以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる磁気共鳴イメージング装置を説明する。
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す図である。図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、架台11、寝台13、傾斜磁場電源21、送信回路23、受信回路25、寝台駆動装置27、シーケンス制御回路29及びホストPC50を有する。
架台11は、静磁場磁石41と傾斜磁場コイル43とを有する。静磁場磁石41と傾斜磁場コイル43とは架台11の筐体に収容されている。架台11の筐体には中空形状を有するボアが形成されている。架台11のボア内には送信コイル45と受信コイル47とが配置される。
静磁場磁石41は、中空の略円筒形状を有し、略円筒内部に静磁場を発生する。静磁場磁石41としては、例えば、永久磁石、超伝導磁石または常伝導磁石等が使用される。ここで、静磁場磁石41の中心軸をZ軸に規定し、Z軸に対して鉛直に直交する軸をY軸に規定し、Z軸に水平に直交する軸をX軸に規定する。X軸、Y軸及びZ軸は、直交3次元座標系を構成する。
傾斜磁場コイル43は、静磁場磁石41の内側に取り付けられ、中空の略円筒形状に形成されたコイルユニットである。傾斜磁場コイル43は、傾斜磁場電源21からの電流の供給を受けて傾斜磁場を発生する。より詳細には、傾斜磁場コイル43は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対応する3つのコイルを有する。当該3つのコイルは、X軸、Y軸、Z軸の各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を形成する。X軸、Y軸、Z軸の各軸に沿う傾斜磁場は合成されて互いに直交するスライス選択傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Gp及び周波数エンコード傾斜磁場Grが所望の方向に形成される。スライス選択傾斜磁場Gsは、任意に撮像断面を決めるために利用される。位相エンコード傾斜磁場Gpは、空間的位置に応じてMR信号の位相を変化させるために利用される。周波数エンコード傾斜磁場Grは、空間的位置に応じてMR信号の周波数を変化させるために利用される。なお、以下の説明においてスライス選択傾斜磁場Gsの傾斜方向はZ軸、位相エンコード傾斜磁場Gpの傾斜方向はY軸、周波数エンコード傾斜磁場Grの傾斜方向はX軸であるとする。
傾斜磁場電源21は、シーケンス制御回路29からのシーケンス制御信号に従い傾斜磁場コイル43に電流を供給する。傾斜磁場電源21は、傾斜磁場コイル43に電流を供給することにより、X軸、Y軸及びZ軸の各軸に沿う傾斜磁場を傾斜磁場コイル43により発生させる。当該傾斜磁場は、静磁場磁石41により形成された静磁場に重畳されて被検体Pに印加される。
送信コイル45は、例えば、傾斜磁場コイル43の内側に配置され、送信回路23から電流の供給を受けて高周波磁場パルス(以下、RF磁場パルスと呼ぶ)を発生する。
送信回路23は、被検体P内に存在する対象プロトンを励起するためのRF磁場パルスを送信コイル45を介して被検体Pに印加するために、送信コイル45に電流を供給する。RF磁場パルスは、対象プロトンに固有の共鳴周波数で振動し、対象プロトンを励起させる。励起された対象プロトンから磁気共鳴信号(以下、MR信号と呼ぶ)が発生され、受信コイル47により検出される。送信コイル45は、例えば、全身用コイル(WBコイル)である。全身用コイルは、送受信コイルとして使用されても良い。
受信コイル47は、RF磁場パルスの作用を受けて被検体P内に存在する対象プロトンから発せられるMR信号を受信する。受信コイル47は、MR信号を受信可能な複数の受信コイルエレメントを有する。受信されたMR信号は、有線又は無線を介して受信回路25に供給される。図1に図示しないが、受信コイル47は、並列的に実装された複数の受信チャネルを有している。受信チャネルは、MR信号を受信する受信コイルエレメント及びMR信号を増幅する増幅器等を有している。MR信号は、受信チャネル毎に出力される。受信チャネルの総数と受信コイルエレメントの総数とは同一であっても良いし、受信チャネルの総数が受信コイルエレメントの総数に比して多くても良いし、少なくても良い。
受信回路25は、励起された対象プロトンから発生されるMR信号を受信コイル47を介して受信する。受信回路25は、受信されたMR信号を信号処理してデジタルのMR信号を発生する。デジタルのMR信号は、空間周波数により規定されるk空間にて表現することができる。よって、以下、デジタルのMR信号をk空間データと呼ぶことにする。k空間データは、有線又は無線を介してホストPC50に供給される。
なお、上記の送信コイル45と受信コイル47とは一例に過ぎない。送信コイル45と受信コイル47との代わりに、送信機能と受信機能とを備えた送受信コイルが用いられても良い。また、送信コイル45、受信コイル47及び送受信コイルが組み合わされても良い。
架台11に隣接して寝台13が設置される。寝台13は、天板131と基台133とを有する。天板131には被検体Pが載置される。基台133は、天板131をX軸、Y軸、Z軸各々に沿ってスライド可能に支持する。基台133には寝台駆動装置27が収容される。寝台駆動装置27は、シーケンス制御回路29からの制御を受けて天板131を移動する。寝台駆動装置27は、例えば、サーボモータやステッピングモータ等の如何なるモータ等を含んでも良い。
シーケンス制御回路29は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。シーケンス制御回路29は、通信IF61を介してホストPC50から供給されるパルスシーケンス情報に基づいて傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、当該パルスシーケンス情報に応じたパルスシーケンスを実行して被検体PをMR撮像し、被検体Pに関するk空間データを収集する。
図1に示すように、ホストPC50は、処理回路51、記憶回路53、表示回路55、入力回路57、ネットワークIF59及び通信IF61を有するコンピュータ装置である。
処理回路51は、ハードウェア資源として、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)、MPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路51は、各種プログラムの実行により再構成機能511、画像処理機能513、パルスシーケンス生成機能515及びシステム制御機能517を有する。なお再構成機能511、画像処理機能513、パルスシーケンス生成機能515及びシステム制御機能517を実現する特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されても良い。再構成機能511、画像処理機能513、パルスシーケンス生成機能515及びシステム制御機能517は、単一の基板に実装されても良いし、複数の基板に分散されても良い。
