以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の空調システム1は、車両2に搭載され、所定の空調モードに応じて温度および湿度を調整した空調風を複数の吹出口から車室内に吹き出すことで、車室内の空気調和を行うものである。
図1に示すように、この車両2は、前座席3と後座席4を備えている。前座席3は、車両前後方向に延びるレール31と、そのレール31の上を移動可能な座部32および背凭れ33を有している。第1実施形態では、前座席3の座部32が、車両前後方向に移動可能な可動部に相当する。
空調システム1は、第1空調装置10、第2空調装置20、位置検出部30および制御装置40などを備えている。第1空調装置10は、インストルメントパネル5の内側に設けられている。第1空調装置10は、空調風を生成する第1空調ユニット100と、その第1空調ユニット100で生成された空調風を、前座席3に着座する乗員6に対し車両前方から吹き出す第1吹出口110を有している。
図4は、第1空調装置10の模式図である。図4に示すように、第1空調装置10は、第1空調ユニット100と、複数のダクト51、52、53を備えている。第1実施形態では、複数のダクトのうち、フェイスダクト51の吹出口が、上述の第1吹出口110に相当する。フェイスダクト51は、インストルメントパネル5に設けられた第1吹出口110から前座席3に着座する乗員6の上半身またはその周囲に向けて空調風を吹き出すことが可能である。なお、第1空調装置10は、第1空調ユニット100と複数のダクト51、52、53とを一体に構成してもよい。または、第1空調装置10の吹出開口部114、115、116から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
第1空調ユニット100の構成について説明する。第1空調ユニット100は、空調ケース11の内側に、内外気切替ドア12、送風機13、エバポレータ14、ヒータコア15、エアミックスドア16およびモード切替ドア17、18、19などを備えている。空調ケース11に内側には、空気が流れる通風路111が形成されている。また、空調ケース11は、通風路111の空気流れ方向上流側に、車室内の所定箇所から通風路111に内気を導入するための内気導入口112と、車外から通風路111に外気を導入するための外気導入口113を有している。
内外気切替ドア12は、内気導入口112の開口面積と、外気導入口113の開口面積を連続的に調整するものである。内外気切替ドア12は、内気導入口112と外気導入口113のうち、一方の開口部を開くほど他方の開口部を閉じるように回転動作する。これにより、内外気切替ドア12は、通風路111に導入される内気の風量と外気の風量の割合を調整することが可能である。
送風機13は、遠心ファン131と、その遠心ファン131を回転駆動するモータ132などから構成されている。モータ132の駆動と共に遠心ファン131が回転すると、通風路111に空気が送風される。これにより、内気導入口112または外気導入口113から通風路111に内気または外気が導入される。送風機13により送風されて通風路111を流れる空気は、エバポレータ14およびヒータコア15により温度および湿度が調整され、通風路111に連通する複数の吹出開口部114、115、116のいずれかを経由して車室内に吹き出される。
エバポレータ14は、通風路111を流れる空気を冷却するための熱交換器である。エバポレータ14は、図示していない圧縮機、凝縮器および膨張弁などと共に周知の冷凍サイクルを構成している。エバポレータ14が有する図示していないチューブの中を、気液二層状態となった冷媒が流れる。エバポレータ14は、そのチューブの内側を流れる冷媒の蒸発潜熱により、通風路111を流れる空気を冷却する。
ヒータコア15は、通風路111を流れる空気を加熱するための熱交換器である。ヒータコア15が有する図示していないチューブの内側を温水等が流れる。ヒータコア15は、そのチューブの内側を流れる温水等と、通風路111を流れる空気との熱交換により、通風路111を流れる空気を加熱する。
エバポレータ14とヒータコア15との間には、エアミックスドア16が設けられている。エアミックスドア16は、エバポレータ14を通過した後にヒータコア15を迂回して流れる風量と、エバポレータ14を通過した後にヒータコア15を通過する風量との割合を調整する。
空調ケース11は、通風路111の空気流れ方向下流側に、通風路111から車室内に空気を送風するための複数の吹出開口部114、115、116を有している。複数の吹出開口部114、115、116は、例えば、フェイス吹出開口部114、フット吹出開口部115、デフロスタ吹出開口部116などにより構成されている。フェイス吹出開口部114は、前座席3に着座する乗員6の上半身またはその周囲に向けて空調風を吹き出すものである。フット吹出開口部115は、その乗員6の足元に向けて空調風を吹き出すものである。デフロスタ吹出開口部116は、車両2のフロントガラスに向けて空調風を吹き出すものである。
フェイス吹出開口部114、フット吹出開口部115およびデフロスタ吹出開口部116には、それぞれの開口部を開閉するためのモード切替ドア17、18、19が設けられている。モード切替ドア17、18、19は、フェイスドア17、フットドア18およびデフロスタドア19により構成されている。フェイスドア17は、フェイス吹出開口部114を開閉する。フットドア18は、フット吹出開口部115を開閉する。デフロスタドア19は、デフロスタ吹出開口部116を開閉する。なお、上述した内外気切替ドア12、エアミックスドア16、フェイスドア17、フットドア18およびデフロスタドア19はそれぞれ、図示していないサーボモータなどのアクチュエータによって駆動される。
