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JP6956017B2 - 既設管更生方法 - Google Patents
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本発明は、マンホールに接続された既設管の更生方法に関する。
下水道等では、離間したマンホール間を地中に埋設された下水管で接続している。この既設の下水管(以下、既設管という)が老朽化して亀裂が生じると下水が地中に漏れたり、地下水が侵入する等の不都合が生じる。そこで、老朽化した既設管の内側に更生管をライニングすることにより、既設管を更生している。
比較的小さな径の既設管をライニングする方法について簡単に説明する。断面円形の記憶形状を有する樹脂製の更生管を断面オメガ形状に潰して上記既設管に通し、この更生管に加熱蒸気を供給して断面円形に戻すとともに圧縮空気により拡径することにより、更生管を既設管の内側にライニングする。
既設管の損傷が激しい場合には、既設管の内面の凹凸に更生管が完全に追従できず、更生管と既設管との間に隙間が生じることがある。そのため、既設管の亀裂等から侵入した地下水が上記隙間に入り込み、更生管に沿って流れてマンホールに流れ込んでしまう。このマンホールへの地下水の流れ込みを防ぐために、既設管の管端と更生管との間を全周にわたって止水材で封止するのが一般的である。
しかし、更生管は連続して長く延びており、温度の変化に伴う軸方向の伸縮量が大きいため、上記止水材を破壊することがある。
特許文献1の図6には、更生管を既設管にライニングした後で、ウレタンやセメントミルク等の充填剤を、更生管の端部周壁に形成した穴から更生管と既設管との間の隙間に注入して、この隙間の通路を遮断する方法が開示されている。
特許文献2の段落0003には、従来技術として次のような止水方法が開示されている。すなわち、ガラスマットにエポキシ樹脂を含浸させた止水材を既設管の端部内側に貼り付けておき、ライニング工程での更生管の拡径により、上記止水材を更生管と既設管との間で挟み、これにより更生管と既設管との間の隙間の通路を遮断する。
特開2015−186898号公報 特開2004−69053号公報
特許文献1、2の方法では、既設管と更生管の端部だけを接着しているため、更生管の中間領域での軸方向伸縮に伴う荷重が両端部の接着部に集中して加わることになり、既設管の管端に止水材を設ける場合と同様に、接着部が破壊される可能性がある。
上記課題を解決するために、本発明は、既設管更生方法において、潰した状態の樹脂製更生管を既設管に挿入する更生管挿入工程と、上記既設管に対する上記更生管の軸方向の伸縮を禁じる拘束材料を含む長尺部材を、既設管の軸方向に沿って挿入する長尺部材挿入工程と、上記更生管を拡径させることにより、上記更生管を上記既設管の内周にライニングするとともに、上記既設管と上記更生管とで上記長尺部材を圧迫するライニング工程と、を備えたことを特徴とする。
上記方法によれば、拘束材料を含む長尺部材を、既設管の軸方向に沿って設けたので、温度変化に伴う更生管の伸縮方向の荷重を拘束材料により分散して負担でき、更生管の伸縮を確実に抑制ないしは禁じることができる。その結果、例えば既設管の管端またはその近傍に止水材を設けた場合には、その破壊を防止できる。
好ましくは、上記拘束材料が接着剤からなり、上記長尺部材が、上記接着剤を封入する封入袋を有し、上記ライニング工程において上記長尺部材が上記既設管と上記更生管とで圧迫された時に上記封入袋が破裂して、上記接着剤が上記既設管と上記更生管の隙間に供給される。
上記方法によれば、接着剤を既設管と更生管との隙間に供給するため、この隙間の少なくとも一部を封止することができ、この隙間を経てマンホールへ向かう水の流れを抑制ないしは遮断することができる。
しかも、更生管の拡径時に接着剤を封入した封入袋の破裂させることにより、接着剤を供給することができるので、接着剤を簡単に既設管と更生管の隙間に供給することができる。
好ましくは、上記封入袋が上記長尺部材の長手方向に複数並べて配置されている。
上記方法によれば、接着剤を軸方向に偏らずに供給することができる。
