JP6950566B2 - 架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物、及び、架橋ポリエチレン管 - Google Patents
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Description
架橋ポリエチレン管は通常のポリエチレン管に比べ、特に「高温下の強度(高温クリープ性能)」が良好であることから給湯管や床暖房用温水配管などに使用されている。
また、特許文献2には、配管施工性や生産性を低下させることなく、高い耐圧性を示す架橋ポリエチレン管を提供するための技術が開示されている。
一方で、ヒートポンプユニットは一層のコンパクト化が求められ、ポンプユニットの形状の自由度を拡げるためにパイプの取り回しし易さについても根強いニーズがある。
これらのことから、取回しが容易で施工し易い架橋ポリエチレン管について、クリープ性能向上への期待は大きいものとなっている。
本願は、かかる従来技術の状況に鑑み、高温下でのクリープ性能(強度)に優れ、施工し易く、架橋効率が良く、成形性、表面平滑性が良好となる架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物、及び、当該ポリエチレン樹脂組成物を含む架橋ポリエチレン管を提供することを目的とする。
特性(1):温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)が35〜150g/10分である。
特性(2):密度が0.943g/cm3を超え、0.955g/cm3以下である。
特性(3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が9〜25である。
前記エチレン系共重合体(A)は、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であって、HLMFR(A)が0.2〜1.5g/10分、密度(A)が0.915〜0.930g/cm3であり、
前記ポリエチレン樹脂組成物は、当該ポリエチレン樹脂組成物中に、前記エチレン系共重合体(A)及び前記エチレン系重合体(B)の合計100質量部あたり前記エチレン系共重合体(A)を15〜40質量部含んでもよい。
前記エチレン系重合体(B)は、エチレン単独重合体及びエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体のうちの少なくとも一方であって、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR(B))が1〜100g/10分であり、密度(B)が0.946〜0.975g/cm3であってもよい。
架橋ポリエチレンシートでの高温引張クリープ試験(80℃、荷重3.5kg)における破壊時間が1000時間を超えることを特徴とする。
本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物は、下記の特性(1)〜(3)を満足することを特徴とする。
特性(1):温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)が35〜150g/10分である。
特性(2):密度が0.943g/cm3を超え、0.955g/cm3以下である。
特性(3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が9〜25である。
また、本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物は、上記特性により、押出成形において、優れた生産性を発揮するものとなる。
具体的には、押出成形において、押出負荷が低く、表面平滑性に優れるという効果がある。
すなわち、本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物は、高温下における長期耐圧性に特に優れ、押出成形において経済的に有効な点を兼ね備える。
以下、本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物等について、項目毎に詳細に説明する。なお、本明細書において数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物において、特性(1)の温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)は、35〜150g/10分であり、好ましくは36〜140g/10分である。
HLMFRは、35g/10分以上であると、分子量が低下し、流動性が向上し、成形性が良好になる。また、HLMFRは、150g/10分以下であることにより、長期耐久性が向上する。
HLMFRは、ポリエチレン樹脂組成物の製造において、エチレン重合温度や連鎖移動剤の使用等により調整することができ、所望のものを得ることができる。
即ち、例えば、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより、分子量を下げた結果として、HLMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより、分子量を上げた結果として、HLMFRを小さくすることができる。
また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより、分子量を下げた結果として、HLMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより、分子量を上げた結果として、HLMFRを小さくすることができる。
また、HLMFRは、後述する組み合わせるエチレン系共重合体(A)及びエチレン系重合体(B)のMFR又はHLMFRや組成割合により調整することが可能である。
本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物において、特性(2)の密度は、0.943g/cm3を超え、0.955g/cm3以下であり、好ましくは0.944〜0.954g/cm3、さらに好ましくは0.944〜0.953g/cm3である。
本密度が0.943g/cm3を超えていれば、曲げ弾性率が向上し、結果として材料の剛性が向上し耐圧性が向上する。一方、密度が0.955g/cm3以下であると、長期耐久性、柔軟性が向上する。
密度は、例えば、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量を変化させることにより、所望のものを得ることができる。また、組み合せるエチレン系共重合体(A)とエチレン系重合体(B)の密度及び組成割合により調整することが可能である。
本発明のポリエチレン樹脂組成物において、特性(3)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が9〜25であり、好ましくは9〜23である。Mw/Mnが9以上であると、成形品の耐久性が向上する。一方、Mw/Mnが25以下であると耐衝撃性や耐ストレスクラック性等が向上する。
Mw/Mnは、主に、重合触媒及び重合条件を選択することにより達成することができる。また、組み合せるエチレン系共重合体(A)とエチレン系重合体(B)のMw/Mn及び組成割合により調整することが可能である。
即ち、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
装置:WATERS社製150C
カラム:昭和電工社製AD80M/Sを3本
測定温度:140℃
濃度:1mg/1ml
溶媒:o−ジクロロベンゼン
なお、分子量の計算及びカラムの較正は、以下の方法に準拠して行なう。