第1空調ユニット100の空調ケース11が有する複数の吹出開口部114、115、116にはそれぞれ、空調ケース11とは別部材として構成された複数のダクト51、52、53が接続される。複数のダクト51、52、53は、例えば、フェイスダクト51、フットダクト52およびデフロスタダクト53等により構成される。フェイスダクト51は、フェイス吹出開口部114に接続される。フットダクト52は、フット吹出開口部115に接続される。デフロスタダクト53は、デフロスタ吹出開口部116に接続される。
次に、第2空調装置20について説明する。第2空調装置20は、空調風を生成する第2空調ユニット200と、その第2空調ユニット200で生成された空調風を、前座席3に着座する乗員6に対し車両後方から吹き出す第2吹出口210を有している。なお、図1〜図3では、第2空調ユニット200を車両天井に設置しているが、第2空調ユニット200を設置する位置はこれに限らない。第2空調ユニット200は、例えば、車両天井、後座席4の後方、または後座席4の側方などに設置することが可能である。
図5は、第2空調装置20の模式図である。図5に示すように、第2空調装置20は、第2空調ユニット200と、複数のダクト61、62を備えている。第2空調ユニット200も、第1空調ユニット100と同様に、空調ケース21の内側に、内外気切替ドア22、送風機23、エバポレータ24、ヒータコア25、エアミックスドア26およびモード切替ドア27、28などを備えている。送風機23は、遠心ファン231と、その遠心ファン231を回転駆動するモータ232などから構成されている。なお、第2空調ユニット200の空調ケース21が有する通風路211の下流側には、天井吹出開口部214とフット吹出開口部215が設けられており、デフロスタ吹出開口部は設けられていない。
第2空調ユニット200の空調ケース21に設けられた天井吹出開口部214には、天井ダクト61が接続されている。第2実施形態では、その天井ダクト61の吹出口が、上述の第2吹出口210に相当する。天井ダクト61は、車両天井に設けられた第2吹出口210から前座席3に着座する乗員6の上半身またはその周囲に向けて空調風を吹き出すことが可能である。なお、第2空調装置20も、第2空調ユニット200と複数のダクト61、62とを一体に構成してもよい。または、第2空調装置20の吹出開口部214、215から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
以下の説明では、第1空調ユニット100が備える各構成を、適宜、第1空調ケース11、第1内外気切替ドア12、第1送風機13、第1エバポレータ14、第1ヒータコア15、第1エアミックスドア16および第1モード切替ドア17、18、19と呼ぶことがある。また、第2空調ユニット200が備える各構成を、適宜、第2空調ケース21、第2内外気切替ドア22、第2送風機23、第2エバポレータ24、第2ヒータコア25、第2エアミックスドア26および第2モード切替ドア27、28と呼ぶことがある。
図2および図3に示すように、第1実施形態の空調システム1は、前座席3の可動部としての座部32の位置に応じて、第1空調装置10と第2空調装置20の駆動が制御装置40により制御される構成である。前座席3の座部32の位置は、位置検出部30によって検出される。位置検出部30によって検出された前座席3の座部32の位置情報は、制御装置40に伝送される。
制御装置40は、プロセッサ、メモリ等を有するコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。制御装置40のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。なお、図1〜図3では、第1空調装置10と第2空調装置20が1個の制御装置40により駆動制御されるように記載しているが、制御装置40の個数、配置等はこれに限らない。第1空調装置10と第2空調装置20を、別々の制御装置により駆動制御するように構成してもよい。
制御装置40は、位置検出部30により検出される前座席3の座部32の位置に応じて第1空調装置10と第2空調装置20の駆動を制御する。第1実施形態では、制御装置40は、前座席3の座部32が車両前後方向に移動する範囲の全域もしくは一部において、第1空調装置10と第2空調装置20の駆動を制御する。
図2は、前座席3の座部32が車両前後方向に移動する範囲の中で、その座部32が最前部に位置する状態を示している。制御装置40は、前座席3の座部32が第1吹出口110に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量を小さくし、第2吹出口210から吹き出される風量を大きくするよう、第1送風機13と第2送風機23の駆動を制御する。
一方、図3は、前座席3の座部32が車両前後方向に移動する範囲の中で、その座部32が最後部に位置する状態を示している。制御装置40は、前座席3の座部32が第2吹出口210に近づくほど、第2吹出口210から吹き出される風量を小さくし、第1吹出口110から吹き出される風量を大きくするよう、第1送風機13と第2送風機23の駆動を制御する。なお、制御装置40は、前座席3の座部32の位置に応じて、第2吹出口210から吹き出される空調風の送風方向の上下角度を自動調節する。