好ましくは、上記接着剤が2液タイプの接着剤であり、上記封入袋の各々が上記長尺部材の幅方向に隣接した第1、第2の袋部を有し、上記第1の袋部に上記接着剤の主剤が封入され、上記第2の袋部に硬化剤が封入されており、上記ライニング工程において上記長尺部材が上記既設管と上記更生管とで圧迫された時に上記第1の袋部と上記第2の袋部が破裂して、上記主剤と上記硬化剤が混ざりながら上記既設管と上記更生管の隙間に供給される。
上記方法によれば、2液タイプの接着剤を用いることにより、硬化時間を温度の影響を大きく受けずに安定させることができる。
好ましくは、上記長尺部材が薄肉のチューブからなり、このチューブが長手方向に間隔をおいて間仕切りされることにより、上記複数の封入袋が形成されている。
上記方法によれば、チューブを間仕切りすることにより複数の封入袋を低コストで提供することができる。
他の態様では、上記拘束材料が接着剤からなり、上記長尺部材が上記接着剤を含侵させた長尺シートからなり、上記ライニング工程において上記長尺シートが上記既設管と上記更生管とで圧迫された時に、上記接着剤が上記既設管と上記更生管の隙間に供給される。
上記方法によれば、接着剤を用いることにより、封入袋を有する長尺部材を用いた場合と同様に、更生管の軸方向伸縮の抑制効果と止水効果が得られる。
さらに他の態様では、上記拘束材料が摩擦材料からなり、上記長尺部材が上記摩擦材料により形成された長尺シートからなり、上記ライニング工程において上記長尺シートが上記既設管と上記更生管とで圧迫されることにより、上記既設管と上記更生管との間の摩擦を高める。
上記方法によれば、摩擦材料からなる長尺シートにより、更生管の軸方向伸縮を抑制することができる。
好ましくは、上記更生管はΩ形状に潰されており、その凹部に上記長尺部材が挿入されている。
上記方法によれば、更生管の拡径工程の途中まで、長尺部材を安定して保持することができる。
好ましくは、上記長尺部材は上記既設管の全長にわたって挿入される。
上記方法によれば、長尺部材による更生管の拘束効果を最大限に発揮することができる。
好ましくは、上記ライニング工程の後、上記既設管の管端と上記更生管との間を全周にわたり止水材で封止する封止工程をさらに備えている。
本発明によれば、既設管の軸方向に延びる長尺部材の拘束材料により、既設管に対する更生管の軸方向の伸縮を抑制ないしは禁じることができる。
本発明の第1実施形態に係る既設管更生方法を工程順に示す縦断面図であり、(A)は断面Ω形状の更生管を既設管に挿入した状態、(B)は接着剤を封入した長尺部材を既設管に挿入した状態、(C)は更生管の拡径により既設管へのライニングが完了した状態、(D)は既設管の管端の封止が完了した状態、をそれぞれ示す 図1(B)のII-II線に沿う横断面図である。 図1(C)のIII−III線に沿う横断面図である。 上記長尺部材の一部を示す平面図である。 長尺部材の他の例を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る既設管更生方法を示す図2相当図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る既設管更生方法について図面を参照しながら説明する。
図1には下水道の離間した2つのマンホール1の一部と、これらマンホール1に両端が接続され長期使用により劣化した既設管2が示されている。既設管2はマンホール1の周壁1aを貫通している。既設管2の管端2aは、周壁1aの内周と略一致した位置にある。この管端2aの内周において最も低い部分は、マンホール1の底板1bの上面と略同じ高さに位置している。
以下、既設管2の更生方法を、順を追って説明する。
更生管挿入工程
最初に、図1(A)、図2に示すように、断面Ω形状に潰された長尺の更生管3を、一方のマンホール1から他方のマンホール1までワイヤで牽引することにより、既設管2の全長にわたって挿入する。更生管3の両端部は、既設管2の管端2aから突出させる。更生管3は、形状記憶機能を有する塩化ビニル樹脂からなる。更生管3の元々の断面形状は円形で、平らに潰され、さらに二つ折りにされることで断面がΩ形状になっている。
長尺部材挿入工程
