JP6946632B2 - 回折光学素子、回折光学素子及び保持具のセット部材、光照射装置 - Google Patents
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Description
また、光を整形する別の手段として、回折光学素子(Diffractive Optical Element :DOE)が挙げられる。これは異なる屈折率を持った材料が周期性を持って配列している場所を光が通過する際の回折現象を応用したものである。DOEは、基本的に単一波長の光に対して設計されるものであるが、理論的には、ほぼ任意の形状に光を整形することが可能である。また、前述のLSDにおいては、照射領域内の光強度がガウシアン分布となるのに対し、DOEでは、照射領域内の光分布の均一性を制御することが可能である。DOEのこのような特性は、不要な領域への照射を抑えることによる高効率化や、光源数の削減等による装置の小型化等の点で有利となる(例えば、特許文献1参照)。
また、DOEは、レーザの様な平行光源や、LEDの様な拡散光源のいずれにも対応可能であり、また、紫外光から可視光、赤外線までの広い範囲の波長に対して適用可能である。
しかし、多段階形状の改良による出光効率の向上に限らず、さらなる効率向上が望まれている。
図1は、本発明による回折光学素子の実施形態を示す平面図である。
図2は、図1の回折光学素子の例における部分周期構造の一例を示す斜視図である。
図3は、図2中の矢印G−G’の位置で回折光学素子を切断した断面図である。
図4は、回折光学素子を説明する図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
なお、光源部210と、光源部210が発光する光が通過する位置に少なくとも1つ配置された、本実施形態の回折光学素子10とを組み合わせることにより、光を成形した状態で照射可能な光照射装置とすることができる。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
本実施形態の回折光学素子10は、図1に示したA,B,C,Dのそれぞれの位置において深さが異なっている。すなわち、回折光学素子10は、4段階の高さの異なる多段階形状により構成されている。そして、回折光学素子10は、通常、異なる周期構造を持つ複数の領域(部分周期構造:例えば、図1のE,F領域)を有している。図2では、部分周期構造の一例を抽出して示している。
回折光学素子10は、図3に示すように、断面形状において複数の凸部11aが並んで配置されている高屈折率部11を備えている。この高屈折率部11は、同じ断面形状を維持したまま、断面の奥行き方向に延在している。
本実施形態の回折光学素子10は、先の図2に示したようにミクロ的に見れば、平面状に表現できるが、全体としてみると、図5に示すように特定の領域が他の領域に対して傾斜して形成されている。すなわち、回折光学素子10の全体としてのシート面に沿って平行な平面に構成された第1の領域10Aと、この第1の領域10Aに対して角度を成して構成されている第2の領域10Bとを備えている。
なお、図5では、構成を分かりやすく示すために凸部11を大きく示しているが、実際には、このように大きく見えるものではない。
本実施形態の回折光学素子10は、そのシート面内における直交する2方向、例えば、図2におけるX方向とY方向において、X方向については傾斜した領域を備えているが、Y方向に沿った方向については、傾斜した領域を備えていない。すなわち、回折光学素子10は、一方向についてのみ傾斜した領域を備えている。
また、本実施形態の光照射装置の光源部210は、第1の領域10Aにおける法線(第1の法線)に平行な平行光を照射する線光源、又は、面光源である。
先ず、回折光学素子10へ入射する光の入射角が回折効率にどのような影響を与えているのかを明確にするために、シミュレーション解析を行った。
シミュレーション解析では、回折光学素子10を傾けて配置することにより、入射角の異なる条件を設定した。回折光学素子10への入射角Tinと、出射角Toutとを、図9(a)の向きに設定すると、回折光学素子10が光を回折する回折角Tdは、Td=Tin−Toutとして表すことができる。例えば、図6(b)から図6(d)には、いずれも回折角Td=10°であるが、それぞれTin=0°,10°,20°の場合を図示した。これら図6(b)、図6(c)、図6(d)は、回折光学素子10の傾いている角度が入射光に対してそれぞれ、0°、10°、20°であるとして捉えることができる。このようなモデルを用いて、シミュレーション解析を行った。
