JP6945232B2 - ポリオレフィン系樹脂積層フィルム - Google Patents
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Description
しかしながら、延伸ポリエステルフィルムとフッ素系樹脂はいずれも耐熱性は高いが、フッ素系樹脂は剥離性が大きいため、これら2者を単に積層しただけでは剥離が起こりやすい。そこで、このような欠点を克服するため、通常、これらの2層間にポリエステル系の接着剤を塗布し乾燥させた接着剤層を介在させる。
しかしながら、これらの技術はいずれも塗布剤を使用する点で、先に述べた残留溶剤に関する問題がある。
また、本発明は積層フィルムの全体の厚さを薄くできるとともに、接着強度が大きく層間の剥離強度や耐熱安定性に優れ、柔軟で取り扱い性の良好な、キャストフィルム等に好適な積層フィルムを提供することを目的とする。
(1)ポリエステルからなる基材層、非晶質ポリプロピレンからなる中間層、及びポリメチルペンテンからなる表面層をこの順で含み、
ポリエステルからなる基材層と非晶質ポリプロピレンからなる中間層との間にポリプロピレン樹脂ラミネート用アンカーコート剤の層を有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(2)非晶質ポリプロピレンからなる中間層が、完全非晶質ポリプロピレン及び結晶質ポリプロピレンからなることを特徴とする上記(1)に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(3)非晶質ポリプロピレンからなる中間層が低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする上記(1)に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(4)ポリメチルペンテンからなる表面層及び/又は非晶質ポリプロピレンからなる中間層がポリプロピレン樹脂用加工性改質剤を含むことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルムである。
(5)キャリアフィルムとして用いられる、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、剛性が高いため凹凸や艶消し模様が型崩れせず正確な賦形、転写が可能で、また、表面の粘着性が低くキャストによる得られる製品フィルムのキャリアフィルムからの剥離抵抗が少なく、例えばキャリアフィルムから製品フィルムの剥離を容易に行うことができる。
更に、本発明のポリオレフィン系樹脂積層フィルムは、薄膜化が可能で柔軟性に富み取り扱い性が良好で、また耐熱安定性に優れ寸法変化率が小さい積層フィルムを提供することが可能である。
なお、本発明においてフィルムとは、JIS Z 0108で規定される、厚さが0.25mm未満のプラスチックの膜状のものに限らず、いわゆるシートとよばれるJIS Z 0108で規定される、厚さが0.25mm以上の薄い板状のものも含まれる。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させることにより、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体を形成させ、次いで、これを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合させても構わない。
基材層としてのポリエステルフィルムの成形方法は特に限定されず、通常知られている方法が採用できるが、キャスト成形法あるいは押出成形法が好ましい。押出成形法により作製したフィルムはそのまま、あるいは延伸してから用いてもよいが、強度、耐熱性、透明性、厚み精度等に優れている点で、2 軸延伸フィルムが好ましい。
フィラーの含有量も特に限定されず、目的に応じて適量を配合すればよいが、通常はポリエステル100重量部に対して0.0003〜1重量部が好適であり、より好ましくは0.0005〜0.1重量部である。
基材層としてのポリエステル層の厚さは、通常5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、10〜30μmが更に好ましい。ポリエステル層の厚さが5μmより薄くなると取扱い性が低下し、一方、200μmより厚くなると厚さ精度が低下する傾向がある。
