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JP6950918B2 - 面性不斉メタロセン縮環カルベン及びその製造方法、並びに該誘導体を配位子とする金属錯体 - Google Patents
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JP6950918B2 - 面性不斉メタロセン縮環カルベン及びその製造方法、並びに該誘導体を配位子とする金属錯体 - Google Patents

面性不斉メタロセン縮環カルベン及びその製造方法、並びに該誘導体を配位子とする金属錯体 Download PDF

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本発明は、面性不斉イミニウム塩誘導体から合成できるカルベン及びその製造方法に関する。このカルベンは不斉合成反応に用いられる金属錯体の不斉触媒配位子として有用である。また本発明は、該カルベンを配位子とする不斉合成触媒用金属錯体に関する。
含窒素複素環カルベンは、有機触媒や金属触媒の配位子として重要な役割を果たしている。しかし、不斉反応に応用する目的で、光学活性な含窒素複素環カルベンを開発することは容易ではない。これは、本質的に含窒素複素環カルベンが不斉空間としては不利な平面構造をもつことを特徴としているためである。従って、効果的な不斉空間をもつ含窒素複素環カルベンを開発することが望まれていた。公知の含窒素複素環カルベン配位子としては、例えば下記非特許文献1乃至4がある。
N−Heterocyclic Carbenes in Synthesis;Nolan,S.P.,Ed.;Wiley−VCH;Weinheim,2006. N−Heterocyclic Carbenes in Transition Metal Catalysis;Glorius,F.,Ed.;Springer;Berlin,2007. Enders,D.;Niemeier,O.; Henseler,A.Chem.Rev.2007,107,5606−5655. Diez−Gonzalez,S.;Marion,N.;Nolan,S.P.Chem.Rev.2009,109,3612−3676.
本発明は、上記課題を鑑み、平面構造と相性の良い面性不斉の概念を導入した新たな含窒素複素環カルベンを配位子を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする面性不斉イミニウム塩誘導体から合成できるカルベンを提供することにより前記目的を達成したものである。
Figure 0006950918
(上記式中、R〜Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC〜C20アリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいホスフィノ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アリ−ル基を示す。)、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アリール基を示す。)、水酸基又はハロゲン原子である。また、R〜Rは、それぞれ互いに独立し、同一であっても異なっていてもよい。また、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、並びにR及びRは、それぞれ、互いに架橋してC〜C10飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環の場合は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子、又は−N(B)−で示される基(ここでBは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。また、上記式中のXは置換基を有していてもよいC〜C炭素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子、またこれらヘテロ原子と置換基を有していてもよい炭素原子の任意の組み合せからなる原子団である。また、上記式中のZはハロゲン原子、PF、BF、ClO、BPhを示す。また、上記式中のMは、鉄、ルテニウムなどの遷移金属を示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。)
また本発明は、前記の一般式(1)で表される面性不斉イミニウム塩誘導体から合成できるカルベンの好ましい製造方法であって、下記一般式(4)で表されるメタロセン誘導体のメタロセン側鎖を変換し、閉環、イミニウム化、脱プロトン化反応を行うことを特徴とする面性不斉カルベン誘導体の製造方法を提供するものである。
Figure 0006950918
(上記式中、R〜R及び、Mは前記の定義と同じである。また、Yはハロゲン原子、ホルミル基を示す。)
更に本発明は、前記記載の面性不斉カルベン誘導体を配位子とすることを特徴とする不斉合成触媒用金属錯体を提供するものである。
本発明の面性不斉カルベンを配位子とする金属錯体を不斉合成の触媒として用いた場合に、高いエナンチオ選択性及び反応活性で各種不斉反応を進行させることができる。また、本発明の製造方法によれば、本発明のカルベン誘導体を容易に製造することができる。
前記の一般式(1)で表される本発明の面性不斉イミニウム塩誘導体において、R〜Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC〜C20アリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいホスフィノ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アリール基を示す。)、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アリール基を示す。)、水酸基又はハロゲン原子である。また、R〜Rは、それぞれ互いに独立し、同一であっても異なっていてもよい。また、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、並びにR及びRは、それぞれ、互いに架橋してC〜C10飽和環又は不飽和環を形成してもよく、前記環の場合は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子、又は−N(B)−で示される基(ここでBは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。また、上記式中のXは置換基を有していてもよいC〜C炭素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子、またこれらヘテロ原子と置換基を有していてもよい炭素原子の任意の組み合せからなる原子団である。また、上記式中のZはハロゲン原子、PF、BF、ClO、BPhを示す。また、上記式中のMは、鉄、ルテニウムなどの遷移金属を示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C〜C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれしたものでもよい。「C〜C20炭化水素基」にはC〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アルキルジエニル基、C〜C20アリール基、C〜C20アルキルアリール基、C〜C20アリールアルキル基、C〜C20シクロアルキル基、C〜C20シクロアルケニル基、(C〜C10シクロアルキル)C〜C20アルキル基などが含まれる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アルキル基」は、C〜C10アルキル基であることが好ましく、C〜Cアルキル基であることがさらに好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アルケニル基」は、C〜C10アルケニル基であることが好ましく、C〜Cアルケニル基であることがさらに好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アルキニル基」は、C〜C10アルキニル基であることが好ましく、C〜Cアルキニル基であることがさらに好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アルキルジエニル基」は、C〜C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C〜Cアルキルジエニル基であることがさらに好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1、3−ブタジエニル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アリール基」は、C〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アルキルアリール基」は、C〜C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、メシチル等を挙げることができる。
本明細書及び特許請求の範囲において,「C〜C20アリールアルキル基」は、C〜C12アリ−ルアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2、2−ジフェニルメチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20シクロアルキル基」は、C〜C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20シクロアルケニル基」は、C〜C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アルコキシ基」は、C〜C10アルコキシ基であることが好ましく、C〜Cアルコキシ基であることがさらに好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「C〜C20アリ−ルオキシ基」は、C〜C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニリルオキシ等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、「アルキルチオ基(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基を示す。)」及び「アルキルスルホニル基(−SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基を示す。)」において、Y及びYは、C〜C10アルキル基であることが好ましく、C〜Cアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
また本明細書及び特許請求の範囲において、R〜Rで示される「C〜C20炭化水素基」、「C〜C20アルコキシ基」、「C〜C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリ−ルオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げる事ができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜6個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「置換基を有していてもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「ヘテロ原子と置換基を有していてもよい炭素原子の任意の組み合せからなる原子団」の例としては、制限するわけではないが、−CH−CH−CH−O−、−CH−S−CH−、−CH−O−等がある。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、R〜Rで示される置換基は互いに架橋してC〜C20飽和環又は不飽和環を形成してもよい。これらの置換基が形成する環は、4員環〜12員環であることが好ましく、4員環〜6員環であることが更に好ましい。この環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。また、これらの置換基が形成する環に、更に単数又は複数の環が形成されていてもよい。前記飽和環又は不飽和環は、酸素原子、硫黄原子、珪素原子、スズ原子、ゲルマニウム原子又は−N(B)−で示される(Bは水素原子またはC〜C20炭化水素基である。)で中断されていてもよい。即ち、前記飽和環または不飽和環はヘテロ環であってもよい。かつ、置換基を有していてもよい。不飽和環は、ベンゼン環等の芳香族環であってもよい。Bは、水素原子またはC〜C10炭化水素基であることが好ましく、水素原子またはC〜C炭化水素基であることが更に好ましく、Bは水素原子、C〜Cアルキル基、フェニル基又はベンジル基であることが更になお好ましい。この飽和環又は不飽和環は、置換基を有していてもよく、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル基)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「芳香環」とは、単環式芳香環、多環式芳香環をあげることができる。「単環式芳香環」としては、ベンゼン環、5員又は6員の複素環を挙げることができる。「5員又は6員の複素環」としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、チアゾ−ル、イミダゾール、ピリミジン、1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。「多環式芳香族環」としては、多環式芳香族炭化水素、多環式複素芳香族環を挙げることができる。「多環式複素炭化水素」としては、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、インデン、アントラセン、フェナントレン等を挙げることができる。「多環式複素芳香環」としては、インドール、キノリン、プリン等を挙げることができる。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、Xは置換基を有していてもよいC〜C炭素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子である。また、Zはハロゲン原子、PF、BF、ClO、BPhを示す。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、Mは、鉄、ルテニウムなどの遷移金属を示す。
