以下、本開示の実施形態としての交通管理システム1を図面に基づいて説明する。交通管理システム1は、車線変更を予定している変更車両10の走行を支援する。図1に示すように、変更車両10は、被合流路3に対して合流する合流路2を走行している。変更車両10は、合流路2から被合流路3への合流を予定している。交通管理システム1においては、変更地点4から合流路2の終点6までを変更区間Aと設定している。交通管理システム1は、変更車両10の変更区間Aでの被合流路3への車線変更を円滑に実施させる。
合流路2は、変更前車線に相当する。合流路2は、被合流路3よりも低い制限速度を設定されている。このため、交通管理システム1においては、合流路2の変更地点4の手前を合流に向けて加速するための加速区間Bと設定している。加速区間は、例えば変更地点4から80mの長さで設定されている。また、合流路2の加速区間Bの手前は、交通管理システム1において変更車両10の円滑な車線変更のための準備区間Cと設定されている。準備区間Cは、例えば40km/hに制限速度を設定されている。
被合流路3は、特定車線に相当する。被合流路3には、走行車両に相当する車両として、車外との無線通信により速度調整の要求を受信可能な通信車両20と、受信不能な非通信車両30とが走行している。
交通管理システム1は、路側機300と、情報管理装置400と、車両システム100とを含んでいる。車両システム100は、走行支援システムに相当する。
路側機300は、図1に示すように、被合流路3の周辺に設けられ、走行車両の速度を検知している。路側機300は、被合流路3の変更地点4より手前側の観測地点5にて、通過する走行車両の速度を検知している。例えば、路側機300は、変更地点4から430m手前の観測地点5を通過する走行車両の速度を検知可能に設けられている。
路側機300は、一定の観測地点5の走行車両のみ速度を検知可能である。観測地点5から変更地点4までの所要時間は速度の高い走行車両ほど短いため、車線変更を妨げうる走行車両は、速度が高いほど遅い時刻に路側機300により検知されることとなる。このため、路側機300のみで車線変更を妨げうる走行車両を全て検知可能となる時刻は、走行車両の速度が高いほど遅くなる。従って、車線変更を妨げうる走行車両を全て検知するためには、想定される最高速度の走行車両が検知される時刻まで待機する必要が生じ得る。
路側機300は、図2に示すように、カメラ301と、通信部302と、制御部310とを備えている。カメラ301は、観測地点5を撮像範囲として、撮像した画像を逐次支出力するカメラである。カメラ301は、観測地点5を通過する走行車両を撮像する。カメラ301は、走行車両のナンバープレートを、記載されている車番を認識可能に撮像できるように設けられている。
通信部302は、情報管理装置400との間でデータをやりとりするための通信装置である。制御部310は、カメラ301および通信部302を制御するための電子制御装置である。制御部310は、路側機300に対応する観測地点5の位置を示す位置情報を記憶したメモリを有している。制御部310は、速度取得部311と、車番取得部312と、観測情報送信部313としての機能を有する。
速度取得部311は、観測地点5を通過する走行車両の速度を速度情報として取得する。走行車両の速度は、例えばカメラ301が出力する画像中の走行車両の位置を、連続した画像で比較することによって推定すればよい。なお、走行車両の速度は、ドップラーレーダなどその他の速度取得手段を路側機300の構成に追加して取得してもよい。
車番取得部312は、撮像画像を解析し、走行車両のナンバープレートに記載の車番を車番情報として取得する。観測情報送信部313は、観測地点5を通過している走行車両についての観測情報を、通信部302に情報管理装置400に対して送信させる。観測情報は、速度取得部311により取得された速度情報と、車番取得部312により取得された車番情報と、位置情報とを含む。
情報管理装置400は、図1に示したように、車両システム100および路側機300と通信可能となるように、例えばデータセンタなどに設けられる。情報管理装置400は、一つまたは複数のサーバ装置により実現され、車両システム100、および路側機300の通信を仲介する。
車両システム100は、図1に示したように、変更車両10および通信車両20で用いられている。車両システム100は、図3に示すように、地図データベース101、ロケータ102、周辺監視装置103、通信部104、車両制御ECU105、自動運転ECU110などを備えている。地図データベース101、ロケータ102、周辺監視装置103、通信部104、車両制御ECU105、自動運転ECU110は、例えば車載LAN106を介して相互に通信可能に接続されている。
地図データベース101は、地図データを格納している記憶装置である。地図データには、道路を構成する各道路区間の長さ、曲率、勾配といった形状情報や、各道路区間の制限速度、車線数といった属性情報が含まれている。
