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JP6953278B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、ドラム状の感光体(以下、感光ドラムと称する)や中間転写体などの像担持体と対向配置された転写部材に電圧を印加することにより、像担持体が担持するトナー像を紙やOHTなどの転写材に静電的に転写する。そして、トナー像が転写された転写材は定着手段に搬送され、定着手段において加熱及び加圧されることにより転写材にトナー像が定着される。
転写部材に印加される電圧(以下、転写電圧と称する)の制御に関しては、特許文献1に示すように、転写部材の電気抵抗値を算出して転写電圧を適切に制御するATVC(Active Transfer Voltage Control)が知られている。特許文献1におけるATVCでは、転写部材と像担持体が当接する転写部に転写材が挟持されていない状態で転写部材に既知の電流を流すことで、転写部材に印加された電圧と既知の電流の値から転写部材の電気抵抗値を算出して適切な転写電圧を設定している。
また、近年の画像形成装置においては、生産性を向上させるために、搬送される複数の転写材の間隔を可能な限り縮める構成が知られている。特許文献2には、複数の転写材に画像形成を行う場合に、先行する転写材の後端と後続する転写材の先端を所定量だけ重ね合わせて重送することで、生産性を向上させる構成が開示されている。
特開平2−123385号公報 特開2003−312903号公報
しかしながら、特許文献2のように複数の転写材を重送する場合においては、常に転写部に転写材が挟持された状態が維持される。したがって、従来のように、先行する転写材と後続する転写材との間において、転写部に転写材が挟持されていない状態でATVCを実行して転写部材の電気抵抗値を算出することが困難である。また、転写部材の電気抵抗値を算出することが困難であることにより、像担持体から転写材にトナー像を転写するために転写部材に印加する転写電圧を適切に制御することが困難である。
本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と当接して転写部を形成し、前記転写部において前記像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記電源から前記転写部材に電圧を印加したときに前記転写部材に流れる電流を検知する検知手段と、前記電源を制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、転写材の搬送方向に関して、第1の転写材の後端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第1の領域と、前記第1の転写材に続いて搬送される第2の転写材の先端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第2の領域と、を重ね合わせて重送する場合に、前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なる第3の領域が前記転写部に挟持される第1のタイミングと、前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも一方の領域であって且つ前記第3の領域を除いた領域が前記転写部に挟持される第2のタイミングと、における、前記電源から前記転写部材に印加された電圧の値と前記検知手段が検知した電流の値とに応じて、前記転写部材の電気抵抗を算出することを特徴とする。
本発明によれば、先行する転写材の後端側と後続する転写材の先端側を重ね合わせて重送する場合に、転写部材の電気抵抗値を算出することが可能な画像形成装置を提供することができる。また、本発明によれば、先行する転写材の後端側と後続する転写材の先端側を重ね合わせて重送する場合に、転写部材に印加する電圧を適切に制御することが可能な画像形成装置を提供することができる。
実施例1の画像形成装置を説明する概略断面図である。 実施例1のブロック図である。 実施例1に係る、転写電圧の制御を説明する模式図である。 実施例1に係る、転写材の搬送を説明する模式図である。 実施例1に係る、重送を行う場合の転写材の搬送を説明する模式図である。 実施例1に係る、2枚の転写材を重送する場合の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る、重送を行わない場合の転写材の搬送を説明する模式図である。 実施例1に係る、転写部材の電気抵抗値の算出について説明する模式図、及び簡略的な回路図である。 実施例1に係る、重送制御を実行する場合の、転写部材の電気抵抗値の推移を説明する模式的なグラフである。 実施例1に係る、重送制御を実行する場合の、転写部材の電気抵抗値と転写電圧との関係を説明する模式図である。 実施例2に係る、転写部材の電気抵抗値の算出について説明する模式図、及び簡略的な回路図である。 実施例3に係る、転写材の先端位置と転写材に転写されるトナー像の先端位置との関係を説明する模式図である。 実施例3に係る、重送制御を実行する場合の、転写部材に印加する電圧と検知手段が検知する電流との関係を説明する模式図である。 その他の実施例における画像形成装置を説明する概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。したがって、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は、本実施例の画像形成装置100の構成を説明する概略断面図である。図1に示すように、本実施例の画像形成装置100は、ドラム状の感光体である感光ドラム1(像担持体)を有し、感光ドラム1は、不図示の駆動源からの駆動力を受けて図示矢印Rd方向に所定の周速度で回転駆動される。また、感光ドラム1の周囲には、帯電部材としての帯電ローラ2と、露光手段3と、現像部材としての現像ローラ4aを有する現像手段4と、クリーニングブレード11aを有するクリーニング手段11とが配置されている。
帯電ローラ2は感光ドラム1に当接し、不図示の帯電電源から電圧を印加されることによって感光ドラム1を一様に帯電することが可能である。現像手段4にはトナーが収容されており、現像ローラ4aは現像手段4に収容されたトナーを担持することが可能である。現像ローラ4aは、長手方向の両端に設けられたスペーサ(不図示)によって、感光ドラム1と現像ローラ4aとが対向する現像部の領域間に所定の空隙が形成された状態で配置されている。即ち、本実施例の構成においては、現像ローラ4aは感光ドラム1に当接せず、現像部における空隙で生じる電界の力を利用して現像ローラ4aに担持されたトナーを感光ドラム1に現像する、所謂ジャンピング現像方式を用いている。
なお、本実施例においては非接触現像方式としてのジャンピング現像方式を用いたが、これに限らず、現像ローラを感光ドラムに当接させてトナー像を現像する接触現像方式を用いても良い。