GPCクロマトデータは、1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版社発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行ない、Mw値を計算する。
カラムの較正は、昭和電工社製単分散ポリスチレン(S−7300、S−3900、S−1950、S−1460、S−1010、S−565、S−152、S−66.0、S−28.5、S−5.05)、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの各0.2mg/ml溶液を用いて、一連の単分散ポリスチレンの測定を行い、それらの溶出ピーク時間と分子量の対数の関係を4次多項式でフィットしたものを較正曲線とする。
なお、ポリスチレンの分子量(MPS)は、次式を用いてポリエチレンの分子量(MPE)に換算する。MPE=0.468×MPS
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、本発明のポリエチレン樹脂組成物を調製しやすく、好ましい架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物となることから、メタロセン触媒を用いて重合され、好ましくはTi、Zr又はHfを含有するメタロセン触媒を用いて重合され、HLMFRが0.2〜1.5g/10分であり、密度が0.915〜0.930g/cm3であるエチレン系共重合体(A)を含有させたものであることが好ましい。
このHLMFR(A)が0.2g/10分以上であれば、最終のポリエチレン樹脂組成物において、HLMFRが規定の範囲内を達成でき、流動性が向上する。
一方、このHLMFR(A)が1.5g/10分以下である場合は、最終のポリエチレン樹脂組成物において、長期耐久性が向上する。
HLMFR(A)は、エチレン系共重合体(A)の製造において、エチレン重合温度や連鎖移動剤の使用等により調整することができ、所望のものを得ることができる。
即ち、例えば、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより、分子量を下げた結果として、HLMFR(A)を大きくすることができ、重合温度を下げることにより、分子量を上げた結果として、HLMFR(A)を小さくすることができる。
また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより、分子量を下げた結果として、HLMFR(A)を大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより、分子量を上げた結果として、HLMFR(A)を小さくすることができる。
密度(A)が0.915g/cm3以上であれば、最終のポリエチレン樹脂組成物における密度範囲を達成でき、曲げ弾性率が向上し、結果として材料の剛性が良好となり、耐圧性が向上する。
一方、密度(A)が0.930g/cm3以下である場合には、最終のポリエチレン樹脂組成物の長期耐久性が向上する。
密度(A)は、例えば、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができる。
メタロセン触媒としては、シクロペンタジエン骨格を有する配位子が遷移金属に配位してなる錯体と助触媒とを組み合わせたものが例示される。
具体的なメタロセン触媒としては、Ti、Zr、Hfなどを含む遷移金属に、メチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、インデン等のシクロペンタジエン骨格を有する配位子が配位してなる錯体触媒と、助触媒として、アルミノキサン等の長周期型周期表(以下、単に「周期表」という)における第1族〜第3族元素の有機金属化合物とを、組み合わせたものや、これらの錯体触媒をシリカ等の担体に担持させた担持型のものが挙げられる。
触媒成分(A):メタロセン化合物
触媒成分(B):触媒成分(A)と反応して、カチオン性メタロセン化合物を形成する化合物
触媒成分(C):微粒子担体
触媒成分(A)は、周期表第4族遷移金属のメタロセン化合物が用いられる。具体的には、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
(C5H5−aR1 a)(C5H5−bR2 b)MXY (I)
Q(C5H4−cR1 c)(C5H4−dR2 d)MXY (II)
Q’(C5H4−eR3 e)ZMXY (III)
(C5H5−fR3 f)ZMXY (IV)
(C5H5−fR3 f)MXYW (V)
Q”(C5H5−gR4 g)(C5H5−hR5 h)MXY (VI)
すなわち、メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基のような珪素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィン、アミン等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、珪素含有架橋基、及びゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
また、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)又は(VI)で示される触媒成分(A)は、同一の一般式で示される化合物、又は異なる一般式で示される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、
ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−フリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−フリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−フリル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−フリルシクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−フリル)−4,5−ジメチル−シクロペンタジエニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−{2−[2−(5−トリメチルシリル)フリル]−4,5−ジメチル−シクロペンタジエニル}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−フリル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1,1’−[2−(2−フリル)−4−フェニル−インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)[9−(2,7−t−ブチル)フルオレニル]ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、
(メチルアミド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、
(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、
(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、
(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル等を例示することができる。
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド等を例示することができる。