ロケータ102は、自車の位置を特定するための装置である。例えばロケータ102は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や慣性センサなどを備えている。GNSS受信機は、GNSSを構成する測位衛星が送信する測位信号を受信する受信機である。慣性センサは、自車の角速度を計測するジャイロセンサや、自車の加速度を計測する加速度センサである。ロケータ102は、GNSS受信機による測位信号と慣性センサによる計測結果との組み合わせにより自車の位置を逐次決定する。ロケータ102は、決定した位置の軌跡を地図データベース101が記憶する道路形状に重ね合わせることで位置の補正を行う構成としてもよい。
周辺監視装置103は、自車の周辺の状況を逐次取得する装置である。周辺監視装置103は、例えば他車や歩行者等の移動物体、ガードレールや標識等の静止物体、および停止線等の道路標示などを周辺の状況として取得する。周辺監視装置103は、例えば自車の周辺を撮像範囲とするカメラや、自車の周辺に探査波を送信する、ミリ波レーダ、ソナー、ライダを備えている。
通信部104は、自車の外部と無線通信を行う通信装置である。通信部104は、他の車両で用いられている車両システム100や路側機300と通信する。例えば、通信部104は、基地局を介した広域通信回線を通じて情報管理装置400と通信し、情報管理装置400の仲介によって他の車両で用いられている車両システム100や路側機300と通信する。
車両制御ECU105は、自車の加減速制御や操舵制御を行う電子制御装置である。車両制御ECU105は、自車が備える電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータ等の各走行制御デバイスへ制御信号を出力する。制御信号は、ドライバの運転操作を示す操作情報、および自動運転ECU110より入力される自動運転情報の少なくとも一方に基づいて決定される。
自動運転ECU110は、自車の走行する環境に基づいて車両制御ECU105に自動運転情報を入力することにより、自動運転を実現させている。自動運転ECU110は、CPU、ROM、RAM等よりなるコンピュータを主体として構成されている。自動運転ECU110は、CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、あらかじめ定められた機能を発揮する。ROMは、非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)の一例である。非遷移的実体的記憶媒体は、半導体記憶装置や、磁気ディスクなどの磁気記憶媒体を用いて実現されている。なお、自動運転ECU110が発揮する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。自動運転ECU110は、認知部111と、通常判断部112と、調停部113と、変更協力部220と、変更準備部120としての機能を発揮する。また、自動運転ECU110が備えるROMには、自車の車番を示す車番情報が記憶されている。
認知部111は、地図データベース101に記憶された地図データ、ロケータ102が取得する自車の位置、および周辺監視装置103が取得する自車周辺の状況に基づいて、自車の走行する環境を認知する。
通常判断部112は、認知部111が認知した自車の走行する環境に基づいて、自車を自動で走行させるための経路や加減速、制動、および操舵を決定する。通常判断部112は、ドライバにより設定された目的地に向けて自車を走行させるための経路を決定する。通常判断部112は、経路に沿った走行、車間距離の維持、および障害物の回避などを目的とする加減速、制動、および操舵が必要であるか否かを逐次判断する。通常判断部112は、調停部113に対して、必要であると判断された加減速、制動、および操舵を要求する。
調停部113は、通常判断部112、変更協力部220、および変更準備部120により要求される加減速、制動、および操舵の調停を行う。調停部113は、通常判断部112により逐次決定された加減速、制動、および操舵の実行を指示する支援信号を車両制御ECU105に逐次入力する。また調停部113は、変更協力部220または変更準備部120より加減速の実行を要求された場合に、自車周辺の環境に基づいて、自車が要求された加減速を実行可能であるか否かを判断する。実行可能な場合は、要求された加減速を指示する支援信号を車両制御ECU105に入力する。実行可能でない場合は、要求された加減速ではなく通常判断部112により決定された加減速、制動、および操舵を指示する支援信号を車両制御ECU105に入力する。
変更協力部220は、通信車両20を変更車両10の車線変更に協力させる。変更協力部220は、自車情報送信部221と、要求受信部222と、要求実行部223としての機能を有する。
自車情報送信部221は、自車の情報を、通信車両20を示す通信車情報として送信する。通信車情報は、自動運転ECU110が備えるROMに記憶された車番情報を含む。自車情報送信部221は、通信部104に、変更車両10に対して情報管理装置400を介して通信車情報を送信させる。
