定義
本明細書において使用する場合、「パラフィン包埋試料」(またはパラフィン包埋「細胞」、「細胞ペレット」、「スライド」、または「組織」)は、固定され、パラフィン中に包埋され、切片化され、脱パラフィン化され、かつスライドに移されている、生物またはin vitroでの細胞培養物から採取した細胞または組織を指す。固定およびパラフィン包埋は、例えば、使用する固定および包埋方法に関して、従うプロトコルなどに関して、多くの態様において変動し得る一般的な方法であり、本発明の目的のために、組織の固定(例えば、ホルマリン処理による)、パラフィンまたは均等な材料中の包埋、切片化、およびスライドへ移すことが関与する限り、任意のこのような異なる方法が包含されることを認識されたい。
用語「生体試料」または「試料」は、本明細書において使用する場合、これらに限定されないが、体液(例えば、血清、リンパ、血液)、細胞試料、または組織試料(例えば、腸、腸粘膜固有層、または肺からの粘膜組織を含む骨髄または組織生検)が含まれる。
本明細書で使用される「1つの(a)」または「1つの(an)」は1つ以上を意味し得る。請求項において「含む(comprising)」という語と共に使用される場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語は1つまたは2つ以上を意味し得る。
「含む(comprising)」が使用される場合、これは、任意選択で「本質的に〜からなる(essentially consisting of)」で置き換えることができ、さらに任意選択で「〜からなる(consisting of)」に置き換えることができる。
本明細書で使用される「抗原結合ドメイン」という語は、エピトープに免疫特異的に結合することができる3次元構造を含むドメインを指す。したがって、一実施形態では、前記ドメインは、超可変領域、任意選択で抗体鎖のVHおよび/またはVLドメイン、任意選択で1つ、2つ、または3つ全てのVHドメインを含み得る。別の実施形態では、結合ドメインは、抗体鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含み得る。別の実施形態では、結合ドメインは、非免疫グロブリン足場からのポリペプチドドメインを含み得る。
本明細書の「抗体」という語は、広い意味で使用され、特に完全長モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、ならびに抗体断片および誘導体(但し、所望の生物学的活性を示すものに限られる)を含む。抗体の作製に適切な様々な技術が、例えば、Harlow,et al.,ANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1988)に示されている。「抗体断片」は、完全長抗体、例えば、その抗原結合領域または可変領域の一部を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab)2、F(ab’)2、F(ab)3、Fv(典型的には、抗体の単一アームのVLおよびVHドメイン)、一本鎖Fv(scFv)、dsFv、Fd断片(典型的には、VHおよびCH1ドメイン)、およびdAb(典型的には、VHドメイン)断片;VH、VL、VhH、およびV−NARドメイン;ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、およびカッパボディ(例えば、Ill et al.,Protein Eng 1997;10:949−57を参照されたい);ラクダIgG;IgNAR;ならびに抗体断片から形成された多重特異的抗体断片、および1つ以上の単離されたCDRまたは機能的パラトープが挙げられ、単離されたCDRまたは抗原結合残基もしくはポリペプチドは、機能的抗体断片を形成するように1つに結合または連結され得る。様々なタイプの抗体断片が、例えば、Holliger and Hudson,Nat Biotechnol 2005;23,1126−1136;国際公開第2005040219号パンフレット、および米国特許出願公開第20050238646号明細書および同第20020161201号明細書に記載され、再考察されている。
本明細書で使用される「抗体誘導体」という語は、完全長抗体、または例えばその少なくとも抗原結合領域または可変領域を含む抗体の断片を含み、1つ以上のアミノ酸が、例えば、アルキル化、PEG化、アシル化、エステル形成、またはアミド形成などによって化学修飾されている。これは、限定されるものではないが、PEG化抗体、システイン−PEG化抗体、およびこれらの変異体を含む。
「超可変領域」という語は、本明細書で使用される場合、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、一般に、「相補性決定領域」または「CDR」のアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基24−34(L1)、50−56(L2)、および89−97(L3)ならびに重鎖可変ドメインの残基31−35(H1)、50−65(H2)、および95−102(H3);Kabat et al.1991)、および/または「超可変ループ」のアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基26−32(L1)、50−52(L2)、および91−96(L3)および重鎖可変ドメインの残基26−32(H1)、53−55(H2)、および96−101(H3);Chothia and Lesk,J.Mol.Biol 1987;196:901−917)を含む。典型的には、この領域のアミノ酸残基の付番は、前出のKabatらに記載の方法によって行われる。本明細書の「Kabat位置」、「Kabatと同様の可変ドメイン残基の付番」、および「Kabatによる」などの句は、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインについてのこの付番方式を指す。Kabat付番方式を用いると、ペプチドの実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはCDRの短縮またはFRまたはCDRへの挿入に一致するより少ないまたは追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、CDR H2の残基52の後の単一アミノ酸挿入(Kabatによる残基52a)および重鎖FR残基82の後の挿入残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、および82cなど)を含み得る。残基のKabat付番は、抗体の配列の相同領域と「基準」Kabat付番配列とのアラインメントによって所与の抗体について決定することができる。抗体またはその変異体のCDRを指すいずれかの定義の適用は、本明細書において定義および使用したような用語の範囲内であることを意図する。一般に使用される番号付けスキームによって定義したようなCDRを包含する適切なアミノ酸残基を、下記で表1において比較として記載する。特定のCDRを包含する正確な残基数は、CDRの配列およびサイズによって変動する。当業者は、通常、抗体の可変領域アミノ酸配列を与えられて、いずれの残基が特定のCDRを含むかを決定することができる。
本明細書で使用される「フレームワーク」または「FR」残基とは、CDRとして定義される部分を除く抗体可変ドメインの領域のことである。各抗体可変ドメインフレームワークは、CDRによって分離された連続した領域にさらに細分することができる(FR1、FR2、FR3、およびFR4)。
本明細書で定義される「定常領域」とは、軽鎖または重鎖免疫グロブリン定常領域遺伝子の1つによってコードされる抗体由来定常領域のことである。本明細書で使用される「定常軽鎖」または「軽鎖定常領域」とは、κ(Cκ)またはλ(Cλ)軽鎖によってコードされる抗体の領域のことである。定常軽鎖は、典型的には、単一ドメインを含み、かつ本明細書で定義されるように、Cκの108〜214位、またはCλを指し、付番は、EUインデックスによる((Kabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.,United States Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda)。本明細書で使用される「定常重鎖」または「重鎖定常領域」とは、μ、δ、γ、α、またはε遺伝子によってそれぞれコードされてIgM、IgD、IgG、IgA、またはIgEとして抗体のアイソタイプを確定する抗体の領域のことである。完全長IgG抗体では、本明細書で定義される定常重鎖は、CH1ドメインのN末端からCH3ドメインのC末端までを指し、したがって118〜447位を含み、付番は、EUインデックスによる。
本明細書で使用される「Fab」または「Fab領域」とは、VH、CH1、VL、およびCL免疫グロブリンドメインを含むポリペプチドのことである。Fabは、分離されたこの領域、またはポリペプチド、多重特異的ポリペプチド、もしくはABD、または本明細書で概説されたその他の実施形態との関連でのこの領域を指し得る。
本明細書で使用される「一本鎖Fv」または「scFv」とは、抗体のVHおよびVLドメインを含む抗体断片のことであり、これらのドメインは、単一ポリペプチド鎖に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、scFvが、抗原結合のための所望の構造を形成できるようにする、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。scFvを作製する方法は当技術分野で周知である。scFvを作製する方法の再考察については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照されたい。
本明細書で使用される「Fv」、または「Fv断片」、または「Fv領域」とは、単一抗体のVLおよびVHドメインを含むポリペプチドのことである。
本明細書で使用される「Fc」または「Fc領域」とは、第1の定常領域免疫グロブリンドメインを除く、抗体の定常領域を含むポリペプチドのことである。したがって、Fcは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、ならびにIgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、ならびに可撓性ヒンジN末端からこれらのドメインまでを指す。IgAおよびIgMでは、FcはJ鎖を含み得る。IgGでは、Fcは、免疫グロブリンドメインCγ2(CH2)およびCγ3(CH3)、ならびにCγ1とCγ2との間のヒンジを含む。Fc領域の境界は変動し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、残基C226、P230、またはA231からそのカルボキシ末端までを含むように定義され、この付番はEUインデックスによる。Fcは、以下に記載される、分離されたこの領域、またはFcポリペプチドとの関連でのこの領域を指し得る。本明細書で使用される「Fcポリペプチド」または「Fc由来ポリペプチド」とは、Fc領域の全てまたは一部を含むポリペプチドのことである。Fcポリペプチドは、限定されるものではないが、抗体、Fc融合体、およびFc断片を含む。
本明細書で使用される「可変領域」とは、それぞれ軽鎖(κおよびλを含む)免疫グロブリン遺伝子座および重鎖免疫グロブリン遺伝子座を構成するVL(Vκ(VK)およびVλを含む)遺伝子および/またはVH遺伝子のいずれかによって実質的にコードされる1つ以上のIgドメインを含む抗体の領域のことである。軽鎖可変領域または重鎖可変領域(VLまたはVH)は、「相補性決定領域」または「CDR」と呼ばれる3つの超可変領域によって中断された「フレームワーク」または「FR」領域からなる。フレームワーク領域およびCDRとの関連では、例えば、Kabatと同様に(“Sequences of Proteins of Immunological Interest,” E.Kabat et al.,U.S.Department of Health and Human Services,(1983)を参照されたい)、およびChothiaと同様に正確に定義されている。抗体のフレームワーク領域、即ち、構成軽鎖および構成重鎖の組み合わせフレームワーク領域は、CDRを配置して整列させる役割を果たし、CDRは抗原への結合に主に関与する。
「特異的に結合する」という語は、抗体またはポリペプチドを、タンパク質の組換え形態、その中のエピトープ、または単離された標的細胞の表面に存在するナイーブタンパク質のいずれかを用いて評価される、好ましくは競合的結合アッセイでの結合パートナー、例えば、NKp46に結合できることを意味する。競合的結合アッセイおよび特異的結合を決定する他の方法は、以下にさらに記載され、当技術分野で周知である。
抗体またはポリペプチドが、特定のモノクローナル抗体と「競合する」と言われる場合、この「競合する」は、抗体またはポリペプチドが、適切な標的分子または表面発現標的分子、例えば、パラフィン包埋細胞ペレット中の細胞によって発現されているNKp46を用いた結合アッセイでモノクローナル抗体と競合することを意味する。例えば、試験抗体が、結合アッセイにおいて8E5BのNKp46ポリペプチドまたはNKp46発現細胞に対する結合性を低下させる場合、抗体は、それぞれ8E5Bと「競合する」と言われる。
本明細書で使用される「親和性」という語は、抗体またはポリペプチドのエピトープへの結合の強さを指す。抗体の親和性は、[Ab]×[Ag]/[Ab−Ag]として定義される解離定数KDによって示され、[Ab−Ag]は抗体−抗原複合体のモル濃度であり、[Ab]は非結合抗体のモル濃度であり、および[Ag]は非結合抗原のモル濃度である。親和定数KAは1/KDによって定義される。mAbの親和性の決定に好ましい方法は、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられるHarlow,et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988),Coligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience,N.Y.,(1992,1993)、およびMuller,Meth.Enzymol.92:589−601(1983)に記載されている。mAbの親和性を決定するための当技術分野で周知の1つの好ましい標準的な方法では、(例えば、BIAcore(商標)SPR分析装置での分析により)表面プラズモン共鳴(SPR)スクリーニングを使用する。
本発明との関連では、「決定基」は、ポリペプチド上の相互作用または結合の部位を指定する。
