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JP6953754B2 - レーザ走査装置 - Google Patents
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JP6953754B2 - レーザ走査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるレーザ走査装置に係り、例えば、赤外線レーザを用いたレーザ走査装置に関する。
車両の自動運転、又は車両の運転支援を行う機器が盛んに開発されている。また、車両などに搭載されるLIDAR(Light Detection and Ranging)が知られている。LIDARは、レーザ光(例えば、波長λ=905nm)を用いて車両前方のある範囲を走査し、この走査範囲にある対象物からの反射光を検出することによって、対象物の検出、及び車両から対象物までの距離を測定する。
LIDARの走査方式には、例えば、ポリゴンミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、又はガルバノミラーを用いる方式が用いられている。しかし、これらの方式では、レーザ走査装置が高コスト化、大型化する傾向にある。このため、レーザ走査装置の低コスト化、小型化が望まれている。
米国特許第8,982,313号明細書
本発明は、信頼性の高いレーザ走査装置を提供する。
本発明の一態様に係るレーザ走査装置は、レーザ光を発光する光源と、積層された第1及び第2液晶パネルを含み、前記光源からのレーザ光を屈折させる偏向素子とを具備する。前記第1液晶パネルは、第1及び第2基板と、前記第1及び第2基板にそれぞれ設けられかつ互いに対向する第1及び第2電極と、前記第1及び第2基板間に充填された第1液晶層とを含む。前記第2液晶パネルは、第3及び第4基板と、前記第3及び第4基板にそれぞれ設けられかつ互いに対向する第3及び第4電極と、前記第3及び第4基板間に充填された第2液晶層とを含む。前記レーザ光を走査する第1方向において、前記第1電極は、前記第3電極より長い。
本発明によれば、信頼性の高いレーザ走査装置を提供することができる。
実施形態に係るレーザ走査装置のブロック図。 偏向素子に含まれる1つの液晶パネルの平面図。 図2のA−A´線に沿った偏向素子の断面図。 レーザ走査装置の基本動作を説明する概略図。 レーザ走査装置によるレーザ光の波形を説明する図。 レーザ走査装置の走査領域ARを説明する図。 第1例に係る偏向素子の動作を説明する断面図。 第2例に係る偏向素子の動作を説明する断面図。 第3例に係る偏向素子の動作を説明する断面図。 第4例に係る偏向素子の動作を説明する断面図。 第5例に係る偏向素子の動作を説明する断面図。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
[1] レーザ走査装置の構成
図1は、実施形態に係るレーザ走査装置10のブロック図である。
レーザ走査装置10は、LIDAR(Light Detection and Ranging)とも呼ばれる。LIDARは、レーザ光(例えば、波長λ=905nm)を用いて例えば車両前方のある範囲を走査し、この走査範囲にある対象物によって反射されたレーザ光を検出する。そして、LIDARは、送信したレーザ光と受信したレーザ光とを用いて、対象物の検出、及び車両から対象物までの距離を測定する。
レーザ走査装置10は、車両の前側(例えば、フロントバンパー、又はフロントグリル)、車両の後ろ側(例えば、リアバンパー、又はリアグリル)、及び/又は、車両の側方(例えば、フロントバンパーの側方)に配置される。また、レーザ走査装置10は、ルーフやボンネット等、車両の上部に配置されてもよい。
レーザ走査装置10は、光源11、偏向素子12、受光素子13、パルスタイミング制御部14、偏向角制御部15、距離演算部16、及び主制御部17を備える。
光源11は、偏向素子12に向けて、レーザ光を発生(発光)する。レーザ光としては、赤外線レーザ(例えば波長λ=905nm)が用いられる。また、光源11は、所定の周波数を有するパルス信号としてレーザ光を発生する。
