《第一実施形態》
以下、図面を参照して、本発明の圧縮機の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態の圧縮機1は、複数のインペラ112を備える一軸多段式の遠心圧縮機(多段遠心圧縮機)である。本実施形態の圧縮機1は、図1及び図2に示すように、ケーシング2と、バンドル10と、規制部18と、を備えている。
なお、以下では、後述するロータ11の軸線Oが延びている方向を軸方向Daとする。軸線Oを基準にした径方向を単に径方向Drとする。この軸線Oに対して垂直な径方向Drのうち、図1及び図2の紙面上下方向を鉛直方向Dvとする。また、軸線Oに対して垂直な径方向Dr及び軸方向Daであって、図1及び図2の左右方向を水平方向Dhとする。また、軸線Oを中心とするロータ11周りの方向を周方向Dcとする。
ケーシング2は、バンドル10を外周側から覆うように配置されている。ケーシング2は、後述するロータ11の軸線Oと同一に配置される中心軸を中心として、両端が開口された筒状をなしている。筒状のケーシング2は、鉛直方向Dvの上方の上半ケーシング21と、鉛直方向Dvの下方の下半ケーシング22(図2参照)とを有している。
上半ケーシング21は、軸線Oと直交する断面が、軸線Oを中心とする半円環状をなして軸方向Daに延びている。上半ケーシング21は、バンドル10が嵌まり込むように、鉛直方向Dvの下方に向いて開口している。これにより、上半ケーシング21は、内部に収容されたバンドル10の外周面を上方から覆っている。本実施形態の上半ケーシング21は、図2に示すように、周方向Dcの両端に水平方向Dhに延びるフランジが形成されている。上半ケーシング21は、上半ケーシング分割面211を周方向Dcの両端に有する。上半ケーシング分割面211は、ケーシング2が鉛直方向Dvの上下に分割される際の一方の分割面である。上半ケーシング分割面211は、径方向Dr及び軸方向Daに広がる平面である。つまり、上半ケーシング分割面211は、鉛直方向Dvの下方を向く水平面である。
下半ケーシング22は、軸線Oと直交する断面が、軸線Oを中心とする半円環状をなして軸方向Daに延びている。下半ケーシング22は、バンドル10が嵌まり込むように、鉛直方向Dvの上方に向いて開口している。これにより、下半ケーシング22は、内部に収容されたバンドル10の外周面を下方から覆っている。本実施形態の下半ケーシング22は、周方向Dcの両端に水平方向Dh延びるフランジが形成されている。下半ケーシング22は、下半ケーシング分割面221を周方向Dcの両端に有する。下半ケーシング分割面221は、ケーシング2が鉛直方向Dvの上下に分割される際の他方の分割面である。下半ケーシング分割面221は、径方向Dr及び軸方向Daに広がる平面である。つまり、下半ケーシング分割面221は、鉛直方向Dvの上方を向く水平面である。また、図1にしめすように、下半ケーシング22は、ケーシング2の内部へ圧縮すべきプロセスガス(流体)を供給する吸込ポート23と、ケーシング2の内部から圧縮されたプロセスガスを排出する吐出ポート24と、を有している。
バンドル10は、ケーシング2内に収容されている。本実施形態のバンドル10は、ロータ11と、軸受部12と、複数のダイヤフラム13と、複数のヘッド14と、ヘッドシール部15と、連通隙間シール部16と、締結部17とを有している。バンドル10では、ロータ11、軸受部12、複数のダイヤフラム13、複数のヘッド14、ヘッドシール部15、連通隙間シール部16、及び締結部17は一体をなして移動可能な状態とされている。
ロータ11は、軸線Oを中心として回転可能とされている。ロータ11は、軸線Oを中心として軸方向Daに延びているロータ軸111と、ロータ軸111とともに回転する複数のインペラ112と、を有している。
インペラ112は、ロータ軸111の外周面に固定されている。インペラ112は、ロータ軸111とともに回転することによって遠心力を利用してプロセスガスを圧縮する。インペラ112は、ロータ軸111に対して軸方向Daに複数段設けられている。インペラ112は、ディスクと、ブレードとを備えた、いわゆるオープン型のインペラである。
軸受部12は、軸線Oを中心としてロータ軸111を回転可能に支持している。軸受部12は、後述するヘッド14に固定されている。軸受部12は、ロータ軸111の両端にそれぞれ設けられた一対のジャーナル軸受121と、ロータ軸111の一端に設けられたスラスト軸受122と、を有している。
一対のジャーナル軸受121は、ロータ軸111に作用する径方向Drへの荷重を受ける役割を果たすものである。これらジャーナル軸受121は、ボルト等の着脱可能な固定手段(不図示)を用いて一対のヘッド14にそれぞれ固定されている。
スラスト軸受122は、ロータ軸111に作用する軸方向Daへの荷重を受ける役割を果たすものである。このスラスト軸受122は、箱状の軸受カバー123の内部に取り付けられている。この軸受カバー123が、ボルト等の着脱可能な固定手段を用いて一方のヘッド14に固定されている。
ダイヤフラム13は、ロータ11を外周側から覆うように配置されている。ダイヤフラム13は、軸線Oを中心として環状をなしている。環状のダイヤフラム13は、ロータ11の軸線Oを基準に鉛直方向Dvの上方で半円環状をなす上半ダイヤフラム131と、下方で半円環状をなす下半ダイヤフラム132とを有している。上半ダイヤフラム131と下半ダイヤフラム132とはボルト等の着脱可能な固定手段によって固定されている。このダイヤフラム13は、軸方向Daに積層されるように複数(本実施形態では四つ)並んでいる。複数のダイヤフラム13は、軸方向Daに延びる筒状をなしている。複数のダイヤフラム13が相互に固定されることで、インペラ112の流路に導入する流路が内部に画成されている。
具体的には、隣接するダイヤフラム13同士では、外周面が溶接によって互いに固定されている。図3に示すように、隣接するダイヤフラム13には、外周面に面する角部に溶接部231が形成されている。複数のダイヤフラム13は、溶接部231によって相互に固定されることで一体化されている。
また、隣接するダイヤフラム13には、溶接部231を軸方向Daから挟み込むように、溶接部溝232が形成されている。溶接部溝232は、上半ダイヤフラム131及び下半ダイヤフラム132の外周面から径方向Drの内側に向かって窪んでいる。溶接部溝232は、ダイヤフラム13の外周面に対して周方向Dcの全周にわたって形成されている。
ここで、具体的に、ダイヤフラム13によって形成される流路について、軸方向Daの一方側(第一側)である上流側から順に説明する。本実施形態では、ダイヤフラム13は、図1に示すように、プロセスガスが流通する上流側から順に、吸込口236、複数のケーシング流路235、及び吐出口237をケーシング2や後述するヘッド14とともに画成している。
吸込口236は、吸込ポート23を介してケーシング2の外部から流入してきたプロセスガスをダイヤフラム13の内部のケーシング流路235に流入させる。吸込口236は、最上流のインペラ112にプロセスガスを流入させる。吸込口236には、インレットガイドベーンが設けられている。
ケーシング流路235は、ダイヤフラム13内に形成されており、吸込口236からのプロセスガスを最上流のインペラ112に供給したり、上流のインペラ112から排出されたプロセスガスを下流に配置されたインペラ112に供給したり、最下流のインペラ112から排出されたプロセスガスを吐出口237に供給させたりしている。
吐出口237は、ダイヤフラム13の内部を流れてきたプロセスガスを吐出ポート24を介してケーシング2の外部に吐出させる。吐出口237は、最下流のインペラ112から排出されたプロセスガスを外部に吐出させる。
一対のヘッド14は、円環状の部材であって、ケーシング2の両端の開口を閉塞可能な大きさで形成されている。ヘッド14に対し、ロータ軸111の両端部がそれぞれ挿通されている。本実施形態のヘッド14として、複数のダイヤフラム13に対して軸方向Daの一方側(第一側)に配置される吸込側ヘッド141と、複数のダイヤフラム13に対して軸方向Daの他方側(第二側)に配置される吐出側ヘッド142とを有している。
吸込側ヘッド141は、吐出側ヘッド142よりも吸込口236に近い位置に配置されている。吸込側ヘッド141は、最も軸方向Daの一方側に配置されたダイヤフラム13である入口壁135と共に吸込口236を形成している。吸込側ヘッド141の軸方向Daの一方側を向く面である吸込側ヘッド外装面241は、圧縮機1の外部に面している。吸込側ヘッド141は、一体化された複数のダイヤフラム13と、ボルト部材170を用いて固定されている。具体的には、入口壁135の外周面から窪む溝を介してボルト部材170が配置されている。入口壁135と吸込側ヘッド141とは、上半ダイヤフラム131及び下半ダイヤフラム132でそれぞれ二か所ずつボルト部材170で固定されている。なお、ボルト部材170による固定箇所は、それぞれ二か所に限定されるものではなく、三か所以上あってもよい。これにより、吸込側ヘッド141は、ダイヤフラム13と一体化されている。
吐出側ヘッド142は、吸込側ヘッド141よりも吐出口237に近い位置に配置されている。吐出側ヘッド142は、最も軸方向Daの他方側に配置されたダイヤフラム13である最終段ダイヤフラム136と共に吐出口237を形成している。本実施形態の吐出側ヘッド142は、吐出口237の一部を形成する出口壁部145と、出口壁部145に固定された吐出側ヘッド本体146とを有している。
吐出側ヘッド本体146は、出口壁部145の軸方向Daの他方側に隣接している。吐出側ヘッド本体146の軸方向Daの他方側を向く面である吐出側ヘッド外装面245は、圧縮機1の外部に面している。吸込側ヘッド外装面241から吐出側ヘッド外装面245までの軸方向Daの距離は、ケーシング2の軸方向Daの長さと同程度とされている。つまり、本実施形態では、ケーシング2の両端は、吸込側ヘッド外装面241及び吐出側ヘッド外装面245から突出していない。
ヘッドシール部15は、ヘッド14の外周面とケーシング2の内周面との間をシールしている。第一実施形態のヘッドシール部15は、吸込側ヘッド141に設けられる第一ヘッドシール部151と、吐出側ヘッド142に設けられる第二ヘッドシール部152とを有している。ここで、第一ヘッドシール部151と第二ヘッドシール部152とは、同一の構造をなしているため、第一ヘッドシール部151を例に挙げて説明する。
第一ヘッドシール部151は、環状をなしており、吸込側ヘッド141を全周にわたって囲っている。図4に示すように、第一ヘッドシール部151は、吸込側ヘッド141の外周面に形成されたヘッドシール取付溝251に収容されたOリングである。第一ヘッドシール部151は、吸込側ヘッド141に対して軸方向Daに並んで二つ設けられている。