「エピトープ」という語は、抗原決定基を指し、抗体またはポリペプチドが結合する抗原の範囲または領域である。タンパク質エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基、ならびに特定の抗原結合抗体またはペプチドによって効果的にブロックされるアミノ酸残基、即ち、抗体の「フットプリント」内のアミノ酸残基を含み得る。タンパク質エピトープは、例えば、抗体または受容体と結合することができる複合抗原分子上の最も単純な形態または最も小さい領域である。エピトープは、線形または高次構造/構造であり得る。「線形エピトープ」という語は、アミノ酸の線形配列(一次構造)上の連続したアミノ酸残基から構成されるエピトープとして定義される。「高次構造または構造エピトープ」という語は、全てが連続しているわけではないアミノ酸残基から構成され、したがって分子の折り畳み(二次、三次、および/または四次構造)によって互いに近接するアミノ酸の線形配列の分離した部分を表すエピトープとして定義される。高次構造エピトープは3次元構造によって決まる。したがって、「高次構造の」という語は、「構造の」という語と頻繁に同義的に使用される。
本明細書の「アミノ酸改変」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失のことである。本明細書のアミノ酸改変の一例は置換である。本明細書の「アミノ酸改変」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失のことである。本明細書の「アミノ酸置換」または「置換」とは、タンパク質配列の所与の位置のアミノ酸の別のアミノ酸での置換のことである。例えば、置換Y50Wは、親ペプチドの変異体を指し、50位のチロシンがトリプトファンで置換されている。ポリペプチドの「変異体」は、基準ポリペプチド、典型的にはナイーブまたは「親」ポリペプチドと実質的に同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。ポリペプチド変異体は、ナイーブアミノ酸配列内の特定の位置に1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を有し得る。
「保存的な」アミノ酸置換は、アミノ酸残基が、同様の物理化学的特性を有する側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるアミノ酸置換である。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で公知であり、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。
2つ以上のポリペプチドの配列間の関係で使用される「同一性」または「同一の」という語は、2つ以上のアミノ酸残基のストリング間の一致の数によって決定される、ポリペプチド間の配列関連性の程度を指す。「同一性」は、特定の計算モデルまたはコンピュータープログラム(即ち、「アルゴリズム」)によって行われる、(存在する場合)ギャップアライメントを用いた同様の2つ以上の配列間の完全な一致のパーセントを示す。関連ポリペプチド間の同一性は、公知の方法によって容易に計算することができる。このような方法としては、限定されるものではないが、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part 1,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M.Stockton Press,New York,1991;and Carillo et al.,SIAM J.Applied Math.48,1073(1988)に記載の方法が挙げられる。
同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間の最大の一致を得るように設計されている。同一性を決定する方法は、公表されているコンピュータープログラムに記載されている。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法は、GAP(Devereux et al.,Nucl.Acid.Res.12,387(1984);Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,Wis.)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(Altschul et al.,J.Mol.Biol.215,403−410(1990))を含め、GCGプログラムパッケージを含む。BLASTXプログラムは、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)および他の情報源(BLAST Manual,Altschul et al.NCB/NLM/NIH Bethesda,Md.20894;Altschul et al.,前出)から公表されている。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性の決定に使用することができる。
「単離された」分子は、組成物中の主な種である分子であり、この組成物中では、この分子は、この分子が属する分子のクラスに対して見出される(即ち、単離された分子は、組成物中の分子のタイプの少なくとも約50%を構成し、典型的には、組成物中の分子、例えば、ペプチドの種の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%以上を構成する)。通常、ポリペプチドの組成は、組成物中に存在する全てのペプチド種との関連でのポリペプチドに対して、または少なくとも提案される使用との関連での実質的に活性なペプチド種に対して98%、98%、または99%の均一性を示す。
本明細書に関連して、「処置」または「処置する」は、反対の旨の記載がない限り、疾患または障害の1つ以上の症状または臨床的に関連する兆候を予防すること、緩和すること、管理すること、治癒すること、または軽減することを指す。例えば、疾患または障害の症状または臨床的に関連する兆候が確認されていない患者の「処置」は、防止または予防療法であり、疾患または障害の症状または臨床的に関連する兆候が確認された患者の「処置」は、一般に、防止または予防療法とはならない。
本明細書で使用される「NK細胞」は、従来にない免疫に関与するリンパ球の亜集団を指す。NK細胞は、特定の特徴および生物学的特性、特にヒトNK細胞の表面抗原NKp46(NK細胞特異的)および/またはCD56の発現、細胞表面のα/βまたはγ/δTCR複合体の非存在、特定の細胞溶解装置の活性化によって「自己」MHC/HLA抗原を発現することができない細胞に結合してその細胞を殺す能力、NK活性化受容体のリガンドを発現する腫瘍細胞または他の異常細胞を殺す能力、および免疫応答を刺激または抑制するサイトカインと呼ばれるタンパク質分子を放出する能力によって特定することができる。これらの特徴および活性のいずれかを用いて、当技術分野で周知の方法でNK細胞を特定することができる。NK細胞のいかなる亜集団もNK細胞という語に包含される。本明細書に関連して、「活性な」NK細胞は、標的細胞を溶解するまたは他の細胞の免疫機能を促進する能力を有するNK細胞を含む生物学的に活性なNK細胞を指す。NK細胞は、当技術分野で公知の様々な技術、例えば、血液サンプルからの単離、細胞吸着除去療法、組織または細胞の収集などによって得ることができる。NK細胞を伴うアッセイの有用なプロトコルは、Natural Killer Cells Protocols(edited by Campbell KS and Colonna M).Human Press.pp.219−238(2000)に記載されている。
「NKp46」は、Ncr1遺伝子またはこのような遺伝子から調製されるcDNAによってコードされるタンパク質またはポリペプチドを指す。あらゆる天然に存在するイソ型、対立遺伝子、または変異体は、NKp46ポリペプチドという語(例えば、配列番号1に90%、95%、98%、もしくは99%同一のNKp46ポリペプチド、またはその少なくとも20、30、50、100、もしくは200のアミノ酸残基の連続した配列)に包含される。ヒトNKp46(イソ型a)の304のアミノ酸残基の配列は、以下のように示される。
配列番号1は、NCBIアクセッション番号NP_004820に一致し、この開示は、参照により本明細書に組み入れられる。ヒトNKp46 mRNA配列は、NCBIアクセッション番号NM_004829に示されており、この開示は、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で使用される「がん抗原」および「腫瘍抗原」という語は、同義的に使用され、がん細胞によって差次的に発現される抗原を指し、したがって、がん細胞を標的にするために利用することができる。がん抗原は、明らかに腫瘍特異的免疫応答を潜在的に刺激し得る抗原である。これらの抗原の一部は、正常細胞によってコードされるが、必ずしも発現されるものではない。これらの抗原は、正常細胞では通常サイレントである(即ち、発現されない)抗原、分化の特定の段階のみで発現される抗原、および胚抗原および胎児抗原のように一時的に発現される抗原として特徴付けることができる。他のがん抗原は、変異細胞遺伝子、例えば、がん遺伝子(例えば、活性化rasがん遺伝子)、サプレッサー遺伝子(例えば、突然変異p53)、内部欠失または染色体転座から生じる融合タンパク質によってコードされる。さらに他のがん抗原は、ウイルス遺伝子、例えば、RNAおよびDNA腫瘍ウイルスに保持されたウイルス遺伝子によってコードすることができる。がん抗原は、通常、過剰発現されるまたは異常な回数で発現される正常細胞の表面抗原である。理想的には、標的抗原は、増殖細胞(例えば、腫瘍細胞)のみで発現されるが、これは、実際には稀にのみ観察される。結果として、標的抗原は、通常、増殖組織と健康組織との間の差次的な発現に基づいて選択される。受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、Cripto、CD4、CD20、CD30、CD19、CD38、CD47、糖タンパク質NMB、CanAg、Her2(ErbB2/Neu)、CD22(Siglec2)、CD33(Siglec3)、CD79、CD138、CD171、PSCA、L1−CAM、PSMA(前立腺特異的膜抗原)、BCMA、CD52、CD56、CD80、CD70、E−セレクチン、EphB2、メラノトランスフェリン、Mud6、およびTMEFF2を含む特定の腫瘍関連抗原を標的とする抗体が産生された。がん抗原の例としては、網羅するものではないが、B7−H3、B7−H4、B7−H6、PD−L1、MAGE、MART−1/Melan−A、gp100、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)−C017−1A/GA733、キラーIg様受容体3DL2(KIR3DL2)、タンパク質チロシンキナーゼ7(PTK7)、受容体タンパク質チロシンキナーゼ3(TYRO−3)、ネクチン(例えば、ネクチン−4)、がん胎児抗原(CEA)およびその免疫原性エピトープCAP−1およびCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異的抗原(PSA)、T細胞受容体/CD3ζ鎖、腫瘍抗原のMAGEファミリー、腫瘍抗原のGAGEファミリー、抗ミュラー管ホルモンII型受容体、δ様リガンド4(DLL4)、DR5、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−1、CDK4、MUCファミリー、VEGF、VEGF受容体、アンジオポイエチン−2、PDGF、TGF−α、EGF、EGF受容体、ヒトEGF様受容体ファミリーのメンバー、例えば、HER−2/neu、HER−3、HER−4、または少なくとも1つのHERサブユニットからなるヘテロ二量体受容体、ガストリン放出ペプチド受容体抗原、Muc−1、CA125、αvβ3インテグリン、α5β1インテグリン、αIIbβ3インテグリン、PDGFβ受容体、SVE−カドヘリン、IL−8、hCG、IL−6、IL−6受容体、IL−15、α−フェトプロテイン、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニンおよびγ−カテニン、p120ctn、PRAME、NY−ESO−1、cdc27、大腸線種様ポリープタンパク質(APC)、フォドリン、コネキシン37、Ig−イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ウイルス産物、例えば、ヒトパピローマウイルスタンパク質、imp−1、P1A、EBVコード核抗原(EBNA)−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−1、SSX−4、SSX−5、SCP−1およびCT−7、およびc−erbB−2が挙げられる。
抗NKp46抗体の産生
本発明の抗体は、特にホルマリン固定試料、例えば、パラフィン包埋組織切片中のNKp46ポリペプチド、例えば、ヒト細胞の表面上のNKp46ポリペプチドに特異的に結合する。パラフィン包埋組織切片中のNKp46ポリペプチドに特異的に結合する抗体の能力により、これらは、多数の用途のために、特に本明細書に記載のような診断または治療目的のための、NK細胞、およびNK細胞のレベルもしくは分布、および/またはNKp46発現を検出するために有用なものとなる。特定の好ましい実施形態では、抗体を使用して、患者から採取された試料(例えば、生検)中の腫瘍組織またはその近くにおけるNK細胞の存在またはレベルを決定し、NKp46が組織試料中で検出される場合、NK細胞が存在すると決定される。
NKp46への抗体の結合の検出は、いくつかの方法のいずれかにおいて行うことができる。例えば、抗体は、検出可能な部分、例えば、発光化合物、例えば、蛍光部分、または放射性化合物、金、ビオチン(アビジン、例えば、アビジン−APへのそれに続く増幅された結合を可能とする)、または酵素、例えば、アルカリホスファターゼ(AP)または西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で直接的に標識することができる。代わりにおよび好ましくは、試料中のヒトNKp46への抗体の結合は、一次抗NKp46抗体に結合し、かつそれ自体が、好ましくは、酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)またはアルカリホスファターゼ(AP)で標識されている二次抗体を使用することによって評価される。しかし、二次抗体は、任意の適切な方法を使用して標識または検出し得ることを認識されたい。好ましい実施形態では、増幅システムを使用して、二次抗体によって提供されるシグナルを増進する。例えば、二次抗体が、検出可能な化合物または酵素、例えば、HRPもしくはAPの多くのコピーに結合しているポリマー(例えば、デキストラン)に結合しているEnVisionシステムである(例えば、これらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれるWiedorn et al.(2001)The Journal of Histochemistry&Cytochemistry,Volume 49(9):1067−1071;Kammerer et al.,(2001)Journal of Histochemistry and Cytochemistry,Vol.49,623−630を参照されたい)。