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{7,7’−[1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{7,7’−[1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
以上において記載した触媒成分(A)の中で、エチレン系共重合体(A)を製造するための好ましいメタロセン錯体としては、一般式(I)又は一般式(II)で表されるメタロセン錯体が好ましく、さらには、高分子量のポリマーを生成可能であり、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合において共重合性に優れるという観点から、一般式(II)で表されるメタロセン錯体が好ましい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物の特性を満たすための一つの方法は、エチレン系共重合体中に長鎖分岐を導入することであるが、高分子量でかつ長鎖分岐を有するポリエチレンを製造可能という観点から、一般式(II)で表されるメタロセン錯体の中でも、以下の2つの化合物群が好ましい。
好ましい複素環式芳香族基としては、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基よりなる群が挙げられる。
これらの置換基は、さらに珪素含有基等の置換基を有していてもよい。
フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基よりなる群から選択される置換基の中で、フリル基、ベンゾフリル基がさらに好ましい。
さらには、これらの置換基が、置換シクロペンタジエニル基又は置換インデニル基の2位に導入されていることが好ましく、少なくとも1つ、他に縮環構造を有しない置換シクロペンタジエニル基を有している化合物であることが特に好ましい。
第一の化合物群においては、フリル基はチエニル基に含有されるいわゆるヘテロ原子と担体上の固体酸などの相互作用により、活性点構造に不均一性が生じ、長鎖分岐が生成しやすくなったものと考えている。
また、第二の化合物群においても、担持触媒にすることで、活性点まわりの空間が変化するため、長鎖分岐が生成しやすくなったものと考えている。
本発明に係るエチレン系共重合体(A)の製造方法は、オレフィン重合用触媒の必須成分として、上記触媒成分(A)以外に、触媒成分(A)のメタロセン化合物(以下、「成分(A)」又は単に「A」と記すこともある。)と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物(触媒成分(B)、以下、単に「B」と記すこともある。)、必要に応じて微粒子担体(触媒成分(C)、以下、単に「C」と記すこともある。)を含むことに、特徴がある。
上記有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
R5 tAlX3 3−t (a)
(式中、R5は、炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基を示し、X3は、水素原子又はハロゲン原子を示し、tは、1≦t≦3の整数を示す。)
上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
なお、上記した有機アルミニウムオキシ化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(実質的にメチルアルミノキサン(MAO)からなるものを含む)は、有機アルミニウムオキシ化合物として、好適である。
有機アルミニウムオキシ化合物として、上記した各有機アルミニウムオキシ化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶液又は分散させた溶液としたものを用いてもよい。
上記ボラン化合物をより具体的に表すと、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランなどが挙げられる。
[L1−H]+[BR6R7X4X5]− (b)
アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウムなどのトリアルキル置換アンモニウム、ジ(n−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウムを例示できる。
さらに、ホスフォニウムとしては、トリフェニルホスフォニウム、トリブチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムなどのトリアリールホスフォニウム、トリアルキルホスフォニウムが挙げられる。
さらに、X4及びX5は、それぞれ独立して、ハイドライド基、ハライド基、1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置換された1〜20の炭素原子を含む置換炭化水素基である。
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを例示することができる。
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
ジメチルアニリニウテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートが好ましい。
[L2]+[BR6R7X4X5]− (c)
トリチルテトラフェニルボレート、
トリチルテトラ(o−トリル)ボレート、
トリチルテトラ(p−トリル)ボレート、
トリチルテトラ(m−トリル)ボレート、
トリチルテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トロピニウムテトラフェニルボレート、
トロピニウムテトラ(o−トリル)ボレート、
トロピニウムテトラ(p−トリル)ボレート、
トロピニウムテトラ(m−トリル)ボレート、
トロピニウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
NaBPh4、
NaB(o−CH3−Ph)4、
NaB(p−CH3−Ph)4、
NaB(m−CH3−Ph)4、
NaB(o−F−Ph)4、
NaB(p−F−Ph)4、
NaB(m−F−Ph)4、
NaB(3,5−F2−Ph)4、
NaB(C6F5)4、
NaB(2,6−(CF3)2−Ph)4、
NaB(3,5−(CF3)2−Ph)4、
NaB(C10F7)4、
H+BPh4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−F2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C6F5)4 −・2ジエチルエーテル、
H+B(2,6−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C10H7)4・2ジエチルエーテル等を例示することができる。
なお、上記「Ph」はフェニル基を表す。
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(3,5−ジトフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、
NaB(C6F5)4、
NaB(2,6−(CF3)2−Ph)4、
NaB(3,5−(CF3)2−Ph)4、
NaB(C10F7)4、
H+B(C6F5)4 −・2ジエチルエーテル、
H+B(2,6−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C10H7)4・2ジエチルエーテルが好ましい。