ここで、図2に示すように、前座席3の座部32が最前部に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA1とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB1とする。一方、図3に示すように、前座席3の座部32が最後部に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA2とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB2とする。このとき、各風量の大小関係は、A2>A1≧0、B1>B2≧0 である。そして、第1吹出口110と第2吹出口210からそれぞれ吹き出される風量A1、A2、B1、B2は、前座席3の座部32がどの位置にあっても、その前座席3に着座する乗員6に供給される合計空調能力がほぼ同一になるよう設定されている。なお、第1吹出口110と第2吹出口210からそれぞれ吹き出される風量の変化率は、正比例的なものに限らず、前座席3の各位置ごとに乗員6が最適な空調効果を得られるよう、実験等により適宜設定することが可能である。
上述した第1実施形態と比較するため、比較例の空調システム9を図6および図7に示す。比較例の空調システム9は、前座席3の座部32の位置に応じて第1空調装置10の第1吹出口110から吹き出される風量のみが制御されるように構成されている。具体的には、比較例の制御装置40は、前座席3の位置が吹出口に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量を小さくし、前座席3の位置が吹出口から遠くなるほど、第1吹出口110から吹き出される風量を大きくする。なお、比較例においても、第1吹出口110は、インストルメントパネル5に設けられているものとする。
ここで、図6に示すように、前座席3の座部32が最前部に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をα1とする。一方、図7に示すように、前座席3の座部32が最後部に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をα2とする。
この場合、第1実施形態の空調システム1が備える各吹出口から吹き出される風量と、比較例の空調システム9が備える吹出口から吹き出される風量とを比較すると、A2≦α2、B1≦α2 である。その理由は、次のとおりである。すなわち、第1実施形態では、前座席3の座部32が後方寄りの場合、第1吹出口110から吹き出される風量A2をメインに使用して空調するが、第2吹出口210から吹き出される風量B2による空調補助効果も加わることになる。また、前座席3の座部32が前方寄りの場合、第2吹出口210から吹き出される風量B1をメインに使用して空調するが、第1吹出口110から吹き出される風量A1による空調補助効果も加わることになる。これに対し、比較例では、インストルメントパネルに設けられた第1吹出口110しかないので、第1実施形態のようなメインの吹出口とは反対側の吹出口から送風される空調風による空調補助効果は存在しない。そのため、第1実施形態では、その空調補助効果の分、比較例に対して、メインの吹出口から吹き出される最大風量A2、B1を小さくすることが可能である。なお、第1実施形態においても、メインの吹出口とは反対側の吹出口から送風される風量A1、B2が0の場合、メインの吹出口から吹き出される風量A2、B1は、比較例の第1吹出口110から吹き出される風量α2とほぼ同じになる。
以上説明した第1実施形態の空調システム1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第1実施形態では、第1吹出口110と第2吹出口210のうち、前座席3の座部32に対して遠い方の吹出口から吹き出される風量を大きくする。これにより、前座席3の座部32から遠い方の吹出口から吹き出される空調風を乗員6に到達するまでに拡散させ、乗員6の身体全体に空調風を均一に供給することが可能となる。したがって、この空調システム1は、前座席3の座部32が車両前後方向のいずれの位置にある場合でも、そこに着座する乗員6に対して包み込み送風を行うことができる。
(2)また、第1実施形態では、第1吹出口110と第2吹出口210のそれぞれから吹き出される空調風が乗員付近でぶつかり合い、前座席3に着座する乗員6の近傍に空調風が滞留する効果が得られる。したがって、この空調システム1は、包み込み空調による乗員6の快適感をより高めることができる。さらに、この空調システム1は、乗員近傍に空調風が滞留するので、空調効率を高めることもできる。
(3)第1実施形態では、第1空調装置10で生成される空調風と、第2空調装置20で生成される空調風により、前座席3に着座する乗員6に対する空調を行うものである。これにより、第1空調装置10が有する第1送風機13と第2空調装置20が有する第2送風機23の両方に負荷を分散させることが可能となる。したがって、この空調システム1は、個々の送風機13、23の負荷を軽減し、その送風機13、23の寿命を延ばすことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図8〜図11を参照しつつ説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して空調装置の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態の空調システム1が備える空調装置10は、空調風を生成する1個の空調ユニット100と、その空調ユニット100で生成された空調風を吹き出す第1吹出口110と第2吹出口210を有している。なお、第1実施形態と同様に、第1吹出口110は、空調ユニット100で生成された空調風を、前座席3に着座する乗員6に対して車両前方から吹き出すものである。第2吹出口210は、空調ユニット100で生成された空調風を、前座席3に着座する乗員に対し車両後方から吹き出すものである。
図9は、第2実施形態の空調装置10の模式図である。図9に示すように、空調装置10は、空調ユニット100と、複数のダクト51、52、53、61を備えている。
