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JP6949376B2 - コンクリート製品およびその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、擁壁として用いられるコンクリート製品およびその製造方法に関する。
特許文献1には、擁壁のコーナー部分を簡単に施工できるコーナーブロックが開示されている。このコーナーブロックは、左右に配置されるコンクリート製の第1の壁体および第2の壁体と、これらの壁体の間に埋設され、コーナーの角度を変えられるように互いの壁体を接続する接続体を有し、第1の壁体および第2の壁体の角度を擁壁のコーナーに合わせて調整することを可能にしている。
特開2007−247388号公報
コンクリート製の擁壁には強度を確保するために、外面および/または内面と平行する深さに鉄筋が埋設される。例えば、外面から40mm程度の深さに外面側の強度を確保する鉄筋が埋設され、内面から60mm程度の深さに内面側の強度を確保する鉄筋が埋設される。したがって、擁壁のコーナーの左右の壁体を接続する接続体も、これらの鉄筋の延長線上で、擁壁の外面と平行に埋設されることが、通常、行われている。このコーナーブロックにおいては、擁壁の外面と、コーナー部分の両側に配置される壁体との回転軸が平行にならざるを得ない。
本発明の態様の1つは、擁壁のコーナー部分を施工するためのコンクリート製品であって、左右に隣接して配置されるコンクリート製の第1の壁体および第2の壁体と、第1の壁体および第2の壁体の隣接する端部同士を連結し、第1の壁体および第2の壁体の成す角度が変わるように上下に分散して埋設された複数の接続体であって、第1の壁体および第2の壁体の少なくとも一方の外面に対する埋設深さが上下で異なる複数の接続体とを有する。
このコンクリート製品においては、擁壁の外面(外壁面)に対する接続体の埋設深さを上下で変えることにより、第1の壁体と第2の壁体との回転軸の傾きを、独立して、フレキシブルに設定できる。例えば、傾斜地に沿って設置される擁壁において、一方の壁体が水平方向に配置され、他方の壁体が斜面に沿って配置されるようなコーナーにおいても、角度を自由に設定できるコンクリート製品を提供できる。
このコンクリート製品の有用な形態の1つは、複数の接続体が、第1の壁体および第2の壁体の双方の外面に対する埋設深さが上下で異なるように埋設されたコンクリート製品である。第1および第2の壁体の外面の傾きに対し、第1および第2の壁体の回転軸の傾きを独立して設定できる。一例は、外面が、上方に向かって内側に傾斜している(下方が外側に突き出るように傾斜している、上方が後退するように傾斜している)第1および第2の壁体において、複数の接続体は、上側の接続体の埋設深さに対し、下側の接続体の埋設深さが大きく(深く)なるように埋設されているコンクリート製品である。このように外面が傾いている壁体を有するコーナー用の擁壁ブロックにおいても、複数の接続体を鉛直方向に配置することができ、垂直な回転軸で第1および第2の壁体を回転し、フレキシブルな角度のコーナー部分を含む擁壁を施工できる。
コンクリート製品は、第1の壁体および第2の壁体の相互に隣接する端面の一部により構成される外側の溝であって、外面に対する深さが上下で異なる外側の溝を、さらに有していてもよい。コーナー部分を施工した後に、モルタルなどにより外側の溝を埋めてもよい。コンクリート製品は、第1の壁体および第2の壁体の相互に隣接する端面の一部により構成される内側の溝であって、複数の接続体の側を頂点とする断面が略V字形の内側の溝を、さらに有していてもよい。コーナー部分の角度を変えたときに、壁体の隣接する端部が干渉することを防止できる。また、この内側の溝も、コーナー部分を施工した後に、モルタルなどにより埋めてもよい。複数の接続体は、鉄筋であってもよい。
本発明の他の態様の1つは、上記に記載されたコンクリート製品の第1の壁体および第2の壁体によりコーナー部分を施工する工程を有する、擁壁の施工方法である。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、上記に記載されたコンクリート製品の第1の壁体および第2の壁体を含むコーナー部分を有する擁壁である。
