以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序で説明を行う。
1.本開示の撮像装置の概要
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
<<1.本開示の撮像装置の概要>>
本開示の撮像装置を説明するにあたって、その概要について説明する。
<撮像の原理>
全ての被写体は点光源の集合であると考えることができ、あらゆる方向に光が出射されている。したがって、点光源より発する光をどのように撮像するのかについて考えることで、撮像の原理を説明することができる。ここでは、図1の上段で示されるように、点光源Pより光線L1乃至L5が発せられるものとし、光線L1乃至L5のそれぞれが光強度aの光線であるものとする。
撮像装置の構成が、撮像レンズ11と1画素分の撮像素子Dとからなる構成であり、この撮像素子Dにより点光源Pを撮像する場合、図1の中段で示されるように、撮像レンズ11が、点光源Pから発せられる光線L1乃至L5を、光線L1’乃至L5’で示されるように集光し、撮像素子Dに点光源Pの像を結像し、これが撮像素子Dにより撮像される。
この場合、撮像素子Dにおいては、点光源Pから発せられた光線L1乃至L5の全ての光強度の合計である光強度5aの光からなる像が結像されて撮像素子Dに入射されることで、十分な光量の画像として撮像される。
ところで、この点光源Pの集合が被写体を構成することになることは上述した通りである。したがって、被写体の撮像は、被写体面上の複数の点光源Pから発せられる光線が集光されて結像される被写体を撮像することになる。
すなわち、例えば、図2の左部で示されるように、被写体面31における被写体が点光源PA,PB,PCにより構成され、点光源PA,PB,PCのそれぞれから、図1の上段で示される場合と同様に光強度a,b,cの光線がそれぞれ5本出射される場合、光強度の合計は、それぞれ光強度5a,5b,5cとなる。
この場合、図1の中段で示される撮像の原理に従えば、撮像レンズ11により点光源PA,PB,PCからの光線が、複数の画素からなる撮像素子32の撮像面上における位置Pa,Pb,Pcにそれぞれ集光されて被写体の像が結像されて撮像されることになる。
ここで、撮像素子32上の位置Pa,Pb,Pcにおける画素の検出信号レベルは、各光線の検出信号レベルがa,b,cであるとき、図2の右部で示されるように、位置Pa,Pb,Pcのそれぞれにおいて、検出信号レベル5a,5b,5cとなる。
尚、図2の右部においては、縦軸が撮像素子32上の位置を表し、横軸が、各位置の撮像素子における検出信号レベルを表している。すなわち、撮像素子32上における位置Pa,Pb,Pcが、被写体面31上における点光源PA,PB,PCに対して、倒立した位置関係で、かつ、位置Pa,Pb,Pcの各検出信号レベルが、点光源PA,PB,PCより発せされた光線の光強度となる、被写体の像が結像された画像が撮像されることになる。
一方、撮像装置の構成が、遮光膜12に対して穴部として設けられたピンホール12aと撮像素子Dからなる構成である場合、図1の下段で示されるように、点光源Pから発せられる光線L1乃至L5のうち、ピンホール12aを透過する光線L3だけが撮像素子Dに結像されて撮像される。
この場合、撮像素子Dにおいては、点光源Pから発せられた光強度aの光線L3のみにより、点光源Pの像が結像されて撮像素子Dに入射されることで、図1の中段で示されるように、撮像レンズ11を用いた場合に対して、光量が1/5の暗い画像として撮像される。
すなわち、例えば、図3の左部で示されるように、被写体面31における被写体が点光源PA,PB,PCにより構成され、それぞれの点光源から発せられる光線が、それぞれ光強度a,b,cである場合を考える。このとき、図1の下段で示される撮像の原理に従えば、撮像素子32の撮像面上における位置Pa,Pb,Pcでは、それぞれ点光源PA,PB,PCからの1本分の光線に相当する検出信号レベルa,b,cで被写体の像が結像されて撮像されることになる。
ここで、位置Pa,Pb,Pcにおける検出信号レベルが、それぞれa,b,c(例えば、b>a>cであるものとする)であるとき、図3の右部で示されるように、位置Pa,Pb,Pcのそれぞれにおける検出信号レベルはa,b,cとなる。尚、図3の右部においては、縦軸が撮像素子32上の位置を表し、横軸が、各位置の撮像素子における検出信号レベルを表している。尚、図3の右部で示される検出信号レベルは、被写体の像が結像された画像に対応する検出信号レベルであるので、画素値でもある。
すなわち、被写体の撮像の本質は、被写体面31上の各点光源の輝度を光電変換により測定することにあり、図3の右部における点光源PA,PB,PCのそれぞれの光強度a,b,cを検出することである。
図1を参照して説明したように、撮像レンズ11の役割は点光源PA,PB,PCから出射される各光線、即ち拡散光を、撮像素子32上に導くことにある。そのため、撮像素子32上には最終画相当の像が結像されることとなり、検出信号からなる画像が、像が結像された撮像画像となる。ただし、撮像レンズの大きさによって撮像装置のサイズが決定されるため、小型化には限界がある。
さらに、ピンホールと撮像素子との構成からなる撮像装置は、撮像レンズを設ける必要がないので、撮像レンズと撮像素子との構成からなる撮像装置よりも装置構成を小さくすることができる可能性があるが、撮像される画像の明るさが十分でないため、ある程度の明るさの画像を撮像できるように露光時間を長くする、または、ゲインを上げる等が必須となり、高速な被写体の撮像においてはボケが生じ易くなる、または、自然な色表現ではなくなる恐れがある。
そこで、図4の左部で示されるように、撮像レンズやピンホールを設けることなく、撮像素子32のみを用いて、被写体面31上の被写体を撮像することを考える。
例えば、図4の左部で示されるように、点光源PA,PB,PCから、撮像素子32上の位置Pa,Pb,Pcのそれぞれに光強度a,b,cの光線が入射するものとすると、撮像素子32上の位置Pa,Pb,Pcのそれぞれにおいて、いずれも点光源PA,PB,PCからの光線がそのまま入射されることになる。
この結果、図4の右部で示されるように、撮像素子32上の位置Pa,Pb,Pcにおいては、入射角指向性がないので、同一の光強度a+b+cの光が撮像されることになり、撮像素子32全体において、位置によらず、同一の検出信号レベルの検出信号が得られることになる。尚、図4の右部で示される検出信号レベルは、被写体の像が結像された画像に対応する検出信号レベルではないので、復元された画素値を示すものではない。
すなわち、撮像レンズやピンホールを設けることなく、特別な構成も持たない撮像素子32のみを用いて、被写体面31上の被写体の像を結像することはできない。このため、撮像素子32のみを用いるだけの構成では、被写体の像を結像した画像を撮像することはできないことになる。
そこで、本開示の撮像装置においては、図5の上段左部で示されるように、各画素の検出感度に入射角指向性を持たせた撮像素子51を設けるようにする。ここでいう各画素の検出感度に入射角指向性を持たせるとは、画素に対する入射光の入射角度に応じた受光感度特性を画素毎に異なるものとなるように持たせることである。ただし、全ての画素の受光感度特性が完全に異なるものである必要はなく、一部の画素に同一の受光感度特性を持つものが含まれていてもよいし、一部の画素が異なる受光感度特性を持つものであってもよい。
すなわち、被写体面31を構成する光源が点光源であることを前提とした場合、撮像素子51においては、同一の点光源より発せられた同一の光強度の光線が、全ての画素に入射されることになるが、画素毎にそれぞれ異なる入射角度で入射されることになる。そして、各画素が入射光の入射角度に応じた異なる受光感度特性、すなわち、入射角指向性を有しているので、同一の光強度の光線であっても、各画素で異なる感度で検出されることになり、画素毎に異なる検出信号レベルの検出信号が検出される。
より詳細には、撮像素子51の各画素において受光される入射光の入射角度に応じた感度特性、すなわち、各画素における入射角度に応じた入射角指向性は、入射角度に応じた受光感度を表す係数で表現するものとし、各画素における入射光に応じた検出信号レベルは、入射光の入射角度に応じた受光感度に対応して設定される係数を乗じることで求められるものとなる。
より具体的には、図5の上段右部で示されるように、位置Pa,Pb,Pcにおける検出信号レベルDA,DB,DCは、それぞれ以下の式(1)乃至式(3)で表される。
DA=α1×a+β1×b+γ1×c
・・・(1)
DB=α2×a+β2×b+γ2×c
・・・(2)
DC=α3×a+β3×b+γ3×c
・・・(3)
ここで、α1は、撮像素子51上の位置Paにおける復元する被写体面31上の点光源PAからの光線の入射角度に応じて設定される検出信号レベルaに対する係数であり、換言すれば、位置Paにおける点光源PAからの光線の入射角度に応じた入射角指向性を表現する検出信号レベルaに対する係数である。
また、β1は、撮像素子51上の位置Paにおける復元する被写体面31上の点光源PBからの光線の入射角度に応じて設定される検出信号レベルbに対する係数である。
さらに、γ1は、撮像素子51上の位置Paにおける復元する被写体面31上の点光源PCからの光線の入射角度に応じて設定される検出信号レベルcに対する係数である。
従って、検出信号レベルDAのうちの(α1×a)は、位置Pcにおける点光源PAからの光線による検出信号レベルを示したものであり、位置Pcにおける点光源PAからの光線の光強度aに、その入射角度に応じた入射角指向性を示す係数α1が乗じられたものである。
また、検出信号レベルDAのうちの(β1×b)は、位置Pcにおける点光源PBからの光線による検出信号レベルを示したものであり、位置Pcにおける点光源PBからの光線の光強度bに、その入射角度に応じた入射角指向性を示す係数β1が乗じられたものである。
さらに、検出信号レベルDAのうちの(γ1×c)は、位置Pcにおける点光源PCからの光線による検出信号レベルを示したものであり、位置Pcにおける点光源PCからの光線の光強度cに、その入射角度に応じた入射角指向性を示す係数γ1が乗じられたものである。
従って、検出信号レベルDAは、位置Paにおける点光源PA,PB,PCの各成分に、それぞれの入射角度に応じた入射角指向性を示す係数α1,β1,γ1を掛けたものの合成値として表現される。以降、係数α1、β1、γ1を合わせて係数セットと呼ぶこととする。
同様に、点光源PBにおける検出信号レベルDBについて、係数セットα2,β2,γ2は、それぞれ点光源PAにおける検出信号レベルDAについての、係数セットα1,β1,γ1に対応するものである。また、点光源PCにおける検出信号レベルDCについて、係数セットα3,β3,γ3は、それぞれ点光源PAにおける検出信号レベルDAについての、係数セットα1,β1,γ1に対応するものである。
ただし、位置Pa,Pb,Pcの画素の検出信号レベルについては、点光源PA,PB,PCのそれぞれより発せられた光線の光強度a,b,cと係数との積和により表現される値である。このため、これらの検出信号レベルは、点光源PA,PB,PCのそれぞれより発せられた光線の光強度a,b,cが入り交じったものとなるので、被写体の像が結像されたものとは異なるものである。
すなわち、この係数セットα1,β1,γ1,係数セットα2,β2,γ2,係数セットα3,β3,γ3と、検出信号レベルDA,DB,DCを用いた連立方程式を構成し、光強度a,b,cを解くことで、図5の下段右部で示されるように各位置Pa,Pb,Pcの画素値を求める。これにより画素値の集合である復元画像が復元される。
尚、図5の上段右部で示される検出信号レベルは、被写体の像が結像された画像に対応する検出信号レベルではないので、画素値ではない。また、図5の下段右部で示される検出信号レベルは、被写体の像が結像された画像に対応する画素毎の信号値即ち復元画像の各画素の値なので、画素値となる。
このような構成により、撮像レンズ、回折格子等からなる光学フィルタや、ピンホールを必要としない、各画素において入射角指向性を有する撮像素子51を構成とする撮像装置を実現することが可能となる。結果として、撮像レンズ、回折格子等からなる光学フィルタやピンホール等が必須構成とならないので、撮像装置の低背化、すなわち、撮像機能を実現する構成における光の入射方向に対する厚さを薄くすることが可能になる。
<<2.第1の実施の形態>>
次に、図6のブロック図を参照して、本開示の撮像装置を適用した第1の実施の形態の構成例について説明する。
撮像装置101は、指向性撮像素子121、信号処理部122、デモザイク処理部123、γ補正部124、ホワイトバランス調整部125、画像出力部126、記憶部127、表示部128、被写体距離決定部129、操作部130、および係数セット選択部131より構成され、撮像レンズを含まない。
指向性撮像素子121は、図5を参照して説明した撮像素子51に対応するものであり、入射角指向性を有する画素を含み、入射光の光量に応じた検出信号レベルの信号からなる検出画像を出力する撮像素子である。
より具体的には、指向性撮像素子121は、基本的な構造において、一般の、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子からなるものと同様のものであっても良いが、画素アレイを構成する各画素の構成が一般のものと異なる。すなわち、各画素においては、各フォトダイオードの受光領域(受光面)の一部であって、それぞれ画素毎に相互に異なる範囲に遮光膜が設けられている。これにより、画素毎に入射光の入射角度に応じて受光感度が異なる(変化する)こととなり、結果として、画素単位で入射光の入射角度に対する入射角指向性を有する撮像素子が実現されている。尚、指向性撮像素子121は、画素アレイとして構成されなくてもよく、例えば、ラインセンサとして構成されてもよい。また、遮光膜については、画素単位で全て異なる場合に限らず、一部が同一の構成でもよいし、一部が異なる構成でもよい。
信号処理部122は、指向性撮像素子121より供給されてくる各画素の検出信号レベルと、係数セット選択部131に格納された係数セットとを用いて連立方程式を構成し、構成した連立方程式を解くことにより、復元画像を構成する各画素の画素値を求め、デモザイク処理部123に出力する。尚、指向性撮像素子121の画素数と、復元画像を構成する画素の画素数とは、必ずしも同一である必要はない。また、ここでは、カラーフィルタがベイヤ配列である場合を例として説明しているため、色分離処理を行う構成としてデモザイク処理部123が設けられている。しかしながら、カラーフィルタが、例えば、ストライプカラーフィルタなどである場合、デモザイク処理部123は、対応する色分離処理を実施する構成に置き換えられ、さらに、モノクロの撮像素子や色毎に撮像素子を持つ多板の撮像装置の場合は、デモザイク処理部123は省略される。
また、カラーフィルタは、ベイヤ配列で使用されるRGB(赤色、緑色、青色)以外の色を透過させるものであってもよく、例えば、黄色、白色などを透過させるものでもよいし、紫外光、赤外光などを透過させるものであってもよく、様々な波長の色を透過させるものであってよい。
また、図6の指向性撮像素子121が出力する信号からなる検出画像は、上述した図5の上段右側で示されるように被写体の像が結像されていない検出信号より構成される画像となるので、目視により被写体を認識することができない画像である。すなわち、図6の指向性撮像素子121が出力する検出信号からなる検出画像は、画素信号の集合ではあるが、ユーザが目視しても画像として認識できない画像である。被写体の像が結像された画像、すなわち、ユーザが目視して画像として認識できる復元画像は、図6の撮像装置101においては、図5の上段右側で示される検出信号と、係数セット群とを用いた連立方程式を解くことにより求められる、図5の下段右側で示される画素値よりなる画像となる。
そこで、以降においては、図5の上段右側で示されるように被写体の像が結像されていない検出信号より構成される画像、すなわち、指向性撮像素子121により撮像された画像は、検出画像と称するものとする。
また、図5の下段右側で示される被写体の像が結像された画像、すなわち、信号処理部122により検出画像を構成する各画素の検出信号レベルと、係数セットとを用いた連立方程式により求められる被写体の像が結像された画素値から構成される、ユーザが目視して画像として認識できる画像ついては、復元画像と称するものとする。ただし、指向性撮像素子121が紫外線などの視認可能な波長帯域以外の光のみに感度を有する場合、復元画像も通常の画像のように被写体を識別できるような画像とはならないがこの場合も復元画像と称する。
さらに、被写体の像が結像された状態の画像である復元画像であって、デモザイク処理前の画像をRaw画像と称するものとし、指向性撮像素子121により撮像された検出画像については、色フィルタの配列に従った画像ではあるが、Raw画像ではないものとして区別する。
デモザイク処理部123は、例えば、Bayer配列等のカラーフィルタの配列に応じて、欠落した色の画素信号を生成するデモザイク処理をすることでRGB毎のプレーンの画像を生成し、γ補正部124に供給する。
γ補正部124は、デモザイク処理後の画像にγ補正を施してホワイトバランス調整部125に供給する。
ホワイトバランス調整部125は、γ補正が施された画像のホワイトバランスを調整して画像出力部126に出力する。
画像出力部126は、ホワイトバランスが調整された画像を、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tag Image File Format)、GIF(Graphics Interchange Format)等の所定の圧縮形式の画像信号に変換する。そして、画像出力部126は、このように所定の形式に変換された画像信号を、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(SolidState Drive)、および、半導体メモリなどのいずれか、または、それらの組み合わせなどからなる記憶部127に記憶させる、LCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部128に表示させる、並びに、被写体距離決定部129に出力する処理いずれかの処理を実行する。
被写体距離決定部129は、操作ダイヤルや操作ボタン、撮像装置101と別体として構成された外部のリモコンなどからなる操作部130からの操作信号に基づいて、撮像位置から被写体までの距離である被写体距離を決定し、決定した被写体距離の情報を係数セット選択部131に供給する。すなわち、復元画像は表示部128に表示されるため、図示せぬユーザが表示部128に表示された、復元画像であるスルー画像を見ながら操作部130を操作して被写体距離を調整する。
係数セット選択部131は、図5における撮像素子51から被写体面31(復元画像に対応する被写体面)までの距離に相当する様々な被写体距離に対応付けて、上述した係数α1乃至α3,β1乃至β3,γ1乃至γ3に相当する係数セットを記憶している。そこで、係数セット選択部131は、被写体距離決定部129より供給されてくる被写体距離の情報に基づいて、係数セットを選択する。これにより、信号処理部122は、選択された係数セットを用いて検出画像から復元画像を復元する。