ヘッドシール取付溝251は、軸方向Daに並んで二つ形成されている。ヘッドシール取付溝251は、ヘッド14の外周面において、軸方向Daの外側(ヘッド14に対してダイヤフラム13が配置されている側と反対側)に可能な限り寄った位置に形成されている。
ここで、軸方向Daの外側とは、圧縮機1における外部を向く方向である。したがって、吸込側ヘッド141における軸方向Daの外側は軸方向Daの一方側であり、吐出側ヘッド142における軸方向Daの外側は軸方向Daの他方側である。同様に、軸方向Daの内側とは、軸方向Daの外側とは反対方向であり、圧縮機1におけるバンドル10の軸方向Daの中心位置を向く方向である。したがって、吸込側ヘッド141における軸方向Daの内側は軸方向Daの他方側であり、吐出側ヘッド142における軸方向Daの内側は軸方向Daの一方側である。
つまり、ヘッドシール取付溝251は、吸込側ヘッド141では、軸方向Daの一方側に寄った位置である吸込側ヘッド外装面241に近い位置に形成されている。また、ヘッドシール取付溝251は、吐出側ヘッド本体146では、軸方向Daの他方側に寄った位置である吐出側ヘッド外装面245に近い位置に形成されている。なお、ヘッドシール取付溝251は後述する隙間シール取付溝261と同一の形状をなしていてもよい。
図1に示すように、連通隙間シール部16は、ダイヤフラム13の外周面とケーシング2の内周面との間に形成される連通隙間Cをシールする。連通隙間Cは、ケーシング2内にバンドル10が収容された状態で、ダイヤフラム13の外周面とケーシング2の内周面との間に形成される。連通隙間Cは、吸込口236と吐出口237とを連通するように軸方向Daに延びる環状の空間である。
本実施形態の連通隙間シール部16は、入口壁135の外周面に形成された隙間シール取付溝261に収容されたOリングである。連通隙間シール部16は、連通隙間Cに対して一つのみ設けられている。具体的には、隙間シール取付溝261は、入口壁135の外周面において吸込口236に近い位置(可能な限り軸方向Daの一方側に寄った位置)に形成されている。連通隙間シール部16は、環状をなしており、組み合わされた上半ダイヤフラム131及び下半ダイヤフラム132の全周にわたって形成されている。
隙間シール取付溝261は、図5に示すように、上半ダイヤフラム131における鉛直方向Dvの上方の頂点及び下半ダイヤフラム132における鉛直方向Dvの下方の頂点から、周方向Dcに90度異なる水平方向Dhの両端の位置に向かうにしたがって深くなるように形成されている。隙間シール取付溝261は、上半ダイヤフラム131における鉛直方向Dvの上方の頂点及び下半ダイヤフラム132における鉛直方向Dvの下方の頂点では、連通隙間シール部16がダイヤフラム13の外周面よりも径方向Drの外側に突出するような深さで形成されている。隙間シール取付溝261は、水平方向Dhの両端では、連通隙間シール部16がダイヤフラム13の外周面より突出しないような深さで形成されている。
図1に示すように、締結部17は、吐出側ヘッド142と、最終段ダイヤフラム136とを着脱可能に固定している。締結部17は、吐出側ヘッド142に対して軸線Oを中心として周方向Dcに均等に複数設けられている。本実施形態の締結部17は、図6に示すように、被固定孔171と、ボルト取付溝172と、締結貫通孔173と、ボルト部材174と、弾性部材175とを有している。
被固定孔171は、吐出側ヘッド本体146に形成された被固定ネジ孔271と、出口壁部145に形成された被固定貫通孔272とを有している。
被固定ネジ孔271は、吐出側ヘッド本体146における軸方向Daの一方側を向く平面である吐出側ヘッド本体内側面244に形成されている。被固定ネジ孔271は、内部に雌ネジを有するネジ孔であって、ボルト部材174が固定可能とされている。
被固定貫通孔272は、軸方向Daから見た際に、被固定ネジ孔271と同じ位置で、出口壁部145を軸方向Daに貫通している。被固定貫通孔272は、出口壁部145において、軸方向Daの一方側を向く出口内側面242と、軸方向Daの他方側を向く出口外側面243とを貫通している。出口内側面242は、吐出側ヘッド142が最終段ダイヤフラム136に固定された際に、最終段ダイヤフラム136と接触する平面である。出口外側面243は、出口壁部145が吐出側ヘッド本体146に固定された際に、吐出側ヘッド本体146と接触する平面である。
ボルト取付溝172は、最終段ダイヤフラム136の外周面が断面矩形状をなして窪んでいる。ボルト取付溝172は、ボルト部材174の長さよりも軸方向Daの長さが長く形成されている。ボルト取付溝172は、最終段ダイヤフラム136の外周面に対して、周方向Dcに互いに離間して複数形成されている。
締結貫通孔173は、最終段ダイヤフラム136に形成されている。締結貫通孔173は、軸方向Daから見た際に、被固定ネジ孔271及び被固定貫通孔272と重なる位置に形成されている。締結貫通孔173は、最終段ダイヤフラム136において、軸方向Daの一方側を向く溝内側面273と、軸方向Daの他方側を向く最終段ダイヤフラム接触面234とを貫通している。溝内側面273は、ボルト取付溝172を形成する平面の一部である。最終段ダイヤフラム接触面234は、最終段ダイヤフラム136が出口壁部145に固定された際に、出口内側面242と接触する平面である。
ボルト部材174は、外周面に雄ネジを有する軸部274と、軸部274の端部に形成された頭部275とを有する。軸部274は、締結貫通孔173及び被固定貫通孔272に挿通された状態で先端が被固定ネジ孔271に固定されている。頭部275は、ボルト取付溝172内に収容可能な大きさで形成されている。つまり、軸部274が被固定ネジ孔271に固定された状態で、頭部275はボルト取付溝172内に配置されている。
弾性部材175は、頭部275と、溝内側面273との間に配置された複数の皿ばね座金である。弾性部材175は、複数枚積層されている。弾性部材175は、軸部274が挿通された状態で、頭部275の軸方向Daの他方側を向く面と、溝内側面273とによって挟まれている。
図1に示すように、規制部18は、ケーシング2及びヘッド14の少なくとも一方に設けられている。規制部18は、ケーシング2に対するヘッド14の軸方向Daの位置を規制している。第一実施形態の規制部18は、ケーシング2及びヘッド14の両方にわたって設けられている。規制部18は、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド142に対してそれぞれ設けられている。具体的には、図4に示すように、規制部18は、ケーシング2の内周面に形成される嵌合凹部181と、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146の外周面に形成されて嵌合凹部181と嵌合する嵌合凸部182とを有する。
ここで、図4は、吸込側ヘッド141と上半ケーシング21との間に設けられる規制部18を説明する要部拡大図である。規制部18は、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド142に対応してそれぞれ設けられているが、以下、図4を用いて吸込側ヘッド141周りの規制部18を例に挙げて説明する。
嵌合凹部181は、ケーシング2の内周面から断面矩形状をなして全周にわたって窪んでいる。嵌合凹部181は、吸込側ヘッド141が配置される位置に対応して軸方向Daに離れて二つ形成されている。嵌合凹部181は、上半ケーシング21及び下半ケーシング22のそれぞれに形成される。
嵌合凸部182は、吸込側ヘッド141の外周面から断面矩形状をなして全周にわたって突出している。嵌合凸部182は、ヘッドシール取付溝251よりも軸方向Daの内側に形成されている。嵌合凸部182は、吸込側ヘッド141に対して軸方向Daに並んで二つ形成されている。
次に、第一実施形態に係る圧縮機の製造方法S1について説明する。本実施形態の圧縮機の製造方法S1は、図7に示すように、準備工程S10と、バンドル配置工程S30と、上半ケーシング配置工程S40と、を含んでいる。
準備工程S10では、圧縮機1を製造する上で必要な部品が準備される。第一実施形態の準備工程S10では、ケーシング準備工程S11と、バンドル準備工程S12とが同時に実施される。
準備工程S10では、嵌合凹部181が形成された上半ケーシング21及び下半ケーシング22が製造されて準備される。また、準備工程S10では、ロータ11と、軸受部12と、上半ダイヤフラム131と、下半ダイヤフラム132と、吸込側ヘッド141と、吐出側ヘッド142と、連通隙間シール部16と、締結部17とがそれぞれ製造される等により準備される。
準備工程S10では、ダイヤフラム13は、内部にロータ11が配置された状態で、下半ダイヤフラム132上に上半ダイヤフラム131をボルト等の固定手段により固定することで環状に形成される。その後、隣接して配置されるダイヤフラム13同士の外周面が溶接され、溶接部231が形成される。これによって、複数のダイヤフラム13が一体化される。一体化されたダイヤフラム13の外周面に連通隙間シール部16が取り付けられる。その後、嵌合凸部182が形成された吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド142には、ヘッドシール部15がそれぞれ取り付けられる。また、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド142に軸受部12が固定される。その後、吸込側ヘッド141は、ボルト部材170によってダイヤフラム13に固定される。また、吐出側ヘッド142は、締結部17によってダイヤフラム13に固定される。これらにより、一つの部品として一体化されたバンドル10が準備される。
バンドル配置工程S30では、図8に示すように、下半ケーシング22に対して鉛直方向Dvの上方からバンドル10が配置される。バンドル10の外周面には、事前に、アイボルト501が固定される。本実施形態では、アイボルト501は、図9に示すように、吸込側ヘッド141の外周面に二か所、吐出側ヘッド142の外周面に二か所それぞれ取り付けられる。アイボルト501は、鉛直方向Dvの上端から周方向Dcに45度異なる位置に取り付けられる。また、図8に示すように、下半ケーシング22には、下半ケーシング分割面221から鉛直方向Dvの上方に延びるように棒状のガイド棒503が複数取り付けられる。バンドル10には、ガイド棒503が挿通されることで、ガイド棒503に沿って案内されるガイド板502が取り付けられる。ガイド板502は、ガイド棒503が設けられた位置に対応してダイヤフラム13の外周面に取り付けられる。
バンドル配置工程S30では、アイボルト501にワイヤ504が固定される。クレーンを使用してワイヤ504が巻き上げられることにより、バンドル10は鉛直方向Dvの上方に一旦吊り上げられる。その後、ガイド板502にガイド棒503が挿通するようにバンドル10の水平位置が調整され、バンドル10が降下される。これにより、バンドル10は、ガイド棒503に沿って降下する。
