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JP6954259B2 - 白板紙及び塗工白板紙 - Google Patents
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JP6954259B2 - 白板紙及び塗工白板紙 - Google Patents

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Description

本発明は白板紙に関する。さらに詳しくは、剛度と平滑性に優れた多層抄きの白板紙に関する。
表層、中層、裏層を有する多層抄紙で構成される白板紙は、各層が各々独立して紙層形成され、抄き合わされている。白板紙には、表層の表面又は表層及び裏層の双方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工タイプと、顔料塗工層が設けられていない非塗工タイプがある。
白板紙は、一般に、紙器用(箱、ブリスターパック等)、紙製品用(見本帳台紙、アルバム等)、出版用(雑誌、本等)、商業印刷用(カタログ、パンフレット等)等に使用されている。
白板紙には、印刷適性、特にオフセット印刷の適性が求められる。印刷適性を得るためには、塗工タイプと非塗工タイプの何れにおいても、表層の平滑性を高めることが重要である。
白板紙には、また、ある程度の嵩高さも求められる。そこで特許文献1では、特定のエステル化合物を含有させることにより、嵩高く、かつ平滑な塗工タイプの白板紙を得ることが提案されている(特許文献1)。
特許第3041300号公報
白板紙を包装容器等の用途に使用する場合は、印刷適性に加えて、高い剛性も求められる。剛性を高くするためには、坪量を大きくし、厚さを増すことが考えられる。剛度は、厚さの3乗に比例するからである。
特許文献1では、嵩高さと平滑性の両立が図られているが、得られる白板紙の坪量は、350g/mに満たない。さらなる剛性を得るためには、500g/m以上の坪量として厚さを確保することが求められる。
しかし、坪量をさらに大きくした場合、表層の平滑性を確保することが一層困難となり、印刷適性を確保しがたくなる。
そこで、500g/m以上の坪量とした白板紙の場合、カレンダー処理して、表層を平滑化することが行われている。ところが、カレンダー処理を行うと厚さが減少してしまうため、坪量を大きくしたにもかかわらず、高い剛性が得られないことになる。
そのため、カレンダー処理後も充分な厚さとなるよう、さらに、坪量を大きくしなければならない。
しかし、徒に坪量を増すと、原料増に基づくコスト高を招くばかりでなく、ワイヤーの脱水負荷が高くなるため、地合の調整が難しく損紙が増える等の弊害も生じる。
上記事情に鑑みて、本発明は、徒に高坪量とすることなく、高い剛度と表面平滑性を備えた、白板紙を得ることを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]多層抄きされた白板紙であって、表層と一層以上の中層と裏層を有し、
白板紙全体の坪量が500〜570g/m、密度が0.80g/m以下であり、
前記中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/mであり、かつ、地合指数が5.0(o.d.)以下であることを特徴とする白板紙。
[2]前記表層と前記裏層の何れにも接しない中層が、付け量が50〜100g/mであり、かつ、前記地合指数が5.0(o.d.)以下である、[1]に記載の白板紙。
[3]少なくとも前記表層と接する中層は、付け量が50〜100g/mであり、かつ、前記地合指数が5.5(o.d.)以下である、[1]又は[2]に記載の白板紙。
[4]前記中層は、総ての層が、付け量が50〜150g/mであり、かつ、前記地合指数が6.5(o.d.)以下である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の白板紙。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた、塗工白板紙。
本発明は、坪量の大きな白板紙において、脱水負荷といった操業性から一定の範囲に固定されていた中層の付け量、及び画像解析の手法によって実測した中層の地合指数が、白板紙表面のボコツキと相関することを見いだして成されたものである。
本発明の白板紙は、高い剛度を備えると共に、印刷適性に必要な表面平滑性に優れる。
[白板紙]
本発明における白板紙は、表層、中層、裏層が積層された多層抄紙である。表層とは、多層抄きの基紙において、最も表側に配置される層であり、裏層は最も裏側(表層と反対側)に配置される層であり、中層とは、表層と裏層との間に配置される層である。中層は通常複数層で形成される。表層に接する中層は、他の中層よりも品質の高い紙料を用いた表下層としてもよい。また、裏層に接する中層は、他の中層よりも品質の高い紙料を用いた裏下層としてもよい。