また、感光ドラム1に対向する位置には、感光ドラム1に当接して転写部Nを形成する転写部材としての転写ローラ8が配置されている。転写ローラ8は、芯金と、芯金の表面に形成された導電性を有するゴムなどの弾性部材と、を有し、転写電源13と接続されている。本実施例における転写ローラ8は、ニトリルゴム(NBR)やヒドリンゴムなどによって構成される導電性のスポンジローラであり、常温常湿環境(温度25℃、湿度50%)における電気抵抗の値が1.0×10Ω程度に調整されたものを用いた。
転写材Pの搬送方向に関して、転写部Nの上流側には、転写材Pを案内する上ガイド6と、上ガイド6に対向して配置される下ガイド7と、が設けられている。上ガイド6と下ガイド7のさらに上流側には、搬送ローラ5と、従動コロ5aと、検知部材としてのセンサSと、給送部材としての給送ローラ12と、紙やOHPシート等の転写材Pを収容する給紙カセット20が設けられている。給紙カセット20に収容された転写材Pは、給送ローラ12によって図示矢印方向に向かって給送され、搬送ローラ5と従動コロ5aによって挟持されることで斜行を補正された後に上ガイド6及び下ガイド7に案内され転写部Nに挟持される。
転写材Pの搬送方向に関して、転写部Nの下流側には、定着手段10が設けられている。さらに、定着手段10の下流側には、画像が形成され画像形成装置100から排出された転写材Pを積載する不図示の排紙トレイが設けられている。
図2は、本実施例の画像形成装置100の制御系統のブロック図である。図2に示すように、画像形成装置100に設けられた制御手段120は、演算処理を行う中心的素子であるCPU121と、ROM、RAMなどのメモリ122などを有して構成される。RAMには、各種検知手段による検知結果、演算結果などが格納され、ROMには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。制御手段120には、画像形成装置100における各種手段が接続されており、制御手段120が各種手段を制御することによって、画像形成装置100において画像形成が実行される。
以下、図1を用いて本実施例における画像形成動作について説明する。制御手段120が不図示のホスト機器からの画像信号を受信することによって画像形成動作が開始されると、感光ドラム1は回転駆動され、回転過程で所定の極性(本実施例では負極性)の電圧を印加された帯電ローラ2により所定の電位に一様に帯電処理される。その後、露光手段3により画像信号に応じた露光を受けることで、感光ドラム1の表面に目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は現像部においてトナーを担持した現像ローラ4aにより現像され、感光ドラム1にトナー像として可視化される。
本実施例においては、現像手段4に収容されたトナーの正規帯電極性は負極性であり、帯電ローラ2による感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像している。しかし、これに限らず、感光ドラム1の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像する画像形成装置にも本発明を適用できる。
感光ドラム1に形成されたトナー像は、転写電源13から転写ローラ8にトナーの正規の帯電極性と逆極性(本実施例においては正極性)の電圧を印加することにより、転写部Nにおいて給紙カセット20から給送された転写材Pに転写される。この時、転写部Nに搬送される転写材Pは、搬送ローラ5で斜行を補正される際にタイミングを調整されながら、上ガイド6と下ガイド7との間を経由し、転写部Nに挟持される。なお、転写ローラ8は、不図示の付勢手段によって感光ドラム1に向かって付勢されており、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際には転写ローラ8は感光ドラム1の回転に従動して回転する。
転写部Nにおいて感光ドラム1からトナー像を転写された転写材Pは、搬送ガイド9に案内された後に、定着手段10において加熱及び加圧されることによってトナー像が定着される。そして、トナー像が定着した転写材Pは画像形成装置100から排出され、不図示の排紙トレイに積載される。
なお、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写した後に感光ドラム1に残留したトナーは、感光ドラム1の回転方向に関して転写部Nの下流側に配置されるクリーニングブレード11aによってクリーニング手段11に回収される。本実施例の画像形成装置100においては、以上の動作により、転写材Pに画像が形成される。
[転写電圧の制御]
転写ローラ8は、周囲環境の温度や湿度、転写ローラ8の耐久度合などによって電気抵抗の値が変動する。このため、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際に転写電源13から転写ローラ8に印加する電圧(以下、転写電圧Vtと称する)は、転写ローラ8の電気抵抗の値の変動に応じて決める必要がある。本実施例においては、ATVC(Active Transfer Voltage Control)と呼ばれる制御によって、転写電圧Vtを決定している。以下、図3を用いてATVCについて説明する。
まず、転写部Nに転写材Pが到達する前に転写ローラ8に所定の値の電流(本実施例においては、18.0μA)が流れるように定電流制御を行い、その時に転写電源13から転写ローラ8に印加された電圧Vn(n≧0)の値を求める。この時、転写ローラ8に流れる電流は検知手段14によって検知され、検知手段14から入力される検知結果に応じて制御手段120が転写電源13を制御することによって定電流制御が行われる。
電圧Vn(n≧0)は、画像形成動作における前回転工程中に求められた電圧を電圧V0として、画像形成動作中のn枚目の転写材Pの直後の紙間工程で求められた電圧を電圧Vn(n≧1)とする。この電圧Vnと所定の値の電流から転写ローラ8の電気抵抗の値を算出し、算出された転写ローラ8の電気抵抗の値と電圧Vnの値に応じて、制御手段120はメモリに予め記録しておいたルックアップテーブル(LUT)を参照し、転写電圧Vtを決定する。その後、制御手段120が転写電源13を制御し、転写電源13から転写ローラ8に転写電圧Vtを印加することによって、転写部Nにおいて転写材Pにトナー像が転写される。ただし、上述の方法は、転写部Nに転写材Pが挟持されない前回転工程や紙間工程で実行可能な制御である。
次に、複数の転写材Pを搬送する場合であって、先行する転写材P1と、先行する転写材P1に後続する転写材P2を重ねて搬送(以下、重送と称する)する場合における、転写電圧Vtの制御について説明する。
図4は、本実施例における、感光ドラム1、搬送ローラ5、給送ローラ12の回転速度について説明する模式図である。搬送ローラ対5は、感光ドラム1の周速度である速度Vpと等しい速度である速度Vrで転写材Pを搬送するように回転駆動されている。給送ローラ12は、変速可能な駆動源Mからの駆動力によって回転することが可能であり、給紙カセット20に収容された転写材Pに所定の押圧力で押圧された状態で回転することで転写部Nに向けて転写材Pを給送する。なお、給送ローラ12は、変速可能な駆動源Mからの駆動力により、速度Vrよりも速い速度である速度Vkで転写材Pを搬送することが可能である。