バンドル10が下半ケーシング22の近傍まで降下すると、バンドル10からガイド板502がそれぞれ取り外されとともに、下半ケーシング22から一対のガイド棒503がそれぞれ取り外される。その後、バンドル10は、下半ケーシング22の内周側へと降下される。バンドル10が下半ケーシング22の内部に配置される際に、下半ケーシング22に形成された嵌合凹部181に対して、吸込側ヘッド141に形成された嵌合凸部182、及び吐出側ヘッド本体146に形成された嵌合凸部182がはまり込むようにバンドル10が降下される。これにより、下半ケーシング22に対して吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146の軸方向Daの位置が規制された状態となる。さらに、下半ダイヤフラム132の外周面と下半ケーシング22の内周面との間に連通隙間Cが形成される。この連通隙間Cは、連通隙間シール部16が下半ケーシング22の内周面に接触することでシールされている。
上半ケーシング配置工程S40は、バンドル配置工程S30後に実施される。上半ケーシング配置工程S40では、図10に示すように、下半ケーシング22にはめ込まれたバンドル10に対して鉛直方向Dvの上方から上半ケーシング21が配置される。上半ケーシング21のフランジにワイヤ504が固定される。クレーンを使用してワイヤ504を巻き上げることにより、上半ケーシング21は鉛直方向Dvの上方に一旦吊り上げられる。その後、上半ケーシング21は、バンドル10の上方に降下される。
上半ケーシング21が下半ケーシング22の近傍まで降下すると、バンドル10が上半ケーシング21の内周側へと収容されるように水平位置が調整される。バンドル10が上半ケーシング21の内部に配置される際に、上半ケーシング21に形成された嵌合凹部181に対して、吸込側ヘッド141に形成された嵌合凸部182、及び吐出側ヘッド本体146に形成された嵌合凸部182がはまり込むように上半ケーシング21が降下される。これにより、上半ケーシング21に対して吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146の軸方向Daの位置が規制された状態となる。さらに、上半ダイヤフラム131の外周面と上半ケーシング21の内周面との間に連通隙間Cが形成される。この連通隙間Cは、連通隙間シール部16が上半ケーシング21の内周面に接触することでシールされている。その後、下半ケーシング分割面221に対して上半ケーシング分割面211が当接した状態で上半ケーシング21と下半ケーシング22とが固定手段で固定されて、圧縮機1が完成する。
上述したような圧縮機1及び圧縮機の製造方法S1によれば、ダイヤフラム13の外周面とケーシング2の内周面との間に形成され、吸込口236と吐出口237とを連通させている連通隙間Cが連通隙間シール部16によってシールされる。ダイヤフラム13の外周面とケーシング2の内周面との間に連通隙間Cが形成されていることで、上下分割構造を有するケーシング2とバンドル10とを組み付ける際の干渉等を防ぎ、組み立て性を向上させることができる。さらに、連通隙間Cがシールされていることで、吐出口237まで供給されてきた高圧のプロセスガスが連通隙間Cを通過して吸込口236から漏れ出してしまうことを防ぐことができる。これにより、ダイヤフラム13の外周面との間での漏れを低減させることができる。
また、連通隙間シール部16が、連通隙間Cにおいて、入口壁135の外周面の一か所のみに設けられている。そのため、吐出口237から連通隙間Cに流入した圧力の高いプロセスガスは、連通隙間シール部16が設けられている位置まで流入する。そのため、全てのダイヤフラム13の外周面のまわりの圧力が高くなる。そのため、上下分割構造を有するケーシング2の分割面に面圧がかかり、各ダイヤフラム13におけるシール性を向上させることができる。
また、規制部18として、ケーシング2の内周面に形成された嵌合凹部181と、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146の外周面に形成された嵌合凸部182とが設けられている。そのため、単なる凹凸形状を形成するだけの簡易な構造で、ケーシング2に対するヘッド14の軸方向Daの位置を規制することができる。また、ケーシング2に対するヘッド14の軸方向Daの位置を規制する規制部18が、別部材ではなく、ケーシング2及びヘッド14の一部として直接形成されている。さらに、バンドル10とケーシング2との軸方向Daの位置を規制する構造が嵌合凹部181及び嵌合凸部182のみであり、ダイヤフラム13には設けられていない。そのため、組み付ける部品点数や軸方向Daの位置決め箇所が少なくなり、ケーシング2とバンドル10とを組み付ける際の調整が容易になる。その結果、組み立て性をより向上させることができる。
ダイヤフラム13の水平方向Dhの両端は、ケーシング2の分割面に近接している。そのため、水平方向Dhの両端で連通隙間シール部16の突出量が大きくなると、下半ケーシング22に上半ケーシング21を取り付けた際に、Oリングが分割面に挟まれたり、エッジに擦れたりすることで損傷する可能性がある。ところが、隙間シール取付溝261が水平方向Dhの両端に向かうにしたがって深くなるように形成されている。そのため、隙間シール取付溝261に嵌め込まれる連通隙間シール部16は、鉛直方向Dvの上方の頂点や鉛直方向Dvの下方の頂点から水平方向Dhの両端に向かうにしたがって、ダイヤフラム13の外周面からの突出量が少なくなる。これにより、下半ケーシング22に上半ケーシング21と取り付けた際の連通隙間シール部16であるOリングの損傷を低減することができる。特に、本実施形態の隙間シール取付溝261によれば、水平方向Dhの両端で最も連通隙間シール部16の突出量が少なくなる。したがって、下半ケーシング22に上半ケーシング21と取り付けた際の連通隙間シール部16の損傷をより効果的に低減することができる。
また、圧縮機1の運転中に、圧縮されて高温高圧となったプロセスガスが吐出口237付近を流通することで最終段ダイヤフラム136や出口壁部145が加熱され、軸方向Daの熱延びが生じる場合がある。その場合、被固定貫通孔272に先端が固定されているボルト部材174には、先端と頭部275の間で最終段ダイヤフラム136や出口壁部145が軸方向Daに延びる。これにより、ボルト部材174の軸部274と頭部275の境界には、軸方向Daの引っ張られるような力が働く。ところが、最終段ダイヤフラム136や出口壁部145に軸方向Daの変形が生じた場合に、頭部275と溝内側面273との間に挟み込まれた弾性部材175である複数の皿ばね座金が圧縮されることで、頭部275に働く力が吸収される。これにより、ボルト部材174が軸部274と頭部275との間で破断する等の損傷が生じることを防ぐことができる。
なお、締結部17は、吐出側ヘッド142と最終段ダイヤフラム136との固定に用いられることに限定されるものではない。例えば、第一実施形態において、吸込側ヘッド141と入口壁135との固定に締結部17が用いられていてもよい。
また、締結部17において、弾性部材175は、皿ばね座金であることに限定されるものではない。弾性部材175は、ゴム材やバネ部材であってもよい。
また、締結部17において、被固定孔171は、吐出側ヘッド142に形成される構造に限定されるものではない。例えば、被固定孔171は、最終段ダイヤフラム136に形成されていてもよい。
また、隣接するダイヤフラム13同士の固定は、溶接に限られず、他の固定手段を用いてもよい。また、本実施形態では、四つのダイヤフラム13を設けたが、ダイヤフラム13の個数はこれに限られず、インペラ112の段数に応じて適宜設計変更が可能である。
連通隙間シール部16は、バンドル10の一部としてダイヤフラム13の外周面に設けられることに限定されるものではない。連通隙間シール部16は、連通隙間Cをシールすることができれば、ケーシング2側に設けられていてもよく、別部材として設けられていてもよい。
《第二実施形態》
次に、本発明の圧縮機の第二実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。第二実施形態で示す圧縮機1Aは、規制部の構造が第一実施形態と異なっている。したがって、第二実施形態の説明においては、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。
図11に示すように、第二実施形態の圧縮機1Aでは、規制部18Aは、ケーシング2Aに設けられている。第二実施形態のケーシング2Aでは、上半ケーシング21Aは、上半ケーシング本体31と、上半突出部32とを有している。また、下半ケーシング22Aは、下半ケーシング本体35と、下半突出部36とを有している。上半突出部32及び下半突出部36は、本実施形態における規制部18Aを構成している。つまり、第二実施形態の規制部18Aは、ケーシング2Aのみに形成されている。
上半ケーシング本体31は、軸線Oと直交する断面が、軸線Oを中心とする半円環状をなして軸方向Daに延びている。上半ケーシング本体31は、バンドル10が嵌まり込むように、鉛直方向Dvの下方を向いて開口している。これにより、上半ケーシング本体31は、内部に収容されたバンドル10の外周面の上側を覆っている。上半ケーシング本体31は、上半ケーシング分割面211を周方向Dcの両端に有する。つまり、上半ケーシング本体31は、第一実施形態の上半ケーシング21と同じ形状をなしている。
下半ケーシング本体35は、軸線Oと直交する断面が、軸線Oを中心とする半円環状をなして軸方向Daに延びている。下半ケーシング本体35は、バンドル10が嵌まり込むように、鉛直方向Dvの上方を向いて開口している。これにより、下半ケーシング本体35は、内部に収容されたバンドル10の外周面の下側を覆っている。下半ケーシング本体35は、下半ケーシング分割面221を周方向Dcの両端に有する。つまり、下半ケーシング本体35は、第一実施形態の下半ケーシング22と同じ形状をなしている。したがって、下半ケーシング22Aと上半ケーシング21Aとが組み合わさることで、両端が開口された筒状を形成している。
上半突出部32は、上半ケーシング本体31の軸方向Daの両端にそれぞれ形成されている。上半突出部32は、軸方向Daから見た際に、半環状をなすように上半ケーシング本体31から径方向Drの内側に向かって突出している。具体的には、上半突出部32は、吸込側ヘッド141Aに対して軸方向Daの外側に設けられている第一上半突出部321と、吐出側ヘッド142Aに対して軸方向Daの外側に設けられている第二上半突出部322とを有している。
