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JP6953124B2 - ワイヤーハーネス用スリ−ブ - Google Patents
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本発明はワイヤーハーネス用スリーブに関する。さらに詳しくワイヤーハーネスを容易かつしっかりと固定することができるワイヤーハーネス用スリーブに関する。
現在、自動車等に用いられるにワイヤーハーネスのスリーブとしては、コルゲートチューブのほかに、ポリエステル等の合成繊維の織物よりなるスリーブが用いられている。これらの織物のスリーブには、自己巻き付け性を付与されたものもある。
織物よりなるスリーブの欠点の一つは、切断された端部から縦糸、横糸がほつれてくることである。これを防ぐために、織り糸に熱融着糸を含ませ、加熱して溶融させ、糸同士を接着してほつれを防止することが提案されている(特許文献1)。また、他の欠点としてスリーブをワイヤーの束に固定しにくいことがあげられる。現状では接着テープでワイヤーとスリーブ端部をぐるぐる巻きにして固定しているが、固着が不十分であったり、作業性が悪いという問題点がある。さらに、織物は生産速度が比較的遅いという欠点がある。
一方、自動車の燃料パイプを保護するための編物(ニット)製のスリーブ関する技術も知られている(特許文献2)。この技術においては、熱接着テキスタイル糸を有するニットをパイプの保護用シースとして用いている。しかしながら、この文献はワイヤーハーネスに関しては何も開示していない。
特開2016−91689号公報 特表2008−517170号公報
本発明の目的は、生産速度が比較的大きいワイヤーハーネス用スリーブを提供することである。本発明の他の目的は、固着作業性がよく、かつワイヤーの束にしっかりと固定できるスリーブを提供することである。本発明のさらに他の目的は、糸のほつれがほとんど生じないスリーブを提供することである。本発明のさらに他の目的は自己巻き付け性を有するスリーブを提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、ワイヤーハーネス用としてニット(編物)のスリーブに想到し、編物に熱融着糸を含有させることにより、上記目的を達成することを見出いし、本発明に到達した。
即ち本発明は以下のとおりである。
1.熱溶融糸を含有する編物よりなるワイヤーハーネス用スリ−ブ。
2.熱溶融糸は他の編み糸と撚糸されない状態である請求項1のワイヤーハーネス用スリ−ブ。
3.熱溶融糸は他の編み糸に重なるようにして編み込まれている請求項1又は2のワイヤーハーネス用スリ−ブ。
4.熱溶融糸が主としてワイヤーハーネスとの接着面に表れるように構成してなる請求項1、2又は3のワイヤーハーネス用スリ−ブ。
5.編物は平編又は縦編みである請求項1〜4のいずれか1項のワイヤーハーネス用スリ−ブ。
6.ワイヤー束にスリーブが熱融着糸により融着固定されていることを特徴とするワイヤーハーネス。
本発明の編物よりなるスリーブは加熱することによりワイヤーの束に容易かつ確実に固定することができ、作業性が大幅に向上する。また、加熱により溶融糸が網目を融着するのでほつれがほとんどない。編み方によりカールを付けることが可能で、自己巻き付け性のスリーブとすることが可能である。また、編物は織物に比べて生産速度が速い。
図1は緯編の代表的な編み方である平編の網の目構造で(a)は表ループ、(b)は裏ループである
本発明におけるワイヤーハーネスとは、自動車等に用いる配線の何本かを、一部テープやバンド等でまとめて束ねて、配設しやすくしたものである。配線の各1本1本は銅線をビニール樹脂等で被覆したもので、通常これらの何本かをテープで結束してワイヤーハーネスとしている。これらのワイヤーハーネスはそのままでも自動車等に取り付けられるが、嵩張るので作業がしにくくて、取り付けるのも難しく、また、一方では配線を外からの衝撃より保護するために、通常はさらにこの配線の束をコルゲートチューブやスリーブに収めて用いられる。本発明のスリーブはこのような目的に用いるものである。
本発明のスリーブは、筒状のものでもよく、単に枚葉状のものでもよい。枚葉状であっても、編物の場合は編み方により筒状にカールし且つ弾力性を有するので、配線の束を纏めて納めることができる。
本発明のスリーブは熱溶融糸を含有する編物よりなる。前記特許文献1に開示されたような織物の場合は、それ自体は伸縮性がなく、そのままではワイヤーハーネスにしっかりと束ねるように被せることは難しい。また、特許文献1の織物は、前述のように熱溶融糸を織り込んでいるが、これは糸のほつれを防止するためであって、ワイヤーハーネスをしっかりと固着することは難しい。
これに対して、本発明のスリーブは、編物、即ちニットからなっており、それ自体で伸縮性を有し、かつ編み方によっては自然にカールした状態にすることができる。従って、本発明のスリーブ容易にワイヤーハーネスに被せて束ねておくことができる。