第2実施形態の空調ユニット100は、通風路111の空気流れ方向下流側に、通風路111から車室内に空気を送風するための複数の吹出開口部114、115、116、214を有している。複数の吹出開口部114、115、116、214は、例えば、フェイス吹出開口部114、フット吹出開口部115、デフロスタ吹出開口部116、天井吹出開口部214などにより構成されている。
フェイス吹出開口部114はフェイスドア17により開閉される。フット吹出開口部115は、フットドア18により開閉される。デフロスタ吹出開口部116は、デフロスタドア19によりを開閉される。天井吹出開口部214は、天井吹出ドア27により開閉される。
空調ユニット100が有する複数の吹出開口部114、115、116に接続される複数のダクト51、52、53、61は、例えば、フェイスダクト51、フットダクト52、デフロスタダクト53、および天井ダクト61などにより構成される。フェイスダクト51は、フェイス吹出開口部114に接続される。フットダクト52は、フット吹出開口部115に接続される。デフロスタダクト53は、デフロスタ吹出開口部116に接続される。天井ダクト61は、天井吹出開口部214に接続される。
第2実施形態では、複数のダクトのうち、フェイスダクト51の吹出口が、上述の第1吹出口110に相当する。また、複数のダクトのうち、天井ダクト61の吹出口が、上述の第2吹出口210に相当する。なお、空調ユニット100と、複数のダクト51、52、53、61とは、一体に構成してもよい。または、空調装置10の吹出開口部114、115、116、214から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
図10および図11に示すように、第2実施形態の空調システム1は、前座席3の座部32の位置に応じて、空調装置10の駆動が制御装置40により制御される構成である。
図10に示すように、制御装置40は、前座席3の座部32が第1吹出口110に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A1を小さくし、第2吹出口210から吹き出される風量B1を大きくするよう、フェイスドア17と天井吹出ドア27の駆動を制御する。なお、フェイスドア17と天井吹出ドア27は、第1吹出口110から吹き出される風量と第2吹出口210から吹き出される風量を調整する風量調整部の一例である。
一方、図11に示すように、制御装置40は、前座席3の座部32が第2吹出口210に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A2を大きくし、第2吹出口210から吹き出される風量B2を小さくするよう、フェイスドア17と天井吹出ドア27の駆動を制御する。
以上説明した第2実施形態の空調システム1は、第1実施形態と同様に、前座席の位置に関わらず、乗員に対して包み込み送風を行うことができる。また、第2実施形態では、1個の空調ユニット100により第1吹出口110と第2吹出口210の両方に空調風を供給できるので、空調装置10の構成を簡素なものにすることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図12および図13を参照しつつ説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して前座席3の可動部の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態の前座席3は、座部32および背凭れ33を有している。第3実施形態では、前座席3の背凭れ33が、車両前後方向に移動可能な可動部に相当する。前座席3の背凭れ33の角度は、背凭れ検出部34により検出される。第3実施形態の背凭れ検出部34は、前座席3の可動部の位置を検出する位置検出部30の一例に相当する。背凭れ検出部34によって検出された背凭れ33の角度に関する情報は、制御装置40に伝送される。制御装置40は、背凭れ検出部34により検出される前座席3の背凭れ33の角度に応じて第1空調装置10と第2空調装置20の駆動を制御する。
図12は、前座席3の背凭れ33の頭部側の部位331が車両前後方向に移動する範囲の中で、その背凭れ33の頭部側の部位331が最前部に位置する状態、すなわち背凭れ33の角度が直立に近い状態を示している。制御装置40は、背凭れ33が車両前後方向において第1吹出口110に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A1を小さくし、第2吹出口210から吹き出される風量B1を大きくする。
一方、図13は、前座席3の背凭れ33の頭部側の部位331が車両前後方向に移動する範囲の中で、その背凭れ33の頭部側の部位331が最後部に位置する状態、すなわち背凭れ33の角度がフラット状態に近づくようにリクライニングした状態を示している。制御装置40は、背凭れ33のうち頭部側の部位331が車両前後方向において第2吹出口210に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A2を大きくし、第2吹出口210から吹き出される風量B2を小さくする。なお、制御装置40は、背凭れ33の角度または位置に応じて、第2吹出口210から吹き出される空調風の送風方向の上下角度を自動調節する。
第3実施形態においても、第1吹出口110と第2吹出口210からそれぞれ吹き出される各風量の大小関係は、A2>A1≧0、B1>B2≧0 である。そして、第1吹出口110と第2吹出口210からそれぞれ吹き出される風量A1、A2、B1、B2は、前座席3の背凭れ33がどのような角度にあっても、その背凭れ33に凭れかかって着座する乗員に対して供給される合計空調能力がほぼ同一になるよう設定されている。