図5は、本実施例において、重送を行う場合の転写材Pの搬送を説明する模式図である。図5に示すように、領域D1(第1の領域)は、先行する転写材P1(第1の転写材)の後端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない領域であり、転写材Pの搬送方向に関する領域D1の長さを距離d1とする。領域D2(第2の領域)は、転写材P1に後続する転写材P2(第2の転写材)の先端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない領域であり、転写材Pの搬送方向に関する領域D2の長さを距離d2とする。領域D3(第3の領域)は、領域D1と領域D2が重なる領域であり、転写材Pの搬送方向に関する領域D3の長さを距離d3とする。
領域D4は、転写材P1において領域D1から領域D3を除いた領域であり、領域D5は、転写材P2において領域D2から領域D3を除いた領域であり、転写材Pの搬送方向に関して、領域D4の長さを距離d4、領域D5の長さを距離d5とする。転写材P1と転写材P2を重送する場合、転写材P1に転写されるトナー像T1と転写材P2に転写されるトナー像T2が重ならないように、距離d1と距離d2を所定量以上設ける必要がある。即ち、距離d1と距離d2は、距離d3よりも大きく設定する必要がある。
また、距離d1若しくは距離d2は、後述する転写ローラ8の電気抵抗を算出することが可能な長さ以上に設定する必要があり、本実施例では、距離d1と距離d2を10mm以上確保できる場合に、転写材P1と転写材P2を重送する制御を実行する。なお、以下の説明においては、距離d1と距離d2の両方の長さが転写ローラ8の電気抵抗を算出することが可能な長さ以上である場合に重送制御を実行する動作について説明する。しかし、これに限らず、距離d1と距離d2が距離d3よりも大きく、且つ、距離d1若しくは距離d2のいずれかの長さが転写ローラ8の電気抵抗を算出することが可能な長さ以上であれば、重送制御を実行してもよい。
本実施例においては、制御手段120(図2に示す)が不図示のフォーマッタから画像情報を受け取ると、CPU121がROMにプログラムされている重送制御の実行条件として、距離d1と距離d2が10mm以上あるか否かを判断する。距離d1と距離d2が10mm以上確保できると判断された場合、制御手段120は、領域D3の距離d3が5mm程度となるように駆動源Mを制御し、転写材P1と転写材P2を重送する。
図6(a)〜(e)は、本実施例において、転写材P1と転写材P2を重送する動作を説明する模式図である。図6(a)に示すように、まず、転写材P1の先端が給送ローラ12の回転により搬送ローラ5まで給送されると、給送ローラ12の回転速度Vkよりも搬送ローラ5の回転速度Vrがより速度が遅いため、転写材P1の先端が一瞬停止した状態となる。転写材P1は、搬送ローラ5と従動コロ5aが当接する位置において先端が一時停止した状態で給送ローラ12に押し込まれることで、搬送ローラ5と給送ローラ12との間でループが形成される。その結果、転写材P1が斜行している場合には、搬送ローラ5と従動コロ5aが当接する位置で転写材P1の先端が揃えられ、斜行が補正される。そして、斜行が補正された転写材P1は、図6(b)に示すように、搬送ローラ5によって転写部Nに向けて搬送される。
このように、本実施例においては、搬送ローラ5の回転速度Vrを給送ローラ12の回転速度Vkよりも遅くすることによって斜行を補正する構成とした。しかし、これに限らず、搬送ローラ5の回転を停止した状態で給送ローラ12によって転写材P1を給送することで、搬送ローラ5と従動コロ5aとが当接する位置において転写材P1の先端が一時停止する状態を形成し、転写材P1の斜行を補正しても良い。この場合、転写材P1の斜行が補正された後に搬送ローラ5を回転させることで、本実施例と同様に転写材P1を転写部Nに向けて搬送することができる。
図6(b)の状態において、転写材P1は、搬送ローラ5の回転速度Vrと等しい速度で転写部Nに向けて搬送される。搬送ローラ5の回転速度Vrは、感光ドラム1の回転速度Vpと等しい速度に設定されており、転写部Nにおいて、感光ドラム1に担持されたトナー像T1、転写材P1に対して適正に位置合わせされた状態で転写される。この時、給送ローラ12によって搬送される転写材P1の後端は、給送ローラ12の回転速度Vkと等しい速度で搬送されている。そして、図6(c)に示すように、転写材P1の後端が給送ローラ12を抜けると、搬送ローラ5と給送ローラ12との間に形成されていたループが解消され、転写材P1は、搬送ローラ5の回転速度Vrと等しい速度で搬送される。
転写材P1と転写材P2を重送させる場合、図6(d)に示すように、制御手段120が駆動源Mを制御することで給送ローラ12は回転速度Vkよりも速い回転速度Vk’で回転駆動される。これにより、転写材P2は、所定のタイミングで給送ローラ12の回転速度Vk’と等しい速度で給送され、転写材P2の先端が転写材P1の後端を追い抜かし、搬送ローラ5と従動コロ5aとが当接する位置において重送された状態で挟持される。
そして、図6(e)に示すように、転写材P1と転写材P2が重送されている状態で転写材P2が搬送ローラ5と従動コロ5aによって搬送されると、制御手段120が駆動源Mを制御することによって給送ローラ12は回転速度Vkで回転駆動される。この時、転写材P1の後端と転写材P2の先端が重なる領域D3は、所定の距離d3(本実施例においては、好ましくは5mm以上)を維持しながら、転写部Nに搬送される。
なお、図7に示すように、本実施例においては、距離d1と距離d2が10mm未満の場合は重送制御を実行せず、領域D1と領域D2との間に、領域D6(紙間)を設けた状態で転写材P1と転写材P2を搬送する。この場合、領域D6においてATVCを行うことで、転写ローラ8の電気抵抗を算出することが可能である。
図8(a)は、転写材P1と転写材P2を重送させて搬送する際における、領域D4が転写部Nに挟持された状態を説明する模式図であり、図8(b)は、図8(a)の状態に対応する簡略的な回路図である。また、図8(c)は、転写材P1と転写材P2を重送させて搬送する際における、領域D3が転写部Nに挟持された状態を説明する模式図であり、図8(d)は、図8(c)の状態に対応する簡略的な回路図である。以下、図8(a)〜(d)を用いて、本実施例の重送制御時における転写ローラ8の電気抵抗値の算出について説明する。
図8(a)の状態においては、図8(b)に示すように、転写電源13から転写ローラ8に所定の測定電圧Vs(第1の電圧)を印加すると、検知手段14において電流ia(第2の電流)が検知される。このとき、転写ローラ8の電気抵抗rと転写材P1の電気抵抗Rから、以下の式1が導かれる。
Vs=(r+R)×ia・・・(式1)
