以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図12を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子は、図1〜図3に示すように、電極体2を備える。また、蓄電素子1は、電解液、電極体2と電解液とを収容するケース3、電極体2とケース3との間に配置される絶縁部材4、及び、少なくとも一部が外部に露出する外部端子5等も備える。尚、各図においては、構造を示すために、電極体2を構成する電極等の厚さを誇張して表す等、電極体2の構成を模式的に表している。
電解液は、非水溶液系電解液である。この電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO4、LiBF4、及びLiPF6等である。本実施形態の電解液は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを、エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5の割合で調整した混合溶媒に、1mol/LのLiPF6を溶解させたものである。
電極体2は、図4及び図5にも示すように、第一部材21と、第二部材22と、を有する。第一部材21は、第一の電極210を含む。第二部材22は、第一の電極210と極性の異なる第二の電極220を含む。
本実施形態の電極体2は、第一の電極210と第二の電極220との間に配置されるセパレータ221も有する。また、本実施形態の電極体2では、第二部材22は、第二の電極220に加えて、セパレータ221も含む。さらに、本実施形態の電極体2では、第一部材21は、第一の電極210で構成される。尚、本実施形態の電極体2では、第一の電極210は、負極であり、第二の電極220は、正極である。
負極210は、図6及び図7にも示すように、金属箔211と、金属箔211の両面のそれぞれに重ねられる負極活物質層212と、を有する。即ち、負極210は、一つの金属箔211と、一対の負極活物質層212と、を有する。本実施形態の金属箔211は、例えば、銅箔である。
この負極210は、長尺な帯状であり、複数の折り返し部23を有するようにつづら折りされている。具体的に、負極210は、第一方向(長尺方向)における一方側を開放するようにターン部234で折り返された第一折り返し部23A、及び、長尺方向における他方側を開放するようにターン部234で折り返された第二折り返し部23Bが交互に配されるよう、つづら折りされている(図7参照)。
負極活物質層212は、負極活物質と、バインダーと、を有する。
負極活物質は、例えば、グラファイト、難黒鉛化炭素、及び易黒鉛化炭素などの炭素材、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などのリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極活物質は、グラファイトである。
負極活物質層212に用いられるバインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層212は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の負極活物質層212は、導電助剤を有していない。
第一折り返し部23Aは、内側の面である谷折り面231及び外側の面(谷折り面231と反対側の面)である山折り面232をそれぞれ有し且つ谷折り面231同士を対向させた一対の平坦部233と、一対の平坦部233の端部同士を接続するターン部234と、を含む。第二折り返し部23Bも、第一折り返し部23Aと同様の構成を有する。
ターン部234は、図11にも示すように、負極210における平坦部233を除いた領域(図11における境界αよりも外側の部分)である。本実施形態のターン部234では、山折り面(外周面)及び谷折り面(内周面)はいずれも、X軸方向における中央に位置する平坦な部分と、この平坦な部分の両側に位置し湾曲した部分とを有する。
本実施形態の負極210は、ターン部234を反対に向けた状態で隣り合う第一折り返し部23A及び第二折り返し部23B同士がその一部(平坦部233)を共通させた状態で連続するつづら折り状態(蛇腹状)である。即ち、図7において、第一折り返し部23Aに着目したときに、第一折り返し部23Aと、その隣(図7における下側)の第二折り返し部23Bとでは、第一折り返し部23Aのターン部234と、第二折り返し部23Bのターン部234との間の平坦部233A、233Bを共通させている。
具体的には、負極210では、帯状の負極210が長尺方向において所定間隔で交互に折り返されることによって、平坦部233とターン部234とが交互に形成されている。即ち、長尺な負極210が、図6に示す長手方向に所定間隔で交互に設定された山折り線21Aの位置と谷折り線21Bの位置とで山折り及び谷折りが交互に繰り返されることによって、つづら折り状態となる。これにより、負極210は、複数の平坦部233と複数のターン部234とを有し、複数の平坦部233のそれぞれは、平行若しくは略平行に並び、複数のターン部234のそれぞれは、隣り合う平坦部233の長尺方向の一端側の端部同士と他端側の端部同士とを交互に接続している。
以下では、第二部材22が並ぶ方向を直交座標系におけるX軸方向とし、平坦部233に対してターン部234が配置されている方向(図5における左右方向)を直交座標系におけるY軸方向(第一方向)とし、Y軸方向及び複数の第二部材22が並ぶ方向のいずれにも直交する方向(負極210の折目(山折り線21A、谷折り線21B)方向)を直交座標系のZ軸方向(第二方向)とする。
複数の平坦部233のそれぞれは、図7及び図8に示すように、矩形状の平坦部本体2331と、平坦部本体2331の矩形状の輪郭を構成する一辺から突出する(本実施形態の例では、Z軸方向の端縁からZ軸方向に延びる負極タブ2332と、を有する。本実施形態の平坦部本体2331は、Y軸方向に長い矩形状である。平坦部本体2331では、金属箔211の両面が負極活物質層212に覆われ、負極タブ2332では、金属箔211が露出している。即ち、負極タブ2332は、負極活物質層212を有しない。
つづら折り状態の負極210において、各平坦部233の負極タブ2332は、X軸方向から見て重なっている。本実施形態の負極210では、各負極タブ2332は、平坦部本体2331のZ軸方向の一方(図7における上側)の端縁におけるY軸方向の他方側(図7における右側)の端部からZ軸方向に延びている。この複数の平坦部本体2331のそれぞれから延びている負極タブ2332は、束ねられ、集電体6を介して外部端子5と接続されている(図3参照)。本実施形態の負極タブ2332の束は、集電体6に溶接されている。