有利な態様では、本発明は、モノクローナル抗体8E5Bと競合し、NKp46分子上の、モノクローナル抗体8E5Bと実質的もしくは本質的に同じであるか、または同じであるエピトープまたは「エピトープ部位」を認識するか、これに結合するか、またはこれについての免疫特異性を有する抗体を提供する。他の実施形態では、モノクローナル抗体は、抗体8E5Bの誘導体もしくは断片からなるか、または抗体8E5Bの誘導体もしくは断片である。
好ましい抗体は、抗体8E5Bと同じエピトープに結合する一方、本抗体は、NKp46ポリペプチドの任意の部分を認識し、かつこれに対して産生され得ることを認識されたい。例えば、NKp46の任意の断片、好ましくは、これらに限定されないが、ヒトNKp46、またはNKp46断片の任意の組合せは、抗体を産生する免疫原として使用することができ、本発明の抗体は、これらが本明細書に記載のようなパラフィン包埋切片上で行うことができる限り、NKp46ポリペプチド内の任意の場所においてエピトープを認識することができる。好ましくは、認識されたエピトープは細胞表面上に存在し、すなわち、これらは細胞の外に存在する抗体にとって接近しやすい。最も好ましくは、エピトープは、抗体8E5Bが特異的に認識するエピトープである。さらに、NKp46内の別個のエピトープを認識する抗体を組み合わせて使用して、例えば、異なる個体間でまたは異なる組織試料において最大の有効性および幅を伴ってNKp46ポリペプチドに結合させることができる。
本発明の抗体は、種々の当技術分野で公知の技術によって産生し得る。典型的には、これらは、NKp46ポリペプチド、好ましくはヒトNKp46ポリペプチドを含む免疫原による、ヒトではない動物、好ましくはマウスの免疫化によって産生される。NKp46ポリペプチドは、ヒトNKp46ポリペプチドの全長配列、またはその断片もしくは誘導体、典型的には、免疫原性断片、すなわち、NKp46ポリペプチドを発現している細胞の表面上に曝露されているエピトープ、好ましくは8E5B抗体によって認識されるエピトープを含むポリペプチドの部分を含み得る。このような断片は、典型的には、成熟ポリペプチド配列の少なくとも約7個の連続したアミノ酸、さらにより好ましくは少なくとも約10個の連続したそのアミノ酸を含有する。断片は、典型的には、受容体の細胞外ドメインに本質的に由来する。好ましい実施形態では、免疫原は、脂質膜中に、典型的には、細胞の表面において野生型ヒトNKp46ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、免疫原は、任意選択で、処理または溶解された無傷細胞、特に無傷ヒト細胞を含む。別の好ましい実施形態では、ポリペプチドは、組換えNKp46ポリペプチドである。
ヒトではない哺乳動物を抗原で免疫化するステップは、マウスにおける抗体の産生を刺激するために当技術分野で周知の任意の様式で行い得る(例えば、この開示内容の全体が参照により本明細書中に組み込まれるE.Harlow and D.Lane,Antibodies:A Laboratory Manual.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1988)を参照されたい)。免疫原を、任意選択でアジュバント、例えば、完全または不完全フロイントアジュバントと共に緩衝液に懸濁または溶解する。免疫原の量、緩衝液のタイプ、およびアジュバントの量を決定する方法は当業者に周知であり、決して本発明に対して限定的ではない。これらのパラメーターは、異なる免疫原について異なっていてもよいが、容易に解明される。
同様に、抗体の産生を刺激するのに十分な免疫化の場所および頻度はまた、当技術分野で周知である。典型的な免疫化プロトコルにおいて、ヒトではない動物に、1日目に抗原を腹腔内に注射し、再び、約1週間後に注射する。これに続いて、およそ20日目に、任意選択でアジュバント、例えば、不完全フロイントアジュバントと共に抗原のリコール注射を行う。リコール注射を静脈内に行い、連続した数日間にわたり繰り返してもよい。これに続いて、40日目において、典型的にはアジュバントを伴わずに静脈内または腹腔内のブースター注射を行う。このプロトコルは、約40日後に抗原特異的抗体産生B細胞の産生をもたらす。他のプロトコルが免疫化において使用される抗原に向けられる抗体を発現しているB細胞の産生をもたらす限り、他のプロトコルも使用し得る。
ポリクローナル抗体の調製のために、免疫化されたヒトではない動物から血清を得て、その中に存在する抗体を周知の技術によって単離する。NKp46ポリペプチドと反応する抗体を得るために、血清は、固体支持体に連結した上に記載した免疫原のいずれかを使用してアフィニティー精製し得る。
代替の実施形態では、免疫化されていないヒトではない哺乳動物からのリンパ球を単離し、in vitroで成長させ、次いで細胞培養物中の免疫原に曝露させる。次いで、リンパ球を収集し、下記の融合ステップを行う。
免疫化されたヒトではない哺乳動物から脾細胞を単離することができ、およびそれに続いて、抗体産生ハイブリドーマを形成するためのこれらの脾細胞と不死化細胞との融合が行われる。ヒトではない哺乳動物からの脾細胞の単離は当技術分野において周知であり、典型的には、単一の細胞懸濁液を生成するために、麻酔されたヒトではない哺乳動物からの脾臓の取出し、これを小片に切断することと、適切な緩衝液への細胞ストレーナーのナイロンメッシュを通して脾膜からの脾細胞を圧搾することとが関与する。細胞を洗浄し、遠心し、赤血球を溶解させる緩衝液中で再懸濁させる。溶液を再び遠心し、ペレット中の残りのリンパ球を最終的に新鮮な緩衝液に再懸濁させる。
単離され、単一の細胞懸濁液中に存在すると、リンパ球は、不死の細胞系に融合することができる。これは、典型的には、マウス骨髄腫細胞系であるが、ハイブリドーマを生じさせるのに有用である多くの他の不死の細胞系は、当技術分野において公知である。好ましいマウス骨髄腫系には、これらに限定されないが、Salk Institute Cell Distribution Center、San Diego、U.S.A.から入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、アメリカ培養細胞系統保存機関、Rockville、Maryland U.S.A.から入手可能なX63Ag8653およびSP−2細胞に由来するものが含まれる。融合は、ポリエチレングリコールなどを使用してもたらされる。次いで、このように得られたハイブリドーマを、非融合親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1種または複数の物質を含有する選択培地中で成長させる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素であるヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いている場合、ハイブリドーマのための培養培地は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(HAT培地)を含み、これらの物質は、HGPRT欠損細胞の成長を防止する。
ハイブリドーマは、典型的には、マクロファージの支持細胞層上で成長する。マクロファージは、好ましくは、脾細胞を単離するために使用されるヒトではない哺乳動物の同腹仔からであり、典型的には、ハイブリドーマを蒔く数日前に不完全フロイントアジュバントなどで予備刺激する。融合方法は、その開示が参照により本明細書中に組み込まれるGoding,「Monoclonal Antibodies:Principles and Practice」,pp.59−103(Academic Press,1986)に記載されている。
細胞を、コロニー形成および抗体産生のために十分な時間にわたり選択培地中で成長させる。これは、通常、約7〜約14日である。
次いで、ハイブリドーマコロニーを、NKp46ポリペプチド、好ましくは抗体8E5Bによって特異的に認識されるエピトープに特異的に結合する抗体の産生についてアッセイする。アッセイは、典型的には、比色ELISAタイプのアッセイであるが、ハイブリドーマがその中で成長しているウェルに適合することができる任意のアッセイを用いてもよい。他のアッセイは、放射線免疫アッセイまたは蛍光活性化細胞選別を含む。所望の抗体産生について陽性であるウェルを調査して、1つまたは複数の別個のコロニーが存在するかを決定する。複数のコロニーが存在する場合、細胞を再クローン化し、成長させ、単一の細胞のみが所望の抗体を産生するコロニーを生じさせたことを確実にし得る。典型的には、抗体もパラフィン包埋組織切片または細胞ペレット中のNKp46ポリペプチドに結合する能力について試験する(実施例を参照されたい)。NKp46を天然に発現しない細胞は、ヒトNKp46を発現させ(例えば、ヒトNKp46を発現している核酸によるトランスフェクションによる)、細胞ペレットとして調製し、ホルマリン固定し、パラフィン中に包埋し、切片化し、脱パラフィン化し、かつスライドに移すことができる。NKp46を発現していない対照細胞(例えば、上記と同じ細胞であるが、NKp46でトランスフェクトされていない)を陰性対照として使用することができる。
本発明のモノクローナル抗体を産生することが確認されているハイブリドーマは、適切な培地、例えば、DMEMまたはRPMI−1640中でより多い量で成長させることができる。代わりに、ハイブリドーマ細胞は、動物における腹水腫瘍としてin vivoで成長させることができる。所望のモノクローナル抗体を産生する十分な成長後、モノクローナル抗体(または腹水)を含有する成長培地を細胞から分離し、その中に存在するモノクローナル抗体を精製する。精製は、典型的には、ゲル電気泳動、透析、タンパク質Aもしくはタンパク質G−セファロースを使用したクロマトグラフィー、または固体支持体、例えば、アガロースもしくはセファロースビーズに連結した抗マウスIgによって達成される(全て、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるAntibody Purification Handbook,Biosciences,publication No.18−1037−46,Edition ACにおいて記載されている)。結合した抗体は、典型的には、抗体含有画分の即時の中和を伴って、低pH緩衝剤(pH3.0以下のグリシンまたは酢酸緩衝液)を使用することによってタンパク質A/タンパク質Gカラムから溶出される。これらの画分をプールし、透析し、必要に応じて濃縮する。
単一の明らかなコロニーを有する陽性ウェルを典型的には再クローン化および再アッセイし、1種のみのモノクローナル抗体が検出および産生されることを確保する。
抗体はまた、例えば、(その開示内容の全体が参照により本明細書中に組み込まれるWard et al.Nature,341(1989)p.544)に開示されているように、免疫グロブリンのコンビナトリアルライブラリーの選択によって産生し得る。
NKp46、特にモノクローナル抗体8E5Bと実質的または本質的に同じエピトープに結合する1種または複数の抗体の同定は、種々の免疫学的スクリーニングアッセイのいずれか1つを使用して容易に決定することができ、ここで、抗体競合を、実施例において記載される方法または任意の他の適切な方法によって評価することができる。本明細書に記載されている抗体が結合するエピトープを実際に決定することは、本明細書に記載されているモノクローナル抗体と同じまたは実質的に同じエピトープに結合する抗体を同定することを決して必要としないことが理解される。
例えば、調査される試験抗体が異なるソース動物から得られるか、またはさらには異なるIgアイソタイプから得られる場合、対照(例えば、8E5B)および試験抗体を混合(または事前吸着)し、NKp46ポリペプチドを含有する試料に加える単純な競合アッセイを用い得る。ウエスタンブロッティングをベースとしたプロトコル、およびBIACORE分析の使用をこのような単純な競合研究において使用することができる。
特定の実施形態では、NKp46抗原試料に加える前にある期間、対照抗体(例えば、8E5B)と、変化する量の試験抗体(例えば、約1:10または約1:100)とを事前混合する。他の実施形態では、対照抗体および変化する量の試験抗体は、NKp46抗原試料への曝露中に単純に混合することができる。遊離抗体から結合抗体を(例えば、非結合の抗体を除去する分離または洗浄技術を使用することにより)、および試験抗体から8E5Bを(例えば、種特異的もしくはアイソタイプ特異的二次抗体を使用することにより、または検出可能な標識で8E5Bを特異的に標識することにより)識別することができる限り、試験抗体が抗原への8E5Bの結合を低減させ、試験抗体が8E5Bと実質的に同じエピトープを認識することを示すかを決定することができる。(標識された)対照抗体の結合は、完全に関連性のない抗体の非存在下で対照高値としての役割を果たすことができる。対照低値は、標識された(8E5B)抗体を正確に同じタイプ(8E5B)の非標識抗体と共にインキュベートすることによって得ることができるが、競合が起こり、標識抗体の結合を低減させるであろう。試験アッセイにおいて、試験抗体の存在下での標識抗体の反応性における有意な低減は、実質的に同じエピトープ、すなわち、標識(8E5B)抗体と「交差反応」するものを認識する試験抗体を示す。約1:10〜約1:100の8E5B:試験抗体の任意の比で、NKp46抗原への8E5Bの結合を少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、またはより好ましくは少なくとも約70%(例えば、約65〜100%)低減させる任意の試験抗体は、8E5Bと実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する抗体であると考えられる。好ましくは、このような試験抗体は、NKp46抗原への8E5Bの結合を少なくとも約90%(例えば、約95%)低減させる。
競合はまた、例えば、フローサイトメトリー試験によって評価することができる。このような試験において、所与のNKp46ポリペプチドを担持している細胞を、最初に8E5Bと共に、例えば、次いで蛍光色素またはビオチンで標識した試験抗体と共にインキュベートすることができる。飽和量の8E5Bとのプレインキュベーションによって得られる結合が、8E5Bとのプレインキュベーションを伴わずに抗体によって得た結合(蛍光を用いて測定するような)の約80%、好ましくは約50%、約40%またはそれ未満(例えば、約30%)である場合、抗体は、8E5Bと競合するSAIDであると言われる。代わりに、飽和量の試験抗体と共にプレインキュベートした細胞上の標識された8E5B抗体(蛍光色素またはビオチンによる)によって得た結合が、抗体とのプレインキュベーションを伴わずに得た結合の約80%、好ましくは約50%、約40%またはそれ未満(例えば、約30%)である場合、抗体は、8E5Bと競合するSAIDであると言われる。