要求受信部222は、情報管理装置400を介して変更車両10より通信部104に送信された後述の要求情報を受信する。要求実行部223は、要求受信部222により受信された要求情報に含まれる変更車両10の走行予定に基づいて、変更車両10の車線変更を妨げない加減速度を決定する。要求実行部223は、例えば変更車両10を追従する対象の先行車両とみなして車間距離を維持しつつ走行する加減速度を決定する。また要求実行部223は、決定させた加減速度を実行するための加減速の実行を調停部113に要求する。
変更準備部120は、通常判断部112の決定した経路に車線変更の予定が含まれている場合に、車線変更を円滑に実施するための準備を行う。変更準備部120は、車線変更の準備として、車線変更を円滑に実施するための自車の目標速度を示すプロファイルを決定する。変更準備部120は、決定したプロファイルに従って変更車両10を走行させる加減速を調停部113に要求する。変更準備部120は、車線変更の準備として、通信車両20に対して速度調整の要求を行う。以下では、図1に示した変更地点4での車線変更が予定されている場合を例に変更準備部120の機能を説明する。変更準備部120は、予定設定部121と、情報取得部122と、予測判断部123と、通信判断部124と、協力要求部125と、予定更新部126とを備えている。
予定設定部121は、変更地点4までの区間について、自車を走行させる速度を定めるプロファイルを設定する。これ以降、予定設定部121が設定したプロファイルを初期プロファイルと表現する。予定設定部121は、車線変更を妨げうる走行車両が観測地点5に進入する以前に初期プロファイルを設定する。例えば、自車の位置が変更地点4の400m手前となった時点で初期プロファイルを設定する。
プロファイルは、自車の変更地点4に対する到達時刻を予測可能に設定される。プロファイルは、地図データに含まれる変更地点4までの道路区間の制限速度や、あらかじめ定められている自車の加減速度の制限を示す加減速制限に従って決定される。加減速制限は、例えば自車の乗員の不快感等が抑制されるように定められている。
予定設定部121が決定する初期プロファイルによる速度の推移と、初期プロファイルに従って走行する自車の位置の推移とを図4に沿って説明する。初期プロファイルによる速度V0は、準備区間Cにおいて合流路2の制限速度に設定されている。この速度V0に従って走行する変更車両10の位置の軌跡X0は、時刻T1に加速区間B内となる。変更車両10は、例えば時刻T1以降において加速度制限に定められている加速度の上限で加速している。
説明を図1および図3に戻す。情報取得部122は、路側機300より、観測地点5を通過した走行車両の速度情報を逐次取得する。情報取得部122は、通信部104を情報管理装置400と通信させ、情報管理装置400の仲介により路側機300から観測情報を取得する。また情報取得部122は、情報管理装置400の仲介により通信車両20から通信車情報を取得する。
予測判断部123は、情報取得部122により新たな走行車両の観測情報が取得された場合に、この走行車両により変更地点における自車の車線変更が妨げられると予測されるか否かを判断する。予測判断部123は、変更区間Aにおける自車と走行車両との関係が変更可能範囲内であると予測される場合には、車線変更が妨げられないと判断する。
自車と走行車両との関係としては、例えば車間距離、車間時間(Time Headway:THW)、衝突余裕時間(Time To Collision:TTC)などを用いることができる。変更可能範囲は、用いる走行車両と変更車両との関係に応じて、例えば車線変更時における自車の乗員の不安感が抑制されるようにあらかじめ設定されている。当実施形態においては、自車と走行車両との関係は、変更地点4への自車の到達時刻における走行車両と車間距離である。
自車と走行車両との関係は、設定されているプロファイルに従う自車の位置の軌跡と、新たな走行車両の位置の軌跡とに基づいて予測される。走行車両の位置の軌跡は、観測情報に含まれる速度情報と、観測情報に含まれる位置情報より求められる観測地点5と変更地点4との距離とに基づいて予測される。例えば、予測判断部123は、速度情報が示す速度で走行車両が走行し続けると仮定して、観測地点5から変更地点4に向かう走行車両の位置の軌跡を予測する。
通信判断部124は、情報取得部122により新たな走行車両の観測情報が取得された場合に、この走行車両が通信車両20であるか否かを判断する。通信判断部124は、観測情報に含まれる車番情報の示す車番と、通信車情報に含まれる車番情報の示す車番とが一致するか否かに従って、新たな走行車両が通信車両20であるか否かを判断する。