本発明の異なる他の形態の1つは、コーナー部分の左右に隣接して配置される第1の壁体および第2の壁体を有するコンクリート製品の製造方法である。この製造方法は、第1の壁体および第2の壁体の外面を一体で成型する底面を含む型枠に、コンクリート製品の上下方向で、底面に対する距離が異なるように、第1の壁体および第2の壁体を連結する複数の接続体を予めセットする工程と、型枠にコンクリートを注入して第1の壁体および第2の壁体を一体で成型する工程と、型枠からコンクリート製品を脱型する際に、第1の壁体および第2の壁体の境界を分離する工程とを有する。
このコンクリート製品の製造方法では、第1の壁体および第2の壁体を一体に成形することができるとともに、第1の壁体および第2の壁体の外面に対して、複数の接続体の埋設深さが異なるコンクリート製品を製造できる。
型枠の底面に、境界に沿って、上下方向で底面からの突出量が異なる第1の補助型枠を配置する工程を有していてもよい。第1の壁体および第2の壁体の境界に沿って、内側に略V字形のテーパー面を形成するための第2の補助型枠を、第1の補助型枠に対向する位置に配置する工程を有していてもよい。型枠の底面はコンクリート製品の上側に対しコンクリート製品の下側が鉛直方向に低くなるように設置されており、さらに、製造方法をセットする工程は、底面に対する複数の接続体の距離を、上側に対し下側が大きくなるようにセットする工程を含んでもよい。
本発明のさらに異なる他の形態の1つは、コーナー部分の左右に隣接して配置される第1の壁体および第2の壁体を有するコンクリート製品を製造するための型枠である。この型枠は、第1の壁体および第2の壁体の外面を一体で成型する底面と、底面の第1の壁体と第2の壁体との境界に沿って設けられた、コンクリート製品の上下方向で底面からの突出量が異なる第1の補助型枠と、境界に沿って内側にテーパー面を形成するための第2の補助型枠とを有する。型枠は、底面が、前記コンクリート製品の上側に対しコンクリート製品の下側が鉛直方向に低くなるように設置されるものであってもよい。
擁壁のコーナー部分を外側から見た斜視図。 コーナーブロックを内側(背後)から見た斜視図。 コーナーブロックの第1の壁体をコーナーの方向(III−III)から見た壁体の側面図。 コーナーブロックの第1の壁体のIV−IV断面図。 コーナーブロックを用いた擁壁のコーナー部分を施工する様子を示し、図5(a)は110度のコーナーを備えた擁壁を施工する様子を示し、図5(b)は90度のコーナーを備えた擁壁を施工する様子を示し、図5(c)は70度のコーナーを備えた擁壁を施工する様子を示す図である。 コーナーブロックを製造するために型枠を示す斜視図。 型枠の断面図(VII−VII断面)。 型枠に接続体を配置しコンクリートを注入した状態を示す断面図。 型枠に接続体を配置しコンクリートを注入した状態を他の方向(IX−IX断面)から示す断面図。 コーナーブロックを釣り上げて、第1の壁体および第2の壁体を分離した状態を示す断面図。 コーナーブロックの異なる例を示す図である。 コーナーブロックのさらに異なる例を示す図である。
図1および図2に、コンクリート製品の一例を示している。このコンクリート製品は、コンクリート製の擁壁1のコーナー部分2を施工するためのコーナーブロック5であり、コンクリート製の第1の壁体10と、第1の壁体10の左または右に隣接して配置されるコンクリート製の第2の壁体20と、第1の壁体10および第2の壁体20の隣接する端部11および21同士を連結する複数の接続体30とを有する。本例のコーナーブロック5は、上下に分散して埋設された5本の接続体31〜35を有する。図1は、コーナー部分2を外側(前方、正面)8から見た斜視図である。図2は、コーナー部分2を内側(後方、背面)7から見た斜視図であり、外側8から見てコーナー3の左側に第1の壁体10が配置され、右側に第2の壁体20が配置されている。第1の壁体10と第2の壁体20とは、接続体30により連結された状態で所定の角度θをなすように設置され、擁壁1のコーナー部分2が施工される。