再構成機能511において処理回路51は、k空間データに再構成処理を実行して再構成画像を生成する。再構成処理としては、具体的には、FFT(Fast Fourier Transfer)等が用いられる。
画像処理機能513において処理回路51は、再構成画像に種々の画像処理を施す。例えば、処理回路51は、ボリュームレンダリングや、サーフェスレンダリング、画素値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の画像処理を施す。
パルスシーケンス生成機能515において処理回路51は、種々の撮像パラメータ等に基づいてパルスシーケンス情報を生成する。生成されたパルスシーケンス情報は、シーケンス制御回路29に供給され、当該パルスシーケンス情報に基づくパルスシーケンスが実行される。また当該パルスシーケンス情報は、記憶回路53に記憶される。
システム制御機能517において処理回路51は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の全体を制御する。例えば、処理回路51は、記憶回路53に記憶された制御プログラムに従い各部を制御して本実施形態に係るMR撮像を実行する。
記憶回路53は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、記憶回路53は、CD−ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、記憶回路53は、k空間データや制御プログラム等の各種プログラムを記憶する。
表示回路55は、種々の情報を表示する。例えば、表示回路55は、再構成機能511により生成された再構成画像や、画像処理機能513により画像処理された画像等を表示する。表示回路55は、表示インタフェースと表示機器とを有する。表示インタフェースは、表示対象を表すデータを映像信号に変換する。映像信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表す映像信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
入力回路57は、具体的には、入力機器と入力インタフェースとを有する。入力機器は、ユーザからの各種指令を受け付ける。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ、タッチスクリーン、タッチパッド等が利用可能である。入力インタフェースは、入力機器からの出力信号をバスを介して処理回路51に供給する。なお、入力回路57は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、磁気共鳴イメージング装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を種々の回路へ出力するような電気信号の処理回路も入力回路の例に含まれる。
ネットワークIF59は、LAN(Local Area Network)等を介して磁気共鳴イメージング装置1と、ワークステーションやPACS(Picture Archiving and Communication System)、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)等とを接続するインタフェースである。ネットワークIFは、各種情報を接続先のワークステーション、PACS、HIS及びRISとの間で送受信する。
通信IF61は、有線又は無線を介してホストPC50にシーケンス制御回路29と受信回路25とを接続するインタフェースである。例えば、通信IF61は、シーケンス制御回路29にパルスシーケンス情報を送信する。また、通信IF61は、受信回路25からk空間データを受信する。
なお、上記の構成は一例であって、これに限定されない。例えば、シーケンス制御回路29は、ホストPC50に組み込まれても良い。また、シーケンス制御回路29と処理回路51とが同一の基板に実装されても良い。シーケンス制御回路29、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25は、ホストPC50とは異なる単一の制御装置に実装されても良いし、複数の装置に分散して実装されても良い。
以下、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の動作例について説明する。本実施形態に係るMR撮像は、2次元空間であるスライス又は3次元空間であるボリュームを時系列でMR撮像して時系列の複数のフレームに関するk空間データを収集するダイナミック撮像を対象とする。本実施形態に係るk空間充填方式は、カーテシアン(Cartesian)法であるとする。しかしながら、本実施形態に係るk空間充填方式はこれに限定されず、ラディアル(Radial)法やスパイラル(Spinal)法、その他の如何なる方法であっても良い。
2次元撮像の場合、k空間は、位相エンコード傾斜磁場Gpによる位相エンコードに対応する空間周波数kyと周波数エンコード傾斜磁場Grによる周波数エンコードに対応する空間周波数kxとの直交2次元空間に規定される。3次元撮像の場合、k空間は、空間軸kyと空間軸kxとスライス選択傾斜磁場Gsによるスライスエンコードに対応する空間軸kzとの直交3次元空間に規定される。本実施形態に係るフレームは、1枚の再構成画像を生成するために必要な一揃いのk空間データのセットを指す。以下、説明を具体的に行うため、本実施形態に係るMR撮像は、ボリュームを対象とする3次元撮像であるとする。また、本実施形態に係る3次元MR撮像に関するk空間充填法は、位相エンコードステップ及びスライスエンコードステップの組合せ毎にデータ収集を行うカーテシアン法であるとする。
図2は、本実施形態に係る3次元のk空間の一例を示す図である。図2に示すように、3次元のk空間は、kx軸、ky軸及びkz軸により規定される。k空間データのサンプリング点は、複数のk空間部分領域に区分される。複数のk空間部分領域は、ky−kz平面の原点PO(ky=kz=0)を共通の中心軸に有する円筒形状の中心領域RCと辺縁領域REとに区分される。中心領域RCは、k空間の原点POを含む局所的なk空間部分領域である。中心領域RCは、再構成画像全体のコントラストに対して支配的である。例えば、中心領域RCは、再構成画像のコントラストの略90%に影響する領域に設定される。辺縁領域REは、k空間の中心領域RC以外のk空間部分領域である。辺縁領域REは、再構成画像のエッジ部分に対して支配的である。例えば、辺縁領域RCは、再構成画像のコントラストの残りの略10%に影響する領域に設定される。辺縁領域REは、更に複数の辺縁部分領域REnに区分される。ここでnは辺縁部分領域の個数を示す自然数である。図2において辺縁領域REは3つの辺縁部分領域RE1、RE2及びRE3に区分されているが、辺縁部分領域REnの個数は3つに限定されず、1以上であれば幾つでも良い。