第一上半突出部321は、上半ケーシング本体31の軸方向Daの一方側の端部に形成されている。図12に示すように、第一上半突出部321の軸方向Daの他方側を向く面は、吸込側ヘッド141Aにおいて軸方向Daの外側を向く端面である吸込側ヘッド外装面241Aに接触している。
図11に示すように、第二上半突出部322は、上半ケーシング本体31の軸方向Daの他方側の端部に形成されている。第二上半突出部322の軸方向Daの一方側を向く面は、吐出側ヘッド本体146Aにおいて軸方向Daの外側を向く端面である吐出側ヘッド外装面245Aに接触している。
下半突出部36は、下半ケーシング本体35の軸方向Daの両端にそれぞれ形成されている。下半突出部36は、軸方向Daから見た際に、半環状をなすように下半ケーシング本体35から径方向Drの内側に向かって突出している。具体的には、下半突出部36は、吸込側ヘッド141Aに対して軸方向Daの外側に設けられている第一下半突出部361と、吐出側ヘッド142Aに対して軸方向Daの外側に設けられている第二下半突出部362とを有している。
第一下半突出部361は、下半ケーシング本体35の軸方向Daの一方側の端部に形成されている。第一下半突出部361の軸方向Daの他方側を向く面は、吸込側ヘッド141Aにおいて軸方向Daの外側を向く端面である吸込側ヘッド外装面241Aに接触している。第一下半突出部361の軸方向Daの他方側を向く面は、第一上半突出部321の軸方向Daの他方側を向く面と軸方向Daの位置が同じ位置に形成されている。
第二下半突出部362は、下半ケーシング本体35の軸方向Daの他方側の端部に形成されている。第二下半突出部362の軸方向Daの一方側を向く面は、吐出側ヘッド142Aにおいて軸方向Daの外側を向く端面である吐出側ヘッド外装面245Aに接触している。第二下半突出部362の軸方向Daの一方側を向く面は、第二上半突出部322の軸方向Daの一方側を向く面と軸方向Daの位置が同じ位置に形成されている。
また、図12に示すように、第二実施形態のヘッド14Aには、嵌合凸部182が形成されていない。ヘッド14Aの外周面のヘッドシール取付溝251よりも軸方向Daの内側(ヘッド14Aに対してダイヤフラム13が配置されている側)に隙間拡大凹部370が形成されている。隙間拡大凹部370では、ケーシング2Aの内周面との隙間を大きくするように、ヘッド14Aの外周面から窪んでいる。
上述したような圧縮機1Aによれば、上半突出部32及び下半突出部36によって、圧縮機1Aの外部に位置する部分で、ケーシング2Aに対する吸込側ヘッド141A及び吐出側ヘッド142Aの軸方向Daの位置を規制することができる。上半突出部32及び下半突出部36は圧縮機1Aの外部に位置しているためにスペースの制限を受けづらい。そのため、圧縮するプロセスガスの種類によって、バンドル10に生じるスラスト力が大きい場合であっても、バンドル10に生じる力に合わせて上半突出部32及び下半突出部36を大きくすることができる。これにより、ケーシング2Aに対するバンドル10の位置を安定して保持することができる。また、外部から目視可能位置でケーシング2Aに対するバンドル10の位置を規制されていることを確認することができる。
《第三実施形態》
次に、本発明の圧縮機の第三実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。第三実施形態で示す圧縮機1Bは、規制部の構造が第一実施形態及び第三実施形態と異なっている。したがって、第三実施形態の説明においては、第一実施形態及び第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。
図13に示すように、第三実施形態の圧縮機1Bでは、ケーシング2Bの両端は、吸込側ヘッド141B及び吐出側ヘッド142Bよりも軸方向Daの外側に突出するように形成されている。つまり、第三実施形態のケーシング2Bの軸方向Daの長さは、吸込側ヘッド外装面241Bから吐出側ヘッド外装面245Bまでの軸方向Daの距離よりも長く形成されている。
第三実施形態の規制部18Bは、ケーシング2B及びヘッド14B以外に別部材を有している。具体的には、規制部18Bは、規制収容凹部410と、ヘッド規制収容溝420と、第一規制部材430と、第二規制部材440と、を有している。
ここで、図14は、吸込側ヘッド141Bと上半ケーシング21Bとの間に設けられる規制部18Bを説明する要部拡大図である。第三実施形態の規制部18Bは、吸込側ヘッド141B及び吐出側ヘッド142Bに対応してそれぞれ設けられているが、以下、図14を用いて吸込側ヘッド141B周りの規制部18Bを例に挙げて説明する。
規制収容凹部410は、ケーシング2Bの端部における吸込側ヘッド141Bよりも軸方向Daの外側に突出した部分に形成されている。規制収容凹部410は、吸込側ヘッド141Bに対して一部が軸方向Daの外側に位置するように、ケーシング2Bの内周面から断面矩形状をなして窪んでいる。規制収容凹部410は、径方向Drの内側を向く規制収容凹部底面411と、軸方向Daの内側を向く規制収容凹部第一面412と、軸方向Daの外側を向く規制収容凹部第二面413とから構成されている。規制収容凹部底面411は、ケーシング2Bの内周面と平行な面である。規制収容凹部第一面412は、ケーシング2Bの内周面と規制収容凹部底面411における軸方向Daの外側の短辺とを繋ぐ平面である。規制収容凹部第二面413は、ケーシング2Bの内周面と規制収容凹部底面411における軸方向Daの内側の短辺とを繋ぐ平面である。
ヘッド規制収容溝420は、吸込側ヘッド141Bにおける外周面と吸込側ヘッド外装面241B(軸方向Daの外側を向く面)とで形成される角部に形成されている。ヘッド規制収容溝420は、ヘッドシール取付溝251よりも軸方向Daの外側に形成されている。ヘッド規制収容溝420は、径方向Drの外側を向く規制収容溝第一面421と、軸方向Daの外側を向く規制収容溝第二面422とから構成されている。規制収容溝第一面421は、吸込側ヘッド141Bの外周面と平行な面であって、吸込側ヘッド外装面241Bと繋がっている。規制収容溝第二面422は、吸込側ヘッド外装面241Bと平行な平面であって、吸込側ヘッド141Bの外周面と規制収容溝第一面421とを繋ぐ面である。
第一規制部材430は、第二規制部材440とともに、規制収容凹部410に収容されることで、ケーシング2Bに対する吸込側ヘッド141Bの軸方向Daの位置を規制する部材である。第一規制部材430は、断面L字状をなしている。具体的には、第一規制部材430は、規制収容凹部410に収容される第一収容部431と、ヘッド規制収容溝420に収容される第二収容部432とが一体に形成されている。
第一収容部431は、直方状をなしている。第二収容部432は、第一収容部431から直方状をなして軸方向の内側に向かって突出するように形成されている。
第二規制部材440は、第一規制部材430よりも軸方向Daの外側で第一規制部材430と隣接した状態で、規制収容凹部410に収容される。第二規制部材440は、直方状をなしている。
このような第一規制部材430及び第二規制部材440を取り付ける際には、第一規制部材430は、第一収容部431が規制収容凹部410に挿入された状態で軸方向Daの内側に移動され、第二収容部432がヘッド規制収容溝420に挿入される。その後、第一規制部材430に対して軸方向Daの外側で、第二規制部材440が規制収容凹部410に圧入される。その結果、第一規制部材430及び第二規制部材440は、規制収容凹部410かつヘッド規制収容溝420に収容された状態で、互いに接触した状態となる。この際、第二収容部432が規制収容溝第二面422と接触し、第二規制部材440が規制収容凹部第一面412と接触した状態なる。これにより、第一規制部材430及び第二規制部材440は、規制収容凹部第一面412と規制収容溝第二面422とで挟まれて脱落不能な状態となる。
上述したような圧縮機1Bによれば、第一規制部材430及び第二規制部材440が規制収容凹部410及びヘッド規制収容溝420に収容されている。これにより、圧縮機1Bの外部から、ケーシング2Bに対する吸込側ヘッド141B及び吐出側ヘッド142Bの軸方向Daの位置を規制することができる。さらに、第一規制部材430及び第二規制部材440は、バンドル10上に上半ケーシング21Bを設置した後に外部から取り付けることができる。そのため、下半ケーシング22Bにバンドル10を設置する場合や、バンドル10上に上半ケーシング21Bを設置する場合に、バンドル10と下半ケーシング22B及び上半ケーシング21Bとの軸方向Daの位置を細かく調整する必要がなくなる。これにより、組み立て性をより一層向上させることができる。
《第四実施形態》
次に、本発明の圧縮機の第四実施形態について、図15から図17を参照して説明する。第四実施形態で示す圧縮機1Cは、ヘッドシール部の構成が第一実施形態と異なっている。したがって、第四実施形態の説明においては、第一実施形態から第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。
図15に示すように、第四実施形態の圧縮機1Cでは、ヘッド14Cとケーシング2Cとの間をシールするための別部材を有するヘッドシール部15Cを備えている。図16に示すように、第四実施形態のヘッドシール部15Cは、シールリング600と、シールリング固定孔650と、リング挿入溝660と、内側リングシール部670と、を有している。
ここで、図16は、吐出側ヘッド142Cと上半ケーシング21Cとの間に設けられるヘッドシール部15Cを説明する要部拡大図である。第四実施形態のヘッドシール部15Cは、吸込側ヘッド141C及び吐出側ヘッド142Cに対応してそれぞれ設けられているが、以下、図16を用いて吐出側ヘッド142C周りのヘッドシール部15Cを例に挙げて説明する。
シールリング600は、吐出側ヘッド本体146Cに対して軸方向Daの外側から着脱可能とされている。つまり、シールリング600は、吐出側ヘッド本体146C及びケーシング2Cの外部から軸方向Daに移動可能とされている。シールリング600は、バンドル10に対してケーシング2Cが取り付けられた後に外部から取り付けられる。シールリング600は、軸線Oを中心とする環状部材である。本実施形態のシールリング600は、リング本体610と、リング挿入部620と、外側リングシール部630と、リング固定部材640とを有している。
シールリング固定孔650は、シールリング600が固定される。シールリング固定孔650は、吐出側ヘッド外装面245Cに形成されている。シールリング固定孔650は、内部に雌ネジを有するネジ孔ある。