上述した第3実施形態も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、第3実施形態では、リクライニング時は特に包み込み送風のニーズが高いので、特に高い効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態について図14および図15を参照しつつ説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して第1空調装置10と第2空調装置20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態では、第1空調装置10の第1空調ユニット100には、フェイス吹出開口部114、図示していないフット吹出開口部、図示していないデフロスタ吹出開口部に加えて、第1他用途吹出開口部117が設けられている。第1他用途吹出開口部117には、第1他用途ダクト54が接続されている。第1他用途ダクト54の吹出口は、第1他用途吹出口540に相当する。なお、第1空調装置10は、第1空調ユニット100と各ダクト51、54を一体に構成してもよい。または、第1空調装置10の吹出開口部114、117から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
また、第2空調装置20の第2空調ユニット200には、天井吹出開口部214、図示していないフット吹出開口部に加えて、第2他用途吹出開口部216が設けられている。第2他用途吹出開口部216には、第2他用途ダクト63が接続されている。第2他用途ダクト63の吹出口は、第2他用途吹出口630に相当する。なお、第2空調装置20は、第2空調ユニット200と各ダクト61、63を一体に構成してもよい。または、第2空調装置20の吹出開口部214、216から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
第1他用途吹出口540と第2他用途吹出口630から吹き出される空調風は、いずれも車室内空調以外の用途に用いられる。第4実施形態では、それらの空調風は、車両に搭載されるバッテリパック70に供給され、そのバッテリパック70に格納される図示していないバッテリの温度調整に用いられる。なお、第1他用途吹出口540と第2他用途吹出口630から吹き出される空調風は、バッテリの温度調整に限らず、車両に搭載される温冷蔵庫の温度調整、または、車室内空気の排出(すなわち車内の換気)に用いることも可能である。
さらに、第1空調装置10は、第1吹出口110から吹き出される風量と第1他用途吹出口540から吹き出される風量を調整する第1風量調整部120を有している。第1風量調整部120は、例えば、フェイス吹出開口部114を開閉するフェイスドア17と、第1他用途吹出開口部117を開閉する第1他用途ドア121により構成されている。なお、第1風量調整部120は、フェイス吹出開口部114と第1他用途吹出開口部117のうち一方の開口部を開くほど他方の開口部を閉じるように構成されたロータリドアまたはスライドドアなどにより構成してもよい。
また、第2空調装置20も、第2吹出口210から吹き出される風量と第2他用途吹出口630から吹き出される風量を調整する第2風量調整部220を有している。第2風量調整部220は、例えば、天井吹出開口部214を開閉する天井吹出ドア27と、第2他用途吹出開口部216を開閉する第2他用途ドア221により構成されている。なお、第2風量調整部220も、天井吹出開口部214と第2他用途吹出開口部216のうち一方の開口部を開くほど他方の開口部を閉じるように構成されたロータリドアまたはスライドドアなどにより構成してもよい。
第4実施形態の制御装置40も、位置検出部30により検出される前座席3の可動部としての座部32の位置に応じて第1空調装置10と第2空調装置20の駆動を制御する。図14に示すように、制御装置40は、前座席3の座部32が第1吹出口110に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A1を小さくし、第2吹出口210から吹き出される風量B1を大きくする。その際、制御装置40は、前座席3の座部32が第1吹出口110に近づくほど、第1他用途吹出口540から吹き出される風量C1を大きくし、第2他用途吹出口630から吹き出される風量D1を小さくする。具体的には、制御装置40は、前座席3の座部32が第1吹出口110に近づくほど、第1風量調整部120を駆動制御することにより、第1吹出口110から吹き出される風量A1を小さくし、第1他用途吹出口540から吹き出される風量C1を大きくする。その際、制御装置40は、第2風量調整部220を駆動制御することにより、第2吹出口210から吹き出される風量B1を大きくし、第2他用途吹出口630から吹き出される風量D1を小さくする。
一方、図15に示すように、制御装置40は、前座席3の座部32が第2吹出口210に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A2を大きくし、第2吹出口210から吹き出される風量B2を小さくする。その際、制御装置40は、前座席3の座部32が第2吹出口210に近づくほど、第1他用途吹出口540から吹き出される風量C2を小さくし、第2他用途吹出口630から吹き出される風量D2を大きくする。具体的には、制御装置40は、前座席3の座部32が第2吹出口210に近づくほど、第1風量調整部120を駆動制御することにより、第1吹出口110から吹き出される風量A2を大きくし、第1他用途吹出口540から吹き出される風量C2を小さくする。その際、制御装置40は、第2風量調整部220を駆動制御することにより、第2吹出口210から吹き出される風量B2を小さくし、第2他用途吹出口630から吹き出される風量D2を大きくする。