上記の通り、中心領域RCは、再構成画像全体のコントラストに対して支配的であるため、MR撮像における再構成画像のコントラストを与える時刻は、例えば、k空間の中心領域RC内の1つのサンプリング点あるいは予め定められた複数のサンプリング点のk空間データを収集した時刻(以下、データ収集時刻と呼ぶ)に対応付けることができる。複数のサンプリング点を収集した時刻に対応づける場合は、例えば、それらの平均時刻に対応づける。k空間部分領域のデータ収集時刻は、当該k空間部分領域を構成する複数のサンプリング点のうちの如何なるサンプリング点のk空間データを収集した時刻に規定されても良い。より詳細には、データ収集時刻は、時間的に最初、中間又は最後等の任意順のサンプリング点に関するk空間データを収集した時刻に規定されても良いし、位置的に中心や端部等の任意位置にあるサンプリング点に関するk空間データを収集した時刻に規定されても良いし、その他の任意のサンプリング点のデータ収集時刻に規定されても良い。例えば、中心領域RCのデータ収集時刻は、ky−kz平面の原点PO、すなわち、ky=kz=0に関するk空間データを収集した時刻に規定される。以下、各フレームにおけるk空間部分領域に関するk空間データを収集する順番を収集タイミングと呼び、特に、中心領域RCに関するk空間データを収集する順番を中心領域収集タイミングと呼ぶことにする。
中心領域収集タイミングは、時系列の複数のフレーム間において固定されるのが通常である。図2の場合、k空間が中心領域RC、辺縁部分領域RE1、辺縁部分領域RE2及び辺縁部分領域RE3の4領域に分割されているが、時系列の複数のフレーム間において、中心領域収集タイミングは、所定番目に固定されているのが通常である。各フレームにおいて中心領域RCに関するk空間データが最後に収集される収集順序を、本実施形態ではセンタ・ラスト(Center-Last)、中心領域RCに関するk空間データが最初に収集される収集順序を本実施形態ではセンタ・ファースト(Center-First)と呼ぶことにする。
図3は、センタ・ファースト方式を用いたダイナミック撮像による中心領域収集タイミングTCの推移を模式的に示す図である。図3に示すように、ダイナミック撮像により時系列の複数のフレームFRに関するk空間データが収集される。センタ・ファースト方式である場合、各フレームFRの始めに中心領域に関するk空間データが収集されることとなる。ここで、時間的に隣接する中心領域収集タイミングTC間の時間間隔TICをコントラスト時間分解能と呼び、時間的に隣接するフレーム中心時刻TFC間の時間間隔TIFをフレーム時間分解能と呼ぶことにする。なおフレーム中心時刻TFCは、各フレームFRのデータ収集期間における中心時刻を示す。センタ・ファースト方式のように複数のフレームFRに亘り各フレームFR内の中心領域収集タイミングTCが同一である場合、コントラスト時間分解能とフレーム時間分解能とが同一となる。例えば、センタ・ファースト方式において、4フレームの撮像時間が14秒である場合、フレーム時間分解能とコントラスト時間分解能とは同一の3.5秒/フレームとなる。
本実施形態に係るシーケンス制御回路29は、時系列の複数のフレーム間においてk空間データの収集順序が異なるパルスシーケンスを実行する。これにより、k空間データの収集量を削減することなく、コントラスト時間分解能をフレーム時間分解能よりも意図的に早めたり或いは遅めたりすることができ、コントラスト時間分解能を自在に調整することができる。以下、コントラスト時間分解能を早めるダイナミック撮像をダイナミックブースト撮像と呼ぶことにする。
図4は、本実施形態に係るダイナミックブースト撮像における中心領域収集タイミングTCの推移を模式的に示す図である。図4に示すように、シーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御してダイナミックブースト撮像を実行し、時系列の複数のフレームFRに関するk空間データを収集する。ダイナミックブースト撮像においてシーケンス制御回路29は、時系列の複数のフレームFR間において、収集データ量を変えること無く、中心領域収集タイミングSCを段階的に早める。例えば、図4に示すように、ダイナミックブースト撮像が行われる時間区間は4フレーム分である。また、k空間は、図2のように中心領域RC、辺縁部分領域RE1、辺縁部分領域RE2及び辺縁部分領域RE3の4領域に分割されているとする。この場合、一番目(最初)のフレームFR1の中心領域収集タイミングTCが4番目、二番目のフレームFR2の中心領域収集タイミングTCが3番目、三番目のフレームFR3の中心領域収集タイミングTCが2番目、四番目(最後)のフレームFR4の中心領域収集タイミングTCが1番目に設定される。この際、全フレームFR1、FR2、FR3及びFR4において中心領域RC、辺縁部分領域RE1、辺縁部分領域RE2及び辺縁部分領域RE3の全4領域についてデータ収集が行われる。このように複数のフレームFR間において全k空間部分領域についてk空間データを収集しつつ、中心領域収集タイミングSCを段階的に早めることにより、k空間データの収集量を減少させること無くコントラスト時間分解能をフレーム時間分解能よりも短くすることができる。
図4に示すように、4フレームの撮像時間が14秒である場合、フレーム時間分解能は3.5秒/フレームであるのに対し、コントラスト時間分解能は2.5秒/フレーム程度となる。このようにダイナミックブースト撮像を行うことにより、血流や心臓等の動きのある対象を高時間分解能で撮像することができるので、時系列の再構成画像に含まれる動き起因のアーチファクトを低減することができる。
以下、本実施形態に係るダイナミックブースト撮像に関する磁気共鳴イメージング装置1の動作例を説明する。なお、以下の動作例の説明においてパルスシーケンスは3次元のカーテシアン法であるものとする。
図5は、処理回路51のシステム制御機能517のもとに行われるダイナミックブースト撮像に係る典型的な処理の流れを示す図である。図5に示すように、まず処理回路51は、パルスシーケンス生成機能515を実行する(ステップS1及びS2)。