試験抗体を事前吸着させ、飽和濃度で表面に加え、その上にNKp46抗原が不動化される単純な競合アッセイを用いてもよい。単純な競合アッセイにおいて、表面は、好ましくは、BIACOREチップ(または表面プラズモン共鳴分析に適した他の媒体)である。次いで、対照抗体(例えば、8E5B)をNKp46−飽和濃度で表面と接触させ、NKp46および対照抗体の表面結合を測定する。対照抗体のこの結合を、試験抗体の非存在下でのNKp46含有表面への対照抗体の結合と比較する。試験アッセイにおいて、試験抗体の存在下での対照抗体によるNKp46含有表面の結合における有意な低減は、試験抗体が対照抗体と「交差反応する」ように、試験抗体が対照抗体と実質的に同じエピトープを認識することを示す。NKp46抗原への対照(例えば、8E5B)抗体の結合を少なくとも約30%以上、好ましくは約40%低減させる任意の試験抗体は、対照(例えば、8E5B)と実質的に同じエピトープまたは決定基に結合する抗体であると考えられる。好ましくは、このような試験抗体は、NKp46抗原への対照抗体(例えば、8E5B)の結合を少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、またはそれを超えて)低減させる。対照および試験抗体の順序は逆転させることができ、すなわち、競合アッセイにおいて、対照抗体を最初に表面に結合させることができ、試験抗体を表面とその後接触させることを認識されたい。好ましくは、二次抗体について見られる結合の減少は、(抗体が交差反応していると仮定すれば)より大きいことが予想されるため、NKp46抗原に対してより高い親和性を有する抗体を表面に最初に結合させる。このようなアッセイのさらなる例は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSaunal H.and al(1995)J.Immunol.Methods 183:33−41において提供されている。
好ましくは、NKp46エピトープを認識するモノクローナル抗体は、CD56dimおよびCD56brightNK細胞上を含む全てのNK細胞上に存在するエピトープと反応するが、非NK細胞、例えば、免疫または非免疫細胞、顆粒球、単球、B細胞、T細胞などと有意に反応しない。
一実施形態では、本発明の抗体を、NKp46発現細胞に結合するこれらの能力を試験する免疫アッセイにおいて検証する。好ましくは、検証は、パラフィン包埋組織切片中のNKp46発現細胞を染色する抗体の能力を評価することによって行う。例えば、次いで、扁桃組織試料を複数の患者から採取し、所与の抗体が組織内の細胞を染色する能力を、当業者に周知の標準的な方法を使用して評価する。細胞への抗体の結合を評価するために、抗体は、直接的または間接的のいずれかで標識することができる。間接的に標識するとき、典型的には二次標識抗体を加える。このような方法は当業者に周知であり、本明細書の他の箇所でさらに記載する。
例示の目的のために、8E5Bに関連して記載してきた一方、本明細書において記載した免疫学的スクリーニングアッセイおよび他のアッセイを使用して、他の抗NKp46抗体と競争する抗体も同定し得ることを認識されたい(これらがまたパラフィン包埋組織試料中のNKp46に結合する限り)。
抗体が上記で定義したエピトープ領域の1つ内で結合するかどうかの決定は、当業者に公知の方法で行うことができる。このようなマッピング/特性決定方法の一例として、抗NKp46抗体についてのエピトープ領域は、NKp46タンパク質中の曝露されたアミン/カルボキシルの化学修飾を使用するエピトープ「フットプリンティング」によって決定し得る。このようなフットプリンティング技術の1つの具体例は、HXMS(質量分析法によって検出される水素−重水素交換)の使用であり、ここで、受容体およびリガンドタンパク質アミドプロトンの水素/重水素交換、結合、および逆交換が起こり、タンパク質結合に参加している骨格アミド基は逆交換から保護され、したがって、重水素化されたままである。関連性のある領域は、ペプシンによるタンパク質分解、高速ミクロボア高速液体クロマトグラフィー分離、および/またはエレクトロスプレーイオン化質量分析法により、このポイントで同定することができる。適切なエピトープ同定技術の別の例は、核磁気共鳴(NMR)エピトープマッピングであり、ここで、典型的には、遊離抗原、および抗原結合ペプチド、例えば、抗体と複合体形成した抗原の二次NMRスペクトルにおけるシグナルの位置を比較する。抗原は、典型的には、NMR−スペクトルにおいて、抗原に対応するシグナルのみが見られ、抗原結合ペプチドからのシグナルは見られないように、15Nで選択的に同位体的に標識される。抗原結合ペプチドとの相互作用に関与しているアミノ酸に由来する抗原シグナルは、典型的には、遊離抗原のスペクトルと比較して複合体のスペクトルにおける位置がシフトし、結合に関与しているアミノ酸をこのように同定することができる。
エピトープマッピング/特性決定はまた、質量分析法を使用して行うことができる。プロテアーゼ消化技術はまた、エピトープマッピングおよび同定との関連で有用であることができる。抗原決定基に関連する領域/配列は、プロテアーゼ消化により、例えば、pH7〜8での約1:50の比のトリプシンおよびNKp46またはo/n消化を使用し、続いてペプチド同定のための質量分析法(MS)分析によって決定することができる。抗NKp46結合剤によるトリプシン切断から保護されるペプチドは、それに続いて、トリプシン消化に供した試料と、抗体と共にインキュベートし、次いで、例えば、トリプシンによる消化に供した試料とを比較することによって同定することができる(それにより、結合剤についてのフットプリントを明らかにする)。他の酵素、例えば、キモトリプシン、ペプシンなどをまた、または代わりに、同様のエピトープ特性決定方法において使用することができる。さらに、酵素消化は、潜在的な抗原決定基配列が、表面曝露されていないNKp46ポリペプチドの領域内にあり、したがって、免疫原性/抗原性に関して関連性がない可能性が高いかどうかを分析するための迅速な方法を提供することができる。
脊椎動物または細胞における免疫化および抗体の産生により、特定の選択ステップを行って、特許請求される抗体を単離し得る。これに関して、特定の実施形態では、本発明はまた、(a)抗体のライブラリーを提供し、かつ/またはヒトではない哺乳動物を、NKp46ポリペプチドを含む免疫原で免疫化し、かつ前記免疫化された動物からの抗体を調製することと、(b)パラフィン包埋細胞ペレット、例えば、FFPE細胞ペレット中の前記NKp46ポリペプチドに結合することができるステップ(a)からの抗体を選択することとを含む、このような抗体を産生する方法に関する。一実施形態では、方法は、ステップ(d)NKp46への結合において抗体8E5Bと競合することができる(a)からの抗体を選択することをさらに含む。
代替の実施形態によると、NKp46ポリペプチド上に存在するエピトープに結合する抗体をコードするDNAを本発明のハイブリドーマから単離し、適切な宿主へのトランスフェクションのために適切な発現ベクター中に入れる。次いで、宿主を、抗体、またはその変異体、例えば、そのモノクローナル抗体のヒト化バージョン、抗体の活性断片、抗体の抗原認識部分を含むキメラ抗体、または検出可能な部分を含むバージョンの組換え産生のために使用する。
本発明のモノクローナル抗体、例えば、抗体8E5BをコードするDNAは、通常の手順(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによる)を使用して容易に単離および配列決定することができる。単離されると、DNAを発現ベクターに入れることができ、これを次いで、その他の場合には免疫グロブリンタンパク質を産生しない宿主細胞、例えば、大腸菌(E.coli)細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞にトランスフェクトし、組換え宿主細胞中のモノクローナル抗体の合成を得る。本明細書の他の箇所で記載するように、このようなDNA配列は、多数の目的のいずれかのために、例えば、抗体をヒト化し、断片もしくは誘導体を産生するために、または例えば、結合抗体の特異性を最適化するために、抗原結合部位における抗体の配列を修飾するために修飾することができる。
抗体8E5B
一態様において、抗体は、FFPE細胞ペレット中のNK細胞上のNKp46上に存在する抗原決定基に結合する。一態様において、抗体は、FFPE細胞ペレット中のNK細胞上のNKp46、および培養物中のNK細胞の細胞表面において発現しているNKp46の両方上に存在する共通の抗原決定基に結合する。
一態様において、抗体は、抗体8E5Bと実質的に同じエピトープに結合する。一実施形態では、抗体は、抗体8E5Bによって結合されるエピトープと少なくとも部分的に重複するか、または抗体8E5Bによって結合されるエピトープ中の少なくとも1個の残基を含む、NKp46のエピトープに結合する。抗体が結合した残基は、NKp46ポリペプチドの表面上、例えば、細胞の表面上に発現しているNKp46ポリペプチド中に存在すると特定することができる。
NKp46変異体でトランスフェクトされた細胞への抗NKp46抗体の結合を測定し、野生型NKp46ポリペプチド(例えば、配列番号1)に結合する抗NKp46抗体の能力と比較することができる。抗NKp46抗体と変異NKp46ポリペプチドとの間の結合の低下は、抗NKp46抗体の結合親和性の低下(例えば、公知の方法、例えば、特定の変異体を発現する細胞のFACS試験によって、または変異ポリペプチドへの結合性のBiacore試験によって測定される)、および/または抗NKp46抗体の総結合能の低下(例えば、抗NKp46抗体濃度のポリペプチド濃度に対するプロットにおけるBmaxの減少によって裏付けられる)が存在することを意味する。結合性の著しい低下は、変異残基が抗NKp46抗体に対する結合性に直接関与しているか、または抗NKp46抗体がNKp46に結合するときに結合タンパク質に非常に近接していることを示唆する。
一部の実施形態では、結合性の著しい低下は、抗NKp46抗体と変異NKp46ポリペプチドとの間の結合親和性および/または結合能が、この抗体と野生型NKp46ポリペプチドとの間の結合性に対して、40%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超低下していることを意味する。特定の実施形態では、結合性は、検出限界未満に低下する。一部の実施形態では、結合性の著しい低下は、抗NKp46抗体の変異NKp46ポリペプチドに対する結合性が、抗NKp46抗体と野生型NKp46ポリペプチドとの間で観察される結合性の50%未満(例えば、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満)であるときに立証される。
一部の実施形態では、変異NKp46ポリペプチドについて有意により低い結合を示す抗NKp46抗体を提供し、ここで、抗体8E5Bによって結合されるアミノ酸残基を含むセグメント中の残基は、異なるアミノ酸で置換されている。
抗体8E5Bの重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号2として列挙され、軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号3として列挙される。特定の実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体8E5Bと本質的に同じエピトープまたは決定基に結合する抗体を提供する。任意選択で、抗体は、抗体8E5Bの超可変領域を含む。本明細書における実施形態のいずれかにおいて、抗体8E5Bは、アミノ酸配列および/またはこれをコードする核酸配列によって特性決定することができる。一実施形態では、モノクローナル抗体は、8E5BのFabまたはF(ab’)2部分を含む。また提供するのは、8E5Bの重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体である。一実施形態によれば、モノクローナル抗体は、8E5Bの重鎖可変領域の3個のCDRを含む。また提供するのは、8E5Bの可変軽鎖可変領域、または8E5Bの軽鎖可変領域のCDRの1個、2個または3個をさらに含むモノクローナル抗体である。任意選択で、前記軽鎖または重鎖CDRの任意の1個または複数は、1個、2個、3個、4個もしくは5個またはそれを超えるアミノ酸の修飾(例えば、置換、挿入または欠失)を含有し得る。任意選択で、抗体8E5Bの抗原結合領域の部分または全てを含む軽鎖および/または重鎖可変領域のいずれかが、ヒトIgGタイプの免疫グロブリン定常領域、任意選択でヒト定常領域、任意選択でヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4アイソタイプに融合しており、任意選択でエフェクター機能(ヒトFcγ受容体への結合)を低減させるアミノ酸置換をさらに含む、抗体を提供する。
別の態様において、本発明は、抗体を提供し、ここで、抗体は、表A−1に記載のアミノ酸配列、またはその少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の隣接するアミノ酸の配列を含む8E5BのHCDR1領域を含み、任意選択で、これらのアミノ酸の1つまたは複数は、異なるアミノ酸;表A−1に記載のアミノ酸配列、またはその少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の隣接するアミノ酸の配列を含む8E5BのHCDR2領域で置換されていてもよく、任意選択で、これらのアミノ酸の1つまたは複数は、異なるアミノ酸;表A−1に記載のアミノ酸配列、またはその少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の隣接するアミノ酸の配列を含む8E5BのHCDR3領域で置換されていてもよく、任意選択で、これらのアミノ酸の1つまたは複数は、異なるアミノ酸;表A−2に記載のアミノ酸配列、またはその少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の隣接するアミノ酸の配列を含む8E5BのLCDR1領域で置換されていてもよく、任意選択で、これらのアミノ酸の1つまたは複数は、異なるアミノ酸;表A−2に記載のアミノ酸配列、またはその少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の隣接するアミノ酸の配列を含む8E5BのLCDR2領域で置換されていてもよく、任意選択で、これらのアミノ酸の1つまたは複数は、異なるアミノ酸;表A−2に記載のアミノ酸配列、またはその少なくとも4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個の隣接するアミノ酸の配列を含む8E5BのLCDR3領域で置換されていてもよく、任意選択で、これらのアミノ酸の1つまたは複数は、欠失しているか、または異なるアミノ酸で置換されていてもよい。HCDR1、2、3およびLCDR1、2、3配列は、任意選択で、全て(またはそれぞれ独立に)Kabat付番システムのもの(各CDRについて表Aに示すように)、Chotia付番システムのもの(各CDRについて表Aに示すように)、IMGT付番システムのもの(各CDRについて表Aに示すように)、または任意の他の適切な付番システムとして特定することができる。