なお、1つの被写体距離の復元画像のみを得るような場合には被写体距離決定部129は設けなくても良い。
また、撮像レンズを用いる撮像装置のように、オートフォーカス機能を実現することも可能である。
この場合、被写体距離決定部129は、画像出力部126から供給された復元画像に基づいてコントラストAF(Auto Focus)方式と同様の山登り方式で最適な被写体距離を決定することで、オートフォーカス機能を実現することができる。
なお、被写体距離は、画像出力部126から供給された復元画像に限らず、デモザイク処理部123、γ補正部124、ホワイトバランス調整部125の出力を基に決定しても良い。
さらには、被写体距離決定部129は、別途設けられた測距センサの出力に基づいて被写体距離を決定しても良い。
また、指向性撮像素子121から出力された検出画像を復元することなく、記憶部127に記憶しても良い。この場合、再生時に記憶部127に記憶された検出画像が信号処理部122に供給され、信号処理部122で復元画像が生成される。さらに、検出画像を復元することなく、記録媒体に記憶したり、保存するなどして、または、通信などにより、他の機器に出力し、撮像装置とは異なる、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や再生装置などの他の機器により検出画像を復元させるようにしてもよい。
その際に、係数セット選択部131は、複数の被写体距離に対応付けられた複数の係数セットの1つをユーザ選択等に基づいて選択し、信号処理部122で選択された係数セットにより異なる被写体距離の復元画像を切り替えて得るようにしても良い。これにより、リフォーカスが実現されるようにしてもよい。
尚、図6の構成においては、デモザイク処理部123、γ補正部124、およびホワイトバランス調整部125が、全て設けられた構成例について示されているが、いずれも必須構成ではないので、省略するようにしても良いし、図6の構成以外の構成順序であってもよい。また、画像出力部126は、圧縮やフォーマット変換をしなくてもよく、Raw画像をそのまま出力するようにしてもよい。さらに、デモザイク処理部123、γ補正部124、およびホワイトバランス調整部125が、省略され、画像出力部126が、圧縮やフォーマット変換をしない場合、Raw画像がそのままHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)等で外部に出力されるようにしてもよい。
<光学ブロックを含む撮像装置の構成例>
ここで、本願の撮像装置の構成例を説明するにあたって、その対比のため、図7のブロック図を参照して、複数の撮像レンズからなる光学ブロックを含む撮像装置の構成例について説明する。尚、図7の光学ブロックを含む撮像装置141の構成において、図1の撮像装置101の構成と同一の構成については、同一の符号、および同一の名称を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
すなわち、図7の撮像装置141において、図1の撮像装置101の構成と異なる点は、指向性撮像素子121、信号処理部122、および係数セット選択部131に代えて、撮像素子151、光学ブロック152、および焦点調整部153が設けられている点である。
すなわち、撮像素子151は、入射角指向性を有しない画素からなる撮像素子であり、複数の撮像レンズから構成される光学ブロック152が、被写体距離決定部129より供給されてくる被写体距離、すなわち、焦点距離に応じて焦点調整部153により調整され、入射光が集光されて、撮像素子151の撮像面上で結像される。撮像素子151は、このように被写体の像が結像された復元画像を撮像してデモザイク処理部123に出力する。
<図7の光学ブロックを含む撮像装置による撮像処理>
次に、図8のフローチャートを参照して、図7の光学ブロックを含む撮像装置141による撮像処理について説明する。
ステップS11において、被写体距離決定部129は、操作部130より供給されてくる操作信号、または、直前までに撮像された複数の画像に基づいて、被写体までの距離を決定し、決定した被写体距離の情報を焦点調整部153に供給する。焦点調整部153は、被写体距離、すなわち、焦点距離に基づいて光学ブロック152を調整させる。
ステップS12において、光学ブロック152は、入射光を集光し、対応する被写体距離に相当する位置の被写体面における被写体の像を撮像素子151の撮像面上に結像させる。
ステップS13において、撮像素子151は、光学ブロック152により被写体の像が結像された画像を撮像して、復元画像となるRaw画像をデモザイク処理部123に供給する。
ステップS14において、デモザイク処理部123は、復元画像を構成するRaw画像をデモザイク処理してγ補正部124に供給する。
ステップS15において、γ補正部124は、デモザイク処理された復元画像にγ補正を施し、ホワイトバランス調整部125に供給する。
ステップS16において、ホワイトバランス調整部125は、γ補正が施された復元画像のホワイトバランスを調整して画像出力部126に供給する。
ステップS17において、画像出力部126は、ホワイトバランスが調整された結像画 像を、所定の圧縮形式に変換する。
ステップS18において、画像出力部126は、所定の圧縮形式に変換された復元画像を記憶部127に記憶させる、表示部128に表示させる、および、被写体距離決定部129に供給するといった処理の少なくともいずれかを行う。
以上の処理により、復元画像が撮像される。すなわち、光学ブロックを含む撮像装置による撮像処理においては、光学ブロック152により撮像素子151に入射する光が集光されて、被写体の像が結像された復元画像が撮像される。
<指向性撮像素子の第1の構成例>
(指向性撮像素子を用いた撮像装置と光学ブロックを含む撮像装置との違い)
これに対して、図6の撮像装置101は、撮像レンズ152(図7)およびピンホール12(図3)のいずれも介さず入射される入射光を受光する指向性撮像素子121により検出画像が撮像され、信号処理部122により検出画像と係数セット群とから得られる連立方程式の解を用いることにより復元画像が求められる。
この違いは、指向性撮像素子121と撮像素子151との構造の違いに起因する。
図9の左部は、図7の光学ブロックを含む撮像装置141の撮像素子151の画素アレイ部の一部の正面図を示しており、図9の右部は、図6の本開示の撮像装置101の指向性撮像素子121の画素アレイ部の一部の正面図を示している。尚、図9においては、画素アレイ部が水平方向×垂直方向のそれぞれの画素数が6画素×6画素の構成である場合の例を示しているが、画素数の構成は、これに限るものではない。
すなわち、図9で示されるように、図7の光学ブロックを含む撮像装置141に用いられる撮像素子151は、入射角指向性を備えていない画素151aがアレイ状に配置されていることが示されている。これに対して指向性撮像素子121は、画素121a毎に、そのフォトダイオードの受光領域の一部であって、画素121a毎に異なる範囲に遮光膜121bが設けられており、画素121a毎に入射光の入射角度に対する受光感度を異なるものとすることで、入射角に対する入射角指向性を有する構成とされている。
より具体的には、例えば、画素121a−1と画素121a−2とでは、設けられている遮光膜121b−1と遮光膜121b−2とにより画素を遮光する範囲が異なる(遮光する領域(位置)、および遮光する面積の少なくともいずれかが異なる)。すなわち、画素121a−1においては、フォトダイオードの受光領域における左側の一部を所定の幅だけ遮光するように遮光膜121b−1が設けられており、画素121a−2においては、受光領域における右側の一部を、遮光膜121b−1よりも水平方向に広い幅だけ遮光するように遮光膜121b−2が設けられている。その他の画素121aにおいても、同様に、遮光膜121bが、画素毎に受光領域における異なる範囲が遮光されるように設けられており、画素アレイ内でランダムに配置されている。
尚、遮光膜121bの範囲は、各画素の受光領域を覆い隠す割合が大きくなるほど、受光できる光量が少ない状態となるため、所望の光量が確保できる程度の面積とすることが望ましく、遮光膜121bの面積を、例えば、最大で受光可能な範囲の全体の3/4程度までといった制限を加えて構成するようにしてもよい。このようにすることで、所望量以上の光量を確保することが可能となる。ただし、各画素について、受光する光の波長に相当する幅の遮光されていない範囲が設けられていれば、最小限の光量を受光することは可能である。すなわち、例えば、B画素(青色画素)の場合、波長は500nm程度となるが、この波長に相当する幅以上に遮光されていなければ、最小限の光量を受光することは可能である。
(指向性撮像素子の第1の構成例における側面断面、上面、および回路構成例)
次に、図10を参照して、指向性撮像素子121の第1の構成例における側面断面、上面、および回路構成例について説明する。すなわち、図10の上段は、指向性撮像素子121の第1の構成例における側面断面図であり、図10の中段は、指向性撮像素子121の第1の構成例における上面図である。また、図10の上段の側面断面図は、図10の中段におけるAB断面となる。さらに、図10の下段は、指向性撮像素子121の回路構成例である。
図10の上段の指向性撮像素子121においては、図中の上方から下方に向けて入射光が入射する。隣接する画素121a−15,121a−16は、それぞれ図中の最下層に配線層Z12が設けられており、その上に光電変換層Z11が設けられている、いわゆる、裏面照射型である。
尚、画素121a−15,121a−16を区別する必要がない場合、単に、画素121aと称し、他の構成についても、同様に称する。また、図10においては、指向性撮像素子121の画素アレイを構成する2画素分の側面図および上面図となっているが、いうまでもなく、これ以上の数の画素121aが配置されているが図示が省略されている。
さらに、画素121a−15,121a−16は、それぞれ光電変換層Z11にフォトダイオード121e−15,121e−16を備えている。また、フォトダイオード121e−15,121e−16の上には、それぞれ上からオンチップレンズ121c−15,121c−16、およびカラーフィルタ121d−15,121d−16が構成されている。
オンチップレンズ121c−15,121c−16は、入射光をフォトダイオード121e―15,121e―16上に集光させる。
カラーフィルタ121d−15,121d−16は、例えば、赤色、緑色、青色、赤外および白色等の特定の波長の光を透過させる光学フィルタである。尚、白色の場合、カラーフィルタ121d−15,121d−16は、透明のフィルタでもよいし、無くてもよい。
画素121a−15,121a−16の光電変換層Z11における、それぞれ画素間の境界には、遮光膜121p−15乃至121p−17が形成されており、隣接する画素間のクロストークを抑制する。
また、遮光膜121b−15,121b−16は、図10の上段および下段で示されるように、上面から見て一部が受光面Sを遮光している。画素121a−15,121a−16におけるフォトダイオード121e−15,121e−16の受光面Sにおいては、遮光膜121b−15,121b−16により、それぞれ異なる範囲が遮光されており、これにより画素ごとに異なる入射角指向性が設定される。ただし、遮光される範囲は、指向性撮像素子121の全画素121aのそれぞれにおいて異なることが場合に限らず、一部で同一の範囲が遮光される画素121aが存在していてもよい。図10の上段で示されるような構成により、遮光膜121p−15の右端部と、遮光膜121b−15の上方端部とが接続されると共に、遮光膜121b−16の左端部と遮光膜121p−16の上方端部とが接続され、側面からみてL字型に構成されている。
さらに、遮光膜121b−15乃至121b−17、および遮光膜121p−15乃至121p−17は、金属により構成されており、例えば、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、またはAlと銅(Cu)との合金より構成される。また、遮光膜121b−15乃至121b−17、および遮光膜121p−15乃至121p−17は、半導体プロセスにおける配線が形成されるプロセスと同一のプロセスで、配線と同一の金属により同時に形成されるようにしてもよい。尚、遮光膜121b−15乃至121b−17、および遮光膜121p−15乃至121p−17の膜厚は、位置に応じて同一の厚さにしなくてもよい。
また、図10の下段で示されるように、画素121aは、フォトダイオード161(フォトダイオード121eに対応する)、転送トランジスタ162、FD(Floating Diffusion:フローティングディフュージョン)部163、選択トランジスタ164、増幅トランジスタ165、およびリセットトランジスタ166を備えて構成され、垂直信号線167を介して電流源168に接続されている。
フォトダイオード161は、アノード電極がそれぞれ接地され、カソード電極が、転送トランジスタ162を介して増幅トランジスタ165のゲート電極にそれぞれ接続される構成となっている。
転送トランジスタ162は、転送信号TGに従ってそれぞれ駆動する。例えば、転送トランジスタ162のゲート電極に供給される転送信号TGがハイレベルになると、転送トランジスタ162はオンとなる。これにより、フォトダイオード161に蓄積されている電荷が転送トランジスタ162を介してFD部163に転送される。
増幅トランジスタ165は、フォトダイオード161での光電変換によって得られる信号を読み出す読出し回路であるソースフォロワの入力部となり、FD部163に蓄積されている電荷に応じたレベルの画素信号を垂直信号線23に出力する。すなわち、増幅トランジスタ165は、ドレイン端子が電源電圧VDDに接続され、ソース端子が選択トランジスタ164を介して垂直信号線167に接続されることで、垂直信号線167の一端に接続される電流源168とソースフォロワを構成する。
FD(Floating Diffusion:フローティングディフュージョン)部163は、転送トランジスタ162と増幅トランジスタ165との間に設けられる電荷容量C1を有する浮遊拡散領域であり、転送トランジスタ162を介してフォトダイオード161から転送される電荷を一時的に蓄積する。FD部163は、電荷を電圧に変換する電荷検出部であって、FD部163に蓄積されている電荷が増幅トランジスタ165において電圧に変換される。
選択トランジスタ164は、選択信号SELに従って駆動し、ゲート電極に供給される選択信号SELがハイレベルになるとオンとなって、増幅トランジスタ165と垂直信号線167とを接続する。
リセットトランジスタ166は、リセット信号RSTに従って駆動する。例えば、リセットトランジスタ166は、ゲート電極に供給されるリセット信号RSTがハイレベルになるとオンとなり、FD部163に蓄積されている電荷を電源電圧VDDに排出して、FD部163をリセットする。
以上のような回路構成により、図10の下段で示される画素回路は以下のように動作する。
すなわち、第一動作として、リセットトランジスタ166および転送トランジスタ162がオンにされ、FD部163に蓄積されている電荷を電源電圧VDDに排出して、FD部163をリセットする。
第二動作として、リセットトランジスタ166および転送トランジスタ162がオフにされ、露光期間となり、フォトダイオード161により、入射光の光量に応じた電荷が蓄積される。
第三動作として、リセットトランジスタ166がオンにされて、FD部163がリセットされた後、リセットトランジスタ166がオフにされる。この動作により、FD部163がリセットされて、基準電位に設定される。
第四動作として、リセットされた状態のFD部163の電位が、基準電位として増幅トランジスタ165より出力される。
第五動作として、転送トランジスタ162がオンにされて、フォトダイオード161に蓄積された電荷がFD部163に転送される。
第六動作として、フォトダイオードの電荷が転送されたFD部163の電位が、信号電位として増幅トランジスタ165より出力される。
以上の処理により、信号電位から基準電位が減算されて、CDS(相関二重サンプリング)により検出信号として出力される。
<指向性撮像素子の第2の構成例>
(指向性撮像素子の第2の構成例における側面断面、上面、および回路構成例)
図11は、指向性撮像素子121の第2の構成例における側面断面、上面、および回路構成例を示す図である。すなわち、図11の上段には、第2の構成例である指向性撮像素子121の画素121aの側面断面図が示されており、図11の中段には、指向性撮像素子121の上面図が示されている。また、図11の上段の側面断面図は、図11の中段におけるAB断面となる。さらに、図11の下段は、指向性撮像素子121の回路構成例である。
図11に示すように、指向性撮像素子121は、画素121aにおいて、4つのフォトダイオード121f−11s乃至121f−4が形成され、遮光膜121pが、フォトダイオード121f−11乃至121f−4同士を分離する領域に形成されている点で、図10の指向性撮像素子121と異なる構成となっている。即ち、図11の指向性撮像素子121では、遮光膜121pは、上面から見て「+」形状に形成されている。なお、それらの共通の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図11のように構成された指向性撮像素子121では、遮光膜121pによりフォトダイオード121f−1乃至121f−4に分離することによって、フォトダイオード121f−1乃至121f−4間の電気的および光学的なクロストークを防止することができる。即ち、図11の遮光膜121pは、図10の指向性撮像素子121の遮光膜121p同様にクロストークを防止するためのものであって、入射角指向性を与えるためのものではない。
図11の指向性撮像素子121の第2の構成例においては、1個のFD部163を4個のフォトダイオード121f−1乃至121f−4で共有する。図11の下段は、1個のFD部163を4個のフォトダイオード121f−1乃至121f−4で共有するようにした回路構成例を示している。尚、図11の下段において、図10の下段と同一の構成については、その説明を省略する。
図11の下段において、図10の下段の回路構成と異なる点は、フォトダイオード161(図10の上段におけるフォトダイオード121eに対応する)および転送トランジスタ162に代えて、フォトダイオード161−1乃至161−4(図11の上段におけるフォトダイオード121f−1乃至121f−4に対応する)および転送トランジスタ162−1乃至162−4を設け、FD部163を共有する構成としている点である。
このような構成により、フォトダイオード121f−1乃至121f−4に蓄積された電荷は、フォトダイオード121f−1乃至121f−4と増幅トランジスタ165のゲート電極との接続部に設けられる所定の容量を有する共通のFD部163に転送される。そして、FD部163に保持されている電荷のレベルに応じた信号が画素出力単位の検出信号として読み出される。
このため、フォトダイオード121f−1乃至121f−4で蓄積された電荷を様々な組み合わせで選択的に画素出力単位の検出信号に寄与させることができる(画素出力単位の検出信号への寄与の度合いを異ならせるようにすることができる)。