協力要求部125は、通信判断部124により判断された通信車両20に対して、自車の車線変更を妨げないように速度調整を要求する。協力要求部125は、予測判断部123により車線変更を妨げると判断された通信車両20に対して、自車の車線変更を妨げないように減速する速度調整を要求する。なお、協力要求部125は、車線変更を妨げると予測されていない通信車両20に対しても、車線変更を妨げない速度での走行を要求してもよい。例えば、初期プロファイルからプロファイルの更新が行われている場合には、車線変更を妨げないと判断されていても、車線変更を妨げない速度を維持する走行を要求する。協力要求部125は、自車の走行予定を含む要求情報を、通信部104に情報管理装置400を介して通信車両20に対して送信させる。走行予定は、自車の合流を妨げない走行車両の位置の軌跡を特定可能な情報である。走行予定は、例えば設定済みのプロファイルにより特定される自車の変更地点4への到達時刻や、変更区間Aにおける自車の位置の軌跡を予測したデータである。
予定更新部126は、予測判断部123により変更車両10の車線変更が妨げられると判断された場合に、変更地点4への到達時刻が変更されるようにプロファイルを更新する。これ以降、予定更新部126により更新されたプロファイルを更新プロファイルと表現する。予定更新部126は、設定済みのプロファイルでの到達時刻よりも遅い時刻を到達時刻とするように更新プロファイルを設定する。また予定更新部126は、変更車両10を設定されている最新のプロファイルに従って走行させるように加減速を調停部113に対して要求する。なお予定更新部126は、車線変更を妨げられると判断された場合であっても、協力要求部125が速度調整を要求した時刻以降はプロファイルの更新を行わない。
予定更新部126によるプロファイルの更新に伴う変更車両10の速度および位置の遷移の更新の例を説明する。図5に示す例では、時刻T11および時刻T12に新たに観測情報を取得された走行車両が、予測判断部123により車線変更を妨げると判断されている。また、これらの走行車両が、通信判断部124により非通信車両30であると判断されている。このため予定更新部126は、時刻T11および時刻12においてプロファイルの更新を行っている。
時刻T11では、速度V0で示される初期プロファイルに変更車両10が従う場合に、車線変更が妨げられると判断されている。この場合、予定更新部126は、初期プロファイルを、速度V1で示される第一更新プロファイルに更新する。これにより、変更車両10の位置の遷移を、初期プロファイルに従う場合の位置の軌跡X0から、第一更新プロファイルに従う場合の位置の軌跡X1に変更させる。
第一更新プロファイルは、変更車両10の変更地点4に対する到達時刻を時刻T20とするように決定される。時刻T20は、時刻T11に路側機300に検知された走行車両が変更地点4を通過しており、車線変更を妨げないと予測される時刻である。車線変更を妨げないと予測される時刻は、例えば走行車両の変更地点4からの距離が、あらかじめ設定された車線変更を妨げない距離以上となると予測される時刻である。時刻T20は、初期プロファイルにおける到達時刻である時刻T19よりも遅い時刻に決定されている。
加速区間Bにおいては、第一更新プロファイルは、初期プロファイルに対して速度の遷移を維持させている。具体的には、第一更新プロファイルにおいても、加速区間Bに進入する時刻T17における速度が、初期プロファイルと同様に準備区間Cの制限速度となっている。第一更新プロファイルでは、加速区間Bにおいて、初期プロファイルと同様に加減速制限に定められている加速度の上限で変更車両10を加速させている。これにより第一更新プロファイルは、加速区間Bの通過に要する時刻T17から時刻T20までの時間が、初期プロファイルで加速区間Bの通過に要する時刻T16から時刻T19までの時間と等しくなるように決定されている。
一方準備区間Cにおいては、第一更新プロファイルは、初期プロファイルに対して、速度を部分的に低下させている。準備区間Cにおいて速度を低下させることにより、第一更新プロファイルは到達時間を遅らせている。具体的には、時刻T11から時刻T14までの期間において、準備区間Cの制限速度よりも低い速度となっている。斜線で示した時刻T11から時刻T14までの期間における準備区間Cの制限速度に対する速度V1の速度差を積分した値が、第一更新プロファイルにおける調整距離となる。
調整距離は、初期プロファイルに対する時刻T16における変更車両10の位置の差を示す。すなわち、調整距離は、時刻T16における加速区間Bまでの距離を示す。速度V1は、調整距離を必要調整距離に一致させるように決定される。
必要調整距離は、初期プロファイルに対する到達時刻の時間差に準備区間Cの制限速度を乗算して得られる。第一更新プロファイルにおける必要調整距離は、時刻T19と時刻T20との時間差に準備区間Cの制限速度を乗算することで得られる。調整距離が必要到達距離と等しくなっている変更車両10は、準備区間Cの制限速度で走行することにより、時刻T16から到達時刻の時間差に等しい時間差で加速区間Bに進入する。
予定更新部126は、時刻T11において、以降の速度V1の遷移をあらかじめ決定すればよい。また、予定更新部126は、時刻T11においては到達時刻として時刻T20のみを決定し、時刻T20に到達するように加減速を逐次決定することによりV1の遷移を決定してもよい。