また、図8(c)の状態においては、図8(d)に示すように、転写電源13から転写ローラ8に所定の測定電圧Vs(第1の電圧)を印加すると、検知手段14において電流ib(第1の電流)が検知される。このとき、領域D3は転写材P1の後端と転写材P2の先端とが重送されている状態であることから、転写ローラ8の電気抵抗rと、転写材P1及び転写材P2の電気抵抗Rから、以下の式2が導かれる。
Vs=(r+2R)×ib・・・(式2)
以下、転写ローラ8の電気抵抗値を算出する例として、領域D4が転写部Nに挟持されるタイミング及び領域D3が転写部Nに挟持されるタイミングにおいて、転写電源13から転写ローラ8に測定電圧Vsとして2kVの電圧を印加した場合について説明する。このとき、検知手段14によって検知された電流iaの値が13μA、電流ibの値が10μAであった場合、上述の式1と式2から、転写ローラ8の電気抵抗rの値が100MΩ、転写材P1と転写材P2の電気抵抗Rの値が0.5×10Ωが導かれる。
本実施例においては、このように、領域D4と領域D3が転写部Nに挟持されるタイミングにおいて、式1と式2によって転写ローラ8の電気抵抗値を算出することが可能である。さらに、連続して複数の転写材Pを重送する際に、所望のタイミングで定期的に転写ローラ8の電気抵抗値を算出することで、転写ローラ8の電気抵抗値が変化した場合でも、その値を制御手段120に記録して、適切な転写電圧Vtを設定することができる。
なお、検知手段14によって電流iaと電流ibを安定して検知するためには、本実施例の構成においては少なくとも約10msec以上の時間が必要である。本実施例における転写材Pの搬送速度は400mm/secであり、この値から算出すると、領域D4の距離d4と領域D3の距離d4は少なくとも4mm以上必要である。ここで、転写部Nの幅は約2mmに設定されていることから、転写材P1の後端の領域D1の距離d1は少なくとも約10mm必要であり、転写材P2の先端の領域D2の距離d2は領域D3の距離d3よりも大きく設定する必要がある。
本実施例においては、領域D3が転写部Nに挟持されるタイミングと、領域D4が転写部Nに挟持されるタイミングとにおいて、転写電源13から転写ローラ8に印加される電圧と検知手段14によって検知される電流から転写ローラ8の電気抵抗値を算出した。しかし、これに限らず、領域D3が転写部Nに挟持されるタイミングと、領域D5が転写部Nに挟持されるタイミングとにおいて、本実施例と同様の方法で転写ローラ8の電気抵抗値を算出しても良い。この場合、転写材P2の先端の領域D2の距離d2は少なくとも約10mm必要であり、転写材P1の後端の領域D1の距離d1は領域D3の距離d3よりも大きく設定する必要がある。
また、領域D3が転写部Nに挟持されるタイミングと、領域D4が転写部Nに挟持されるタイミング及び領域D5が転写部Nに挟持されるタイミングの両方と、において、本実施例と同様の方法で転写ローラ8の電気抵抗値を算出しても良い。この場合、転写材P1の後端の領域D1の距離d1と転写材P2の先端の領域D2の距離d2は、それぞれ、少なくとも約10mm必要である。領域D4と領域D5のそれぞれが転写部Nに挟持されるタイミングで転写電源13から転写ローラ8に測定電圧Vsを印加することで、電流iaを検知する時間をより長く確保することができ、安定して電流iaを検知することが可能である。
本実施例では、転写電源13から転写ローラ8に所定の測定電圧Vsを印加したときに検知手段14が検知した電流の値から転写ローラ8の電気抵抗値を算出したが、これに限らない。例えば、ATVCの様に、検知手段14が所定の電流を検知したときに転写電源13から転写ローラ8に印加される第1の電圧及び第2の電圧の値から、転写ローラ8の電気抵抗値を算出してもよい。ここで、第1の電圧とは、領域D3が転写部Nに挟持されるタイミングにおいて検知手段が所定の電流を検知したときに転写電源13から転写ローラ8に印加される電圧である。また、第2の電圧とは、領域D4及び領域D5の少なくとも一方の領域が転写部Nに挟持されるタイミングにおいて検知手段14が所定の電流を検知したときに転写電源13から転写ローラ8に印加される電圧である。
なお、式1及び式2に基づいて転写ローラ8の電気抵抗値と同時に算出される転写材P1及び転写材P2の電気抵抗Rの値は、画像形成動作中の転写電圧Vtの制御や、その他の画像形成に関する種々の制御にフィードバックしてもよい。
次に、本実施例における転写電圧Vtの制御に関して、図9と図10を用いて説明する。図9は、本実施例と比較例1とにおける、レターサイズの転写材Pの先端及び後端に余白が10mm以上ある状態で複数の転写材Pを重送する制御を実行する際の、制御手段120に記録される転写ローラ8の電気抵抗値の推移を説明する模式的なグラフである。また、図10は、制御手段120に記録される転写ローラ8の電気抵抗rの値と、転写電圧Vtとの関係を示す模式図である。ここで、電気抵抗rとは、1枚目の転写材P1の搬送を開始する前の前回転工程でATVCによって測定された転写ローラ8の電気抵抗値である。
なお、比較例1は、重送制御を実行する際に転写ローラ8の電気抵抗値を算出しない点で本実施例とは異なり、その他の構成は本実施例と同一であるため、共通する部材に関しては本実施例と同一の符号を付して説明を省略する。図9に示すように、本実施例においては重送制御中に前述の方法によって転写ローラ8の電気抵抗値を算出していることから、転写材Pの枚数の増加にしたがって、制御手段120に記録される転写ローラ8の電気抵抗値が更新される。一方、比較例1では、重送制御を実施する際に転写ローラ8の電気抵抗値を算出しないため、搬送される転写材Pの枚数が増加しても、制御手段120に記録される転写ローラ8の電気抵抗値が前回転工程のATVCで測定された電気抵抗rから更新されない。
図10に示される制御ラインLは、制御手段120に記録された転写ローラ8の電気抵抗rの値に適した転写電圧Vtを設定するために、あらかじめ制御手段120に記録されている。また、閾線S1及び閾線S2は、トナー像を転写材Pに転写する際に発生する画像不良を抑制するために設けられているものである。転写電源13から転写ローラ8に閾線S1より高い転写電圧Vtが印加されると、転写ローラ8から感光ドラム1に向かって流れる転写電流が過常に多くなることで画像不良が発生するおそれがある。また、転写電源13から転写ローラ8に閾線S2より低い転写電圧Vtが印加されると、転写ローラ8から感光ドラム1に向かって流れる転写電流が不足することで画像不良が発生するおそれがある。
図10に示すように、電気抵抗rは、前回転工程のATVCで測定され制御手段120に記録された転写ローラ8の電気抵抗値である。また、転写電圧Vtは、電気抵抗rに対応する転写電圧Vtであり、前回転工程後の1枚目の転写材P1にトナー像を転写するために転写電源13から転写ローラ8に印加する電圧である。電気抵抗rbは、本実施例において複数の転写材Pを重送する制御を実行した際に、搬送される転写材Pの枚数が増加した通紙後期に算出された転写ローラ8の電気抵抗値である。転写電圧Vtbは、電気抵抗rbに対応する転写電圧Vtである。