パルスシーケンス生成機能515において処理回路51は、まず、ダイナミックブースト撮像を行う時間区間(以下、ブースト区間と呼ぶ)を設定する(ステップS1)。例えば、処理回路51は、ユーザによる入力回路57を介したブースト区間の指定を受け付ける。ブースト区間は、例えば、14秒間等の時間長(以下、ブースト時間と呼ぶ)で指定されても良いし、4フレーム等のフレーム数で指定されても良いし、撮像開始10秒後から24秒後まで、あるいは9時10分00秒から9時10分14秒まで等のように期間で指定されても良いし、その他の態様で指定されても良い。処理回路51は、入力回路57を介してブースト区間の値が指定された場合、指定された値をブースト区間に設定する。なお、処理回路51は、撮像部位や造影条件等に応じて自動的にブースト区間を決定しても良い。また、ブースト区間は予め決定されていても良い。
ステップS1が行われると処理回路51は、ステップS1において設定されたブースト区間に応じたコントラスト時間分解能を実現するパルスシーケンス情報を生成する(ステップS2)。本実施形態に係るパルスシーケンスは、グラジェントエコー(GRE:Gradient Echo)シーケンスとスピンエコー(SE:Spin Echo)シーケンスとの何れにも適用可能である。また、何れのパルスシーケンスにもインバージョンリカバリー(IR:Inversion Recovery)パルスや脂肪飽和パルス等のプリパレーションパルスを挿入しても良い。また、k空間の充填方式として位相エンコード毎に充填する方式だけでなく、エコープラナ−(EPI:Echo Planar Imaging)を用いても良い。
ステップS2において処理回路51は、例えば、ブースト区間のフレーム数とk空間部分領域の個数とに基づいて各フレームにおけるk空間データの収集順序を決定する。具体的には、処理回路51は、ブースト区間に属する時系列の複数のフレーム間において中心領域の中心領域収集タイミングが段階的に早まるように、ブースト区間に属する時系列の複数のフレーム各々について複数のk空間部分領域の収集タイミングを決定する。以下、ステップS2の処理を詳細に説明する。
具体的には、まず、処理回路51は、ブースト区間に属する時系列の複数のフレームについて中心領域収集タイミングを決定する。より詳細には、フレームの収集時刻(時相)が時間的に後方であるほど中心領域収集タイミングが時間的に前方に位置するように、各フレームの中心領域収集タイミングを決定する。例えば、フレーム数が4フレームでありk空間部分領域が4個である場合、中心領域収集タイミングは、図4に示すように、第1のフレームにおいては4番目、第2のフレームにおいては3番目、第3のフレームにおいては2番目、第4のフレームにおいては1番目に設定する。
次に処理回路51は、各辺縁部分領域の収集タイミングを各フレームについて決定する。各辺縁部分領域の収集タイミングは、任意の規則に従い決定されれば良い。例えば、中心領域、第1の辺縁部分領域、第2の辺縁部分領域及び第3の辺縁部分領域各々の収集タイミングが複数のフレームに亘り循環するように、各フレームの各k空間部分領域の収集タイミングが決定されれば良い。このように各k空間部分領域の収集タイミングを決定することにより、処理回路51は、時系列の複数のフレームに亘り中心収集タイミングが段階的に早まるように各フレームのk空間データの収集順序を決定することが可能になる。
上記の例においては、k空間部分領域を一単位として中心領域収集タイミングが決定されるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。処理回路51は、エンコードステップ(収集ライン)単位で中心領域収集タイミングが決定されても良い。この場合、処理回路51は、フレーム数とエンコードステップ数(スライスエンコードステップ数及び位相エンコードステップ数)とに基づいて各フレームにおけるk空間データの収集順序を決定する。
各フレームの中心領域収集タイミングは、最初のフレームの中心領域収集タイミングと最後のフレームの中心領域収集タイミングとの差分をフレーム数で除した値だけ、最初のフレームから最後のフレームにかけて時間的に前方にシフトされる。最初のフレームの中心領域収集タイミングは特に限定されないが、時間的に後方であるほどコントラスト分解能を高めることが可能である。例えば、フレーム数が4フレームであり、スライスエンコードステップ数が256、位相エンコードステップ数が512である場合、256×512=131072のステップ数がある。最初のフレームの中心領域収集タイミングが131072番目であり、最後のフレームの中心領域収集タイミングが1番目であるとした場合、例えば、第2のフレームにおいては中心領域収集タイミングが87381番目、第3のフレームにおいては中心領域収集タイミングが43690番目に設定される。
中心領域収集タイミング以外の他のエンコードステップについては、任意の順番(番号)に設定可能である。例えば、また、空間周波数が原点に近いエンコードステップの収集タイミングほど中心領域収集タイミングに順番が近くなるようにエンコードステップの順番が設定されると良い。kzとkyとの何れか一方が0で他方が非0のエンコードステップは、再構成画像のコントラストに比較的大きく寄与するので、中心領域収集タイミングに近い順番に設定されると良い。このように各エンコードステップの順番を決定することにより、時系列の複数のフレームに亘り中心領域収集タイミングが段階的に早まるように各フレームの中心領域収集タイミングを設定することができる。
なお、k空間部分領域単位で中心領域収集タイミングを決定する方法と、エンコードステップ単位で中心領域収集タイミングを決定する方法とが組み合わされても良い。例えば、処理回路51は、始めに、各フレームのk空間部分領域の収集タイミングを決定し、その後、各k空間部分領域を充填するためのエンコードステップの順番を決定しても良い。
上記の通り、ダイナミックブースト撮像のパルスシーケンスにプリパレーションパルスが組み込まれても良い。プリパレーションパルスの効果を得るためには、プリパレーションパルスの印加から所定時間経過後に中心領域に関するk空間データを収集する必要がある。処理回路51は、この制約の中で各フレームに関するk空間データの収集順序を決定する。
例えば、プリパレーションパルスの制約を考慮した収集順序は次のように決定される。まず、処理回路51は、上記の通り、ブースト区間のフレーム数とエンコードステップ数とに基づいて、プリパレーションパルスによる制約無しの中心領域収集タイミング(理想の中心領域収集タイミングと呼ぶ)を決定する。