すなわち、フォトダイオード121f−1乃至121f−4毎に独立して電荷を読み出すことができる構成とすることにより、各画素出力単位に異なる入射角指向性を持たせることができる。
例えば、図11では、フォトダイオード121f−1およびフォトダイオード121f−3の電荷とをFD部163に転送することで、それぞれを読み出して得られる信号を加算することにより、左右方向の入射角指向性を得ることができる。同様に、フォトダイオード121f−1およびフォトダイオード121f−2の電荷とをFD163部に転送することで、それぞれを読み出して得られる信号を加算することにより、上下方向の入射角指向性を得ることができる。
また、図11では、フォトダイオード121f−1およびフォトダイオード121f−3の電荷と、フォトダイオード121f−2およびフォトダイオード121f−4の電荷とをそれぞれ同時にFD部163に転送し、FD部163において加算して、読み出すことにより得られる信号により、左右方向の入射角指向性を得ることができる。同様に、フォトダイオード121f−1およびフォトダイオード121f−2の電荷と、フォトダイオード121f−3およびフォトダイオード121f−4の電荷とをそれぞれ同時にFD部163に転送し、FD部163において加算して、読み出すことにより得られる信号により、上下方向の入射角指向性を得ることができる。
また、4つのフォトダイオード121f−1乃至121f−4より独立して選択的に読み出される電荷に基づいて得られる信号は、検出画像を構成する1画素分に相当する1画素出力単位の検出信号となる。
以上のように、図11の指向性撮像素子121の場合、4つのフォトダイオード121f−1乃至121f−4のうち、検出信号として採用するものの組み合わせを変更することで、画素毎に異なる入射角指向性を持たせることができる。
図10の指向性撮像素子121では、1つの画素出力単位に対して1つのフォトダイオード121eが設けられている。各画素(画素出力単位)の遮光膜121pによる遮光の状態を画素単位で異なるものとすることで、画素毎の入射角指向性が異なるものとすることができる。
図11の指向性撮像素子121では、1つの画素出力単位に対して4つのフォトダイオード121f−1乃至121f−4が設けられている。4つのフォトダイオード121f−1乃至121f−4のうち、検出信号に寄与するフォトダイオード121fを画素出力単位ごとに異なるものとすることで、画素出力単位毎に異なる入射角指向性を持たせることができる。寄与の度合いは、各フォトダイオード121fの検出値をFD(フローティングディフュージョン)に読み出すか否かや、電子シャッタ機能を用いて電荷のFDへの読み出しの前にフォトダイオード121fに蓄積された検出値(電荷)をリセットすることで実現することができる。なお、電子シャッタ機能を用いる場合、フォトダイオード121fの電荷のFDへの読み出しの直前にリセットをすれば、そのフォトダイオード121fは画素出力単位への寄与が無い状態とすることができ、リセットとFDへの読み出しの間の時間を持たせれば、部分的に寄与をさせることもできる。
換言すれば、図10のフォトダイオード121eと図11のフォトダイオード121fとは、それぞれで検出される信号の用いられ方が異なる。すなわち、図10のフォトダイオード121eにより検出された信号は、フォトダイオード121e−15,121e−16より検出される信号であり、検出画像を構成する、画素121a−15,121a−16のそれぞれの1画素出力単位分の検出信号である。
これに対して、図11のフォトダイオード121fにより検出された信号は、フォトダイオード121f−11乃至121f−4の4個の信号が選択的に用いられて、検出画像を構成する1画素出力単位分の検出信号となる。
これは、図10の画素121aは、1個についてフォトダイオード121eが1個設けられており、画素121a毎に異なる範囲が遮光膜121bにより遮光されており、遮光膜121bを用いた光学的な変調により、1個の画素121aで入射角指向性を備えた検出画像の1画素分の検出信号を表現することができる。
これに対して、図11の画素121aは、1個について4個のフォトダイオード121fが設けられており、受光面に対して遮光膜121bが形成されていないが、遮光膜121pにより、複数の領域に分割され、4個のフォトダイオード121f−1乃至121f−4が形成されており、入射角指向性を備えた検出画像の1画素分の検出信号を表現している。換言すれば、例えば、フォトダイオード121f−11乃至121f−14のうち出力に寄与しない範囲が遮光された領域と同様に機能して、入射角指向性を備えた、検出画像の1画素分の検出信号を表現している。尚、フォトダイオード121f−11乃至121f−14を用いて、1画素分の検出信号を表現する場合、遮光膜121bは用いられていないので、検出信号は、光学的な変調により得られる信号ではない。
そこで、指向性撮像素子121より出力される検出画像の1個の画素121aの検出信号を出力するための、少なくとも1個以上のフォトダイオード121eまたは121fによる構成を1画素出力単位と称する。すなわち、図10の指向性撮像素子121の場合、1画素出力単位は、1個のフォトダイオード121eにより構成される。また、図11の指向性撮像素子121の場合、1画素出力単位は、4個のフォトダイオード121f−1乃至121f−4により構成される。
尚、図11の指向性撮像素子121において、4個のフォトダイオード121f−1乃至121f−4を、画素出力単位毎に同形状で、等面積に分割して配置したが、画素出力単位毎にフォトダイオード121f−1乃至121f−4を非同形状で、非等面積となるように分割位置を異ならせるようにしてもよい。このように4個のフォトダイオード121f−1乃至121f−4の分割位置を非同形状で、非等面積にするように分割位置を設定することで、複数の画素出力単位で同じように左上のフォトダイオード121f−1だけを用いたとしても入射角指向性が異なるものとすることもできる。また、画素出力単位によって、分割数を異なるものとすれば、より自由に入射角指向性を設定することが可能となる。さらには上記を組み合わせてもよい。
<入射角指向性を生じさせる原理について>
指向性撮像素子121における各画素の入射角指向性は、例えば、図12で示されるような原理により発生する。尚、図12の左上部および右上部は、図10の指向性撮像素子121における入射角指向性の発生原理を説明する図であり、図12の左下部および右下部は、図11の指向性撮像素子121における入射角指向性の発生原理を説明する図である。
また、図12の左上部および右上部における1画素出力単位は、いずれも1個のフォトダイオード121eにより構成される。これに対して、図12の左下部および右下部における1画素出力単位は、いずれも2個のフォトダイオード121fにより構成される。尚、ここでは、1画素出力単位が2個のフォトダイオード121fにより構成される例について説明しているが、これは説明の便宜上であり、1画素出力単位を構成するフォトダイオード121fの数は、その他の個数であってもよい。
すなわち、図12の左上部においては、図中の上方から下方に向けて入射光が入射するとき、フォトダイオード121e−11の受光面の右半分を遮光するように遮光膜121b−11が形成されている。また、図12の右上部においては、フォトダイオード121e−12の受光面の左半分を遮光するように遮光膜121b−12が形成されている。尚、図中の一点鎖線は、フォトダイオード121eの受光面の図中の水平方向の中心位置であって、受光面に対して垂直方向であることを表している。
例えば、図12の左上部のような構成の場合、図中の一点鎖線に対して入射角θ1を成す矢印で示される、図中の右上方向からの入射光は、フォトダイオード121e−11の遮光膜121b−11により遮光されていない左半分の範囲では受光し易いが、図中の一点鎖線に対して入射角θ2を成す矢印で示される、図中の左上方向からの入射光は、フォトダイオード121e−11の遮光膜121b−11により遮光されていない左半分の範囲では受光し難い。したがって、図12の左上部のような構成の場合、図中の右上方からの入射光に対して受光感度特性が高く、左上方からの入射光に対して受光感度特性が低い入射角指向性を備えることになる。
一方、例えば、図12の右上部のような構成の場合、図中の一点鎖線に対して入射角θ11を成す矢印で示される、図中の右上方向からの入射光は、フォトダイオード121e−12の遮光膜121b−12により遮光されている左半分の範囲では受光し難いが、図中の一点鎖線に対して入射角θ12を成す矢印で示される、図中の左上方向からの入射光は、フォトダイオード121e−12の遮光膜121b−12により遮光されていない右半分の範囲で受光し易い。したがって、図12の右上部のような構成の場合、図中の右上方からの入射光に対して受光感度特性が低く、左上方からの入射光に対して受光感度特性が高い入射角指向性を備えることになる。
また、図12の左下部の場合、図中の左右にフォトダイオード121f−1,121f−2が設けられており、いずれかの一方の検出信号を読み出すようにすることで、遮光膜121bを設けることなく入射角指向性を有する構成とされている。
すなわち、図12の左下部で示されるように、2個のフォトダイオード121f−1,121f−2が画素出力単位とされて画素121aが構成される場合、図中の左側に設けられたフォトダイオード121f−1の検出信号を読み出すようにすることで、図12の左上部における構成と同様の入射角指向性を備えるようにすることができる。すなわち、図中の一点鎖線に対して入射角θ21を成す矢印で示される、図中の右上方向からの入射光は、フォトダイオード121f−1に入射して受光され読み出される。これに対して、図中の一点鎖線に対して入射角θ22を成す矢印で示される、図中の左上方向からの入射光は、フォトダイオード121f−2に入射するが、信号が画素出力単位に寄与しない。
同様に、図12の右下部で示されるように、2個のフォトダイオード121f−11,121f−12からなる画素121aが1画素出力単位とされる場合、図中の左側に設けられたフォトダイオード121f−12の検出信号を画素出力単位に寄与するようにすることで、図12の右上部における構成と同様の入射角指向性を備えるようにすることができる。すなわち、図中の一点鎖線に対して入射角θ31を成す矢印で示される、図中の右上方向からの入射光は、フォトダイオード121f−11に入射するが画素出力単位に寄与しない。これに対して、図中の一点鎖線に対して入射角θ32を成す矢印で示される、図中の左上方向からの入射光は、フォトダイオード121f−12に入射して出力画素含意に寄与する。尚、図12においては、垂直方向の一点鎖線が、フォトダイオード121eの受光面の図中の水平方向の中心位置である例について説明してきたが、説明の便宜上であり、その他の位置であってもよい。垂直方向の一点鎖線で示される遮光膜121bの水平方向の位置が異なることにより、異なる入射角指向性を生じさせることができる。
<オンチップレンズを含む構成における入射角指向性について>
以上においては、遮光膜121bによる入射角指向性の発生原理、および、複数のフォトダイオード12fによる入射角指向性の発生原理について説明してきたが、ここでは、オンチップレンズ121cを含めた構成における入射角指向性について説明する。
すなわち、指向性撮像素子121における各画素の入射角指向性は、上述した遮光膜121bによるものに加えて、オンチップレンズ121cを用いることにより、例えば、図13で示されるように設定される。すなわち、図13の中段左部においては、図中上方の入射方向より入射光を集光するオンチップレンズ121c−11、所定の波長の光を透過させるカラーフィルタ121d−11、および光電変換により画素信号を生成するフォトダイオード121e−11の順に積層され、図13の中段右部においては、図中上方の入射方向よりオンチップレンズ121c−12、カラーフィルタ121d−12、およびフォトダイオード121e−12の順に構成されている。
尚、オンチップレンズ121c−11,121c−12、カラーフィルタ121d−11,121d−12、およびフォトダイオード121e−11,121e−12の、それぞれを区別する必要がない場合、単に、オンチップレンズ121c、カラーフィルタ121d、およびフォトダイオード121eと称する。
指向性撮像素子121においては、さらに、図13の中段左部、および中段右部のそれぞれに示されるように、入射光を受光する領域の一部を遮光する遮光膜121b−11,121b−12が設けられている。
図13の中段左部で示されるように、図中のフォトダイオード121e−11の右側半分を遮光するような遮光膜121b−11が設けられている場合、図13の上段の実線の波形で示されるように、入射光の入射角度θに応じてフォトダイオード121e−11の検出信号レベルが変化する。
すなわち、フォトダイオード121eおよびオンチップレンズ121cの中心位置であって、それぞれに対して垂直となる一点鎖線に対して、入射光のなす角である入射角度θが大きくなると(入射角度θが正の方向に大きくなると(図中の右方向に傾くと))、遮光膜121b−11が設けられていない範囲に光が集光されることで、フォトダイオード121e−11の検出信号レベルが大きくなる。逆に、入射角度θが小さいほど(入射角度θが負の方向に大きいほど(図中の左方向に傾くと))、遮光膜121b−11が設けられている範囲に光が集光されることで、フォトダイオード121e−11の検出信号レベルが小さくなる。
尚、ここでいう入射角度θは、入射光の方向が一点鎖線と一致する場合を0度とし、図中の右上方からの入射光が入射する、図13の中段左側の入射角度θ21側の入射角度θを正の値とし、図13の中段右側の入射角度θ22側の入射角度θを負の値とする。したがって、図13においては、オンチップレンズ121cに対して、右上方より入射する入射光については、左上方より入射する入射光よりも入射角度が大きくなる。すなわち入射角度θは、図13において、入射光の進行方向が右に傾くほど大きくなり(正の方向に大きくなり)、左に傾くほど小さくなる(負の方向に大きくなる)ものとする。
また、図13の中段右部で示されるように、図中のフォトダイオード121e−12の左側半分を遮光するような遮光膜121b−12が設けられている場合、図13の上段の点線の波形で示されるように、入射光の入射角度θに応じてフォトダイオード121e−12の検出信号レベルが変化する。
すなわち、図13の上段における点線の波形で示されるように、フォトダイオード121eおよびオンチップレンズ121cの中心位置であって、それぞれに対して垂直となる一点鎖線に対して、入射光のなす角である入射角度θが大きいほど(入射角度θが正の方向に大きいほど)、遮光膜121b−12が設けられている範囲に光が集光されることで、フォトダイオード121e−12の検出信号レベルが小さくなる。逆に、入射角度θが小さいほど(入射角度θが負の方向に大きいほど)、遮光膜121b−12が設けられていない範囲に光が入射することで、フォトダイオード121e−12の検出信号レベルが大きくなる。
尚、図13の上段においては、横軸が入射角度θであり、縦軸がフォトダイオード121eにおける検出信号レベルを示している。
この図13の上段で示される入射角度θに応じた検出信号レベルを示す実線および点線で示される波形は、遮光膜121bの範囲に応じて変化させることができるので、これにより画素出力単位毎に相互に異なる入射角指向性を持たせることが可能となる。尚、図13の上段における実線の波形は、図13の中段左部、および下段左部における入射光が、入射角度θを変化させて集光される様子を示す実線の矢印に対応している。また、図13の上段における点線の波形は、図13の中段右部、および下段右部における入射光が、入射角度θを変化させて集光される様子を示す点線の矢印に対応している。
入射角指向性とは、入射角度θに応じた各画素出力単位の検出信号レベルの特性(受光感度特性)であるが、図13の中段の例について言えば、入射角度θに応じた遮光値の特性であるとも言える。すなわち、遮光膜121bは、特定の方向の入射光は高いレベルで遮光するが、特定の方向以外の方向からの入射光は十分に遮光できない。この遮光できるレベルの変化が、図13の上段で示されるような入射角度θに応じた異なる検出信号レベルを生じさせる。したがって、各画素出力単位において最も高いレベルで遮光可能な方向を各画素の遮光方向と定義すると、画素出力単位で相互に異なる入射角指向性を持つということは、換言すれば、画素出力単位で相互に異なる遮光方向を持つということになる。
さらに、図13の下段左部で示されるように、1個のオンチップレンズ121c−11に対して2個のフォトダイオード121f−1,121f−2が設けられる構成とする(画素出力単位が2個のフォトダイオード121f−1,121f−2から構成される)ことにより、図中左部のフォトダイオード121f−1のみの検出信号を用いるようにすることで、図13の中段左部におけるフォトダイオード121e−11の右側を遮光した状態と同じ検出信号レベルを求めるようにすることができる。
すなわち、オンチップレンズ121cの中心位置であって、それぞれに対して垂直となる一点鎖線に対して、入射光のなす角である入射角度θが大きくなると(入射角度θが正の方向に大きくなると)、検出信号が読み出されるフォトダイオード121f−1の範囲に光が集光されることで、検出信号レベルが大きくなる。逆に、入射角度θが小さいほど(入射角度θが負の方向に大きいほど)、検出値が読み出されないフォトダイオード121f−2の範囲に光が集光されることで、検出信号レベルが小さくなる。
また、同様に、図13の下段右部で示されるように、1個のオンチップレンズ121c−12に対して2個のフォトダイオード121f−11,121f−12が設けられる構成とすることにより、図中右部のフォトダイオード121f−12のみの検出信号を用いるようにすることで、図13の中段右部におけるフォトダイオード121e−12の左側を遮光した状態と同じ検出信号レベルの画素出力単位の検出信号を得るようにすることができる。
すなわち、オンチップレンズ121cの中心位置であって、それぞれに対して垂直となる一点鎖線に対して、入射光のなす角である入射角度θが大きくなると(入射角度θが正の方向に大きくなると)、検出信号が画素出力単位の検出信号に寄与しないフォトダイオード121f−11の範囲に光が集光されることで、画素出力単位の検出信号の検出信号レベルが小さくなる。逆に、入射角度θが小さいほど(入射角度θが負の方向に大きいほど)、検出信号が画素出力単位の検出信号に寄与するフォトダイオード121f−12の範囲に光が集光されることで、画素出力単位の検出信号の検出信号レベルが大きくなる。
尚、入射角指向性については、ランダム性が高い方が望ましい。例えば、隣り合う画素間で同一の入射角指向性を持つと、上述した式(1)乃至式(3)または、後述する式(14)乃至式(16)が相互に同一の式となる恐れがあり、連立方程式の解となる未知数と式の数の関係が満たせなくなり、復元画像を構成する画素値を求められなくなる恐れがあるためである。また、図13の上段で示される構成においては、1個のフォトダイオード121e−11およびフォトダイオード121e−12のそれぞれが1画素出力単位を構成する。図13の下段で示される構成においては、2個のフォトダイオード121f−1および121f−2、並びに、フォトダイオード121f−11および121f−12により1画素出力単位が構成される。したがって、例えば、図13の下段においては、フォトダイオード121fの単体では、1画素出力単位は構成されない。
