以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態に係る移動体の誘導および位置決めシステムの構成>
第1の実施形態に係る移動体の誘導および位置決めシステムは、指定された目標点へ墨出しロボットを移動させ、目標点に対応する目標座標へマーキングを行うためのシステムである。図1は、本発明の実施形態に係る移動体の誘導および位置決めシステム100の構成の一例を示す図である。移動体の誘導および位置決めシステム100は、図1に示されるように、制御機器10、レーザ機器12、及び墨出しロボット14を備える。墨出しロボット14は移動体の一例である。
移動体の誘導および位置決めシステム100では、制御機器10がレーザ機器12を制御する。レーザ機器12は、制御機器10の制御に応じてレーザを照射する。墨出しロボット14は、レーザ機器12から照射されるレーザに応じて、目標点へ移動する。そして、墨出しロボット14は、目標点の近傍に到達すると、目標点に対応する目標座標に対して墨出しを行う。図2は、移動体の誘導および位置決めシステム100の制御系の機能的な構成の一例を示す図である。以下、図1及び図2を参照して、具体的に説明する。
(制御機器)
制御機器10は、レーザ機器12と墨出しロボット14とを制御する。制御機器10は、CPU(Central Processing Unit)、各処理ルーチンを実現するためのプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、記憶手段としてのメモリ、及びネットワークインタフェース等を含んで構成されている。制御機器10は、機能的には、図2に示されるように、通信部10Aと制御部10Bとを備える。
制御機器10は、通信部10Aを介して墨出しロボット14のロボット制御機器14Eとの間で情報の送受信を行う。
制御機器10の制御部10Bは、レーザ機器12を制御するための制御信号を生成する。具体的には、制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aに対し、ポイントレーザの照射方向の回転に関する制御信号を出力する。また、制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aに対し、ポイントレーザによる距離測定に関する制御信号を送信する。そして、制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aによって計測された距離測定データを受信する。また、制御機器10の制御部10Bは、回転式レーザ照射器12Bに対し、垂直レーザの照射方向の回転指示に関する制御信号を送信する。
(レーザ機器)
レーザ機器12は、墨出しロボット14の目標点へ向けてレーザを照射する。なお、レーザ機器12は、制御機器10の制御に応じてレーザを照射する。レーザ機器12は、図1及び図2に示されるように、3次元レーザ測定器12Aと回転式レーザ照射器12Bとを備えている。なお、3次元レーザ測定器12Aの回転軸と回転式レーザ照射器12Bの回転軸とは一致している。3次元レーザ測定器12Aは、ポイントレーザを測距用レーザとして出力する。また、回転式レーザ照射器12Bは、垂直レーザを姿勢測定用レーザとして出力する。第1の実施形態では、測距用レーザがポイントレーザであり、姿勢測定用レーザが垂直レーザである場合を例に説明する。
図3(A)に、3次元レーザ測定器12Aの構成の一例を示す。3次元レーザ測定器12Aは、制御機器10から出力された制御信号に応じて、レーザ照射部12Cからポイントレーザを照射する。ポイントレーザは、制御信号によって指定された方位に対して照射され、かつ床面と略平行に照射される。また、3次元レーザ測定器12Aは、ポイントレーザが照射された対象物までの水平距離を測定する。
図3(B)に、回転式レーザ照射器12Bの構成の一例を示す。回転式レーザ照射器12Bは、制御機器10から出力された制御信号に応じて、レーザ照射部12Dから垂直レーザを照射する。垂直レーザは、制御信号によって指定された方位に対して照射され、かつ床面と略垂直に照射される。回転式レーザ照射器12Bは、Z軸まわり(方位方向)に回転する回転台12Eと、制御機器10からの回転指示に関する制御信号に応じて回転台を回転させるモータ12Fとを備える。
(墨出しロボット)
墨出しロボット14は、レーザ機器12から照射されるレーザに応じて移動し、目標点の目標座標に対して墨出しを行う。
墨出しロボット14は、例えば、図4に示されるような構成とすることができる。上記図2及び図4に示されるように、墨出しロボット14は、第1のスクリーン14Aと、第2のスクリーン14Bと、第1のカメラ14Cと、第2のカメラ14Dと、ロボット制御機器14Eと、走行機構14Fと、水平位置調整機構14Gと、表示機構14Hとを備える。また、墨出しロボット14の骨格は、フレーム等を含んで構成されている。なお、ロボット制御機器14Eは、移動体の誘導および位置決め装置の一例である。
第1のスクリーン14Aは、垂直レーザが照射されるように設置される。第1のスクリーン14Aには、回転式レーザ照射器12Bから照射される垂直レーザの照射光が投影される。
第2のスクリーン14Bは、垂直レーザ及びポイントレーザが照射されるように設置される。また、第2のスクリーン14Bは、図4に示されるように、第1のスクリーン14Aに対して上下方向に異なる位置であって、第1のスクリーン14Aの法線方向に所定間隔隔てた位置に設置される。第2のスクリーン14Bには、回転式レーザ照射器12Bから照射される垂直レーザの照射光と、3次元レーザ測定器12Aから照射されるポイントレーザの照射光とが投影される。
第1のカメラ14Cは、第1のスクリーン14Aを撮像して、第1のスクリーンに照射された垂直レーザの画像を表す第1の画像を得る。また、第2のカメラ14Dは、第2のスクリーン14Bを撮像して、第2のスクリーンに照射された、垂直レーザ及びポイントレーザの少なくとも一方の画像を表す第2画像を得る。第1の画像及び第の2画像は、墨出しロボット14の制御に用いられる。