加減速を逐次決定することによりV1の遷移を決定する場合を説明する。予定更新部126は、時刻T11において変更車両10に減速を開始させる。予定更新部126は、時刻T12において、調整済距離と推定調整距離との和が必要調整距離に一致すると判断して変更車両10に加速を開始させる。
調整済距離は、時刻T11から時刻T12までに調整済みとなった距離である。調整済距離は、時刻T11から時刻T12までの期間における初期プロファイルに対する速度V1の速度差を積分した値である。時刻T11から時刻T12までの期間における初期プロファイルの速度は準備区間Cの制限速度であるため、調整済距離は、準備区間Cの制限速度と速度V1の速度差を積分した値となる。
推定調整距離は、減速を終了して加速に転じた場合に、加速に転じてから準備区間Cの制限速度に回復するまでに調整されると推定される距離である。すなわち推定調整距離は、時刻T12から時刻T14の期間における準備区間Cの制限速度に対する速度V1の速度差を積分した値である。
予定更新部126は、第一更新プロファイルで変更車両10を走行させる場合には、時刻T14において準備区間Cの制限速度まで変更車両10の速度を回復させたと判断し、変更車両10に速度の維持を開始させる。
時刻T13では、第一更新プロファイルに変更車両10が従う場合に、車線変更が妨げられると判断されている。この場合、予定更新部126は、第一更新プロファイルを、速度V2で示される第二更新プロファイルに再び更新する。これにより、変更車両10の位置の遷移を、軌跡X1から第二更新プロファイルに従う場合の位置の軌跡X2に変更させる。
第二更新プロファイルは、変更車両10の変更地点4に対する到達時刻を時刻T21とするように決定される。時刻T21は、時刻T13に路側機300に検知された走行車両が変更地点4を通過しており、車線変更を妨げないと予測される時刻である。時刻T21は、第一更新プロファイルにおける到達時刻である時刻T20よりも遅い時刻に決定されている。
加速区間Bにおいては、第二更新プロファイルは、第一更新プロファイルと同様に初期プロファイルに対して速度の遷移を維持させている。具体的には、第二更新プロファイルにおいても、加速区間Bに進入する時刻T18における速度が初期プロファイルと同様に準備区間Cの制限速度となっている。第二更新プロファイルは、加速区間Bにおいて、初期プロファイルと同様に加減速制限が示す上限速度で加速している。これにより第二更新プロファイルは、加速区間Bの通過に要する時刻T18から時刻T21までの時間が、初期プロファイルで加速区間Bの通過に要する時刻T16から時刻T19までの時間と等しくなるように決定されている。
一方準備区間Cにおいては、第二更新プロファイルは、初期プロファイルおよび第一更新プロファイルに対して、速度を部分的に低下させている。準備区間Cにおいて速度を低下させることにより、第二更新プロファイルは到達時間をさらに遅らせている。具体的には、時刻T11から時刻T15までの期間において、準備区間Cの制限速度よりも低い速度となっている。また時刻T13から時刻T15までの期間において、第一更新プロファイルにおける速度よりもさらに遅い速度となっている。
時刻T11から時刻T15までの期間における初期プロファイルに対する速度V2の速度差を積分した値が、第二更新プロファイルにおける調整距離となる。時刻T11から時刻T15までの期間における初期プロファイルの速度は準備区間Cの制限速度であるため、調整距離は、準備区間Cの制限速度と速度V2の速度差を積分した値となる。速度V2は、調整距離を、到達時刻である時刻T19と時刻T21の時間差に準備区間Cの制限速度を乗算して得られる第二更新プロファイルにおける必要調整距離に一致させるように決定される。
変更準備部120の作動を、図6および図7のフローチャートに沿って説明する。変更準備部120は、例えば自車の位置が変更地点4の400m手前となると、変更地点4までの初期プロファイルを決定し、図6に示す処理をステップS1(以下、ステップを省略)から順に実行する。
S1では、路側機300より送信された新たな走行車両の観測情報を取得したか否かを判断する。観測情報を取得した場合はS2に進み、取得していない場合はS8に進む。S2では、S1で観測情報を取得された新たな走行車両が通信車両20であるか否かを判断する。通信車両20である場合はS3に進み、通信車両20でない場合にはS5に進む。
S3では、S1で観測情報を取得された走行車両により車線変更が妨げられるかを判断する。またS3では、図6の処理を開始してから更新プロファイルへの更新が行われたか否かを判断する。車線変更を妨げられるか、または更新されていた場合には、S4に進む。車線変更を妨げられず、かつ更新されていない場合はS8に進む。S4では、S1で観測情報を取得された通信車両20に対して、変更車両10の車線変更を妨げないように要求する。
S5では、図6の処理を開始してから、通信車両20に対する協力要求を行っているか否かを判断する。通信車両20に対する協力要求を行っている場合はS8に進み、通信車両20に対する協力要求を行っていない場合にはS6に進む。S6では、S1で観測情報を取得された走行車両により、車線変更が妨げられるか否かを判断する。妨げられる場合にはS7に進み、妨げられない場合はS8に進む。