以上説明した第4実施形態では、第1空調装置10と第2空調装置20を、車室内空調以外の種々の用途に使用することが可能である。そして、第1空調装置10と第2空調装置20のうち、車室内空調を行う負荷が小さい方の空調装置が有する他用途吹出口540、630から吹き出される空調風が、主に、車室内空調以外の用途に利用される。そのため、第1空調装置10または第2空調装置20のいずれか一方の送風機13、23に負荷が集中することが防がれる。したがって、この空調システムは、第1空調装置10と第2空調装置20がそれぞれ有する送風機13、23の負荷を軽減し、寿命を延ばすことができる。
また、第4実施形態では、制御装置40は、第1風量調整部120を駆動制御することにより、第1吹出口110から吹き出される風量と、第1他用途吹出口540から吹き出される風量を調整することが可能である。また、制御装置40は、第2風量調整部220を駆動制御することにより、第2吹出口210から吹き出される風量と、第2他用途吹出口630から吹き出される風量を調整することが可能である。
(第5実施形態)
第5実施形態について図16〜図18を参照しつつ説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して第1空調装置10と第2空調装置20の吹出口の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第5実施形態では、第1空調装置10の第1空調ユニット100に設けられた第1フット吹出開口部115に接続する第1フットダクト52の吹出口が、第1吹出口110に相当する。第1フットダクト52は、インストルメントパネルの下方に設けられた第1吹出口110から前座席3に着座する乗員の足元に向けて空調風を吹き出すことが可能である。なお、第1空調装置10は、第1空調ユニット100と第1フットダクト52とを一体に構成してもよい。または、第1空調装置10の吹出開口部115から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
また、第5実施形態では、第2空調装置20の第2空調ユニット200に設けられた第2フット吹出開口部215に接続する第2フットダクト62の吹出口が、第2吹出口210に相当する。第2フットダクト62は、前座席3の後方に設けられた第2吹出口210から前座席3に着座する乗員の足元に向けて空調風を吹き出すことが可能である。なお、第2空調装置20は、第2空調ユニット200と第2フットダクト62とを一体に構成してもよい。または、第2空調装置20の吹出開口部215から空調風が直接吹き出される構成としてもよい。
ここで、図18に示すように、前座席3の座部32と車体の床面7との間には、風が通過することの可能な空間35が設けられている。そのため、第2吹出口210から吹き出された空調風は、前座席3の座部32と車体の床面7の間の空間35を通り、前座席3に着座する乗員の足元に届けられる。
第5実施形態の制御装置40も、位置検出部30により検出される前座席3の座部32の位置に応じて第1空調装置10と第2空調装置20の駆動を制御する。図16に示すように、制御装置40は、前座席3の座部32が第1吹出口110に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A1を小さくし、第2吹出口210から吹き出される風量B1を大きくするよう、第1送風機13と第2送風機23の駆動を制御する。
一方、図17に示すように、制御装置40は、前座席3の座部32が第2吹出口210に近づくほど、第1吹出口110から吹き出される風量A2を大きくし、第2吹出口210から吹き出される風量B2を小さくするよう、第1送風機13と第2送風機23の駆動を制御する。
このとき、各風量の大小関係は、A2>A1≧0、B1>B2≧0 である。そして、第1吹出口110と第2吹出口210からそれぞれ吹き出される風量A1、A2、B1、B2は、前座席3の座部32がどの位置にあっても、その前座席3に着座する乗員に対して供給される合計空調能力がほぼ同一になるよう設定されている。
上述した第5実施形態の空調システム1も、下半身空調において、第1実施形態等と同一の作用効果を奏することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について図19〜図23を参照しつつ説明する。第6実施形態は、第1実施形態に対して第1空調装置10と第2空調装置20の制御方法の一部を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、図19〜図23では、位置検出部30および制御装置40などの図示を省略している。
第6実施形態では、第1空調装置10が備える複数のダクトのうち、フェイスダクト51の吹出口が、第1吹出口110に相当する。また、第2空調装置20が備える複数のダクトのうち、天井ダクト61の吹出口が、第2吹出口210に相当する。
第6実施形態の制御装置40も、位置検出部30により検出される前座席3の可動部としての座部32の位置に応じて第1空調装置10と第2空調装置20の駆動を制御する。但し、制御装置40は、座部32が車両前後方向に移動する範囲を、前方領域80、中間領域81および後方領域83に分けて、それぞれの領域で異なる制御を行うものとする。
前方領域80とは、最前部と第1基準位置P1との間の領域をいう。中間領域81とは、第1基準位置P1と第2基準位置P2との間の領域をいう。後方領域83とは、第2基準位置P2と最後部との間の領域をいう。なお、第1基準位置P1と第2基準位置P2は、実験などにより任意に設定することが可能である。また、第1基準位置P1と第2基準位置P2は、同一の位置であってもよい。
