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JP6959090B2 - 加熱装置 - Google Patents
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JP6959090B2 - 加熱装置 - Google Patents

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本明細書に開示される技術は、加熱装置に関する。
対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400〜650℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる)が知られている。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置やスパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
一般に、加熱装置は、保持面を有するセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置されたヒータとを備える。ヒータに電圧が印加されるとヒータが発熱し、セラミックス部材の保持面上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハ)が例えば400〜650℃程度に加熱される(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平10−242252号公報 特開2014−75525号公報
近年、半導体製造プロセスの効率化等を図るため、加熱装置の保持面の温度を所定温度だけ上昇させるのに要する時間(以下、「温度上昇所要時間」という)の短縮化に対する要求が高まっている。ここで、ヒータから保持面に向かう方向(以下、「縦方向」という)に伝達される熱の量(以下、「縦方向の伝熱量」という)が多い程、温度上昇所要時間の短縮化を図ることができる。しかしながら、一般に、セラミックス部材の内部に配置されたヒータは、保持面に直交する方向だけでなく、保持面に平行な方向においても、熱伝導率が比較的に高いセラミックスに隣接している。このため、縦方向だけでなく、保持面に平行な方向(以下、「面方向」という)にも、ヒータから多量の熱が伝達される分だけ、縦方向の伝熱量を十分に確保できず、その結果、温度上昇所要時間の短縮化を図ることができないおそれがある。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される加熱装置は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置されたヒータと、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面に配置された対象物を加熱する加熱装置において、前記セラミックス部材の内部には、前記第1の方向に略垂直な方向において、前記セラミックス部材を構成するセラミックス部分と前記ヒータとの間に位置する空隙が存在している。本加熱装置では、セラミックス部材の内部には、第1の方向に略垂直な方向(以下、「面方向」という)において、セラミックス部材を構成するセラミックス部分とヒータとの間に位置する空隙が存在している。空隙内の熱伝導率は、セラミックス部分の熱伝導率より低い。このため、本加熱装置では、面方向においてセラミックス部分とヒータとの間に空隙が存在しない従来の構成に比べて、ヒータからの全発熱量のうち、面方向に伝達される熱の量(以下、「面方向の伝熱量」という)が抑制される分だけ、ヒータから保持面に向かう方向(以下、「縦方向」という)に伝達される熱の量(以下、「縦方向の伝熱量」という)を多く確保できる。その結果、本加熱装置によれば、従来の構成に比べて、加熱装置の保持面(第1の表面)の温度を所定温度だけ上昇させるのに要する時間(以下、「温度上昇所要時間」という)の短縮化を図ることができる。
(2)上記加熱装置において、前記ヒータと前記セラミックス部分との間には、前記ヒータに沿って前記複数の空隙が互いに離間した位置に存在している構成としてもよい。本加熱装置では、ヒータとセラミックス部分との間には、複数の空隙が互いに離間した位置に存在している。すなわち、面方向において、ヒータの全周にわたって空隙が存在しているわけではなく、ヒータの一部分が、空隙を介さずにセラミックス部分に隣接している。縦方向だけでなく、面方向にも熱が伝達されるため、本加熱装置では、第1の表面において、ヒータに対応する領域と、該ヒータの近傍のセラミックス部分に対応する領域との温度差が抑制される。すなわち、本加熱装置によれば、上記従来の構成に比べて、温度上昇所要時間の短縮化を図りつつ、ヒータの全周にわたって空隙が存在している構成に比べて、第1の表面における面方向の均熱性の向上を図ることができる。