回折効率の解析シミュレーションには、厳密結合波理論(RCWA(rigorous coupled−wave analysis)に基づいた演算を用いた。RCWAは、数学的には、行列の固有値問題と一次方程式を解くことに帰着されるので、原理的な困難さはない。また、このRCWAに基づいた電磁場解析のシミュレーション結果と現実とでは、現物における形状エラー等を除けば、基本的に合致する。
波長λ:500nm
高屈折率部の屈折率n:1.5
低屈折率部の屈折率:1.0
多段階のレベル数P:4
多段階の一段あたりの段差:250nm
図7は、シミュレーション解析の結果をまとめた図である。
図7に示したシミュレーション出光値は、入力光を1としたときの、各方向における出光値を示している。
図7中の0th、1stは、それぞれ、0次回折光、1次回折光を示す。通常の利用方法では、1次回折光が大きい方が望ましく、また、0次回折光が少ない方が望ましい。
図7及び図8を見ると、Tin=0°の場合、Td=35°において1次回折光(1th)が非常に低い値(0.319621)となっている。したがって、従来のような平坦な回折光学素子では、平行光線を回折光学素子に入射させて、様々な方向に出射させる場合に、回折光学素子のシート面に対する法線に対して略35°の向きに出射する光だけ極端に光量が減少してしまう。
本実施形態の回折光学素子10では、第1の領域10Aにおける法線である第1の法線N1と第2の領域10Bにおける法線である第2の法線N2とのなす角度βを、20°以上40°以下となるように配置している。
このような配置により、第2の領域10Bへ光源部210から入射する光は、上述したTin=20°以上、Tin=40°以下となる。よって、この第2の領域10Bの回折角Tdを35°付近となるように設定しても、回折効率の低下を抑えることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
10A 第1の領域
10B 第2の領域
11 高屈折率部
11a 凸部
11a−1 レベル1段部
11a−2 レベル2段部
11a−3 レベル3段部
11a−4 レベル4段部
11b 側壁部
12 凹部
13 空間
14 低屈折率部
15 回折層
100 回折光学素子
200 スクリーン
201 光
202 照射領域
204 照射領域
210 光源部
Claims (6)
- 光を整形する回折光学素子であって、
少なくとも光を整形する使用状態において、
素子表面の少なくとも一部が他の部位の素子表面に対して角度を成して構成されている、
又は、
素子表面の少なくとも一部が他の部位の素子表面に対して角度を成した状態で保持されている、回折光学素子であって、
周期構造を有して平面状に構成され、入射側から入射した光を反対側の出射側から回折光として出射する第1の領域と、
周期構造を有して平面状に構成され前記第1の領域に対して角度を成して構成されている、又は、周期構造を有して平面状に構成され前記第1の領域に対して角度を成した状態で保持されており、入射側から入射した光を反対側の出射側から回折光として出射する第2の領域と、
を備え、
当該回折光学素子は、力を加えない自由状態では、全体としてみると平坦なシート状に形成されているものであり、
前記第2の領域は、前記第1の領域に隣接して一部材で繋がっており、
前記第1の領域における法線である第1の法線と前記第2の領域における法線である第2の法線とのなす角度βは、20°以上40°以下であること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項1に記載の回折光学素子において、
素子表面の少なくとも一部が曲面に構成されていること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項1又は請求項2に記載の回折光学素子において、
素子表面の少なくとも一部は、複数の平面を組み合わせて構成されていること、
を特徴とする回折光学素子。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回折光学素子と、
前記回折光学素子を保持する保持具と、
を備える回折光学素子及び保持具のセット部材であって、
前記保持具は、前記回折光学素子の素子表面の少なくとも一部が他の部位の素子表面に対して角度を成した状態となるように保持する回折光学素子及び保持具のセット部材。 - 光源部と、
前記光源部からの光が入射する位置に配置され、前記光源部からの光を成形する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の回折光学素子と、
を備える光照射装置。 - 請求項5に記載の光照射装置であって、
前記光源部は、前記第1の法線に平行な平行光を照射すること、
を特徴とする光照射装置。
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