リング挿入溝660は、リング挿入部620が挿入可能とされている。リング挿入溝660は、吐出側ヘッド本体146Cにおける外周面と吐出側ヘッド外装面245C(軸方向Daの外側を向く面)とで形成される角部に形成されている。リング挿入溝660は、吐出側ヘッド外装面245C及び吐出側ヘッド本体146Cの外周面から断面矩形状をなして窪んでいる。リング挿入溝660は、ケーシング2Cの内周面との間にリング挿入部620が挿入可能な空間を形成している。リング挿入溝660は、嵌合凸部182よりも軸方向Daの外側に形成されている。リング挿入溝660は、シールリング固定孔650よりも径方向Drの外側に形成されている。リング挿入溝660は、径方向Drの外側を向くリング挿入溝第一面661と、軸方向Daの外側を向くリング挿入溝第二面662とから構成されている。リング挿入溝第一面661は、吐出側ヘッド本体146Cの外周面と平行な面であって、吐出側ヘッド外装面245Cと繋がっている。リング挿入溝第二面662は、吐出側ヘッド外装面245Cと平行な平面であって、吐出側ヘッド本体146Cの外周面とリング挿入溝第一面661とを繋ぐ面である。
内側リングシール部670は、リング挿入部620の内周面とリング挿入溝第一面661との間をシール可能とされている。内側リングシール部670は、環状をなしており、吐出側ヘッド本体146Cを全周にわたって囲っている。本実施形態の内側リングシール部670は、リング挿入溝第一面661に形成された内側取付溝671に収容されたOリングである。内側リングシール部670は、リング挿入溝第一面661に対して軸方向Daに並んで二つ設けられている。
内側取付溝671は、軸方向Daに並んで二つ形成されている。内側取付溝671は、リング挿入溝第一面661において、軸方向Daの外側に可能な限り寄った位置に形成されている。
リング本体610は、断面板状をなし、軸線Oを中心とする円環状に形成されている。
リング挿入部620は、リング本体610から断面矩形状をなして全周にわたって突出している。つまり、リング挿入部620は、リング本体610から円環状をなして突出している。リング挿入部620は、リング挿入溝660に挿入可能な形状とされている。リング挿入部620のリング本体610からの突出量は、リング挿入溝660の軸方向Daの深さ(吐出側ヘッド外装面245Cとリング挿入溝第二面662との軸方向Daの距離)よりも短くされている。
また、リング本体610では、リング挿入部620が突出している位置よりも径方向Drの外側においてリング挿入部620が突出している側の面が切り欠かれている。これにより、リング本体610は、リング挿入部620が突出している位置に対して径方向Drの内側の厚みが、リング挿入部620が突出している位置に対して径方向Drの外側の厚みに比べて厚く形成されている。リング本体610には、リング本体貫通孔611が形成されている。
リング本体貫通孔611は、リング挿入溝660にリング挿入部620が挿入された状態で、軸方向Daから見た際に、シールリング固定孔650と重なる位置に形成されている。
外側リングシール部630は、リング挿入部620の外周面とケーシング2Cの内周面との間をシール可能とされている。外側リングシール部630は、環状をなしており、リング挿入部620を全周にわたって囲っている。本実施形態の外側リングシール部630は、リング挿入部620の外周面に形成された外側取付溝631に収容されたOリングである。外側リングシール部630は、リング挿入部620の外周面に対して軸方向Daに並んで二つ設けられている。
外側取付溝631は、軸方向Daに並んで二つ形成されている。外側取付溝631は、リング挿入溝660にリング挿入部620が挿入された状態で、内側取付溝671よりも軸方向Daの内側に配置される位置に形成されている。
リング固定部材640は、外周面に雄ネジを有するリング固定軸部641と、リング固定軸部641の端部に形成されたリング固定頭部642とを有するボルトである。リング固定軸部641は、リング本体貫通孔611に挿通された状態で先端がシールリング固定孔650に固定されている。リング固定頭部642は、リング本体610よりも軸方向Daの外側に配置されている。
また、外側リングシール部630に対して軸方向Daの外側にずれた位置において、リング挿入部620の外周面とケーシング2Cの内周面との間隔を広げる挿入隙間拡径部680が形成されている。具体的には、挿入隙間拡径部680は、外側リングシール部630よりも軸方向Daの外側であるケーシング2Cの端部に形成されている。挿入隙間拡径部680は、リング挿入部620の外周面とケーシング2Cの内周面との隙間を大きくするように、ケーシング2Cの内周面から窪んでいる。具体的には、外側リングシール部630が設けられている位置でのリング挿入部620の外周面とケーシング2Cの内周面との隙間が0.15mm〜0.35mmの場合、挿入隙間拡径部680は、リング挿入部620の外周面との隙間を1.0mm以上に広げている。挿入隙間拡径部680は、ケーシング2Cの軸方向Daの両端において、全周にわたって形成されている。
次に、第四実施形態に係る圧縮機の製造方法S14について説明する。本実施形態の圧縮機の製造方法S14は、図17に示すように、準備工程S104と、バンドル配置工程S30と、上半ケーシング配置工程S40と、ヘッドシール部移動工程S60とを含んでいる。以下、第一実施形態での圧縮機の製造方法S1と異なる点を説明する。
第四実施形態における準備工程S104では、ケーシング準備工程S114と、バンドル準備工程S124と、ヘッドシール部準備工程S50とが同時に実施される。
第四実施形態における準備工程S104では、上半ケーシング21C及び下半ケーシング22Cが準備される。その際、上半ケーシング21C及び下半ケーシング22Cの軸方向Daの両端に挿入隙間拡径部680がそれぞれ形成される。また、準備工程S104では、ロータ11と、軸受部12と、上半ダイヤフラム131と、下半ダイヤフラム132と、吸込側ヘッド141Cと、吐出側ヘッド142Cと、連通隙間シール部16と、締結部17と、シールリング600とがそれぞれ製造される等により準備される。その際、吸込側ヘッド141C及び吐出側ヘッド142Cには、第一実施形態と異なり、リング挿入溝660が形成され、内側リングシール部670が取り付けられている。
ヘッドシール部移動工程S60は、上半ケーシング配置工程S40を実施後に実施される。ヘッドシール部移動工程S60では、吸込側ヘッド141C及び吐出側ヘッド142Cに対して外部から、シールリング600が取り付けられて、リング挿入部620が吸込側ヘッド141Cの外周面とケーシング2Cの内周面の間や、吐出側ヘッド142Cの外周面とケーシング2Cの内周面の間で移動させられる。具体的には、リング挿入溝660に対して軸方向Daの外側からリング挿入部620が挿入され、リング固定部材640によってリング本体610が吸込側ヘッド141Cや吐出側ヘッド142Cに対して固定される。リング挿入部620がリング挿入溝660に挿入されることで、内側取付溝671に収容された内側リングシール部670がリング挿入部620の内周面と接触する。また、外側取付溝631に収容された外側リングシール部630がケーシング2Cの内周面と接触する。
上述したような圧縮機1C及び圧縮機の製造方法S14によれば、バンドル10とケーシング2Cとが組み付けられた後に、シールリング600が取り付けられる。これにより、吸込側ヘッド141C及び吐出側ヘッド142Cと、ケーシング2Cとの間をシールすることができる。したがって、バンドル10とケーシング2Cとが組み付けられた前には、外側リングシール部630は設けられておらず、内側リングシール部670は吸込側ヘッド141C及び吐出側ヘッド142Cの外周面から窪んだリング挿入溝660内に設けられている。したがって、下半ケーシング22Cにバンドル10を設置する場合や、バンドル10上に上半ケーシング21Cを設置する場合には、外側リングシール部630や内側リングシール部670が、分割面に挟まれたり、ケーシング2Cのエッジに擦られたりすることで生じるOリングの損傷を低減することができる。これにより、ヘッド14Cとケーシング2Cとの間のシール性を安定して確保することができる。
特に、シールリング600が外部から着脱可能とされていることで、外側リングシール部630や内側リングシール部670の損傷を確実に防止することができる。これにより、ヘッド14Cとケーシング2Cとの間のシール性をより安定して確保することができる。
また、ケーシング2Cの両端に挿入隙間拡径部680が形成されている。これにより、リング挿入溝660の外周面とケーシング2Cの内周面との間の隙間が大きくなる。その結果、リング挿入溝660にリング挿入部620を挿入させる際に、外側リングシール部630がケーシング2Cの内周面に擦れて生じる損傷を低減できる。
また、外側リングシール部630及び内側リングシール部670がそれぞれ軸方向Daに並んで二重に設けられている。これにより、ヘッド14Cとケーシング2Cとの間のシール性を向上させることができる。
なお、シールリング600は、第四実施形態のようにヘッド14Cのみに固定される構造に限定されるものではない。シールリング600は、ケーシング2Cのみに固定される構造であってもよく、ヘッド14Cとケーシング2Cとにそれぞれ固定される構造であってもよい。
また、リング挿入溝660はヘッド14Cのみに形成されることに限定されるものではない。リング挿入溝660は、ケーシング2Cのみに形成されていてもよく、ヘッド14C及びケーシング2Cにまたがって形成されていてもよい。また、ヘッド14Cとケーシング2Cとの間にリング挿入部620が挿入可能な空間が形成されていれば、リング挿入溝660を形成しなくてもよい。
また、挿入隙間拡径部680は、外側リングシール部630側のみに設けられていることに限定されるものではない。例えば、挿入隙間拡径部680は、内側リングシール部670側に形成されていてもよい。この際、挿入隙間拡径部680は、例えば、リング挿入溝第一面661と吐出側ヘッド外装面245Cとの角部に形成される。
また、内側リングシール部670は、本実施形態のようにヘッド14Cに取り付けられることに限定されるものではない、内側リングシール部670は、例えば、リング挿入部620の内周面に取り付けられていてもよい。
また、外側リングシール部630は、本実施形態のようにリング挿入部620に取り付けられることに限定されるものではない、外側リングシール部630は、例えば、ケーシング2Cの内周面に取り付けられていてもよい。
《第五実施形態》
次に、本発明の圧縮機の第五実施形態について、図18から図21を参照して説明する。第五実施形態で示す圧縮機1Dは、ケーシングに対してヘッドを相対移動させる移動保持部を有している点が第四実施形態と異なっている。したがって、第五実施形態の説明においては、第一実施形態から第四実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。