本発明のスリーブは、ポリエステル、ポリアミド等の比較的融点の高い繊維に、熱溶融糸を混紡したものである。熱溶融糸とは融点が略150℃以下の繊維であって、好ましくは低融点ポリアミド繊維である。このような熱溶融糸としては、例えば東レ株式会社のエルダー(登録商標)、フジボウ株式会社のジョイナー(登録商標)がある。
編み方には、大別して緯編(よこあみ)と経編(たてあみ)があるが、本発明ではいずれも編み方でもよい。
図1は緯編の編物の網の目構造の代表的な例を表した図で、平編又は天竺編と呼ばれるものである。図1(a)は表ループ、図1(b)は裏ループを示している。1、2、3は各編み糸であるが、これらは原則的には両端で繋がった1本の糸である。この編み方によると編物は裏側にカールする。本発明においては、例えばこのような編物に熱融着糸を編みこむが、該熱融着糸は、これらの1本の普通糸に撚りこんだ撚糸として編むのではなく、1本の普通糸に重ねて編みこむようにするのが好ましい。例えば、普通糸の表側又は裏側に熱融着糸を重ねるようにして編みこむのが好ましい。このようにすることによって、熱融着糸の大部分が主として編物の表側又は裏側の一方の表面に露出するようにでき、加熱することによりワイヤーハーネスにしっかりと固着することができる。撚糸とした場合は熱融着糸の大部分が普通糸の中に隠れてしまって表面に効率よく露出できない。
本発明のスリーブである編物は通常用いられている編機で製造することができる。ただし、編機により2種類の糸を編んで重ねる場合、同時に編んでいくことは機械の構造上難しく、どうしても糸が捻じれて撚れた状態で編まれがちである。これを避けるために最初に普通糸を鈎針で絡め取り、やや遅れて追いかけるように溶融糸を同じ鈎針で絡め取って編みこむのが良い。編機で編む場合は織機で織るよりも生産速度が速い。
また、熱溶融糸は、上記のように普通糸に重ねて編むことが好ましいが、それ以外に、普通糸とは独立に編みこむことも可能である。
熱溶融糸の含有割合は一般的には 5〜80重量%、好ましくは 10〜70重量%である。80重量%を超えるとスリーブが硬くなり過ぎ自動車等への取り付けが困難になる。5重量%未満では、加熱によるワイヤーハーネスへの接着が不十分である。熱溶融糸の含有割合は、例えば図1を例にとると、糸1には熱融着糸を重ね、糸2は普通糸のみというように交互にしたり、2本おきにしたりするようにして、含有割合を調整することができる。また、各糸の太さを変えることによっても可能である。
このようにして、熱溶融糸を編み込んだ編物よりなるワイヤーハーネス用スリーブを得ることができる。
本発明のスリーブをワイヤーハーネスに固定するには、ワイヤーハーネスに被せたのち、加熱して熱溶融糸を溶融し、ワイヤーハーネスに接着することにより行う。加熱の条件は使用する溶融糸と普通糸に合わせて定めることができる。例えば溶融糸の溶融温度より数度から数10度高く、普通糸の溶融又は分解温度より低い温度で加熱する。加熱手段は熱風加熱、蒸気加熱、赤外線加熱等特に制限はない。
以下に実施例で説明する。
実施例1
編機により1250デニールのポリエステル糸に熱融着糸を4本又は8本編み込んで長方形の平編の編物であるスリーブのサンプルを作った。このスリーブは裏側にカールしていた。熱溶融糸はフジボウ愛媛株式会社制のジョイナー(登録商標)H(融点130℃、100デニール)とM(融点120℃、70デニール)を用いた。融着糸は、普通糸にランダムに混ぜて編んだ場合(全体)、裏側になるように重ねて編んだ場合(裏)、表側になるように重ねて編んだ場合(表)、ジョイナーHとMの両者を用いそれぞれ表と裏になるように編んだ場合(裏(H)表(M)又は裏(M)表(H))とした。
これらのサンプルに塩ビ被覆電線をセットし、加熱試験を行った。加熱はギヤーオーブンを用い、各温度で10分間行った。
サンプルの内容と評価結果を表1に示した。
評価方法は以下のとおりである。
○加熱処理後の硬さ
手触りで、××(柔らかい)から◎◎(硬い)まで5段階で評価した。
○ 密着強さ
手でスリーブを左右に引っ張り、被覆電線との密着強さを××(強い)から◎◎(硬い)まで5段階で評価した。
○収縮率
長手方向の収縮率を測定した。
Figure 0006953124
表1の結果から、融着糸の本数が多い方が固まって硬くなること、融点の低い融着糸を裏側に編み込むことで、低い温度でも電線に強く接着させることが可能であること、融着糸を表側に編み込むと接着力が低下することが分かる。
本発明のスリーブは加熱することにより被覆電線へ容易にかつしっかりと接着でき、ワイヤーハーネスのスリーブとして極めて有用である。
1,2,3 編糸

Claims (1)

  1. 熱溶融糸を含有する平織りまたは縦織りである編物よりなり、該熱溶融糸は普通糸の表側または裏側に重ねるようにして編み込むことにより熱溶融糸の大部分が物の表面に露出するようにして、加熱によりワイヤーハーネスに固着するようにしたワイヤーハーネス用スリーブ。
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