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、
NaB(C6F5)4、
NaB(2,6−(CF3)2−Ph)4、
H+B(C6F5)4 −・2ジエチルエーテル、
H+B(2,6−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(3,5−(CF3)2−Ph)4・2ジエチルエーテル、
H+B(C10H7)4・2ジエチルエーテルが挙げられる。
触媒成分(C)である微粒子担体としては、無機物担体、粒子状ポリマー担体又はこれらの混合物が挙げられる。無機物担体は、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩、炭素質物、又はこれらの混合物が使用可能である。
無機物担体に用いることができる好適な金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
ここで、上記の式は、分子式ではなく、組成のみを表すものであって、本発明において用いられる複合酸化物の構造及び成分比率は特に限定されるものではない。
また、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を吸収していても差し支えなく、少量の不純物を含有していても差し支えない。
金属炭酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
炭素質物としては、例えば、カーボンブラック、活性炭などが挙げられる。
以上の無機物担体は、いずれも本発明に好適に用いることができるが、特に金属酸化物、シリカ、アルミナなどの使用が好ましい。
これら無機物担体の性状としては、特に制限はないが、通常、平均粒径は5〜200μm、好ましくは10〜150μm、平均細孔径は20〜1000Å、好ましくは50〜500Å、比表面積は150〜1000m2/g、好ましくは200〜700m2/g、細孔容積は0.3〜2.5cm3/g、好ましくは0.5〜2.0cm3/g、見掛比重は0.10〜0.50g/cm3を有する無機物担体を用いるのが好ましい。
(II)触媒成分(A)と、触媒成分(C)とを接触させた後、触媒成分(B)を接触させる。
(III)触媒成分(B)と、触媒成分(C)とを接触させた後、触媒成分(A)を接触させる。
この接触は、通常−100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜100℃、さらに好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜50時間、好ましくは30分〜24時間、さらに好ましくは30分〜12時間で行うことが望ましい。
また、可溶性溶媒を使用した前段の接触反応後、ある種の成分が不溶もしくは難溶な液状不活性炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素あるいは芳香族炭化水素)を添加して、所望生成物を固形物として回収した後に、あるいは一旦可溶性溶媒の一部又は全部を、乾燥等の手段により除去して所望生成物を固形物として取り出した後に、この所望生成物の後段の接触反応を、上記した不活性炭化水素溶媒のいずれかを使用して実施することもできる。
本発明では、各成分の接触反応を複数回行うことを妨げない。
さらに、触媒成分(B)として、有機アルミニウムオキシ化合物と、ボラン化合物、ボレート化合物との混合物を用いる場合にあっては、混合物における各化合物について、遷移金属(M)に対して上記と同様な使用割合で選択することが望ましい。
溶媒の除去は、常圧下又は減圧下、0〜200℃、好ましくは20〜150℃で1分〜50時間、好ましくは10分〜10時間で行うことが望ましい。
(IV)触媒成分(A)と触媒成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物又はこれらの混合物と接触させる。
(V)有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物又はこれらの混合物と触媒成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で触媒成分(A)と接触させる。
上記(IV)、(V)の接触方法の場合も、成分比、接触条件及び溶媒除去条件は、前記と同様の条件が使用できる。
層状珪酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物である。
大部分の層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、層状珪酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と層状珪酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。
具体的には、(i)塩酸、硫酸等を用いて行う酸処理、(ii)NaOH、KOH、NH3等を用いて行うアルカリ処理、(iii)周期表第2族から第14族から選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンとハロゲン原子又は無機酸由来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンからなる塩類を用いた塩類処理、(iv)アルコール、炭化水素化合物、ホルムアミド、アニリン等の有機物処理等が挙げられる。これらの処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上の処理を組み合わせてもよい。
各成分の接触方法は、特に限定されず、例えば、以下の方法が任意に採用可能である。
(VII)触媒成分(A)と層状珪酸塩担体を接触させた後、有機アルミニウム化合物と接触させる。
(VIII)有機アルミニウム化合物と層状珪酸塩担体を接触させた後、触媒成分(A)と接触させる。
触媒成分(A)の担持量は、層状珪酸塩担体1gあたり、0.0001〜5ミリモル、好ましくは0.001〜0.5ミリモル、さらに好ましくは0.01〜0.1ミリモルである。
また、有機アルミニウム化合物を用いる場合のAl担持量は、0.01〜100モル、好ましくは0.1〜50モル、さらに好ましくは0.2〜10モルの範囲であることが望ましい。
触媒成分(B)と触媒成分(C)とを兼ねる成分として、層状珪酸塩を用いると、重合活性が高く、長鎖分岐を有するエチレン系重合体の生産性が向上する。
こうして得られるオレフィン重合用触媒は、必要に応じてモノマーの予備重合を行った後に使用しても差し支えない。
また、重合体のインデックスは、各種重合条件により制御することができ、例えば、特開平2−269705号公報や特開平3−21607号公報記載の方法により制御することができる。
また、改質を目的とする場合のジエンとの共重合も可能である。このとき使用されるジエン化合物の例としては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。
なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は、1〜40モル%、好ましくは1〜30モル%である。
また、重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。
なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物などが使用される。これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルブチルマグネシウムが好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。