第1の壁体10および第2の壁体20の双方の外面(外壁面)12および22は、上方に向かって内側に傾斜しており、すなわち、上側に対して下側が外側8に広がり、上側に後退した斜度(勾配)9が設けられている。したがって、このコーナーブロック(コンクリート製品)5を用いることにより、コーナー部分2を含めて、擁壁1を全体として、外側8から見たときに圧迫感が少なく、安定感に優れた印象を与える擁壁1として施工し、提供できる。
複数の接続体30は、第1の壁体10および第2の壁体20の双方の外面12および22に対する埋設深さd1〜d5が上下で異なるように埋設されている。具体的には、上側の接続体31の埋設深さd1に対し、下側の接続体35の埋設深さd5が大きく(深く)なるように埋設されている。接続体31〜35の埋設深さd1〜d5は、第1の壁体10および第2の壁体20の相互に隣接する端面13および23の外側の一部により構成される外側の溝39の外面12および22に対する深さ(幅)として表れ、深さd1〜d5が上下で異なる。すなわち、外側の溝39の上側の幅(深さ)W1に対して下側の幅(深さ)W2が広く(深く)なる。
接続体30(31〜35)は、第1の壁体10および第2の壁体20を、コーナー部分2を施工する際に、壁体10および20を相互に旋回できる程度に変形が可能であり(可塑性があり、柔軟性があり)、一方、基礎などの施工中に相互の位置が容易には変動しない程度に十分な強度を備えたものであることが望ましい。接続体30の典型的なものは、適当な太さ、例えば、直径が10〜15mm程度の鉄筋である。
壁体10および20の外面12および22の下端が外側8に突き出て、下側が広がり、上側が内側7へ後退するような勾配9は、1〜5%程度であってもよく、2〜4%程度であってもよく、典型的な勾配9は3%である。接続体31〜35の埋設深さd1〜d5は、勾配9を相殺するように下側が大きく設定されている。このコーナーブロック5においては、外面12および22が勾配9に対して、接続体31〜35の埋設深さd1〜d5を上下で変えることにより、これら上下に繋いだ、壁体10および20の回転軸51の角度を独立して設定できる。したがって、このコーナーブロック5においては、外面12および22が勾配9を備えていても、接続体31〜35を上下に繋いだ回転軸51を、勾配9を相殺した鉛直方向(垂直方向)に設定することができ、壁体10および20を水平な面に対して回転することができる。このため、擁壁1の水平な基礎(基礎コンクリート、不図示)に対して壁体10および20を回転して所望の角度θでそれらが交差したコーナー部分2を簡単に施工できる。
本例のコーナーブロック5においては、壁体10および20の内側7の面(内面)14および24は、垂直な面となり勾配は設けられていない。これらの面14および24が、外面12および22と同様に、上側が後退した(上側が外側8に傾き、下側が内側7に突き出た)勾配を備えていてもよい。コーナーブロック5は、第1の壁体10および第2の壁体20の相互に隣接する端面13および23の内側の一部13bおよび23bにより構成される内側の溝38を含む。この溝38は、複数の接続体30の側を頂点とする断面が略V字形となっており、壁体10および20を、複数の接続体30を中心として回転(旋回)させたときに、壁体10および20の隣接する端面13および23が干渉しないようになっている。
図3に、コーナーブロック5の第1の壁体10をコーナー部分2の側の面(端面)13から見た様子を示している。図4に、第1の壁体10の端部11の断面を示している。壁体10の一例は、高さ2m、上端15の幅が200mm、下端面16の幅が260mmで、外面12の勾配9が3%である。外面12側の補強用の鉄筋55は、外面12と平行に40mm程度の深さに埋設され、内面14側の補強用の鉄筋56は、内面14と平行に100mm程度の深さに埋設されている。一方、複数の接続体30の内、最も上方の接続体31は、外面12から40mm程度の位置(深さ)d1に埋設され、最も下方の接続体35は、外面12から100mm程度の位置(深さ)d5に埋設され、それらの間に位置する接続体32〜34は、接続体31と35とを結んだ回転軸51の沿った位置(深さ)d2〜d4に埋設されている。