ロボット制御機器14Eは、墨出しロボット14を制御する。ロボット制御機器14Eは、CPU、各処理ルーチンを実現するためのプログラム等を記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、記憶手段としてのメモリ、及びネットワークインタフェース等を含んで構成されている。ロボット制御機器14Eは、図2に示されるように、ロボット制御部140とロボット通信部142とを備える。ロボット制御機器14Eは、ロボット通信部142を介して制御機器10との間で通信を行い、情報の送受信を行う。
ロボット制御部140は、第1のカメラ14Cによって撮像された第1の画像と第2のカメラ14Dによって撮像された第2の画像とに対して画像処理を行う。また、ロボット制御部140は、制御機器10から送信された制御信号に応じて、走行機構14Fと水平位置調整機構14Gと表示機構14Hとを制御する。
走行機構14Fは、ロボット制御機器14Eの制御に応じて、墨出しロボット14を走行させる。走行機構14Fは、第1のカメラ14Cによって撮像された第1の画像と第2のカメラ14Dによって撮像された第2の画像とに対する画像処理結果及びポイントレーザを用いて計測される第2のスクリーン14Bまでの距離に応じて制御される。なお、本実施形態では、第2のスクリーン14Bの位置が、レーザ反射位置となる。
走行機構14Fは、例えば、全方向に自由に移動可能な機構とすることができる。本実施形態では、走行機構14Fが、3つのオムニホイール(登録商標)と、各オムニホイールを駆動させる駆動用モータ(図示省略)とを備える3輪型全方向移動機構である場合を例に説明する。オムニホイールは、図5に示されるように、ホイールの駆動方向と垂直な方向に対して自由に滑るようになっている。このため、3つのホイールの各々の回転速度を制御することにより、墨出しロボット14を全方向に移動させることができる。
水平位置調整機構14Gは、ロボット制御機器14Eの制御に基づく走行機構14Fの走行結果に応じて、表示機構14Hの水平方向の位置を調整する。具体的には、水平位置調整機構14Gは、墨出しロボット14が目標点の近傍に到達すると、ロボット制御機器14Eの制御に応じて表示機構14Hの水平方向の位置を調整する。そして、水平位置調整機構14Gの位置調整に応じて表示機構14Hによって墨出しが行われる。
水平位置調整機構14Gは、例えば、図6Aに示されるような構成とすることができる。図6Aに示されるように、水平位置調整機構14Gは、例えば、表示機構14Hを互いに直交する2方向(図6B中のXm方向及びYm方向)に移動させるX軸ステージとY軸ステージとを備えている。X軸ステージは、X方向に延び、表示機構14HをX軸方向に移動可能に支持するX軸レールRXと、表示機構14HをX軸レールRXに沿って移動させるX軸モータMXとを備えている。またY軸ステージは、Y軸方向に延び、表示機構14HをY軸方向に移動可能に支持するY軸レールRYと、Y軸ステージをY軸レールRYに沿って移動させるY軸モータMYを備えている。
図6Aに示されるように、水平位置調整機構14GのX軸ステージのレールRXが後述する移動座標系のXm軸と一致するように設定され、かつY軸ステージのレールRYが後述する移動座標系のYm軸と一致するように設置される。
表示機構14Hは、ロボット制御機器14Eの制御に基づく走行機構14Fの走行結果に応じて、目標位置に対する表示として墨出しを行う。具体的には、水平位置調整機構14Gによる表示機構14Hの水平方向の位置を調整に応じて、目標位置に対する表示としてスタンプを床面へ印字する。
表示機構14Hは、図6Bに示されるように、マーキング用の目印が刻印されたインクが充填されたスタンプ部Stと、スタンプ部StをZ軸方向に昇降させる昇降機構14Iとを備えている。
昇降機構14Iは、スタンプ部Stを鉛直方向(図6B中Zm方向)に移動可能に支持するZ軸レールRZと、スタンプ部StをZ軸レールRZに沿って移動させるZ軸モータMZとを備えている。この昇降機構14Iによりスタンプ部Stが床面まで下降されることによりマーキング目印が床面に押印される。
次に、本実施形態における座標系について説明する。
(座標系)
図7に、本実施形態で設定される建設現場における座標系の一例を示す。本実施形態では、図7に示されるように、既に親墨が引かれている場合を例に説明する。親墨とは、図7に示されるように、建物の柱を通る通り芯から所定間隔(例えば1m)離れた位置に引かれた墨を表す。親墨同士の交点の座標は、建物の図面情報等から既知であるものとする。
図7に示されるように、例えば、ある1本の親墨をXw軸、Xw軸と直交する特定の1本の親墨をYw軸とする。そして、Xw軸とYw軸との交点を原点Owとし、絶対座標系Ow‐XwYwを設定する。図7に示す絶対座標系においては、A通りがXw軸、1通りがYw軸に相当する。
また、図8に示されるように、墨出しロボット14の重心を原点Omと定めた移動座標系Om-XmYmを設定する。そして、絶対座標系のXw軸と移動座標系のXm軸との間の成す角をφとする。なお、墨出しロボット14の重心を原点Omと各ホイールとの間の距離をLHとする。
次に、絶対座標系における3次元レーザ測定器12A及び回転式レーザ照射器12Bの位置と、目標点Tの位置とについて説明する。
図9に示されるように、3次元レーザ測定器12Aと回転式レーザ照射器12Bとを含むレーザ機器12を任意点L(xl,yl)に設置する。以下、任意点L(xl,yl)を器械点Lと称する。この場合、3次元レーザ測定器12Aの方位方向の回転軸と、回転式レーザ照射器12Bの回転台の方位方向の回転軸とが一致するように配置される。
まず、器械点Lと目標点Tとの位置関係について説明する。図9に示されるように、座標が既知である2点(例えば、親墨の交点)A,Bに対しては、∠ALBと水平距離ra,rbとを測定することにより、以下の式(1)及び式(2)に従って、器械点Lの座標(xl,yl)を計算することができる。