水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
エチレン系共重合体(A)の重合条件のうち重合温度としては、0〜200℃の範囲から選択することができる。
スラリー重合においては、生成ポリマーの融点より低い温度で重合を行う。
重合圧力は、大気圧〜約10MPaの範囲から選択することができる。
実質的に酸素、水等を断った状態で、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下でエチレン及びα−オレフィンのスラリー重合を行うことにより製造することができる。
本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物は、耐圧性及び/又は耐久性の観点から、エチレン系重合体(B)として、エチレン系共重合体(A)より密度の高いエチレンの単独重合体及び/又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含有させることが好ましい。
本発明において、エチレン系重合体(B)は、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR(B))が1〜100g/10分であり、密度(B)が0.946〜0.975g/cm3であることが好ましい。
該MFR(B)が1g/10分以上であると、分子量が減少し流動性が向上し成形性が良好となる。
一方、該MFR(B)が100g/10分以下であると、耐衝撃性が向上する。
MFR(B)は、エチレン系重合体の製造において、エチレン重合温度や連鎖移動剤の使用等により調整することができ、所望のものを得ることができる。
即ち、例えば、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより、分子量を下げた結果として、MFR(B)を大きくすることができ、重合温度を下げることにより、分子量を上げた結果として、MFR(B)を小さくすることができる。
また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより、分子量を下げた結果として、MFR(B)を大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより、分子量を上げた結果として、MFR(B)を小さくすることができる。
密度(B)が0.946g/cm3以上であれば、最終のポリエチレン樹脂組成物において、耐圧性が向上する。
一方、密度(B)が0.975g/cm3以下であると、ポリエチレン樹脂組成物の製造が容易になるとともに、最終のポリエチレン樹脂組成物において、耐衝撃性が向上する。
密度(B)は、例えば、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができ、α−オレフィンの含有量を増加させると小さくすることができる。
具体的には、エチレン系重合体(B)は、HLMFR(B−1)が0.2〜4.0g/10分、密度(B−1)が0.935〜0.945g/cm3であるエチレン系重合体成分(B−1)、及び/又は、MFR(B−2)が5.5〜200g/10分、密度(B−2)が0.946〜0.975g/cm3であるエチレン系重合体成分(B−2)を含むことが好ましい。
エチレン系重合体(B)は、エチレン系重合体成分(B−1)が18〜30質量%より好ましくは20〜28質量%及び、エチレン系重合体成分(B−2)が70〜82質量%、より好ましくは72〜80質量%からなるものが好ましい。
エチレン系重合体成分(B−1)が18質量%以上であり、エチレン系重合体成分(B−2)が82質量%以下である場合には、耐久性が向上し、エチレン系重合体成分(B−1)が30質量%以下であり、エチレン系重合体成分(B−2)が70質量%以上の場合は成形品における長期使用における耐圧性が向上する。
エチレン系重合体成分(B−1)のHLMFR(B−1)は、上述したHLMFRの測定方法と同様の方法で測定することができる。
HLMFR(B−1)が0.2g/10分以上であると、エチレン系重合体成分(B−2)との相溶性が向上し、成形品における耐衝撃性が向上する傾向がある。
HLMFR(B−1)が4.0g/10分以下であると、成形品における耐衝撃性が向上する傾向がある。
HLMFR(B−1)の調整は、エチレン重合中に共存させる連鎖移動剤(水素等)の量を変化させるか、重合温度を変化させることによって、調整することができ、水素の量を増加させる又は重合温度を高くすることにより、HLMFR(B−1)を大きくすることができる。
エチレン系重合体成分(B−1)の密度(B−1)は、前述した密度の測定方法と同様の方法で測定することができる。
密度(B−1)が0.935g/cm3以上であると、成形品の剛性が向上し、一方、0.945g/cm3以下であると、成形品における耐久性・柔軟性が向上する。
密度(B−1)の調整は、例えば、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行うことができ、α−オレフィンの量を増加させると密度を小さくすることができる。
エチレン系重合体成分(B−2)のMFR(B−2)は、上述したMFRの測定方法と同様の方法で測定することができる。
MFR(B−2)が5.5g/10分以上であると、成形時の流動性が向上する。
MFR(B−2)が200g/10分以下であると、成形品における耐衝撃性が向上する。
MFR(B−2)の調整は、エチレン重合中に共存させる連鎖移動剤(水素等)の量を変化させるか、重合温度を変化させることによって、調整することができ、水素の量を増加させるか、又は重合温度を高くすることにより、MFR(B−2)を大きくすることができる。
エチレン系重合体成分(B−2)の密度(B−2)は、上述した密度の測定方法と同様の方法で測定することができる。
密度(B−2)が0.946g/cm3以上であると、成形品の剛性が向上し、一方、0.975g/cm3以下であると、耐衝撃性が向上する。
密度(B−2)の調整は、例えば、エチレンと共重合させるα−オレフィンの量を変化させることによって行うことができ、α−オレフィンの量を増加させると密度を小さくすることができる。
チーグラー触媒の例としては、Ti及び/又はVの化合物と周期表第1族〜第3族元素の有機金属化合物からなる固体チーグラー触媒等が挙げられる。
固体チーグラー触媒として、チタン(Ti)及び/又はバナジウム(V)並びにマグネシウム(Mg)を含有する固体触媒が挙げられ、これらの成分と共に用いることのできる有機金属化合物として、有機アルミニウム化合物、中でも、トリアルキルアルミニウムが好ましいものとして挙げられる。
重合反応中における有機アルミニウム化合物の使用量は、特に制限されないが、用いる場合には、通常遷移金属化合物1モルに対して、0.05〜1000モルの範囲が好ましい。
なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は、1〜40モル%、好ましくは1〜30モル%である。
該エチレン系重合体の重合条件のうち、重合温度としては、0〜300℃の範囲から選択することができる。
スラリー重合においては、生成ポリマーの融点より低い温度で重合を行う。
重合圧力は、大気圧〜約10MPaの範囲から選択することができる。
実質的に酸素、水等を断った状態で、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下でエチレン及びα−オレフィンのスラリー重合を行うことにより製造することができる。
本発明に係るエチレン系重合体(B)においては、上記の通り、水素供給量を変化させることは重要であるが、その他の重合条件、例えば重合温度、触媒供給量、エチレンなどのオレフィンの供給量、1−ヘキセンなどのコモノマーの供給量、溶媒の供給量等を、適宜に水素の変化と同時に又は別個に変化させることも重要である。