複数のターン部234のそれぞれは、つづら折り状態の負極210において、Z軸方向に延びる軸を折り返し軸234S(図7参照)として帯状の負極210が旋回している(換言すると、折り返し軸234Sに沿った折目が形成されるように折り返されている)部位である。このターン部234においても、金属箔211の両面が負極活物質層212に覆われている。
第二部材22は、図11に示すように、第一折り返し部23Aに挟まれている第一の第二部材22Aと、第二折り返し部23Bに挟まれている第二の第二部材22Bとを含む。本実施形態の第二部材22において、第一の第二部材22Aに含まれる正極220と、第二の第二部材22Bに含まれる正極220とは、その形状を除く点では共通している。
正極220は、図9及び図10にも示すように、金属箔222と、金属箔222の両面のそれぞれに重ねられる正極活物質層223と、を有する。即ち、正極220は、一つの金属箔222と一対の正極活物質層223とを有する。本実施形態の金属箔222は、例えば、アルミニウム箔である。この正極220は、セパレータ221に覆われた状態で、つづら折り状態の負極210において、X軸方向に隣り合う平坦部233間のそれぞれに配置されている。具体的には、正極220は、セパレータ221に覆われた状態で、第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bに挟まれている。このため、本実施形態の電極体2は、複数の正極220を有している。
正極活物質層223は、正極活物質と、バインダーと、を有する。
本実施形態の正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiaMebOc(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiaCoyO2、LiaNixO2、LiaMnzO4、LiaNixCoyMnzO2等)、LiaMeb(XOc)d(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiaFebPO4、LiaMnbPO4、LiaMnbSiO4、LiaCobPO4F等)である。本実施形態の正極活物質は、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2である。
正極活物質層223に用いられるバインダーは、負極活物質層212に用いられたバインダーと同様のものである。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層223は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の正極活物質層223は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
具体的に、複数の正極220のそれぞれは、本体部224と、本体部224の矩形状の輪郭を構成する一辺であるZ軸方向の端縁からZ軸方向に延びる(本実施形態の例では、X軸方向及びY軸方向いずれにも直交するZ軸方向に延びる)正極タブ(タブ部)225と、を有する。本実施形態の本体部224は、Y軸方向に長い矩形状であり且つ板状である。本体部224では、金属箔222の両面が正極活物質層223に覆われ、正極タブ225では、金属箔222が露出している。即ち、正極タブ225は、正極活物質層223を有しない。
本体部224における正極活物質層223は、X軸方向に対向する(詳しくは、セパレータ221を介して対向する)平坦部233の負極活物質層212よりY−Z面(Y軸とZ軸とを含む平面)方向において小さい。即ち、本体部224の正極活物質層223は、全域において平坦部233の負極活物質層212と対向し、平坦部233の負極活物質層212は、周縁部を除いた領域において本体部224の正極活物質層223と対向する。本体部224のZ軸方向における寸法は、負極210の平坦部233の寸法と比べて、例えば、2mm〜4mmだけ小さい。
各正極220の正極タブ225は、X軸方向から見て重なっている。本実施形態の各正極220の正極タブ225は、X軸方向に長い矩形状である(図9、図10参照)。各正極タブ225は、いずれも、同じ形状をしている。また、各正極タブ225は、いずれも、本体部224のZ軸方向の一方(図9における上側)の端縁におけるY軸方向の一方側(平坦部本体2331に対する負極タブ2332の位置とは反対側:図9、図10における左側)の端部からZ軸方向に延びている。また、各正極タブ225のY軸方向における両端縁は、いずれも、X軸方向に延びる。本実施形態のこの複数の本体部224のそれぞれから延びている正極タブ225は、束ねられ、集電体6を介して外部端子5と接続されている(図3参照)。本実施形態の正極タブ225の束は、集電体6に溶接されている。
尚、本実施形態の正極タブ225は、本体部224のZ軸方向の一方の端縁における第一の位置、又は、本体部224のZ軸方向の一方の端縁における第二の位置からZ軸方向に延びている。本体部224のZ軸方向の一方の端縁における一方側の端部から第一の位置までの距離は、本体部224のZ軸方向の一方の端縁における一方側の端部から第二の位置までの距離と異なる。
セパレータ221は、絶縁性を有する部材であり、負極210と正極220との間に配置される。これにより、電極体2において、負極210と正極220とが互いに絶縁される。また、セパレータ221は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、セパレータ221を挟んで対向する負極210と正極220との間を、リチウムイオンが移動可能となる。
このセパレータ221は、帯状であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。本実施形態のセパレータ221は、SiO2粒子、Al2O3粒子、ベーマイト(アルミナ水和物)等の無機粒子を含んだ無機層を、多孔質膜によって形成された基材の上に設けることで形成されている。本実施形態のセパレータ221の基材は、例えば、ポリエチレンによって形成される。
本実施形態のセパレータ221は、上述のように、正極220を覆っている。具体的に、セパレータ221は、本体部224全体をX軸方向に挟み込むように覆っている。この正極220を挟み込んだ状態のセパレータ221は、X軸方向から見て矩形状であり、Z軸方向の寸法は、負極210の平坦部233の寸法より大きく、Y軸方向の寸法は、平坦部233の寸法と比べて小さい。尚、この正極220を挟み込んだ状態のセパレータ221が、第二部材22である。
また、本実施形態のセパレータ221は、折り曲げ部2210を有する。具体的に、セパレータ221の折り曲げ部2210は、矩形状のものを、間に正極220を挟み込むようにして長尺方向の中央部で折り曲げられることで形成される。さらに、本実施形態のセパレータ221は、折目方向の両端縁(二辺)が接合(接着、溶着等)されている。