また、図12の下段で示されるように、複数のフォトダイオード121fから1画素出力単位が構成される場合、入射角度に応じて、画素出力単位の出力画素値が変調されているとみなすことができる。したがって、出力画素値の特性(入射角指向性)を画素出力単位で異ならせることが可能となり、1画素出力単位での入射角指向性が設定される。さらに、複数のフォトダイオード121fから1画素出力単位が構成される場合、1画素出力単位での入射角指向性を生じさせる上で、1画素出力単位に対して1個のオンチップレンズ121cが必須構成となる。
また、図13の上段で示されるように、1個のフォトダイオード121e−11またはフォトダイオード121e−12のそれぞれが1画素出力単位を構成する場合、入射角度に応じて、1画素出力単位を構成する1個のフォトダイオード121e−11またはフォトダイオード121e−12への入射光が変調されることにより、結果として出力画素値が変調される。したがって、出力画素値の特性(入射角指向性)が異ならせることが可能となり、1画素出力単位での入射角指向性が設定される。さらに、1個のフォトダイオード121e−11またはフォトダイオード121e−12のそれぞれが1画素出力単位を構成する場合、入射角指向性は、1画素出力単位毎に設けられる遮光膜121bにより独立して製造時に設定される。
また、図13の下段で示されるように、複数のフォトダイオード121fから1画素出力単位が構成される場合、1画素出力単位毎の入射角指向性を設定するための複数のフォトダイオード121fの数(1画素出力単位を構成するフォトダイオード121fの分割数)や分割位置については、1画素出力単位で独立して製造時に設定され、さらに、このうち、どのフォトダイオード121fを用いて入射角指向性を設定するかについては、撮像時に切り替えるようにすることができる。
<入射角指向性の設定>
例えば、図14の上段で示されるように、遮光膜121bの設定範囲が、画素121aにおける水平方向について、左端部から位置Aまでの範囲とし、垂直方向について、上端部から位置Bまでの範囲とする。
この場合、各画素の水平方向の中心位置からの入射角度θx(deg)に応じた、入射角指向性の指標となる水平方向の0乃至1の重みWxを設定する。より詳細には、位置Aに対応する入射角度θx=θaにおいて、重みWxが0.5になると仮定した場合、入射角度θx<θa−αにおいて重みWxが1となり、θa−α≦入射角度θx≦θa+αにおいて、重みWxが(−(θx−θa)/2α+1/2)となり、入射角度θx>θa+αにおいて重みWxが0となるように重みWhを設定する。尚、ここでは、重みWhが0,0.5,1である例について説明するが、重みWhが0,0.5,1となるのは、理想的な条件が満たされるときとなる。
同様に、各画素の垂直方向の中心位置からの入射角度θy(deg)に応じた、入射角指向性の指標となる垂直方向の0乃至1の重みWyを設定する。より詳細には、位置Bに対応する入射角度θy=θbにおいて、重みWvが0.5になると仮定した場合、入射角度θy<θb−αにおいて重みWyが0となり、θb−α≦入射角度θy≦θb+αにおいて、重みWyが((θy−θb)/2α+1/2)となり、入射角度θy>θb+αにおいて重みWyが1となるように重みWyを設定する。
そして、このようにして求められた重みWx,Wyを用いることにより、それぞれの画素121aの入射角指向性、すなわち、受光感度特性に対応する係数を求めることができる。
また、このとき、水平方向の重みWxおよび垂直方向の重みWyが0.5の前後となる範囲における重みの変化を示す傾き(1/2α)は、焦点距離の異なるオンチップレンズ121cを用いることで設定することができる。
すなわち、曲率の異なるオンチップレンズ121cを用いることで異なる焦点距離とすることができる。
例えば、曲率の異なるオンチップレンズ121cを用いることで、図14の下段における実線で示されるように、焦点距離が、遮光膜121b上になるように集光されるとき、傾き(1/2α)は、急峻になる。すなわち、図14の上段における、水平方向の重みWxおよび垂直方向の重みWyは、0.5付近となる水平方向の入射角度θx=θa、および、垂直方向の入射角度θy=θbの境界付近において、急激に0または1に変化する。
また、例えば、曲率の異なるオンチップレンズ121cを用いることで、図14の下段における点線で示されるように、焦点距離が、フォトダイオード121e上に集光されるとき、傾き(1/2α)は、緩くなる。すなわち、図14の上部における、水平方向の重みWxおよび垂直方向の重みWyが0.5付近となる水平方向の入射角度θx=θa、および、垂直方向の入射角度θy=θbの境界付近において、緩やかに0または1に変化する。
以上のように、曲率の異なるオンチップレンズ121cを用いて、異なる焦点距離にすることで異なる入射角指向性、すなわち、異なる受光感度特性を得ることができる。
したがって、画素121aの入射角指向性は、遮光膜121bによりフォトダイオード121eが遮光される範囲と、オンチップレンズ121cの曲率とが異なるようにすることで異なる値に設定することができる。尚、オンチップレンズの曲率は、指向性撮像素子121における全ての画素出力単位で同一でもよいし、一部の画素出力単位において異なる曲率であってもよい。
<オンチップレンズと撮像レンズとの違い>
本開示の撮像装置101においては、指向性撮像素子121は、撮像レンズからなる光学ブロック152を必要としない構成であるが、オンチップレンズ121cが設けられる場合もある。なお、図11の構成の場合はオンチップレンズ121cは必須構成とされる。オンチップレンズ121cと撮像レンズとは、物理的作用が異なるものである。
ここでは、光学ブロック152が撮像レンズ152であるものとして説明する。
図15で示されるように、点光源P101より発する光が拡散するように撮像レンズ152に入射するとき、撮像レンズ152は、点光源P101と撮像レンズ152の中心152aを通る主光線L101により撮像素子151上で結像する画素位置P111が特定される。
このとき、撮像レンズ152は、点光源P101より発する光のうち、拡散により主光線L101とは異なる入射角度で入射する光を、撮像素子151上の画素位置P111に集光できるように設計されている。
また、図16で示されるように、画素位置P111に隣接する、例えば、画素位置P112は、点光源P101とは異なる点光源P102と撮像レンズ152の中心位置152aとを通る主光線L102により特定される。
したがって、撮像レンズ152は、撮像素子151上の異なる画素位置P111,P1121に対して、それぞれ主光線が異なる、異なる点光源P101,P102の像を結像させる。
さらに、図17で示されるように、無限遠の光の入射を仮定した場合、無限遠の入射光は、平行光であるので、点光源P101を仮定した主光線L101に対する、例えば、平行光L121,L122であると考えることができる。したがって、撮像レンズ152は、主光線入射角度が異なる点光源を、それぞれ異なる撮像素子151上の画素位置で像を結像させる。
すなわち、撮像レンズ152は、主光線入射角度が異なる拡散光を、互いに隣接する複数の画素出力単位へ入射させるための集光機能を持つ。
これに対して、例えば、図10,図11を参照して説明したように、オンチップレンズ121cを通る光は、対応する1画素出力単位を構成するフォトダイオード121eまたは121fの受光面のみに入射される。換言すれば、オンチップレンズ121cは、画素出力単位毎に設けられ、自身に入射する被写体光を対応する画素出力単位のみに集光する。すなわち、オンチップレンズ121cは、仮想点光源から出射した拡散光を、互いに隣接する複数の画素出力単位へ入射させるための集光機能を持たない。
<係数セットと検出信号とからなる連立方程式を用いた画素値の計算例>
信号処理部122において実行される、係数セットと検出信号とからなる連立方程式を用いた画素値の具体的な計算例について説明する。
ここで、被写体面31は、図18の上段で示されるように、3領域×3領域の合計9領域であるものと仮定し、各領域は、領域O11乃至O13、O21乃至O23、およびO31乃至O33より構成されるものとする。さらに、各領域には、代表点が設定され(図中の丸印)、この代表点に各領域の光強度の積分値からなる点光源が存在するものと仮定する。したがって、以降においては、領域O11乃至O13、O21乃至O23、およびO31乃至O33の点光源の光強度を、光強度O11乃至O13、O21乃至O23、およびO31乃至O33とも称する。さらに、これらは、単に領域Oijまたは光強度Oij(いずれもi,j=1,2,3)とも称する。
また、指向性撮像素子121は、図18の下段で示されるように、3画素×3画素の合計9画素からなり、画素毎に異なる遮光膜121bが設けられるものとし、各画素をそれぞれ画素P11乃至P13、P21乃至P23、およびP31乃至P33と称するものとし、それぞれの画素の検出信号レベルについても、画素P11乃至P13、P21乃至P23、およびP31乃至P33と称するものとする。さらに、これらは、単に画素Pij(i,j=1,2,3)とも称する。
尚、図18,図20乃至図32の記載においては、遮光膜121bは、画素Pij(i,j=1,2,3)のそれぞれのグレーで示された範囲とし、遮光膜121bの符号を省略して表記する。
また、指向性撮像素子121に入射する光は、例えば、図19で示されるように、無限遠に位置する点光源G1乃至G3をそれぞれ仮定した場合、図中の下部の指向性撮像素子121の受光面に対して垂直方向からみると各点光源G1乃至G3からの入射光は平行光となり、同一の点光源から出射した光は、指向性撮像素子121のどの位置の画素でも同一の入射角度で入射したものとみなすことができる。したがって、例えば、点光源G2からの光は、指向性撮像素子121のどの位置の画素でも入射角度が0degとなる。
<被写体面の各領域に対する指向性撮像素子の各画素における入射角度>
また、被写体面31における各領域Oijに対する指向性撮像素子121への入射角度(θx、θy)は、指向性撮像素子121の画素Pijの位置に依らず図20で定義されるものとする。
すなわち、領域O11は、(θx、θy)=(−5deg、+5deg)、領域O12は、(θx、θy)=(−5deg、0deg)、領域O13は、(θx、θy)=(−5deg、−5deg)となる。同様に、領域O21は、(θx、θy)=(0deg、+5deg)、領域O22は、(θx、θy)=(0deg、0deg)、領域O23は、(θx、θy)=(0deg、−5deg)となる。また、領域O31は、(θx、θy)=(+5deg、+5deg)、領域O32は、(θx、θy)=(+5deg、0deg)、領域O33は、(θx、θy)=(+5deg、−5deg)となる。
<垂直方向の受光感度特性>
図21で示されるように、画素P11,P21,P31の3画素、画素P12,P22,P32の3画素、および、画素P13,P23,P33の3画素は、遮光膜121bの紙面上の垂直方向の高さが統一されている。
より具体的には、画素P11,P21,P31の3画素は、いずれも各画素の上端からの高さA1の領域が遮光膜121bにより遮光された領域にされており、残りの高さA2の領域が遮光されていない領域とされている。
また、画素P12,P22,P32の3画素は、いずれも各画素の上端からの高さA11の領域が遮光されていない領域にされており、残りの高さA12の領域が遮光膜121bにより遮光された領域にされている。
さらに、画素P13,P23,P33の3画素は、いずれも各画素の上端からの高さA21の領域が遮光されていない領域にされており、残りの高さA22の領域が遮光膜121bにより遮光された領域にされている。
このため、画素P11,P21,P31の3画素、画素P12,P22,P32の3画素、および、画素P13,P23,P33の3画素は、垂直方向の受光感度特性はそれぞれ統一される。
すなわち、画素P11,P21,P31の3画素については、図21の右上部で示されるように、垂直方向の入射角度θyが−6degより小さい場合、重みWyが0であり、入射角度θyが、−6deg乃至−4degである場合、重みWyが、(θy+6)/2であり、入射角度θyが、−4degより大きい場合、重みWyが、1に設定される。
また、画素P12,P22,P32の3画素については、図21の右中部で示されるように、垂直方向の入射角度θyが−1degより小さい場合、重みWyが1であり、入射角度θyが、−1deg乃至+1degである場合、重みWyが、(θy−1)/2であり、入射角度θyが、+1degより大きい場合、重みWyが、0に設定される。
さらに、画素P13,P23,P33の3画素については、図21の右下部で示されるように、垂直方向の入射角度θyが+3degより小さい場合、重みWyが1であり、入射角度θyが、+3deg乃至+5degである場合、重みWyが、(−(θy−5)/2)であり、入射角度θyが、+5degより大きい場合、重みWyが、0に設定される。
<水平方向の受光感度特性>
また、図22で示されるように、画素P11乃至P13の3画素、画素P21乃至P23の3画素、および、画素P31乃至P33の3画素は、遮光膜121bの水平方向の幅が統一されている。
より具体的には、画素P11乃至P13の3画素は、いずれも各画素の左端からの幅B1の領域が遮光膜121bにより遮光された領域にされており、残りの幅B2の領域が遮光されていない領域とされている。
また、画素P21乃至P23の3画素は、いずれも各画素の左端からの幅B11の領域が遮光されていない領域にされており、残りの幅B12の領域が遮光膜121bにより遮光されている領域とされている。
さらに、画素P31乃至P33の3画素は、いずれも各画素の左端からの幅B21の領域が遮光されていない領域にされており、残りの幅B22の領域が遮光膜121bにより遮光されている領域とされている。
このため、画素P11乃至P13の3画素、画素P21乃至P23の3画素、および、画素P31乃至P33の3画素は、水平方向の受光感度特性がそれぞれ統一される。
すなわち、画素P11乃至P13の3画素については、図22の左下部で示されるように、水平方向の入射角度θxが4degより小さい場合、重みWxが1であり、入射角度θxが、4deg乃至6degである場合、重みWxが、(−(θx−6)/2)であり、入射角度θxが、6degより大きい場合、重みWxが、0に設定される。
また、画素P21乃至P23の3画素については、図22の中央下部で示されるように、水平方向の入射角度θxが−1degより小さい場合、重みWxが0であり、入射角度θxが、−1deg乃至+1degである場合、重みWxが、(θx+1)/2であり、入射角度θxが、+1degより大きい場合、重みWxが、1に設定される。
さらに、画素P31乃至P33の3画素については、図22の右下部で示されるように、水平方向の入射角度θxが−5degより小さい場合、重みWxが0であり、入射角度θxが、−5deg乃至−3degである場合、重みWxが、(θx+5)/2であり、入射角度θxが、−3degより大きい場合、重みWxが、1に設定される。
この結果、指向性撮像素子121における画素P11乃至P13、P21乃至P23、P31乃至P33の検出信号レベルを画素Pij(i,j=1,2,3)で表現すると以下の式(4)で表現される。
Pij=Σ(Wx(θxj)×Wy(θyi)×Oij)
・・・(4)
ここで、Wx(θxj)は、指向性撮像素子121における水平方向にj画素目の入射角度θxに対する水平方向の重みであり、Wy(θyi)は、指向性撮像素子121における垂直方向にi画素目の入射角度θyに対する垂直方向の重みであり、Oijは、被写体面31における各領域の代表点からなる点光源の光強度である。
すなわち、図21,図22の関係から、入射角度θx,θyを−5,0,+5degに限定すると、重みWx,Wyは、各画素Pijに対して、図23で示されるような値をとることになる。
すなわち、画素P11,P21,P31(画素Pij(j=1))において、垂直方向の入射角度θyが+5degの場合、重みWyは1であり、垂直方向の入射角度θyが0degの場合、重みWyは1であり、垂直方向の入射角度θyが−5degの場合、重みWyは0.5である。
画素P12,P22,P32(画素Pij(j=2))において、垂直方向の入射角度θyが+5degの場合、重みWyは0であり、垂直方向の入射角度θyが0degの場合、重みWyは0.5であり、垂直方向の入射角度θyが−5degの場合、重みWyは1である。
画素P13,P23,P33(画素Pij(j=3))において、垂直方向の入射角度θyが+5degの場合、重みWyは0であり、垂直方向の入射角度θyが0degの場合、重みWyは1であり、垂直方向の入射角度θyが−5degの場合、重みWyは1である。
画素P11乃至P13(画素Pij(i=1))において、水平方向の入射角度θxが+5degの場合、重みWxは0.5であり、水平方向の入射角度θxが0degの場合、重みWxは1であり、水平方向の入射角度θxが−5degの場合、重みWxは1である。
画素P21乃至P23(画素Pij(i=2))において、水平方向の入射角度θxが+5degの場合、重みWxは1であり、水平方向の入射角度θxが0degの場合、重みWxは0.5であり、水平方向の入射角度θxが−5degの場合、重みWxは0である。
画素P31乃至P33(画素Pij(i=3))において、水平方向の入射角度θxが+5degの場合、重みWxは1であり、水平方向の入射角度θxが0degの場合、重みWxは1であり、水平方向の入射角度θxが−5degの場合、重みWxは0である。
以上の条件に基づいて、各領域Oijにおける代表点からの入射光が、指向性撮像素子121の各画素Pijにどのような検出信号レベルの信号として受光されるかを説明する。
(領域O11)
領域O11における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=−5degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=+5degで入射する。
このため、図24で示されるように、画素P11においては、水平方向の重みWxが1とされ、垂直方向の重みWyが1とされるので、Wx×Wyが1とされる。
尚、図24乃至図32において、選択された重みWx,Wyには、枠が付されており、画素Pij内には、それぞれに選択された水平方向の重みWxと、垂直方向の重みWyとの乗算結果が表記されている。
同様に、画素P12においては、水平方向の重みWxが1とされ、垂直方向の重みWyが0とされるので、Wx×Wyが0とされる。画素P13においては、水平方向の重みWxが1とされ、垂直方向の重みWyが0とされるので、Wx×Wyが0とされる。
画素P21においては、水平方向の重みWxが0とされ、垂直方向の重みWyが1とされるので、Wx×Wyが0とされる。画素P22においては、水平方向の重みWxが0とされ、垂直方向の重みWyが0とされるので、Wx×Wyが0とされる。画素P23においては、水平方向の重みWxが0とされ、垂直方向の重みWyが0とされるので、Wx×Wyが0とされる。