該エチレン系重合体(B)は、1種類の触媒を用いて多段重合反応器にて順次連続的に重合された重合体でもよく、複数種類の触媒を用いて単段又は多段重合反応器にて製造された重合体でもよいし、1種類又は複数種類の触媒を用いて重合された重合体を混合したものでもよい。更にエチレン系重合体(B)は当該ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物の性状を損なわない範囲においては、エチレン系共重合体(A)と同時に複数種類の触媒或いは複数の活性点を持つ触媒を用いて単段又は多段重合反応器にて製造された重合体でもよい。
具体的な好ましい重合方法は、以下の方法である。即ち、チタン系遷移金属化合物及び有機アルミニウム化合物を含むチーグラー触媒及び二器の反応器を使用し、第1段目の反応器にエチレン及びα−オレフィンを導入し、低密度の高分子量成分の重合体を製造し、第1段目の反応器から抜き出された重合体を第2段目の反応器に移送し、第2段目の反応器にエチレン及び水素を導入し、高密度の低分子量成分の重合体を製造する方法である。
なお、多段重合の場合、第2段目以降の重合域で生成するエチレン系重合体の量とその性状については、各段における重合体生成量(未反応ガス分析等により把握できる)を求め、各段の後でそれぞれ抜出した重合体の物性を測定し、加成性に基づいて各段で生成した重合体の物性を求めることができる。
植物由来のエチレン及びポリエチレンとしては、例えば、特表2010−511634号公報に記載のエチレンやそのポリマーが挙げられる。
植物由来のエチレンやそのポリマーは、カーボンニュートラル(化石原料を使わず大気中の二酸化炭素の増加につながらない)の性質を持ち、環境に配慮した製品の提供が可能である。
ポリエチレン樹脂組成物は、当該ポリエチレン樹脂組成物中に、エチレン系共重合体(A)及びエチレン系重合体(B)の合計100質量部あたりエチレン系共重合体(A)を15〜40質量部、好ましくは25〜35質量部、更に好ましくは、25〜30質量部含む。
また、ポリエチレン樹脂組成物は、当該ポリエチレン樹脂組成物中にエチレン系共重合体(A)及びエチレン系重合体(B)の合計100質量部あたりエチレン系重合体(B)を60〜85質量部、好ましくは65〜75質量部、更に好ましくは、70〜75質量部含む。
エチレン系共重合体(A)の組成割合が15質量部以上であれば、本発明のポリエチレン樹脂組成物の長期耐久性が向上する。一方、40質量部以下であれば、本発明のポリエチレン樹脂組成物のHLMFR、密度が向上し、流動性、剛性、耐圧性が向上する。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、エチレン系共重合体(A)とエチレン系重合体(B)とを上記組成割合で、例えば溶融混合すること等により得られる。
溶融混合条件は特に限定されないが、ポリエチレン樹脂組成物が上記特性を満足するために、二軸押出機を用い200℃〜250℃の温度条件で混合することが好ましい。
本発明の架橋ポリエチレン管は、本発明のポリエチレン樹脂組成物を含み、
架橋ポリエチレンシートでの高温引張クリープ試験(80℃、荷重3.5kg)における破壊時間が1000時間を超えることを特徴とする。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を含む架橋ポリエチレン管は、本発明の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物を使用するものであるため、耐用年数の向上、適用箇所の拡大等が可能である。
本発明の架橋ポリエチレン管は、ポリエチレン樹脂組成物を用いて作製した架橋ポリエチレンシートでの高温引張クリープ試験(80℃、荷重3.5kg)における破壊時間が1000時間を超え、好ましくは1200時間以上であり、より好ましくは1500時間以上である。
高温引張クリープ試験(80℃、荷重3.5kg)の破壊時間が1000時間を超えると、成形品における長期使用における高温耐久性が向上する。
高温引張クリープ試験(80℃、荷重3.5kg)における破壊時間は、概ね、例えば、ポリエチレン樹脂組成物を構成するエチレン系共重合体(A)の密度(A)を小さくすること及びHLMFR(A)を小さくすることに加え、エチレン系重合体(B)の密度(B)を大きくすることにより、大きくすることができる。
本発明の架橋ポリエチレン管は、65%以上、好ましくは75%以上のゲル分率を有することが好ましい。
ゲル分率が65%以上であると、架橋の効果を十分に発揮させることができ、特に高温での長期耐圧性能が向上する。
なお、上記ゲル分率は、JIS K6769:2013で定義するゲル分率により以下の式(d)により表すことができる。
ゲル分率(%)=((溶剤抽出前の試料質量−溶剤抽出後の試料質量)/溶剤抽出前の試料質量)×100 ・・・・(d)
なお、上記式(d)において、溶剤抽出後の試料質量とは、選択した架橋状態の熱可塑性樹脂を溶解可能な溶剤を用いて試料中に残った未架橋状態の樹脂分を溶解させて、残った不溶分のみの質量のことをいう。
本発明の架橋ポリエチレン管は、上記のベース樹脂となるポリエチレン樹脂組成物をシラン変性し、これを管状に成形し、シラン架橋法で架橋して作製することができる。
また、本発明において、架橋ポリエチレン管を成形するプロセスは、通常のパイプ成形プロセスを転用することができる。使用される押出機としては、特に限定されないが、たとえば、単軸押出機、2軸押出機、多軸押出機等が挙げられる。
また、使用される金型としては、特に限定されないが、たとえば、通常管を形成する金型として使用されるブリッジ、スパイダー、スパイラルなどのタイプが挙げられる。
さらに、架橋ポリエチレン管を成形するプロセスライン中に、管の肉厚を計測し、これをギアポンプや引取機へフィードバックすることも可能である。
これを、パイプ状に押出し、パイプ状に成形、冷却することで、シラン変性ポリエチレン樹脂組成物から成る成形管とし、その成形管に水の存在下で適当な熱を加えることでシラノール縮合反応を促進させる架橋処理を施すことで架橋ポリエチレン管を得ることができる。
このような方法をシラン架橋ポリエチレン管の一段製造法という。
第二工程にて、このシラン変性ポリエチレン樹脂組成物と、例えば別途工程で予め作製したポリエチレンをベース樹脂としたシラノール縮合触媒と必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を配合したマスターバッチと、を配合し、押出機内で加熱しながら溶融、混練の工程を経てシラン変性ポリエチレン樹脂組成物とする。
これを、パイプ状に押出し、パイプ状に成形、冷却することで、シラン変性ポリエチレン樹脂組成物から成る成形管とし、その成形管に水の存在下で適当な熱を加えることでシラノール縮合反応を促進させる架橋処理を施すことで架橋ポリエチレン管を得ることができる。
このような方法をシラン架橋ポリエチレン管の二段製造法という。
より具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
シラン化合物の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して0.2〜5質量部程度が好ましい。
ラジカル発生剤の配合割合は、ラジカル発生剤の種類や、ラジカル捕獲機能をもつ添加剤の存在量にも因るが、シラン化合物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
シラノール縮合触媒の配合割合は、ベース樹脂100質量部に対して0.0005〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部である。また、これらはマスターバッチ化された市販商品を用い代用することも出来る。(例えば、HZ082:三菱ケミカル社の場合、1〜10質量部)