本実施形態のセパレータ221のうちY軸方向における他方側に折り曲げ部2210が配されたセパレータ221では、セパレータ221の折り曲げ部2210の谷折り面に、正極220のY軸方向における他方側の端部220Aが当接している(図9参照)。また、本実施形態のセパレータ221のうちY軸方向における一方側に折り曲げ部2210が配されたセパレータ221では、セパレータ221の折り曲げ部2210の谷折り面に、正極220のY軸方向における一方側の端部220Bが当接している(図10参照)。
尚、本実施形態の折り曲げ部2210は、セパレータ221における平坦な部分を除いた領域である。また、本実施形態の折り曲げ部2210の山折り面は、図11に示すように、X軸方向における中央に位置する平坦な部分と、この平坦な部分の両側に位置し湾曲した部分とを有する。折り曲げ部2210の谷折り面は、全体的に平坦である。
本実施形態のセパレータ221は、図4に示すように、折り曲げ部2210に加えて、本体部224の表面を覆う第一被覆部2211と、本体部224の裏面を覆う第二被覆部2212と、を含むと共に、第一被覆部2211及び第二被覆部2212からそれぞれ一方側に延び且つ本体部224の一方側の端縁224Bよりも外側に位置する部位同士を重ねた状態で接合した第一出代部2213、又は、第一被覆部2211及び前記第二被覆部2212からそれぞれ他方側に延び本体部224の他方側の端縁224Aよりも外側に位置する部位同士を重ねた状態で接合した第二出代部2214も含む。
尚、セパレータ221の第一被覆部2211及び第二被覆部2212は、X軸方向から見て矩形状であり、このZ軸方向の寸法は、正極220の本体部224の寸法と略同じであり、このY軸方向の寸法は、正極220の本体部224の寸法と比べて大きい。
また、セパレータ221が正極220を挟み込んだ状態において、正極タブ225が、折り返されたセパレータ221から突出し、セパレータ221における折目方向の両端縁(二辺)の接合は、正極タブ225を避けて行われている。また、第一出代部2213のY軸方向における寸法及び第二出代部2214のY軸方向における寸法は、いずれも、セパレータ221の厚みよりも大きい(図11参照)。さらに、正極220は金属箔222を含み、セパレータ221が金属箔222のような金属材料を含まないため、正極220はセパレータ221よりも硬い。尚、本実施形態の電極体2では、セパレータ221が正極220を挟み込んだ状態で、この両端縁(セパレータ221の両端縁)が接合されているため、各第二部材22は、自身との相対位置を固定した状態で正極220を含んでいる。
尚、第一出代部2213のY軸方向における寸法は、第一出代部2213におけるY軸方向における両端縁間の距離である。第二出代部2214のY軸方向における寸法も、同様である。
本実施形態の電極体2では、Y軸方向において、第一の第二部材22Aの他方側の端部22Cが、第一折り返し部23Aのターン部234に当接している。具体的には、Y軸方向において、セパレータ221の谷折り面に正極220の他方側の端部220Aが当接された折り曲げ部2210の山折り面は、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面に当接している。また、本実施形態の電極体2では、第二の第二部材22Bの一方側の端部22Dは、第二折り返し部23Bのターン部234に当接している。具体的には、Y軸方向において、セパレータ221の谷折り面に正極220の一方側の端部220Bが当接された折り曲げ部2210の山折り面は、第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接している。このように第一の第二部材22A及び第二の第二部材22Bが、第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bに当接した状態で、X軸方向に隣り合う平坦部233間のそれぞれに配置されることにより、正極220が、負極210の平坦部233の各面と対向した状態となる。
本実施形態の電極体2では、第一の第二部材22Aの形状と第二の第二部材22Bの形状とは同じである。そのため、本実施形態の各第二部材22のY軸方向における寸法は同じである。
また、本実施形態の電極体2では、第二部材22のY軸方向における両端縁が、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面及び第二折り返し部23Bのターン部234谷折り面(負極210における平坦部233とターン部234との境界α)よりも内側に位置する。換言すると、本実施形態の電極体2では、正極220のY軸方向における寸法は、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までのY軸方向における距離よりも小さい。
また、本実施形態の電極体2では、図12に示すように、Y軸方向において、第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の中心225Cまでの距離をL1とし、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の中心225Cまでの距離をL2とし、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離をL3とし、正極タブ225のY軸方向における幅をT1としたとき、以下の数式を満たす。
L3>T1
L3−T1<L1+L2<L3+T1
電極体2が上記数式を満たすことで、正極タブ225の少なくとも一部は、X軸方向から見て重なる。尚、図12では、正極タブ225の位置を明らかにするため、正極タブ225を黒色で塗って示している。
また、正極タブ225の接合部のY軸方向における幅をT2とした場合、以下の数式を満たすことで、Y軸方向において、正極タブ225の接合部の全体を正極タブ225と重なる大きさとすることができる。
L3>(T1−T2)
L3−(T1−T2)<L1+L2<L3+(T1−T2)
尚、正極タブ225のY軸方向における幅T1は、例えば、5mm〜15mm程度である。正極タブ225の接合部のY軸方向における幅T2は、例えば、1mm〜5mm程度である。