図9に示すように、転写ローラ8の電気抵抗値は搬送される転写材Pの枚数が増加するにつれて刻々と変化する。本実施例によれば、重送制御を実行する際に転写ローラ8の電気抵抗値を算出できることから、制御手段120によって転写電源13を制御し、転写ローラ8に適切な転写電圧Vtを印加することができる。一方で、比較例1においては、呪詛う制御を実行する際に転写ローラ8の電気抵抗値を算出しないため、搬送される転写材Pの枚数が増加しても、制御手段120に記録されている電気抵抗rに対応した転写電圧Vtが転写ローラ8に印加される。
その結果、図10に示すように、転写電源13から転写ローラ8に印加する転写電圧Vtとして、実際の転写ローラ8の電気抵抗rbに対応する転写電圧Vtbよりも絶対値が大きく、閾線S1を超えた転写電圧Vtが設定されてしまうおそれがある。この場合、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる転写電流が過剰になることで画像不良が発生する。
以上説明したように、本発明によれば、複数の転写材Pを重送する制御を実行する場合に、転写ローラ8の電気抵抗値を算出することが可能である。さらに、転写ローラ8の電気抵抗値を算出することが可能であることにより、制御手段120によって転写電源13を制御して、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際に、転写ローラ8に適切な転写電圧Vtを印加することができる。
(実施例2)
実施例1では、転写材P1と転写材P2を重送する制御を実行する際における転写ローラ8の電気抵抗値の算出に関して説明した。これに対し、実施例2では、転写材Pの搬送方向と直交する転写ローラ8の幅方向に関して、長手幅が狭い小サイズの転写材Pを重送する場合の転写ローラ8の電気抵抗値の算出に関して、図11(a)〜(d)を用いて説明する。
なお、実施例2は、実施例1における転写ローラ8の電気抵抗値を算出するための式1及び式2が異なる点を除いて、実施例1と共通する部分が多い。例えば、図7に示される各領域が形成されることや、転写電源13からの測定電圧Vsと検知手段14によって検知される電流から転写ローラ8の電気抵抗値を算出する点など、実施例1と同一である。したがって、以下の説明において、本実施例と実施例1が共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図11(a)は、転写材Pの搬送方向から見た際の、領域D4が転写部Nに挟持された状態を説明する模式図であり、図11(b)は、図11(a)の状態に対応する簡略的な回路図である。また、図11(c)は、転写材Pの搬送方向から見た際の、領域D3が転写部Nに挟持された状態を説明する模式図であり、図11(d)は、図11(c)の状態に対応する簡略的な回路図である。以下、図11(a)〜(d)を用いて、本実施例の重送制御時における転写ローラ8の電気抵抗を算出する方法について説明する。
図11(a)に示すように、長手幅が狭い小サイズの転写材P1が転写部Nに挟持される状態において、転写ローラ8の幅方向に関して転写部Nの両端部には感光ドラム1と転写ローラ8が転写材P1を介さずに接触する領域D20が存在する。図11(a)の状態においては、図11(b)に示すように、転写電源13から転写ローラ8に所定の測定電圧Vs(第1の電圧)を印加すると、検知手段14において電流ia´(第2の電流)が検知される。このとき、転写ローラ8の電気抵抗rと転写部Nの合成抵抗RAから、以下の式3が導かれる。なお、合成抵抗RAは、転写材P1の電気抵抗Rと、領域D20のインピーダンスR1の並列回路から導かれる。
Vs=(r+RA)×ia´・・・(式3)
また、図11(c)に示すように、長手幅が狭い小サイズの転写材P1の後端と転写材P2の先端が重ね合わされた領域D3が転写部Nに挟持される状態において、転写ローラ8の幅方向に関して転写部Nの両端部には領域D21が存在する。領域D21は、感光ドラム1と転写ローラ8が転写材P1及び転写材P2を介さずに接触する領域である。図11(c)の状態においては、図11(d)に示すように、転写電源13から転写ローラ8に所定の測定電圧Vs(第1の電圧)を印加すると、検知手段14において電流ib´(第1の電流)が検知される。このとき、転写ローラ8の電気抵抗rと転写部Nの合成抵抗RBから、以下の式4が導かれる。なお、合成抵抗RBは、転写材P1と転写材P2の電気抵抗Rと、領域D21のインピーダンスR2の並列回路から導かれる。
Vs=(r+RB)×ib´・・・(式4)
ここで、合成抵抗RBを合成抵抗RAのα倍とすると、式4は以下の式5に変換することができる。係数αは、図11(a)に示される領域D4が転写部Nに挟持されている時と、図11(c)に示される領域D3が転写部Nに挟持されている時の、転写ローラ8を除いたインピーダンスの比である。
Vs=(r+α×RA)×ib´・・・(式5)
本実施例では、まず、前回転工程、及び、前回転工程の直後に搬送される1枚目の転写材P1と転写材P2における電流の測定結果をもとに、係数αを算出する。例えば、前回転工程で2kVの側定電圧Vsを転写ローラ8に印加したときに検知手段14が検知した電流が20μAであった場合、重送制御を実行する前の転写ローラ8の電気抵抗rは100MΩであると算出できる。
転写ローラ8の電気抵抗rは、搬送される転写材Pの枚数が少ない通紙初期であれば、前回転工程で算出された値からはすぐに変化しないと考えられる。そこで、前回転工程の直後に搬送される転写材P1と転写材P2の重送時に、式3と式5における転写ローラ8の電気抵抗rに100MΩを代入して係数αを算出する。より詳しくは、例えば、図11(a)及び図11(c)の状態において転写電源13から転写ローラ8に2kVの側定電圧Vsを印加したときに、検知手段14によって検知された電流ia´が13.3μA、電流ib´が6.0μAであったとする。これらの検知結果と、前回転工程で算出した転写ローラ8の電気抵抗r(100MΩ)を式3と式5に代入することにより、係数αが3.0、転写材Pの電気抵抗Rが0.5×10Ωと算出できる。
また、この算出された係数αを式3と式5に導入することで、以下の式6と式7が導かれる。
Vs=(r+RA)×ia´・・・(式6)
Vs=(r+3×RA)×ib´・・・(式7)
そして、転写材P2以降の転写材Pの重送制御を実行する際に、式6と式7を用いて転写ローラ8の電気抵抗値を算出することが可能である。具体的には、例えば、図11(a)及び図11(c)の状態において転写電源13から転写ローラ8に2kVの側定電圧Vsを印加したときに、検知手段14によって検知された電流ia´が20.0μA、電流ib´が10.0μAであったとする。この場合、式6と式7によって、転写ローラ8の電気抵抗rは50MΩ、転写材Pの電気抵抗Rは0.5×10Ωと算出される。
以上説明したように、本実施例によれば、長手幅が狭い小サイズの転写材Pを重送する場合でも、重送状態を維持したまま転写ローラ8の電気抵抗値を算出することができる。さらに、転写ローラ8の電気抵抗値を算出することが可能であることから、実施例1と同様に、制御手段120によって転写電源13を制御して感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際に、転写ローラ8に適切な転写電圧Vtを印加することができる。