S7では、新たな更新プロファイルへの更新を行う。具体的には、新たな到達時刻を決定する。S8では、図7に示す処理をS81から順に実行することにより、設定されている最新のプロファイルに従って変更車両10を走行させる。
S81では、直前の処理がS7であり、新たな更新プロファイルに更新されたか否かを判断する。更新された場合はS82に進み、更新されていない場合はS83に進む。S82では、変更車両10を減速させることにより、更新前の到達時刻よりも遅い更新後の到達時刻となるように変更車両10を走行させる。その後S8のサブルーチンを終了し、図6のS9に進む。
S83では、変更車両10を減速させているか否かを判断する。変更車両10を減速させている場合はS84に進み、変更車両10を減速させていない場合はS86に進む。S84では、加速に転じることにより調整が完了すると予測されるか否かを判断する。具体的には、調整済距離と推定調整距離との和が必要調整距離と等しくなると予測されるか否かを判断する。完了すると判断した場合はS85に進み、完了しないと判断した場合はS82に進む。
S85では、変更車両10を加速させ、準備区間Cの制限速度まで速度を回復させる。その後S8のサブルーチンを終了し、図6のS9に進む。S86では、準備区間Cの制限速度まで速度が回復し、到達時刻の調整が完了しているか否かを判断する。完了している場合はS87に進み、完了していない場合はS85に進む。S86では、準備区間Cの制限速度および加減速制限に従う走行を維持するように変更車両10を走行させる。具体的には、変更車両10が準備区間Cに位置する場合は準備区間Cの制限速度で変更車両10を走行させる。変更車両10が加速区間Bに位置する場合は、加減速制限に定められている加速度の上限で変更車両10を加速させる。その後S8のサブルーチンを終了し、図6のS9に進む。
説明を図6に戻す。S9では、変更車両10が被合流路3への車線変更を完了したか否かを判断する。完了した場合はS10に進み、完了していない場合は再びS1の処理を行う。S10では、変更準備部120としての処理を終了するための各種の処理を行い、図6に示す処理を終了する。各種の処理は、例えばプロファイルの消去や、通信車両20に対して協力要求を終了する旨の送信である。
[交通管理システム1の作動例]
以上の構成による交通管理システム1の作動例を図8、図9を用いて説明する。図8、図9では、変更車両10の速度および位置の遷移に加えて、変更車両10の車線変更を妨げると判断された走行車両の速度および位置の遷移を示している。なお、車線変更前において通信車両20を含む走行車両と変更車両10とは異なる車線を走行しているため位置は異なるが、図8および図9では変更地点4からの距離に従って同一の座標軸上に示している。
図8に示す例では、時刻T31に新たに観測情報を取得された走行車両は、予測判断部123により車線変更を妨げると判断されている。しかしこの走行車両は、通信判断部124により通信車両20であると判断されている。このため、協力要求部125が車線変更への協力を要求し、予定更新部126は、協力要求部125が通信車両20に速度の調整を要求した時刻T31においてはプロファイルの更新を行わない。また、時刻T31より後に観測情報を取得される走行車両は、変更車両10の後方となるように減速する通信車両20を追従するため、変更車両10の車線変更を妨げないと判断されている。従って予定更新部126は、協力要求部125が速度の調整を要求した時刻T31以降においてはプロファイルの更新を行わない。このようにプロファイルが更新されることにより、変更車両10は、予定設定部121により設定された初期プロファイルに従いV0で走行する。変更車両10の位置は、軌跡X0に示される遷移となる。
一方通信車両20は、時刻T31に協力の要求を受けたことにより減速し、V11に示される速度で走行する。これにより通信車両20の位置は、軌跡X11に示される変更車両10を追従する軌跡となる。
時刻T32において、変更車両10は、変更地点4に到達する。このとき、時刻T31に検知された通信車両20は、減速して変更地点4の手前に位置し、車線変更を妨げない状態である。
図9に示す例では、時刻T41および時刻T43に新たに観測情報を取得された走行車両が、予測判断部123により車線変更を妨げると判断されている。これらの走行車両のうち、時刻T41の走行車両は、通信判断部124により非通信車両30であると判断されている。一方時刻T43の走行車両は、通信判断部124により通信車両20であると判断されている。協力要求部125は、時刻T43の通信車両20に対して車線変更を妨げないように要求する。このため予定更新部126は、時刻T41においては更新プロファイルへの更新を行い、協力要求部125が速度の調整を要求した時刻T43においてはプロファイルの更新を行わない。また、時刻T43より後に観測情報を取得される走行車両は、変更車両10の後方となるように減速する通信車両20を追従するため、変更車両10の車線変更を妨げないと判断されている。従って予定更新部126は、協力要求部125が速度の調整を要求した時刻T43以降においてはプロファイルの更新を行わない。