Xとして特に好ましいのは−CH−CH−CH−であり、Mとして特に好ましいのは鉄であり、C〜Cとして特に好ましいのは水素であり、R〜Rとして特に好ましいのはR10で表される一価の置換基である。その場合、本発明に係る化合物は以下の一般式(2)で表されるイミニウム塩から合成できるカルベンである。
Figure 0006950918
(上記式中、RおよびZは、前記の定義と同じであり、R10は一価の置換基を示す。nは0ないし5の整数を示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。)
前記の一般式(2)中、R10で示される一価の置換基に特に制限はない。R10としては例えば水素、メチル基、フェニル基等が挙げられる。
また、Xとして特に好ましいのは−CH−CH−であり、Mとして特に好ましいのは鉄であり、C〜Cとして特に好ましいのは水素であり、R〜Rとして特に好ましいのはR10で表される一価の置換基である。その場合、本発明に係る化合物は以下の一般式(3)で表されるイミニウム塩から合成できるカルベンである。
Figure 0006950918
(上記式中、RおよびZは、前記の定義と同じであり、R10は一価の置換基を示す。nは0ないし5の整数を示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。)
前記の一般式(3)中、R10で示される一価の置換基に特に制限はない。R10としては例えば水素、メチル基、フェニル基等が挙げられる。
次に、本発明に係る面性不斉イミニウム塩誘導体の製造方法を説明する。先ず、下記の一般式(4)で表されるメタロセン誘導体、例えば、(S)−(−)−1−ヨ−ド−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセンや(R)−(−)−1−ホルミル−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセンを用意する。
Figure 0006950918
(上記式中、R10は前記の定義と同じである。また、Yはハロゲン原子、ホルミル基を示す。)
パラジウム触媒存在下、溝呂木−ヘック反応により、(4)とアクリルアミドをカップリングさせることで(5)を得る。
次いで、(5)のフェロセン側鎖をリチウムアルミニウムハイドライドで還元処理することで、一級アミン(6)を得た後、(6)を塩酸処理することにより、キラルアセタ−ル部位の加水分解、自発的な閉環反応を起こすことにより(7)を得る。
引き続き、得られた(7)を求核剤と反応させて、イミニウム塩(2)を得る。
Figure 0006950918
また、異なった面性不斉イミニウム塩誘導体の製造方法も示す。
ホルミル基を有する(8)に対して、塩基性条件下ヘンリー反応を行うことにより(9)を得る。
次いで、得られた(9)を塩基性条件下、無水酢酸と反応させることによりアセチル化した後、脱水させることで(10)へと変換する。
さらに、(10)のフェロセン側鎖をリチウムアルミニウムハイドライドで還元処理することで、一級アミン(11)を得た後、(11)を塩酸処理することにより、キラルアセタール部位の加水分解、自発的な閉環反応を起こすことにより(12)を得る。
引き続き、得られた(12)を求核剤と反応させて、イミニウム塩(2)を得る。
Figure 0006950918
以上の方法によれば、面性不斉イミニウム塩誘導体を単一のエナンチオマーとして選択的に合成できるという利点がある。また特筆すべきは、最終段階で用いるアルキル化剤あるいはアリール化剤を変えることにより、様々な面性不斉イミニウム塩誘導体を入手できるということである。
前記の一般式(2)で表される本発明の面性不斉イミニウム塩誘導体に塩基を作用させてカルベンを発生させた後、配位子として遷移金属に配位させれば、不斉金属錯体を得ることができる。この錯体は不斉合成触媒として有用なものである。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。しかしこれは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(1)前記の一般式(2)で表される化合物の合成
以下の手順により、前記の一般式(2)で表される化合物の一種である(R)−(−)−2−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−3H−フェロコ[c]2−アゼピニウムヨ−ダイドを合成した。
Figure 0006950918
窒素ガス雰囲気下、室温下で、Pd(PPhCl(69.5mg,0.099mmol)のジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液に、(S)−(−)−1−ヨ−ド−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(4)(219mg,0.495mmol)、アクリルアミド(106mg,1.48mmol)、トリエチルアミン(230μL,1.68mmol)のジメチルホルムアミド(2.2mL)混合溶液を滴下した。反応溶液を75度で12時間撹拌した後、水を加え、ジエチルエ−テルで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた後、濾過、減圧濃縮を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(移動相:ジクロロメタン/メタノ−ル/トリエチルアミン=20/1/0.6)で精製した。このようにして(R)−(−)−1−((E)−(3−アミノ−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル))−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(5)を得た。収量は177mg、収率は60%であった。
H NMR (CDCl): δ 1.48 (d,J=13.6Hz,1H),1.85(qd,J=13.2,5.2Hz,1H),3.38(s,3H),3.45(dd,J=10.4,3.2Hz,1H), 3.50(dd,J=10.4,7.6Hz,1H), 3.99(t,J=12.4Hz,1H), 4.03−4.11(m,1H), 4.15(s,5H), 4.31(d,J=1.2Hz,1H), 4.32(dd,J=12.8,5.2Hz,1H), 4.44(d,J=1.2Hz,1H), 4.65(t,J=0.8Hz,1H), 5.56(s,1H), 5.57(br s,1H), 5.95(br s,1H), 6.44(d,J=15.8Hz,1H), 7.60(d,J=16.8Hz,1H).