偏向素子12は、光源11からのレーザ光を受け、レーザ光を走査、すなわちレーザ光の出射角を時分割で変える。これにより、対象物2に対して複数点のレーザ光を照射することができる。偏向素子12は、積層された複数の液晶パネルを備える。偏向素子12の具体的な構成については後述する。
受光素子(検出回路)13は、対象物2によって反射されたレーザ光を検出する。受光素子13は、例えば赤外線センサから構成される。赤外線センサは、フォトダイオードやCMOS(complementary metal oxide semiconductor)フォトセンサを含む。その他、受光素子13として赤外線カメラを用いてもよい。
パルスタイミング制御部14は、光源11の動作を制御する。光源11は、パルス信号としてレーザ光を発光する。パルスタイミング制御部14は、レーザ光に含まれるパルスのタイミングを制御する。パルスのタイミングには、パルス信号の周期、パルス信号の周波数、及びパルス幅が含まれる。
偏向角制御部15は、偏向素子12の動作を制御する。偏向角制御部15は、偏向素子12に含まれる複数の電極に複数の電圧を印加する。偏向素子12に供給される電圧は、交流電圧である。偏向角制御部15は、偏向素子12の屈折率の勾配を制御することで、偏向素子12から出射されるレーザ光の偏向角を制御する。
距離演算部16は、パルスタイミング制御部14からタイミング情報を受け、偏向角制御部15から偏向角の情報を受け、受信したレーザ光のタイミング情報及び光強度の情報を受光素子13から受ける。距離演算部16は、これらの情報を用いて、車両から対象物までの距離を算出する。具体的には、距離演算部16は、偏向角の情報を用いて、直線距離、水平距離、及び垂直距離を算出する。また、距離演算部16は、偏向角の情報を用いて、対象物の相対座標を算出する。距離演算部16によって算出された距離及び/又は相対座標は、例えばデータDOUTとして外部に出力可能である。
主制御部17は、レーザ走査装置10の全体動作を統括的に制御する。
[2] 偏向素子12の構成
次に、偏向素子12の構成について説明する。図2は、偏向素子12に含まれる1つの液晶パネル20−1の平面図である。図3は、図2のA−A´線に沿った偏向素子12の断面図である。
偏向素子12は、複数の液晶パネル20を備える。本実施形態では、偏向素子12が3個の液晶パネル20−1〜20−3を備える構成例について説明する。液晶パネル20の数は、3個に限定されず、2個以上であればよい。
液晶パネル20−1〜20−3は、順に積層され、互いに透明な接着材(図示せず)によって接着される。なお、本実施形態の説明では、複数の液晶パネル20−1〜20−3を特に区別する必要がない場合は、枝番号を省略して記載し、この枝番号なしの参照符号に関する説明は、複数の液晶パネル20−1〜20−3の各々に共通する。他の枝番号付きの参照符号についても同様に扱われる。
液晶パネル20−1は、透過型の液晶パネルである。液晶パネル20−1は、対向配置された基板21−1、22−1と、基板21−1、22−1間に挟持された液晶層23−1とを備える。基板21−1、22−1の各々は、透明基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。基板21−1は、光源11に対向配置され、光源11からのレーザ光は、基板21−1側から液晶層23−1に入射する。
液晶層23−1は、基板21−1、22−1間に充填される。具体的には、液晶層23−1は、基板21−1、22−1と、シール材24−1とによって包囲された領域内に封入される。シール材24−1は、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいて基板21−1及び/又は基板22−1に塗布された後、紫外線照射、又は加熱等により硬化させられる。
液晶層23−1を構成する液晶材料は、基板21−1、22−1間に印加された電圧(電界)に応じて液晶分子の配向が操作されて光学特性が変化する。本実施形態の液晶パネル20−1は、例えばホモジニアスモードである。すなわち、液晶層23−1として正の誘電率異方性を有するポジ型(P型)のネマティック液晶が用いられ、液晶分子は、電圧(電界)を印加しない時には基板面に対して概略水平方向に配向する。ホモジニアスモードでは、電圧を印加しない時に液晶分子の長軸(ダイレクタ)が概略水平方向に配向し、電圧を印加した時に液晶分子の長軸が垂直方向に向かって傾く。傾斜角の大きさは、印加される実効電圧に応じて変化する。液晶層の初期配向は、液晶層23−1を挟むようにして基板21−1、22−1にそれぞれ設けられた2つの配向膜(図示せず)によって制御される。