特定された可変領域およびCDR配列は、配列修飾、例えば、置換(1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個またはそれを超える配列修飾)を含み得る。一実施形態では、重鎖および軽鎖のCDR1、2および/または3は、1個、2個、3個またはそれを超えるアミノ酸置換を含み、置換されている残基は、ヒト起源の配列中に存在する残基である。一実施形態では、置換は、保存的修飾である。保存的な配列修飾は、アミノ酸配列を含有する抗体の結合特徴に有意に影響を与えるか、または変更されることがないアミノ酸修飾を指す。このような保存的修飾は、アミノ酸の置換、付加および欠失を含む。修飾は、当技術分野で公知の標準的な技術、例えば、部位特異的突然変異誘発およびPCRによって媒介される突然変異誘発によって本発明の抗体中に導入することができる。保存的なアミノ酸置換は、典型的には、アミノ酸残基が、同様の物理化学的特性を有する側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられているものである。特定の可変領域およびCDR配列は、1個、2個、3個、4個またはそれを超えるアミノ酸の挿入、欠失または置換を含み得る。置換が行われる場合、好ましい置換は、保存的修飾である。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されてきた。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。このように、本発明の抗体のCDR領域内の1つまたは複数のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの他のアミノ酸残基で置き換えることができ、変化した抗体は、本明細書に記載されているアッセイを使用して、保持された機能(すなわち、本明細書において記載されている特性)について試験することができる。
CDRの配列を、IMGT、KabatおよびChothiaの定義系により、下記の表A−1およびA−2において要約した。本発明による抗体の可変領域の配列を下記の表Bにおいて列挙し(リーダー配列が存在する場合、任意の抗体鎖は、リーダー配列の末端の直後のアミノ酸位置において開始すると特定することができる)、各CDRに下線を引く。本明細書における任意の実施形態では、VLまたはVH配列は、シグナルペプチドまたはその任意の部分を含有するかまたは欠くように、特定化または番号付けすることができる。
一実施形態では、本発明の抗体は、これらの結合および/または機能特性を保持する抗体断片である。本発明の抗体の断片および誘導体(特に明記しない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本出願において使用されるような用語「抗体」に包含される)、好ましくは、8E5B様抗体は、当技術分野において公知の技術によって産生することができる。「断片」は、無傷抗体の一部、一般に、抗原結合部位または可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、およびFv断片;二特異性抗体;これらに限定されないが、(1)単鎖Fv分子、(2)軽鎖可変ドメインの3個のCDRを含有し、関連する重鎖部分を伴わない、1つのみの軽鎖可変ドメインまたはその断片を含有する単鎖ポリペプチド、ならびに(3)重鎖可変領域の3個のCDRを含有し、関連する軽鎖部分を伴わない、1つのみの重鎖可変領域またはその断片を含有する単鎖ポリペプチドを含む、隣接するアミノ酸残基の1つの中断されていない配列からなる一次構造を有するポリペプチドである任意の抗体断片(本明細書において「単鎖抗体断片」または「単鎖ポリペプチド」と称される);ならびに抗体断片から形成される多重特異的抗体を含む。
FFPE試料の調製および染色
本抗体は、固定された組織または細胞試料中に存在するNKp46ポリペプチドに効率的および特異的に結合することができる特定の特性を有する。このような組織調製物を調製および使用する様々な方法は当技術分野で周知であり、調製の任意の適切な方法またはタイプを使用することができる。抗体は、培養物および凍結された組織切片中の細胞(例えば、NK細胞)によって発現されているNKp46、および組換えNKp46ポリペプチド(例えば、可溶性ポリペプチド、NKp46−HisまたはNKp46−Fcポリペプチドとして)にさらに結合することができる。
FFPE材料は、典型的には、組織である。FFPE組織は、解剖または生検によって検体動物(例えば、ヒト患者)から最初に分離される一片の組織である。次いで、この組織を、これが腐敗または変性することを防止し、かつ組織学的、病理学的または細胞学的研究のために顕微鏡下でこれを明瞭に調査できるようにするために固定する。固定は、組織が不動化され、死滅し、染色の目的のために保存され、それを顕微鏡下で見るプロセスである。固定後加工は、組織を染色試薬に対して透過性のあるものとし、これらが安定化され、および位置が固定されるように、その巨大分子を架橋する。次いで、この固定された組織はワックス中に包埋され、薄切片に切断され、ヘマトキシリンおよびエオシン染色で染色されることが可能となる。その後、顕微鏡下で抗体による染色を研究するために微細な切片に切断することによってミクロトーム処理を行う。
例えば、本抗体は、任意の固定細胞または組織調製物と共に使用することができ、かつこれらは、使用される特定の固定または包埋方法によって限定されないことが認識される。例えば、最も一般のホルムアルデヒドをベースとする固定手順は、ホルマリン(例えば、10%)が関与する一方、代替方法、例えば、パラホルムアルデヒド(PFA)、Bouin溶液(ホルマリン/ピクリン酸)、アルコール、亜鉛をベースとする溶液(一例として、例えば、これの開示内容の全体が参照により本明細書中に組み込まれるLykidis et al.,(2007)Nucleic Acids Research,2007,1−10を参照されたい)、およびその他である(例えば、この開示内容の全体が参照により本明細書中に組み込まれるthe HOPE method,Pathology Research and Practice,Volume 197,Number 12,December 2001,pp.823−826(4)を参照されたい)。同様に、パラフィンが好ましい一方、また包埋のために他の材料、例えば、ポリエステルワックス、ポリエチレングリコールをベースとするフォーミュラ、グリコールメタクリレート、JB−4プラスチックなどを使用することができる。組織調製物を調製および使用する方法の概説について、例えば、これらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれるGillespie et al.,(2002)Am J Pathol.2002 February;160(2):449−457;Fischer et al.CSH Protocols;2008;Renshaw(2007),Immunohistochemistry:Methods Express Series;Bancroft(2007)Theory and Practice of Histological Techniques;および国際公開第06074392号パンフレットを参照されたい)。
本発明の一実施形態では、FFPE組織は、腫瘍組織、例えば、ヒト腫瘍組織である。腫瘍は、特に扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭部、頸部、結腸、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、泌尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭および/または肺の腫瘍の群から選択される。腫瘍は、さらに特には、肺腺がん、小細胞肺がん、膵臓がん、神経膠芽腫、結腸がんおよび乳がんの群から選択される。さらに、血液および免疫系の腫瘍、より特定すると、末梢性T細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から選択される腫瘍が好ましい。このような腫瘍はまた、本発明の意味においてがんとして命名することができる。
抗NKp46抗体をNK細胞検出のためのFFPE材料と共にインキュベートする。用語インキュベーションステップは、FFPE材料と本発明の抗体とを明確な期間接触させることが関与し、この期間は、材料、抗体および/または抗原の種類によって決まる。インキュベーションプロセスはまた、様々な他のパラメーター、例えば、検出の感受性によって決まり、その最適化は当業者に公知の通例の手順に従う。化学溶液を加えることおよび/または物理的手順、例えば、熱の影響を加えることにより、試料中の標的構造の到達性を改善することができる。インキュベーションの結果として、特定のインキュベーション生成物が形成される。
形成された抗体/抗原複合体の検出のための適切な試験は当業者に公知であるか、または通例の事柄として容易に設計することができる。多くの異なるタイプのアッセイが公知であり、これらの例を下記で記載する。アッセイは、NKp46発現を検出および/または定量化する抗NKp46mAb結合を使用するのに適した任意のアッセイであり得るが、後者は、好ましくは、一次抗NKp46抗体と特異的に相互作用する物質を用いて決定される。
このように、例えば、調査される試料(組織または細胞)は、体液、腫瘍組織(例えば、乳房腫瘍、黒色腫)からの、または健常組織および切片(例えば、3mm以下の厚さ)からの生検によって得られ、ホルマリンまたは均等な固定方法(上記を参照されたい)を使用して固定する。固定の時間は用途によって決まるが、数時間〜24時間以上の時間の範囲でよい。固定に続いて、組織をパラフィン(または均等な材料)中に包埋し、非常に薄切片(例えば、5ミクロン)をミクロトームにおいて切断し、次いで、好ましくはコーティングし、スライド上に乗せる。次いで、スライドを乾燥、例えば、空気乾燥させる。
スライド上の固定および包埋された組織切片は、無制限に乾燥および貯蔵することができる。免疫組織化学のために、スライドを脱パラフィン化し、次いで再水和する。例えば、これらを、最初にキシレン、次いでエタノールを有するキシレン、次いで水中の減少する百分率のエタノールによる一連の洗浄に供する。
抗体染色前に固定中に形成されて、エピトープをマスクし得るメタン橋を破壊するために、組織を抗原回収ステップ、例えば酵素的またはヒートベースに供することができる。好ましい実施形態では、沸騰している10mMのクエン酸緩衝液、pH6中の処理を使用する。
スライドを再水和し、理想的には抗原回収を行うと、これらを一次抗体と共にインキュベートすることができる。最初に、スライドを例えばTBSで洗浄し、次いで、例えば、血清/BSAによる遮断ステップに続いて、抗体を加えることができる。抗体の濃度は、その形態(例えば、精製されている)、その親和性、使用する組織試料によって決まるが、適切な濃度は、例えば、1〜10μg/mlである。一実施形態では、使用される濃度は、10μg/mlである。インキュベーションの時間は同様に変動することができるが、一晩のインキュベーションが典型的には適切である。例えば、TBS中の抗体洗浄後ステップに続いて、次いでスライドを抗体結合の検出のために加工する。
使用する検出方法は、使用する抗体、組織などによって決まり、例えば、一次抗体にコンジュゲートされている発光またはそうでなければ可視もしくは検出可能な部分、または検出可能な二次抗体の使用による検出が関与し得る。抗体検出の方法は当技術分野で周知であり、例えば、これらのそれぞれの開示内容の全体が本明細書においてその全体が組み込まれるHarlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1st edition(December 1,1988);Fischer et al.CSH Protocols;2008;Renshaw(2007),Immunohistochemistry:Methods Express Series;Bancroft(2007)Theory and Practice of Histological Techniques;国際公開第06074392号パンフレットにおいて教示されている。
多くの直接的または間接的な検出方法が公知であり、使用のために適応し得る。直接の標識は、抗体に付着した蛍光または発光タグ、金属、染料、放射性核種などを含む。ヨウ素−125(125I)で標識された抗体を使用することができる。タンパク質に対して特異的な化学発光抗体を使用した化学発光アッセイは、タンパク質レベルの感受性の非放射性検出に適している。蛍光色素で標識された抗体も適している。蛍光色素の例には、これらに限定されないが、DAPI、フルオレセイン、Hoechst33258、R−フィコシアニン、B−フィコエリトリン、R−フィコエリトリン、ローダミン、テキサス赤色、およびlissamineが含まれる。
間接的標識は、当技術分野で周知の様々な酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼなどを含む。酵素への抗NKp46抗体の共有結合的連結は、異なる方法、例えば、グルタルアルデヒドとのカップリングによって行い得る。酵素および抗体の両方は、遊離アミノ基を介してグルタルアルデヒドと相互連結しており、ネットワーク化された酵素および抗体の副産物は除去される。別の方法において、酵素は、それが糖タンパク質、例えば、ペルオキシダーゼである場合、糖残基を介して抗体にカップリングしている。酵素は、過ヨウ素酸ナトリウムによって酸化され、抗体のアミノ基と直接的に相互連結している。炭水化物を含有する他の酵素もこの様式で抗体にカップリングすることができる。酵素カップリングはまた、ヘテロ二官能性リンカー、例えば、スクシンイミジル6−(N−マレイミド)ヘキサノエートを使用して、抗体のアミノ基と、酵素、例えば、β−ガラクトシダーゼの遊離チオール基とを相互連結することによって行い得る。セイヨウワサビペルオキシダーゼ検出システムを、例えば、450nmで検出可能である過酸化水素の存在下で可溶性産物を生じさせる色素生産性基質テトラメチルベンジジン(TMB)と共に使用することができる。アルカリホスファターゼ検出システムは、例えば、405nmで容易に検出可能な可溶性産物を生じさせる色素生産性基質p−ニトロフェニルホスフェートと共に使用することができる。同様に、β−ガラクトシダーゼ検出システムは、410nmで検出可能な可溶性産物を生じさせる色素生産性基質o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)と共に使用することができる。ウレアーゼ検出システムは、基質、例えば、尿素−ブロモクレゾールパープルと共に使用することができる。