具体的に、本実施形態の電極体2では、図12に示すように、Y軸方向において、第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の中心225Cまでの距離L1と、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の中心225Cまでの距離L2との和が、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離L3と等しい。尚、「L1とL2との和がL3と等しい」とは、L1とL2との和に製造誤差(0.5mm以内)を考慮した値がL3に等しい場合も含む。「L1とL2との和がL3と等しい」構成とすることにより、複数の正極タブ225同士が重なる面積を最大化することができるため、電極体2の電気抵抗を小さくすることができる。
本実施形態の第一の第二部材22Aの山折り面及び第二の第二部材22Bの山折り面は、セパレータ221の端縁であり、上述のように、X軸方向における中央に位置する平坦な部分と、この平坦な部分の両側に位置し湾曲した部分とを有する。また、本実施形態の第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の中心225Cまでの距離L1、及び、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の中心225Cまでの距離L2は、いずれも、セパレータ221の一方側の端縁又はセパレータ221の一方側の端縁における中央に位置する平坦な部分から正極タブ225の中心225C(正極タブ225のY軸方向における中心225C)までの距離である。
尚、本実施形態の第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の中心225Cまでの距離L1、及び、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の中心225Cまでの距離L2は、正極タブ225のY軸方向における形成位置を異ならせることにより(具体的に、本体部224のZ軸方向の一方の端縁における一方側の端部から正極タブ225が形成される第一の位置までの距離と、本体部224のZ軸方向の一方の端縁における一方側の端部から正極タブ225が形成される第二の位置までの距離と、を異ならせることにより)、異ならせることができる。
また、本実施形態の正極タブ225の中心は、正極タブ225のY軸方向における両端縁を基準とした中心(この両端縁からのY軸方向における距離が等しくなる中心)である。
図1〜図3に戻り、ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。このケース3では、ケース本体31と蓋板32とによって内部空間が画定される。ケース3は、この内部空間に、電極体2と共に電解液を収容する。このため、ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。本実施形態のケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。
ケース本体31は、板状の閉塞部311と、閉塞部311の周縁に接続される筒状の胴部(周壁)312と、を備える(図2参照)。
閉塞部311は、ケース本体31が開口を上に向けた姿勢で配置されたときにケース本体31の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体31の底壁部となる)部位である。本実施形態の閉塞部311は、矩形状である。
胴部312は、角筒形状、より詳しくは、偏平な角筒形状を有する。胴部312は、閉塞部311の周縁における長辺から延びる一対の長壁部313と、閉塞部311の周縁における短辺から延びる一対の短壁部314とを有する。短壁部314が一対の長壁部313の対応(詳しくは、X軸方向に対向)する端部同士をそれぞれ接続することによって、角筒状の胴部312が形成される。
以上のように、ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。このケース本体31には、負極210の各平坦部233が長壁部313と平行(略平行)となる(即ち、各ターン部234が短壁部314と対向する)ように、電極体2が収容される。
蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ部材である。この蓋板32の輪郭形状は、ケース本体31の開口周縁部310に対応した形状である。即ち、蓋板32は、X軸方向に長い矩形状の板材である。
絶縁部材4は、電極体2の少なくとも一部を覆っている。本実施形態の絶縁部材4は、非多孔性のシートであり、絶縁性を有する樹脂によって形成されている。例えば、絶縁部材4は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド等によって形成されている。具体的に、絶縁部材4は、所定の形状に裁断された絶縁性を有するシート状の部材を折り曲げることによって蓋板32側が開口した袋状に形成されている。
また、本実施形態の絶縁部材4は、ケース本体31に沿った形の袋状である。この袋状の絶縁部材4には、負極210の各平坦部233が絶縁部材4における長壁部313と対応する部位(X軸方向に対向する壁状の部位)と略平行となり、各ターン部234が絶縁部材4における短壁部314と対応する部位(Y軸方向に対向する壁状の部位)と対向するように、電極体2が収容される。本実施形態の絶縁部材4は、蓋板32側が開口した袋状であるため、電極体2が収容された状態では、Z軸方向における電極体2の一方(図2における上側)の端部を開放した状態となっている。
外部端子5は、他の蓄電素子の外部端子又は外部機器等と電気的に接続される部位である。このため、外部端子5は、導電性を有する部材によって形成される。また、外部端子5は、溶接性の高い金属材料によって形成される。例えば、正極の外部端子5は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成され、負極の外部端子5は、銅又は銅合金等の銅系金属材料によって形成される。本実施形態の外部端子5は、少なくとも一部がケース3の外部に露出した状態で蓋板32に取り付けられる。
以上の蓄電素子1によれば、第二部材22の端部(第一の第二部材22Aにおける他方側の端部22C、第二の第二部材22Bにおける一方側の端部22D)は、第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234に当接しているため、第二部材22がターン部234側に移動することを抑制できる。換言すると、第二部材22が第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234により位置決めされているため、第一部材21と第二部材22とが位置ずれしにくい。
また、本実施形態の電極体2では、第一部材21に対して位置決めされている第二部材22の端縁22E、22Fを基準として正極タブ225の位置を定めているため、第一の第二部材22AのY軸方向における寸法や第二の第二部材22BのY軸方向における端部の位置にかかわらず、第一の第二部材22Aと第二の第二部材22Bとで正極タブ225同士の少なくとも一部を重ねることができる。