本発明の白板紙全体の坪量は500〜570g/mであり、520〜570g/mであることが好ましく、550〜565g/mであることがより好ましい。白板紙全体の坪量が500g/m以上であれば、充分な剛度を得ることが可能な厚さを確保できる。また、570g/m以下であれば、原料増に基づくコスト高を避け、かつワイヤーの脱水負荷も過大とならない。
なお、白板紙全体の坪量とは、表層、中層及び裏層を合わせた単位面積あたりの合計重量である。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の坪量は、顔料塗工層の重量を含まない。
また、本発明の白板紙全体の密度は0.80g/m以下であり、0.75〜0.80g/mであることが好ましく、0.77〜0.79g/mであることがより好ましい。
密度が0.80g/m以下ということは、高い圧力でのカレンダー処理を施されていないことを意味する。
カレンダー処理は、カレンダー線圧を30kN/m以下で行うことが好ましく、20kN/m以下で行うことがより好ましい。一方、カレンダー線圧を5kN/m以上で行うことが好ましい。また、本発明の効果を損なわない限り、カレンダー処理を行わないことが好ましい。
高い圧力でのカレンダー処理を施されておらず、低密度であることにより、白板紙全体の坪量が570g/m以下であっても、充分な剛度を得ることが可能な厚さを確保できる。
なお、白板紙全体の密度とは、表層、中層及び裏層を合わせた単位体積当たりの重量である。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の密度は、顔料塗工層の密度に依存しない。
また、本発明の白板紙全体の厚さは、65〜75μmであることが好ましく、68〜73μmであることがより好ましく、70〜71μmであることがさらに好ましい。
なお、白板紙全体の厚さとは、表層、中層及び裏層を合わせた厚さである。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の厚さは、顔料塗工層の厚さを含まない。
また、本発明の白板紙全体の剛度(縦方向)は、60〜70mN・mであることが好ましく、62〜68mN・mであることがより好ましく、63〜65mN・mであることがさらに好ましい。
白板紙全体の剛度が60mN・m以上であれば、包装容器としてのハンドリング性を向上できる。
白板紙全体の厚さを大きくするほど、白板紙全体の剛度を大きくしやすい。また、高坪量にするほど、白板紙全体の剛度を大きくしやすい。
なお、白板紙全体の剛度とは、表層、中層及び裏層を積層した状態で得られる剛度である。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の剛度は、顔料塗工層を設ける前の剛度である。
また、本発明の白板紙の表層表面の王研式平滑度は、150〜500秒であることが好ましく、200〜400秒であることがより好ましく、210〜300秒であることがさらに好ましい。
白板紙の表層表面の王研式平滑度が150秒以上であれば、充分な印刷適性を得やすい。また、表層の表面に顔料塗工層を設けた塗工白板紙においても、充分な印刷適性を得やすい。
また、本発明の白板紙の表層表面の以下の方法で求められるボコツキ指数は、1.50〜2.20μmであることが好ましく、1.7〜2.2μmであることがより好ましく、2.0〜2.2μmであることがさらに好ましい。
白板紙の表層表面のボコツキ指数が2.2μm以下であれば、充分な印刷適性を得やすい。また、表層の表面に顔料塗工層を設けた塗工白板紙においても、充分な印刷適性を得やすい。
(ボコツキ指数)
白板紙における表層の表面凹凸を3D画像にて取得し、取得した3D画像を周波数解析して、2〜10mm周期の凹凸変動成分の標準偏差をボコツキ指数とする。
王研式平滑度は、測定ヘッドと試験片の空隙から空気が漏れる時間で平滑性を表す。試験の際、試験片と測定リングに一定圧力をかけて押し付けるため、圧力がかかった状態での評価となる。
これに対して、ボコツキ指数は、非接触で光学的に取得した3D画像の高さを数値化して表面の凹凸を表すので、圧力をかけない状態での評価となる。そのため、印刷時の状況に、より近い状態で表面平滑性を評価することができる。
また、王研法ではミクロな粗さからマクロな粗さまですべてを評価対象としているのに対し、ボコツキ指数では測定領域の限定が可能である。本発明では、印刷適性に影響を与えやすいと考えられる2〜10mm周期の凹凸変動成分を評価対象とした。
具体的なボコツキ指数の求め方は実施例において詳述する。
本発明における白板紙は、古紙パルプを含むパルプを主成分とする。
古紙パルプとは、古紙を再生して得られるパルプである。
古紙としては、例えば、上白・罫白など、一度使用されているが印刷部分の少ない紙、カード・模造・色上・ケント・白アートなどの印刷物や色づけされ一度は使用された紙類、印刷用塗工紙、飲料用パック、オフィス用紙等使用済みの上質系古紙、さらに切符類・中質反古・ケントマニラ等の事業系中質古紙、新聞・雑誌・雑紙等の一般中質古紙、切茶・無地茶・雑袋・段ボール等の茶系古紙等が挙げられる。機密性を有するオフィス用紙や切符等の古紙はシュレッダー処理物であってもよい。