次に、図1(B)、図2に示すように、接着剤15(拘束材料)を封入した長尺部材10を既設管2の全長にわたって挿入する。ここで「全長」とは、長尺部材10と既設管2の長さが、等しい場合は勿論のこと10%未満の差異がある場合をも含む。
接着剤15としては、耐水性、耐久性に優れ、低粘度で湿潤接着性の良い高強度なものが用いられる。例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリマーセメント等が用いられる。本実施形態では、1液タイプの接着剤を用いる。
図4に示すように、長尺部材10は、長尺の樹脂製チューブを長手方向に等間隔をおいて間仕切りすることにより、長手方向に並べられた複数の封入袋11を有している。本実施形態では、1m毎に間仕切りされ、その幅が80mm、高さが50mmである。各封入袋11に接着剤15が充填されている。長尺部材10は薄肉(1mm以下)であり、外力により破裂可能である。
上記長尺部材10の一端にワイヤ18(図1(B)にのみ示す)を連結し、このワイヤ18を断面Ω形状の更生管3の凹部3x(図2にのみ示す)に挿入して、一方のマンホール1から他方のマンホール1へと進め、このワイヤ18を牽引することにより、長尺部材10を更生管3の凹部3xに挿入する。
ライニング工程
上記更生管3の一端から他端に高温蒸気を流し、更生管3を形状記憶された断面円形に戻し、さらに圧縮空気を供給して拡径することにより、図1(C)、図3に示すように、既設管2の内側に更生管3をライニングする。この際、過拡径して更生管3と既設管2との間の抵抗力を高める。これによって、更生管3が水平方向にずれにくくなる。また更生管3が冷えて収縮しようとしても、既設管2より過拡径した部分が管端に引っ掛かり、収縮しにくい。
更生管3が既設管2に向かって拡径する際に、更生管3と既設管2との間で上記長尺部材10が圧迫され、封入袋11が破裂し、接着剤15が更生管3と既設管2との間の隙間に供給される。
なお、長尺部材10は、更生管3の凹部3xに挿入されているので、更生管3の拡径の途中まで、安定して保持される。
封止工程
次に、図1(D)に示すように、更生管3を、既設管2の管端2aから所定長さを残して切断する。これにより、更生管3は突出端部3aを有する。
次に、既設管2の管端2aと更生管3の突出端部3aの間を全周にわたって止水材20で封止する。止水材20は、例えば速乾エポキシ樹脂や急結モルタル等のパテからなる。
上記更生方法によれば、既設管2と更生管3との間の隙間に供給された接着剤15は、その効果により止水と接着の役割を担うことができる。
まず、止水機能について説明する。接着剤15は既設管2と更生管3の隙間に充填されているので、隙間の通路の少なくとも一部を遮断できる。そのため、既設管2の亀裂から隙間に侵入し更生管3に沿って流れてきた地下水がマンホール1へと流れ込むのを抑制なしは防止することができる。本実施形態では、さらに既設管2の管端に止水材20が形成されているので、より確実に止水することができる。
次に、接着剤の接着機能について説明する。上述したように既設管2と更生管3とが、接着剤15により接着固定されているので、更生管3は既設管2に拘束されていて軸方向の熱膨張、熱収縮を禁じられる。そのため、更生管3の軸方向の伸縮による止水材20の破壊や亀裂発生を防止することができる。しかも、接着剤15は既設管2の全長にわたって配されているため、更生管3の軸方向の伸縮荷重を分散して負担でき、より一層確実に更生管3の伸縮を防止することができる。
2液タイプの接着剤を用いる場合、例えばクラック注入用低粘度エポキシ樹脂として、コニシ株式会社製の「E2601」を用いる場合は、図5に示す長尺部材10’が用いられる。この長尺部材10’は、薄肉の樹脂製チューブを長手方向に等間隔をおいて間仕切りして複数の封入袋11’を形成するとともに、この封入袋11’をチューブの幅方向(既設管2の周方向)に間仕切することにより、隣接する第1、第2の袋部11a,11bを形成する。第1の袋部11aにはエポキシ樹脂の主剤15aが充填され、第2の袋部11bには硬化剤15bが充填されている。
上記長尺部材10’は、図4の長尺部材10と同様にして断面Ω形状の更生管3の凹部3xに挿入される。長尺部材10’は、更生管3の拡径時に圧迫されて袋部11a,11bが破裂し、主剤15aと硬化剤15bが混じって既設管2と更生管3との間の隙間に供給される。