13C NMR (CDCl): δ 27.3, 59.3, 67.0, 69.0, 69.5, 70.1, 70.3, 75.7, 77.2, 79.0, 83.6, 100.1, 119.4, 140.7, 168.4.
HRMS (ESI) calcd for C1924FeNO (M+H) 386.1049, found 386.1045.
[α]23 = −111 (c 0.10, CHCl).
窒素ガス雰囲気下、0度で、LiAlH(182mg,4.81mmol)のテトラヒドロフランジメチルホルムアミド(2mL)懸濁液に、(5)(154mg,0.401mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下した。反応溶液を2時間、加熱還流させた後、0度に冷やし、注意深く硫酸ナトリウム十水和物を加えた。過剰の硫酸ナトリウムを加えた後、濾過、減圧濃縮することで、(R)−(−)−1−(3−アミノプロピル)−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(6)を得た。生成物はそのまま次のステップに使用した。
H NMR (CDCl):δ 1.48(d,J=13.2Hz,1H), 1.62−1.82(m,3H), 2.12(br s,2H), 2.41(ddd,J=15.2,8.8,6.4Hz,1H), 2.58(ddd,J=15.2,8.8,6.0Hz,1H), 2.66−2.78(m,2H), 3.37(s,3H), 3.37(dd,J=10.4,4.0Hz,1H), 3.49(dd,J=10.0, 6.4Hz,1H), 3.94(td,J=12.4,2.8Hz,1H), 3.98−4.03(m,2H), 4.04(t,J=2.0Hz,1H), 4.08(s,5H), 4.27(dd,J=11.6, 4.4Hz,1H), 4.30(t,J=2.0Hz,1H), 5.49(s,1H).
13C NMR (CDCl): δ 25.6, 27.9, 34.4, 41.7, 59.2, 66.2, 66.4, 66.8, 68.9, 69.4, 75.7, 76.0, 83.6, 87.0, 100.3.
HRMS (ESI) calcd for C1928FeNO (M+H) 374.1413, found 374.1408.
[α]23 = −31.6 (c 0.10, CHCl).
窒素ガス雰囲気下、0度で、(6)(107mg,0.287mmol)のアセトンジメチルホルムアミド(5.5mL)溶液に、1M塩酸(340μL,0.343mmol)を滴下した。反応溶液を0度で15分間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出した後、有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過、減圧濃縮することで、(R)−(−)−4,5−ジヒドロ−3H−フェロコ[c]アゼピン(7)を得た。収量は39.2mg、収率は2段階で39%であった。
H NMR (CDCl): δ 1.94−2.04(m,1H), 2.05−2.14(m,1H), 2.60(ddd,J=16.0,12.0,4.0Hz,1H), 2.83(dt,J=16.0,3.5Hz,1H), 3.27(ddd,J=12.5,10.5,2.0Hz,1H), 4.11−4.20(m,1H), 4.17(s,5H), 4.31(t,J=2.0Hz,1H), 4.33−4.37(m,1H), 4.41−4.45(m,1H), 8.03(d,J=2.0Hz,1H).
13C NMR (CDCl): δ 26.5, 30.2, 53.7, 69.9, 71.5, 71.6, 89.7, 162.0.
HRMS (ESI) calcd for C1416FeN (M+H) 254.0627, found 254.0621.