なお、本実施例においては、係数αを求めるために、前回転工程のタイミングにおいて重送制御を実行する前の転写ローラ8の電気抵抗rを算出する制御を行った。しかし、このタイミングは前回転工程に限らず、転写部Nに転写材Pが挟持されていないタイミング、例えば紙間などでもよい。
(実施例3)
実施例1では、領域D3と、領域D4及び領域D5の少なくとも一方の領域と、が転写部Nに挟持されるタイミングにおいて、側定電圧Vsと検知手段14が検知した電流の値から転写ローラ8の電気抵抗値を算出する制御について説明した。これに対し、実施例3は、領域D3と、領域D4及び領域D5の少なくとも一方の領域と、が転写部Nに挟持されるタイミングにおいて、側定電圧Vsと検知手段14が検知した電流の値から、転写材P2の先端位置を推定する点で実施例1と異なる。以下、本実施例の構成及び制御に関して、図12(a)〜(b)、図13を用いて説明する。なお、以下の説明においては、実施例1と共通する部分は実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
図12(a)は、転写材P1と転写材P2の重送制御を実行する際に、転写材Pの搬送方向に関する、2枚目の転写材P2の先端位置と、2枚目の転写材P2に転写するトナー像T2の先端位置との関係を説明する模式図である。また、図12(b)は、転写材P1の後端と転写材P2の先端とが重なる領域D3´の距離d8が、図12(a)における領域D3の距離d3よりも短い状態で重送制御が実行された場合を説明する模式図である。
図1に示されるセンサSは、転写材Pの有無に応じてセンサSのオン/オフが切り替えられることで、転写材Pの先端、又は後端を検知することが可能な検知部材である。しかしながら、重送制御を実行する場合には、センサSの対向を常に転写材Pが通過している状態となるため、重送状態が解消するまでは、センサSのオン/オフが切り替えられることがない。すなわち、1枚目の転写材P1の先端位置を検知することは可能であるものの、転写材P1の後端及び転写材P2の先端を検知することが困難である。
転写材P2の先端が検知できないと、転写材P2に転写するトナー像T2の転写開始位置の設定が困難である。そこで、重送制御を実行する場合には、例えば以下の方法によって転写材P2に転写されるトナー像T2の転写開始位置を制御することが考えられる。
図12(a)に示すように、転写材P1の先端はセンサSによって検知することが可能であり、転写材P1に転写するトナー像T1は、センサSによる起点K0に合わせて所望の位置に転写することが可能である。一方で、転写材P2に転写するトナー像T2は、起点K0に合わせて、転写材P1の先端位置から距離d7に相当する位置に転写すればよい。ここで、距離d7は、転写材P1の長さである距離Lpと、領域D2の距離d2と、領域D3の距離d3から求めることができ、距離d7=距離Lp+距離d2−距離d3である。
しかしながら、距離d3は、転写材P2が給紙される際の転写材P2の先端と転写材P1の後端との距離や、転写材P1とそれを追い越す転写材P2との搬送速度の差で決まるため、常時安定した所望の距離d3を維持するのが困難である。例えば、給送ローラ12や搬送ローラ5の耐久前後で回転速度が変化した場合、転写材Pの搬送速度も変化してしまう。図12(b)に示すように、制御手段120が想定していた領域D3よりも長さが短い領域D3´を形成した状態で転写材P1と転写材P2が重送された場合、距離d3と距離d8の差分である距離d9分だけ転写材P2の搬送が遅れたことになる。
この時、転写材P2に転写するトナー像T2を、起点K0に合わせて転写材P1の先端位置から距離d7に相当する位置に転写してしまうと、トナー像T2は制御手段120が想定していた位置よりも距離d9だけ手前に転写されてしまう。また、このようなトナー像の転写開始位置のずれは、重送される転写材Pの枚数が増加するほど顕著になる可能性がある。
そこで、図13に示すように、本実施例においては、転写電源13から転写ローラ8に電圧を印加したときに検知手段14が検知する電流から、転写材P2の先端の位置を推定することで、転写材P2に転写されるトナー像T2の転写開始位置を制御する。図13は、転写材P1と転写材P2を重送させる際の各領域における、転写ローラ8に印加する電圧と検知手段14が検知する電流との関係を説明する模式図である。
本実施例においては、転写材P1に転写するトナー像T1は、センサSによる起点K0に合わせて所望の位置に転写される。一方で、転写材P2に転写するトナー像T2は、転写材P2の先端位置に相当する起点K1から距離d2離れた位置に転写される。ここで、起点K1は、転写電源13から転写ローラ8に測定電圧Vsを印加する間に、領域D3が転写部Nに挟持されることによって転写部Nにおけるインピーダンスが増加し、検知手段14によって検知される電流が相対的に減少するタイミングである。
本実施例において、制御手段120は、領域D3が転写部Nに挟持される前後において、検知手段14によって検知される電流の値が相対的に減少する起点K1の位置を、転写材P2の先端の位置であると判断する。そして、この起点K1の位置に基づいてトナー像の転写を行うことにより、重送制御を実行する場合におけるトナー像の転写開始位置のずれを抑制することができる。
また、本実施例においては、転写電源13から転写ローラ8に測定電圧Vsを印加する間に、図13に示される起点K2による電流の変化を検知手段14で検知することができる。起点K2は、領域D3が転写部Nに挟持される状態から領域D5が転写部Nに挟持される状態となることによって、転写部Nにおけるインピーダンスが減少し、検知手段14によって検知される電流が相対的に増加するタイミングである。即ち、制御手段120は、領域D3が転写部Nに挟持される前後において、検知手段14によって検知される電流の値が相対的に増加する起点K2の位置を、転写材P1の後端の位置であると判断することができる。
なお、本実施例における、転写材P2の先端位置及び転写材P1の後端位置の判断結果は、先述した転写開始位置を制御することだけでなく、その他の転写制御や定着制御などのプロセス制御に用いても良い。
(その他の実施例)
以上、モノクロの画像形成装置に適応した実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。像担持体から転写材Pにトナー像を転写する転写部材を有するものであれば、本発明を適用することができる。すなわち、図14に示されるように、カラー画像形成装置にも本発明を適用することができ、同様の効果が得られる。
図14は、本実施例の画像形成装置300の構成を説明する概略断面図である。図14に示すように、本実施例に係る画像形成装置300は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する画像形成部SY、SM、SC、SKが1定間隔で配置された、カラー画像形成装置である。なお、本実施例では、画像形成部SY、SM、SC、SKの構成と動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下、画像形成部SKを用いて本実施例の画像形成装置300の構成について説明する。