したがって、壁体10の外面12は、勾配9で傾いているが、壁体10および20を連結する接続体31〜35を結んだ回転軸51はほぼ鉛直に伸び(延び)、壁体10および20を、鉛直方向に延びた回転軸51を中心に回転させることができる。このため、コーナーブロック5の壁体10および20を水平な基礎の上に設置し、接続体30でそれらが連結された状態で現場に合致する角度で配置することにより、現場に即した角度で交差するコーナー部分2を含む擁壁1を施工できる。
なお、壁体10の高さ、上端面15および下端面16のサイズ(幅)は一例であり、壁体10の高さに対する強度および土圧等に対する耐力などを考慮して決定され、一般的に上端面15の幅の方が、下端面16の幅より狭く、それにより外面12および内面14の勾配が決定される。他方の壁体20においても同様である。また、内面14の勾配は0%であってもよく、外面12の勾配9よりも小さくてもよく、大きくてもよく、下端面16に対する上端面15の設計に依存して決定されてもよい。
コーナーブロック5は、さらに、第1の壁体10および第2の壁体20の下側に、壁体10および20からそれぞれ内側7に向かって延びるように設けられた基礎部40を含む。それぞれの壁体10および20と、基礎部40とはL字形を形成するように構成されており、全体としてL字形の擁壁(L型擁壁)を施工するために適したブロックとなっている。本例のコーナーブロック5の基礎部40は、具体的には、壁体10および20の内側7の下端縁から水平方向に延びた(突き出た)複数の鉄筋42を含む。擁壁1の重要な機能は、内側7の土圧に対抗することであり、そのために水平方向に十分な長さの基礎を設ける必要がある。その一方、コーナー部2においては、壁体10および20のなす角度θによっては、それぞれの壁体10および20から延びた基礎が干渉する可能性がある。
図5に壁体10および20により異なる角度θのコーナー部2を施工した状態を示している。図5(a)は角度θが110度、図5(b)は角度θが90度、図5(c)は角度θが70度を示している。現場でコーナー部分2を施工する際は、破線で示すように、それぞれに壁体10および20から延びた鉄筋42が重なる領域も含めてコンクリートを打設して基礎45を施工することにより、角度θに関わらず所定の耐力を備えた擁壁1を施工できる。
また、壁体10および20の隣接する端面13および23の外側の部分13aおよび23aで構成される外側の溝39は、施工後にモルタル49などにより埋められてもよい。同様に、壁体10および20の隣接する端面13および23の内側の部分13bおよび23bで構成される内側の溝38は、施工後にモルタル49などにより埋められてもよい。上述したように、外側の溝39は、下側の幅(深さ)W2に対して上側の幅(深さ)W1が小さい(浅い)。したがって、溝39を埋めるモルタル49の深さは下側が大きく、上側が小さくなり、三角柱または三角錐のような形状となるので、安定し、剥がれにくい。
また、第1の壁体10の端面13と、第2の壁体20の端面23との間に、接続体30が露出して、変形する空間を確保するために隙間37が設けられていてもよく、モルタル49が流し込まれることにより隙間37を含めて埋められてもよい。隙間37の幅は、5〜25mm程度、さらには10〜15mm程度であってもよい。
なお、ここに示したコーナーブロック5の基礎部40の構成は一例であり、壁体10および20からコンクリート製の基礎となる底板部が設けられ、その先に基礎用の鉄筋42が突き出ていてもよい。さらに、コーナー部2として想定される最少角度θで、相互に干渉しない範囲で予めコンクリートで成形された基礎がプレハブされており、鉄筋が突き出ていないタイプの基礎を備えているものであってもよい。