なお、液晶の駆動方式として、ネガ型(N型)のネマティック液晶を用いた垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードを用いてもよい。VAモードでは、電界を印加しない時に液晶分子の長軸が概略垂直方向に配向し、電圧を印加した時に液晶分子の長軸が水平方向に向かって傾く。さらに、他の駆動方式を用いてもよく、電圧を印加しない時に液晶分子の長軸が概略水平方向に配向し、かつ60度〜120度にねじれ配向したTN(Twisted Nematic)モードなどを用いてもよい。
基板21−1の液晶層23−1側には、第1電極25−1、及び第2電極26−1が設けられる。第1電極25−1のX方向の長さは、予め決められており、第2電極26−1のX方向の長さは、予め決められている。第1電極25−1及び第2電極26−1のY方向の長さはそれぞれ、任意に設定可能である。第1電極25−1と第2電極26−1とのX方向における間隔は、液晶パネルの小型化の観点からはより小さい方が望ましく、例えば、製造工程に起因する最小加工寸法に設定される。
また、シール材24−1で囲まれた液晶領域(第1電極25−1及び第2電極26−1を合計した領域に概略対応する)は、透過するレーザ光の幅に応じて最適に設定され、少なくともレーザ光の幅より大きく設定される。第1電極25−1と第2電極26−1とは、互いに電気的に分離されており、個別に電圧制御が可能である。
基板22−1の液晶層23−1側には、第3電極27−1、及び第4電極28−1が設けられる。第3電極27−1は、第1電極25−1と対向し、第4電極28−1は、第2電極26−1と対向する。第3電極27−1のサイズは、第1電極25−1のサイズと概略同じであり、平面視において、第3電極27−1は、第1電極25−1に重なるように配置される。第4電極28−1のサイズは、第2電極26−1のサイズと概略同じであり、平面視において、第4電極28−1は、第2電極26−1に重なるように配置される。第3電極27−1と第4電極28−1とは、互いに電気的に分離されており、個別に電圧制御が可能である。
第1電極25−1、第2電極26−1、第3電極27−1、及び第4電極28−1はそれぞれ、任意に位置において配線(図示せず)を用いて液晶パネル20−1の外部に引き出され、偏向角制御部15に電気的に接続される。第1電極25−1、第2電極26−1、第3電極27−1、及び第4電極28−1はそれぞれ、透明電極から構成され、透明電極としては、例えばITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。
液晶パネル20−1と同様に、液晶パネル20−2は、基板21−2、22−2、液晶層23−2、シール材24−2、第1電極25−2、第2電極26−2、第3電極27−2、及び第4電極28−2を備える。また、液晶パネル20−3は、基板21−3、22−3、液晶層23−3、シール材24−3、第1電極25−3、第2電極26−3、第3電極27−3、及び第4電極28−3を備える。
第1電極25−1、第1電極25−2、及び第1電極25−3は、互いにX方向の長さが異なる。第1電極25−2の長さは、第1電極25−1の長さより短く、第1電極25−3の長さは、第1電極25−2の長さより短い。換言すると、第1電極25−1、第1電極25−2、及び第1電極25−3は、一端側(図3の右端)が揃った状態で、この順に短くなるように階段状に形成される。第3電極27−1〜27−3の関係は、第1電極25−1〜25−3の関係と同じである。
第2電極26−1、第2電極26−2、及び第2電極26−3は、互いにX方向の長さが異なる。第2電極26−2の長さは、第2電極26−1の長さより長く、第2電極26−3の長さは、第2電極26−2の長さより長い。換言すると、第2電極26−1、第2電極26−2、及び第2電極26−3は、一端側(図3の左端)が揃った状態で、この順に長くなるように逆階段状に形成される。第4電極28−1〜28−3の関係は、第2電極26−1〜25−3の関係と同じである。
図3に示すような電極構造にすることで、3つの液晶パネル20−1〜20−3が積層された偏向素子12全体で見た場合に、屈折率の勾配を容易に形成することができる。
