JP6954259B2 - 白板紙及び塗工白板紙 - Google Patents
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Description
白板紙は、一般に、紙器用(箱、ブリスターパック等)、紙製品用(見本帳台紙、アルバム等)、出版用(雑誌、本等)、商業印刷用(カタログ、パンフレット等)等に使用されている。
白板紙には、また、ある程度の嵩高さも求められる。そこで特許文献1では、特定のエステル化合物を含有させることにより、嵩高く、かつ平滑な塗工タイプの白板紙を得ることが提案されている(特許文献1)。
特許文献1では、嵩高さと平滑性の両立が図られているが、得られる白板紙の坪量は、350g/m2に満たない。さらなる剛性を得るためには、500g/m2以上の坪量として厚さを確保することが求められる。
しかし、坪量をさらに大きくした場合、表層の平滑性を確保することが一層困難となり、印刷適性を確保しがたくなる。
そのため、カレンダー処理後も充分な厚さとなるよう、さらに、坪量を大きくしなければならない。
しかし、徒に坪量を増すと、原料増に基づくコスト高を招くばかりでなく、ワイヤーの脱水負荷が高くなるため、地合の調整が難しく損紙が増える等の弊害も生じる。
上記事情に鑑みて、本発明は、徒に高坪量とすることなく、高い剛度と表面平滑性を備えた、白板紙を得ることを課題とする。
[1]多層抄きされた白板紙であって、表層と一層以上の中層と裏層を有し、
白板紙全体の坪量が500〜570g/m2、密度が0.80g/m3以下であり、
前記中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/m2であり、かつ、地合指数が5.0(o.d.)以下であることを特徴とする白板紙。
[2]前記表層と前記裏層の何れにも接しない中層が、付け量が50〜100g/m2であり、かつ、前記地合指数が5.0(o.d.)以下である、[1]に記載の白板紙。
[3]少なくとも前記表層と接する中層は、付け量が50〜100g/m2であり、かつ、前記地合指数が5.5(o.d.)以下である、[1]又は[2]に記載の白板紙。
[4]前記中層は、総ての層が、付け量が50〜150g/m2であり、かつ、前記地合指数が6.5(o.d.)以下である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の白板紙。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた、塗工白板紙。
本発明の白板紙は、高い剛度を備えると共に、印刷適性に必要な表面平滑性に優れる。
本発明における白板紙は、表層、中層、裏層が積層された多層抄紙である。表層とは、多層抄きの基紙において、最も表側に配置される層であり、裏層は最も裏側(表層と反対側)に配置される層であり、中層とは、表層と裏層との間に配置される層である。中層は通常複数層で形成される。表層に接する中層は、他の中層よりも品質の高い紙料を用いた表下層としてもよい。また、裏層に接する中層は、他の中層よりも品質の高い紙料を用いた裏下層としてもよい。
なお、白板紙全体の坪量とは、表層、中層及び裏層を合わせた単位面積あたりの合計重量である。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の坪量は、顔料塗工層の重量を含まない。
密度が0.80g/m3以下ということは、高い圧力でのカレンダー処理を施されていないことを意味する。
カレンダー処理は、カレンダー線圧を30kN/m以下で行うことが好ましく、20kN/m以下で行うことがより好ましい。一方、カレンダー線圧を5kN/m以上で行うことが好ましい。また、本発明の効果を損なわない限り、カレンダー処理を行わないことが好ましい。
なお、白板紙全体の密度とは、表層、中層及び裏層を合わせた単位体積当たりの重量である。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の密度は、顔料塗工層の密度に依存しない。
なお、白板紙全体の厚さとは、表層、中層及び裏層を合わせた厚さである。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の厚さは、顔料塗工層の厚さを含まない。
白板紙全体の剛度が60mN・m以上であれば、包装容器としてのハンドリング性を向上できる。
白板紙全体の厚さを大きくするほど、白板紙全体の剛度を大きくしやすい。また、高坪量にするほど、白板紙全体の剛度を大きくしやすい。
なお、白板紙全体の剛度とは、表層、中層及び裏層を積層した状態で得られる剛度である。白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた塗工白板紙では、白板紙全体の剛度は、顔料塗工層を設ける前の剛度である。
白板紙の表層表面の王研式平滑度が150秒以上であれば、充分な印刷適性を得やすい。また、表層の表面に顔料塗工層を設けた塗工白板紙においても、充分な印刷適性を得やすい。
白板紙の表層表面のボコツキ指数が2.2μm以下であれば、充分な印刷適性を得やすい。また、表層の表面に顔料塗工層を設けた塗工白板紙においても、充分な印刷適性を得やすい。
(ボコツキ指数)
白板紙における表層の表面凹凸を3D画像にて取得し、取得した3D画像を周波数解析して、2〜10mm周期の凹凸変動成分の標準偏差をボコツキ指数とする。