一実施形態では、一次抗体の結合は、標識された二次抗体、好ましくは酵素、例えば、HRPまたはAPに共有結合している二次抗体に結合することによって検出される。特に好ましい実施形態では、二次抗体の結合によって生じるシグナルは、抗体検出の増幅のためのいくつかの方法のいずれかを使用して増幅される。例えば、EnVision方法を使用することができ(例えば、これらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,543,332号明細書および欧州特許第594,772号明細書;Kammerer et al.,(2001)Journal of Histochemistry and Cytochemistry,Vol.49,623−630;Wiedorn et al.(2001)The Journal of Histochemistry&Cytochemistry,Volume 49(9):1067−1071を参照されたい)、ここで、二次抗体は、それ自体、APまたはHRPの多くのコピーに連結しているポリマー(例えば、デキストラン)に連結している。
診断、予後診断および治療における組成物および使用
本明細書に示すように、本発明の抗体は、これらに限定されないが、FFPEとして調製したものを含めて、生体試料内のNK細胞を検出するのに特に有効であり、NKp46ポリペプチドを発現していない組織または細胞上の非特異的染色を伴わない。したがって、抗体は、NK細胞の検出および/または局在化が関心対象となる病態の研究、評価、診断、予後および/または予測において使用するために利点を有する。例えば、研究は、その腫瘍または腫瘍隣接組織が浸潤性NK細胞によって特性決定される患者における好ましい予後を報告した。
例えば、患者におけるがんを、本明細書において開示されている抗体を使用して特性決定または評価して、NK細胞が腫瘍の外側または腫瘍周辺部において存在するかどうかを含めて、NK細胞が腫瘍を浸潤しているかどうかを評価することができる。自己免疫疾患または炎症性疾患に罹患している患者において、炎症の部位からの生体試料(例えば、滑液)を、本明細書において開示されている抗体を使用して特性決定または評価し、NK細胞が目的の他の組織における炎症の部位の外側、例えば、炎症性部位の周辺部において存在するかどうかを含めて、NK細胞が炎症の部位において存在するかどうかを評価することができる。方法は、患者が、例えば、T細胞、免疫抑制免疫細胞、またはNK細胞活性をモジュレートすることができる他の細胞に作用することにより、例えば、NK細胞活性をモジュレートすることができるサイトカインまたは他のシグナル伝達分子を産生することにより、NK細胞に直接的に作用するか、またはNK細胞に間接的に作用する治療剤によるモジュレーションの影響を受けやすい可能性があるNK細胞によって特性決定される病態を有するかどうかを決定するのに有用であり得る。方法は、患者が、例えば、病態に関与する細胞の活性を間接的にモジュレートするためにNK細胞に作用することにより、例えば、サイトカインまたは他のシグナル伝達分子を産生することにより、炎症性部位の近くまたは炎症性部位中のNK細胞に作用する治療剤によるモジュレーションの影響を受けやすい可能性がある病態を有するかどうかを決定するのに有用であり得る。本明細書に記載の方法は、この方法によって個体が、炎症性部位の近くまたは炎症性部位中のNK細胞に作用する治療剤によるモジュレーションの影響を受けやすい可能性がある病態を有することが決定された場合、個体にこのような治療剤を投与することを任意選択でさらに含むことができる。
本明細書に記載されている抗体は、好ましくは、NK細胞の存在の、任意選択で、NK細胞が関与している(例えば、がん、感染症、炎症性または自己免疫障害において、疾患を寛解するのに有益な役割を有するか、または疾患の悪化において役割を有する)病態のin vitroでの検出のために使用することができる。このような方法は、典型的には、患者からの生体試料(例えば、FFPE試料、脱パラフィン化)と本発明による抗体とを接触させ、抗体および生体試料間の免疫反応からもたらされる免疫学的複合体の形成を検出することが関与する。複合体は、本発明による抗体を標識することによって直接的に、または本発明による抗体の存在を明らかにする分子(二次抗体、ストレプトアビジン/ビオチンタグなど)を加えることによって間接的に検出することができる。例えば、標識化は、抗体と放射性または蛍光タグとをカップリングすることによって達成することができる。これらの方法は当業者に周知である。したがって、本発明はまた、NKp46発現細胞(すなわち、NK細胞)の存在を検出するために、任意選択でNKp46発現細胞(すなわち、NK細胞)が存在する病態の存在を検出するために、任意選択でがんまたは他の病態をin vivoまたはin vitroで特性決定するために使用することができる診断用組成物を調製するための本発明による抗体の使用に関する。
一部の実施形態では、本発明の抗体は、がんの進行を予測するために有用である。がんの予後、がんまたはがんの進行についての予後診断は、下記の任意の1つまたは複数の予報または予測(予後診断)を提供することを含む。がんの影響を受けやすいか、もしくはがんと診断されている対象の生存の期間、再発なしの生存の期間、がんの影響を受けやすいか、もしくはがんと診断されている対象の無進行生存の期間、がんの影響を受けやすいか、もしくはがんと診断されている対象もしくは対象の群における処置に対する応答率、および/または対象における処置に続く応答の期間、応答の程度、もしくは生存。例示的な生存エンドポイントは、例えば、TTP(病勢進行までの期間)、PFS(無進行生存期間)、DOR(応答の期間)、およびOS(全生存期間)を含む。
本発明の抗体は、また一般に、対象が、NKp46発現細胞に向けられる治療剤、例えば、NKp46発現細胞を枯渇させることができる薬剤による処置に適しているかどうかを決定するために有用である。例えば、国際公開第2007/042573号パンフレットは、自己免疫障害における細胞を除去する抗NKp46抗体を使用するための方法を提供する。国際公開第2014/125041号パンフレットは、末梢性T細胞リンパ腫における細胞を除去する抗NKp46抗体を使用するための方法を提供する。別の実施形態では、治療剤は、NK細胞上のNKp46ポリペプチドに結合するか、またはモジュレートし(例えば、活性化または阻害する)、それによってNK細胞の活性をモジュレートする抗原結合性断片(例えば、抗体、本発明の抗体)である。
有利には、抗NKp46抗体は、NK細胞を検出する系統特異的成熟非依存性マーカーとして使用することができ、組織試料を分析するときに他のマーカー(すなわち、非NKp46マーカー)と組み合わせることができる。他のマーカーは、例えば、非NK細胞集団を特異的または非特異的に同定するマーカーを含むことができる。NKp46染色によって与えられる高いNK細胞特異性は、他のマーカーが系統特異的ではなく、かつNK細胞および他の細胞集団に結合することができ得るかどうかに関わらず、NK細胞が他の細胞集団から鑑別されることを可能とする。非NK細胞集団の例は、これらに限定されないが、任意の免疫細胞集団、造血幹細胞前駆体から得る任意の細胞集団、例えば、骨髄性細胞集団(単球およびマクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球/血小板、樹状細胞)、ならびにリンパ球系統(T細胞、B細胞)を含む。他のマーカーはまた、例えば、上記のいずれかの任意の亜集団を特異的または非特異的に同定するマーカー、例えば、Th1またはTh2ヘルパーT細胞、細胞毒性T細胞、サプレッサーまたは調節性T細胞、M1およびM2マクロファージ、ならびに上記のいずれかの腫瘍浸潤および/または腫瘍関連集団、例えば、腫瘍関連マクロファージを含み得る。
NKp46と組み合わせて使用することができる他のマーカーはまた、NK細胞の成熟の段階を同定する任意のマーカーを含む(すなわち、マーカーは、NK細胞の成熟の全ての段階において存在しない)。NKp46と組み合わせて使用することができるマーカーは、NK細胞の所望の亜集団、例えば、細胞毒性/顆粒NK細胞(例えば、CD16dim)、KIRにより阻害されるおよび/またはNKG2により制限されるNK細胞、調節性NK細胞(例えば、CD16dim/−)、末梢性NK細胞、組織/腫瘍を浸潤することができるNK細胞(例えば、CD56bright)、脱落膜NK細胞またはメモリーNK細胞(NKG2C+および/または他のマーカー)を同定し得る。
一実施形態では、ヒト個体からの試料内の組織浸潤ヒトNK細胞の成熟状態を評価するin vitroでの方法を提供し、前記方法は、個体からのパラフィン包埋試料を提供することと、前記試料中の組織浸潤NK細胞を、パラフィン包埋組織試料中のNKp46ポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を使用して検出することと(NK細胞系統特異的ポリペプチドの検出は、組織浸潤NK細胞の存在を示す)、前記試料中において、第2のポリペプチドを、パラフィン包埋組織試料中の第2のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を使用してさらに検出することとを含み、第2のポリペプチドは、NK細胞の成熟の段階を表す、NK細胞が発現することができるポリペプチドである。
NKp46と組み合わせて使用することができるマーカーはまた、細胞活性(活性化、阻害、増殖、細胞毒性もしくは調節性の可能性など)の特徴を示しているか、またはこれらに関連する任意のマーカーを含む。細胞活性のマーカーは、複数の細胞型、例えば、NK細胞および非NK細胞によって発現されることができ得る。NKp46との組合せは、細胞活性のマーカーが、NK細胞に局在化され、かつ/またはNK細胞から区別されることを可能とする。さらに、このようなマーカーが治療剤の直接的または間接的な標的であるとき、マーカーを有利に使用して治療への応答を予測し、かつ/またはこのような治療剤による処置のための患者を同定または選択することができる。
NKp46と組み合わせて使用することができる他のマーカーの例には、これらに限定されないが、CD56、CD16、CD4、CD8、CD3、CD32、CD27、CD40、CD64、CD163、NKG2ファミリーメンバー(例えば、NKG2D)、KIRファミリーメンバー、シグレックファミリーメンバー、CD11b、IL−23R、IL−17、CD27、CD107、CD69、CD25、OX−40(CD134)、CD161、SCFR(CD117)、GITR、NKp30、NKp44、DNAM−1、2B4(CD224)、FoxP3、CD28ファミリーの分子、例えば、CD28、CTLA−4、プログラム細胞死−1(PD−1)、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA、CD272)、および誘導性T細胞共刺激物質(ICOS、CD278);ならびにB7ファミリーに属するこれらのIgSFリガンド;CD80(B7−1)、CD86(B7−2)、ICOSリガンド、PD−L1(B7−H1)、PD−L2(B7−DC)、B7−H3、およびB7−H4(B7x/B7−S1)、または任意の他のIgSFファミリーメンバー、例えば、抗原提示分子、天然細胞毒性受容体(NKp30、NKp44)、共受容体、抗原受容体アクセサリー分子、IgSF CAM、サイトカイン受容体、例えば、インターロイキン−6受容体またはコロニー刺激因子1受容体、成長因子受容体、例えば、PDGFRまたはSCFR、c−kit、CD117抗原、受容体チロシンキナーゼ/ホスファターゼ、例えば、タイプIIaおよびタイプIIb受容体タンパク質チロシンホスファターゼ(RPTP)が含まれる。任意選択で、非NKp46ポリペプチドは、NKおよび/またはT細胞の活性化のマーカー(例えば、CD69、シグレックファミリーポリペプチド、NKp44、CD137、CD107、グランザイム−B、CD25、CD134、リボソームタンパク質S6、特にリン酸化リボソームタンパク質S6)である。任意選択で、非NKp46ポリペプチドは、NKおよび/またはT細胞によって発現されている活性化受容体(コアクチベーター受容体を含む)である(例えば、CD16、インターフェロン遺伝子の刺激物質(STING)としても公知のTMEM173、OX−40、NKG2D、NKG2E、NKG2C、KIR2DS2、DNAM−1、KIR2DS4、GITR、B7−H3、CD27、CD40、CD137、NKp30、NKp44、DNAM−1、2B4(CD224)、またはPD−1(CD279))。活性化受容体の発現を使用して、例えば、NK細胞の細胞毒性の可能性を示すことができる。任意選択で、非NKp46ポリペプチドは、抑制性NK細胞および/またはT細胞受容体(例えば、KIRファミリーメンバー、シグレックファミリーメンバー、NKG2A、TIGITまたはCD96)である。活性化受容体の発現を使用して、例えば、NK細胞阻害を示すことができる。任意選択で、非NKp46ポリペプチドは、リンパ球の疲弊、阻害または抑制に関連する。例えば、疲弊マーカーTIM−3、または免疫抑制性代謝産物の産生に関連するポリペプチド、例えば、IDO、CD39およびCD73である。任意選択で、非NKp46ポリペプチドは、細胞増殖のマーカー(例えば、Ki67)である。
本明細書における方法はまた、患者からの組織、例えば、腫瘍、炎症性部位における浸潤性免疫細胞のプロファイルを決定するのに有用であり得る。本明細書における方法はまた、このようなプロファイルを有する患者が、プロファイルによって特性決定される病態において有効である治療で処置することができるかどうかを決定するのに有用であり得る。例えば、方法を使用して、NK細胞の浸潤によって特性決定され、かつ/または正常な隣接組織中のNK細胞によって特性決定される疾患を有する患者において、患者が免疫療法剤(例えば、抗体)に対して応答するかを決定することができる。患者からの組織中の浸潤性免疫細胞のプロファイルを決定することは、抗NKp46抗体を使用してNK細胞の存在を評価すること、および非NKp46ポリペプチドに結合する抗体を使用して1個、2個、3個、4個、5個またはそれを超える他の免疫細胞集団の存在を評価することを含むことができる。例示的な集団は、骨髄性細胞集団、顆粒球、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球/血小板、樹状細胞、リンパ球系統、T細胞、およびB細胞から選択することができる。
本発明の抗体は、例えば、抗がん剤による処置前に、がんを有する対象において免疫状態を評価するために有用である。本発明の抗体はまた、例えば、抗がん剤による処置前に、がんを有する対象において腫瘍浸潤免疫細胞(例えば、腫瘍浸潤NK細胞)のタイプを評価するために有用である。抗NKp46抗体を単独でまたは他の免疫細胞マーカーと組み合わせて使用して、非NK細胞免疫細胞集団、例えば、CD4、CD8、CD3、CD11b、CD163、CD40、CD56、CD16、CD20、FoxP3などを検出して、腫瘍もしくは腫瘍微小環境において、腫瘍周辺部において、リンパ節において、または他の組織において存在する細胞のタイプおよびサブタイプを特性決定することができる。