(3)上記加熱装置において、前記第1の方向に略垂直な少なくとも1つの方向における前記ヒータの両側のそれぞれに前記空隙が存在している構成としてもよい。本加熱装置では、ヒータの両側に空隙が存在しているため、ヒータの両側において面方向の伝熱量が抑制される。これにより、本加熱装置によれば、ヒータの片側のみ空隙が存在している構成に比べて、縦方向の伝熱量をさらに多く確保できる。
(4)上記加熱装置において、前記ヒータは、線状に延びている線状ヒータ部分を含んでおり、前記空隙は、前記第1の方向に略垂直で、かつ、前記線状ヒータ部分に交差する方向における前記線状ヒータ部分の一方側に存在している第1の空隙と、前記線状ヒータ部分の他方側に存在している第2の空隙とを含んでおり、前記第1の空隙と前記第2の空隙とのそれぞれは、前記線状ヒータ部分に直交する方向において、前記線状ヒータ部分を介して、前記セラミックス部分に対向している構成としてもよい。本加熱装置では、線状ヒータ部分の両側のそれぞれに位置する第1の空隙と第2の空隙とのそれぞれは、線状ヒータ部分に直交する方向において、線状ヒータ部分を介して、セラミックス部分に対向している。すなわち、第1の空隙と第2の空隙とは、線状ヒータ部分に直交する方向において互いに対向しておらず、各空隙に対して線状ヒータ部分を挟んで対向する位置には空隙ではなくセラミックスが存在する。ここで、空隙同士が線状ヒータ部分を挟んで対向する部分は、線状ヒータ部分の両側で面方向の伝熱量が抑制されるため、セラミックス部分同士が線状ヒータ部分を挟んで対向する部分に対して、特に温度差が大きくなる。したがって、本加熱装置によれば、全ての空隙同士が線状ヒータ部分を挟んで対向する構成に比べて、線状ヒータ部分の近傍のセラミックス部分における線状ヒータ部分に沿った方向の均熱性の向上を図ることができる。
(5)上記加熱装置において、前記ヒータは、前記セラミックス部材の少なくとも一部を前記第1の方向に略直交する方向に並ぶ複数のセグメントに仮想的に分割したとき、前記複数のセグメントのうちの第1のセグメント内に配置された第1のヒータと、前記第1のセグメントと隣り合う第2のセグメント内に配置された第2のヒータと、を含んでおり、前記空隙は、前記第1のヒータと前記第2のヒータとの互いに対向する側の少なくとも一方に存在していることを特徴とする構成としてもよい。本加熱装置では、空隙は、第1のヒータと第2のヒータとの互いに対向する側の少なくとも一方に存在している。これにより、本加熱装置によれば、第1のヒータと第2のヒータとの間に空隙が存在しない構成に比べて、第1のセグメントと第2のセグメントとが互いに熱的に影響し合うことを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、加熱装置、半導体製造装置用部品、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 図3におけるセラミックス部材10のX1部分を拡大して示す説明図である。 図3におけるセラミックス部材10のX2部分を拡大して示す説明図である。 パターン1〜4におけるヒータ電極50からの熱の伝達を模式的に示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図2には、図3のII−IIの位置における静電チャック100のXZ断面構成が示されており、図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。上下方向(Z軸方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。静電チャック100は、特許請求の範囲における加熱装置に相当する。
セラミックス部材10は、例えば円形平面の板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜450mm程度)であり、セラミックス部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。
図2に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成されたチャック電極40が設けられている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10における下面S2とは反対側の表面(以下、「吸着面S1」という)に吸着固定される。セラミックス部材10の吸着面S1は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略平面状の表面である。セラミックス部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。また、本明細書では、Z軸に略直交する方向(すなわち、吸着面S1に平行な方向)を「面方向」という。