古紙パルプは、古紙を離解処理した離解パルプ、離解処理及び脱墨処理を行った未晒脱墨パルプ、脱墨処理後、漂白処理を行った晒脱墨パルプ等を、適宜使用できる。
古紙パルプではない、いわゆるバージンパルプとしては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、グランドパルプ(GP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、ストーングランドパルプ(SGP)等の機械パルプが挙げられる。
古紙パルプの配合割合は、各層ごとに各層の役割に応じて適宜調整することができる。また、各層に用いる古紙パルプの種類も、各層ごとに、各層の役割に応じて適宜選択することができる。
いずれの層においても、2種以上の古紙パルプを混合して使用してもよい。また、バージンパルプを使用する場合は、2種以上のバージンパルプを混合して使用してもよい。また、バージンパルプと古紙パルプを混合して使用してもよい。
以下、各層における通常のパルプ組成等について説明するが、本発明は、下記の通常のパルプ組成等に限定されるものではない。
表層には、通常白色度の高いパルプが使用される。例えば、上記のバージンパルプや古紙の脱墨パルプを主として使用することができる。古紙としては、上白・カード、特白・中白・白マニラ、模造・色上等の白色度の高い古紙が好ましく使用できる。
表層の付け量は、70〜150g/mとすることが好ましく、80〜100g/mとすることがより好ましい。なお、付け量とは、各層の紙料の単位面積あたりの重量である。
表層の付け量が好ましい下限値以上であれば、中層の黒っぽさを充分に隠蔽することができる。また、表層の付け量が好ましい上限値以下であれば、原料増に基づくコスト高、ワイヤーの脱水負荷を効果的に抑えることができる。
裏層には、表層程の白色度は求められないが、人の目に触れるため、通常、中層よりも白色度の高いパルプが使用される。オフィス用紙等のシュレッダー処理物由来のパルプを含ませてもよい。オフィス用紙等のシュレッダー処理物を離解処理したパルプは、脱墨、漂白処理を行わなくても白色度が比較的高いので、裏層に配合することが好ましい。オフィス用紙等のシュレッダー処理物を離解処理したパルプは、白色度を高めることができるが、その形状上、離解処理の際に水に馴染み難いため、多量に配合しにくい。そのため、裏層のパルプあたり、3〜40質量%、好ましくは3〜30質量%で使用することが好ましい。
裏層の付け量は、30〜80g/mとすることが好ましく、40〜50g/mとすることがより好ましい。
裏層の付け量が好ましい下限値以上であれば、中層の着色異物を充分に隠蔽することができる。また、裏層の付け量が好ましい上限値以下であれば、原料増に基づくコスト高、ワイヤーの脱水負荷を効果的に抑えることができる。
中層は通常複数の層から構成される。中層の各層を構成するパルプは、総て同じであってもよいし、異なっていてもよい。
中層は、表層と裏層の間に挟まれる層であるため、通常は、表層や裏層よりも低級なパルプが使用されるのが一般的である。例えば、新聞、雑誌、切符、中質反古、茶模造、段ボール、台紙、地券、ボール、等の離解パルプが挙げられる。
中層の内、表層に接する中層を表下層として、他の中層のパルプよりも、白色度が高いパルプを使用する場合、表下層には、上記表層に使用されるパルプを使用してもよいが、通常は、表層と比較して低級な古紙、即ち中質繊維を多く含んだ古紙が使用される。例えば、新聞、雑誌、色上、ボール等の脱墨古紙パルプが使用されるのが一般的である。
また、中層の内、裏層に接する中層を裏下層として、他の中層のパルプよりも、白色度が高いパルプを使用する場合、裏下層には、裏層に使用されるパルプを使用してもよいが、通常は、裏層と比較して低級な古紙、即ち中質繊維を多く含んだ古紙が使用される。
例えば、新聞、雑誌、色上、ボール等の脱墨古紙パルプが使用されるのが一般的である。
中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/mである。中層の内少なくとも一層の付け量は、60〜80g/mとすることが好ましく、65〜70g/mとすることがより好ましい。付け量を100g/m以下とした中層は地合が良好となりやすい。
中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/mであると共に、以下の方法で求められる地合指数が5.0(o.d.)以下である。
(地合指数)
一層毎に剥離した各層の透過画像をフラットスキャナーにて取得し、取得した透過画像を周波数解析して、2〜10mm周期の光学濃度変動成分の標準偏差を地合指数とする。
なお、2〜10mm周期の光学濃度変動成分に基づいて地合指数を求めるのは、見た目で地合が悪いと感じるフロックサイズが2〜10mmであったためである。
具体的な地合指数の求め方は実施例において詳述する。