次に、墨出しロボット14を目標点T(xt,yt)へ誘導しマーキングする場合を考える。この場合、図10に示されるように、器械点Lから目標点Tまでの水平距離rtは以下の式(3)で表される。また、器械点Lから目標点Tまでの既知点Aに対する方位角∠ALBは、以下の式(4)で表される。
器械点Lから目標点Tまでの水平距離rtと、器械点Lから目標点Tまでの既知点Aに対する方位角∠ALBとに基づき、墨出しロボット14が誘導される。
次に、本実施形態における墨出しロボット14の動作について説明する。
(墨出しロボットの動作)
本実施形態において、墨出しロボット14の目標点Tまでの移動フェーズは以下の2つに分けられる。
(1)粗動フェーズ:目標点Tの近傍(例えば、概ね目標点から10cm以内)まで移動するフェーズ
(2)微動フェーズ:墨出しロボット14が備える水平位置調整機構14Gと表示機構14Hとを利用して、目標位置に対してマーキングを行うフェーズ
以下、各フェーズについて具体的に説明する。
(粗動フェーズ)
粗動フェーズにおいて、墨出しロボット14は、以下のSTEP1〜STEP4に従って移動する。図11を参照して、STEP1〜STEP4について具体的に説明する。
[STEP1]
STEP1において、制御機器10の制御部10Bは、垂直レーザが照射されるように、回転式レーザ照射器12Bを制御する。回転式レーザ照射器12Bは、制御機器10による制御信号に応じて、垂直レーザを照射する。
なお、以下では、垂直レーザをXY平面に投影した線をレーザラインと称する。移動座標系Om‐XmYmにおけるレーザラインは、図12に示すようになる。
図11(a)に示されるように、墨出しロボット14をレーザライン上へ配置し、初期状態とする。回転式レーザ照射器12Bから墨出しロボット14に対して垂直レーザが照射されると、墨出しロボット14の第1のスクリーン14A及び第2のスクリーン14Bには、垂直レーザのレーザラインが投影される。
墨出しロボット14の第1のスクリーン14A及び第2のスクリーン14Bに投影されたレーザラインに基づき、墨出しロボット14を誘導する方法について以下説明する。
図13(A)に示されるように、第2のスクリーン14Bは、墨出しロボット14の移動座標系Xm‐Zm平面上に配置される。また、第1のスクリーン14Aは、移動座標系Xm‐Zm平面上に平行であり、かつ第2のスクリーン14Bから距離ys隔てて配置される。また、ポイントレーザは第2のスクリーン14B上に投影され、垂直レーザは第1のスクリーン14A及び第2のスクリーン14B上に投影されるように、各スクリーンの設置位置、3次元レーザ測定器12A、及び回転式レーザ照射器12Bの高さは予め調整される。
図13(A)に示されるように、第1のスクリーン14Aと第2のスクリーン14Bとが距離ys隔てて配置されることにより、墨出しロボット14のレーザラインに対する姿勢を特定することができる。具体的には、第1のスクリーン14Aを表す第1の画像と第2のスクリーン14Bを表す第2の画像との相違に基づいて、墨出しロボット14の姿勢が特定される。
より詳細には、レーザラインと第1のスクリーン14A及び第2のスクリーン14Bとが垂直ではない場合、第1のスクリーン14Aに投影されるレーザラインの位置と第2のスクリーン14Bに投影されるレーザラインの位置が異なる。
例えば、第1のスクリーン14A及び第2のスクリーン14Bとレーザラインとが図12に示されるような位置関係である場合、第1のスクリーン14Aに投影されるレーザラインの位置及び第2のスクリーン14Bに投影されるレーザラインの位置は、図13(B)に示されるようになる。図13(B)に示されるように、第1のスクリーンの中心からレーザラインの投影位置までの距離をx1とし、第2のスクリーンの中心からレーザラインの投影位置までの距離をx2とすると、距離x1と距離x2とは異なる値となる。
本実施形態では、各スクリーンに投影されるレーザラインの投影位置を利用して、墨出しロボット14の姿勢を制御する。
具体的には、図13(B)に示されるように、第1のスクリーン14A及び第2のスクリーン14Bに対して垂直レーザのレーザラインが投影されると、墨出しロボット14の第1のカメラ14Cは第1のスクリーン14Aを撮影し、第1の画像を得る。また、墨出しロボット14の第2のカメラ14Dは第2のスクリーン14Bを撮影し、第2の画像を得る。
このため、ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、第1の画像及び第2の画像に対して画像処理を行う。具体的には、ロボット制御部140は、第1の画像及び第2の画像に対し、エッジ抽出や高輝度ピクセル抽出処理等の画像処理を行うことにより、第1画像及び第2画像における垂直レーザのレーザラインの投影位置を検出する。
そして、ロボット制御部140は、第1画像及び第2画像の画像処理結果から、第1のスクリーン14Aの中心からレーザラインの投影位置までの距離x1及び第2のスクリーン14Bの中心からレーザラインの投影位置までの距離x2を算出する。第1のカメラ14C及び第2のカメラ14Dを事前に校正しておくことにより、画像の1ピクセルに対応する長さを予め決定することができるため、距離x1及び距離x2を算出することができる。
また、ロボット制御部140は、距離x1及び距離x2に基づいて、移動座標系Om‐XmYmのYm軸とレーザラインとの間の成す角θを算出する。また、ロボット制御部140は、距離x1及び距離x2に基づいて、重心Omとレーザラインとの間の距離dを算出する。
具体的には、ロボット制御部140は、以下の式(5)及び式(6)の関係式に従って、成す角θ及び距離dを算出する。
x1=ys/sinθ (5)
x2=d/cosθ (6)
[STEP2]