完全非晶質ポリプロピレンとしては、住友化学株式会社製のタフセレンX1102(比重:0.855)などがある。但し、これらは粘着性が高く、取扱い性や押出加工性に難があるため、これらにポリエチレンあるいは結晶質ポリプロピレンを10重量%程度配合したものとして、タフセレンT3712、同T3722、同T3522(以上三者の比重:0.860)などが使用できる。また、同社のタフセレンOM269は、完全非晶質ポリプロピレンに結晶質ポリプロピレンを20重量%配合したものであり好適に使用できる。
中間層である非晶質ポリプロピレンは、基材層であるポリエステル層の上に押出ラミネートによって形成することができる。非晶質ポリプロピレンはポリエステルとの相溶性が良く、接着剤を使用しなくても押出ラミネートによって強い接着強度を得ることができる。
中間層である非晶質ポリプロピレン層へのポリメチルペンテンの積層は、接着剤を使用しなくてもポリメチルペンテンの押出ラミネートによって高い界面剥離強度が可能となる。
非晶質ポリプロピレンにおけるポリプロピレン樹脂用改質剤の使用量は、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。
尚、上記ポリプロピレン樹脂用改質剤は、表面層のポリメチルペンテンにも使用することができる。ポリメチルペンテンにおけるポリプロピレン樹脂用改質剤の使用量は、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは10〜15重量%である。
サンプルフィルムから積層時の機械方向(流れ方向)、又は幅方向(横方向)に長い200mm×25mmの短冊形サンプルを切り出し、温度20℃、相対湿度65%の恒温室に24時間保管した後、引張試験機(島津製作所製オートグラフ)で剥離速度100mm/分、角度180度で剥離することにより測定した。
サンプルフィルムから50cm×50cmのサンプルを切り出し、150℃の空気中で5分又は30分間放置し、機械方向(流れ方向)(MD)および幅方向(横方向)(TD)方向の寸法変化率を測定した。測定結果を表1、表2に示す。
尚、比較のために、TPX(三井化学株式会社製、ポリメチルペンテン単層フィルム オピュランX−44B)及びPET(フタムラ化学株式会社製、2軸延伸ポリエステルフィルム)についても同様に評価した。
幅約40cm、厚さ25μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(フタムラ化学株式会社製)を基材層として用い、この基材層の表面にコロナ処理を施してから、ポリプロピレン樹脂ラミネート用アンカーコート剤(ユニチカ株式会社製、アローベースDB4010J2)を塗布し、乾燥、厚み約0.3μmとした。その表面に、タフセレンOM269[住友化学株式会社製、完全非晶質ポリプロピレンに結晶質ポリプロピレンを20重量%配合(比重:0.860)]に株式会社カネカ製ポリプロピレン樹脂用加工性改質剤045N(MFR3、d0.89)を10重量%配合して押出ラミネートすることにより、非晶質ポリプロピレンの層を形成した。ラインスピードは40m/分、プレスロールのプレス圧力は0.5MPaで、ラミネート厚さは10μmであった。
更にその上にポリメチルペンテン(三井化学株式会社製TPX)を厚さ15μmで押出ラミネートし、3層(アンカーコート剤層を入れると4層)からなる積層フィルムを得た。得られた積層フィルム全体の厚さは50μm(アンカーコート剤層を入れると50.3μm)であった。
得られた積層フィルムについて、上記の方法でポリエステル基材層とポリメチルペンテン表面層との層間剥離強度を測定したところ、機械方向、幅方向ともに1000g/25mm以上であった。また、得られた積層フィルムは、表1、表2に示すように、耐熱安定性が高く(加熱時の寸法変化率が小さく)、厚さが薄く取扱い性が良好で、キャリアフィルムとしての優れた物性を備えていた。
実施例1において、ポリプロピレン樹脂用加工性改質剤として日本ポリプロピレン株式会社製ポリプロピレン樹脂用加工性改質剤ウエイマックスMFX6を同量用いた他は、実施例1と同様に操作した。
得られた積層フィルムについて、ポリエステル基材層とポリメチルペンテン表面層との層間剥離強度を測定したところ、機械方向、幅方向ともに1000g/25mm以上であった。また、得られた積層フィルムは、表1、表2に示すように、耐熱安定性が高く、厚さが薄く取扱い性が良好で、キャリアフィルムとしての優れた物性を備えていた。
実施例1において、中間層として、タフセレンX1102[住友化学株式会社製完全非晶質ポリプロピレン(比重:0.855)に低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製TOSOH−HMS12S59B)を20重量%配合したもの(比重:0.862)]を用いた他は、実施例1と同様に操作した。