地合指数は値が小さいほど地合が良好であることを示す。すなわち、地合指数は、小さければ小さい程良いが、ゼロとすることは困難であり、製造効率等を考慮すれば、ある程度の値以上とならざるを得ない。
地合指数を低下させるためには、付け量を小さくして抄紙時の持ち込み水分量を少なくすることが好ましい。
また、インレットの濃度は低い方が好ましい。中層を形成するためのインレット濃度は、0.1〜1.0質量%であることが好ましく、0.5〜0.8質量%であることがより好ましい。
また、抄紙速度は遅い方が好ましい。抄紙速度は150〜200m/分であることが好ましく、160〜180m/分であることがより好ましい。
また、硫酸バンド、酸性ロジンサイズ剤、PAM系歩留向上剤等の内添薬品の配合量を調節することによって、地合指数を調整することもできる。硫酸バンドは、パルプ100質量部に対して固形分で0.2〜5.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましい。酸性ロジンサイズ剤は0.05〜3.0質量部が好ましく、0.5〜1.0質量部であることがより好ましい。カチオン化でん粉は0.2〜3.0質量部が好ましく、0.5〜1.0質量部であることがより好ましい。PAM系歩留向上剤は、10〜1000ppmが好ましく、100〜500ppmであることがより好ましい。
中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/mであると共に、地合指数が1.0〜5.0(o.d.)であることが好ましく、4.0〜5.0(o.d.)であることがより好ましい。
地合が良好な中層が存在すると、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が良好となりやすい。
中層の中でも、特に表層と裏層の何れにも接しない中層(以下「中間層」という。)が、付け量が50〜100g/mであり、地合指数が5.0(o.d.)以下であることが好ましい。
中間層の付け量は、60〜80g/mとすることが好ましく、65〜70g/mとすることがより好ましい。
また、中間層は、付け量が50〜100g/m、又は上記好ましい範囲であると共に、地合指数が1.0〜5.0(o.d.)であることが好ましく、4.0〜5.0(o.d.)であることがより好ましい。
中層の中でも、特に中間層の地合が良好であると、白板紙の厚さ方向中央付近の平滑性が得られるので、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が一層良好となりやすいと考えられる。
中間層の地合は、中層の中でも付け量を比較的少ない範囲とすることによって調整することが好ましい。
中層の中でも、特に表層に接する中層は、付け量が50〜100g/mであり、地合指数が5.5(o.d.)以下であることが好ましい。
表層に接する中層の付け量は、60〜90g/mとすることが好ましく、70〜90g/mとすることがより好ましく、80〜85g/mとすることがさらに好ましい。
また、表層に接する中層は、付け量が50〜100g/m、又は上記好ましい範囲であると共に、地合指数が1.0〜5.5(o.d.)であることが好ましく、4.0〜5.5(o.d.)であることがより好ましい。
中層の中でも、特に表層に接する中層の地合が良好であると、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が一層良好となりやすい。
また、総ての中層は、付け量が50〜150g/mであり、かつ、前記地合指数が6.5(o.d.)以下であることが好ましい。
総ての中層は、付け量が50〜110g/mであり、かつ、前記地合指数が6.4(o.d.)以下であることがより好ましい。
総ての中層の地合が一定のレベルに達していれば、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が一層良好となりやすい。
中層の合計付け量は、白板紙全体の坪量が500〜570g/mとなるために必要な量とする。
中層の層数と中層各層の付け量は、上記中層の合計付け量が、白板紙全体の坪量が500〜570g/mとなるために必要な量となるように決められる。
中層の層数は、3〜10層であることが好ましく、6〜8層であることがより好ましい。
なお、表層と裏層には、上述のように、通常上質の紙料が使用されるため、地合についても良好となりやすい。
表層の地合指数は、0.5〜3.0(o.d.)であることが好ましく、1.0〜2.0(o.d.)であることがより好ましい。
裏層の地合指数は、0.5〜5.0(o.d.)であることが好ましく、2.0〜3.0(o.d.)であることがより好ましい。