次に、処理回路51は、各フレームのパルスシーケンスに、所定の規則に従い複数のプリパレーションパルスの印加時刻を設定する。処理回路51は、各プリパレーションパルスの印加時刻から所定時間経過後に所定の時間枠を設定する。プリパレーションパルスの効果を高めるためには、何れかのプリパレーションパルスに対応する時間枠内に中心領域収集タイミングを設定する必要がある。処理回路51は、設定された複数の時間枠の何れか一つの時間枠内に理想の中心領域収集タイミングが含まれるか否かを判定する。当該時間枠内に理想の中心領域収集タイミングが含まれる場合、処理回路51は、当該理想の中心領域収集タイミングを最終的な中心領域収集タイミングに設定する。当該複数の時間枠の何れか一つの時間枠内に理想の中心領域収集タイミングが含まれない場合、処理回路51は、理想の中心領域収集タイミングに一番近い時間枠内の任意の位置を最終的な中心領域収集タイミングに設定する。換言すれば、処理回路51は、中心領域収集タイミングをプリパレーションパルスの印加時刻から所定時間経過後の所定時間枠内に限定しつつ、時系列の複数のフレーム間において中心領域収集タイミングを段階的に前方にシフトさせる。
最終的な中心領域収集タイミングが設定されると、処理回路51は、各フレームのパルスシーケンスに、他のk空間部分領域の収集タイミングを設定する。このようにして各フレームのk空間データの収集順序が決定される。これにより、プリパレーションパルスの効果を維持しつつコントラスト時間分解能を高めたパルスシーケンスを生成することができる。
ステップS2が行われると処理回路51は、シーケンス制御回路29にダイナミックブースト撮像を行わせる(ステップS3)。ステップS3においてシーケンス制御回路29は、ステップS2おいて生成されたパルスシーケンス情報に基づいて傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、当該パルスシーケンスによるダイナミックブースト撮像を行う。ダイナミックブースト撮像により時系列の複数のフレームに関するk空間データが受信回路25により収集される。k空間データは、フレーム毎に記憶回路53に記憶される。
図6は、記憶回路53によるk空間データの記憶態様を模式的に示す図である。図6に示すように、記憶回路53は、時系列の複数のフレームの各々についてk空間データと中心領域収集タイミングと中心領域収集時刻とを関連付けて記憶する。中心領域収集タイミングは、例えば、当該中心領域収集タイミングに対応するエンコードステップの番号により規定される。中心領域収集時刻としては、例えば、シーケンス制御回路29が使用しているDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)のタイムスタンプが利用される。シーケンス制御回路29は、例えば、中心領域収集タイミングに対応するエンコードパルスを印加したときのDICOMタイムスタンプ又は中心領域収集タイミングに対応するMR信号を受信したときのDICOMタイムスタンプを、当該中心領域収集タイミングのタイムスタンプとして記録する。記録されたタイムスタンプは、対応する中心領域収集タイミングとフレーム番号と共に受信回路25に伝送される。受信回路25は、伝送された中心領域収集タイミングとタイムスタンプとフレーム番号とを、受信したMR信号に基づくk空間データに関連付けて記憶回路53に伝送する。記憶回路53は、受信回路25から伝送されたk空間データに、当該中心領域収集タイミングとタイムスタンプとフレーム番号とを関連付けて記憶する。例えば、入力回路57を介したユーザからの表示指示に従い表示回路55は、各フレームに関する中心領域収集タイミングと中心領域収集時刻とを表示することができる。
ステップS3が行われると処理回路51は、再構成機能511を実行する(ステップS4)。再構成機能511において処理回路51は、ステップS3において収集された時系列の複数のフレームに関するk空間データに基づいて時系列の複数の再構成画像を生成する。記憶回路53は、各フレームの再構成画像を、当該フレームの中心領域収集タイミングの順番と中心領域収集時刻とに関連付けて記憶する。
ステップS4が行われると処理回路51は、ステップS4において生成された時系列の複数の再構成画像を表示回路55に表示する(ステップS5)。表示回路55は、時系列の複数の再構成画像を動画像として順番に表示しても良いし、静止画として並べて表示しても良い。また、例えば、入力回路57を介したユーザからの表示指示に従い表示回路55は、各フレームに関する再構成画像と共に、当該フレームに関する中心領域収集タイミングの順番と中心領域収集時刻とを表示しても良い。
以上により、ダイナミックブースト撮像に係る典型的な処理が終了する。
本実施形態に係るダイナミックブースト撮像は、複数のフレーム間において中心領域収集タイミングを段階的にシフトすることによりコントラスト時間分解能を高めている。従ってブースト区間が長時間に亘る場合、ブースト区間の長期化に伴いフレーム数が増大するので、コントラスト時間分解能の向上度合いが弱まる。従って、MR撮像時間が長い場合、一部の時間区間に限定してブースト区間が設定されても良い。
図7は、本実施形態に係る長時間に亘るダイナミック撮像における中心領域収集タイミングの推移を模式的に示す図である。図7に示すように、パルスシーケンス生成機能515において処理回路51は、例えば、入力回路57を介したユーザの指示に従い又は自動的に、ブースト区間と、当該ブースト区間に先行する第1の固定区間と、当該ブースト区間に後行する第2の固定区間とを設定する。第1及び第2の固定区間は、k空間データの収集順序が複数フレーム間において固定される時間区間である。第1の固定区間と第2の固定区間とのk空間の収集順序は任意に設定可能である。例えば、第1の固定区間からブースト区間を介して第2の固定区間に至るまで中心領域収集タイミングが滑らかに移行するため、第1の固定区間においてセンタ・ラスト方式が設定され、第2の固定区間においてセンタ・ファースト方式が設定され、ブースト区間においてセンタ・シフト方式が設定される。センタ・シフト方式においては、前述の通り、中心領域収集タイミングが最終ステップから開始ステップまで等間隔で段階的にシフトされる。
ブースト区間の開始タイミングは、予め定められても良い。例えば、第1の固定区間、ブースト区間及び第2の固定区間各々の撮像時間が予め処理回路51のパルスシーケンス生成機能515により定められても良い。第1の固定区間、ブースト区間及び第2の固定区間各々の撮像時間は、ユーザによる入力回路57を介した指示に従い任意の値に設定可能である。
表示回路55は、ブースト機能のON及びOFFを指示するユーザインタフェースを表示しても良い。以下、当該ユーザインタフェースを利用したMR造影撮像について、肝臓造影ダイナミック撮像を臨床例に挙げて説明する。なおブースト機能は、ブースト区間における複数のフレーム間において、前述のように中心領域収集タイミングを段階的に早める機能を指す。