STEP2において、図11(b)に示されるように、制御機器10の制御部10Bは、目標点Tへ向けてポイントレーザが照射されるように3次元レーザ測定器12Aを制御する。3次元レーザ測定器12Aは、制御機器10による制御信号に応じて、目標点Tの方向へポイントレーザを照射する。
[STEP3]
STEP3において、図11(c)に示されるように、制御機器10の制御部10Bは、墨出しロボット14の目標点Tへ向けて垂直レーザが走査されるように、回転式レーザ照射器12Bを制御する。そして、回転式レーザ照射器12Bは、制御部10Bの制御信号に応じて、目標点Tへ向けて垂直レーザを走査するように、垂直レーザを照射する。以下、具体的に説明する。
図11(c)に示されるように、制御機器10は、回転式レーザ照射器12Bに対して、一定速度で目標点Tの方向へ回転するように指示する制御信号を送信する。回転式レーザ照射器12Bは、制御機器10から送信された制御信号に応じて、図11(c)に示されるように、一定速度で目標点Tの方向へ回転する。そして、図11(c)に示されるように、墨出しロボット14は、回転式レーザ照射器12Bの回転に応じて、回転式レーザ照射器12Bから照射される垂直レーザを追尾するように走行する。墨出しロボット14の垂直レーザの追尾について、以下具体的に説明する。
本実施形態では、図14に示されるように、走行機構14Fが備える各ホイールに対してインデックスH1,H2,H3を付与する。また、本実施形態では、器械点L(xl,yl)を原点とし、レーザラインをYlaser軸とし、Ylaser軸と直交する方向をXlaser軸としたレーザ座標系L‐XlaserYlaserを設定する。
また、レーザ座標系における墨出しロボットの重心座標を(xlaser,ylaser)、姿勢をθlaser、墨出しロボットに対するXlaser方向の指示速度をx・ laser、レーザ座標系におけるYlaser方向の指示速度をy・ laserとする。また、レーザ座標系における指示回転速度をθ・ laserとする。ここでθlaserはレーザライン(Ylaser軸)に対する移動座標系のYm軸の傾き角に相当し、式(5)、(6)で算出できるθと同一である。
本実施形態においては、レーザラインと墨出しロボットの重心座標との距離dとレーザライン(Ylaser軸)に対する移動座標系のYm軸の傾き角θlaserを偏差信号として、PID制御系を構成し、式(7),(8),(9)で表される値を墨出しロボットに対する制御入力とする。
なお、PID制御に関するパラメータKP,d,KI,d,KD,d,KP,θ,KI,θ,KD,θは、予め設定される。
ロボット制御機器14Eは、距離x1及び距離x2に基づいて、上記式(5)及び式(6)の関係式に従って、時刻tにおける成す角θ(t)及び時刻tにおける距離d(t)を逐次算出する。そして、ロボット制御機器14Eは、時刻tにおける成す角θ(t)及び時刻tにおける距離d(t)とPID制御に関するパラメータとに基づいて、上記式(7),(8),(9)に従って、墨出しロボット14に対する指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserを算出する。
ロボット制御機器14Eは、算出された、指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserに基づいて、各ホイールH1,H2,H3の前進速度v1,v2,v3を算出する。具体的には、ロボット制御機器14Eは、指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserに基づいて、以下の式(10)に従って、各ホイールH1,H2,H3の前進速度v1,v2,v3を算出する。以下の式(10)におけるθlaserは、レーザラインと移動座標系におけるYm軸との間の成す角であり、上記式(5)及び上記式(6)によって算出された成す角θに相当する。
ロボット制御機器14Eは、墨出しロボット14の走行機構14Fの各ホイールH1,H2,H3を、前進速度v1,v2,v3で駆動させるように制御する。
これにより、時刻tにおける成す角θ(t)及び時刻tにおける距離d(t)がゼロとなるようにフィードバック制御が行われ、墨出しロボット14は垂直レーザを安定的に追尾することができる。
次に、制御機器10の制御部10Bは、図11(d)に示されるように、垂直レーザの照射方向が目標点Tの方向と一致した場合に、回転運動を停止するように回転式レーザ照射器12Bを制御する。
回転式レーザ照射器12Bの回転運動が停止すると、墨出しロボット14の垂直レーザの追尾動作も終了する。これにより、墨出しロボット14は一旦停止する。
[STEP4]
STEP4では、図11(e)に示されるように、墨出しロボット14は、目標点Tに向かって、レーザライン上を走行する。STEP4では、ポイントレーザ及び垂直レーザを墨出しロボット14の目標点Tへ向けて照射し、垂直レーザに応じて、墨出しロボット14の姿勢を変更させる。そして、ポイントレーザを照射する3次元レーザ測定器12Aと墨出しロボット14との間の距離が所定の距離となるように、墨出しロボット14を移動させて、墨出しロボット14を目標点に位置決めする。以下、具体的に説明する。
まず、ロボット制御機器14Eは、3次元レーザ測定器12Aから照射されるポイントレーザを用いて計測されるレーザ反射位置までの距離に基づいて、3次元レーザ測定器12Aと第2のスクリーン14Bとの間の距離が所定の距離となるように、墨出しロボット14を移動させるように制御する。
具体的には、まず、制御機器10の制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aに対して、所定時間間隔で距離測定の指示に関する制御信号を送信する。3次元レーザ測定器12Aは、距離測定の指示に関する制御信号を受信し、ポイントレーザが照射されている第2のスクリーンまでの水平距離rscreen2を測定する。そして、3次元レーザ測定器12Aは、水平距離rscreen2を制御機器10へ出力する。制御機器10の制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aから出力された水平距離rscreen2を取得し、墨出しロボット14のロボット制御機器14Eへ送信する。
