、砂層の厚みをそれほど大きくしなくても、支保工を任意の高さに容易に設定できる。
また、砂層と底型枠材との間にフィルムを敷設したので、打設したコンクリート中の水分が砂層に浸透して砂層が硬化するのを防止できる。
第3の発明のコンクリート体の構築方法は、前記砂層を形成する工程では、前記既存コンクリート体の上面に前記砂層の側面を覆う堰材(例えば、後述の堰材41)を設置することを特徴とする。
この発明によれば、既存コンクリート体の上面に、砂層の側面を覆う堰材を設置したので、砂層の端部が崩壊するのを防止でき、砂層を所定の高さに維持できる。
本発明によれば、既存コンクリート体の上に僅かな隙間を空けてコンクリート体を構築する場合に、この構築対象となるコンクリート体の底型枠材を容易に支持できるとともに、底型枠材を含む型枠全体を容易に解体できる。
本発明の一実施形態に係るコンクリート体の構築方法により構築された免震建物の構造体の縦断面図である。 図1中破線Aで囲まれた部分の縦断面図および平面図である。 免震建物の大梁の構築方法のフローチャートである。 大梁の構築方法の説明図(その1、図2の破線Bで囲んだ部分)である。 大梁の構築方法の説明図(その2、図2のC−C断面図)である。
本発明は、床スラブ上に僅かな隙間を空けて設けられるコンクリート体(鉄筋コンクリート梁、鉄筋コンクリートブラケットなど)の構築方法として、床スラブの上面に砂を敷き均して砂層を形成し、その砂層上に底型枠材を設置し、その底型枠材を含む型枠材の内部にコンクリートを打設する。ここでいう、僅かな隙間とは、既存コンクリート体の上方20cm以下であり、本発明は、既存コンクリート体の上方20cm以下の空間に下端面が位置するように、新たなコンクリート体を構築する場合を対象とする。既存コンクリート体の上方20cmを超える高さ位置にコンクリート体を構築する場合は、本発明の底型枠材の設置方法を採用しなくても、型枠材の下に端太角等の型枠支持材を配置し、その型枠支持材を支保工で支持できるからである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンクリート体の構築方法により構築された免震建物1の構造体の縦断面図である。
免震建物1は、5階建てであり、1階と2階との間に免震層2が設けられている。
免震層2の床面には、免震装置10が設けられている。免震建物1の免震装置10よりも下側の部分を下部構造体3とし、免震装置10よりも上側の部分を上部構造体4とすると、免震建物1は、免震装置10が設けられた下部構造体3と、この免震装置10に水平移動可能に支持された上部構造体4と、を備える。
上部構造体4は、免震装置10により水平移動可能に支持される。これにより、上部構造体4が免震化されている。
免震建物1では、1階床レベル以下の基礎部分が鉄筋コンクリート造、1階立上がりから免震層2の床レベルまでの部分が鉄骨鉄筋コンクリート造、上部構造体4の最下端である2階床レベルの部分が鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造、2階立上がり以上の部分が鉄骨造、となっている。
図2(a)は、図1中破線Aで囲まれた部分の縦断面図であり、図2(b)は、図1中破線Aで囲まれた部分の平面図である。
この免震建物1の図1中破線Aで囲まれた部分には、下部構造体3を構成する既存コンクリート体としての免震層2の床スラブ20と、この床スラブ20の直上に位置して上部構造体4を構成する2階床レベルの大梁30と、が設けられている。
大梁30は、ポストテンション方式でプレストレスが導入された鉄筋コンクリート造の梁である。この大梁30は、3スパン分の長さであり、大梁30の両端側には、鋼製柱31が埋設されて、免震装置10により支持されている。また、この大梁30には、図示しないシース管に挿入されたPC鋼材32が埋設されており、大梁30のコンクリート打設後に、PC鋼材32に緊張力(プレストレス)が導入されている。
大梁30は、中央部で梁せいが大きくなっており、これにより、大梁30の下面と免震層2の床スラブ20との隙間が狭くなっている。具体的には、床スラブ20の上方90mmの高さ位置に下端面が位置するように、大梁30を構築する。よって、施工時には、既存コンクリート体である免震層2の床スラブ20の上に僅かな隙間をあけて、新たに大梁30を構築する。
この大梁30の構築方法について、図4および図5を参照しながら、図3のフローチャートに従って説明する。
ステップS1では、免震層2の床スラブ20の上面に砂を敷き込んで砂層40を形成するとともに、免震層2の床スラブ20の上面に砂層40の側面を覆う木製の堰材41を設置する。
ステップS2では、砂層40の上面に平板状の発泡体42を載置し、この発泡体42の上に樹脂フィルム43を敷設する。
ステップS3では、樹脂フィルム43の上に、構築対象となる大梁30の底面を覆う底型枠材33を建て込む。これにより、樹脂フィルム43が発泡体42と底型枠材33との間に介装されることになる。