図8は、肝臓造影ダイナミック撮像における造影相の推移を示す図である。図8に示すように、肝臓造影ダイナミック撮像では、癌細胞等の病変を呈する肝臓を造影するために造影剤が注入される。造影剤としては、特に限定されないが、例えば、ガドリニウムとキレート剤とを含む細胞外液性造影剤が用いられる。細胞外液性造影剤のキレート剤としては、ガドリニウムをキレートするためのDTPA(diethylenetriamine pentaacetic acid)等が用いられる。また、造影剤は細胞外液性造影剤に限定されず、例えば、肝特異性造影剤が用いられても良い。肝特異性造影剤は、ガドリニウムとDTPAと肝細胞への取り込みに優れたEOB(エトキシベンジル:ethoxybenzyl)とを含む造影剤である。
本実施形態に係る造影相は、被検体Pに造影剤を注入してからの時間を、被検体P内を流れる造影剤による造影コントラストが顕著である人体部位に対応付けて示した時相である。例えば、静脈から造影剤を注入した場合、造影相は、造影剤注入から遅延時間を待って動脈優位相、門脈優位相、平衡相、肝細胞相へと順番に遷移する。本実施形態においては、造影剤の急激な流入が生じる動脈優位相と門脈優位相との全区間又は一部期間にブースト区間が設定される。
図9は、本実施形態に係る表示回路55により表示される、ブースト機能のON及びOFFを指示するユーザインタフェースの表示画面I1の一例を示す図である。表示画面I1は、例えば、シーケンス制御回路29によりダイナミック撮像が実行されている期間において表示回路55により表示される。図9に示すように、表示画面I1は、造影剤注入経過時間の表示欄R1、ブースト時間の表示欄R2、ブーストONボタンR3及びブーストOFFボタンR4を含む。表示欄R1には、造影剤注入開始時刻からの経過時間が表示回路55により表示される。表示欄R2には、予め設定されたブースト時間が表示回路55により表示される。ブーストONボタンR3は、ブースト機能の開始を指示するためのボタンである。ブーストOFFボタンR4は、ブースト機能の実行時においてブースト機能の強制終了を指示するためのボタンである。
例えば、シーケンス制御回路29は、造影剤の注入開始から遅延時間が経過したことを契機として、k空間データの収集順序を固定したダイナミック撮像を実行する。ユーザは、ダイナミック撮像により得られた時系列の再構成画像や表示欄R1に表示された造影剤注入経過時間を観察しながら、ブースト機能の開始タイミングをうかがう。ブーストONボタンがユーザ等により押下されたことを契機としてシーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、ブースト時間に亘りダイナミックブースト撮像を行う。ダイナミックブースト撮像により得られた時系列の再構成画像は表示回路55により表示される。このように、例えば、造影剤の急激な流入が生じる時間区間にブースト時間を設定することにより、造影剤の流れをコントラスト時間分解能で観察することができる。
ブースト時間が経過すると、シーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御してダイナミックブースト撮像を終了する。ダイナミックブースト撮像の終了後、シーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、k空間データの収集順序が固定されたダイナミック撮像を実行する。当該ダイナミック撮像により得られた時系列の再構成画像についても表示回路55により表示される。
ダイナミックブースト撮像の実行時においてブーストOFFボタンR4がユーザ等により押下された場合、シーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、ブースト機能を終了し、k空間データの収集順序を固定したダイナミック撮像を実行する。この際、シーケンス制御回路29は、ブースト機能を終了した後、ダイナミック撮像を実行せずにMR撮像を終了しても良い。
上記の説明においてダイナミック撮像は、3次元状に配列された複数のボクセルから構成されるボリュームを対象とするボリューム撮像であるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、本実施形態に係るダイナミックブースト撮像は、複数のスライスから構成されるボリュームを対象とするマルチスライス撮像であっても良い。
図10は、本実施形態に係るマルチスライス撮像における中心領域収集タイミングの推移を模式的に示す図である。図10の(a)は、k空間におけるマルチスライスを示す図である。図10の(b)は、各フレームにおける中心領域収集タイミングを模式的に示す図である。図10に示すように、パルスシーケンス生成機能515において処理回路51は、時間的に後方のフレームであるほど中心領域収集タイミングが時間的に前方にシフトするように、各フレームの全スライスについて中心領域収集タイミングを設定する。このようなマルチスライス撮像は、例えば、心臓の造影マルチスライス撮像に対して利用できる。
具体的には、処理回路51は、フレーム毎に複数のk空間部分領域間の収集順序と複数のスライス間の収集順序とを決定する。例えば、フレーム毎の複数のk空間部分領域間の収集順序は、中心領域については中心領域収集タイミングがセンタ・ラストからセンタ・ラストに移行するように設定され、複数の辺縁部分領域については循環的に設定されると良い。複数のスライス間の収集順序は、複数のフレームに亘り固定されても良いし、任意に変更されても良い。次に処理回路51は、1番目の収集順のk空間部分領域を全てのスライスについて規定の収集順序でデータ収集し、2番目の収集順のk空間部分領域を全てのスライスについて規定の収集順序でデータ収集し、3番目の収集順のk空間部分領域を全てのスライスについて規定の収集順序でデータ収集し、4番目の収集順のk空間部分領域を全てのスライスについて規定の収集順序でデータ収集するように、全フレームの全スライスについてk空間部分領域の収集順序を決定する。決定されたパルスシーケンス情報は、記憶回路53に記憶される。
例えば、k空間部分領域が中心領域(「中心」と略す)、第1の辺縁部分領域(「辺縁1」と略す)、第2の辺縁部分領域(「辺縁2」と略す)及び第3の辺縁部分領域(「辺縁3」と略す)に区分され、ボリュームが5枚のスライスから構成されるものとする。複数のスライス間の収集順序は、複数のフレームに亘り固定されており、第1スライス、第2スライス、第3スライス、第4スライス及び第5スライスの順番で収集されるとする。この場合、フレーム1については、辺縁3(第1スライスから第5スライス)→辺縁2(第1スライスから第5スライス)→辺縁1(第1スライスから第5スライス)→中心(第1スライスから第5スライス)の順番にデータ収集される。フレーム2については、辺縁2(第1スライスから第5スライス)→辺縁1(第1スライスから第5スライス)→中心(第1スライスから第5スライス)→辺縁3(第1スライスから第5スライス)の順番にデータ収集される。フレーム3については、辺縁1(第1スライスから第5スライス)→中心(第1スライスから第5スライス)→辺縁3(第1スライスから第5スライス)→辺縁2(第1スライスから第5スライス)の順番にデータ収集される。フレーム4については、中心(第1スライスから第5スライス)→辺縁3(第1スライスから第5スライス)→辺縁2(第1スライスから第5スライス)→辺縁1(第1スライスから第5スライス)の順番にデータ収集される。