図2および図3に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成された抵抗発熱体で構成されたヒータ電極50が設けられている。ヒータ電極50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱することによってセラミックス部材10が温められ、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。ヒータ電極50は、特許請求の範囲におけるヒータに相当する。
本実施形態では、セラミックス部材10の吸着面S1の温度制御を精度良く行うため、ヒータ電極50は、第1のヒータ50Lと第2のヒータ50Rとを含んでいる。第1のヒータ50Lと第2のヒータ50Rとは、Z軸方向に略直交する一の仮想平面(例えば図3のXY平面)上において互いに独立に配置されている。換言すれば、各ヒータ50L,50Rは、セラミックス部材10の少なくとも一部をZ軸方向に略直交する方向に並ぶ複数のセグメント(領域)に仮想的に分割したときの各セグメント内に配置された発熱用抵抗体である。セグメントの設定態様としては、セラミックス部材10の全部または一部を、吸着面S1の中心点を中心とする円周方向に並ぶ複数のセグメントSL,SRに分割する態様が用いられる。各ヒータ50L,50Rは、吸着面S1の中心点を中心とし、互いに径が異なる円弧部分50Cと、円弧部分50C同士をつなぐ直線部分50Dとを含んでいる。このような構成によれば、各セグメントSL,SRに配置されたヒータ50L,50Rを個別に制御することにより、セグメントSL,SR毎に温度制御を行うことができ、その結果、セラミックス部材10の吸着面S1の温度制御を精度良く行うことができる。円弧部分50Cと直線部分50Dとは、特許請求の範囲における線状ヒータ部分に相当する。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10と同径の、または、セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜470mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、後述する接着層30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。
セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接着層30によって互いに接合されている。接着層30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接着層30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。
A−2.ベース部材20の内部の空隙Pについて:
図4は、図3におけるセラミックス部材10のX1部分を拡大して示す説明図であり、図5は、図3におけるセラミックス部材10のX2部分を拡大して示す説明図である。図4および図5に示すように、セラミックス部材10の内部には、空隙Pが存在している。空隙Pは、面方向において、セラミックス部材10を構成するセラミックス部分11とヒータ電極50(ヒータ50L,50R)との間に位置している。換言すれば、空隙Pは、面方向において、ヒータ電極50に隣接している(面方向において、ヒータ電極50と空隙Pとの間にセラミックス部分11が介在しておらず、両者が直接接している)。なお、空隙Pは、Z軸方向に直交する仮想平面上においてヒータ電極50と隣接していてもよいし、該仮想平面に対して例えば±10度以下の角度で傾斜している面上においてヒータ電極50と隣接しているとしてもよい。また、図4および図5に示すように、Z軸方向視で、空隙Pの一部がヒータ電極50の周縁部に重なっていてもよい。また、面方向において、ヒータ電極50とセラミックス部分11との間には、ヒータ電極50に沿って複数の空隙Pが互いに離間した位置に存在している。換言すれば、複数の空隙Pが、互いに間隔を空けつつ(不連続に)、線状のヒータ電極50の側辺に沿って並んでいる。
また、Z軸方向視で、ヒータ電極50に交差する方向の両側のそれぞれに空隙Pが存在している。図4では、ヒータ電極50の円弧部分50Cの延長方向に略垂直な方向において、空隙P1と空隙P2とが円弧部分50Cを挟んで対向している。図5では、円弧部分50Cの延長方向に略垂直な方向において、空隙P3,P4同士は対向していない。具体的には、円弧部分50Cの一方の側辺に隣接している空隙P3は、該円弧部分50Cに略垂直な方向において、円弧部分50Cの他方の側辺に隣接しているセラミックス部分11に対向している。また、円弧部分50Cの他方の側辺に隣接している空隙P4は、該円弧部分50Cに略垂直な方向において、円弧部分50Cの一方方の側辺に隣接しているセラミックス部分11に対向している。なお、空隙P3,P4は、特許請求の範囲における第1の空隙、第2の空隙に相当する。