画素P31においては、水平方向の重みWxが0とされ、垂直方向の重みWyが1とされるので、Wx×Wyが0とされる。画素P32においては、水平方向の重みWxが0とされ、垂直方向の重みWyが0とされるので、Wx×Wyが0とされる。画素P33においては、水平方向の重みWxが0とされ、垂直方向の重みWyが0とされるので、Wx×Wyが0とされる。
(領域O21)
領域O21における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=0degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=+5degで入射する。
このため、図25で示されるように、画素P11においては、重みWx=1、重みWyが1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P12においては、重みWx=1、垂直方向の重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P13においては、重みWx=1、重みWy=0とされるので、Wx×Wy=0とされる。
画素P21においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P22においては、重みWx=0.5、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P23においては、重みWx=0.5、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。
画素P31においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P32においては、重みWx=1とされ、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P33においては、重みWx=1、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。
(領域O31)
領域O31における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=+5degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=+5degで入射する。
このため、図26で示されるように、画素P11においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P12においては、重みWx=0.5、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P13においては、重みWx=0.5、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。
画素P21においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P22においては、重みWx=1、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P23においては、重みWx=1、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。
画素P31においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P32においては、重みWx=1、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P33においては、重みWx=1、重みWy=0とされ、Wx×Wy=0とされる。
(領域O12)
領域O12における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=−5degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=0degで入射する。
このため、図27で示されるように、画素P11においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P12においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P13においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P21においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P22においては、重みWx=0、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P23においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0とされる。
画素P31においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P32においては、重みWx=0、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P33においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0とされる。
(領域O22)
領域O22における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=0degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=0degで入射する。
このため、図28で示されるように、画素P11においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P12においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P13においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P21においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P22においては、重みWx=0.5、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.25とされる。画素P23においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。
画素P31においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P32においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P33においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
(領域O32)
領域O32における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=+5degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=0degで入射する。
このため、図29で示されるように、画素P11においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P12においては、重みWx=0.5、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.25とされる。画素P13においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。
画素P21においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P22においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P23においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P31においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P32においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P33においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
(領域O13)
領域O13における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=−5degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=−5degで入射する。
このため、図30で示されるように、画素P11においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P12においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P13においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P21においては、重みWx=0、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P22においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P23においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P31においては、重みWx=0、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P32においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0とされる。画素P33においては、重みWx=0、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0とされる。
(領域O23)
領域O23における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=0degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=−5degで入射する。
このため、図31で示されるように、画素P11においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P12においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P13においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P21においては、重みWx=0.5、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.25とされる。画素P22においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P23においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。
画素P31においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P32においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P33においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
(領域O33)
領域O33における代表点となる点光源からの入射光は、全ての画素Pijに対して水平方向の入射角度θx=+5degで、かつ、垂直方向の入射角度θy=−5degで入射する。
このため、図32で示されるように、画素P11においては、重みWx=0.5、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.25とされる。画素P12においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P13においては、重みWx=0.5、重みWy=1とされ、Wx×Wy=0.5とされる。
画素P21においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P22においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P23においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
画素P31においては、重みWx=1、重みWy=0.5とされ、Wx×Wy=0.5とされる。画素P32においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。画素P33においては、重みWx=1、重みWy=1とされ、Wx×Wy=1とされる。
以上の処理結果に基づいて、信号処理部122は、指向性撮像素子121の検出信号レベルとなる画素Pijを、以上の被写体面31上の各領域Oijの代表点を点光源とした光強度と重みとの積和として求める。
すなわち、この積和が、以下の式(5)乃至式(13)で表される9個の連立方程式となる。
P11=1×O11+1×O21+0.5×O31+1×O12+1×O22+0.5×O32+0.5×O13+0.5×O23+0.25×O33
・・・(5)
P12=0×O11+0×O21+0×O31+0.5×O12+0.5×O22+0.25×O32+1×O13+1×O23+0.5×O33
・・・(6)
P13=0×O11+0×O21+0×O31+1×O12+1×O22+0.5×O32+1×O13+1×O23+0.5×O33
・・・(7)
P21=0×O11+0.5×O21+1×O31+0×O12+0.5×O22+1×O32+0×O13+0.25×O23+0.5×O33
・・・(8)
P22=0×O11+0×O21+0×O31+0×O12+0.25×O22+0.5×O32+0×O13+0.5×O23+1×O33
・・・(9)
P23=0×O11+0×O21+0×O31+0×O12+0.5×O22+1×O32+0×O13+0.5×O23+1×O33
・・・(10)
P31=0×O11+1×O21+1×O31+0×O12+1×O22+1×O32+0×O13+0.5×O23+0.5×O33
・・・(11)
P32=0×O11+0×O21+0×O31+0×O12+0.5×O22+0.5×O32+0×O13+1×O23+1×O33
・・・(12)
P33=0×O11+0×O21+0×O31+0×O12+1×O22+1×O32+0×O13+1×O23+1×O33
・・・(13)
ここで、画素Pijで表される値は、指向性撮像素子121により撮像される、ユーザが目視しても画像として認識できない検出画像を構成する検出信号の信号レベルとなる。
信号処理部122は、例えば、上述の9個の連立方程式を用いて、被写体面31上の各領域の輝度(光強度)Oijを求めることにより、被写体面31に対応する復元画像を復元する。
尚、上述した画素Pijのそれぞれについて求められる水平方向の重みWxおよび垂直方向の重みWyを乗じた値が、係数セットである。より詳細には、係数セットは、それぞれ被写体面31における、上述した式(1)乃至式(3)の係数α1,β1,γ1,α2,β2,γ2,α3,β3,γ3そのものである。また、水平方向の重みWxおよび垂直方向の重みWyは、被写体面31の違いに応じて異なるものであり、被写体面を特定するための復元画像の距離や画角に応じて係数セットを切り替えることで、所望の被写体面の復元画像を復元することが可能となる。ただし、連立方程式の独立性を確保できるように入射角指向性を設定する必要がある。尚、ここでいう連立方程式の独立性を確保するとは、例えば、係数セット(αs,βs,γs)と、係数セット(αt,βt,γt)とを考えたときの相互の線形性の独立性を確保することであり、ベクトル(αs,βs,γs)とベクトル(αt,βt,γt)とが相互に係数倍にならないようにすることである。
<被写体面と指向性撮像素子との距離の関係>
次に、図33を参照して、被写体面と指向性撮像素子121との距離の関係について説明する。
図33の上段左部で示されるように、指向性撮像素子121(図5の撮像素子51と同様)と被写体面31までの被写体距離が距離d1である場合、例えば、図5の上段で示される被写体面31上の点光源PA,PB,PCを設定するとき、対応する指向性撮像素子121上の位置Pa,Pb,Pcにおける検出信号レベルDA,DB,DCが、上述した式(1)乃至式(3)と同一の式で表現できるものとする。
DA=α1×a+β1×b+γ1×c
・・・(1)
DB=α2×a+β2×b+γ2×c
・・・(2)
DC=α3×a+β3×b+γ3×c
・・・(3)
これに対して、図33の下段左部で示されるように、指向性撮像素子121(図5の撮像素子51と同様)との被写体距離が距離d1よりもdだけ大きな距離d2である被写体面31’である場合、すなわち、指向性撮像素子121から見て、被写体面31よりも奥の被写体面31’の場合、検出信号レベルは、図33の上段中央部、および下段中央部で示されるように、検出信号レベルDA,DB,DCいずれも同様である。
しかしながら、この場合被写体面31’上の点光源PA’,PB’,PC’からの光強度a’,b’,c’の光線が指向性撮像素子121の各画素において受光される。この際、指向性撮像素子121上で受光される、光強度a’,b’,c’の光線の入射角度は異なる(変化する)ので、それぞれ異なる係数セットが必要となり、各位置Pa,Pb,Pcにおける検出信号レベルDA,DB,DCは、例えば、以下の式(14)乃至式(16)で示されるように表現されることになる。
DA=α11×a’+β11×b’+γ11×c’
・・・(14)
DB=α12×a’+β12×b’+γ12×c’
・・・(15)
DC=α13×a’+β13×b’+γ13×c’
・・・(16)
ここで、係数セットα11,β11,γ11,係数セットα12,β12,γ12,係数セットα13,β13,γ13からなる係数セット群は、それぞれ被写体面31における係数セットα1,β1,γ1,係数セットα2,β2,γ2,係数セットα3,β3,γ3に対応する被写体面31’の係数セット群である。
従って、式(14)乃至式(16)を、予め設定された係数セット群α11,β11,γ11,α12,β12,γ12,α13,β13,γ13を用いて解くことで、図33の上段右部で示される被写体面31における場合の点光源PA,PB,PCにおける光線の光強度a,b,cを求めた手法と同様の手法で、図33の下段右部で示されるように、点光源PA’,PB’,PC’からの光線の光強度a’,b’,c’として求めることが可能となり、結果として、被写体面31’の被写体の復元画像を求めることが可能となる。