なお、第1電極25−1〜25−3及び第3電極27−1〜27−3を逆階段状に形成し、第2電極26−1〜26−3及び第4電極28−1〜28−3を階段状に形成してもよい。このような電極構造でも、図3と同じ動作が実現できる。
また、液晶パネル20として、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)方式を用いた透過型液晶パネル(透過型LCOS)を用いてもよい。透過型LCOSを用いることで、電極を微細加工することが可能となり、より小型の液晶パネル20を実現できる。透過型LCOSでは、シリコン基板(又は透明基板上に形成されたシリコン層)が用いられる。シリコン基板は、バンドギャップとの関係で、特定の波長以上の波長を有する光(赤外線を含む)を透過するため、LCOSを透過型液晶パネルとして使用することができる。LCOSを使用することにより、電極のサイズがより小さい液晶パネルとすることができるため、さらに小型化することが可能となる。また、液晶分子の移動度が高いため、レーザ光を高速で走査することが可能となる。
[3] レーザ走査装置10の動作
[3−1] レーザ走査装置10の基本動作
まず、レーザ走査装置10の基本動作について説明する。図4は、レーザ走査装置10の基本動作を説明する概略図である。なお、図4では、レーザ走査装置10は、車両1の前側に設けられ、レーザ走査装置10が車両1の前方を水平方向に走査する態様を一例として示している。
レーザ走査装置10に含まれる光源11及び偏向素子12は、角度θの範囲でレーザ光を送信する。受光素子13は、対象物2によって反射されたレーザ光を検出する。想定する対象物までの距離L、距離Lにおける走査範囲Rとする。例えば、角度θ=10度、距離L=10mである場合は、走査範囲R=1.7mであり、角度θ=10度、距離L=50mである場合は、走査範囲R=8.7mである。角度θ、距離L、及び走査範囲Rは、レーザ走査装置10に求められる仕様に応じて任意に設計可能である。
図5は、レーザ走査装置10によるレーザ光の波形を説明する図である。図5の上側が送信の波形、下側が受信の波形である。図5の横軸が時間であり、図5の縦軸が強度(光強度)である。
光源11は、パルス信号からなるレーザ光を出射する。すなわち、光源11は、時分割でレーザ光を出射する。パルスタイミング制御部14は、光源11の動作を制御し、レーザ光の周期、及びパルス幅を制御する。レーザ走査装置10は、パルス信号としてレーザ光を送信する。
パルス信号の周期P、パルス幅Wとする。1つのパルスを送信してから、このパルスが対象物で反射されたパルスを受信するまでの時間である遅れ量Δ、光の速度Cとする。遅れ量Δは、“Δ=2L/C”で算出される。距離演算部16は、遅れ量Δを用いて、車両1から対象物2までの距離を算出する。
例えば、パルス幅W=10nsec、周期P=10μsec(すなわち、周波数f=100kHz)であるものとする。遅れ量Δ=67nsecの場合、距離L=10mが算出される。このような動作により、対象物が検出でき、また、対象物までの距離が算出できる。
図6は、レーザ走査装置10の走査領域ARを説明する図である。光源11及び偏向素子12を含むレーザ走査装置10は、所定距離(距離L)だけ離れた走査領域ARを走査可能である。図6の丸は、レーザ走査装置10が送信するレーザ光の走査点SP(図5の1つのパルスに相当する)を表している。図6に示すように、レーザ走査装置10がレーザ光を送信する周期は、予め決まっている。1つの走査領域ARに対応する1つのフレームは、所定数の走査点SPによって走査される。走査方向は、例えば、垂直方向(図6の下側)である。すなわち、右から左に向かって、複数の列を垂直方向に順に走査する。そして、時分割で、複数のフレームが順次取得される。主制御部17は、予め決められた動作モードに従って、走査領域ARのサイズ、及び走査方向を設定する。
[3−2] 偏向素子12の動作
次に、偏向素子12の動作について説明する。偏向角制御部15は、偏向素子12を駆動するために、液晶パネル20−1〜20−3に含まれる第1電極25−1〜25−3、第2電極26−1〜26−3、第3電極27−1〜27−3、及び第4電極28−1〜28−3に電圧を印加する。
図7は、第1例に係る偏向素子12の動作を説明する断面図である。第1例は、レーザ光を屈折させない動作である。