ここで、図19に示すように、前座席3の座部32が最前部に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA1とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB1とする。図20に示すように、前座席3の座部32の中心36が前方領域80に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA2とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB2とする。図21に示すように、前座席3の座部32の中心36が中間領域81に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA3とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB3とする。図22に示すように、前座席3の座部32の中心36が後方領域82に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA4とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB3とする。図23に示すように、前座席3の座部32が最後部に位置するとき、第1吹出口110から吹き出される風量をA5とし、第2吹出口210から吹き出される風量をB5とする。このとき、第1吹出口110と第2吹出口210から吹き出される各風量の大小関係は、A1=A2<A3<A4<A5、B1>B2>B3>B4=B5 である。
すなわち、制御装置40は、前座席3の座部32の中心36が前方領域80にある場合、第1吹出口110から吹き出される風量A1、A2を一定にする。そして、制御装置40は、前座席3の座部32の中心36が中間領域81と後方領域82にある場合、座部32が第1吹出口110から遠くなるほど、第1吹出口110から吹き出される風量A2〜A5を大きくする。
また、制御装置40は、前座席3の座部32の中心36が後方領域82にある場合、第2吹出口210から吹き出される風量B5、B4を一定にする。そして、制御装置40は、前座席3の座部32の中心36が中間領域81と前方領域80にある場合、座部32が第2吹出口210から遠くなるほど、第2吹出口210から吹き出される風量B4〜B1を大きくする。
これにより、第6実施形態では、前座席3の座部32が最前部から第1基準位置P1に向けて移動する際、第1吹出口110と乗員との距離が近い状態で第1吹出口110から吹き出される風量A1、A2が一定となる。そのため、前方領域80では第1吹出口110から吹き出される空調風が増加しないので、第1吹出口110から吹き出された空調風が乗員の身体の1か所に集中して送風されることが防がれる。したがって、この空調システム1は、包み込み送風による乗員の快適感をより向上させることができる。
また、第6実施形態では、前座席3の座部32が最後部から第2基準位置P2に向けて移動する際、第2吹出口210と乗員との距離が近い状態で第2吹出口210から吹き出される風量B4、B5が一定となる。そのため、後方領域82では第2吹出口210から吹き出される空調風が増加しないので、第2吹出口210から吹き出された空調風が乗員の身体の1か所に集中して送風されることが防がれる。したがって、この空調システム1は、包み込み送風による乗員の快適感をより高めることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、各吹出口から吹き出される風量を調整するための風量調整部を各空調ユニットに設けたが、これに限らない。他の実施形態では、風量調整部は、各空調ユニットに接続されるダクト内に設けてもよい。
例えば、上記各実施形態では、空調システムは、前座席と後座席を備えた2列シートの車両に搭載されるものについて説明したが、これに限らない。他の実施形態では、空調システムは、1列シートの車両、または3列シート以上の車両に搭載してもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両前後方向に移動可能な可動部を少なくとも一部に有する前座席を備えた車両に搭載される空調システムは、空調装置、位置検出部、制御装置を備える。空調装置は、空調風を送風する送風機、その送風機により送風される空調風を前座席に着座する乗員に対し車両前方から吹き出す第1吹出口、および、その送風機により送風される空調風を前座席に着座する乗員に対し車両後方から吹き出す第2吹出口を有する。位置検出部は、前座席が有する可動部の位置または角度を検出する。制御装置は、位置検出部により検出される可動部の位置または角度に応じて空調装置の駆動を制御する。ここで、制御装置は、可動部が車両前後方向に移動する範囲の全域もしくは一部において、可動部が第1吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を小さくし、第2吹出口から吹き出される風量を大きくする。また、制御装置は、可動部が第2吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を大きくし、第2吹出口から吹き出される風量を小さくする。
第2の観点によれば、送風機は、第1送風機と第2送風機を有している。空調装置は、第1送風機により送風される空調風を第1吹出口から吹き出すように構成された第1空調装置と、第2送風機により送風される空調風を第2吹出口から吹き出すように構成された第2空調装置と、を有している。
これによれば、第1空調装置が有する第1送風機により送風される空調風と、第2空調装置が有する第1送風機により送風される空調風により、前座席に着座する乗員に対する空調を行うことが可能となる。そのため、第1送風機と第2送風機の両方に負荷を分散させることで、個々の送風機の負荷が軽減される。したがって、この空調システムは、第1送風機と第2送風機の寿命を延ばすことができる。