図18に示すように、第五実施形態の圧縮機1Dでは、最終段ダイヤフラム136は、吐出側ヘッド142Dに対して固定されていない。したがって、吐出側ヘッド142Dは、ケーシング2Dに収容された状態で、最終段ダイヤフラム136に対して軸方向Daに相対移動可能とされている。具体的には、吐出側ヘッド本体146Dに形成された嵌合凸部182Dの軸方向Daの長さが、ケーシング2Dに形成された嵌合凹部181Dの軸方向Daの長さよりも短く形成されている。
圧縮機1Dは、移動保持部700をさらに備えている。移動保持部700は、ケーシング2Dに対して、吐出側ヘッド142Dを軸方向Daに相対移動可能、かつ、軸方向Daの任意の位置で吐出側ヘッド142Dの位置を保持可能とされている。移動保持部700は、吐出側ヘッド142Dを最終段ダイヤフラム136から最も離れた位置であって、軸方向Daの外側に向かって移動不能な位置で移動不能に保持している。最終段ダイヤフラム136から最も離れた位置であって、軸方向Daの外側に向かって移動不能な位置とは、吐出側ヘッド本体146Dに形成された嵌合凸部182Dの軸方向Daの外側を向く面がケーシング2Dに形成された嵌合凹部181Dの軸方向Daの内側を面と接触する位置である。移動保持部700は、被固定部材710と、軸部材720と、第一ナット730と、第二ナット740とを有している。
被固定部材710は、吐出側ヘッド本体146Dに固定されている。本実施形態における被固定部材710は、シールリング600Dのリング本体610Dであって、リング挿入部620と一体をなしている。リング本体610Dには、軸方向Daに連通する被固定部材連通孔711が形成されている。
被固定部材連通孔711は、リング挿入部620がリング挿入溝660に挿入された状態で、軸方向Daから見た際に、ケーシング2Dと重なる位置に形成されている。具体的には、被固定部材連通孔711は、リング挿入部620が突出している位置に対して、リング本体貫通孔611と径方向Drの反対側に形成されている。つまり、被固定部材連通孔711は、リング本体610Dにおいて、厚みが薄い部分に形成されている。
軸部材720は、外周面に雄ねじが設けられたネジ軸である。軸部材720は、被固定部材連通孔711に挿通された状態で一端がケーシング2Dに形成された軸部材固定孔721に固定されている。軸部材固定孔721は、ケーシング2Dの軸方向Daを向く端面に形成されている。軸部材固定孔721は、内部に雌ネジを有するネジ孔である。軸部材固定孔721は、軸方向Daから見た際に、被固定部材連通孔711と重なる位置に形成されている。軸部材720の他端は、リング本体610Dから軸方向Daの外側に向かって突出している。
第一ナット730は、内部に軸部材720の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。第一ナット730は、軸部材720を内部に挿通させた状態で、軸部材720の延びる方向に沿って、軸部材720に対して相対移動可能とされている。第一ナット730は、リング本体610Dに対して軸方向Daの内側(ケーシング2D側)に配置されている。第一ナット730は、リング本体610Dのケーシング2D側を向く面に接触した状態で配置されている。
第二ナット740は、内部に軸部材720の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。第二ナット740は、第一ナット730と同様に、軸部材720を内部に挿通させた状態で、軸部材720の延びる方向に沿って、軸部材720に対して相対移動可能とされている。第二ナット740は、リング本体610Dに対して軸方向Daの外側に配置されている。第二ナット740は、リング本体610Dにおいて軸方向Daの外側を向く面に接触した状態で配置されている。
次に、第五実施形態に係る圧縮機の製造方法S15について説明する。本実施形態の圧縮機の製造方法S15は、図19に示すように、準備工程S105と、バンドル配置工程S30と、固定解除工程S80と、上半ケーシング配置工程S40と、ヘッドシール部移動工程S65と、吐出側ヘッド移動工程S90を含んでいる。以下、第四実施形態での圧縮機の製造方法S15と異なる点を説明する。
第五実施形態の準備工程S105では、ケーシング準備工程S115と、バンドル準備工程S125と、ヘッドシール部準備工程S55と、移動保持部準備工程S70とが同時に実施される。
第五実施形態における準備工程S105では、上半ケーシング21D及び下半ケーシング22Dが準備される。その際、上半ケーシング21D及び下半ケーシング22Dの軸方向Daの両端面に軸部材固定孔721がそれぞれ形成される。また、軸方向Daの長さが、嵌合凸部182Dに比べて数mm程度長くなるように嵌合凹部181Dが形成される。また、ロータ11と、軸受部12と、上半ダイヤフラム131と、下半ダイヤフラム132と、吸込側ヘッド141と、吐出側ヘッド142Dと、連通隙間シール部16と、締結部17と、シールリング600Dと、軸部材720と、第一ナット730、第二ナット740とがそれぞれ製造される等により準備される。その際、シールリング600Dには、第四実施形態と異なり、被固定部材連通孔711が形成される。また、吐出側ヘッド142Dと入口壁135とは、下半ダイヤフラム132は固定せずに、上半ダイヤフラム131のみで固定する。具体的には、図20に示すように、入口壁135の上半ダイヤフラム131と、吐出側ヘッド本体146Dに固定されている出口壁部145Dとが密着した状態で、ボルト部材174を締結貫通孔173及び被固定貫通孔272に挿通させて被固定ネジ孔271に固定する。これにより、最終段ダイヤフラム接触面234と出口内側面242とが接触した状態となる。これらにより、一つの部品として一体化されたバンドル10が準備される。
バンドル配置工程S30後の固定解除工程S80では、図21に示すように、被固定ネジ孔271に固定されたボルト部材174が外されて、ボルト取付溝172から取り出される。その結果、出口壁部145D及び、吐出側ヘッド本体146Dと最終段ダイヤフラム136との固定が解除され、吐出側ヘッド142Dが軸方向Daに相対移動可能となる。
最終段ダイヤフラム136に対して吐出側ヘッド142Dが軸方向Daに相対移動可能となった後に、上半ケーシング配置工程S40が実施される。上半ケーシング配置工程S40では、バンドル10に対して鉛直方向Dvの上方から上半ケーシング21Dが配置される。嵌合凹部181Dの軸方向Daの長さが、嵌合凸部182Dに比べて長くされていることで、バンドル10上に上半ケーシング21Dが配置されても、吐出側ヘッド142Dは軸方向Daに相対移動可能な状態のままとなる。
その後、図19に示すように、ヘッドシール部移動工程S65が実施された後に吐出側ヘッド移動工程S90が実施される。図21に示すように、吐出側ヘッド移動工程S90では、リング本体610Dの被固定部材連通孔711に軸部材720を挿通させる。この状態で、リング本体610Dとケーシング2Dとの間で第一ナット730に軸部材720を螺合させる。第一ナット730が取り付けられた軸部材720の先端は軸部材固定孔721に固定される。軸部材720における軸方向Daの外側の先端に第二ナット740を螺合させる。その後、第一ナット730は、リング本体610Dのケーシング2D側を向く面に接触する位置まで移動される。また、第二ナット740は、リング本体610Dにおいて軸方向Daの外側を向く面に接触する位置まで移動される。
軸部材720、第一ナット730、及び第二ナット740が取り付けられた状態で、第一ナット730及び第二ナット740を軸方向Daの外側に向かって移動させるように軸部材720に対して回転させる。これにより、リング本体610Dが軸方向Daの外側に向かって移動する。シールリング600Dは、リング固定部材640がシールリング固定孔650に固定されていることで、吐出側ヘッド本体146Dに固定されている。そのため、リング本体610Dが軸方向Daの外側に向かって移動することで、吐出側ヘッド本体146Dと、吐出側ヘッド本体146Dに固定された出口壁部145Dとが軸方向Daの外側に移動する。嵌合凸部182Dの軸方向Daの外側を向く面が嵌合凹部181Dの軸方向Daの内側を面と接触する位置まで吐出側ヘッド本体146Dが移動されることで、吐出側ヘッド本体146D及び出口壁部145Dは、それ以上軸方向Daの外側に向かって移動することができなくなる。吐出側ヘッド本体146D及び出口壁部145Dが移動不能となった状態で、第一ナット730及び第二ナット740はリング本体610Dに密着する位置まで移動される。これにより、リング本体610Dの位置が保持され、吐出側ヘッド142Dの位置が固定される。
上述したような圧縮機1D及び圧縮機の製造方法S15によれば、バンドル10とケーシング2Dとが組み付けられた後に、シールリング600Dを介して吐出側ヘッド142Dを外部から移動させることができる。そのため、圧縮機1Dの外部から、ケーシング2Dに対する吐出側ヘッド142Dの軸方向Daの位置を定めることができる。これにより、下半ケーシング22Dにバンドル10を設置する場合や、バンドル10上に上半ケーシング21Dを設置する場合に、バンドル10と下半ケーシング22D及び上半ケーシング21Dとの軸方向Daの位置を細かく調整する必要がなくなる。また、第一ナット730及び第二ナット740を軸方向Daの外側に向かって移動させるように軸部材720に対して回転させるだけで、吐出側ヘッド142Dを移動させることができる。そのため。複雑な装置を用いることなく、簡易な構造で吐出側ヘッド142Dを移動させることができる。これにより、組み立て性をより一層向上させることができる。
特に、移動保持部700によって吐出側ヘッド142Dは軸方向Daの最も外側に寄った位置で保持されている。圧縮機1Dでは、内部でプロセスガスが圧縮されることで吐出口237での圧力が高くなり、吐出側ヘッド142Dには軸方向Daの外側に向かうような力が生じる。ところが、移動保持部700によって、軸方向Daの最も外側に寄った位置で保持されていることで、圧縮機1Dの運転中に吐出側ヘッド142Dが移動してしまうことを防ぐことができる。これにより、圧縮機1Dを安定して運転することができる。
なお、移動保持部700は、本実施形態のようにシールリング600Dと一体構造とされていることに限定されるものではない。つまり、移動保持部700は、ヘッドシール部とは独立して設けられていてもよい。
また、移動保持部700は、本実施形態のように、軸部材720、第一ナット730、及び第二ナット740を有する構造に限定されるものではない。移動保持部700は、吐出側ヘッド142Dを軸方向Daに移動させることができるものであればよい。したがって、移動保持部700は、例えば、油圧や圧縮空気式のジャッキによって、吐出側ヘッド142Dを軸方向Daに移動させる構造であってもよい。
《第六実施形態》