すなわち、図6の撮像装置101においては、指向性撮像素子121からの被写体面までの距離毎の係数セット群を予め記憶しておき、係数セット群を切り替えて連立方程式を構成し、構成した連立方程式を解くことで、1個の検出画像に基づいて、様々な被写体距離の被写体面の復元画像を得ることが可能となる。
つまり、検出画像を1回撮像するだけで、その後の処理で、被写体面までの距離に応じて係数セット群を切り替えて、復元画像を求めるようにすることで、任意の距離の復元画像を生成することも可能である。
また、復原画像を得てから復元画像を基に画像認識などを行わなくとも、撮像素子の検出信号に対してディープラーニングなどの機械学習を適用し、検出信号自体を用いて画像認識などを行うことも可能である。
また、被写体距離や画角が特定できるような場合については、全ての画素を用いずに、特定された被写体距離や画角に対応した被写体面の撮像に適した入射角指向性を有する画素の検出信号からなる検出画像を用いて、復元画像を生成するようにしてもよい。このようにすることで、特定された被写体距離や画角に対応した被写体面の撮像に適した画素の検出信号を用いて復元画像を求めることができるので、特定された被写体距離や画角の復元画像を高い精度で求めることが可能となる。
ここで、特定された被写体距離や画角に対応した被写体面の撮像に適した画素の検出信号を用いて復元画像を求めるようにすることで、復元画像を高い精度で求められる理由について説明する。
例えば、図34の上段で示されるように、4辺のそれぞれの端部から幅d1だけ遮光膜121bにより遮光されている画素121aと、図34の下段で示されるように、4辺のそれぞれの端部から幅d2(>d1)だけ遮光膜121bにより遮光されている画素121a’とを考える。
画素121aは、例えば、図35の上段で示されるような、被写体となる人物H101の全体を含む画角SQ1に対応する、図34の画像I1を復元するために用いられる。これに対して、画素121a’は、人物H101の顔の周辺がズームアップされた画角SQ2に対応する、図34の画像I2を復元するために用いられる。
これは、図34の画素121aが、図36の左部で示されるように、指向性撮像素子121に対して入射光の入射可能角度範囲A1となるため、被写体面31上において、水平方向に被写体幅W1分の入射光を受光することができるからである。
これに対して、図34の画素121a’は、図34の画素121aよりも遮光される範囲が広いため、図36の左部で示されるように、指向性撮像素子121に対して入射光の入射可能角度範囲A2(<A1)となるため、被写体面31上において、水平方向に被写体幅W2(<W1)分の入射光を受光するからである。
つまり、遮光範囲が狭い図34の画素121aは、被写体面31上の広い範囲を撮像するのに適した広画角画素であるのに対して、遮光範囲が広い図34の画素121a’は、被写体面31上の狭い範囲を撮像するのに適した狭画角画素である。尚、ここでいう広画角画素および狭画角画素は、図34の画素121a,121a’の両者を比較する表現であって、その他の画角の画素を比較する上ではこの限りではない。
尚、図36は、指向性撮像素子121の中心位置C1に対する、被写体面31上の位置と、それぞれの位置からの入射光の入射角度との関係を示している。また、図36においては、被写体面31上の位置と、被写体面上のそれぞれの位置からの入射光の入射角度との水平方向に対する関係が示されているが、垂直方向についても同様の関係となる。さらに、図36の右部には、図34における画素121a,121a’が示されている。
このような構成により、図35の下段で示されるように、指向性撮像素子121における、点線で囲まれた範囲ZAに、図34の画素121aを、一点鎖線で囲まれた範囲ZBに画素121a’を、それぞれ所定画素数ずつ集めて構成する場合、被写体幅W1に対応する画角SQ1の画像を復元するときには、画角SQ1を撮像する図34の画素121aを用いるようにすることで、適切に被写体面31の被写体幅W1の画像を復元することができる。
同様に、被写体幅W2に対応する画角SQ2の画像を復元するときには、画角SQ2を撮像する図34の画素121a’の検出信号を用いるようにすることで、適切に被写体幅W2の画像を復元することができる。
尚、図35の下段においては、図中の左側に画素121a’が所定画素数だけ設けられ、右側に画素121が所定画素数だけ設けられた構成として示されているが、これは説明を簡単にするための例として示されたものであり、画素121aと画素121a’とは、ランダムに混在して配置されることが望ましい。
このように、画角SQ2は、画角SQ1よりも画角が狭いので、画角SQ2と画角SQ1の画像を同一の所定画素数で復元する場合、画角SQ1の画像よりも、より狭い画角となる画角SQ2の画像を復元する方が、より高画質な復元画像を得ることができる。
つまり、同一画素数を用いて復元画像を得ることを考えた場合、より画角の狭い画像を復元する方が、より高画質な復元画像を得ることができる。
尚、画角の広い画像を復元画像として得る場合、広画角画素の全画素を用いるようにしてもよいし、広画角画素の一部を用いるようにしてもよい。また、画角の狭い画像を復元画像として得る場合、狭画角画素の全画素を用いるようにしてもよいし、狭画角画素の一部を用いるようにしてもよい。
<本開示の図6の撮像装置における撮像処理>
次に、図37のフローチャートを参照して、図6の撮像装置101による撮像処理について説明する。尚、図37のフローチャートにおけるステップS34乃至S38の処理は、図8のフローチャートを参照して説明したステップS14乃至S18の処理と同様であるので、その説明は適宜省略するものとする。
すなわち、ステップS31において、指向性撮像素子121は、画素出力単位で異なる入射角指向性を備えた画素出力単位毎に、受光される入射光の光量に応じた検出信号を得て、検出画像として信号処理部122に供給する。
ステップS32において、被写体距離決定部129は、操作部130よりの操作信号、または、オートフォーカス機能に基づいて決定された被写体距離を決定する。係数セット選択部131は、被写体距離に基づいて対応付けて記憶されている係数セット群を読み出して信号処理部122に供給する。ここで、読み出される係数セット群は、例えば、上述した式(1)乃至式(3)または式(14)乃至式(16)における係数α1乃至α3,β1乃至β3,γ1乃至γ3,α11乃至α13,β11乃至β13,γ11乃至γ13に相当する複数の係数からなる係数セット群である。
ステップS33において、信号処理部122は、検出画像における各画素出力単位の検出信号と、係数セット選択部131により選択される係数セット群とを用いて、復元画像の画素値を算出する。より詳細には、信号処理部122は、例えば、上述した式(1)乃至式(3)、または、式(14)乃至式(16)、および図18乃至図32を参照して説明した連立方程式を構成し、さらに、この連立方程式を解くことにより、復元画像を求め、デモザイク処理部123に出力する。
以降においては、復元画像は、デモザイク処理部123によりデモザイク処理され、γ補正部124によりγ補正され、ホワイトバランス調整部125によりホワイトバランスが調整されて、画像出力部126により所定の圧縮形式に変換される。そして、必要に応じて、所定の圧縮形式に変換された復元画像が記憶部127に記憶される、表示部128に表示される、および被写体距離決定部129に出力される、または、そのいずれかをするようにしてもよい。
尚、以上においては、指向性撮像素子121と被写体距離に対応付けられた係数セット群を用いて検出画像より復元画像を求める例について説明してきたが、図34,35で上述した様に、係数セット群は、被写体距離のみならず、画角に対応付けて設定したものを用意して、被写体距離および画角に応じた係数セット群を選択して検出画像より復元画像を求めるようにしても良い。尚、被写体距離および画角に対する分解能は、用意される係数セットの数によるものとなる。
また、図37のフローチャートを用いた処理の説明においては、検出画像に含まれる全ての画素出力単位の検出信号を用いる例について説明してきたが、指向性撮像素子121を構成する画素出力単位の検出信号のうち、特定された被写体距離および画角に対応する入射角指向性を備えた画素出力単位の検出信号からなる検出画像を構成し、これを用いて復元画像を求めるようにしても良い。このような処理により、求めようとする復元画像の被写体距離や画角に適した検出画像で復元画像を復元することが可能となるので、より高い精度で復元画像を復元することが可能となる。すなわち、特定された被写体距離および画角に対応する画像が、例えば、図35における画角SQ1に対応する画像である場合、画角SQ1に対応する入射角指向性を備えた画素121aを選択し、これらから得られる検出画像で復元画像を復元することにより、画角SQ1の画像を高い精度で復元することが可能となる。
以上の処理により、各画素に入射角指向性を持たせるようにした指向性撮像素子121を必須構成とした撮像装置101を実現することが可能となる。
結果として、撮像レンズ、回折格子等からなる光学素子や、ピンホールなどが不要となるため、装置の設計の自由度を高めることが可能になると共に、撮像素子と別体で構成され、撮像装置として構成する段階で撮像素子と合わせて搭載されることが想定される光学素子が不要となるため、入射光の入射方向に対する装置の小型化を実現することが可能となり、製造コストを低減することが可能となる。また、フォーカスレンズなどのような、光学像を結像させるための撮像レンズに相当するレンズが不要となる。ただし、倍率を変化させるズームレンズは設けられていてもよい。
また、検出画像を取得するのみで、その後において、被写体距離や画角に応じた係数セット群を選択的に用いて構成した連立方程式を解いて復元画像を求めることで、様々な被写体距離の復元画像を生成することが可能となる。
例えば、撮像レンズと従来の撮像素子からなる撮像装置を用いた場合、様々な焦点距離や画角の画像を得るためには、焦点距離や画角を様々に変化させながら、撮像しておく必要がある。しかしながら、本開示の撮像装置101においては、係数セット群を切り替えて復元画像を復元させることができるので、焦点距離、すなわち、被写体距離や画角を様々に変化させながら繰り返し撮像するといった処理が不要になる。
また、以上の処理においては、復元画像のみが記憶部127に記憶される例について説明してきたが、検出画像を記憶部127に記憶させるようにすることで、再生時に、被写体距離の異なる複数の係数セット群を用いて復元画像を生成させるようにしてもよく、このようにすることで、再生時に任意の被写体距離や任意の画角の被写体面における復元画像を生成することが可能となる。
さらに、回折格子からなる光学フィルタと従来の撮像素子とからなる撮像装置などと比較して、画素単位で入射角指向性を持った指向性撮像素子121により撮像される検出画像を用いて復元画像を生成することができるので、多画素化を実現することができ、また、高解像度で、かつ、高角度分解能の画像を撮像することが可能となる。
また、本開示の撮像装置101は、指向性撮像素子121が必須構成であり、例えば、回折格子からなる光学フィルタ等を必要としないので、使用環境が高温になって、光学フィルタが熱で歪むといったことがないため、環境耐性の高い撮像装置を実現することが可能となる。
さらに、本開示の撮像装置101においては、回折格子や撮像レンズなどの光学素子を必要としないので、撮像する機能を備えた構成の設計の自由度を向上させることが可能となる。
<第1の変形例>
以上においては、図9で示されるように、指向性撮像素子121の各画素121aにおける遮光膜121bの構成については、垂直方向に対しては全体を遮光し、かつ、水平方向に対しての遮光幅や位置を変化させる例について説明してきたが、当然のことながら、 水平方向に対して全体として遮光し、垂直方向の幅(高さ)や位置を変化させるようにして、各画素に入射角指向性を持たせるようにしてもよい。
尚、以降においては、図9の右部で示される各画素121aのように、垂直方向に対しては画素121a全体を遮光し、かつ、水平方向に対して所定の幅で画素121aを遮光する遮光膜121bは、横帯タイプの遮光膜121bと称する。また、図9の右部で示される各画素121aのそれぞれを自らの中心位置を軸として90°回転させた場合のように、水平方向に対しては画素121a全体を遮光し、かつ、垂直方向に対して所定の高さで画素121aを遮光する遮光膜121bは、縦帯タイプの遮光膜121bと称する。
また、図38の左部で示されるように、縦帯タイプと横帯タイプの遮光膜121bを組み合わせて、例えば、ベイヤ配列のそれぞれの画素に対して、L字型のような遮光膜121bを設けるようにしてもよい。尚、図38においては、黒色の範囲が遮光膜121bを表しており、特に断りがない限り、以降の図面においても同様に表示する。
各画素は、図38の右部で示されるような入射角指向性を有することになる。すなわち、図38の右部においては、各画素における受光感度が示されており、横軸が入射光の水平方向(x方向)の入射角度θxを表し、縦軸が入射光の垂直方向(y方向)の入射角度θyを表している。そして、範囲C4内の受光感度が、範囲C4の外よりも高く、範囲C3内の受光感度が、範囲C3の外よりも高く、範囲C2内の受光感度が、範囲C2の外よりも高く、範囲C1内の受光感度が、範囲C1の外よりも高い。
従って、各画素について、範囲C1内となる、水平方向(x方向)の入射角度θxと、垂直方向(y方向)の入射角度θyとの条件を満たす入射光の検出信号レベルが最も高くなり、範囲C2内,範囲C3内,範囲C4内、および、範囲C4以外の範囲の条件の順に検出信号レベルが低くなることが示されている。尚、図38の右部で示される受光感度は、ベイヤ配列とは無関係に、各画素121aにおける遮光膜121bにより遮光される範囲により決定されるものである。
また、図38の左部においては、ベイヤ配列となるG画素の画素121a−21,121a−24、R画素の画素121a−22、およびB画素の画素121a−23のそれぞれに対して、L字型の遮光膜121b−21乃至121b−24が設けられていることが示されている。
尚、以降においては、図38で示されるL字型のような遮光膜121b−21乃至121b−24や、遮光膜121b−21乃至121b−24に対して、それぞれの画素121aの中心に対して点対称に配置される形状となる遮光膜121bについては、L字タイプの遮光膜121bと総称するものとする。
また、図38を参照して説明した第1の変形例の指向性撮像素子121は、図9,図10を参照して説明した、1個のフォトダイオード121eに対して遮光膜121bを用いて画素出力単位毎の入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であるものとして説明してきた。しかしながら、第1の変形例の指向性撮像素子121は、図11を参照して説明した指向性撮像素子121のように、画素出力単位を構成する、複数のフォトダイオード121fの分割数、および分割位置を変えることで、出力に寄与しない範囲を遮光された領域と同様に機能させて、入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であってもよい。
<第2の変形例>
以上においては、横帯タイプ、縦帯タイプ、およびL字タイプの遮光膜について、遮光されている範囲がランダムに変化するように各画素に配置される例について説明してきたが、例えば、図39の指向性撮像素子121’で示されるように、矩形開口を設けた場合に、個々の画素において光線が受光する位置の近傍の範囲以外を遮光する遮光膜121bを構成するようにしてもよい。
すなわち、各画素について、矩形開口を設けた場合に、所定の被写体距離の被写体面を構成する点光源より出射される光線のうち、矩形開口を透過して受光される光線のみを受光するような入射角指向性を有するように遮光膜121bを設けるようにしてもよい。
尚、図39においては、例えば、水平方向の画素配列に対して、遮光膜121bの水平方向の幅が幅dx1,dx2,・・・dxnと変化しており、これが、dx1<dx2<・・・<dxnの関係となる。同様に、垂直方向の画素配列に対して、遮光膜121bの垂直方向の高さが高さdy1,dy2,・・・dymと変化しており、これが、dy1<dy2<・・・<dxmの関係となる。また、遮光膜121bの水平方向の幅、および垂直方向の幅の、それぞれの変化の間隔は、復元する被写体分解能(角度分解能)に依るものである。
換言すれば、図39の指向性撮像素子121’における各画素121aの構成は、水平方向および垂直方向に対して指向性撮像素子121’内の画素配置に対応するように、遮光する範囲を変化させるような入射角指向性を持たせているといえる。
より詳細には、図39の各画素121aの遮光範囲は、例えば、図40の左部で示される画素121aを用いて説明される規則に従って決定される。
尚、図40の右部は、図39と同一の指向性撮像素子121’の構成を示している。また、図40の左部は、図40(図39と同一)の右部における指向性撮像素子121’の画素121aの構成を示している。
図40の左部で示されるように、画素121aの上辺および下辺の端部から画素121a内に向かって、それぞれ幅dx1だけ遮光膜121bにより遮光し、左辺および右辺の端部から画素121a内に向かって、それぞれ高さdy1だけ遮光膜121bにより遮光する。尚、図40,図41において、遮光膜121bは黒色で示された範囲である。
図40の左部において、遮光膜121bが、このように形成されることで遮光される範囲を、以降において、画素121aの主遮光部Z101(図40左部の黒色部)と称し、それ以外の方形状の範囲を範囲Z102と称する。
画素121aにおける、範囲Z102内に、遮光膜121bにより遮光されない矩形開口部Z111が設けられるものとする。したがって、範囲Z102において、矩形開口部Z111以外の範囲は、遮光膜121bにより遮光される。
図39の指向性撮像素子121’内の画素配列は、図40の右部(図39と同一)で示されるように、左端部で、かつ、上端部の画素121a−1は、矩形開口部Z111を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx1であって、その上辺が画素121aの上辺からdy1の距離に配置する構成とする。
同様に、画素121a−1の右隣の画素121a−2は、矩形開口部Z111を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx2であって、その上辺が画素121aの上辺から高さdy1の距離に配置して、矩形開口部Z111以外の範囲を遮光膜121bにより遮光する構成とする。
以下同様に、水平方向に隣接する画素121aは、配置が図中の右側に進むにしたがって、矩形開口部Z111の右辺が、画素121aの右辺から幅dx1,dx2・・・dxnと移動する。尚、図40の範囲Z102における右上部の点線の方形部分が、矩形開口部Z111を、その左辺が画素121aの左辺から幅dxnであって、その上辺が画素121aの上辺から高さdy1の距離に配置したときの状態を示している。また、幅dx1,dx2・・・dxnのそれぞれの間隔は、範囲Z102の水平方向の幅から矩形開口部Z111の幅を引いた幅を水平方向の画素数nで割った値となる。すなわち、水平方向の画素数nで割ることにより水平方向の変化の間隔が決定される。