[α]23 = −567 (c 0.01, CHCl).
窒素ガス雰囲気下、(7)(22.7mg,0.090mmol)とイソプロピルヨーダイド(304mg,180μL,1.50mmol)のアセトニトリルジメチルホルムアミド(180mL)混合物を1時間還流させた後、減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、ジエチルエーテルを加えて再沈殿/濾過することで、(R)−(−)−2−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−3H−フェロコ[c]2−アゼピニウムヨーダイド(2)を得た。収量は29.7mg、収率は69%であった。
H NMR (CDCl): δ 1.47(d,J=6.4Hz,3H), 1.53(d,J=6.4Hz,3H), 1.85−1.98(m,1H), 2.48(ddt,J=15.6,8.0,4.0Hz,1H), 2.69(ddd,J=16.8,12.8,4.0Hz,1H), 2.88(dt,J=16.8,3.2Hz,1H), 3.29(dd,J=14.8,10.8Hz,1H), 3.96(dd,J=15.2,8.0Hz,1H), 4.50(s,5H), 4.97(t,J=2.8Hz,1H), 5.02(sept,J=6.8Hz,1H), 5.05−5.08(m,1H), 5.30−5.34(m,1H), 10.0(s,1H).
13C NMR (CDCl): δ 20.2, 20.8, 25.2, 28.9, 50.0, 63.4, 68.2, 72.3, 77.4, 78.5, 90.3, 169.6.
HRMS (ESI) calcd for C1722FeN (M−I) 296.1096, found 296.1090.
[α]23 = −447 (c 0.001, CHCl).
(実施例2)
(2)前記の一般式(2)で表される化合物の合成
以下の手順により、前記の一般式(2)で表される化合物の一種である(R)−(−)−2−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−3H−フェロコ[c]ピリジニウムヨーダイドを合成した。
Figure 0006950918
窒素ガス雰囲気下、0度で、(R)−(−)−1−ホルミル−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(8)(4.28g,11.3mmol)、ニトロメタン(3.0mL,56.5mmol)、メタノール(20mL)、テトラヒドロフラン(40mL)の混合物に、水酸化カリウム(1.43g,16.9mmol)の水溶液(5.0mL)を加えた。0度で1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水を加え反応を停止させた。酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、濾過、減圧濃縮することでジアステレオマ−混合物として1−(1−ヒドロキシ−2−ニトロエチル)−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(9)を得た。生成物はそのまま次のステップに使用した。
窒素ガス雰囲気下、室温で、(9)(5.28g)、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.31g,2.6mmol,20mol%)、トリエチルアミン(9.0mL,64.4mmol)、テトラヒドロフラン(25mL)の混合物に、無水酢酸(6.1mL,64.4mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水を加え反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いて精製することで(R)−(−)−1−((E)−2−ニトロビニル)−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(10)を得た。収量は4.3g、収率は2段階で91%であった。
H NMR (CDCl): δ 0.99(t,J=7.6Hz,3H), 1.21(s,9H), 1.92(d of quint,J=14.0 and 7.6Hz,1H), (d of quint,J=14.0 and 7.6Hz,1H), 4.25(s,3H), 4.54(t,J=7.8Hz,1H), 4.77(dd,J=7.8 and 1.6Hz,1H), 5.49(s,1H), 7.35(d,1H), 8.33(d,J=7.8 and 2.1Hz,1H).
13C NMR (CDCl): δ 27.7, 59.4, 66.9, 68.6, 71.0, 71.2, 72.1, 72.4, 75.4, 76.3 87.6, 99.4, 134.0, 141.46.
ESI−HRMS Calcd for C1821NFeNa (M+Na): 410.0661. Found: 410.0661.
[α]23 =−696.0(c 0.001,CHCl).
窒素ガス雰囲気下、0度で、LiAlH(28.8mg,0.76mmol)のジエチルエーテルジメチルホルムアミド(5.8mL)懸濁液に、(10)(84.1mg,0.217mmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌した後、0度に冷やし、注意深く硫酸ナトリウムの十水和物を加えた。過剰の硫酸ナトリウムを加えた後、濾過、減圧濃縮することで、(R)−(−)−1−(3−アミノエチル)−2−[(2S,4S)−4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン−2−イル]フェロセン(11)を得た。収量は77.1mg、収率は99%であった。
H NMR (CDCl): δ 1.48(d,J=13.0Hz,1H), 1.75(qd,J=11.8,8.0Hz,1H), 2.46−2.69(m,2H), 2.80(brs,2H), 3.30(s,3H), 3.92−4.15(m,4H), 4.09(s,5H), 4.26(dd,J=11.5,4.4Hz,1H), 4.32(s,1H), 5.46(s,1H).