シーケンス制御回路29は、設定されたパルスシーケンス情報に従い傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御することにより、フレーム時間分解能に比してコントラスト時間分解能を高めたマルチスライス撮像を実行することが可能になる。具体的には、シーケンス制御回路29は、時間的に後方のフレームであるほど中心領域収集タイミングが時間的に前方にシフトするように、各フレームの全スライスについてデータ収集を実行する。
なお、上記の説明において処理回路51は、時間的に後方のフレームであるほど中心領域収集タイミングが時間的に前方にシフトするように、各フレームの全スライスについて中心領域収集タイミングを設定するとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、処理回路51は、時間的に後方のフレームであるほど中心領域収集タイミングが時間的に後方にシフトするように、各フレームの全スライスについて中心領域収集タイミングを設定することも可能である。これにより、マルチスライスのダイナミック撮像においてもコントラスト時間分解能を意図的に低下させることができる。
上記の説明においてダイナミックブースト撮像は、カーテシアン法を用いるものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、本実施形態に係るダイナミックブースト撮像は、カーテシアン法とラディアル法とを併用した3次元スタック・オブ・スターズ(Stack-of-Stars)法でも良い。3次元スタック・オブ・スターズ法は、スライス方向についてはカーテシアン法と同様にスライスエンコードが行われ、位相方向及び周波数方向により規定されるスライスについてはラディアル法と同様に放射状の収集ライン(スポーク)に沿ってデータ収集を行う様に位相エンコードと周波数エンコードとを組み合わせる。本実施形態に係るシーケンス制御回路29は、時系列の複数のフレーム間において中心スライスの収集タイミングが異なるように3次元スタック・オブ・スターズ法のパルスシーケンスを実行する。
図11は、本実施形態に係る3次元スタック・オブ・スターズ法を用いたダイナミックブースト撮像における中心スライスの収集タイミングの推移を模式的に示す図である。図11において1フレームは、5枚のスライスSL1、SL2、SL3、SL4及びSL5から構成されるボリュームVOのk空間データセットであるとする。各スライスSL1、SL2、SL3、SL4及びSL5に割り当てられた数字は、各スライスSL1、SL2、SL3、SL4及びSL5のスライスエンコードステップ番号を示す。図11に示すように、複数のフレーム間において中心スライスSL3のスライスエンコードステップ番号が5から1に段階的に変化する、すなわち、中心スライスSL3のスライスエンコードステップ番号が時間的に早められる。これにより、スライス方向に関するコントラスト分解能が、フレーム分解能に比して向上する。
なお、ブースト区間に他の撮像技法を併用して更に時間分解能を向上させても良い。例えば、シーケンス制御回路29は、ブースト区間において間引きデータ収集を行っても良い。間引きデータ収集は、k空間の全てのサンプリング点についてデータ収集を行うのではなく、一部のサンプリング点についてのみデータ収集を行う技法である。本実施形態に係る間引きデータ収集法としては、ビューシェアリング法(view-sharing)、パラレルイメージング法、部分フーリエ法及び圧縮センシング法が適用可能である。シーケンス制御回路29は、ブースト区間におけるビューシェアリング法、パラレルイメージング法、部分フーリエ法及び圧縮センシング法の加速率を、固定区間における加速率に比して上昇させるようにデータ収集を実行する。これによりブースト区間におけるコントラスト時間分解能及びフレーム時間分解能を、固定区間に比して更に向上させることができる。
以下、間引きデータ収集法としてビューシェアリング法を用いる場合について説明する。ビューシェアリング法は、複数のフレーム間においてk空間データを共有する手法である。本実施形態においては、ビューシェアリング法の一つとしてキーホールイメージング(keyhole imaging)が適用可能である。
図12は、本実施形態に係るキーホールイメージングを模式的に示す図である。図12においては、k空間が、原点から辺縁に向かい5つのk空間部分領域、すなわち、中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1、第2の辺縁部分領域RE2、第3の辺縁部分領域RE3及び第4の辺縁部分領域RE4に分割されている。中心領域RCと第1の辺縁部分領域RE1とが低周波数領域に属し、第2の辺縁部分領域RE2、第3の辺縁部分領域RE3及び第4の辺縁部分領域RE4が高周波数領域に属する。すなわち、低周波数領域は、中心領域RCよりも広い範囲に設定される。低周波数領域と高周波数領域とは予め設定される。「〇」はデータ収集を行うことを示し、「×」はデータ収集を行わないことを示し、「△」はk空間データの複製を示す。なお、図12においては分かり易さのためky方向のみ図示しているが、kx方向についても同様に低周波数領域と高周波数領域とが予め設定されているものとする。
図12に示すように、フレーム1は、ブースト区間の時間的に前方のフレームであるとし、フレーム2、フレーム3及びフレーム4は、ブースト区間内のフレームであるとする。ブースト区間の前段においてシーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、フレーム1について低周波数領域と高周波数領域とを含む全k空間部分領域RC、RE1、RE2、RE3及びRE4をデータ収集する。ブースト区間においてシーケンス制御回路29は、ダイナミックブースト撮像にキーホールイメージングを適用する。具体的には、ブースト区間においては低周波数領域に属する中心領域RC及び第1の辺縁部分領域RE1のみがデータ収集され、高周波数領域に属する第2の辺縁部分領域RE2、第3の辺縁部分領域RE3及び第4の辺縁部分領域RE4がデータ収集されない。この際、低周波数領域に属する中心領域RCのk空間データの収集順序が時間経過に伴い前方にシフトするように、ブースト区間のフレーム2、フレーム3及びフレーム4間において低周波数領域のk空間データの収集順序が変化する。