より詳細に説明すると、第二部材22の端部22C、22Dが第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接している構成では、第一部材21のターン部234の位置によって第一の第二部材22A及び第二の第二部材22Bの端部22C、22Dの位置が定まることになる。このため、X軸方向から見て、第一の第二部材22Aの端部22Cと第二の第二部材22Bの端部22Dとは、必ずしも一致しない。その結果、X軸方向から見て、第一の第二部材22Aにおける正極タブ225と第二の第二部材22Bにおける正極タブ225とが重ならない場合があるという新たな課題が生じる。正極タブ225同士が重ならないと、正極タブ225同士の接合部位の面積を十分に確保できないことがある。
これに対して、本実施形態の電極体2では、第一の第二部材22Aの他方側の端縁22E(第一折り返し部23Aのターン部234に当接させる端縁)を基準とした距離や、第二の第二部材22Bの一方側の端縁22F(第二折り返し部23Bのターン部234に当接させる端縁)を基準とした距離に応じて正極タブ225の位置を定めている。具体的には、電極体2は、Y軸方向において、第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の中心225Cまでの距離をL1とし、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の中心225Cまでの距離をL2とし、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離をL3とし、正極タブ225のY軸方向における幅をT1としたとき、以下の数式を満たす(図12参照)。
L3>T1
L3−T1<L1+L2<L3+T1
これにより、第一の第二部材22AのY軸方向における寸法や第二の第二部材22BのY軸方向における寸法にかかわらず、第一の第二部材22Aと第二の第二部材22Bとで正極タブ225同士の少なくとも一部を重ねることができる。尚、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離L3は、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面のうち最も内側に位置する点と、第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面のうち最も内側に位置する点との間の距離である。
さらに、本実施形態の電極体2では、セパレータ221の折り曲げ部2210の谷折り面が、正極220のY軸方向における他方側の端部220A又は一方側の端部220Bを位置決めしているため、負極210と正極220との位置ずれを抑制できる。
より詳細に説明すると、正極220がセパレータ221に挟まれ、第二部材22のY軸方向における両端がセパレータ221の第一出代部2213及び第二出代部2214である場合には、この第二部材22の端部を第一部材21の第一折り返し部23Aや第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接させても、位置決めが難しく、負極210と正極220との相対位置がずれるおそれがある。尚、位置決めが難しい理由は、セパレータ221の第一出代部2213及び第二出代部2214は、金属材料等の硬い部位を含んでおらず比較的やわらかいことから、当接させたターン部234側に向かって力がかかると曲がりやすいためである。
これに対して、上記電極体2では、Y軸方向において、谷折り面に正極220の端部220A、220Bが当接されたセパレータ221の折り曲げ部2210の山折り面が、第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接するため、セパレータ221の第一出代部2213や第二出代部2214が第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接する構成よりも、正極220と負極210とが位置ずれしにくい。
さらに、第二部材22における第一部材21(第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面)に当接している部位周辺は、第一部材21に囲まれているため、電解液がしみ込みにくい傾向がある。これに対して、この構成では、第二部材22における第一部材21(第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面)に当接している部位周辺は、セパレータ221同士の接合箇所を不要とできるため、第一出代部2213や第二出代部2214のように二枚の部材が接合された部位が当接している場合よりも、電解液がしみ込みやすい。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上述したように、第二部材22の端部22C、22Dが第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接している構成では、第一部材21のターン部234の位置(第一部材21のターン部234のY軸方向における位置)によって第一の第二部材22A及び第二の第二部材22Bの端部22C、22Dの位置が定まることになる。このため、X軸方向から見て、第一の第二部材22Aの一方側の端部22Dと第二の第二部材22Bの一方側の端部22Dとは、必ずしも一致しない。その結果、X軸方向から見て、第一の第二部材22Aにおける正極タブ225と第二の第二部材22Bにおける正極タブ225とが重ならない場合がある。これに対して、上記実施形態の蓄電素子1では、図12に示したように、第二部材の形状を異ならせることで(例えば、第一の第二部材22Aの他方側の端縁22Eを基準とした距離や、第二の第二部材22Bの一方側の端縁22Fを基準とした距離に応じて正極220の形状を異ならせることで)、正極タブ225の少なくとも一部を重ねたが、図13に示すように、第一部材21の折り返し部23の谷折り面側のターン部234に、セパレータの第一出代部2213又は第二出代部2214を当接させると共に、ターン部234に当接されたセパレータ221の第一出代部2213又は第二出代部2214のY軸方向における長さを調節して正極タブ225同士の少なくとも一部を重ねてもよい。尚、図13においても、正極タブ225の位置を明らかにするため、正極タブ225を黒色で塗って示している。