本実施例の画像形成装置300においては、不図示のホスト機器からの画像信号を受信した制御手段323が各種手段を制御することによって、画像形成装置300において画像形成動作が開始される。
画像形成装置SKは、ドラム状の感光体である感光ドラム301Kと、帯電手段としての帯電ローラ302Kと、現像手段としての現像ローラ305Kと、クリーニング手段306Kと、を有する。画像形成動作が開始されると、感光ドラム301Kは図示矢印R31方向に所定の周速度で回転駆動され、回転過程で帯電ローラ302Kによって所定の極性(本実施例においては負極性)で所定の電位に一様に帯電処理される。その後、露光手段304Kから画像信号に応じた露光を受けることにより、感光ドラム301Kの表面に静電潜像が形成される。感光ドラム301Kの表面に形成された静電潜像は、現像ローラ305Kから供給されるトナーによって現像され、感光ドラム301Kにトナー像が形成される。
感光ドラム301Kの対向には、張架部材としての張架ローラ327a〜327cによって張架された像担持体としての無端状の中間転写ベルト307が配置されており、中間転写ベルト307は図示矢印R32方向に回転駆動される。中間転写ベルト307の内周面側には、中間転写ベルト307を感光ドラム301Kに押圧する1次転写ローラ308Kが配置される。また、1次転写ローラ308Kによって押圧された中間転写ベルト307と感光ドラム301Kとが当接する位置には、1次転写部が形成される。感光ドラム301K上に形成されたトナー像は、1次転写部を通過する過程で、感光ドラム301Kから中間転写ベルト307に1次転写される。このように、各画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて各色のトナー像が中間転写ベルト307に1次転写され、中間転写ベルト307には目的のカラー画像に対応した複数色のトナー像が形成される。
像担持体としての中間転写ベルト307を介して、張架ローラ327aの対向には転写部材としての2次転写ローラ328が配置されており、中間転写ベルト307と2次転写ローラ328が当接する位置には転写部としての2次転写部Nt3が形成される。2次転写ローラ328は、転写電源318に接続されており、制御手段323が転写電源318を制御し2次転写ローラ328に電圧を印加することにより、中間転写ベルト307から転写材Pに複数色のトナー像が2次転写される。また、2次転写ローラ328には、転写電源318から2次転写ローラ328に電圧を印加した際に2次転写ローラ328に流れる電流を検知することが可能な検知手段319が設けられている。
給紙カセット309に積載された転写材Pは、給送ローラ311によって給送される。そして、搬送ローラ312と従動コロ312aによって、斜行を補正された後に、中間転写ベルト307に形成された複数色のトナー像が2次転写部Nt3に到達するタイミングに合わせて、2次転写部Nt3に搬送される。2次転写部Nt3において複数色のトナー像を2次転写された転写材Pは定着手段314に搬送され、加熱及び加圧されることで各色のトナーが溶融混和して転写材Pに固定された後に、排紙ローラ316によって積載部としての排紙トレイ317に排出される。
1 感光ドラム
8 転写ローラ
13 転写電源
14 検知手段
120 制御手段
N 転写部

Claims (19)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と当接して転写部を形成し、前記転写部において前記像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記電源から前記転写部材に電圧を印加したときに前記転写部材に流れる電流を検知する検知手段と、前記電源を制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、
    転写材の搬送方向に関して、第1の転写材の後端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第1の領域と、前記第1の転写材に続いて搬送される第2の転写材の先端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第2の領域と、を重ね合わせて重送する場合に、
    前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なる第3の領域が前記転写部に挟持される第1のタイミングと、前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも一方の領域であって且つ前記第3の領域を除いた領域が前記転写部に挟持される第2のタイミングと、における、前記電源から前記転写部材に印加された電圧の値と前記検知手段が検知した電流の値とに応じて、前記転写部材の電気抵抗を算出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記転写部材の電気抵抗に応じて、前記像担持体から転写材にトナー像を転写するために前記電源から前記転写部材に印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとにおける、前記電源から前記転写部材に印加された電圧の値と前記検知手段が検知した電流の値とに応じて、前記第1の転写材及び前記第2の転写材の電気抵抗を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の転写材、及び、前記第2の転写材は、転写材の搬送方向と直交する方向に関する長手幅が、前記転写部材の長手幅よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1の転写材が前記転写部に挟持される前であって前記転写部に転写材が挟持されていない状態において、前記電源から前記転写部材に印加された電圧の値と前記検知手段が検知した電流の値とによって算出された前記転写部材の電気抵抗を用いて、前記第1の転写材と前記第2の転写材とを重送する場合における前記転写部材の電気抵抗を算出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 転写材の有無に応じて検知結果が切り替わることで転写材の搬送方向に関する転写材の先端と後端を検知する検知部材を備え、