これに対して、ボコツキ指数は、非接触で光学的に取得した3D画像の高さを数値化して表面の凹凸を表すので、圧力をかけない状態での評価となる。そのため、印刷時の状況に、より近い状態で表面平滑性を評価することができる。
具体的なボコツキ指数の求め方は実施例において詳述する。
古紙パルプとは、古紙を再生して得られるパルプである。
古紙としては、例えば、上白・罫白など、一度使用されているが印刷部分の少ない紙、カード・模造・色上・ケント・白アートなどの印刷物や色づけされ一度は使用された紙類、印刷用塗工紙、飲料用パック、オフィス用紙等使用済みの上質系古紙、さらに切符類・中質反古・ケントマニラ等の事業系中質古紙、新聞・雑誌・雑紙等の一般中質古紙、切茶・無地茶・雑袋・段ボール等の茶系古紙等が挙げられる。機密性を有するオフィス用紙や切符等の古紙はシュレッダー処理物であってもよい。
古紙パルプは、古紙を離解処理した離解パルプ、離解処理及び脱墨処理を行った未晒脱墨パルプ、脱墨処理後、漂白処理を行った晒脱墨パルプ等を、適宜使用できる。
いずれの層においても、2種以上の古紙パルプを混合して使用してもよい。また、バージンパルプを使用する場合は、2種以上のバージンパルプを混合して使用してもよい。また、バージンパルプと古紙パルプを混合して使用してもよい。
以下、各層における通常のパルプ組成等について説明するが、本発明は、下記の通常のパルプ組成等に限定されるものではない。
表層の付け量が好ましい下限値以上であれば、中層の黒っぽさを充分に隠蔽することができる。また、表層の付け量が好ましい上限値以下であれば、原料増に基づくコスト高、ワイヤーの脱水負荷を効果的に抑えることができる。
裏層の付け量が好ましい下限値以上であれば、中層の着色異物を充分に隠蔽することができる。また、裏層の付け量が好ましい上限値以下であれば、原料増に基づくコスト高、ワイヤーの脱水負荷を効果的に抑えることができる。
中層は、表層と裏層の間に挟まれる層であるため、通常は、表層や裏層よりも低級なパルプが使用されるのが一般的である。例えば、新聞、雑誌、切符、中質反古、茶模造、段ボール、台紙、地券、ボール、等の離解パルプが挙げられる。
例えば、新聞、雑誌、色上、ボール等の脱墨古紙パルプが使用されるのが一般的である。
(地合指数)
一層毎に剥離した各層の透過画像をフラットスキャナーにて取得し、取得した透過画像を周波数解析して、2〜10mm周期の光学濃度変動成分の標準偏差を地合指数とする。
具体的な地合指数の求め方は実施例において詳述する。
地合指数は値が小さいほど地合が良好であることを示す。すなわち、地合指数は、小さければ小さい程良いが、ゼロとすることは困難であり、製造効率等を考慮すれば、ある程度の値以上とならざるを得ない。
また、インレットの濃度は低い方が好ましい。中層を形成するためのインレット濃度は、0.1〜1.0質量%であることが好ましく、0.5〜0.8質量%であることがより好ましい。
また、抄紙速度は遅い方が好ましい。抄紙速度は150〜200m/分であることが好ましく、160〜180m/分であることがより好ましい。
地合が良好な中層が存在すると、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が良好となりやすい。
中間層の付け量は、60〜80g/m2とすることが好ましく、65〜70g/m2とすることがより好ましい。
また、中間層は、付け量が50〜100g/m2、又は上記好ましい範囲であると共に、地合指数が1.0〜5.0(o.d.)であることが好ましく、4.0〜5.0(o.d.)であることがより好ましい。
中層の中でも、特に中間層の地合が良好であると、白板紙の厚さ方向中央付近の平滑性が得られるので、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が一層良好となりやすいと考えられる。
中間層の地合は、中層の中でも付け量を比較的少ない範囲とすることによって調整することが好ましい。
表層に接する中層の付け量は、60〜90g/m2とすることが好ましく、70〜90g/m2とすることがより好ましく、80〜85g/m2とすることがさらに好ましい。
また、表層に接する中層は、付け量が50〜100g/m2、又は上記好ましい範囲であると共に、地合指数が1.0〜5.5(o.d.)であることが好ましく、4.0〜5.5(o.d.)であることがより好ましい。
中層の中でも、特に表層に接する中層の地合が良好であると、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が一層良好となりやすい。
総ての中層は、付け量が50〜110g/m2であり、かつ、前記地合指数が6.4(o.d.)以下であることがより好ましい。
総ての中層の地合が一定のレベルに達していれば、カレンダー処理の圧力が低くても、表層の平滑性が一層良好となりやすい。
中層の層数と中層各層の付け量は、上記中層の合計付け量が、白板紙全体の坪量が500〜570g/m2となるために必要な量となるように決められる。
中層の層数は、3〜10層であることが好ましく、6〜8層であることがより好ましい。
表層の地合指数は、0.5〜3.0(o.d.)であることが好ましく、1.0〜2.0(o.d.)であることがより好ましい。
裏層の地合指数は、0.5〜5.0(o.d.)であることが好ましく、2.0〜3.0(o.d.)であることがより好ましい。
抄き合わせに用いる接着剤としては、澱粉、PVA、ラテックス、セルロース誘導体等を使用できる。
インレット濃度と抄紙速度は、各層の地合が充分なものとなるように調整する。