次に、本発明の圧縮機の第六実施形態について、図22から図24を参照して説明する。第六実施形態で示す圧縮機1Eは、ヘッドシール部の構成が第四実施形態と異なっている。したがって、第六施形態の説明においては、第一実施形態から第五実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。
図22に示すように、第六実施形態の圧縮機1Eでは、リング挿入部620Eが予めヘッド14E及びケーシング2Eの間に配置された状態で外部から軸方向Daに移動可能とされている。第六実施形態のヘッドシール部15Eは、リング収容部800と、リング挿入部620Eと、外側リングシール部630Eと、内側リングシール部670Eと、リング軸部材挿通孔830と、リング軸部材840と、リング軸部材保持部850と、保持部固定孔860と、保持部固定部材870と、リング第一ナット880と、リング第二ナット890と、を有している。
ここで、図22は、吐出側ヘッド142Eと上半ケーシング21Eとの間に設けられるヘッドシール部15Eを説明する要部拡大図である。第六実施形態のヘッドシール部15Eは、吸込側ヘッド141E及び吐出側ヘッド142Eに対応してそれぞれ設けられているが、以下、図22を用いて吐出側ヘッド142E周りのヘッドシール部15Eを例に挙げて説明する。
リング収容部800は、吐出側ヘッド本体146Eとケーシング2Eとの間にリング挿入部620Eを配置可能な空間を形成している。リング収容部800は、第一位置(図22におけるリング挿入部620Eの位置)と、第二位置(図23におけるリング挿入部620Eの位置)との間で、リング挿入部620Eを移動可能に収容している。第一位置は、リング挿入部620Eの内周面と内側リングシール部670Eとが接触せず、かつケーシング2Eの内周面と外側リングシール部630Eとが接触しない位置である。第二位置は、リング挿入部620Eの内周面とヘッド14Eの外周面とが内側リングシール部670Eに接触し、リング挿入部620Eの外周面とケーシング2Eの内周面とが外側リングシール部630Eに接触する位置である。第二位置は、第一位置に対して軸方向Daの外側ずれた位置である。
リング収容部800は、吐出側ヘッド本体146Eに形成されたリング収容溝810と、ケーシング2Eの内周面に形成されたリング支持部820とを有している。
リング収容溝810は、吐出側ヘッド本体内側面244E(吐出側ヘッド本体146Eにおいて軸方向Daの内側を向く面)と吐出側ヘッド本体146Eの外周面とで形成される角部に形成されている。リング収容溝810は、吐出側ヘッド本体内側面244E及び吐出側ヘッド142Eの外周面から断面矩形状をなして窪んでいる。リング収容溝810は、径方向Drの外側を向くリング収容溝第一面811と、軸方向Daの内側を向くリング収容溝第二面812とから構成されている。リング収容溝第一面811は、吐出側ヘッド本体146Eの外周面と平行な面であって、吐出側ヘッド本体内側面244Eと繋がっている。リング収容溝第二面812は、吐出側ヘッド本体内側面244Eと平行な平面であって、吐出側ヘッド本体146Eの外周面とリング収容溝第一面811とを繋ぐ面である。
リング支持部820は、ケーシング2Eの内周面から断面矩形状をなして突出している。リング支持部820は、嵌合凹部181に対して軸方向Daの内側に形成されている。リング支持部820は、径方向Drの内側を向くリング支持面821がリング収容溝第一面811と平行になるように形成されている。リング支持部820は、ケーシング2Eとバンドル10とが組まれた際に、リング支持面821とリング収容溝第一面811との径方向Drの距離がリング挿入部620Eの径方向Drの幅とほぼ同一となるように突出している。
ケーシング2Eの内周面におけるリング支持部820の軸方向Daの内側には、ケーシング2Eとバンドル10とが組まれた際に、リング支持面821とリング収容溝第一面811との径方向Drの距離に比べて、リング収容溝810とケーシング2Eの内周面との径方向Drの距離が広い空間が形成されている。具体的には、リング支持部820は、ケーシング2Eとバンドル10とが組まれた際に、吐出側ヘッド本体内側面244Eが形成されている軸方向Daの位置よりも、軸方向Daに離れた位置に形成されている。
リング挿入部620Eは、断面矩形状をなす円環状の部材である。リング挿入部620Eは、リング収容溝810とリング支持部820との間に挿入可能な形状とされている。リング挿入部620Eに軸方向Daの長さは、リング収容溝810の軸方向Daの深さ(吐出側ヘッド本体内側面244Eとリング収容溝第二面812との軸方向Daの距離)よりも短くされている。リング挿入部620Eの軸方向Daの外側を向く端面には、リング軸部材固定孔621Eが形成されている。リング軸部材固定孔621Eは、内部に雌ネジを有するネジ孔である。
外側リングシール部630Eは、リング挿入部620Eの外周面とリング支持面821との間をシール可能とされている。外側リングシール部630Eは、環状をなしており、リング挿入部620Eを全周にわたって囲っている。本実施形態の外側リングシール部630Eは、リング挿入部620Eの外周面に形成された外側取付溝631Eに収容されたOリングである。外側リングシール部630Eは、リング挿入部620Eの外周面に対して軸方向Daに並んで二つ設けられている。
外側取付溝631Eは、軸方向Daに並んで二つ形成されている。外側取付溝631Eは、リング挿入部620Eの軸方向Daの中心位置よりも内側に形成されている。
内側リングシール部670Eは、リング挿入部620Eの内周面とリング収容溝第一面811との間をシール可能とされている。内側リングシール部670Eは、環状をなしており、吐出側ヘッド本体146Eを全周にわたって囲っている。本実施形態の内側リングシール部670Eは、リング収容溝第一面811に形成された内側取付溝671Eに収容されたOリングである。内側リングシール部670Eは、リング収容溝第一面811に対して軸方向Daに並んで二つ設けられている。
内側取付溝671Eは、軸方向Daに並んで二つ形成されている。内側取付溝671Eは、リング収容溝第一面811において、軸方向Daの外側に可能な限り寄った位置(リング収容溝第二面812に近接した位置)に形成されている。
リング軸部材挿通孔830は、リング挿入部620Eがリング収容部800に収容された状態で、軸方向Daから見た際に、リング挿入部620Eと重なる位置に形成されている。具体的には、リング軸部材挿通孔830は、リング収容溝第二面812と吐出側ヘッド外装面245Eと軸方向Daに貫通する孔である。リング軸部材挿通孔830は、後述するリング軸部材840が挿通可能な大きさの断面円形状をなしている。
リング軸部材840は、外周面に雄ねじが設けられたネジ軸である。リング軸部材840は、リング軸部材挿通孔830に挿通された状態で一端がリング軸部材固定孔621Eに固定されている。これにより、リング軸部材840は、リング挿入部620Eと一体をなして移動可能とされている。
リング軸部材保持部850は、ケーシング2Eに固定されている。リング軸部材保持部850は、ケーシング2Eに接触する第一保持部851と、吐出側ヘッド本体146Eから離れた配置される第二保持部852とを有している。
第一保持部851は、断面板状をなし、軸線Oを中心とする円環状に形成されている。リング軸部材保持部850がケーシング2Eに固定された際に、第一保持部851の軸方向Daの内側を向く面は、ケーシング2Eの軸方向Daの外側を向く端面と接触可能とされている。第一保持部851には、軸方向Daに連通する第一保持部連通孔855が形成されている。第一保持部連通孔855は、リング軸部材保持部850がケーシング2Eに固定された状態で、軸方向Daから見た際に、ケーシング2Eの端面と重なる位置に形成されている。
第二保持部852は、第一保持部851から径方向Drの内側に向かって突出している。第二保持部852は、軸方向Daの厚みが第一保持部851よりも薄い断面板状をなし、軸線Oを中心とする円環状に形成されている。第二保持部852の軸方向Daの外側を向く面は、第一保持部851の軸方向Daの外側を向く面と連続する平面である。リング軸部材保持部850がケーシング2Eに固定された際に、第二保持部852の軸方向Daの内側を向く面は、吐出側ヘッド外装面245Eと離れた位置で対向している。第二保持部852には、軸方向Daに連通する第二保持部連通孔856が形成されている。第二保持部連通孔856は、リング軸部材保持部850がケーシング2Eに固定された状態で、軸方向Daから見た際に、リング軸部材挿通孔830と重なる位置に形成されている。
保持部固定孔860は、ケーシング2Eの軸方向Daの外側を向く端面に形成されている。保持部固定孔860は、内部に雌ネジを有するネジ孔ある。保持部固定孔860は、リング軸部材保持部850がケーシング2Eに固定された状態で、軸方向Daから見た際に、第一保持部連通孔855と重なる位置に形成されている。
保持部固定部材870は、外周面に雄ネジを有する保持部固定軸部871と、保持部固定軸部871の端部に形成された保持部固定頭部872とを有するボルトである。保持部固定軸部871は、第一保持部連通孔855に挿通された状態で先端が保持部固定孔860に固定されている。保持部固定頭部872は、第一保持部851よりも軸方向Daの外側に配置されている。
リング第一ナット880は、内部にリング軸部材840の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。リング第一ナット880は、リング軸部材840を内部に挿通させた状態で、リング軸部材840の延びる方向に沿って、リング軸部材840に対して相対移動可能とされている。リング第一ナット880は、第二保持部852に対して軸方向Daの内側(ケーシング2E側)に配置されている。リング第一ナット880は、第二保持部852におけるケーシング2E側を向く面に接触した状態で配置されている。
リング第二ナット890は、内部にリング軸部材840の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。リング第二ナット890は、リング第一ナット880と同様に、リング軸部材840の延びる方向に沿って、リング軸部材840に対して相対移動可能とされている。リング第二ナット890は、第二保持部852に対して軸方向Daの外側に配置されている。リング第二ナット890は、第二保持部852における軸方向Daの外側を向く面に接触した状態で配置されている。
次に、第六実施形態に係る圧縮機の製造方法S16について説明する。本実施形態の圧縮機の製造方法S16は、図24に示すように、第四実施形態と同様に、準備工程S106と、バンドル配置工程S30と、上半ケーシング配置工程S40と、ヘッドシール部移動工程S66とを含んでいる。以下、第四実施形態での圧縮機の製造方法S14と異なる点を説明する。