このようにプロファイルが更新されることにより、変更車両10は、時刻T41において予定更新部126に更新された更新プロファイルに従い速度V1で走行する。変更車両10の位置は、軌跡X1に示される遷移となる。
非通信車両30は、協力の要求を受けることなく、速度V12で示されるように実質的に同一の速度を維持して走行する。これにより非通信車両30の位置は、軌跡X12で示される軌跡となる。通信車両20は、時刻T31に協力の要求を受けたことにより減速し、速度V13で示される速度の遷移で走行する。これにより通信車両20の位置は、変更車両10を追従する軌跡X13で示される軌跡となる。
時刻T41において予定更新部126が更新プロファイルへの更新を行うことにより、変更車両10は減速を開始し、速度V1を準備区間Cの制限速度よりも低い速度とする。時刻T42において、加速に転じて速度V1を準備区間Cの制限速度に戻すことで、到達時刻の調整が完了すると予測されたことにより、変更車両10は加速を開始する。
時刻T43においては、協力要求部125が車線変更への協力を要求し、予定更新部126はプロファイルを更新しない。従って変更車両10は、時刻T41に更新されたV1で示される更新プロファイルに従って走行を継続する。時刻T44において、変更車両10は、到達時刻の調整を完了して準備区間Cの制限速度に従う走行を開始する。時刻T45において、変更車両10は、加速区間Bに進入したことにより加速を開始する。時刻T46において、変更車両10は、変更地点4に到達する。このとき、時刻T41に検知された非通信車両30は、変更地点4を通過し、車線変更を妨げない位置まで走行している。また、時刻T43に検知された通信車両20は、減速して変更地点4の手前に位置し、車線変更を妨げない状態である。
[実施形態のまとめ]
以上、説明した実施形態によれば、被合流路3を走行している走行車両の速度情報は、観測地点5を通過した順に従って、路側機300より情報取得部122に逐次取得される。新たに速度情報を取得された走行車両により変更車両10の車線変更が妨げられると予測される場合には、変更車両10を走行させる目標速度のプロファイルの更新により、変更地点4への到達時刻が変更される。
以上のように、交通管理システム1は、路側機300から取得した速度情報に基づいてプロファイルを更新する処理を行う。これにより、交通管理システム1は、被合流路3を走行している走行車両の速度情報を断片的にしか取得できない環境下においても、断片的に取得される速度情報に対応した変更車両10の走行支援が可能となる。
加えて、新たに速度情報を取得される走行車両への対応を前提としているため、交通管理システム1は、車線変更を妨げる走行車両が観測地点5を通過する時刻以前にプロファイルを決定しうる。その結果、交通管理システム1は、変更車両10の速度の調整を早期に開始させうるため、車線変更を妨げると予測される走行車両が現れなかった場合には、変更車両10の車線変更を円滑に実施可能となる。従って交通管理システム1は、被合流路3を走行する走行車両の速度情報を取得し難い環境下であっても、変更車両10の車線変更を円滑に実施可能である。
また、新たな走行車両への対応を前提としているため、車線変更を妨げうる走行車両が全て検知される時刻以前にプロファイルを更新しうる。その結果、交通管理システム1は、更新されたプロファイルへの調整を早期に開始させうるため、変更車両10の車線変更をより円滑に実施可能となる。
また予定更新部126は、予測判断部123が走行車両により車線変更を妨げられると判断している場合、到達時刻が遅くなるようにプロファイルを更新する。このように更新されたプロファイルに従う変更車両10の車線変更を妨げると判断されうる走行車両は、この更新以降に観測地点5を通過する走行車両である。このため、予定更新部126は、プロファイルを更新するにあたり、この更新以前に観測地点5を通過した走行車両の速度情報を考慮することなくプロファイルを更新可能である。
また予定更新部126は、加速区間Bに進入する以前の準備区間Cにおいて、設定済みのプロファイルにおける速度よりも低い速度となるプロファイルに更新する。これにより、予定更新部126は、到達時刻を遅らせるプロファイルに更新する場合であっても、加速区間Bにおける加速不足が抑制されるプロファイルに更新しうる。従って交通管理システム1は、変更車両10の変更地点4における速度の低下を抑制し、車線変更をより円滑に実施可能である。さらに本実施形態では、予定更新部126は、加速区間Bにおける速度の遷移を維持するようにプロファイルを更新する。これにより交通管理システム1は、車線変更をより円滑に実施可能である。