また、図5に示すように、第1のヒータ50Lの直線部分50Dと、第2のヒータ50Rの直線部分50Dとは、面方向(X軸方向)において対向している。第1のヒータ50Lの直線部分50Dのうち、第2のヒータ50Rと対向する側辺側に第5の空隙P5が隣接している。また、第2のヒータ50Rの直線部分50Dのうち、第1のヒータ50Lと対向する側辺側に第6の空隙P6が隣接している。なお、図5に示すように、ヒータ電極50のヒータ部分同士のピッチ間隔が狭いほど、該ヒータ部分に隣接する空隙Pの数が多かったり、1つの空隙Pの長さが長かったりすることが好ましい。これにより、ヒータ部分が密集する領域において、面方向の伝熱量が抑制され、その結果、ヒータ部分が密集する領域が他の領域に比べて高温になることを抑制することができる。
A−3.静電チャック100の製造方法:
静電チャック100の製造方法の一例は次の通りである。はじめに、上述の空隙Pが内部に存在しているセラミックス部材10を作製する。複数のセラミックスグリーンシート(例えばアルミナグリーンシート)を準備し、各セラミックスグリーンシートに、チャック電極40やヒータ電極50等を構成するためのメタライズインクの印刷や孔開け加工等を行い、その後、複数のセラミックスグリーンシートを、接着剤を介して積層して熱圧着し、所定の円板形状にカットする。これにより、セラミックス成形体が形成される。次に、セラミックス成形体を焼成することにより、セラミックス部材10が形成される。
ここで、例えば、セラミックスグリーンシート同士の間に塗布される接着剤の量と、熱圧着時における圧力の大きさと、熱圧着時における加圧時間との少なくとも1つを調整することによって、内部に空隙Pが存在するセラミックス部材10を作製することができる。例えば、セラミックスグリーンシート同士の間に塗布される接着剤の量を少なくしたり、熱圧着時における圧力を小さくしたり、熱圧着時における加圧時間を短くしたりするほど、セラミックス部材10の内部に空隙Pが存在しやすくなる。
次に、ベース部材20を準備する。ベース部材20は、例えば、公知の製造方法によって製造可能である。次に、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する。具体的には、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3とを対向させ、セラミックス部材10とベース部材20との間を接着層30によって接合する。以上の工程により、上述した構成の静電チャック100の製造が完了する。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10の内部に空隙Pが存在している。空隙Pは、面方向において、セラミックス部材10を構成するセラミックス部分11とヒータ電極50との間に位置している。一般に、空隙P内の熱伝導率(空気の熱伝導率)は、セラミックス部分11の熱伝導率より低い。このため、本実施形態の静電チャック100では、面方向においてセラミックス部分11とヒータ電極50との間に空隙Pが存在しない従来の構成に比べて、ヒータ電極50からの全発熱量のうち、面方向に伝達される熱の量(以下、「面方向の伝熱量」という)が抑制される分だけ、ヒータ電極50から吸着面S1に向かう方向(以下、「縦方向」という)に伝達される熱の量(以下、「縦方向の伝熱量」という)を多く確保できる。その結果、本実施形態の静電チャック100によれば、従来の構成に比べて、加熱装置の保持面(静電チャック100の吸着面S1)の温度を所定温度だけ上昇させるのに要する時間(以下、「温度上昇所要時間」という)の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、ヒータ電極50とセラミックス部分11との間には、複数の空隙Pが互いに離間した位置に存在している。すなわち、面方向において、ヒータ電極50の全周にわたって空隙が存在しているわけではなく、ヒータ電極50の一部分が、空隙Pを介さずにセラミックス部分11に隣接している。このため、本実施形態では、セラミックス部材10の吸着面S1において、ヒータ電極50の直上に位置する領域と、該ヒータ電極50の近傍のセラミックス部分の直上に位置する領域との温度差が抑制される。すなわち、本実施形態によれば、上記従来の構成に比べて、温度上昇所要時間の短縮化を図りつつ、ヒータ電極50の全周にわたって空隙が存在している構成に比べて、吸着面S1における面方向の均熱性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、ヒータ電極50の両側に空隙Pが存在しているため、ヒータ電極50の両側において面方向の伝熱量が抑制される。これにより、本実施形態によれば、ヒータ電極50の片方の側辺のみ空隙が隣接している構成に比べて、縦方向の伝熱量をさらに多く確保できる。