そして、ロボット制御機器14Eは、制御機器10から送信された水平距離rscreen2が器械点Lから目標点Tまでの水平距離LT(=rt)よりも大きい場合に、墨出しロボット14が器械点Lに対して近づくように走行機構14Fを制御する。一方、ロボット制御機器14Eは、水平距離rscreen2が水平距離LTよりも小さい場合に、墨出しロボット14が器械点Lから離れるように走行機構14Fを制御する。
また、ロボット制御機器14Eは、第1のカメラ14Cによって撮像された第1の画像と第2のカメラ14Dによって撮像された第2の画像とに基づいて、第1の画像に含まれる垂直レーザのレーザラインと第2の画像に含まれる垂直レーザのレーザラインとが一致するように、墨出しロボット14の姿勢を制御する。これにより、垂直レーザに応じて墨出しロボット14の姿勢が変更される。
具体的には、ロボット制御機器14Eは、時刻tの成す角θ(t)及び時刻tの距離d(t)がゼロとなるように、各ホイールの前進速度v1,v2,v3を決定するフィードバック制御を行う。PID制御に関するパラメータKP,d,KI,d,KD,d,KP,θ,KI,θ,KD,θについては、最適値が予め設定されおり、STEP3と異なっていても良い。
STEP4における墨出しロボット14に対する指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserは、以下の式(11),式(12),及び式(13)によって表される。そのため、ロボット制御機器14Eは、時刻tにおける成す角θ(t)及び時刻tにおける距離d(t)とPID制御に関するパラメータと水平距離rscreen2とに基づき、以下の式(11),式(12),及び式(13)に従って、墨出しロボット14に対する指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserを算出する。そして、ロボット制御機器14Eは、指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserに基づいて、上記式(10)に従って、各ホイールH1,H2,H3の前進速度v1,v2,v3を算出する。そして、ロボット制御機器14Eは、墨出しロボット14の走行機構14Fの各ホイールH1,H2,H3を、前進速度v1,v2,v3で駆動させるように制御する。ここで、vconstは予め設定された一定値であり、墨出しロボット14の移動速度を表す。
次に、ロボット制御機器14Eは、3次元レーザ測定器12Aと第2のスクリーン14Bとの間の距離が所定の距離である場合、墨出しロボット14を停止させるように制御する。そして、制御部10Bは、墨出しロボット14の停止位置に応じて目標位置に対する表示を行うように、墨出しロボット14の表示機構14Hを制御する。
具体的には、ロボット制御機器14Eは、3次元レーザ測定器12Aから出力された水平距離rscreen2の測定結果とLTとの差が一定値ε未満になった場合(abs(rscreen2−LT)<ε)に、走行機構14Fの各ホイールを停止させる。
墨出しロボット14が走行を停止した後、ロボット制御機器14Eは、第1のカメラ14Cによって撮影された第1画像及び第2のカメラ14Dによって撮影された第2画像に基づいて、上記式(5)及び式(6)に従って、成す角θを算出する。そして、ロボット制御機器14Eは、垂直レーザとYm軸が平行(θ=0deg)となるように、墨出しロボット14を回転させる。
(微動フェーズ)
次に、微動フェーズについて説明する。微動フェーズでは、水平位置調整機構14Gと表示機構14Hとによって、目標座標に対する墨出しが行われる。
まず、制御機器10の制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aに対し、距離測定の指示に関する制御信号を出力する。3次元レーザ測定器12Aは制御機器10から出力された距離測定の指示に関する制御信号に応じて、水平距離rscreen2を測定し、制御機器10へ出力する。制御機器10の制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aから出力された水平距離rscreen2を取得し、墨出しロボット14のロボット制御機器14Eへ送信する。
ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、制御機器10から送信された水平距離rscreen2を取得する。また、ロボット制御部140は、第2のカメラ14Dによって撮影された第2画像に基づいて、第2のスクリーン14Bにおける距離x2を算出する。
そして、ロボット制御部140は、以下の式(14)に示されるように、算出した距離x2を、移動座標系の原点Omと目標点T(xt,yt)とのXm方向のズレ量Δxtとする。また、制御部10Bは、水平距離LTと受信した水平距離rscreen2とに基づいて、以下の式(15)に従って、移動座標系の原点Omと目標点T(xt,yt)とのYm方向のズレ量Δytを算出する。なお、ポイントレーザと垂直レーザのレーザラインとズレ量Δxt,Δytとの位置関係は、図15(A)(B)に示されるようになる。
Δxt=x2 (14)
Δyt=LT−rscreen2 (15)
上記図6Aに示されるように、水平位置調整機構14GのX軸ステージのレールRXは移動座標系のXm軸と一致し、Y軸ステージのレールRYは移動座標系のYm軸と一致する。このため、図15(A)(B)に示されるように、移動座標系の原点Omと目標点T(xt,yt)とのXm方向及びYm方向のズレ量Δxt,Δytは、上記式(14),(15)に従って算出することができる。ズレ量Δxt,Δytは、後述する水平位置調整機構14Gにおいて用いられる。