図6および図7に、コーナーブロック5を製造するための型枠の一例を示している。この型枠60は、全体が方形で、第1の壁体10および第2の壁体20の外面12および22を一体で成型するように勾配9を有する底面62と、底面62の、第1の壁体10と第2の壁体20との外側の境界、すなわち、外側の溝39に対応する位置に沿って設けられた突出部(第1の補助型枠)65と、外側の溝39と反対側に、壁体10および20の境界に沿って内側に略V字形のテーパー面を備えた内側の溝38を形成するための第2の補助型枠66とを含む。型枠60の底面62を囲う側板61の高さ(幅)は、勾配9に対応してコーナーブロック5の所定の厚みが確保されるように設けられ、上側の側板63は上端面15の幅を、また、下側の側板64は下端面16の幅を確保できるように設けられている。第1の補助型枠65は、コンクリート製品となるコーナーブロック5の上下方向で、底面62からの突出量が異なり、底面62の勾配9をキャンセルする量だけ底面62から突き出ている。さらに、型枠60は、底面62を、コンクリート製品の上側に対しコンクリート製品の下側が鉛直方向に低くなるように設置する台(フレーム)69を含む。フレーム69により、型枠60は底面62が勾配9で傾き、側板61の上辺が水平になるように設置される。
この型枠60を用いてコーナーブロック5を製造する際は、図7に示すように、第1の補助型枠65に沿って、コーナーブロック5の上下方向で、底面62に対する距離(埋設深さ)d1〜d5が異なるように、接続体30(31〜35)を予めセットする。この工程の前に、製造するコーナーブロック5の外面の勾配9に合わせて、型枠60の底面62に、境界となる外側の溝39に沿って、上下方向で底面62からの突出量が異なる第1の補助型枠65を配置する工程を有していてもよい。また、型枠60の底面62は、フレーム69により、コーナーブロック5の上側(上側の側板63の側)に対し下側(下側の側板64の側)が鉛直方向に低くなるように設置されており、接続体30は、底面62に対する複数の接続体31〜35の距離d1〜d5を、上側に対し下側が大きくなるようにセットされる。
さらに、第1の壁体10および第2の壁体20の境界に沿って、内側に、溝38となる略V字形のテーパー面を形成するための第2の補助型枠66を、第1の補助型枠65に対向する位置に配置する。これにより、複数の接続体30となる鉄筋が第1の補助型枠65と第2の補助型枠66との間に挟まれた状態で設定される。さらに、型枠60の内部には、図4で説明した補強用の鉄筋55および56が配置され、接続体30とともにコーナーブロック5に埋設されるが、それらの鉄筋55および56についての図示および説明は省略する。また、基礎40の鉄筋42も同時に埋設されるが、これらについても図示および説明を省略する。
次に、図8に示すように、型枠60にコンクリート70を注入して第1の壁体10および第2の壁体20を含むコーナーブロック5を一体で成型する。このコーナーブロック5においては、壁体10および20の境界に沿って、外面12および22から異なる深さで接続体30(31〜35)が埋設されており、境界に沿って外側に補助型枠65により溝39が形成され、内側に第2の補助型枠66により溝38が形成される。
その後、図9に示すように、第2の補助型枠66を取り外し、図10に示すように、型枠60からコーナーブロック5を脱型する。この際に、第1の壁体10および第2の壁体20にそれぞれ仮設されているフック(吊り具)85を用いて吊り上げることにより、壁体10および20の境界を分離することができる。すなわち、第1の壁体10および第2の壁体20の境界には、第1の補助型枠65により外側の溝39となる凹みが形成されており、第2の補助型枠66によりテーパー状の内側の溝38も形成されている。型枠60により壁体10および20を成形する際に、それらの境界には、外側および内側に溝39および38が形成されているので、壁体10および20のそれぞれを吊り具85を介して吊り上げると、壁体10および20の境界に応力が集中してコーナーブロック5は境界で分断あるいは破断され、接続体30が表れる。脱型する際に、ロープ86などにより第1の壁体10および第2の壁体20を中心方向に吊り上げることにより、第1の壁体10および第2の壁体20に折れ曲がる力が加わり、第1の壁体10および第2の壁体20の自重も作用することにより、それらの境界には応力が集中して、第1の壁体10および第2の壁体20の境界は自発的に割れるか、または弱い力を加えることにより簡単に破断できる。