偏向角制御部15は、第1電極25、第2電極26、第3電極27、及び第4電極28に0Vを印加する。或いは、偏向角制御部15は、第1電極25、第2電極26、第3電極27、及び第4電極28に所定の共通電圧を印加する。すなわち、液晶層を挟んで対向する2つの電極に印加される電圧が同じであればよい。
偏向素子12は、光源11からレーザ光(赤外線レーザ)を受ける。液晶パネル20−1〜20−3の液晶層の各々において、液晶分子は、概略水平方向に配向している。よって、偏向素子12に屈折率の勾配が生じず、偏向素子12から出射するレーザ光は、ほとんど屈折しない。図7の小さい矢印の長さは、偏向素子12の複数の部分領域におけるレーザ光の位相の様子を模式的に示している。
図8は、第2例に係る偏向素子12の動作を説明する断面図である。第2例は、レーザ光を左側に出射角θ1(>0)で屈折させる動作である。
偏向角制御部15は、液晶パネル20−1〜20−3の各々において、第1電極25と第3電極27との間に実効電圧V1(>0)を印加する。実効電圧V1は、液晶分子が垂直に配向する電圧(液晶の閾値電圧)より低い電圧である。実効電圧V1は、交流電圧である。これにより、第1電極25と第3電極27との間では、液晶分子は、斜め方向に配向する。実効電圧V1の大きさを変えることで、液晶分子の傾きを任意に変えることができる。
また、偏向角制御部15は、第2電極26、及び第4電極28に0Vを印加する。これにより、第2電極26と第4電極28との間では、液晶分子は、概略水平方向に配向する。
ここで、第1電極25−1〜25−3は、階段状に形成され、第1電極25−1〜25−3に対向する第3電極27−1〜27−3も、階段状に形成される。よって、偏向素子12を透過するレーザ光は、図8の左に行くにつれて、位相が遅れている。すなわち、レーザ光が、概略水平方向に配向した液晶分子を含む液晶層を多く透過するほど、その位相が遅れる。
図8では、位相を表す矢印が長くなるにつれて、レーザ光の位相が進んでいる様子を示している。換言すると、偏向素子12には、図8の右から左に向かって屈折率が徐々に大きくなるように、屈折率の勾配が形成される。これにより、偏向素子12から出射するレーザ光は、出射角θ1で左側に屈折する。出射角は、偏向素子12の基板に垂直な方向に対する角度である。
図9は、第3例に係る偏向素子12の動作を説明する断面図である。第3例は、レーザ光を左側に出射角θ2(>θ1)で屈折させる動作である。
偏向角制御部15は、液晶パネル20−1〜20−3の各々において、第1電極25と第3電極27との間に実効電圧V2(>V1)を印加する。実効電圧V2は、液晶分子を垂直に配向させることが可能な電圧であり、液晶の閾値電圧以上の電圧である。実効電圧V2は、交流電圧である。これにより、第1電極25と第3電極27との間では、液晶分子は、概略垂直方向に配向する。
また、偏向角制御部15は、第2電極26、及び第4電極28に0Vを印加する。これにより、第2電極26と第4電極28との間では、液晶分子は、概略水平方向に配向する。
偏向素子12を透過するレーザ光は、図9の左に行くにつれて、位相が遅れている。また、図9は、図8に比べて、屈折率の勾配が大きい。これにより、偏向素子12から出射するレーザ光は、出射角θ2(>θ1)で左側に屈折する。
図10は、第4例に係る偏向素子12の動作を説明する断面図である。第4例は、レーザ光を右側に出射角θ1(>0)で屈折させる動作である。
偏向角制御部15は、液晶パネル20−1〜20−3の各々において、第2電極26と第4電極28との間に実効電圧V1(>0)を印加する。実効電圧V1は、液晶分子が垂直に配向する電圧より低い電圧である。これにより、第2電極26と第4電極28との間では、液晶分子は、斜め方向に配向する。
また、偏向角制御部15は、第1電極25、及び第3電極27に0Vを印加する。これにより、第1電極25と第3電極27との間では、液晶分子は、概略水平方向に配向する。
ここで、第2電極26−1〜26−3は、逆階段状に形成され、第2電極26−1〜26−3に対向する第4電極28−1〜28−3も、逆階段状に形成される。よって、偏向素子12を透過するレーザ光は、図10の右に行くにつれて、位相が遅れている。換言すると、偏向素子12には、図10の左から右に向かって屈折率が徐々に大きくなるように、屈折率の勾配が形成される。これにより、偏向素子12から出射するレーザ光は、出射角θ1で右側に屈折する。