2液タイプの接着剤は、常温硬化し、環境温度に硬化時間が左右されないので有利である。
図6は本発明の第2実施形態を示す。この実施形態の長尺部材10”は、接着剤(拘束材料)を含侵させた長尺シートからなる。長尺シートはガラス繊維等からなり、既設管2の全長にわたって、更生管3の凹部3xに挿入される。長尺部材10”は、更生管3の拡径時に圧迫され、含侵された接着剤が既設管2と更生管3の隙間に供給される。
上記長尺部材10”は、ゴム(摩擦材料)からなる長尺シートでもよい。この長尺部材10”は、更生管3の拡径により圧迫され、既設管2に対する更生管3の軸方向伸縮の摩擦抵抗となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨に反しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。
接着剤を封入した封入袋は、紐又は薄肉シートにより連ねるようにしてもよい。
更生管の「拡径」は、断面円形への復元を含む。例えば、更生管が高温蒸気により潰れた状態から膨らんで記憶された断面円形に復元され、この復元された更生管の外径が既設管の内径と等しい場合も含む。
既設管は下水管のみならずケーブル保護管等であってもよい。
本発明は、下水道等の既設管を更生する方法に適用することができる。
1 マンホール
2 既設管
2a 管端
3 更生管
3a 突出端部
10,10’,10” 長尺部材
11,11’ 封入袋
11a 第1袋部
11b 第2袋部
15 接着剤
15a 主剤
15b 硬化剤
20 止水材

Claims (5)

  1. 潰した状態の樹脂製更生管を既設管に挿入する更生管挿入工程と、
    上記既設管に対する上記更生管の軸方向の伸縮を禁じる拘束材料を含む長尺部材を、既設管の軸方向に沿って挿入する長尺部材挿入工程と、
    上記更生管を拡径させることにより、上記更生管を上記既設管の内周にライニングするとともに、上記既設管と上記更生管とで上記長尺部材を圧迫するライニング工程と、
    を備え、
    上記拘束材料が接着剤からなり、上記長尺部材が、上記接着剤を封入する封入袋を有し、上記ライニング工程において上記長尺部材が上記既設管と上記更生管とで圧迫された時に上記封入袋が破裂して、上記接着剤が上記既設管と上記更生管の隙間に供給されることを特徴とする既設管更生方法。
  2. 上記封入袋が上記長尺部材の長手方向に複数並べて配置されていることを特徴とする請求項に記載の既設管更生方法。
  3. 上記接着剤が2液タイプの接着剤であり、上記封入袋の各々が上記長尺部材の幅方向に隣接した第1、第2の袋部を有し、上記第1の袋部に上記接着剤の主剤が封入され、上記第2の袋部に硬化剤が封入されており、
    上記ライニング工程において上記長尺部材が上記既設管と上記更生管とで圧迫された時に上記第1の袋部と上記第2の袋部が破裂して、上記主剤と上記硬化剤が混ざりながら上記既設管と上記更生管の隙間に供給されることを特徴とする請求項に記載の既設管更生方法。
  4. 上記長尺部材が薄肉のチューブからなり、このチューブが長手方向に間隔をおいて間仕切りされることにより、上記複数の封入袋が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の既設管更生方法。
  5. 潰した状態の樹脂製更生管を既設管に挿入する更生管挿入工程と、
    上記既設管に対する上記更生管の軸方向の伸縮を禁じる拘束材料を含む長尺部材を、既設管の軸方向に沿って挿入する長尺部材挿入工程と、
    上記更生管を拡径させることにより、上記更生管を上記既設管の内周にライニングするとともに、上記既設管と上記更生管とで上記長尺部材を圧迫するライニング工程と、
    を備え、
    上記拘束材料が接着剤からなり、上記長尺部材が上記接着剤を含侵させた長尺シートからなり、
    上記ライニング工程において上記長尺シートが上記既設管と上記更生管とで圧迫された時に、上記接着剤が上記既設管と上記更生管の隙間に供給されることを特徴とする既設管更生方法。
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