第六実施形態における準備工程S106では、上半ケーシング21E及び下半ケーシング22Eが準備される。その際、上半ケーシング21E及び下半ケーシング22Eの内周面にリング支持部820がそれぞれ形成される。また、上半ケーシング21E及び下半ケーシング22Eの軸方向Daの外側を向く端面に保持部固定孔860が形成される。また、準備工程S106では、ロータ11と、軸受部12と、上半ダイヤフラム131と、下半ダイヤフラム132と、吸込側ヘッド141Eと、吐出側ヘッド142Eと、連通隙間シール部16と、締結部17と、リング挿入部620Eと、外側リングシール部630Eと、内側リングシール部670Eと、リング軸部材840と、リング軸部材保持部850と、リング第一ナット880と、リング第二ナット890と、がそれぞれ製造される等により準備される。その際、吸込側ヘッド141E及び吐出側ヘッド本体146Eには、リング収容溝810、内側取付溝671E、及びリング軸部材挿通孔830が形成される。形成された内側取付溝671Eには、内側リングシール部670Eが取り付けられる。また、リング挿入部620Eには、外側取付溝631E及びリング軸部材固定孔621Eが形成される。リング軸部材固定孔621Eにリング軸部材840が固定されたリング挿入部620Eは、リング軸部材840がリング軸部材挿通孔830に挿入された状態で、リング収容溝810において、第一位置に配置される。第一位置では、リング挿入部620Eと内側リングシール部670Eとは接触していない。この状態で、一つの部品として一体化されたバンドル10が準備される。なお、このバンドル10は、軸方向Daの両端からリング軸部材840が突出した状態で準備される。
ヘッドシール部移動工程S66は、上半ケーシング配置工程S40を実施後に実施される。ヘッドシール部移動工程S66では、第二保持部連通孔856にリング軸部材840が挿入された状態で、保持部固定部材870によって、ケーシング2Eに対してリング軸部材保持部850が固定される。この状態で、第二保持部852とケーシング2Eとの間でリング第一ナット880にリング軸部材840を螺合させる。また、リング軸部材840における軸方向Daの外側の先端にリング第二ナット890を螺合させる。その後、リング第一ナット880は、第二保持部852のケーシング2E側を向く面に接触する位置まで移動される。また、リング第二ナット890は、第二保持部852において軸方向Daの外側を向く面に接触する位置まで移動される。
その後、ヘッドシール部移動工程S66では、リング第一ナット880及びリング第二ナット890を軸方向Daの外側に向かって移動させるようにリング軸部材840に対して回転させる。これにより、リング軸部材840が軸方向Daの外側に向かって移動する。リング軸部材840が移動することで、リング挿入部620Eも軸方向Daの外側に移動される。その結果、リング挿入部620Eは、第一位置から第二位置に移動する。リング本体610が軸方向Daの外側に向かって第二位置まで移動することで、内側取付溝671Eに収容された内側リングシール部670Eがリング挿入部620Eの内周面と接触する。また、外側取付溝631Eに収容された外側リングシール部630Eがケーシング2Eの内周面と接触する。この状態で、リング第一ナット880及びリング第二ナット890は第二保持部852に密着する位置まで移動される。これにより、リング軸部材840の位置が保持され、リング挿入部620Eの位置が第二位置に固定される。
上述したような圧縮機1E及び圧縮機の製造方法S16によれば、バンドル10とケーシング2Eとが組み付けられた後に、リング軸部材840を外部から移動させることで、ケーシング2Eとバンドル10とによって閉塞された空間内に配置されたリング挿入部620Eを移動させることができる。その結果、リング挿入部620Eが第一位置から第二位置まで移動し、吸込側ヘッド141E及び吐出側ヘッド142Eと、ケーシング2Eとの間をシールすることができる。したがって、第四実施形態と同様に、下半ケーシング22Eにバンドル10を設置する場合や、バンドル10上に上半ケーシング21Eを設置する場合に、分割面に挟まれたり、ケーシング2Eにこすられたりすることで生じるOリングの損傷を低減することができる。これにより、ヘッド14Eとケーシング2Eとの間のシール性を安定して確保することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
即ち、本発明の圧縮機は、上述した実施形態のいずれかが組み合わされた構成であってもよい。例えば、実施形態の第一変形例の圧縮機1Fは、第二実施形態の構造と第三実施形態の構造とが組み合わされた構造を有していてもよい。図25に示すように、第一変形例の圧縮機1Fは、軸方向Daの一方側と他方側とで異なる構造を有する規制部18Fを備えている。
規制部18Fは、軸方向Daの一方側では第三実施形態の規制部18Bと同様の構成を有し、軸方向Daの他方側では第二実施形態の規制部18Aと同様の構造を有している。
したがって、第一変形例のケーシング2Fの軸方向Daの一方側の端部は、吸込側ヘッド141Bよりも軸方向Daの外側に突出するように形成されている。ケーシング2Fの軸方向Daの一方側の端部には、規制収容凹部410が形成されている。また、吸込側ヘッド141Bには、ヘッド規制収容溝420が形成されている。圧縮機1Fにおける軸方向Daの一方側で、規制収容凹部410及びヘッド規制収容溝420に、第一規制部材430及び第二規制部材440が取り付けられている。
また、第一変形例のケーシング2Fの他方側の端部には、上半ケーシング21Fにおいて吐出側ヘッド142Aに対して軸方向Daの外側に設けられている第二上半突出部322と、下半ケーシング22Fにおいて吐出側ヘッド142Aに対して軸方向Daの外側に設けられている第二下半突出部362とが形成されている。
次に、第一変形例に係る圧縮機の製造方法S17について説明する。本実施形態の圧縮機の製造方法S17は、図26に示すように、準備工程S107と、バンドル配置工程S30と、上半ケーシング配置工程S40と、バンドル位置調整工程S95と、規制部材配置工程S97とを含んでいる。
第一変形例における準備工程S107では、上半ケーシング21F及び下半ケーシング22Fが準備される(ケーシング準備工程S117)。その際、上半ケーシング21F及び下半ケーシング22Fの軸方向Daの他方側の端部には、第二上半突出部322及び第二下半突出部362がそれぞれ形成される。また、上半ケーシング21F及び下半ケーシング22Fの軸方向Daの一方側の端部には、規制収容凹部410がそれぞれ形成される。また、準備工程S107では、ロータ11と、軸受部12と、上半ダイヤフラム131と、下半ダイヤフラム132と、吸込側ヘッド141Bと、吐出側ヘッド142Aと、連通隙間シール部16と、締結部17と、がそれぞれ製造される等により準備される(バンドル準備工程S127)。その際、吸込側ヘッド141Bには、ヘッド規制収容溝420が形成される。
また、第一変形例に係る圧縮機の製造方法S17では、上半ケーシング配置工程S40後に、バンドル位置調整工程S95が実施される。バンドル位置調整工程S95では、第二上半突出部322及び第二下半突出部362に吐出側ヘッド外装面245Aが接触するように、ケーシング2F内のバンドル10が軸方向Daの一方側から他方側に向かって押される。この状態で、規制収容凹部410及びヘッド規制収容溝420に対して、第一規制部材430及び第二規制部材440が収容可能となる位置までバンドル10の軸方向Daの位置が調整される。
バンドル位置調整工程S95後に、規制部材配置工程S97が実施される。バンドル10の軸方向Daの位置が調整された状態で、第一規制部材430は、規制収容凹部410に挿入された後に、軸方向Daの内側に移動されてヘッド規制収容溝420に挿入される。その後、第一規制部材430に対して軸方向Daの外側で、第二規制部材440が規制収容凹部410に圧入される。その結果、第一規制部材430及び第二規制部材440は、規制収容凹部410及びヘッド規制収容溝420に収容された状態で、互いに接触した状態となる。これにより、第一変形例の圧縮機1Fによっても第二実施形態や第三実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、例えば、上述した各実施形態では、各部品を一から形成して組み立てて圧縮機を製造する製造方法を説明したが。圧縮機の製造方法S1,S14,S15,S16,S17は、一から圧縮機を製造する場合のみに限定されるものではない。例えば、圧縮機の製造方法S1,S14,S15,S16,S17は、修理や検査を行う際に圧縮機を分解して再度組み立てる際に用いられてもよい。この際、使用済みのバンドルとバンドル準備工程S12,S124,S125,S126で新たに準備されたバンドルとが交換される。また、修理や検査を行う際には、事前に上半ケーシングを取り外す工程や、使用済みのバンドルを取り外す工程をさらに含むこととなる。
また、圧縮機の製造方法S1,S14,S15,S16,S17では、準備工程において、ケーシング準備工程、バンドル準備工程、ヘッドシール部準備工程、及び移動保持部準備工程は、上記のように同時に実施されることに限定されるものではない。例えば、ケーシング準備工程、バンドル準備工程、ヘッドシール部準備工程、及び移動保持部準備工程は、それぞれ別々に異なるタイミングで実施されてもよい。
また、上述した各実施形態において、バンドル10を持ち上げたりおろしたりする際に、アイボルト501を用いたがこのような方法に限定されるものではない。例えば、第二変形例として、図27に示すように、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146における鉛直方向Dvの下端にワイヤ504を挿通可能なワイヤ挿通部900が形成されていてもよい。ワイヤ挿通部900は、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146の外周面から窪む溝として形成されていてよく、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体146を貫通する孔として形成されていてもよい。また、ワイヤ挿通部900は、吸込側ヘッド141及び吐出側ヘッド本体だけでなく、任意のダイヤフラム13に形成されていてもよい。
このようにワイヤ挿通部900を設けることで、バンドル10の重量が大きくなってしまっても、バンドル10を安定した状態で移動させることができる。
また、上記各実施形態では、圧縮機として、一軸多段遠心圧縮機を例示したが、本発明の圧縮機はこれに限られるものではない。例えば、圧縮機は、軸流の圧縮機であってもよい。
また、バンドルの構成は、本実施形態の構成に限定されるものではない。バンドルは、圧縮機の構成要素のうち、ケーシングを除いた他の構成要素を含んでいてもよく、本実施形態の構成の一部が含まれていなくてもよい。