一態様において、本発明は、がんを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、a)患者からのホルマリン処理および/またはパラフィン包埋した組織試料を提供するとと、b)抗NKp46抗体を使用して、組織試料(例えば、腫瘍組織)中のNKp46を検出すること(および任意選択で1種または複数の他のマーカー、例えば、非系統特異的マーカーをさらに検出すること)と、c)NKp46発現(任意選択で1種または複数の他のマーカーと一緒の)が試料中で検出される場合に治療剤(例えば、免疫療法剤)を患者に投与することとを含む。一実施形態では、組織試料は、がん組織またはがん隣接組織(隣接する非腫瘍状組織または正常な隣接組織とも称される)を含む。
一態様において、がん隣接組織中のNK細胞は、免疫療法応答についての好ましい予後を実現し得る。一態様において、本発明は、がんを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、a)患者からのホルマリン処理および/またはパラフィン包埋したがん組織試料およびがん隣接組織試料を提供することと、b)抗NKp46抗体を使用してがんおよびがん隣接組織試料中のNKp46を検出することと、c)NKp46発現が、がん組織試料中のがん隣接組織試料において検出された場合に治療剤(例えば、免疫療法剤)を患者に投与することとを含む。一実施形態では、免疫療法剤は、がん隣接組織NK細胞の活性をモジュレートする薬剤である。
任意選択で、これらの方法のいずれかにおいて、治療剤の投与前に免疫細胞浸潤をさらに特性決定するために、第2、第3または任意の数のさらなるマーカーを検出し得る。免疫細胞浸潤を特性決定することは、非系統特異的マーカーを使用して、1つもしくは複数の非NK細胞集団を検出することと、またはNKおよび/もしくは他の免疫細胞をさらに特性決定することを含み得る。このような特性決定は、治療剤が個体において有効である可能性が高いかどうかのより良好な評価を可能とし得る。例えば、免疫療法剤が抗腫瘍抗原抗体である場合、腫瘍浸潤または腫瘍隣接細胞毒性T細胞マーカーの存在をNK細胞に加えて検出することができるか、またはCD16の細胞上の存在および/もしくはレベルを評価することができる。別の例では、免疫療法剤が、NKおよび/またはT細胞活性を増加させるために、活性化または抑制性NKまたはT細胞受容体に結合する(または阻害剤NKもしくはT細胞受容体のリガンドに結合する)抗体である場合、NKおよびT細胞の活性化、増殖、阻害、細胞毒性の可能性、調節性の可能性(例えば、サイトカイン産生)または疲弊の1種もしくは複数のマーカーを検出することができる(NKp46に加えて)。
したがって、一態様において、本発明は、がんを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、
a)患者からのホルマリン処理および/またはパラフィン包埋したがん組織試料および/またはがん隣接組織試料を提供することと、
b)がんおよび/またはがん隣接組織試料中のNK細胞を、パラフィン包埋組織試料中のNKp46に結合する抗NKp46抗体を使用して検出することと、
c)がんおよび/またはがん隣接組織試料中の第2のポリペプチドを、パラフィン包埋組織試料中の第2のポリペプチドに結合する抗体を使用して検出することと、
d)NKp46および/または第2のポリペプチドの発現が、がんおよび/またはがん隣接組織試料中で検出される場合に治療剤(例えば、免疫療法剤)を患者に投与することと
を含む。
一実施形態では、第2のポリペプチドは、NKおよびT細胞の活性化、増殖、阻害、細胞毒性の可能性、調節性の可能性(例えば、サイトカイン産生)または疲弊の特徴を示しており、第2のポリペプチドの発現が検出される場合、治療剤を投与し、治療剤は、NKおよび/もしくはT細胞活性化受容体、NKおよび/もしくはT細胞抑制性受容体、またはNKおよび/もしくはT細胞抑制性受容体の天然リガンドに結合する抗体である。
一実施形態では、第2のポリペプチドは、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、樹状細胞、T細胞、Th1もしくはTh2ヘルパーT細胞、細胞毒性T細胞、サプレッサーもしくは調節性T細胞、M1およびM2マクロファージ、腫瘍関連マクロファージ、ならびに上記のいずれかの任意の他の腫瘍浸潤および/または腫瘍関連集団からなる群から選択される、細胞の集団または亜集団によって発現されているポリペプチドである。
本明細書における任意の実施形態の一態様では、免疫療法剤は、腫瘍浸潤および/またはがん隣接組織のNK細胞、任意選択でさらなる腫瘍浸潤および/またはがん隣接組織のT細胞の活性をモジュレートする薬剤である。一実施形態では、免疫療法剤は、腫瘍抗原に結合し、かつ腫瘍細胞に対してADCCを誘導することができる抗体である。任意選択で、免疫療法剤は、NKおよび/またはT細胞によって発現されている活性化受容体(コアクチベーター受容体を含む)(例えば、活性化受容体CD16、インターフェロン遺伝子の刺激物質(STING)としても公知のTMEM173、CD40、CD27、OX−40、NKG2D、NKG2E、NKG2C、KIR2DS2、KIR2DS4、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)、CD137、NKp30、NKp44、またはDNAM−1、2B4(CD224)に結合する(例えば、活性化する)。任意選択で、免疫療法剤は、抑制性NK細胞および/もしくはT細胞受容体、またはこのような抑制性受容体の天然リガンド(例えば、抑制性KIRファミリーメンバー、シグレックファミリーメンバー、抑制性NKG2ファミリーメンバー、KIRまたはNKG2ファミリーメンバーのHLA天然リガンド、LAG−3、PD−1(CD279)またはその天然リガンドPD−L1、TIGITもしくはCD96)に結合し、阻害する。任意選択で、免疫療法剤は、リンパ球(例えば、Tおよび/もしくはNK細胞)の疲弊、阻害または抑制に関連するポリペプチド、例えば、疲弊マーカーTIM−3、または免疫抑制性代謝産物の産生に関連するポリペプチド、例えば、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、CD39およびCD73に結合および阻害する。一実施形態では、免疫療法剤は、CD16を活性化し、任意選択で、薬剤は、FcγR(例えば、ヒトCD16)によって結合され、かつCD16を介して(例えば、NK細胞上のCD16を介して)ADCCを誘導することができるFcドメインを含む薬剤(例えば、全長IgG1抗体、二重特異的抗体)である。
一実施形態では、第2のポリペプチドは、NKおよび/またはT細胞の活性化(活性化についての可能性を含む)、増殖、阻害、細胞毒性の可能性、調節性の可能性(例えば、サイトカイン産生)または疲弊の特徴を示しているポリペプチドである。任意選択で、ポリペプチドは、系統特異的ではない。任意選択で、ポリペプチドは、IgSFスーパーファミリーのメンバーである。例えば、細胞の活性化、阻害、アネルギー/疲弊または抑制および/または増殖に関連するマーカーを検出することは、細胞の活性化、阻害、アネルギー/疲弊、抑制、および/または増殖をモジュレートする治療剤を投与することが治療上の利点であり得るという指標として有用であり得る。例えば、NKおよび/またはT細胞上の抑制性受容体の発現(例えば、高レベルの発現)は、このような抑制性受容体の活性を結合およびブロックするか、またはその天然リガンドの活性を結合およびブロックする治療剤(例えば、抗体)が個体の処置において有用であり得ることを示し得る。抑制性受容体およびそれらのリガンドの例は、例えば、抑制性KIRファミリーメンバー、抑制性シグレックファミリーメンバー、抑制性NKG2ファミリーメンバー、KIRもしくはNKG2ファミリーメンバーのHLA天然リガンド、PD−1(CD279)およびそのリガンドPD−L1およびPD−L2、TIGITまたはCD96およびこれらのリガンドCD155を含む。別の例では、腫瘍組織中のNKおよび/またはT細胞の免疫抑制に関連するタンパク質、例えば、IDO、CD39およびCD73の発現(例えば、高レベルの発現)、またはNKおよび/またはT細胞上の発現は、このような免疫抑制プロセスの活性をブロックする治療剤(例えば、抗体)が個体の処置において有用であり得、例えば、個体に投与し得ることを示し得る。例えば、遮断抗CD73抗体もしくは遮断抗CD39抗体を投与することができるか、またはIDOを阻害する化合物を投与することができる。NKおよび/またはT細胞のアネルギー/疲弊に関連するタンパク質、例えば、TIM−3の発現(例えば、高レベルの発現)、またはNKおよび/またはT細胞上の発現は、このようなアネルギー/疲弊を軽減する治療剤、例えば、TIM−3に結合およびブロックする抗体が個体の処置において有用であり得、例えば、個体に投与し得ることを示し得る。別の例では、NKおよび/またはT細胞上の活性化受容体の発現(例えば、高レベルの発現)は、このような細胞が活性化の可能性を有し、かつこのような活性化受容体の活性を結合および刺激するか、または増加させる治療剤(例えば、抗体)が個体の処置において有用であり得ることを示し得る。NKおよび/またはT細胞によって発現されている活性化の例は、CD16、インターフェロン遺伝子の刺激物質(STING)としても公知のTMEM173、OX−40、NKG2D、NKG2E、NKG2C、KIR2DS2、KIR2DS4、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)、CD137、NKp30、NKp44、またはDNAM−1、2B4(CD224)を含む。また別の例では、NK細胞上の活性化受容体であるCD16の発現(例えば、高レベルの発現)は、このような細胞が活性化の可能性を有すること、および腫瘍抗原に結合し、かつCD16が結合することができる抗体(例えば、Fcドメインを含む抗体)が個体の処置において有用であり得ることを示し得る。
任意選択で、これらの方法のいずれかにおいて、治療剤の分子標的またはその天然リガンド、任意選択で免疫療法剤の存在および/またはレベルを評価するために、第2、第3または任意の数のさらなるマーカーを検出し得る。NK−系統特異的抗NKp46抗体は、分子標的またはその天然リガンドを発現しているNK細胞が、分子標的またはその天然リガンドを発現している他の免疫細胞から区別されることを可能とする。このような情報は、個体が処置から恩恵を受ける可能性が高いかどうかを評価することを促進する。分子標的は、例えば、免疫療法剤が相互作用するタンパク質、例えば、CD16、腫瘍抗原、免疫細胞活性化または抑制性受容体などであり得る。別の例では、毒性部分に連結している抗体を含む治療剤(例えば、細胞毒性薬)の分子標的は、例えば、このような抗体−薬物コンジュゲートが結合するタンパク質、例えば、腫瘍抗原であり得る。薬剤が遮断抗体である場合、分子標的は、例えば、存在しかつ/または治療効果をもたらす可能性が高い、免疫療法剤が相互作用するタンパク質の天然リガンドであり得る。例えば、免疫療法剤が抗PD−1抗体である場合、分子標的は、腫瘍および/または浸潤性免疫細胞上のPD−L1またはPD−L2であり得る。免疫療法剤がADCC誘導抗腫瘍抗原抗体である場合、分子標的は、免疫細胞(例えば、NK細胞)上のCD16、および/または腫瘍細胞上の腫瘍抗原であり得る。
したがって、一態様において、本発明は、がんを有する患者を治療剤により処置する方法を提供し、この方法は、
a)患者からのホルマリン処理および/またはパラフィン包埋したがんおよび/またはがん隣接組織試料を提供することと、
b)がんおよび/またはがん隣接組織試料中のNK細胞を、パラフィン包埋組織試料中のNKp46に結合する抗NKp46抗体を使用して検出することと、
c)がんおよび/またはがん隣接組織試料において、治療剤および/またはその天然リガンドによって結合されるポリペプチドを、パラフィン包埋がん組織試料中の第2のポリペプチドに結合する抗体を使用して検出することと、
d)(i)NK細胞ならびに/または(ii)治療剤が結合するポリペプチド、および/もしくはポリペプチドの天然リガンドの発現が、がんおよび/またはがん隣接組織試料中で検出される場合に治療剤を患者に投与することと
を含む。一実施形態では、治療剤は、免疫療法剤である。一実施形態では、免疫療法剤は、腫瘍浸潤および/またはがん隣接組織のNK細胞、任意選択でさらなる腫瘍浸潤および/またはがん隣接組織のT細胞の活性をモジュレートする薬剤である。
任意選択で、任意の実施形態では、腫瘍におけるNK細胞(例えば、NKp46発現細胞)浸潤のレベルは、例えば、治療剤(例えば、免疫療法剤)による処置前に、患者または個体から採取した腫瘍試料中でin vitroで決定される。一実施形態では、参照レベルは、処置から、例えば、治療剤によって臨床的利点を得る患者の集団の腫瘍におけるNKp46発現NK細胞浸潤のレベルを表す値である。一実施形態では、参照レベルは、例えば、治療剤による処置から臨床的利点を得ない患者の集団の腫瘍中のNKp46発現NK細胞浸潤のレベルを表す値である。一実施形態では、参照レベルは、処置から臨床的利点を得る(または得ない)患者から処置前に採取した腫瘍試料中でin vitroで決定される。一実施形態では、参照レベルは、臨床的利点を得ない患者のものであり、処置(例えば、治療剤)を、参照レベルの少なくとも1.5倍、少なくとも2倍または少なくとも3倍であるNK細胞浸潤のレベルを有する患者に行う。
一実施形態では、腫瘍の周辺部におけるNK細胞浸潤のレベルは、例えば、治療剤(例えば、免疫療法剤)による処置前に、患者から採取した腫瘍試料中でin vitroで決定される。一実施形態では、参照レベルは、例えば、治療剤による処置から臨床的利点を得ない患者の集団の腫瘍の周辺部中のNK細胞浸潤のレベルを表す値である。一実施形態では、参照レベルは、処置から臨床的利点を得ない患者から処置前に採取した腫瘍試料の周辺部においてin vitroで決定される。一実施形態では、処置(例えば、治療剤)は、参照レベルの少なくとも1.5倍、少なくとも2倍または少なくとも3倍であるNK細胞浸潤のレベルを有する患者に投与される。
NK細胞浸潤のレベルは、任意の適切な方法によって決定することができる。例えば、NK細胞浸潤のレベルは、所与の組織、例えば、腫瘍中に存在するNK細胞の数として決定することができる。特定の実施形態では、NK細胞浸潤のレベルは、1mm2のFFPE組織切片(例えば、腫瘍生検から調製した切片)当たりのNK細胞の数によって反映される。
本発明はまた、患者におけるがんの処置のための方法を提供し、ここで、i)患者の腫瘍および/または腫瘍隣接組織中のNK細胞浸潤のレベルを、処置前にパラフィン包埋試料において決定し、ii)NK細胞浸潤のレベルを参照レベルと比較し、iii)免疫療法剤を、参照レベルと比較してより高いレベルのNK細胞浸潤(より多い数の総NK細胞または特定のNK細胞サブセット)を有する患者に投与する。腫瘍および/または腫瘍隣接組織におけるNK細胞浸潤は、本明細書において開示されている任意の方法によって決定することができる。
一実施形態では、腫瘍中のNK細胞浸潤のレベルは、処置前に患者から採取した腫瘍および/または腫瘍隣接組織試料においてin vitroで決定される。一実施形態では、参照レベルは、処置から臨床的利点を得ない患者の集団の腫瘍および/または腫瘍隣接組織中のNK細胞浸潤のレベルを表す値である。一実施形態では、参照レベルは、処置前に処置から臨床的利点を得ない患者から採取した腫瘍および/または腫瘍隣接組織試料においてin vitroで決定する。一実施形態では、免疫療法剤は、参照レベルの少なくとも1.5倍、少なくとも2倍または少なくとも3倍であるレベルのNK細胞浸潤を有する患者に投与する。