カレンダー装置としては、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー、あるいはヤンキードライヤー等を使用できる。
本発明の塗工白板紙は、本発明の白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられたものである。顔料塗工層が一方の表面にのみ設けられる場合は、表層の表面に設けられることが好ましい。
顔料塗工層は、少なくとも一方の表面に顔料塗工液を塗布することにより形成される。顔料塗工液は、顔料とバインダーを含む。
下記に示す配合(何れも固形分量)で各層の紙料を調製した。
(1層目:表層)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)(フリーネス350mL):100部
内添填料(炭カル):15部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
脱墨古紙パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
未脱墨古紙パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
脱墨古紙パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
脱墨古紙パルプと広葉樹晒クラフトパルプの質量比50:50の混合パルプ:100部
硫酸バンド:5部
酸性ロジンサイズ剤:0.5部
カチオン化でん粉:0.5部
PAM系歩留向上剤:100ppm
インレット濃度:0.5%
上記各層の紙料を用いた7層を各々表1に記載の付け量となるように抄き合わせ、各実施例、比較例の白板紙を作成した。各層の接着には、層間澱粉を用いた。
抄紙には、抄紙機を用い、抄き合わせ後にマシンカレンダーで処理した。各実施例、比較例の抄紙条件は表1の記載の通りである。
各実施例、比較例の地合指数、付け量、坪量、厚さ、密度、剛度(縦方向)、王権式平滑度、ボコツキ指数は以下のようにして求めた。
各々の測定結果を表1に示す。
各実施例、比較例の白板紙を一層毎に剥離し、各層についてフラットスキャナーにて透過画像(グレースケール)を取得した。
層の剥離は、40℃の1%アミラーゼ溶液に30分間含浸させて層を分割しておこなった。
フラットスキャナーとしては、EPSON Scan(Ver.3.04J)を用い、画像サイズ10cm×10cm、解像度0.1mmの条件でスキャンした。
この画像を256階調のグレースケールに数値化し、周波数解析(パワースペクトルを取得し、0.1mm以上の周期的な成分をスペクトル強度として出力)により、対象とする2〜10mmの周期的な成分について、パワースペクトルを抽出し、白黒レベルの標準偏差を地合指数とした。
付け量については、地合指数測定のために剥離した各層を対象として、坪量は、得られた白板紙を対象として、JIS P8124により求めた。
(密度)
白板紙全体の密度は、JIS P8118により求めた。
(厚さ)
白板紙全体の厚さは、白板紙全体の坪量を白板紙全体の密度でわることにより求めた。
白板紙全体の剛度(縦方向)は、JIS P8125により求めた。
(王研式平滑度)
白板紙の表層表面の王研式平滑度は、JIS P8155により求めた。
各実施例、比較例の白板紙における表層の表面凹凸を非接触で測定し、3D画像(グレースケール)を取得した。3D画像の取得には、ワンショット3D測定マクロスコープVR3200(キーエンス社)を用いた。
得られた3D画像において、表面凹凸は凹の箇所が黒、凸の箇所が白として表される。
この画像を256階調のグレースケールに数値化し、周波数解析(パワースペクトルを取得し、0.1mm以上の周期的な成分をスペクトル強度として出力)により、対象とする2〜10mmの周期的な成分について、パワースペクトルを抽出し、白黒レベルの標準偏差をボコツキ指数とした。
これに対して、地合指数が5.0(o.d.)以下の中層が存在しない比較例1では、王研式平滑度は低かったものの、印刷適性の評価に適したボコツキ指数は高かった。
また、高い線圧でカレンダー処理を施し、密度を高くした比較例2では、平滑性は良好であったものの、高い坪量を有するにもかかわらず、坪量に応じた充分な剛度が得られなかった。
Claims (5)
- 多層抄きされた白板紙であって、表層と一層以上の中層と裏層を有し、
白板紙全体の坪量が500〜570g/m2、密度が0.80g/m3以下であり、
前記中層の内少なくとも一層は、付け量が50〜100g/m2であり、かつ、地合指数が5.0(o.d.)以下であることを特徴とする白板紙。 - 前記表層と前記裏層の何れにも接しない中層が、付け量が50〜100g/m2であり、かつ、前記地合指数が5.0(o.d.)以下である、請求項1に記載の白板紙。
- 少なくとも前記表層と接する中層は、付け量が50〜100g/m2であり、かつ、前記地合指数が5.5(o.d.)以下である、請求項1又は2に記載の白板紙。
- 前記中層は、総ての層が、付け量が50〜150g/m2であり、かつ、前記地合指数が6.5(o.d.)以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の白板紙。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の白板紙の少なくとも一方の表面に顔料塗工層が設けられた、塗工白板紙。
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