ブースト区間のフレーム2、フレーム3及びフレーム4について画像再構成を行う際、処理回路51は、フレーム1の高周波数領域のk空間データをフレーム2、フレーム3及びフレーム4において共有するビューシェアリングを行う。すなわち、処理回路51は、フレーム1の高周波数領域の実測のk空間データを複製(コピー)し、複製したk空間データをフレーム2、フレーム3及びフレーム4の高周波数領域に充填することにより、当該フレームのk空間データセットを生成する。その後、処理回路51は、当該フレームのk空間データセットに基づいて再構成画像を生成する。
なお、上記の説明において、全k空間部分領域についてデータ収集が行われるフレーム1は、ブースト区間の前段にデータ収集が行われるものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。当該フレーム1は、ブースト区間の後段にデータ収集が行われても良いし、ブースト区間内にデータ収集が行われても良い。
このようにキーホールイメージングにおいては低周波数領域のみデータ収集が行われるので、ダイナミックブースト撮像にキーホールイメージングを適用することにより、低周波数領域に加え高周波数領域についてもデータ収集を行う場合に比してフレーム時間分解能及びコントラスト時間分解能を更に向上させることができる。
上記の間引きデータ収集は、高周波数領域についてデータ収集を行わないキーホールイメージングを例に挙げた。しかしながら、本実施形態に係る間引きデータ収集は、これに限定されない。例えば、本実施形態に係る間引きデータ収集は、高周波数領域についてデータ収集が行われても良い。このような応用的な間引きデータ収集法としては、TRICKS(time-resolved imaging with contrast kinetics)やDISCO(differential subsampling with cartesian ordering)、TWIST(time-resolved imaging with stochastic trajectories)種々の方法が利用可能である。
図13は、本実施形態に係る応用的な間引きデータ収集を模式的に示す図である。図13においてはフレーム1、フレーム2及びフレーム3がブースト区間に属するものとする。シーケンス制御回路29は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を同期的に制御し、フレーム1、フレーム2及びフレーム3間において、低周波数領域については毎フレームに亘りデータ収集を行い、高周波数領域については間引きデータ収集を行う。フレーム1、フレーム2及びフレーム3に亘り高周波数領域に属する第2の辺縁部分領域RE2、第3の辺縁部分領域RE3及び第4の辺縁部分領域RE4が順番にデータ収集される。
具体的には、図13に示すように、フレーム1に関し、中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1及び第4の辺縁部分領域RE4がデータ収集される。中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1及び第4の辺縁部分領域RE4の3領域のうち中心領域RCが最後にデータ収集される。フレーム2に関し、中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1及び第3の辺縁部分領域RE3がデータ収集される。中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1及び第3の辺縁部分領域RE3の3領域のうち中心領域RCが中間にデータ収集される。フレーム3に関し、中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1及び第2の辺縁部分領域RE2がデータ収集される。中心領域RC、第1の辺縁部分領域RE1及び第2の辺縁部分領域RE2の3領域のうち中心領域RCが最初にデータ収集される。
各フレームについて画像再構成を行う場合、処理回路51は、データ収集していないk空間部分領域のk空間データを、データ収集した他のフレームの同一のk空間部分領域から流用して画像再構成を行う。例えば、フレーム1の場合、辺縁部分領域RE4がデータ収集され、辺縁部分領域RE3及びRE2がデータ収集されていない。辺縁部分領域RE3はフレーム2でデータ収集され、辺縁部分領域RE2はフレーム3でデータ収集される。処理回路51は、フレーム2の辺縁部分領域RE3のk空間データを複製してフレーム1の辺縁部分領域RE3に充填し、フレーム3の辺縁部分領域RE2のk空間データを複製してフレーム1の辺縁部分領域RE3に充填し、フレーム1の全k空間部分領域のk空間データを揃える。そして処理回路51は、フレーム1の全k空間部分領域のk空間データにFFT等の再構成法を施して再構成画像を生成する。
このように、間引きデータ収集を行いつつ複数のフレーム間において中心領域のデータ収集タイミングを段階的に早めることにより、コントラスト時間分解能を更に早めることができる。また、間引きデータ収集とビューシェアリング法とを併用することにより、高周波数領域に関する画質を保持しつつ高コントラスト時間分解能で撮像を行うことができる。また、上記のキーホールイメージングとは異なり、時間的に近接するフレームのk空間部分領域のk空間データを流用するので、流用するデータの時間的不一致を減少させることができる。
エンコードステップの強度の変更順序を指す。例えば、位相エンコードステップ毎に2次元データ収集を行うカーテシアン法である場合、位相エンコードステップの強度の変更順序が、本実施形態に係る収集順序に対応する。例えば、位相エンコードステップ及びスライスエンコードステップ毎に3次元データ収集を行うカーテシアン法である場合、位相エンコードステップ及びスライスエンコードステップの強度の変更順序が、本実施形態に係る収集順序に対応する。
上記の説明の通り、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、シーケンス制御回路29と処理回路51とを有する。シーケンス制御回路29は、時系列の複数のフレーム間においてk空間データの収集順序が異なるパルスシーケンスを実行して、当該複数のフレームに関するk空間データを時系列で収集する。処理回路51は、複数のフレームに関するk空間データに基づいて時系列の複数の再構成画像を生成する。
上記の構成によれば、k空間データの収集順序をフレーム間で変更するのみでコントラスト時間分解能を自在に調節できる。
かくして、上記述べた少なくとも1以上の実施形態によれば、収集データ量を減少させることなく時間分解能を調節することが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。