具体的に、各正極220の形状が同じであることにより、各正極タブ225は、各本体部224のZ軸方向の一方の端縁のうちY軸方向における同一の位置からZ軸方向に延びていてもよい。各正極220のY軸方向における寸法は、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までのY軸方向における距離よりも狭くてもよい。さらに、第一の第二部材22Aにおけるセパレータ221の他方側の端縁221Cから正極タブ225までの距離(例えば、第一の第二部材22Aにおけるセパレータ221の他方側の端縁221Cから正極タブ225の中心225Cまでの距離L4)と、第二の第二部材22Bにおけるセパレータ221の一方側の端縁221Dから正極タブ225までの距離(例えば、第二の第二部材22Bにおけるセパレータ221の一方側の端縁221Dから正極タブ225の中心225Cまでの距離L5)との和が、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離Xと等しくなるよう、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面に当接されたセパレータ221の第二出代部2214(第一の第二部材22Aの第二出代部2214)のY軸方向における寸法W2と、第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接されたセパレータ221の第一出代部2213(第二の第二部材22Bの第一出代部2213)のY軸方向における寸法W1とを調整してもよい。
例えば、第一折り返し部23Aのターン部234Aの谷折り面から第一の第二部材22Aの正極220の他端側の端縁220Cとの距離が、第二折り返し部23Bのターン部234Bの谷折り面から第二の第二部材22Bの正極220の一端側の端縁220Dとの距離と等しい場合には、第一出代部2213の寸法W1と第二出代部2214の寸法W2とを等しくすればよい。また、第一折り返し部23Aのターン部234Aの谷折り面から第一の第二部材22Aの正極220の他端側の端縁220Cとの距離が、第二折り返し部23Bのターン部234Bの谷折り面から第二の第二部材22Bの正極220の一端側の端縁220Dとの距離よりも大きい場合には、これらの距離の差だけ、第二出代部2214の寸法W2を第一出代部2213の寸法W1よりも大きくすればよい。
この構成では、セパレータ221の第一出代部2213や第二出代部2214のY軸方向における寸法を調整することで、正極タブ225の位置を定めているため、第一の第二部材22Aと第二の第二部材22Bとで正極タブ225同士の位置を揃えることができる。
また、図14に示すように、Y軸方向における一方側と他方側とに配置されたターン部234の谷折り面同士の距離及びセパレータ221のY軸方向における長さを調節して、同じ形状の正極220を用いつつ正極タブ225同士の少なくとも一部を重ねてもよい。尚、図14においても、正極タブ225の位置を明らかにするため、正極タブ225を黒色で塗って示している。
この場合、各正極220の形状が同じであるため、各正極タブ225は、各本体部224のZ軸方向の一方の端縁のうちY軸方向における同一の位置からZ軸方向に延びていてもよい。また、第一折り返し部23Aのターン部234Aの谷折り面と第二折り返し部23Bのターン部234Bの谷折り面との間の距離)をXとし、セパレータ221のY軸方向における長さをYとし、正極タブ225の幅をT1としたとき、以下の数式を満たしてもよい。
2X>T1
X−(T1/2)<Y<X+(T1/2)
尚、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離Xは、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面のうち最も内側に位置する点と、第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面のうち最も内側に位置する点との間の距離である。また、セパレータ221のY軸方向における長さYは、セパレータ221のY軸方向における一方側の端縁と他方側の端縁との距離である。
この構成では、第一折り返し部23Aと第二折り返し部23Bの谷折り面同士の距離に応じてセパレータ221のY軸方向における長さを調整することで、異なる形状の正極220を用いることなく、第一の第二部材22Aと第二の第二部材22Bとで正極タブ225同士の少なくとも一部を重ねることができる。
また、この場合、正極タブ225の接合部のY軸方向における幅をT2とすると、以下の数式を満たすことで、Y軸方向において、正極タブ225の接合部の全体を正極タブ225と重なる大きさとすることができる。
2X>(T1−T2)
X−{(T1−T2)/2}<Y<X+{(T1−T2)/2}
さらに、この場合、「YがXと等しい」構成とすることにより、複数の正極タブ225同士が重なる面積を最大化することができるため、電極体2の電気抵抗を小さくすることができる。「YがXと等しい」とは、Yに製造誤差(0.5mm以内)を考慮した値がXに等しい場合も含む。
さらに、セパレータ221の折り曲げ部2210がケース3の内部に当接していてもよい。
具体的には、電極体2では、図15に示すように、セパレータ221の折り曲げ部2210の谷折り面は、正極220の本体部224における正極タブ225が突出する側と反対側の端部220Fを覆ってもよい。
この場合、図16に示すように、第一の第二部材22Aのセパレータ221における正極タブ225が突出する側と反対側の端部2215から正極タブ225が突出する位置2216(例えば、正極タブ225が突出する側の端縁2216)までのZ軸方向における寸法L6は、第二の第二部材22Bのセパレータ221における正極タブ225が突出する側と反対側の端部2215から正極タブ225が突出する位置2216までのZ軸方向における寸法L6と同じであってもよい。また、この場合、第一の第二部材22Aの正極タブ225の突出量225A(例えば、セパレータ221における正極タブ225が突出する側の端縁2216から正極タブ225における本体部224と反対側の端縁225BまでのZ軸方向における寸法)は、第二の第二部材22Bの正極タブ225の突出量225Aと同じであってもよい。この場合、電極体2は、前記セパレータ221の折り曲げ部2210の山折り面をケース3の内面に直接または間接に当接させた状態で、ケース3内に配置されてもよい。また、第一部材21のZ軸方向における端部も、ケース3の内面に直接または間接に当接させた状態で、ケース3内に配置されてもよい。
この電極体2では、セパレータ221の正極タブ225が突出する側と反対側の端部2215(折り曲げ部2210)は、ケース3の内部に当接しているため、正極220の正極タブ225のZ軸方向における位置を揃えることができる。
具体的に、この電極体2では、セパレータ221の折り曲げ部2210は、正極220におけるケース3の閉塞部331側の端縁(図9、図10等における下側の端縁)を覆っていてもよい。