上記、表層から裏層に至る各層に使用されるパルプスラリー組成物には、必要に応じて、適宜、紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、発泡性マイクロカプセル、サイズ剤、染料、歩留向上剤、填料、pH調整剤、スライムコントロール剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、防腐剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、マイクロカプセル、発泡剤、界面活性剤、電磁シールド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤等を選択し配合することができる。これらは複数種併用することもできる。
本発明の白板紙を製造するためには、多層抄きができれば、特に限定されるものでなく、例えばトップワイヤー等を含む長網マシン、短網マシン、円網マシン及びこれらの2以上を併用したマシン等が使用できる。
抄き合わせに用いる接着剤としては、澱粉、PVA、ラテックス、セルロース誘導体等を使用できる。
インレット濃度と抄紙速度は、各層の地合が充分なものとなるように調整する。
抄紙時のプレス圧と抄紙後のカレンダー線圧は、白板紙全体の密度が0.8g/m以下となるように調整することができる。
カレンダー装置としては、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー、あるいはヤンキードライヤー等を使用できる。
[塗工白板紙]
本発明の塗工白板紙は、本発明の白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられたものである。顔料塗工層が一方の表面にのみ設けられる場合は、表層の表面に設けられることが好ましい。
顔料塗工層は、少なくとも一方の表面に顔料塗工液を塗布することにより形成される。顔料塗工液は、顔料とバインダーを含む。
顔料塗工液に使用する顔料としては、焼成クレー、構造化カオリン及びデラミネーテッドクレー等の通常のクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サチンホワイト、タルク、プラスチックピグメント等の一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用の顔料の1種以上を適宜使用できる。
バインダーとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル酸系重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシ基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性あるいは非アルカリ溶解性の重合体ラテックス、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白類、ポリビニルアルコール、オレフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、カチオン澱粉、酸化澱粉、熱化学変性澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等があげられ、単独、あるいは二種以上混合して使用される。なお、バインダーの使用量としては、顔料100質量部に対して5〜40質量部程度である。
顔料塗工液には、必要に応じて、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、染料、耐水化剤、流動変性剤、着色顔料等を適宜添加することもできる。
顔料塗工層については、表層上では一般に下塗り層、上塗り層の2層が形成されるが、下塗り層については乾燥重量で5〜15g/m、上塗り層については乾燥重量で3〜15g/mで、かつ下塗り、上塗りの塗工量の合計が乾燥重量で8〜25g/mの範囲とされることが望ましい。
顔料塗工層を形成する塗工装置としては特に限定されるものではなく、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター及びゲートロールコーター、サイズプレス等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等が適宜組み合わせて使用されるが、下塗り層形成にはロッドコーター、上塗り層形成にはブレードコーターが好ましく使用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、%は特に断りのない限り質量%であり、部は特に断りのない限り質量部である。
[紙料]
下記に示す配合(何れも固形分量)で各層の紙料を調製した。
(1層目:表層)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)(フリーネス350mL):100部
内添填料(炭カル):15部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
(2層目:表下層である中層)
脱墨古紙パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
(3〜5層目:中間層である中層)