添加剤として、例えば、酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種又は2種以上、適宜併用することができる。
充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン等が使用可能であり、なかでも炭酸カルシウム、タルク及びマイカ等を用いるのが好ましい。
該核剤としては、一般に知られているものを使用することができ、一般的な有機系又は無機系の造核剤を用いることができる。例えば、ジベンジリデンソルビトールもしくはその誘導体、有機リン酸化合物もしくはその金属塩、芳香族スルホン酸塩もしくはその金属塩、有機カルボン酸もしくはその金属塩、ロジン酸部分金属塩、タルク等の無機微粒子、イミド類、アミド類、キナクリドンキノン類、又はこれらの混合物が挙げられる。
中でもジベンジリデンソルビトール誘導体、有機リン酸金属塩、有機カルボン酸金属塩等は、透明性に優れるなど好適である。
ジベンジリデンソルビトール誘導体の具体例としては、1,3:2,4−ビス(o−3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(o−4−クロロベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトールが挙げられる。
安息香酸金属塩の具体例としては、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム等が挙げられる。
(1)温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR):
JIS K6922−2:1997に準拠して測定した。
(2)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR):
JIS K6922−2:1997に準拠して測定した。
(3)密度:
JIS K6922−1,2:1997に準拠して測定した。
下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:WATERS社製150C
カラム:昭和電工社製AD80M/Sを3本
測定温度:140℃
濃度:1mg/1ml
溶媒:o−ジクロロベンゼン
なお、分子量の計算及びカラムの較正は、以下の方法に準拠して行なった。
GPCクロマトデータは、1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版社発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行ない、Mw値を計算した。
カラムの較正は、昭和電工社製単分散ポリスチレン(S−7300、S−3900、S−1950、S−1460、S−1010、S−565、S−152、S−66.0、S−28.5、S−5.05)、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの各0.2mg/ml溶液を用いて、一連の単分散ポリスチレンの測定を行い、それらの溶出ピーク時間と分子量の対数の関係を4次多項式でフィットしたものを較正曲線とした。
なお、ポリスチレンの分子量(MPS)は、次式を用いてポリエチレンの分子量(MPE)に換算した。MPE=0.468×MPS
架橋ポリエチレンシートについて、JIS K6769:2013に準拠して測定した。なお、測定は便宜上架橋されたポリエチレン樹脂組成物をシート形状に成形したものについて行ったが、管形状に成形したものについて測定を行った場合も同様の結果が得られる。
試験片は架橋されたポリエチレン樹脂組成物からなる2mm平板(シート)からJIS K7115:2015に規定する2号形ダンベルを用い、つかみ冶具間距離80mm、環境温度80℃でJIS K7115:2015記載の引張クリープ試験を試験片が破断するまで実施し、破壊時間を測定した。本評価でのクリープ性能の優越は、パイプを用いたクリープ試験の優越と相関がある。
架橋前のポリエチレン樹脂組成物について熱プレスにより50mm×50mm×1mmtのシートを作製、加熱オーブン付2軸延伸延伸機にシートをセットし、155℃で10分保持した後、延伸倍率が1.5倍になるまで2軸延伸した。延伸後、直ぐにオーブンを解放、シートを冷却させ2軸延伸延伸機からシートを取出し、表面状態を観察した。表面を目視で確認し、ブツが無く表面平滑性が良いものを良好「○」、ブツがあるものを不良「×」とした。本評価方法で「×」となる材料は、パイプ成形においてブツがパイプ表面に現れ、パイプの表面平滑性に問題が出ることが分かっている。
架橋前のポリエチレン樹脂組成物について、HLMFR(190℃/21.6kg)が35g/10min以上のものを押出性が良好「○」、HLMFR(190℃/21.6kg)が35g/10min未満のものを押出性が不良「×」とした。
(1)エチレン系共重合体(A)
<メタロセン触媒Aの製造>
十分に窒素置換した、誘導撹拌機を装着した円筒状フラスコに、平均粒径11μmのシリカ(平均粒径11μm、表面積313m2/g、細孔容積1.6cm3/g)を3g充填し、トルエンを75ml添加し、オイルバスにより75℃に加熱した。
別のフラスコにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(アルベマール社製、3.0mol−Al/L)を8.0ml分取した。
ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−(2−(5−メチル)フリル)−4−(p−イソプロピルフェニル)−インデニル}]ジルコニウムジクロリド(63.4mg、75μmol)のトルエン溶液(15ml)をメチルアルモキサンのトルエン溶液に室温で添加し、75℃に昇温した後、1時間撹拌した。
次いで、75℃に加熱したシリカのトルエンスラリーに、このトルエン溶液を、撹拌しながら添加し1時間保持した。
その後、23℃において攪拌しながらn−ヘキサンを175ml添加し、10分後、攪拌を停止し静置した。
触媒を十分沈降させた後、上澄みを除去し、n−ヘキサンを200ml添加した。
一旦攪拌した後、再度、静置し上澄みを除去した。
この操作を3回繰り返して、n−ヘキサンに遊離してくる成分を除去した。
更に、40℃加熱した状態で、減圧により溶媒を留去した。
減圧度が0.8mmHg以下となってから、さらに15分間減圧乾燥を継続しシリカ担持メタロセン触媒Aを得た。
100mLのキシレンに、ポリエチレンイミン(分子量10,000)から誘導されたn−オクチル化ポリエチレンイミン(ポリエチレンイミンのモノマー単位当たり0.5個のn−オクチル基が導入されたもの)3gとリン酸エステル化合物であるフィチン酸1gを室温で混合、撹拌し、塩を形成させた。
その後、ジオクチルスルホコハク酸エステルマグネシウム塩6gを混合し、ファウリング防止成分Bを得た。
内容積290Lのループ型スラリー反応器に、脱水精製イソブタン115L/h、トリイソブチルアルミニウムを0.13mol/h、ファウリング防止成分Bを6ml/h供給し、反応器内の温度を90℃として、圧力を4.1MPaGに保つように反応器から間欠的に排出しながら、エチレン、1−ヘキセン、水素を供給して、重合中の液中の1−ヘキセンとエチレンのモル比が0.019、水素とエチレンのモル比が4.4×10−4になるように調節した。
次に、ヘキサンで0.3g/Lに希釈したメタロセン触媒Aのヘキサンスラリーを3L/hで反応器に供給して重合を開始し、反応器内のエチレン濃度が10vol%になるようにエチレンを供給した。
生成したポリエチレンはイソブタンとともに間欠的に排出され、フラッシュさせた後、製品サイロに送った。
その結果、エチレン系共重合体(A)は11kg/hで製造され、HLMFRは0.50g/10分であり、密度は0.925g/cm3であった。