13C NMR (CDCl): δ 27.9, 28.0, 32.7, 43.3, 59.2, 66.4, 66.6, 66.8, 69.27, 69.35, 75.5, 75.9, 84.1, 84.7, 100.2.
ESI−HRMS Calcd for C1825FeNO (M+H): 360.1257. Found: 360.1248.
[α]23 =−773.0(c 0.001,CHCl).
窒素ガス雰囲気下、0度で、(11)(102.4mg,0.29mmol)のアセトンジメチルホルムアミド(5.0mL)溶液に、1M塩酸(290μL,0.290mmol)を滴下した。反応溶液を0度で10分間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出した後、有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過、減圧濃縮した。残渣を分取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノ−ル/トリエチルアミン=9/1/0.3)で精製することで(R)−(−)−4,5−ジヒドロ−3H−フェロコ[c]ピリジン(12)を得た。収量は59.2mg、収率は87%であった。
H NMR (CDCl): δ 2.31(ddd,J=15.6,13.8,6.2Hz,1H), 2.51(ddd,J=15.6,6.6,1.8Hz,1H), 3.58(dddd,J=16.7,13.8,6.6,3.0Hz,1H), 4.08−4.16(m,1H), 4.18(s,5H), 4.24−4.26(m,1H), 4.27−4.30(m,2H), 8.36(d,J=3.0Hz,1H).
13C NMR (CDCl): δ 22.0, 49.1, 64.1, 67.3, 67.9, 69.5, 72.3, 86.2, 161.3.
ESI−HRMS Calcd for C1314NFe (M+H): 240.0470. Found: 240.0480.
[α]26 =−925.0(c 0.001,CHCl).
窒素ガス雰囲気下、(12)(19.8mg,0.083mmol)とイソプロピルヨーダイド(0.16mL,1.7mmol)のアセトニトリルジメチルホルムアミド(0.33mL)混合物を20分間還流させた後、減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、ジエチルエーテルを加えて再沈殿/濾過することで、(R)−(−)−2−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−3H−フェロコ[c]ピリジニウムヨーダイド(2)を得た。収量は26.1mg、収率は77%であった。
H NMR (CDOD): δ 1.51(d,J=5.5Hz,6H), 2.66−2.80(m,1H), 2.93−3.08(m,1H), 3.68−3.80(m,1H), 3.94−4.40(m,1H), 4.18−4.32(m,1H), 4.52(s,5H), 4.93(s,1H), 5.02(s,1H), 5.07(s,1H), 9.26−9.38(m,1H).
13C NMR (CDOD): δ 20.9, 22.6, 63.6, 68.2, 70.9, 72.9, 72.9, 74.7, 76.7, 87.2, 170.9.
ESI−HRMS Calcd for C1620FeN (M): 282.0940. Found: 282.0939.
[α]26 =−925.0(c 0.001,CHCl).
(実施例3)
(3)金属錯体の合成
以下の手順により、前記の一般式(2)で表される面性不斉イミニウム塩誘導体からカルベンを発生させ、銅錯体を合成した。
Figure 0006950918
窒素ガス雰囲気下、−78度において、(2)(40.0mg,0.090mmol)のテトラヒドロフラン(870μL)溶液に、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(24.8mg,0.140mmol)のテトラヒドロフラン(880μL)溶液を加えた。10分後、反応液に塩化銅(17.9mg,0.18mmol)のテトラヒドロフラン(1230μL)懸濁液を加えた。−78度で1時間撹拌した後、室温まで加温し、さらに10分間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮した後、ジエチルエーテルを加え、窒素ガス雰囲気下、グラスフィルターを用いて不溶物を除去した。最後にろ液を減圧濃縮することで、ビスカルベン銅錯体(13)を得た。
HRMS (ESI) calcd for C3442CuFe (M−Cl) 653.1337, found 653.1337.