図11は、第5例に係る偏向素子12の動作を説明する断面図である。第5例は、レーザ光を右側に出射角θ2(>θ1)で屈折させる動作である。
偏向角制御部15は、液晶パネル20−1〜20−3の各々において、第2電極26と第4電極28との間に実効電圧V2(>V1)を印加する。実効電圧V2は、液晶分子を垂直に配向させることが可能な電圧であり、液晶の閾値電圧以上の電圧である。これにより、第2電極26と第4電極28との間では、液晶分子は、概略垂直方向に配向する。
また、偏向角制御部15は、第1電極25、及び第3電極27に0Vを印加する。これにより、第1電極25と第3電極27との間では、液晶分子は、概略水平方向に配向する。
偏向素子12を透過するレーザ光は、図11の右に行くにつれて、位相が遅れている。また、図11は、図10に比べて、屈折率の勾配が大きい。これにより、偏向素子12から出射するレーザ光は、出射角θ2(>θ1)で左側に屈折する。
なお、液晶パネル20に印加する実効電圧を、0V以上かつ実効電圧V2以下の範囲で変化させることで、出射角を、0度(基板に垂直な方向)以上かつ角度θ2以下の範囲で変化させることができる。すなわち、偏向素子12は、出射角θ2の2倍の走査角で、レーザ光を走査することができる。
基板に垂直な方向から一方側、例えば左側のみに走査する場合は、第1電極25−1〜25−3、及び第3電極27−1〜27−3のみ備えていればよく、第3電極26−1〜26−3、及び第4電極28−1〜28−3は特に設ける必要はない。同様に、垂直方向に対して右側のみに走査する場合は、第3電極26−1〜26−3、及び第4電極28−1〜28−3のみ備えていればよく、第1電極25−1〜25−3、及び第3電極27−1〜27−3は特に設ける必要はない。
図7乃至図11は、レーザ光を1次元(X方向)に走査する構成及び動作を示している。レーザ光を2次元(X方向及びY方向)に走査する場合は、X方向に走査する第1偏向素子に加えて、Y方向に沿って階段状及び逆階段状に形成された複数の電極を備えた第2偏向素子をもう一セット用意し、第1偏向素子と第2偏向素子と積層する。すなわち、第2偏向素子は、第1偏向素子を90度回転させた構成を有する。そして、レーザ光をX方向に屈折させる場合には、第1偏向素子を使用し、レーザ光をY方向に屈折させる場合は、第2偏向素子を使用し、X方向に対して斜め方向に屈折させる場合は、第1偏向素子及び第2偏向素子を使用する。このような偏向素子を用いることで、レーザ光を2次元に走査することができる。
[4] 効果
以上詳述したように本実施形態では、レーザ走査装置10は、レーザ光を発光する光源11と、積層された液晶パネル20−1、20−2を含み、光源11からのレーザ光を屈折させる偏向素子12とを備える。液晶パネル20−1は、基板21−1、22−1と、基板21−1、22−1にそれぞれ設けられかつ互いに対向する電極25−1、27−1と、基板21−1、22−1間に充填された液晶層23−1とを含む。液晶パネル20−2は、基板21−2、22−2と、基板21−2、22−2にそれぞれ設けられかつ互いに対向する電極25−2、27−2と、基板21−2、22−2間に充填された液晶層23−2とを含む。レーザ光を走査する第1方向において、電極25−1は、電極25−2より長い。そして、レーザ光を屈折させる場合に、偏向角制御部15は、電極25−1、及び電極25−2に同じ実効電圧を印加するようにしている。
従って本実施形態によれば、偏向素子12に屈折率の勾配を形成することができる。これにより、偏向素子12に入射したレーザ光を所望の出射角で出射させることができる。
また、複数の実効電圧を用意し、このうちの1つの実効電圧を複数の液晶パネルに同時に印加することで、レーザ光を所望の出射角で出射させることができる。ひいては、簡単な電圧制御で、レーザ光を屈折させることができる。
また、最適な数の液晶パネルを積層して偏向素子12を構成することで、偏向素子12に形成される屈折率の勾配をより大きくすることができる。これにより、大きな出射角(屈折角)でレーザ光を屈折させることが可能なレーザ走査装置を実現できる。
また、本実施形態のレーザ走査装置10は、機械的な構成部品がなく、かつ機械的な可動部がないため、信頼性を向上できる。さらに、レーザ走査装置10は、小型化が可能である。