脱型後は、第1の壁体10および第2の壁体20を一直線ではなく、接続体30で連結された境界で折り曲げることができるので、それぞれの壁体10および20の下端面16を下にして立てて保管することができ、安全である。
図11に、異なるコーナーブロック5の例を示している。本例の第1のブロック10および第2のブロック20の基礎部40は、本体12および22の内側7の下側に、短く突き出た底板部41が設けられており、その内側7に、2段に延びた(突き出た)複数の鉄筋42を含む。鉄筋42は、上述した例のように1段であってもよく、強度あるいは施工現場に即して3段以上であってもよい。
図12に、さらに異なるコーナーブロック5の例を示している。本例の第1のブロック10および第2のブロック20の基礎部40は、本体12および22の内側7の下側にプレハブされた底板部41を含む。底板部41は、第1の壁体11および第2の壁体21がなす角度θが可変でも干渉しない形状にプレハブされており、一例は、図示したような三角形、またはそれに近い形状である。基礎部40の構成はこれらに限定されず、第1の壁体11および第2の壁体21をそれぞれ十分な強度で支持できるものであればよく、底板部41の中心に開口があってもよく、リブなどの他の構成を介して底板部41と各壁体11および21が接続されていてもよい。
以上に説明したように、コーナーブロック5は、第1の壁体10および第2の壁体20を接続する複数の接続用鉄筋30(31〜35)が、壁体10および20の外面12および22に対し、上下で異なる深さd1〜d5で埋設されている。このため、勾配9を有する外面12および22を備えたコーナーブロック5であっても、設置(基礎面)に対して鉛直方向(垂直方向)に、接続用鉄筋31〜35が配置され、壁体10および20を鉛直方向に延びた軸51の周りに回転させることができる。したがって、擁壁1を設置する現場のコーナー部分の角度が90度あるいはそれ以外の角度であっても、本例のコーナーブロック5を使用することにより、外面12および22が傾斜した擁壁1であって、施工現場のコーナーの角度にフィットしたコーナー部分2を備えた擁壁1を施工し、提供できる。
なお、上記においては、壁体10および20の内面14および24が垂直なコーナーブロック5を例に説明しているが、内面14および24は、外面12および22と同様の勾配または異なる角度の勾配をそなえていてもよい。また、第1の壁体10および第2の壁体20の基礎部40の構成は、上記に限定しないことは上述した通りである。また、第1の壁体10および第2の壁体20は、上端面15に、ガードレール基礎や塀の基礎などの、さらに異なる機能を付加する構成を含んでいてもよい。また、上記では、第1の壁体10および第2の壁体20が対称な構成を備えているコーナーブロック5を例に説明しているが、複数の接続体30の埋設深さは、第1の壁体10の外面12に対する深さと、第2の壁体20の外面22に対する深さとが異なっていてもよい。例えば、傾斜地に設置される擁壁であって、コーナーの左右で、水平面に対して基礎の傾きが異なるような現場であっても、その基礎の傾きに対応しつつ、コーナーの角度に現場であわせてコーナー部分2を施工できるコーナーブロックを提供できる。
1 擁壁、 5 コーナーブロック、10 第1の壁体、 20 第2の壁体

Claims (14)

  1. コーナー部分を施工するためのコンクリート製品であって、
    左右に隣接して配置されるコンクリート製の第1の壁体および第2の壁体と、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の隣接する端部を連結し、第1の壁体および第2の壁体の成す角度が変わるように上下に分散して埋設された複数の接続体であって、前記第1の壁体および前記第2の壁体の少なくとも一方の外面に対する埋設深さが上下で異なる複数の接続体とを有するコンクリート製品。
  2. 請求項1において、
    前記複数の接続体が、前記第1の壁体および前記第2の壁体の双方の外面に対する埋設深さが上下で異なるように埋設された、コンクリート製品。