(実施例4)
(4)銅錯体を用いた不斉付加反応
以下の手順により、前記の式(13)で表される銅錯体を用いた不斉付加反応を行った。
Figure 0006950918
窒素ガス雰囲気下、0度において、ビスピナコラートジボロン(85.8mg,0.338mmol)のテトラヒドロフラン(150μL)溶液に、(13)(5.3mg,0.0077mmol,5mol%)のテトラヒドロフラン(290μL)溶液を加えた。10分後、反応液にt−ブチルシンナメート(14)(34.5mg,0.169mmol)とメタノール(10.8mg,0.338mmol)を加えた。0度で1時間撹拌した後、反応液にナトリウムペルオキソボレート(約200mg)と水(440μL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。、反応液を水で薄め、酢酸エチルで抽出した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、減圧濃縮の後、残渣を分取用薄層シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/イソプロパノール=7/1)で精製することでアルコール(15)を得た。生成物の絶対配置及びエナンチオマー過剰率は、高速液体クロマトグラフィーを用い、既報値との比較から決定した。収量は38.6mg、収率は>99%、エナンチオマー過剰率は80%ee(S)であった。
H NMR: δ 1.45(s,9H), 2.63(dd,J=16.4,4.4Hz,1H), 2.70(dd,J=16.8,8.8Hz,1H), 3.47(d,J=3.6Hz,1H), 5.08(dt,J=8.0,3.6Hz,1H), 7.25−7.29(m,1H), 7.32−7.39(m,4H).
[α]19 =−28.4 (c 0.1,CHCl).
The enantiomeric excess of 15 was determined by HPLC analysis with chiral stationary phase column. Daicel Chiralcel As−H, hexane/i−PrOH = 100/1, 0.3 mL/min, t = 43.6 min (R), t = 47.9 min (S).

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする面性不斉イミニウム塩誘導体から合成できるカルベン。
    Figure 0006950918
    上記式中、R は、水素原子または置換基を有していてもよいC 〜C 20 炭化水素基である。R 〜R は、水素原子でり、R 〜R は、水素原子、または置換基を有していてもよいC 〜C 20 炭化水素基である。また、上記式中のXは、−CH −CH −CH −または−CH −CH である。また、上記式中のZはハロゲン原子、PF、BF、ClOまたはBPhを示す。また、上記式中のMは、鉄またはルテニウムを示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。)
  2. 下記一般式(2)で表される面性不斉イミニウム塩誘導体から合成できる請求項1記載のカルベン。
    Figure 0006950918
    (上記式中、RおよびZは、前記の定義と同じであり、R10水素原子、または置換基を有していてもよいC 〜C 20 炭化水素基を示す。nは0ないし5の整数を示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。)
  3. 下記一般式(3)で表される面性不斉イミニウム塩誘導体から合成できる請求項1記載のカルベン。
    Figure 0006950918
    (上記式中、RおよびZは、前記の定義と同じであり、R10水素原子、または置換基を有していてもよいC 〜C 20 炭化水素基を示す。nは0ないし5の整数を示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマ−でも構わない。)
  4. 請求項1のカルベンの製造方法であって、
    下記一般式(4)で表されるメタロセン誘導体のメタロセン側鎖を変換し、閉環、イミニウム化、脱プロトン化反応を行うことを特徴とするカルベンの製造方法。
    Figure 0006950918
    (上記式中、R〜R及び、Mは前記の定義と同じである。また、Yはハロゲン原子、ホルミル基を示す。)
  5. 請求項1記載のカルベンを配位子とすることを特徴とする不斉合成触媒用金属錯体。
  6. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする面性不斉イミニウム塩誘導体。
    Figure 0006950918
    (上記式中、R は、水素原子または置換基を有していてもよいC 〜C 20 炭化水素基である。R 〜R は、水素原子であり、R 〜R は、水素原子、または置換基を有していてもよいC 〜C 20 炭化水素基である。また、上記式中のXは、−CH −CH −CH −または−CH −CH −である。また、上記式中のZは、ハロゲン原子、PF 、BF 、ClO 、またはBPh を示す。また、上記式中のMは、鉄またはルテニウムを示す。また、上記式はキラルな面性不斉化合物の2つのエナンチオマーのうちの一方を示しているが、他方のエナンチオマーでも構わない。)
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