また協力要求部125は、走行車両により車線変更が妨げられると判断されている場合に、その走行車両が通信車両20であればその通信車両20に速度調整を要求する。このため、車線変更が妨げられると判断されている場合であっても、プロファイルの更新による到達時刻の変更が抑制されうる。従って、交通管理システム1は、車線変更をより円滑に実施可能である。
加えて要求を受けた通信車両20は、減速することにより車線変更後の変更車両10の後方となるように速度調整を行う。これにより、通信車両20は、変更区間Aで車線変更する変更車両10に対する、被合流路3上の走行車両の後方からの接近を抑制する。従って、交通管理システム1は、車線変更をより円滑に実施可能である。
また予定更新部126は、車線変更を妨げる通信車両20に対して協力要求部125が速度調整を要求した場合、更新プロファイルへの更新を協力要求部125が速度調整を要求した時刻以降行わない。従って、交通管理システム1は、到達時刻の変更を抑制し、車線変更をより円滑に実施可能である。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。なお、以下の説明において、実施形態で使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については実施形態を適用できる。
<変形例1>
変形例1における変更準備部120は、その機能の少なくとも一部が車両システム100の外部にて実現されている。例えば、情報管理装置400が、変更準備部120の機能のうち、通信判断部124の機能を実現している。この場合、情報管理装置400は、例えば各観測情報および通信車情報から車番情報を取り除き、観測情報に対して車番が一致する通信車情報を関連付けたうえで観測情報を送信する。
あるいは、情報管理装置400が、変更準備部120の機能を全て実現している。この場合情報管理装置400は、変更車両10より通常判断部112が設定する経路を取得し、この経路に従ってプロファイルの設定を行う。またプロファイルが設定または更新された場合に、変更車両10に対してプロファイルを送信し、プロファイルに従って変更車両10を走行させる。
<変形例2>
変形例2における協力要求部125は、通信車両20に対して車線変更を妨げないように速度調整を依頼するにあたり、加速も考慮して速度調整を要求する。例えば、協力要求部125は、車線変更を妨げないように速度調整をするにあたって、加速する場合における調整すべき速度差と減速する場合における調整すべき速度差とを比較する。協力要求部125は、加速する場合における速度差の方が小さいと予測される場合に、通信車両20に対して車線変更を妨げないように加速を要求する。
<変形例3>
変形例3における予定更新部126は、更新プロファイルの到達時刻として、設定済みのプロファイルの到達時刻よりも早い時刻も考慮する。この場合、交通管理システム1は、予測判断部123により車線変更を妨げるか否かを判断された後も、走行車両の観測情報を保持する。予定更新部126は、新たな走行車両により車線変更を妨げられると判断された場合、新たな走行車両が変更地点4に到達しておらず、かつ新たな走行車両により車線変更を妨げられない到達時刻を特定する。例えば、新たな走行車両の変更地点4からの距離があらかじめ設定された車線変更を妨げない距離以上となると予測される到達時刻を特定する。
予定更新部126は、特定された到達時刻において、新たな走行車両以前の走行車両にも車線変更を妨げられないと予測されるか否かを判断する。また予定更新部126は、特定された到達時刻に到達可能な速度および加速度で変更車両10が走行可能であるか否かを判断する。車線変更を妨げられず、かつ走行可能である場合、予定更新部126は、特定された到達時刻に変更地点4に到達する新たな更新プロファイルに更新する。車線変更を妨げられるか、または走行可能でない場合には、予定更新部126は、実施形態に示した方法により、設定済みのプロファイルによる到達時刻よりも遅い到達時刻となる更新プロファイルに更新する。
<変形例4>
変形例4における予定更新部126は、協力要求部125により車線変更を妨げる通信車両20に対して速度調整を要求する場合であっても、プロファイルの更新を行う。例えば、協力要求部125が減速を要求する場合に、予定更新部126は、設定済みのプロファイルよりも到達時刻が早い到達時刻となる更新プロファイルに更新する。更新プロファイルに従う変更車両10の車線変更を妨げないように減速する速度調整は、更新前のプロファイルに従う変更車両10の車線変更を妨げないように減速する速度調整よりも緩やかな減速で実施しうる。従って、このような交通管理システム1は、通信車両20に対して速度調整を要求する場合であっても、通信車両20の加減速を緩やかにすることが可能である。
<変形例5>
変形例5における予定更新部126は、加速区間Bにおける速度についても、設定済みのプロファイルにおける速度よりも低い速度となる更新プロファイルを決定する。
<変形例6>
変形例6における交通管理システム1は、通常判断部112により設定された経路に合流を目的としない車線変更が含まれている場合にも、その車線変更を円滑に実施させるための支援を行う。