  3. 請求項2において、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の双方の外面は、上方に向かって内側に傾斜しており、
    前記複数の接続体は、上側の接続体の前記埋設深さに対し、下側の接続体の前記埋設深さが大きくなるように埋設されている、コンクリート製品。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の相互に隣接する端面の一部により構成される外側の溝であって、前記外面に対する深さが上下で異なる外側の溝を、さらに有するコンクリート製品。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の相互に隣接する端面の一部により構成される内側の溝であって、前記複数の接続体の側を頂点とする断面が略V字形の内側の溝を、さらに有する、コンクリート製品。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記複数の接続体は、鉄筋である、コンクリート製品。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載されたコンクリート製品の前記第1の壁体および前記第2の壁体によりコーナー部分を施工する工程を有する、擁壁の施工方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載されたコンクリート製品の前記第1の壁体および前記第2の壁体を含むコーナー部分を有する擁壁。
  9. コーナー部分の左右に隣接して配置される第1の壁体および第2の壁体を有するコンクリート製品の製造方法であって、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の外面を一体で成型する底面を含む型枠に、前記コンクリート製品の上下方向で、前記底面に対する距離が異なるように、前記第1の壁体および前記第2の壁体を連結する複数の接続体を予めセットする工程と、
    前記型枠にコンクリートを注入して前記第1の壁体および前記第2の壁体を一体で成型する工程と、
    前記型枠から前記コンクリート製品を脱型する際に、前記第1の壁体および前記第2の壁体の境界を分離する工程とを有する製造方法。
  10. 請求項9において、さらに、
    前記型枠の前記底面に、前記境界に沿って、前記上下方向で前記底面からの突出量が異なる第1の補助型枠を配置する工程を有する、製造方法。
  11. 請求項10において、さらに、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の前記境界に沿って、内側に略V字形のテーパー面を形成するための第2の補助型枠を、前記第1の補助型枠に対向する位置に配置する工程を有する、製造方法。
  12. 請求項9ないし11のいずれかにおいて、さらに、
    前記型枠の前記底面は前記コンクリート製品の上側に対し前記コンクリート製品の下側が鉛直方向に低くなるように設置されており、さらに、
    前記セットする工程は、前記底面に対する前記複数の接続体の距離を、前記上側に対し前記下側が大きくなるようにセットする工程を含む、製造方法。
  13. コーナー部分の左右に隣接して配置される第1の壁体および第2の壁体を有するコンクリート製品を製造するための型枠であって、
    前記第1の壁体および前記第2の壁体の外面を一体で成型する底面と、
    前記底面の、前記第1の壁体と前記第2の壁体との境界に沿って設けられた、前記コンクリート製品の上下方向で前記底面からの突出量が異なる第1の補助型枠と、
    前記境界に沿って、内側に略V字形のテーパー面を形成するための第2の補助型枠とを有する、型枠。
  14. 請求項13において、
    前記底面が、前記コンクリート製品の上側に対し前記コンクリート製品の下側が鉛直方向に低くなるように設置される、型枠。
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