実施例においては、砂層を高さ53mmで形成して、その砂層上に厚さ25mmの発泡断熱材(ダウ化工株式会社製のスタイロフォーム(登録商標))を設置し、その発泡断熱材の上面を厚さ0.15mmのポリエチレンシートで覆った。砂層には粒状径が0.06mm〜2mm程度の市場流通品の砂を用いた。また、堰材には断面寸法が90mm×90mmの杉角材を使用し、底型枠材には厚さ12mmのベニア合板を使用した。
ステップS4では、底型枠材33の上に図示しない梁鉄筋を配筋する。次に、この底型枠材33の両端に大梁30の側面を覆う側型枠材34を建て込んで、その後、底型枠材33および側型枠材34で囲まれた空間にコンクリートを打設する。
ステップS5では、コンクリート硬化後に、側型枠材34を解体する。
ステップS6では、砂層40を構成する砂をコンプレッサの圧縮空気で吹き飛ばして、免震層2の床スラブ20と底型枠材33との間に隙間を形成する。
ステップS7では、吹き飛ばした砂を掃除機(バキューム)で吸引して回収する。
ステップS8では、底型枠材33、発泡体42、および樹脂フィルム43を解体して撤去する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)免震層2の床スラブ20の上に砂層40を形成し、その砂層40上に底型枠材33を配置した。このように底型枠材33の支保工に砂層40を用いることで、既存コンクリート体である免震層の床スラブ20と構築対象となる大梁30との間の隙間が狭い場合でも、支保工の高さをかなり低くできるので、大梁30の底型枠材33を容易に支持できる。
本発明は、既存コンクリート体である床スラブ20の上方に僅かな隙間を空けて新たなコンクリート体である大梁30を構築する方法であり、大梁30の底型枠材33を撤去するため、床スラブ20の上面に敷設した砂層40を撤去する必要があった。そこで、コンクリート打設後に、コンプレッサの圧縮空気により砂層の砂を吹き飛ばすことで、免震層2の床スラブ20と大梁30との間に隙間を形成したので、容易に底型枠材33を取り外すことができる。
また、掃除機より吹き飛ばした砂を吸引することで、散乱した砂を容易に回収して撤去できる。
(2)砂層40の上面に発泡体42を設けることで、砂層40の厚みをそれほど大きくしなくても、支保工を任意の高さに容易に設定できる。
また、発泡体42と底型枠材33との間に樹脂フィルム43を敷設したので、打設したコンクリート中の水分が発泡体42の下の砂層40に浸透して砂層40が硬化するのを防止できる。また、コンクリートの水分の発泡体42内部への浸透を防止することで、発泡体42の構造特性の低下を防止できる。
また、軽量で一定の弾性剛性を有する平板状の発泡体42と、その発泡体42の下の床スラブ20上面の凹凸を吸収する砂層と、を組み合わせて、新たなコンクリートを構築するための底型枠材33の支保工とすることで、この底型枠材33を所定の高さ位置で容易に支持することができる。
(3)免震層2の床スラブ20の上面に、砂層40の側面を覆う堰材41を設置したので、砂層40の端部が崩壊するのを防止できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、本発明を鉄筋コンクリート造の大梁30に適用したが、これに限らず、鉄筋コンクリート造のスラブや、鉄骨鉄筋コンクリート造の梁にも適用できる。
また、本実施形態では、本発明を免震層の大梁30の構築に適用したが、これに限らず、免震層の上下の床スラブ間で減衰装置を固定するための鉄筋コンクリート造のブラケットの構築に適用してもよい。
また、本実施形態では、本発明を免震層に適用したが、これに限らず、免震層以外の階に適用してもよい。
また、本実施形態では、発泡体42と底型枠材33との間に樹脂フィルム43を敷設したが、例えば打設するコンクリート量が少ない場合には、樹脂フィルムを設けなくてもよい。
1…免震建物 2…免震層 3…下部構造体 4…上部構造体
10…免震装置 20…免震層の床スラブ(既存のコンクリート体)
30…大梁(新たなコンクリート体) 31…鋼製柱 32…PC鋼材
33…底型枠材 34…側型枠材
40…砂層 41…堰材 42…発泡体 43…樹脂フィルム

Claims (2)

  1. 既存コンクリート体の上方に所定の隙間を空けて新たなコンクリート体を構築するコンクリート体の構築方法であって、
    前記既存コンクリート体の上面に砂を敷き込んで砂層を形成し、当該砂層の上面に発泡体を設けて、当該発泡体の上にフィルムを敷設する工程と、
    当該フィルムの上に、構築対象となる新たなコンクリート体の底型枠材を設置する工程と、
    当該底型枠材の上にコンクリートを打設する工程と、
    前記砂層を構成する砂を圧縮空気で吹き飛ばして、前記既存コンクリート体と前記底型枠材との間に隙間を形成する工程と、
    前記底型枠材を解体する工程と、を含むことを特徴とするコンクリート体の構築方法。
  2. 前記砂層を形成する工程では、前記既存コンクリート体の上面に前記砂層の側面を覆う堰材を設置することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート体の構築方法。
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