ロボット制御部140は、算出されたズレ量Δxt,Δytに基づいて、水平位置調整機構14GのX軸モータMX及びY軸モータMYを駆動させるための制御信号を生成する。具体的には、ロボット制御部140は、表示機構14Hの中心を原点OmからそれぞれΔxt,Δytだけ移動させるように、X軸モータMX及びY軸モータMYを駆動させるための制御信号を生成する。そして、ロボット制御部140は、X軸モータMX及びY軸モータMYを駆動させるための制御信号に基づいて、表示機構14Hの中心を原点OmからそれぞれΔxt,Δytだけ移動させるように、X軸モータMX及びY軸モータMYを駆動させる。これにより、スタンプ部Stの中心を目標点の直上へ移動させることができる。
次に、ロボット制御部140は、スタンプ部Stを移動させた後に、Z軸モータMZを制御して床面にスタンプ部Stを押し付けて押印を行うように、昇降機構14Iを制御する。これにより、墨出しのマーキングが完了する。
<移動体の誘導および位置決めシステムの作用>
次に、図16〜図19を参照して、移動体の誘導および位置決めシステム100の作用を説明する。移動体の誘導および位置決めシステム100が起動すると、図16に示すシーケンスが実行される。
まず、ステップS100において、制御機器10は、3次元レーザ測定器12Aに対して、目標点Tの方向へポイントレーザを照射するように指示する制御信号を出力する。
ステップS102において、3次元レーザ測定器12Aは、上記ステップS100で出力された制御信号に応じて目標点Tの方向へポイントレーザを照射する。
ステップS104において、制御機器10は、回転式レーザ照射器12Bに対して、垂直レーザを照射し、かつ一定速度で目標点Tの方向へ回転するように指示する制御信号を出力する。
ステップS106において、回転式レーザ照射器12Bは、上記ステップS104で出力された制御信号に応じて、垂直レーザを照射し、かつ一定速度で目標点Tの方向へ回転する。
次に、回転式レーザ照射器12Bから照射される垂直レーザが、墨出しロボット14の第1のスクリーン及び第2のスクリーンへ投影され始めると、墨出しロボット14の第1のカメラ14Cは、第1のスクリーン14Aを撮像し、第1の画像を得る。また、第2のカメラ14Dは、第2のスクリーン14Bを撮像し、第2の画像を得る。そして、図17に示す粗動制御処理が実行される。
ステップS200において、ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、第1のカメラ14Cによって撮像された第1の画像及び第2のカメラ14Dによって撮像された第2の画像を取得する。
ステップS202において、ロボット制御部140は、上記ステップS200で取得された、第1の画像及び第2の画像に基づいて、第1のスクリーン14Aにおける距離x1及び第2のスクリーン14Bにおける距離x2を算出する。
ステップS204において、ロボット制御部140は、上記ステップS202で算出された、距離x1及び距離x2に基づいて、上記式(5)及び上記式(6)に従って、移動座標系Om‐XmYmのYm軸とレーザラインとの間の成す角θと、重心Omとレーザラインとの間の距離dとを算出する。
ステップS206において、ロボット制御部140は、上記ステップS204で算出された成す角θと距離dとに基づいて、上記式(7)、(8)、(9)に従って、墨出しロボット14に対する指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserを算出する。そして、ロボット制御部140は、墨出しロボット14に対する指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserに基づいて、上記式(10)に従って、墨出しロボット14の走行機構14Fの各ホイールH1,H2,H3の前進速度v1,v2,v3を算出する。
ステップS208において、ロボット制御部140は、墨出しロボット14の走行機構14Fの各ホイールH1,H2,H3を、上記ステップS206で算出された前進速度v1,v2,v3で駆動させるように制御する。
上記図17の処理は、垂直レーザの照射方向が目標点Tの方向と一致するまである一定の繰返し周期で繰り返し実行される。
そして、制御機器10の制御部10Bは、垂直レーザの照射方向が目標点Tの方向と一致した場合には、回転運動を停止するように回転式レーザ照射器12Bを制御する。回転式レーザ照射器12Bの回転運動が停止すると、墨出しロボット14の垂直レーザの追尾動作も終了する。これにより、墨出しロボット14は一旦停止する。そして、図18に示すシーケンスが実行される。
ステップS300において、制御機器10の制御部10Bは、3次元レーザ測定器12Aに対して、距離測定の指示に関する制御信号を出力する。
ステップS302において、レーザ機器12の3次元レーザ測定器12Aは、上記ステップS300で出力された距離測定の指示に関する制御信号に基づき、ポイントレーザが照射されている第2のスクリーンまでの水平距離rscreen2を測定する。
ステップS304において、3次元レーザ測定器12Aは、上記ステップS302で測定された水平距離rscreen2を制御機器10へ出力する。
ステップS306において、制御機器10の制御部10Bは、上記ステップS304で3次元レーザ測定器12Aから出力された水平距離rscreen2を取得する。
ステップS308において、制御機器10の制御部10Bは、上記ステップS306で取得した水平距離rscreen2をロボット制御機器14Eへ送信する。
ステップS310において、ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、上記ステップS308で送信された水平距離rscreen2を取得する。