    前記制御手段は、前記第1のタイミングの前後において前記電源から前記転写部材に所定の電圧を印加したときの、前記検知手段によって検知される電流の値の変化から前記第1の転写材の後端、及び、前記第2の転写材の先端の位置を推定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記第1のタイミングの前後において、前記検知手段によって検知される電流の値が相対的に増加する位置を前記第1の転写材の後端であると判断し、前記検知手段によって検知される電流の値が相対的に減少する位置を前記第2の転写材の先端であると判断することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と当接して転写部を形成し、前記転写部において前記像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記電源から前記転写部材に電圧を印加したときに前記転写部材に流れる電流を検知する検知手段と、前記電源を制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、
    転写材の搬送方向に関して、第1の転写材の後端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第1の領域と、前記第1の転写材に続いて搬送される第2の転写材の先端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第2の領域と、を重ね合わせて重送する場合に、
    前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なる第3の領域が前記転写部に挟持されるタイミングで前記電源から前記転写部材に第1の電圧を印加したときの前記検知手段が検知した第1の電流の値と、前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも一方の領域であって且つ前記第3の領域を除いた領域が前記転写部に挟持されるタイミングにおいて前記電源から前記転写部材に前記第1の電圧を印加したときの前記検知手段が検知した第2の電流の値と、に応じて、前記像担持体から転写材にトナー像を転写するために前記電源から前記転写部材に印加する電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記第1の電流の値と前記第2の電流の値とに応じて、前記第1の転写材及び前記第2の転写材の電気抵抗を算出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1の転写材、及び、前記第2の転写材は、転写材の搬送方向と直交する方向に関する長手幅が、前記転写部材の長手幅よりも狭いことを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記第1の転写材が前記転写部に挟持される前であって前記転写部に転写材が挟持されていない状態において、前記電源から前記転写部材に印加された電圧の値と前記検知手段が検知した電流の値とによって算出された前記転写部材の電気抵抗を用いて、前記第1の転写材と前記第2の転写材とを重送する場合における前記転写部材の電気抵抗を算出することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 転写材の有無に応じて検知結果が切り替わることで転写材の搬送方向に関する転写材の先端と後端を検知する検知部材を備え、
    前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なる第3の領域が前記転写部に挟持されるタイミングの前後において前記電源から前記転写部材に前記第1の電圧を印加したときの、前記検知手段によって検知される電流の値の変化から前記第1の転写材の後端、及び、前記第2の転写材の先端の位置を推定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なる第3の領域が前記転写部に挟持されるタイミングの前後において、前記検知手段によって検知される電流の値が相対的に増加する位置を前記第1の転写材の後端であると判断し、前記検知手段によって検知される電流の値が相対的に減少する位置を前記第2の転写材の先端であると判断することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と当接して転写部を形成し、前記転写部において前記像担持体に担持されたトナー像を転写材に転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記電源から前記転写部材に電圧を印加したときに前記転写部材に流れる電流を検知する検知手段と、前記電源を制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、
    転写材の搬送方向に関して、第1の転写材の後端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第1の領域と、前記第1の転写材に続いて搬送される第2の転写材の先端側に設けられる領域であってトナー像を転写しない第2の領域と、を重ね合わせて重送する場合に、
    前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とが重なる第3の領域が前記転写部に挟持されるタイミングで前記検知手段が所定の電流を検知したときに前記電源から前記転写部材に印加された第1の電圧の値と、前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも一方の領域であって且つ前記第3の領域を除いた領域が前記転写部に挟持されるタイミングにおいて前記検知手段が前記所定の電流を検知したときに前記電源から前記転写部材に印加された第2の電圧と、に応じて、前記像担持体から転写材にトナー像を転写するために前記電源から前記転写部材に印加する電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。
  15. 前記制御手段は、前記転写部に転写材が挟持されていない状態において、前記検知手段が所定の電流の値を検知するときの前記電源から前記転写部材に印加された電圧から、前記転写部材の電気抵抗を算出することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 転写材の搬送方向に関して、前記第1の領域及び前記第2の領域の長さは、前記第3の領域の長さより長いことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記制御手段は、転写材の搬送方向に関して前記第1の領域及び前記第2の領域の長さが所定の長さ未満である場合、前記第1の転写材と前記第2の転写材を重送する制御を行わないことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  18. 前記像担持体にトナー像を供給する現像手段を備え、前記像担持体は、前記現像手段によって静電潜像が現像される感光体であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  19. 感光体を備え、前記像担持体は、前記感光体から転写されるトナー像を担持する無端状の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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