第3の観点によれば、制御装置は、可動部が第1吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を小さくし、第2吹出口から吹き出される風量を大きくするよう、第1送風機と第2送風機の駆動を制御する。また、制御装置は、可動部が第2吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を大きくし、第2吹出口から吹き出される風量を小さくするよう、第1送風機と第2送風機の駆動を制御する。
これによれば、第1送風機と第2送風機のいずれか一方に負荷が集中することなく、両方の送風機に負荷を分散させることで、個々の送風機の負荷を軽減することができる。
第4の観点によれば、第1空調装置は、車室内空調以外の用途に用いられる空調風を吹き出すための第1他用途吹出口をさらに有する。第2空調装置は、車室内空調以外の用途に用いられる空調風を吹き出すための第2他用途吹出口をさらに有する。制御装置は、可動部が第1吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を小さくし、第1他用途吹出口から吹き出される風量を大きくし、且つ、第2吹出口から吹き出される風量を大きくし、第2他用途吹出口から吹き出される風量を小さくする。また、制御装置は、可動部が第2吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を大きくし、第1他用途吹出口から吹き出される風量を小さくし、且つ、第2吹出口から吹き出される風量を小さくし、第2他用途吹出口から吹き出される風量を大きくする。
これによれば、第1空調装置と第2空調装置のうち、車室内空調を行う負荷が小さい方の空調装置が有する他用途吹出口から吹き出される空調風が、車室内空調以外の用途にメインに使用される。そのため、第1空調装置と第2空調装置の一方の送風機に負荷が集中することが防がれる。したがって、個々の送風機の負荷を軽減し、個々の送風機の寿命を延ばすことができる。
第5の観点によれば、第1空調装置は、第1吹出口から吹き出される風量と第1他用途吹出口から吹き出される風量とを調整する第1風量調整部をさらに有する。第2空調装置は、第2吹出口から吹き出される風量と第2他用途吹出口から吹き出される風量とを調整する第2風量調整部をさらに有する。制御装置は、可動部が第1吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を小さくし、第1他用途吹出口から吹き出される風量を大きくするように第1風量調整部を駆動制御する。その際、制御装置は、第2吹出口から吹き出される風量を大きくし、第2他用途吹出口から吹き出される風量を小さくするように第2風量調整部を駆動制御する。また、制御装置は、可動部が第2吹出口に近づくほど、第1吹出口から吹き出される風量を大きくし、第1他用途吹出口から吹き出される風量を小さくするように第1風量調整部を駆動制御する。その際、制御装置は、第2吹出口から吹き出される風量を小さくし、第2他用途吹出口から吹き出される風量を大きくするように第2風量調整部を駆動制御する。
これによれば、制御装置は、第1風量調整部を駆動制御することにより、第1吹出口から吹き出される風量と、第1他用途吹出口から吹き出される風量を調整することが可能である。また、制御装置は、第2風量調整部を駆動制御することにより、第2吹出口から吹き出される風量と、第2他用途吹出口から吹き出される風量を調整することが可能である。
第6の観点によれば、第1他用途吹出口および第2他用途吹出口から吹き出される空調風は、車両に搭載されるバッテリの温度調整、温冷蔵庫の温度調整、または、車室内空気の排出のうちいずれかの用途に用いられる。これによれば、第1空調装置と第2空調装置を、車室内空調以外の種々の用途に使用することが可能である。
第7の観点によれば、可動部が車両前後方向に移動する範囲のうち、所定の第1基準位置を規定する。制御装置は、可動部が第1基準位置と最前部との間にある場合、第1吹出口から吹き出される風量を一定にする。そして、制御装置は、可動部が第1基準位置と最後部との間にある場合、可動部が第1吹出口から遠くなるほど、第1吹出口から吹き出される風量を大きくする。
ところで、前座席の可動部が最前部から第1基準位置に向けて移動する際、第1吹出口と乗員との距離が近い状態で第1吹出口から吹き出される風量が増加すると、その乗員の身体の1か所に集中して送風され、包み込み送風による快適性が悪化することがある。そこで、前座席の可動部が最前部と第1基準位置との間にある場合、第1吹出口から吹き出される風量を一定にすることで、包み込み送風による快適性をより高めることが可能である。
第8の観点によれば、可動部が車両前後方向に移動する範囲のうち、所定の第2基準位置を規定する。制御装置は、可動部が第2基準位置と最後部との間にある場合、第2吹出口から吹き出される風量を一定にする。そして、制御装置は、可動部が第2基準位置と最前部との間にある場合、可動部が第2吹出口から遠くなるほど、第2吹出口から吹き出される風量を大きくする。
ところで、前座席の可動部が最後部から第2基準位置に向けて移動する際、第2吹出口と乗員との距離が近い状態第2吹出口から吹き出される風量が増加すると、その乗員の身体の1か所に集中して送風され、包み込み送風による快適性が悪化することがある。そこで、前座席の可動部が最後部と第2基準位置との間にある場合、第2吹出口から吹き出される風量を一定にすることで、包み込み送風による快適性をより高めることが可能である。なお、第7の観点に記載した第1基準位置と、第8の観点に記載した第2基準位置とは、同一の位置であってもよく、または、異なる位置であってもよい。