有効量の免疫療法剤を患者に投与することを含む、患者においてがんを処置する方法をさらに提供するが、ただし、処置前の患者の腫瘍および/または腫瘍隣接組織中のNK細胞浸潤のレベルは、参照レベルより高い。一実施形態では、腫瘍および/または腫瘍隣接組織におけるNK細胞浸潤のレベルは、患者から処置前に採取した腫瘍および/または腫瘍隣接組織試料においてin vitroで決定されるレベルである。一実施形態では、参照レベルは、処置から臨床的利点を得ない患者の集団の腫瘍および/または腫瘍隣接組織中のNK細胞浸潤のレベルを表す値である。一実施形態では、参照レベルは、処置から臨床的利点を得ない患者から処置前に採取した腫瘍および/または腫瘍隣接組織試料においてin vitroで決定される。一実施形態では、NK細胞浸潤のレベルは、参照レベルと比較して少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍または少なくとも3倍高い。
例えば、本発明による抗体を含む、がんのための診断または予後診断キットも包含する。任意選択で、キットは、本発明の抗体および診断または予後診断として使用するための非NKp46ポリペプチドに結合する抗体(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10またはそれを超える抗体)を含む。任意選択で、キットは、診断または予後診断として使用するための本発明の抗体および免疫療法剤を含む。前記キットは、それによって生体試料および本発明の抗体、特に前記抗体の検出を可能とする試薬間の免疫反応からもたらされる免疫学的複合体を検出する手段をさらに含むことができる。
本方法を使用することができる疾患および状態は、がん、他の増殖性障害、感染症、または免疫障害、例えば、炎症性疾患および自己免疫疾患を含む。さらに具体的には、本発明の方法は、これらに限定されないが、膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、前立腺、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺および皮膚(扁平上皮細胞がんを含む)のものを含むがん腫;リンパ球系統の造血器腫瘍、線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉細胞起源の腫瘍;黒色腫、精上皮腫、奇形がん、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む他の腫瘍;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、およびシュワン細胞腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫、および骨肉腫を含む腫瘍起源;ならびに角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞がんおよび奇形がんを含む他の腫瘍を含む、種々のがんおよび他の増殖性疾患の処置のために利用される。好ましい実施形態では、方法を使用して、結腸、黒色腫、肺、食道、胃、喉頭、腎臓、および子宮頸部からなる群から選択される腫瘍を診断または処置する。抗NKp46抗体は、腫瘍中のNK細胞、特に腫瘍または腫瘍隣接組織を浸潤しているNK細胞を検出するのに特に有用である。
特定の実施形態では、がんは、悪性NKp46発現細胞を含み、本抗体および方法を使用して細胞中のNKp46発現を検出する。本方法を使用し得るこのような疾患および状態の例は、特定のリンパ腫、例えば、CTCL、セザリー症候群、菌状息肉腫、NK−LDGL、NK/Tリンパ腫、鼻型、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、腸症関連T細胞リンパ腫(EATL)、特定不能のPTCL(PTCL−NOS)、または未分化大細胞リンパ腫(ALCL)を含む。
本抗体は、任意の数の抗体および/または他の化合物、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または任意の他の数の抗体および/または化合物、ならびに特定の実施形態では、パラフィン包埋組織試料中の免疫細胞の存在を検出するための抗体または他の診断試薬を含有し得るキット中に含めることができる。このような診断用抗体は、直接的または間接的に標識されていることが多い(例えば、これらの検出のために必要とされる試薬、例えば、緩衝液、基質と一緒に、典型的にはキット中に含まれている二次抗体を使用)。
本発明のさらなる態様および利点は、本出願の範囲を例示するものであり、これを限定するものと見なすべきではない下記の実験セクションにおいて開示する。
実施例1
免疫細胞集団上のNKp46発現
NKp46の発現を異なる細胞型上で研究し、IgSFメンバー、特に他の天然細胞毒性受容体(NCR)メンバーNKp30を含む他のNK細胞タンパク質と比較した。
手短に言えば、健康なボランティアからの100μLの新鮮な血液を、蛍光色素がコンジュゲートされた抗体のミックス(抗CD45、抗CD3、抗CD56、抗CD8、抗NKp46、抗NKp30、抗CD19、抗CD20)と共に室温で30分間インキュベートした。赤血球を分析し、メーカーの説明書によって細胞をBeckman Coulter Optilyse C試薬を使用して固定した。試料をBD FACS CANTO II上で取得し、Flowjoソフトウェアで分析した。
顆粒球は、CD45 med/SSC high細胞として定義した。単球は、CD45high/SSC med細胞として、リンパ球は、CD45high/SSC low細胞として定義した。リンパ球内でT細胞をCD3陽性細胞として同定し、CD8陽性またはCD8陰性T細胞にさらに分けた。NK細胞をCD3陰性、CD56陽性細胞として同定した。B細胞をCD3陰性、CD56陰性およびCD19/CD20陽性細胞として同定した。
CD56、NKp30およびNKp46染色は、抗CD45/CD3/CD8/CD56のミックスのみによる条件において得られるバックグラウンド染色にオーバーレイしている。
代表的なドナーについての結果を図1および2に示す。
図2に示すように、NKp46およびNKp30は両方ともNK細胞に高度に特異的であったが、顆粒球、単球、B細胞またはT細胞の染色を伴わない。他方、CD56は、総CD3T細胞の6%を表すサブセットT細胞上に発現した。興味深いことに、図1(下の2つのパネル)に示すように、NKp46は、CD56brightを含む全てのNK細胞上に存在し、NKp46陽性細胞の11.1%を表し(図1、右下のパネル、ボックスは、CD56brightサブセットを示す)、一方でNKp30はCD56brightサブセット上で欠けていた(図1、左下のパネル)。2つの主要なNK細胞サブセットは、それぞれCD56brightCD16dim/−およびCD56dimCD16+である。CD56brightNK細胞サブセットは末梢血中で数値的に少数であるが、二次リンパ組織中および腫瘍組織中でNK細胞の大部分を構成する。これらは豊富なサイトカイン産生株であり、一般に活性化前に単に弱く細胞毒性であるが、活性化によって強く細胞毒性となることができる。したがって、NKp46は、CD56brightサブセットを含むNK細胞を検出する単一のマーカーを提供する。
実施例2
ホルマリンで固定され、パラフィンに包埋された(FFPE)試料上のNKp46免疫組織化学(IHC)染色のためのモノクローナル抗体の生成
Raji−huNKp46LowおよびRaji−huNKp46Highの選択
Raji−huNKp46細胞を、ヒトNKp46によるRaji細胞系の形質導入によって生じさせた。これらの形質導入された細胞のサブクローニング後、2つの異なる発現レベルHighおよびLowを伴う2つのクローン集団を選択した。図3は、Raji−huNKp46Low、High、およびNKp46を内因的に発現するNK/Tリンパ腫の細胞系であるSNK6上の、PEがカップリングした抗NKp46モノクローナル抗体(Bab281、Beckman Coulter)による免疫蛍光染色後にフローサイトメトリーによって得た平均蛍光強度を例示する。PEがカップリングしたアイソタイプ対照は、予想通りに染色しなかった。
細胞固定、パラフィン包埋および切片化
およそ20*106個の細胞を集め、PBS、1×中で洗浄し、遠心分離後にチューブ中でペレット化する。細胞をマイクロ波で事前加熱した2滴のhistogel(Microm Microtech)と混合し、次いで冷蔵庫に入れ、histogelを凝固させる。凝固した細胞ペレットをカセット中に入れ、ホルマリン中で2時間固定する。PBS、1×中での洗浄後、カセットを、試料の脱水のためにOttix shaper浴(Diapath)において、次いで試料の含浸のためにOttix plus浴においてインキュベートする。次いで、カセットをパラフィン(60℃で事前加熱)中で45分間(3回)インキュベートする。包埋ステーションAP280(Microm Microtech)を使用して細胞ペレットをパラフィン中に包埋する。パラフィンブロックを、ミクロトーム(Microm Microtech)を使用して5μm厚さの切片に切断する。これらの切片を水浴上で40℃において広げ、次いでスライド上に置く。スライドを乾燥器において60℃で乾燥させ、次いで免疫組織化学染色まで室温で貯蔵する。
免疫化およびスクリーニング
3匹のBALB/c雌性マウス(12週齢)を、所内で産生されたhuNKp46−Fc組換えタンパク質で免疫化した(3回の50μgの腹腔内注射+1回の10μgの静脈内の最終ブースト)。これらのマウスの2匹の脾臓を収集し、骨髄腫細胞系(X63−Ag8−656)と融合させ、ハイブリドーマを生じさせた。細胞をメチルセルロース半固形培地中に蒔いた。次いで、ハイブリドーマコロニーを液体培地中で手操作によって取った。ハイブリドーマ上清(SN)を最初に良好なIgGの産生能力について評価した。次いで、およそ400個のハイブリドーマSNをFFPE細胞ペレット(Raji、Raji−huNKp46Low、Raji−huNKp46High)上でIHCによって下記のIHC条件を伴って直接的にスクリーニングした。アンマスキング、pH8、30分間、37℃で1時間の純粋なSNのインキュベーション、DiscoveryXTオートマトン(Ventana)上の抗マウスIgG OmniMap、16分による顕色である。並行して、ハイブリドーマ細胞を、それに続く、マウスIgG1フォーマットにおける陽性ヒットのVHおよびVKクローン化のためにRNA抽出緩衝液中で凍結した。生じた異なる抗体(Ab)をFFPE細胞ペレット(Rajiトランスフェクタント+NKp46を内因的に発現するSNK6)およびヒト脾臓(アンマスキング、pH8、30分間、5μg/mlおよび10μg/mlでのAbのインキュベーション、細胞上で1時間、組織上で2時間、37℃、OmniMap、16分による顕色)上で再び検証した。8E5−BクローンがFFPE試料中のNKp46を染色する最良の候補として選択された(特異的染色、およびバックグラウンド染色なし)。その特異性をR&Dからのポリクローナル抗NKp46AbによるNKp46の免疫蛍光共染色と比較した。染色を同じオートマトン上で2つの異なる部位(同じ試薬、異なるバッチ)において検証し、NKp46を発現している異なる組織(脾臓、リンパ節、子宮内膜、胎盤、回腸および結腸)上で試験した。さらに、染色を手操作による方法で検証した。
実施例3
FFPE NK/Tリンパ腫試料上のNKp46のIHC染色についての8E5−Bの試験
10個のホルマリン固定したパラフィン包埋(FFPE)NK/Tリンパ腫試料を8E5−B抗体によってNKp46発現について評価した。IHC染色は、手操作による方法で行った。アンマスキングは、PTLinkモジュール(Dako)においてEDTA緩衝液pH8(Thermo Scientific)によって37℃で30分間行った。内因性ペルオキシダーゼ、次いで非特異的結合部位を、それぞれ3%H2O2(PBS、1×中で希釈)で3×10分間およびPBS、1×中で希釈した5%ヤギ血清で1時間、ブロックした。試料を、PBS、1×中の5μg/mlで希釈した8E5−Bと共に室温で2時間インキュベートした。8E5Bは、室温で16分間にわたるenvisionキット(Dako)で明らかになり、それに続いて5分のDABインキュベーションを行った。細胞核をヘマトキシリンで10秒間にわたり対比染色した。試験した10個の試料のうち9個は、NKp46染色について陽性であった(弱〜強)。対応するアイソタイプ対照による染色はクリーンであった。
実施例4
凍結された試料上の8E5−B NKp46のIHC染色
8E5−B抗体を、凍結された試料上でNKp46のIHC染色について評価し、BD Pharmingenからの9E2参照抗体と比較した。凍結された細胞ペレット(Raji、Raji−huNKp46LowおよびSNK6)およびヒト脾臓切片上で両方の抗体を試験した。手短に言えば、切片を5μg/mlの8E5−B、9E2またはアイソタイプ対照と共に室温で1時間インキュベートした。染色は、HRPがカップリングした二次抗体(DakoからのEnvisionキット)/DAB基質によって明らかになった。試験した両方の抗体は、強度において匹敵するNKp46特異的染色を与えた。
実施例5
フローサイトメトリーによる8E5−B NKp46染色
8E5−B抗体をフローサイトメトリーによってNKp46染色について評価した。Raji−huNKp46細胞を用量範囲の8E5−B(30μg/ml、12のポイントにおいて1/3段階希釈)と共に4℃で45分インキュベートした。染色は、APCがカップリングした抗マウスIgG二次抗体によって明らかになった。結果は、フローサイトメトリーによって8E5−BがNKp46に結合することを示したが、FFPE中に存在するエピトープが細胞培養物中の細胞上に存在し続けることを示す。
実施例6
ウエスタンブロットによる8E5−B NKp46結合
ヒトNKp46−His組換えタンパク質(100ng、50ngおよび10ng)をSDS−PAGE12%ゲル上に還元条件下で充填した。次いで、ゲルをImmobilon−P膜(Millipore、IPVH00010)上に移した。膜を5%BSA、TBS−Tween0.05%緩衝液で1時間飽和させた。8E5B抗体を1μg/mlで使用し、染色を1時間行った。次いで、膜をTBS−Tween緩衝液で3回洗浄した。二次抗体、ヤギ抗マウス−HRP(Bethyl、A90−131P)を、2.5%BSA、TBS−Tween0.05%緩衝液(1/5000)中に希釈し、膜上へ1時間インキュベートした。次いで、膜をTBS−Tween緩衝液で3回洗浄した。次いで、膜を顕色溶液(Bio−Rad、170−5070)と共に1分間インキュベートし、Gel Imager(Bio−Rad)を使用してシグナルを読んだ。huNKp46−Hisタンパク質を、8E5B抗体を使用してウエスタンブロットによって検出した。