また、指向性撮像素子121’における画素121a内の矩形開口部Z111の水平方向の位置は、指向性撮像素子121’内における水平方向の位置が同一の画素121a(同一の列の画素121a)内において同一になる。
さらに、画素121a−1の直下に隣接する画素121a−3は、矩形開口部Z111を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx1であって、その上辺が画素121aの上辺から高さdy2の距離に配置して、矩形開口部Z111以外の範囲を遮光膜121bにより遮光する構成とする。
以下同様に、垂直方向に隣接する画素121aは、配置が図中の下側に進むにしたがって、矩形開口部Z111の上辺が、画素121aの上辺から高さdy1,dy2・・・dynと移動する。尚、図40の範囲Z102における左下部の点線の方形部分が、矩形開口部Z111を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx1であって、その上辺が画素121aの上辺から高さdymの距離に配置したときの状態を示している。また、高さdy1,dy2・・・dymのそれぞれの間隔は、範囲Z102の垂直方向の高さから矩形開口部Z111の高さを引いた高さを垂直方向の画素数mで割った値となる。すなわち、垂直方向の画素数mで割ることにより垂直方向の変化の間隔が決定される。
また、指向性撮像素子121’における画素121a内の矩形開口部Z111の垂直方向の位置は、指向性撮像素子121’内における垂直方向の位置が同一の画素121a(同一の行の画素121a)内において同一になる。
<画角の変化>
さらに、図40(図39)で示される指向性撮像素子121’を構成する各画素121aの主遮光部Z101、および矩形開口部Z111を変化させることで、画角を変化させることができる。
図41の右部は、図40(図39)の指向性撮像素子121’に対して画角を広くする場合の指向性撮像素子121’の構成を示している。また、図41の左部は、図41の右部における指向性撮像素子121’の画素121aの構成を示している。
すなわち、図41の左部で示されるように、例えば、画素121a内に、図40における主遮光部Z101よりも遮光範囲が狭い主遮光部Z151(図41左部の黒色部)を設定し、それ以外の範囲を範囲Z152に設定する。さらに、範囲Z152内に、矩形開口部Z111よりも開口面積が広い矩形開口部Z161を設定する。
より詳細には、図41の左部で示されるように、画素121aの上辺および下辺の端部から画素121a内に向かって、それぞれ幅dx1’(<dx1)だけ遮光膜121bにより遮光され、左辺および右辺の端部から画素121a内に向かって、それぞれ高さdy1’(<dy1)だけ遮光膜121bにより遮光されることで、矩形開口部Z161が形成される。
ここで、図41の右部で示されるように、左端部で、かつ、上端部の画素121a−1は、矩形開口部Z161を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx1’であって、その上辺が画素121aの上辺から高さdy1’の距離に配置して、矩形開口部Z161以外の範囲を遮光膜121bにより遮光する構成とする。
同様に、画素121a−1の右隣の画素121a−2は、矩形開口部Z161を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx2’であって、その上辺が画素121aの上辺から高さdy1’に配置して、矩形開口部Z161以外の範囲を遮光膜121bにより遮光する構成とする。
以下同様に、水平方向に隣接する画素121aは、配置が図中の右側に進むにしたがって、矩形開口部Z161の右辺が、画素121aの右辺から幅dx1’、dx2’・・・dxn’と移動する。ここで、幅dx1’、dx2’・・・dxn’のそれぞれの間隔は、範囲Z152の水平方向の幅から矩形開口部Z161の水平方向の幅を引いた幅を、水平方向の画素数nで割った値となる。すなわち、水平方向の画素数nで割ることにより垂直方向の変化の間隔が決定される。したがって、幅dx1’、dx2’・・・dxn’の変化の間隔は、幅dx1、dx2・・・dxnの変化の間隔より大きくなる。
また、図41の指向性撮像素子121’における画素121a内の矩形開口部Z161の水平方向の位置は、指向性撮像素子121’内における水平方向の位置が同一の画素121a(同一の列の画素121a)内において同一になる。
さらに、画素121a−1の直下に隣接する画素121a−3は、矩形開口部Z161を、その左辺が画素121aの左辺から幅dx1’であって、その上辺が画素121aの上辺から高さdy2’に配置して、矩形開口部Z161以外の範囲を遮光膜121bにより遮光する構成とする。
以下同様に、垂直方向に隣接する画素121aは、配置が図中の下側に進むにしたがって、矩形開口部Z161の上辺が、画素121aの上辺から高さdy1’、dy2’・・・dym’と変化する。ここで、高さdy1’、dy2’・・・dym’の変化の間隔は、範囲Z152の垂直方向の高さから矩形開口部Z161の高さを引いた高さを垂直方向の画素数mで割った値となる。すなわち、垂直方向の画素数mで割ることにより垂直方向の変化の間隔が決定される。したがって、高さdy1’、dy2’・・・dym’の変化の間隔は、幅高さdy1、dy2・・・dymの変化の間隔より大きくなる。
また、図41の指向性撮像素子121’における画素121a内の矩形開口部Z161の垂直方向の位置は、指向性撮像素子121’内における垂直方向の位置が同一の画素121a(同一の行の画素121a)内において同一になる。
このように、主遮光部の遮光範囲と開口部の開口範囲との組み合わせを変化させることで、様々な画角の(様々な入射角指向性を持った)画素121aからなる指向性撮像素子121’を実現することが可能となる。
さらに、同一の画角の画素121aのみならず、様々な画角の画素121aを組み合わせて指向性撮像素子121を実現させるようにしてもよい。
例えば、図42で示されるように、点線で示される2画素×2画素からなる4画素を1個の単位Uとして、それぞれの単位Uが、広画角の画素121a−W、中画角の画素121a−M、狭画角の画素121a−N、極狭画角の画素121a−ANの4画素から構成されるようにする。
この場合、例えば、全画素121aの画素数がXである場合、4種類の画角ごとにX/4画素ずつの検出画像を用いて復元画像を復元することが可能となる。この際、画角毎に異なる4種類の係数セットが使用されて、4種類の異なる連立方程式により、それぞれ異なる画角の復元画像が復元される。
このため、復元する画角の復元画像を、復元する画角の撮像に適した画素から得られる検出画像を用いて復元することで、4種類の画角に応じた適切な復元画像を復元することが可能となる。
また、4種類の画角の中間の画角や、その前後の画角の画像を、4種類の画角の画像から補間生成するようにしてもよく、様々な画角の画像をシームレスに生成することで、疑似的な光学ズームを実現するようにしてもよい。
尚、図39乃至図42を参照して説明した第2の変形例の指向性撮像素子121’は、図9,図10を参照して説明した、1個のフォトダイオード121eに対して遮光膜121bを用いて画素出力単位毎の入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であるものとして説明してきた。しかしながら、第2の変形例の指向性撮像素子121’は、図11を参照して説明した指向性撮像素子121のように、画素出力単位を構成する、複数のフォトダイオード121fの分割数、および分割位置を変えることで、出力に寄与しない範囲を遮光された領域と同様に機能させて、入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であってもよい。
<第3の変形例>
ところで、指向性撮像素子121における画素121aの遮光膜121bの遮光している範囲にランダム性を持たせている場合、遮光膜121bの遮光している範囲の違いの乱雑さが大きいほど、信号処理部122による処理の負荷は大きなものとなる。そこで、画素121aの遮光膜121bの遮光している範囲の変化の一部を規則的なものとして、乱雑さを低減させることで、処理負荷を低減させるようにしてもよい。
すなわち、例えば、縦帯タイプと横帯タイプとを組み合わせたL字タイプの遮光膜121bを構成するようにして、所定の列方向に対しては、同一幅の横帯タイプの遮光膜121bを組み合わせ、所定の行方向に対しては、同一の高さの縦帯タイプの遮光膜121bを組み合わせることで、列方向および行方向で規則性を持たせつつ、画素単位ではランダムに変化するようにすることで、各画素の入射角指向性における乱雑さを低減させ、信号処理部122の処理負荷を低減させるようにしてもよい。
すなわち、例えば、図43の指向性撮像素子121’’で示されるように、範囲Z130で示される同一列の画素については、いずれも同一の幅X0の横帯タイプの遮光膜121bが用いられ、範囲Z150で示される同一行の画素については、同一の高さY0の縦帯タイプの遮光膜121bが用いられ、各行列で特定される画素121aについては、これらが組み合わされたL字タイプの遮光膜121bが設定されている。
同様に、範囲Z130に隣接する範囲Z131で示される同一列の画素については、いずれも同一の幅X1の横帯タイプの遮光膜121bが用いられ、範囲Z150に隣接する範囲Z151で示される同一行の画素については、同一の高さY1の縦帯タイプの遮光膜121bが用いられ、各行列で特定される画素121aについては、これらが組み合わされたL字タイプの遮光膜121bが設定されている。
さらに、範囲Z131に隣接する範囲Z132で示される同一列の画素については、いずれも同一の幅X2の横帯タイプの遮光膜が用いられ、範囲Z151に隣接する範囲Z152で示される同一行の画素については、同一の高さY2の縦帯タイプの遮光膜が用いられ、各行列で特定される画素121aについては、これらが組み合わされたL字タイプの遮光膜121bが設定されている。
このようにすることで、遮光膜121bの水平方向の幅および位置、並びに、垂直方向の高さおよび位置に規則性を持たせつつ、画素単位で遮光膜の範囲を変化させることができるので、入射角指向性の乱雑さを抑え込むことができ、結果として、係数セットのパターンを低減させることが可能となり、信号処理部122における演算処理の処理負荷を低減させることが可能となる。
より詳細には、図44の右上部で示されるように、N画素×N画素の検出画像PicからN×N画素の復元画像を求める場合、N×N行1列の復元画像の各画素の画素値を要素とするベクトルX、N×N行1列の検出画像の各画素の画素値を要素とするベクトルY、および、係数セットからなるN×N行N×N列の行列Aにより、図44の左部で示されるような関係が成立する。
すなわち、図44においては、係数セットからなるN×N行N×N列の行列Aの各要素と、復元画像を表すN×N行1列のベクトルXとを乗算した結果が、検出画像を表すN×N行1列のベクトルYとなることが示されており、この関係から、例えば、上述した式(5)乃至式(13)に対応する連立方程式が構成される。
尚、図44においては、行列Aの範囲Z201で示される1列目の各要素が、ベクトルXの1行目の要素に対応しており、行列Aの範囲Z202で示されるN×N列目の各要素が、ベクトルXのN×N行目の要素に対応していることを示している。
換言すれば、図44で示される行列式に基づいた連立方程式を解くことにより、ベクトルXの各要素が求められることにより復元画像が求められる。また、ピンホールを用いた場合、および、撮像レンズ等の、同じ方向から入射した入射光を互いに隣接する画素出力単位の双方へ入射させるための集光機能を用いた場合、各画素の位置と光の入射角度の関係が一意に定まるので、行列Aは、右下がりの対角線上の全要素が1からなる対角行列になる。逆に、図6の撮像装置101のようにピンホールおよび撮像レンズのいずれも用いない場合、各画素の位置と光の入射角度の関係は一意に定まらないので、行列Aは対角行列にならない。
ところで、一般的に、図44の行列式は、両辺に行列Aの逆行列A−1を左から乗じることにより、図45で示されるように変形され、検出画像のベクトルYに逆行列A−1を右から乗じることで、検出画像であるベクトルXの各要素が求められる。
しかしながら、現実の行列Aは、正確に求められない、正確に測定できない、行列Aの基底ベクトルが線形従属に近いケースで解けない、および、検出画像の各要素にノイズが含まれるといった理由のいずれか、または組み合わせで、連立方程式を解くことができないことがある。
そこで、様々な誤差に対してロバストな構成を考え、正則化最小二乗法の概念を用いた、以下の式(17)をとる。
ここで、式(17)にxの上部に「^」が付されたものは、ベクトルXを、Aは、行列Aを、Yは、ベクトルYを、γはパラメータを、||A||はL2ノルム(二乗和平方根)を表している。ここで、第一項は、図44の両辺を最小にするときのノルムであり、第二項は正則化項である。
この式(17)をxについて解くと、以下の式(18)で表現される。
しかしながら、行列Aは、膨大なサイズであるので、計算時間や計算に大容量のメモリが必要になる。
そこで、例えば、図46で示されるように、行列Aを、N行N列の行列ALと、N行N列の行列ARTとに分解し、それぞれ復元画像を表すN行N列の行列Xの前段と後段とから掛けた結果が、検出画像を表すN行N列の行列Yとなるようにすることを考える。これにより、要素数(N×N)×(N×N)の行列Aに対して、要素数が(N×N)の行列AL、ARTとなるので、要素数を1/(N×N)に小さくすることができる。結果として、要素数が(N×N)からなる2個の行列AL,ARTを用いるだけで済むので、計算量とメモリの容量を低減させることができる。
ここで、ATは、行列Aの転置行列であり、γはパラメータであり、Iは、単位行列である。式(18)におけるカッコ内の行列を行列ALとし、行列Aの転置行列の逆行列を行列ARTとすることで。図46で示される行列式を実現する。
このように図46で示されるような計算は、図47で示されるように、行列Xにおける注目要素Xpに対しては、行列ALの対応する列の各要素群Z221を乗算することで、要素群Z222が求められる。さらに、要素群Z222と行列ARTの注目要素Xpに対応する行の要素とを乗算することで、注目要素Xpに対応する2次元応答Z224が求められる。そして、行列Xの全要素に対応する2次元応答Z224が積算されることで行列Yが求められる。
そこで、行列ALの各行に対応する要素群Z221には、図43で示される指向性撮像素子121の列毎に同一の幅に設定される横帯タイプの画素121aの入射角指向性に対応する係数セットを持たせる。
同様に、行列ARTの各行の要素群Z223には、図43で示される指向性撮像素子121の行毎に設定される同一の高さに設定される縦帯タイプの画素121aの入射角指向性に対応する係数セットを持たせる。
この結果、検出画像に基づいて、復元画像を復元する際に使用する行列を小さくさせることが可能となるので、計算量が低減することで、処理速度を向上させ、計算に係る電力消費を低減させることが可能となる。また、行列を小さくできるので、計算に使用するメモリの容量を低減させることが可能となり、装置コストを低減させることが可能となる。
尚、図43の例においては、水平方向、および垂直方向に所定の規則性を持たせつつ、画素単位で遮光される範囲(受光できる範囲)を変化させる例が示されているが、本開示の技術においては、このように画素単位で遮光される範囲(受光できる範囲)が、完全にランダムに設定されてはいないものの、ある程度ランダムに設定されるものについても、ランダムに設定されるものとみなす。換言すれば、本開示においては、画素単位で遮光される範囲(受光できる範囲)が完全にランダムに設定される場合のみならず、ある程度ランダムなもの(例えば、全画素のうち、一部については規則性を持たせた範囲を含むが、その他の範囲はランダムである場合)、または、ある程度規則性がなさそうなもの(全画素のうち、図43を参照して説明したような規則に従って配置されていることが確認できない配置の場合)についてもランダムであるものとみなす。
また、図43乃至図47を参照して説明した第3の変形例の指向性撮像素子121’’は、図9,図10を参照して説明した、1個のフォトダイオード121eに対して遮光膜121bを用いて画素出力単位毎の入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であるものとして説明してきた。しかしながら、第3の変形例の指向性撮像素子121’’は、図11を参照して説明した指向性撮像素子121のように、画素出力単位を構成する、複数のフォトダイオード121fの分割数、および分割位置を変えることで、出力に寄与しない範囲を遮光された領域と同様に機能させて、入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であってもよい。
<第4の変形例>
以上における指向性撮像素子121の各画素出力単位を構成する遮光膜121bの形状のバリエーションは、図48の最上段の3パターンで示される水平方向の幅と位置が異なることで異なる入射角指向性を持たせる横帯タイプ、図48の上から2段目の3パターンで示される垂直方向の高さと位置が異なることで異なる入射角指向性を持たせる縦帯タイプ、および、図48の上から3段目の3パターンで示される横帯タイプおよび縦帯タイプを組み合わせたL字タイプについて説明してきたが、遮光膜121bのタイプは、これらに限るものではない。
例えば、図48の上から4段目の3パターンで示されるように、遮光膜121bを三角形に設定し、その範囲を異なるものとすることで異なる入射角指向性を持たせるようにしてもよいし、図48の最下段の3パターンで示されるように、遮光膜12bを円形に設定し、その範囲を異なるものとすることで異なる入射角指向性を持たせるようにしてもよい。尚、図示しないが、これ以外のパターンでもよく、例えば、斜め方向の線状の遮光膜などでも良い。
尚、以降においては、図48の4段目の3パターンで示される遮光膜121bを三角タイプの遮光膜121bと称するものとし、図48の最下段の3パターンで示される遮光膜121bを円形タイプの遮光膜121bと称するものとする。
また、図48を参照して説明した第4の変形例の指向性撮像素子121は、図9,図10を参照して説明した、1個のフォトダイオード121eに対して遮光膜121bを用いて画素出力単位毎の入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であるものとして説明してきた。しかしながら、第4の変形例の指向性撮像素子121は、図11を参照して説明した指向性撮像素子121のように、画素出力単位を構成する、複数のフォトダイオード121fの分割数、および分割位置を変えることで、出力に寄与しない範囲を遮光された領域と同様に機能させて、入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であってもよい。
<第5の変形例>
以上においては、指向性撮像素子121の1画素出力単位で設定される遮光膜121bのバリエーションについて説明してきたが、所定数の複数の画素出力単位からなるユニットを構成する複数の画素出力単位で遮光膜121bのバリエーション(パターン)を設定するようにしてもよい。その一例としてモノクロの撮像素子ではなく、カラー撮像素子が考えられる。