ステップS312において、ロボット制御部140は、上記図17の粗動制御処理を実行する。なお、本ステップS312における粗動制御処理において、ロボット制御部140は、上記ステップS310で取得した水平距離rscreen2に応じて、墨出しロボット14の移動が制御される。
具体的には、上記図17の粗動制御処理におけるステップS206において、ロボット制御部140は、ステップS204で算出された成す角θと距離dと上記ステップS310で取得した水平距離rscreen2とに基づいて、上記式(11)、(12)、(13)に従って、指示速度x・ laser、指示速度y・ laser、及び指示回転速度θ・ laserが算出される。そして、上記式(10)に従って、墨出しロボット14の走行機構14Fの各ホイールH1,H2,H3の前進速度v1,v2,v3が算出される。
上記図17に示す処理は、水平距離rscreen2の測定結果とLTとの差が一定値ε未満になるまである一定の繰返し周期で繰り返される。ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、3次元レーザ測定器12Aから出力された水平距離rscreen2の測定結果とLTとの差が一定値ε未満になった場合に、墨出しロボット14の走行機構14Fの各ホイールを停止させる。
墨出しロボット14が走行を停止した後、ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、第1画像及び第2画像に基づいて、上記式(5)及び式(6)に従って、成す角θを算出する。そして、ロボット制御部140は、垂直レーザとYm軸が平行(θ=0deg)となるように、墨出しロボット14を回転させる。墨出しロボット14の回転が終了すると、図19に示す微動制御処理が実行される。
ステップS400において、ロボット制御機器14Eのロボット制御部140は、第2のカメラ14Dによって撮像された第2の画像を取得する。
ステップS402において、ロボット制御部140は、3次元レーザ測定器12Aから出力された水平距離rscreen2を取得する。
ステップS404において、ロボット制御部140は、上記ステップS400で取得された第2の画像に基づいて、第2のスクリーン14Bにおける距離x2を算出する。
ステップS406において、ロボット制御部140は、上記ステップS404で算出した距離x2を、移動座標系の原点Omと目標点T(xt,yt)とのXm方向のズレ量Δxtとする。また、ロボット制御部140は、水平距離LTと上記ステップS402で取得した水平距離rscreen2とに基づいて、上記式(15)に従って、移動座標系の原点Omと目標点T(xt,yt)とのYm方向のズレ量Δytを算出する。
ステップS408において、ロボット制御部140は、上記ステップS406で算出されたズレ量Δxt,Δytに基づいて、水平位置調整機構14GのX軸モータMX及びY軸モータMYを駆動させるための制御信号を生成する。そして、ロボット制御部140は、生成した制御信号に基づいて、表示機構14Hの中心を原点OmからそれぞれΔxt,Δytだけ移動させるように、X軸モータMX及びY軸モータMYを駆動させる。これにより、スタンプ部Stの中心が目標点Tの直上へ移動される。
ステップS410において、ロボット制御部140は、Z軸モータMZを制御して床面にスタンプ部Stを押し付けて押印を行うように、昇降機構14Iを制御する。これにより、墨出しのマーキングが完了する。
以上説明したように、第1の実施形態では、墨出しロボットの目標位置へ向けて照射される垂直レーザに応じて、墨出しロボットの姿勢を制御する。また、目標位置へ向けて照射されるポイントレーザを用いて計測される第2のスクリーンまでの距離に基づいて、レーザ機器と墨出しロボットとの間の距離が所定の距離となるように、墨出しロボットを移動させるように制御する。そして、墨出しロボットを目標位置に位置決めする。これにより、簡易な構成により、墨出しロボットの位置決めを自動的に行うことができる。そして、墨出しロボットにより自動的に墨出しを行うことができる。
また、2種類のレーザを用いて墨出しロボットを制御することにより、目標位置に対する墨出しロボットの向きと、目標位置と墨出しロボットとの間の距離とを考慮して、墨出しロボットの位置決めを自動的に行うことができる。
また、水平位置調整機構を用いて墨出しの位置を調整することにより、墨出しロボットの停止位置が目標位置からずれている場合であっても、目標位置に対する表示を精度良く行うことができる。
また、2種類のレーザを用いることにより、トータルステーション等の高価なシステム構成とせずに、墨出しロボットの位置決めを自動的に行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る移動体の誘導および位置決めシステムについて説明する。なお、第2の実施の形態に係る移動体の誘導および位置決めシステムの構成は、第1の実施の形態と同様の構成となるため、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態では、回転式レーザ照射器12Bが、2本のレーザを照射する点が、第1の実施形態と異なる。
<第2の実施形態に係る移動体の誘導および位置決めシステムの構成>
図20に、第2の実施形態における回転式レーザ照射器12Bの構成の一例を示す。第2の実施形態における回転式レーザ照射器12Bは、制御機器10から出力された制御信号に応じて、レーザ照射部12Dから2本のレーザを照射する。2本のレーザは、床面に略平行であり、照射方向が同一であり、床面からの高さが異なる。また、第1の実施形態と同様に、回転式レーザ照射器12Bは、Z軸まわり(方位方向)に回転する回転台12Eと、制御機器10からの回転指示に関する制御信号に応じて回転台を回転させるモータ12Fとを備える。
図21は、第2の実施形態に係る移動体の誘導および位置決めシステム200の構成の一例を示す図である。第2の実施形態では、測距用レーザがポイントレーザであり、姿勢測定用レーザが、回転式レーザ照射器12Bから照射される2本のレーザである。