得られたエチレン系共重合体(A)の特性について表1に示した。
表1〜2に記載した特性のエチレン系重合体(B)を製造した。
得られたエチレン系重合体(B)の特性について表1〜2に示した。
[実施例1]
<架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物の製造及び評価>
上記のエチレン系共重合体(A)及びエチレン系重合体(B)を表1に示す割合で溶融混合し、架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物を製造した。
得られたポリエチレン樹脂組成物は、押出性、表面平滑性が良好であった。
当該架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物の物性及び評価結果を表1に示した。
<架橋ポリエチレンシートの製造及び評価>
得られた架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物60gにシランカップリング剤(KBE−1003;信越シリコーン社製)1.8ml、ラジカル発生剤(カヤヘキサAD;化薬アクゾ社製)0.1mlを添加し、100cc小型ミキサー(東洋精機製作所ラボプラストミルR100)にて混練温度165℃にて3分混練後、更にシラノール縮合触媒MB(HZ082;三菱ケミカル社製)5部を追加添加し3分混練した。混練した樹脂組成物は直ちに成形温度180℃、加圧50kgf、保持時間5分にて熱プレスし、150mm×150mm×2mm厚のシートに成形した。
次に成形したシートを80℃の温水に24時間浸漬し、その後50℃に保温した乾燥オーブンに5時間保管し乾燥させ架橋ポリエチレンシートを作製した。
得られた架橋ポリエチレンシートは、ゲル分率が高く、高温クリープ性能に優れていた。
当該架橋ポリエチレンシートの評価結果を表1に示した。
実施例1に準じ、表1に示すエチレン系共重合体(A)及びエチレン系重合体(B)を使用し、それぞれ表1に示す割合で溶融混合し、実施例1と同様に架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物及び架橋ポリエチレンシートを製造した。
得られたポリエチレン樹脂組成物は、表面平滑性、及び押出性が良好であった。
得られた架橋ポリエチレンシートは、高温クリープ性能に優れていた。
得られたポリエチレン樹脂組成物及び架橋ポリエチレンシートの評価結果を表1に示した。
架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物として、表2に示す物性を有するポリエチレン樹脂組成物(クレオレックスTMK4750;旭化成社製)を準備し、当該ポリエチレン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に架橋ポリエチレンシートを製造した。
比較例1で得られたポリエチレン樹脂組成物は、表面平滑性及び押出性が良好であったが、比較例1で得られた架橋ポリエチレンシートは、高温クリープ性能が良好ではなかった。
得られた架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物及び架橋ポリエチレンシートの評価結果を表2に示した。
架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物として、表2に示す物性を有するポリエチレン樹脂組成物(ノバテックTMHD HJ360;日本ポリエチレン社製)を準備し、当該ポリエチレン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に架橋ポリエチレンシートを製造した。
比較例2で得られたポリエチレン樹脂組成物は、表面平滑性、及び押出性が良好であったが、比較例2で得られた架橋ポリエチレンシートは、高温クリープ性能が良好ではなかった。
得られた架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物及び架橋ポリエチレンシートの評価結果を表2に示した。
表2に示すエチレン系共重合体(A)及びエチレン系重合体(B)を使用し、それぞれ表2に示す割合で溶融混合し、実施例1と同様に架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物及び架橋ポリエチレンシートを製造した。
比較例4〜5で得られた架橋ポリエチレンシートは、高温クリープ性能に優れていたが、比較例4〜5で得られたポリエチレン樹脂組成物は、表面平滑性は優れるものの、押出性が良好ではなかった。
比較例6で得られたポリエチレン樹脂組成物は、押出性は良好であるものの、表面平滑性が良好ではなく、比較例6で得られた架橋ポリエチレンシートは、高温クリープ性能が良好ではなかった。
得られた架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物及び架橋ポリエチレンシートの評価結果を表2に示した。
Claims (4)
- ポリエチレン樹脂組成物であって、
前記ポリエチレン樹脂組成物は、エチレン系共重合体(A)及び当該エチレン系共重合体(A)より密度の高い1又は2以上のエチレン系重合体成分を含むエチレン系重合体(B)を含み、
前記エチレン系共重合体(A)は、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であって、HLMFR(A)が0.2〜1.5g/10分、密度(A)が0.915〜0.930g/cm 3 であり、
前記ポリエチレン樹脂組成物は、当該ポリエチレン樹脂組成物中に、前記エチレン系共重合体(A)及び前記エチレン系重合体(B)の合計100質量部あたり前記エチレン系共重合体(A)を15〜40質量部含み、
前記ポリエチレン樹脂組成物は、下記の特性(1)〜(3)を満足することを特徴とする架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物。
特性(1):温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)が35〜150g/10分である。
特性(2):密度が0.943g/cm3を超え、0.955g/cm3以下である。
特性(3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が9〜25である。 - 前記エチレン系共重合体(A)がシクロペンタジエニル環及び複素環式芳香族基を有するメタロセン触媒を用いて重合される、請求項1に記載の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物。
- 前記ポリエチレン樹脂組成物中に前記エチレン系共重合体(A)及び前記エチレン系重合体(B)の合計100質量部あたり前記エチレン系重合体(B)を60〜85質量部含み、
前記エチレン系重合体(B)は、エチレン単独重合体及びエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体のうちの少なくとも一方であって、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR(B))が1〜100g/10分であり、密度(B)が0.946〜0.975g/cm3である、請求項1又は2に記載の架橋ポリエチレン管用ポリエチレン樹脂組成物。 - 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエチレン樹脂組成物を含み、
架橋ポリエチレンシートでの高温引張クリープ試験(80℃、荷重3.5kg)における破壊時間が1000時間を超えることを特徴とする架橋ポリエチレン管。
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