すなわち、図49のパターンPt1で示されるように、ベイヤ配列を構成する2画素出力単位×2画素出力単位の計4画素出力単位からなるユニットを構成する複数の画素出力単位で、同一幅の横帯タイプの遮光膜121bをマトリクス状に配置するようにしてもよい。
また、パターンPt2で示されるように、ベイヤ配列を構成する4画素出力単位からなるユニットを構成する複数の画素出力単位で、1画素出力単位ずつ異なる幅の横帯タイプの遮光膜121bをマトリクス状に配置するようにしてもよい。
さらに、パターンPt3で示されるように、ベイヤ配列を構成する4画素出力単位からなるユニットを構成する複数の画素出力単位で、1画素出力単位ずつ4画素出力単位の中心位置を中心として、各画素出力位置に対して点対称に横帯タイプと縦帯タイプの遮光膜121bを、位置を変えてマトリクス状に配置するようにしてもよい。
また、同一配色の画素出力単位を、例えば、2画素出力単位×2画素出力単位の4画素出力単位で設定し、4画素出力単位の同一配色のユニットを2ユニット×2ユニットからなる計4ユニット単位(16画素出力単位)でベイヤ配列を構成する場合、パターンPt4で示されるように、それらの同一配色の4画素出力単位からなるユニットを構成する4画素出力単位で同一幅の横帯タイプの遮光膜121bをマトリクス状に配置するようにしてもよい。
さらに、パターンPt5で示されるように、同一配色の4画素出力単位からなるユニットを構成する4画素出力単位で、1画素出力単位ずつ異なる幅の横帯タイプの遮光膜121bをマトリクス状に配置するようにしてもよい。
また、パターンPt6で示されるように、同一配色の4画素出力単位からなるユニットを構成する4画素出力単位で、1画素出力単位ずつ4画素出力単位の中心位置を中心として、4画素出力単位の遮光されている範囲を点対称に変化させるように、横帯タイプと縦帯タイプの遮光膜121bを、位置を変えてマトリクス状に配置するようにしてもよい。
さらに、同一配色の画素出力単位を、例えば、3画素出力単位×3画素出力単位の9画素出力単位で設定し、9画素出力単位の同一配色のユニット単位で2ユニット×2ユニットからなる計4ユニット単位(36画素出力単位)でベイヤ配列を構成する場合、パターンPt7で示されるように、それらの同一配色の9画素出力単位からなるユニットを構成する9画素出力単位で同一幅の横帯タイプの遮光膜121bをマトリクス状に配置するようにしてもよい。
また、パターンPt8で示されるように、同一配色の9画素からなるユニットを構成する9画素出力単位で、1画素出力単位ずつ異なる幅の横帯タイプの遮光膜121bをマトリクス状に配置するようにしてもよい。
さらに、パターンPt9で示されるように、同一配色の9画素出力単位からなるユニットを構成する9画素出力単位で、9画素出力単位の中心画素を中心とした8画素出力単位の遮光されている範囲を2画素出力単位で点対称に変化させるように、横帯タイプ、縦帯タイプ、および三角タイプの遮光膜121bを、位置を変えてマトリクス状に配置するようにしてもよい。
尚、以上においては、横帯タイプ、縦帯タイプ、および三角タイプの遮光膜121bを用いたパターンについて説明してきたが、それ以外のタイプ、例えば、円形タイプなどの遮光膜121bを用いるようにしてもよい。また、以上においては、ベイヤ配列を用いた例について説明してきたが、それ以外の配色パターンを用いた場合であってもよいし、ユニットを構成する同一配色の画素出力単位数についても、1画素出力単位、4画素出力単位、および9画素出力単位の例について説明してきたが、それ以外の画素出力単位数で同一配色の画素出力単位が設定されていてもよい。
また、ユニットを構成する各画素における遮光膜121bが遮光する範囲のパターンのランダム性が高い方が、すなわち、ユニットを構成する画素がそれぞれに異なる入射角指向性を備えている方が望ましい。
さらに、図49においては、ベイヤ配列を構成する2画素出力単位×2画素出力単位からなる4画素出力単位を1ユニットとして遮光膜121bのパターンを設定したり、さらに、ユニット間でパターンとして遮光膜121bを設定する例について説明してきたが、それ以外の単位で遮光膜121bを設定するようにしてもよく、例えば、色配列に加えて、露光時間の異なる画素出力単位、例えば、第1の露光時間の画素出力単位と第1の露光時間よりも長い第2の露光時間の画素出力単位とを考慮した複数の画素出力単位からなる処理単位毎に遮光膜121bを設定するようにしてもよい。
また、図49を参照して説明した第5の変形例の指向性撮像素子121は、図9,図10を参照して説明した、1個のフォトダイオード121eに対して遮光膜121bを用いて画素出力単位毎の入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であるものとして説明してきた。しかしながら、第5の変形例の指向性撮像素子121は、図11を参照して説明した指向性撮像素子121のように、画素出力単位を構成する、複数のフォトダイオード121fの分割数、および分割位置を変えることで、出力に寄与しない範囲を遮光された領域と同様に機能させて、入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であってもよい。
<第6の変形例>
以上においては、ベイヤ配列を構成する同一配色とされる少なくとも1画素出力単位以上のユニットを構成する複数の画素出力単位で遮光膜121bの配置のパターンを設定する例について説明してきたが、ユニット間で遮光膜121bの配置パターンを設定するようにしてもよい。
すなわち、指向性撮像素子121の画素出力単位の遮光膜121bの配置パターンは、例えば、図50のパターンPt11で示されるように、2画素出力単位×2画素出力単位のベイヤ配列の4画素出力単位をユニットとしたとき、それぞれのユニット間で、4画素出力単位内の図中の左上部のG画素の画素出力単位に横帯タイプの遮光膜121bを画素出力単位内の左端部に配置し、さらに、図中左から右方向に1ユニット毎に遮光膜121bの幅を広く設定するようにしてもよい。
また、図50のパターンPt12で示されるように、ユニット間で、それぞれのユニットにおける4画出力単位素内の左上部のG画素の画素出力単位の遮光膜121bの幅をランダムに変化させるように設定するようにしてもよい。
さらに、図50のパターンPt13で示されるように、ユニット間で、それぞれのユニットにおける4画素出力単位内の左上部のG画素の画素出力単位の遮光膜121bの遮光される範囲を画素出力単位の中心に対して点対称に変化するように設定するようにしてもよい。
尚、以上においては、横帯タイプ、および、縦帯タイプを用いた例について説明してきたが、当然のことながら、L字タイプ、三角タイプ、円形タイプ等の遮光膜121bを用いたパターンを設定するようにしてもよい。
尚、第5の変形例および第6の変形例においては、ベイヤ配列などのユニット内の複数の画素出力単位、およびユニット間で遮光膜121bが遮光する範囲のパターンを設定する例について説明してきたが、さらに、異なるカテゴリで分類される複数の画素出力単位からなるユニット内やユニット間で遮光膜121bが遮光する範囲のパターンを設定するようにしてもよい。
また、図50を参照して説明した第6の変形例の指向性撮像素子121は、図9,図10を参照して説明した、1個のフォトダイオード121eに対して遮光膜121bを用いて画素出力単位毎の入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であるものとして説明してきた。しかしながら、第6の変形例の指向性撮像素子121は、図11を参照して説明した指向性撮像素子121のように、画素出力単位を構成する、複数のフォトダイオード121fの分割数、および分割位置を変えることで、出力に寄与しない範囲を遮光された領域と同様に機能させて、入射角指向性を設定する指向性撮像素子121であってもよい。
<第7の変形例>
図11を参照して説明したように、複数のフォトダイオード121fの例として、フォトダイオード121fが2個×2個からなる配置で画素出力単位を構成し、各フォトダイオード121fの画素出力単位への寄与の有無や程度を切り替えることにより画素出力単位の出力画素値の入射角に対する指向性を様々に変化させる例について説明してきたが当然のことながら、画素出力単位を構成する複数のフォトダイオード121fの数は、それ以外の数であってもよい。
すなわち、図51で示されるように、フォトダイオード121f−111乃至121e−119の3個のフォトダイオード121f×3個のフォトダイオード121f(=9個のフォトダイオード121f)からなる画素出力単位とする画素121a−bを構成するようにしてもよい。尚、画素出力単位を構成するフォトダイオード121fの数は、上述した4個や9個以外でもよい。
すなわち、複数のフォトダイオード121fが、様々な画素出力単位の画素121aを構成するように切り替えられて使用されるようにしてもよい。
<第8の変形例>
以上においては、複数のフォトダイオード121fにより画素出力単位の出力画素値の入射角指向性を様々に切り替える例について説明してきた。ところで、所定数のフォトダイオード121fにより1画素出力単位が構成されるときには、1画素出力単位に対して1個のオンチップレンズ121cが必須とされる。
すなわち、図52で示されるように、1個のオンチップレンズ121cに対して、例えば、フォトダイオード121f−111乃至121f−119の3個のフォトダイオード121f×3個のフォトダイオード121f(=9個のフォトダイオード121f)が設定されるような構成を画素出力単位とされるものとする。このような構成の場合、例えば、図52で示されるフォトダイオード121f−111,121f−114,121f−117乃至121f−119の5画素について読み出しをしないようにすることで、フォトダイオード121f−111,121f−114,121f−117乃至121f−119の範囲が検出信号に寄与しない状態となり、フォトダイオード121f−112,121f−113,121f−115,121f−116の範囲の検出信号に寄与する信号のみを用いることで入射角指向性を設定することが可能となる。
尚、この構成は、上述した図12、または図13の下部の構成を応用した構成であるとも言える。
このように遮光膜121bを設けることなく、遮光膜121bを設けた場合と同様の検出信号を求めることができ、また、検出信号に寄与しないフォトダイオード121fのパターンを切り替えることで、遮光される位置と範囲が異なる遮光膜121bを実質的に形成すること、すなわち、異なる入射角指向性を持たせることと同等の処理を実現することが可能となる。
従って、1個のオンチップレンズ121cに対して複数のフォトダイオード121fが設けられるようにして、それらの複数のフォトダイオード121fからなるユニットを1画素出力単位として処理するようにすることで、遮光膜121bを設けることなく、遮光膜121bに対応するフォトダイオード121fの読み出しをしないように切り替えることで、遮光膜121bを用いて形成される画素121aと同様の検出画像を撮像することが可能となる。すなわち、1個の画素出力単位について、1個のオンチップレンズが必須の構成となる。
<<3.第2の実施の形態>>
以上においては、指向性撮像素子121と信号処理部122等とが別体とされた構成である例について説明してきたが、指向性撮像素子121が設けられた基板と同一基板に信号処理部122を構成するようにしてもよいし、または、指向性撮像素子121が設けられた基板と、信号処理部122等が構成された基板とが積層されて、例えば、TSV(Through Silicon Via)等の貫通電極等により接続されて、一体として構成されるようにしてもよい。
図53は、指向性撮像素子121の画素アレイを構成する基板と同一基板上、または、指向性撮像素子121の画素アレイを構成する基板に対して、その裏面側に積層される基板に被写体距離決定部129、係数セット選択部131、および信号処理部122が設けられた、一体型の指向性撮像素子121を用いた撮像装置101の構成例が示されている。
尚、基本的な機能や、撮像処理については、図6の撮像装置101と同様であるので、その説明は省略するものとする。
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
<1> 撮像レンズおよびピンホールのいずれも介さず、入射する入射光を受光する複数の画素出力単位を有し、前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位の出力画素値の、被写体からの入射光の入射角に対する特性が互いに異なる撮像素子
を備えた撮像装置。
<2> 前記特性は、前記被写体からの入射光の入射角に対する指向性を示す入射角指向性である
<1>に記載の撮像装置。
<3> 前記複数の画素出力単位のそれぞれから1つの検出信号が出力される
<2>に記載の撮像装置。
<4> 前記複数の画素出力単位から出力された複数の検出信号からなる検出画像を用いて、前記被写体を視認可能な復元画像を復元する画像復元部をさらに備える
<3>に記載の撮像装置。
<5> 前記画像復元部は、前記複数の画素出力単位のうちの一部の画素出力単位の検出信号を選択的に用いて、前記復元画像を復元する
<4>に記載の撮像装置。
<6> 前記画像復元部は、前記複数の画素出力単位のうちの一部の画素出力単位の検出信号を用いて前記復元画像を復元する復元処理と、前記複数の画素出力単位のうちの全ての画素出力単位の検出信号を用いて前記復元画像を復元する復元処理とを選択的に実行する
<4>に記載の撮像装置。
<7> 前記複数の画素出力単位は、広角な画像に適した前記入射角指向性を持つ広角対応画素出力単位と、前記広角対応画素出力単位と比べて狭い狭角対応画素出力単位とを含み、
前記画像復元部は、前記広角対応画素出力単位と前記狭角対応画素出力単位とを選択的に用いて前記復元画像を復元する
<4>に記載の撮像装置。
<8> 前記被写体からの主光線入射角度が異なる拡散光を、互いに隣接する複数の画素出力単位へ入射させるための集光機能を備えていない
<2>に記載の撮像装置。
<9> 前記複数の画素出力単位は、それぞれ前記被写体からの入射光の入射角に対する特性を独立に設定可能な構成を有する
<1>に記載の撮像装置。
<10> 撮像レンズおよびピンホールのいずれも介さず、入射する入射光を受光する複数の画素出力単位を有し、前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位の出力画素値の、被写体からの入射光の入射角に対する特性が互いに異なる
撮像素子。
<11> 前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位は、被写体からの入射光の入射角に対する指向性を示す入射角指向性が互いに異なる
<10>に記載の撮像素子。
<12> 前記複数の画素出力単位のそれぞれは、1つのフォトダイオードで構成され、
前記複数の画素出力単位のそれぞれから1つの検出信号が出力される
<11>に記載の撮像素子。
<13> 前記少なくとも2つの画素出力単位は、前記フォトダイオードへの前記被写体からの入射光である被写体光の入射を遮る遮光膜をそれぞれ有し、
前記被写体光の前記2つの画素出力単位へ入射が、前記遮光膜によって遮られる範囲が、前記少なくとも2つの画素出力単位で互いに異なる
<12>に記載の撮像素子。
<14> 前記複数の画素出力単位のそれぞれは、複数のフォトダイオードで構成され、前記複数の画素出力単位のそれぞれから1つの検出信号が出力される
<11>に記載の撮像素子。
<15> 前記少なくとも2つの画素出力単位は、前記複数のフォトダイオードのうち、前記検出信号に寄与するフォトダイオードが互いに異なる
<14>に記載の撮像素子。
<16> 前記複数の画素出力単位は、広角な画像に適した入射角指向性を有する広角対応画素出力単位と、前記広角対応画素出力単位と比べて狭角な画像に適した入射角指向性を有する狭角対応画素出力単位とを含む
<11>に記載の撮像素子。
<17> 前記複数の画素出力単位にそれぞれ対応する複数のオンチップレンズを備える
<11>に記載の撮像素子。
<18> 前記入射角指向性は、前記オンチップレンズの曲率に応じた特性を有する
<17>に記載の撮像素子。
<19> 前記入射角指向性は、遮光領域に応じた特性を有する
<18>に記載の撮像素子。
<20> 前記複数のオンチップレンズのうち、少なくとも一部のオンチップレンズの曲率は他のオンチップレンズの曲率と異なる
<18>に記載の撮像素子。
<21> 前記複数の画素出力単位は、それぞれ前記被写体からの入射光の入射角に対する特性を独立に設定可能な構成を有する
<10>に記載の撮像素子。
<22> 撮像レンズおよびピンホールのいずれも介さず、入射する入射光を受光する複数の画素出力単位を有し、
前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位の出力画素値の、被写体からの入射光の入射角に対する指向性を示す入射角指向性が互いに異なる撮像素子の前記複数の画素出力単位からそれぞれ出力された複数の検出信号からなる検出画像を用いて、前記被写体を視認可能な復元画像を復元する画像復元部を備える
画像処理装置。
<23> 前記画像復元部は、前記複数の画素出力単位のうちの一部の画素出力単位の検出信号を選択的に用いて、前記復元画像を復元する
<22>に記載の画像処理装置。
<24> 前記画像復元部は、前記複数の画素出力単位のうちの一部の画素出力単位の検出信号を用いて前記復元画像を復元する復元処理と、前記複数の画素出力単位のうちの全ての画素出力単位の検出信号を用いて前記復元画像を復元する復元処理とを選択的に実行する
<22>に記載の画像処理装置。
<25> 前記複数の画素出力単位は、広角な画像に適した前記入射角指向性を持つ広角対応画素出力単位と、前記広角対応画素出力単位と比べて狭い狭角対応画素出力単位とを含み、
前記画像復元部は、前記広角対応画素出力単位と前記狭角対応画素出力単位とを選択的に用いて前記復元画像を復元する
<22>に記載の画像処理装置。
<26> 撮像レンズおよびピンホールのいずれも介さず、入射する入射光を受光する複数の画素出力単位を有し、前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位の出力画素値の、被写体からの入射光の入射角に対する特性が互いに異なる撮像素子が撮像する
ステップを含む撮像装置の撮像方法。
<27> 撮像レンズおよびピンホールのいずれも介さず、入射する入射光を受光する複数の画素出力単位を有し、前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位の出力画素値の、被写体からの入射光の入射角に対する特性が互いに異なる撮像素子が撮像する
ステップを含む撮像素子の撮像方法。
<28> 撮像レンズおよびピンホールのいずれも介さず、入射する入射光を受光する複数の画素出力単位を有し、
前記複数の画素出力単位のうち、少なくとも2つの前記画素出力単位の出力画素値の、被写体からの入射光の入射角に対する指向性を示す入射角指向性が互いに異なる撮像素子の前記複数の画素出力単位からそれぞれ出力された複数の検出信号からなる検出画像を用いて、前記被写体を視認可能な復元画像を復元する
ステップを含む画像処理方法。