回転式レーザ照射器12Bから照射される2本のレーザが同一方向に照射され、かつ目標点Tへ向けて同様に走査される場合には、垂直レーザと同様に、墨出しロボット14の姿勢を特定することができる。そのため、第2の実施形態では、垂直レーザに替えて2本のレーザを姿勢測定用レーザとして用いる。
なお、ポイントレーザは第2のスクリーン14B上に投影され、回転式レーザ照射器12Bから照射される2本のレーザは、第1のスクリーン14A上と第2のスクリーン14B上とに各々投影されるように、墨出しロボット14の各スクリーン位置や、3次元レーザ測定器12A及び回転式レーザ照射器12Bの高さは予め調整される。そのため、回転式レーザ照射器12Bから照射される2本のレーザは、例えば、図22に示されるように、第1のスクリーン14Aと第2のスクリーン14Bとに投影される。
具体的には、粗動フェーズのSTEP3において、制御機器10の制御部10Bは、墨出しロボット14の目標点Tへ向けて2本のレーザが走査されるように、回転式レーザ照射器12Bを制御する。そして、回転式レーザ照射器12Bは、制御部10Bの制御信号に応じて、目標点Tへ向けて2本のレーザを走査するように、2本のレーザを照射する。第2の実施形態の第2のスクリーン14Bにおける第2の画像は、図23に示されるようになる。なお、図23におけるxpointは、第2のスクリーン14Bの中心とポイントレーザの照射点との間の距離を表す。
そして、制御機器10の制御部10Bは、2本のレーザの照射方向が目標点Tの方向と一致した場合に、回転運動を停止するように回転式レーザ照射器12Bを制御する。
2本のレーザの照射方向が目標点Tの方向と一致した後は、粗動フェーズのSTEP4において、墨出しロボット14が移動する。そして、微動フェーズにおいて墨出しが行われる。
なお、第2の実施形態に係る移動体の誘導および位置決めシステムの他の構成及び作用については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、墨出しロボットの目標位置へ向けて照射される2本のレーザに応じて、墨出しロボットの姿勢を制御する。また、目標位置へ向けて照射されるポイントレーザを用いて計測される第2のスクリーンまでの距離に基づいて、レーザ機器と墨出しロボットとの間の距離が所定の距離となるように、墨出しロボットを移動させるように制御する。そして、墨出しロボットを目標位置に位置決めする。これにより、簡易な構成により、墨出しロボットの位置決めを自動的に行うことができる。
また、垂直レーザに替えて2本のポイントレーザを用いることで、レーザのエネルギーが垂直方向へ分散しにくくなるため、画像処理によるポイントレーザの投影位置検出が容易になる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記第1の実施形態では、移動体の誘導および位置決めシステムの構成が、図1に示されるような場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図24及び図25に示されるような構成としてもよい。
例えば、上記第1の実施形態における3次元レーザ測定器12Aと回転式レーザ照射器12Bとを同期させて回転させるようにすることもできる。また、図24に示される変形例のように、3次元レーザ測定器12Aに対して回転式レーザ照射器12Bの機能を持たせるようにしてもよい。
上記第2の実施形態では、移動体の誘導および位置決めシステムの構成が、図21に示されるような場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図25に示される変形例のように、3次元レーザ測定器12Aに対して回転式レーザ照射器12Bの機能を持たせるようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、測距用レーザがポイントレーザであり、姿勢測定用レーザが垂直レーザである場合を例に説明し、上記第2の実施形態では、測距用レーザがポイントレーザであり、姿勢測定用レーザが2本のレーザである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。測距用レーザ及び姿勢測定用レーザとして利用可能なレーザであれば、どのようなレーザを用いてもよい。
また、上記実施形態では、ロボット制御機器と制御機器とが上記図16〜19までの処理を実行する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ロボット制御機器が全ての処理を実行してもよいし、制御機器が全ての処理を実行してもよい。また、ロボット制御機器と制御機器との間で各処理を入れ替えてもよい。例えば、ロボット制御機器が、姿勢測定用レーザ及び測距用レーザを墨出しロボットの目標位置へ向けて照射させるようにレーザ機器を制御するレーザ制御部と、測距用レーザを用いて計測されるレーザ反射位置までの距離を取得する計測部とを備えていてもよい。
また、移動体の誘導および位置決めシステムは、外部のサーバとの間で情報の通信を行うことにより、墨出しに関する情報を取得するようにしてもよい。例えば、外部のサーバには、目標点Tを表す目標位置情報を含む建物の3次元モデルが格納されている場合、制御機器10の制御部10Bは、建物の3次元モデルから目標位置情報を取得し、取得された目標位置情報に基づいて、目標点へ向けてポイントレーザを照射するようにレーザ機器12を制御してもよい。これにより、建物の3次元モデルに含まれる目標位置情報を用いて、墨出しロボットの位置決めを精度よく行うことができる。
また、上記ではプログラムが記憶部(図示省略)に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM及びマイクロSDカード等の記録媒体の何れかに記録されている形態で提供することも可能である。