なお、積層する液晶パネル20の数は、2個以上であればよいが、偏向素子12に形成される屈折率の勾配をより滑らかにするという観点からは、液晶パネル20の数は、3個以上が望ましい。一方で、液晶パネル20の数が多くなると、偏向素子12の厚さが厚くなる。よって、偏向素子12を構成する液晶パネル20の数は、屈折率の勾配の滑らかさと、偏向素子12の厚さとを勘案しつつ、求められる仕様に応じて最適に設定される。
上記実施形態では、レーザ走査装置が扱うレーザ光として赤外線レーザを用いている。しかし、これに限定されず、本実施形態にかかるレーザ走査装置は、赤外線以外の光にも適用可能である。
上記実施形態では、車両に搭載されるレーザ走査装置について説明している。しかし、これに限定されず、レーザ光を走査する機能を有する様々な電子機器に適用できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…レーザ走査装置、11…光源、12…偏向素子、13…受光素子、14…パルスタイミング制御部、15…偏向角制御部、16…距離演算部、17…主制御部、20…液晶パネル、21,22…基板、23…液晶層、24…シール材、25〜28…電極

Claims (8)

  1. レーザ光を発光する光源と、
    積層された第1及び第2液晶パネルを含み、前記光源からのレーザ光を屈折させる偏向素子と
    を具備し、
    前記第1液晶パネルは、
    第1及び第2基板と、
    前記第1基板に設けられ、第1方向に延びる第1電極と、
    前記第2基板に設けられ、前記第1電極に対向し、前記第1電極と同じサイズを有する第2電極と、
    前記第1及び第2基板間に充填された第1液晶層とを含み、
    前記第2液晶パネルは、
    第3及び第4基板と、
    前記第3基板に設けられ、前記第1方向に延びる第3電極と、
    前記第4基板に設けられ、前記第3電極に対向し、前記第3電極と同じサイズを有する第4電極と、
    前記第3及び第4基板間に充填された第2液晶層とを含み、
    前記第3電極は、平面視において前記第1電極に重なり、
    前記第1方向に直交する第2方向において、前記第1電極は、前記第3電極より長い
    レーザ走査装置。
  2. 前記第1電極及び前記第3電極は、階段状に形成される
    請求項1に記載のレーザ走査装置。
  3. 前記第1電極及び前記第3電極にそれぞれ第1電圧を印加する制御部をさらに具備する
    請求項1又は2に記載のレーザ走査装置。
  4. 前記第1液晶パネルは、
    前記第1基板に設けられ、前記第1方向に延びる第5電極と、
    前記第2基板に設けられ、前記第5電極に対向し、前記第5電極と同じサイズを有する第6電極とをさらに含み、
    前記第2液晶パネルは、
    前記第3基板に設けられ、前記第1方向に延びる第7電極と、
    前記第4基板に設けられ、前記第7電極に対向し、前記第7電極と同じサイズを有する第8電極とをさらに含み、
    前記第7電極は、平面視において前記第5電極に重なり、
    前記第2方向において、前記第5電極は、前記第7電極より短い
    請求項1又は2に記載のレーザ走査装置。
  5. 前記5電極及び前記7電極は、逆階段状に形成される
    請求項4に記載のレーザ走査装置。
  6. 第1動作において、前記第1電極及び前記第3電極にそれぞれ第1電圧を印加し、前記5電極及び前記第7電極にそれぞれ第2電圧を印加し、
    第2動作において、前記第1電極及び前記第3電極にそれぞれ前記第2電圧を印加し、前記5電極及び前記第7電極にそれぞれ前記第1電圧を印加する
    制御部をさらに具備する
    請求項4又は5に記載のレーザ走査装置。
  7. 前記偏向素子から出射されたレーザ光が対象物によって反射されたレーザ光を検知する受光素子をさらに具備する
    請求項1乃至6のいずれかに記載のレーザ走査装置。
  8. 前記第1及び第2液晶パネルの各々は、ホモジニアスモード、VA(Vertical Alignment)モード、又はTN(Twisted Nematic)モードで構成される
    請求項1乃至7のいずれかに記載のレーザ走査装置。
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