未脱墨古紙パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
(6層目:裏下層である中層)
脱墨古紙パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
(7層目:裏層)
脱墨古紙パルプと広葉樹晒クラフトパルプの質量比50:50の混合パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
[白板紙の作成]
上記各層の紙料を用いた7層を各々表1に記載の付け量となるように抄き合わせ、各実施例、比較例の白板紙を作成した。各層の接着には、層間澱粉を用いた。
抄紙には、抄紙機を用い、抄き合わせ後にマシンカレンダーで処理した。各実施例、比較例の抄紙条件は表1の記載の通りである。
[測定方法]
各実施例、比較例の地合指数、付け量、坪量、厚さ、密度、剛度(縦方向)、王権式平滑度、ボコツキ指数は以下のようにして求めた。
各々の測定結果を表1に示す。
(地合指数)
各実施例、比較例の白板紙を一層毎に剥離し、各層についてフラットスキャナーにて透過画像(グレースケール)を取得した。
層の剥離は、40℃の1%アミラーゼ溶液に30分間含浸させて層を分割しておこなった。
フラットスキャナーとしては、EPSON Scan(Ver.3.04J)を用い、画像サイズ10cm×10cm、解像度0.1mmの条件でスキャンした。
得られた透過画像において、紙の濃淡は、光が透過しない箇所(繊維が集合して密度が高くなっているところ)が黒、透過する箇所が白として表される。
この画像を256階調のグレースケールに数値化し、周波数解析(パワースペクトルを取得し、0.1mm以上の周期的な成分をスペクトル強度として出力)により、対象とする2〜10mmの周期的な成分について、パワースペクトルを抽出し、白黒レベルの標準偏差を地合指数とした。
(付け量、坪量)
付け量については、地合指数測定のために剥離した各層を対象として、坪量は、得られた白板紙を対象として、JIS P8124により求めた。
(密度)
白板紙全体の密度は、JIS P8118により求めた。
(厚さ)
白板紙全体の厚さは、白板紙全体の坪量を白板紙全体の密度でわることにより求めた。
(剛度)
白板紙全体の剛度(縦方向)は、JIS P8125により求めた。
(王研式平滑度)
白板紙の表層表面の王研式平滑度は、JIS P8155により求めた。
(ボコツキ指数)
各実施例、比較例の白板紙における表層の表面凹凸を非接触で測定し、3D画像(グレースケール)を取得した。3D画像の取得には、ワンショット3D測定マクロスコープVR3200(キーエンス社)を用いた。
得られた3D画像において、表面凹凸は凹の箇所が黒、凸の箇所が白として表される。
この画像を256階調のグレースケールに数値化し、周波数解析(パワースペクトルを取得し、0.1mm以上の周期的な成分をスペクトル強度として出力)により、対象とする2〜10mmの周期的な成分について、パワースペクトルを抽出し、白黒レベルの標準偏差をボコツキ指数とした。
Figure 0006954259
表1に示すように、3層目の付け量が50〜100g/mであり、かつ、地合指数が5.0(o.d.)以下である実施例の白板紙は、ボコツキ指数が低かった。また、坪量が比較的小さいにもかかわらず、充分な剛度が得られた。
これに対して、地合指数が5.0(o.d.)以下の中層が存在しない比較例1では、王研式平滑度は低かったものの、印刷適性の評価に適したボコツキ指数は高かった。
また、高い線圧でカレンダー処理を施し、密度を高くした比較例2では、平滑性は良好であったものの、高い坪量を有するにもかかわらず、坪量に応じた充分な剛度が得られなかった。

Claims (5)

  1. 多層抄きされた白板紙であって、表層と一層以上の中層と裏層を有し、
    白板紙全体の坪量が500〜570g/m、密度が0.80g/m以下であり、
    前記中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/mであり、かつ、地合指数が5.0(o.d.)以下であることを特徴とする白板紙。
  2. 前記表層と前記裏層の何れにも接しない中層が、付け量が50〜100g/mであり、かつ、前記地合指数が5.0(o.d.)以下である、請求項1に記載の白板紙。
  3. 少なくとも前記表層と接する中層は、付け量が50〜100g/mであり、かつ、前記地合指数が5.5(o.d.)以下である、請求項1又は2に記載の白板紙。
  4. 前記中層は、総ての層が、付け量が50〜150g/mであり、かつ、前記地合指数が6.5(o.d.)以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の白板紙。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた、塗工白板紙。
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