得られた積層フィルムについて、ポリエステル基材層とポリメチルペンテン表面層との層間剥離強度を測定したところ、機械方向、幅方向ともに1000g/25mm以上であった。また、得られた積層フィルムは、表1、表2に示すように、耐熱安定性が高く、厚さが薄く取扱い性が良好で、キャリアフィルムとしての優れた物性を備えていた。
幅約40cm、厚さ38μmの2軸延伸ポリエステルフィルム (フタムラ化学株式会社製) を基材層として用い、この基材層にコロナ処理を施してから、線状超低密度ポリエチレン(LLDPE)(東ソー株式会社製LUMITAC08L51A、密度0.898) をL/ D22、50mmφ、ダイス幅400mmの押出機を用いて樹脂温度280℃で前記2軸延伸ポリエステルフィルムの表面に押出ラミネートすることにより、線状超低密度ポリエチレンフィルムからなる中間層を形成した。ラインスピードは30m/分、プレスロールのプレス圧力は0.5MPaで、ラミネート厚さは20μmであった。
得られたラミネートフィルムについて、上記の方法で2軸延伸ポリエステルフィルム基材層と線状超低密度ポリエチレンフィルム中間層の層間剥離強度を測定したところ、機械方向で450g/25mm、幅方向で470g/25mmであった。
得られた積層フィルムの線状超低密度ポリエチレンフィルム中間層とポリプロピレンフィルム表面層の層間剥離強度は、機械方向、幅方向ともに1000g/25mm以上であって、キャリアフィルムとして十分に使用に耐える接着強度であったが、実施例1〜3と比較すると、積層フィルム全体の厚さが約25μm大きく、取扱い性に若干問題を残すものであった。
また、得られた積層フィルムは、中間層に線状超低密度ポリエチレンを使用しているため、表1、表2に示すように、「150℃で5分」、「150℃で30分」の耐熱安定性テストで剥離を生じ、正確な寸法変化率を測定できなかった。
基材層として、幅約40cm、厚さ38μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(フタムラ化学株式会社製)を用い、この基材層にコロナ処理を施してから、第1中間層として線状超低密度ポリエチレン(LLDPE)(東ソー株式会社製LUMITAC08L51A、密度0.898)をL /D 22、50mmφ、ダイス幅400mmの押出機を用いて樹脂温度280℃で前記2軸延伸ポリエステルフィルムの表面に押出ラミネートすることにより、線状超低密度ポリエチレンフィルムからなる第1中間層を形成した。ラインスピードは30m/分、プレスロールのプレス圧力は0.5MPaで、ラミネート厚さは20μmであった。
得られた2層積層フィルムについて、上記の方法で2軸延伸ポリエステルフィルム基材層と線状超低密度ポリエチレンフィルム第1中間層との層間剥離強度を測定したところ、機械方向で450g /25mm、幅方向で470g /25mmであった。
また、得られた積層フィルムは、中間層に線状超低密度ポリエチレンを使用しているため、表1、表2に示すように、「150℃で5分」、「150℃で30分」の耐熱安定性テストで剥離を生じ、正確な寸法変化率を測定できなかった。
Claims (5)
- ポリエステルからなる基材層、非晶質ポリプロピレンからなる中間層、及びポリメチルペンテンからなる表面層をこの順で含み、
ポリエステルからなる基材層と非晶質ポリプロピレンからなる中間層との間にポリプロピレン樹脂ラミネート用アンカーコート剤の層を有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂積層フィルム。 - 非晶質ポリプロピレンからなる中間層が、完全非晶質ポリプロピレン及び結晶質ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
- 非晶質ポリプロピレンからなる中間層が低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
- ポリメチルペンテンからなる表面層及び/又は非晶質ポリプロピレンからなる中間層がポリプロピレン樹脂用加工性改質剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
- キャリアフィルムとして用いられる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂積層フィルム。
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