より詳細に説明すると、ケース3内に電極体2及び電解液を収容した蓄電素子1において、正極220がセパレータ221に挟まれる場合、セパレータ221の折目方向の両端縁(二辺)の接合箇所に隙間が存在し、且つ、この隙間が正極220におけるケース3の閉塞部311側の端部の周辺に位置していると、ケース3の閉塞部311と正極220とがセパレータ221の隙間を介して導通して電流集中が生じる場合があった。
これに対して、電極体2では、図14に示すように、セパレータ221の折り曲げ部2210の谷折り面は、正極220の本体部224におけるケース3の閉塞部331側に位置する端部220Fを覆ってもよい。この場合、電極体2は、前記セパレータ221の折り曲げ部2210の山折り面をケース3の閉塞部331に当接させた状態で、ケース3内に配置されてもよい。
この電極体2では、ケース3の閉塞部311と正極220の端部220Fとの間にセパレータ221の折り曲げ部2210の折り目部位が介在しているため、この周辺(ケース3の閉塞部311と正極220の端部220Fとの間の周辺)にセパレータ221の接合箇所が存在しない。その結果、ケース3の閉塞部311と正極220との導通が抑制される。
また、上述したように、第二部材22の端部22C、22Dが第一折り返し部23A又は第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面に当接している構成では、第一部材21のターン部234の位置によって第一の第二部材22A及び第二の第二部材22Bの端部22C、22Dの位置が定まることになる。このため、X軸方向から見て、第一の第二部材22Aの端部22Cと第二の第二部材22Bの端部22Dとは、必ずしも一致しない。その結果、X軸方向から見て、第一の第二部材22Aにおける正極タブ225と第二の第二部材22Bにおける正極タブ225とが重ならない場合がある。これに対して、上記実施形態の蓄電素子1では、図12や図13に示すような構成により、正極タブ225を重ねていたが、別の基準に応じて正極タブ225を重ねてもよい。
具体的に、図17に示すように、Y軸方向において、第一の第二部材22Aの正極220と第二の第二部材22Bの正極220とで、他方側の端縁220C同士の位置が異なると共に、第二部材22の各々において正極220のY軸方向における寸法は等しく、正極220は、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面と第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面との間に(図11における境界αの内側に)配置されてもよい。この場合、第一の第二部材22Aにおいて、正極タブ225(例えば、正極タブ225の中心225C)は、第一の第二部材22Aにおける正極220の他方側の端縁22Eと第一の第二部材22Aにおける正極220の一方側の端縁220Dとの中心22Gから一方側にずれており、正極タブ225のずれ量をAとし、第一の第二部材22Aにおける正極220の他方側の端縁220Cと第二の第二部材22Bにおける正極220の他方側の端縁220Cとの距離をBとし、正極タブ225の幅をT1としたとき、以下の数式を満たしてもよい。
B>T1(B/2)−(T1/2)<A<(B/2)+(T1/2)
また、第二の第二部材22Bにおける正極220の形状は、第一の第二部材22Aにおける正極220の形状を反転させた形状と同一であってもよい。換言すると、第二の第二部材22Bにおいて、正極タブ225(例えば、正極タブ225の中心225C)は、第二の第二部材22Bにおける正極220の一方側の端縁220Dと第二の第二部材22Bにおける正極220の他方側の端縁220Cとの中心22Hから他方側にずれており、正極タブ225のずれ量をCとし、第一の第二部材22Aにおける正極220の一方側の端縁220Dと第二の第二部材22Bにおける正極220の一方側の端縁220Dとの距離をDとし、正極タブ225の幅をT1としたときに、以下の数式を満たしてもよい。
D>T1
(D/2)−(T1/2)<C<(D/2)+(T/2)
尚、図18においても、正極タブ225の位置を明らかにするため、正極タブ225を黒色で塗って示している。
また、正極タブ225の接合部のY軸方向における幅をT2とすると、以下の数式を満たすことで、Y軸方向において、正極タブ225の接合部の全体を正極タブ225と重なる大きさとすることができる。
B>T1−T2
(B/2)−{(T1−T2)/2}<C<(B/2)+{(T1−T2)/2}
この場合、第一の第二部材22A及び第二の第二部材22Bにおいて、異なる形状の正極220を用いることなく、第一の第二部材22Aの正極220及び第二の第二部材22Bの正極220で正極タブ225を重ねることができる。
さらに、この場合、「Cが(B/2)と等しい」構成とすることにより、複数の正極タブ225同士が重なる面積を最大化することができるため、電極体2の電気抵抗を小さくすることができる。「Cが(B/2)と等しい」とは、Cに製造誤差(0.5mm以内)を考慮した値が(B/2)に等しい場合も含む。
上記実施形態の折り返し部23のターン部234における山折り面及び谷折り面はいずれも、X軸方向における中央に位置する平坦な部分と、この平坦な部分の両側に位置し湾曲した部分とを有していたが、山折り面及び谷折り面の少なくとも一方が、全体的に湾曲していてもよい。例えば、ターン部234の谷折り面が全体的に湾曲している場合、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離は、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面のうち最も外側に位置する点と、第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面のうち最も外側に位置する点との距離であってもよい。
また、上記実施形態の図12、図13、図17では、正極タブ225の位置を、正極タブ225の中心Cを定めることで定めたが、正極タブ225の位置を、正極タブ225のY軸方向における端縁等で定めてもよい。
例えば、図12の代わりに、Y軸方向において、第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の他方側の端縁までの距離と、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の他方側の端縁までの距離との和、又は、第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の一方側の端縁までの距離と、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の一方側の端縁までの距離との和、或いは、第一の第二部材22Aにおける他方側の端縁22Eから正極タブ225の他方側の端縁までの距離と、正極タブ225における一方側の端縁から他方側の端縁までの距離と、第二の第二部材22Bにおける一方側の端縁22Fから正極タブ225の他方側の端縁までの距離との和が、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離と等しくてもよい。
例えば、図13の代わりに、Y軸方向において、第一の第二部材22Aにおけるセパレータ221の他方側の端縁221Cからの正極タブ225の他方側の端縁までの距離と、第二の第二部材22Bにおけるセパレータ221の一方側の端縁221Dから正極タブ225の他方側の端縁までの距離との和、又は、第一の第二部材22Aにおけるセパレータ221の他方側の端縁221Cからの正極タブ225の一方側の端縁までの距離と、第二の第二部材22Bにおけるセパレータ221の一方側の端縁221Dから正極タブ225の一方側の端縁までの距離との和、或いは、第一の第二部材22Aにおけるセパレータ221の他方側の端縁221Cからの正極タブ225の他方側の端縁までの距離と、正極タブ225における一方側の端縁から他方側の端縁までの距離と、第二の第二部材22Bにおけるセパレータ221の一方側の端縁221Dから正極タブ225の他方側の端縁までの距離との和が、第一折り返し部23Aのターン部234の谷折り面から第二折り返し部23Bのターン部234の谷折り面までの距離と等しくなるよう、第一の第二部材22Aの第二出代部2214のY軸方向における寸法と、第二の第二部材22Bの第一出代部2213のY軸方向における寸法と、を定めてもよい。
例えば、図17の代わりに、第一の第二部材22Aにおいて、正極タブ225の一方側の端縁又は他方側の端縁は、第一の第二部材22Aにおける正極220他方側の端縁220Cと第一の第二部材22Aにおける正極220の一方側の端縁220Dとの中心22Gから、第一の第二部材22Aにおける正極220の他方側の端縁220Cと第二の第二部材22Bにおける正極220の他方側の端縁220Cとの距離Bの半分だけ一方側にずれており、第二の第二部材22Bにおいて、正極タブ225の一方側の端縁又は他方側の端縁は、第二の第二部材22Bにおける正極220の一方側の端縁220Dと第二の第二部材22Bにおける正極220の他方側の端縁220Cとの中心22Hから、第一の第二部材22Aにおける正極220の他方側の端縁220Cと第二の第二部材22Bにおける正極220の他方側の端縁220Cとの距離Dの半分だけ他方側にずれていてもよい。
また、上記実施形態の蓄電素子1では、各第二部材22のY軸方向における寸法は、同じであったが、これは異なっていてもよい。また、上記実施形態の蓄電素子1では、第二部材22は、Y軸方向の各端縁が負極の平坦部233とターン部234との境界αよりも内側に位置していたが、第二部材22は、Y軸方向の各端縁が負極の平坦部233とターン部234との境界αに位置してもよいし、Y軸方向の各端縁が負極の平坦部233とターン部234との境界αよりも外側に位置してもよい。換言すると、正極220のY軸方向における寸法は、第一折り返し部23Aの谷折り面側のターン部234から第二折り返し部23Bの谷折り面側のターン部234までのY軸方向における距離よりも狭かったが、第一折り返し部23Aの谷折り面側のターン部234から第二折り返し部23Bの谷折り面側のターン部234までのY軸方向における距離と同じであってもよいし、この距離より広くてもよい。
さらに、上記実施形態の正極タブ225は、X軸方向に長い矩形状であったが、Y軸方向に長い矩形状や正方形状等その他の形状であってもよい。また、上記実施形態の正極タブ225同士は、一箇所で接合されていたが、複数箇所で接合されていてもよい。尚、各正極タブ225の面積は、接合箇所よりも広いことが好ましい。また、各正極タブ225同士は、溶着等により接合される代わりに、クリップ等により束ねられていてもよい。
上記実施形態のセパレータ221は、折り曲げ部2210を含んでいたが、折り曲げ部2210を含まない構成、例えば、第一被覆部2211を含むシート状の第一部材と、第二被覆部2212を含むシート状の第二部材とを接合して形成された構成であってもよい。この場合においても、セパレータ221は、第一出代部2213及び第二出代部2214を含んでいてもよい。また、セパレータ221同士は接合されていなくてもよい。
また、上記実施形態の折り曲げ部2210の山折り面は、全体的に湾曲していてもよい。この場合、セパレータ221の折り曲げ部を含む端縁は、折り曲げ部2210の山折り面のうち最も外側に位置する点であってもよい。さらに、上記実施形態の折り曲げ部2210の谷折り面は、全体的に湾曲していてもよく、X軸方向における中央に位置する平坦な部分と、この平坦な部分の両側に位置し湾曲した部分とを有してもよい。
上記実施形態の蓄電素子1では、第一部材21が負極210で構成され、第二部材22が正極220及びセパレータ221で構成されていたが、セパレータ221は第一部材21に含まれていてもよい。この場合、セパレータ221は、負極210と同様のつづら折り状(複数の折り返し部を有するつづら折り状)であってもよい。長尺な電極に沿ってセパレータ25が配置される場合には、該セパレータ25は、第一部材21に含まれ、矩形状の電極に沿ってセパレータ25が配置される場合には、該セパレータ25は、第二部材22に含まれる。
また、上記実施形態の蓄電素子1では、正極220を挟み込んだ状態のセパレータ221は、X軸方向から見て矩形状であり、Z軸方向の寸法は、負極210の平坦部233の寸法より大きく、Y軸方向の寸法は、平坦部233の寸法と比べて小さかったが、Z軸方向の寸法は、負極210の平坦部233の寸法と比べて略同じ又は小さくてもよく、Y軸方向の寸法は、平坦部233の寸法と比べて略同じであってもよい。
さらに、上記実施形態の蓄電素子1では、負極210が複数の折り返し部23を有するつづら折り状態であり、正極220が短冊状であるが、互いが逆の構成、即ち、正極220が複数の折り返し部23を有するつづら折り状態であり、負極210が短冊状でもよい。
上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子(例えば電池)1は、図18に示すような蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)11に用いられてもよい。蓄電装置11は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材12と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。