また、本実施形態では、ヒータ電極50の線状ヒータ部分(例えばヒータ電極50)の両側のそれぞれに位置する第1の空隙P3と第2の空隙P3とのそれぞれは、線状ヒータ部分に直交する方向において、線状ヒータ部分を介して、セラミックス部分11に対向している。すなわち、第1の空隙P3と第2の空隙P4とは、線状ヒータ部分に直交する方向において互いに対向しておらず、各空隙P3,P4に対して線状ヒータ部分を挟んで対向する位置には空隙ではなくセラミックス部分11が存在する。ここで、空隙P同士が線状ヒータ部分を挟んで対向する部分は、線状ヒータ部分の両側で面方向の伝熱量が抑制されるため、セラミックス部分11同士が線状ヒータ部分を挟んで対向する部分に対して、特に温度差が大きくなる。したがって、本実施形態によれば、全ての空隙P同士が線状ヒータ部分を挟んで対向する構成に比べて、線状ヒータ部分に沿った方向における均熱性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、第1のヒータ50Lの直線部分50Dの側辺側に第5の空隙P5が隣接しており、また、第2のヒータ50Rの直線部分50Dの側辺側に第6の空隙P6が隣接している。これにより、本実施形態によれば、第1のヒータ50Lと第2のヒータ50Rとの間に空隙が存在しない構成に比べて、第1のセグメントSLと第2のセグメントSRとが互いに熱的に影響し合うことを抑制することができる。本実施形態のように、第1のセグメントSLと第2のセグメントSRとが独立に温度制御される場合に特に有効である。
以下、具体的に説明する。図6は、パターン1〜4におけるヒータ電極50からの熱の伝達を模式的に示す説明図である。図6における上段には、各パターンのセラミックス部材10のXY断面構成が概略的に示されており、下段には、各パターンのセラミックス部材10のXZ断面構成が概略的に示されている。なお、パターン1〜4は、セラミックス部材の具体的に構成が互いに異なるが、説明の都合上、同じ符号をして説明する。また、Z軸方向視で、ヒータ電極50の延長方向に沿った一対の側辺のうち、一方側(X軸負方向側)の側辺を、第1の側辺52Lといい、他方側(X軸正方向側)の側辺を、第2の側辺52Rという。
図6に示すように、パターン1は、ヒータ電極50とセラミックス部分11との間に空隙が存在しない(換言すれば、ヒータ電極50に空隙が隣接しない)比較例であり、上述の従来の構成に該当する。パターン1では、セラミックス部材10の吸着面S1における均熱性は最良「◎」であるが、温度上昇所要時間が長くなり、不良「×」である。パターン1では、ヒータ電極50は、縦方向(Z軸正方向)と面方向(X軸方向)との両方において、比較的に熱伝導率が高いセラミックス部分11が隣接している。このため、縦方向だけでなく、面方向にも、ヒータ電極50から多量の熱が伝達され、その分だけ、縦方向の伝熱量を十分に確保できず、その結果、温度上昇所要時間が長くなると考えられる。
パターン2は、ヒータ電極50における面方向(X軸方向)の両側に空隙Pが存在している実施例である。具体的には、ヒータ電極50の第1の側辺52Lには、複数の第1の空隙PLが隣接しており、複数の第1の空隙PLは、互いに離間し、かつ、該第1の側辺52Lに沿って並んでいる。また、ヒータ電極50の第2の側辺52Rには、複数の第2の空隙PRが隣接しており、複数の第2の空隙PRは、互いに離間し、かつ、該第2の側辺52Rに沿って並んでいる。また、第1の空隙PLと第2の空隙PRとは、ヒータ電極50に直交する方向(X軸方向)において、ヒータ電極50を介して互いに対向している。なお、ヒータ電極50の上面には、空隙はほとんど存在しない。パターン2では、セラミックス部材10の吸着面S1における均熱性はやや不良「Δ」であり、温度上昇所要時間が短くなっており、良好「○」である。
パターン2では、ヒータ電極50に空隙PL,PRが隣接している。このため、ヒータ電極50に空隙が隣接しないパターン1に比べて、ヒータ電極50から面方向に伝達される熱の量(以下、「面方向の伝熱量」という)が少なく、その一方で、ヒータ電極50から縦方向に伝達される熱の量(以下、「縦方向の伝熱量」という)が多い。これにより、パターン2では、パターン1に比べて、温度上昇所要時間が短くなると考えられる。また、パターン2では、ヒータ電極50の第1の側辺52Lと第2の側辺52Rとの両方にそれぞれ空隙PL,PRが隣接している。このため、ヒータ電極50の第1の側辺52Lと第2の側辺52Rとの一方だけに空隙PL,PRが隣接している構成に比べて、ヒータ電極50の第1の側辺52L側におけるセラミックス部分11と第2の側辺52R側におけるセラミックス部分11との温度差が生じることが抑制されるため、セラミックス部材10の吸着面S1における均熱性が低下することが抑制される。
パターン3は、パターン2に対して、第1の空隙PLと第2の空隙PRとが、ヒータ電極50に直交する方向(X軸方向)において、ヒータ電極50を介して互いに対向していない点で相違する実施例である。すなわち、パターン3では、第1の空隙PLは、ヒータ電極50に直交する方向において、第2の空隙PRではなく、セラミックス部分11に対向している。また、第2の空隙PRは、ヒータ電極50に直交する方向において、第1の空隙PLではなく、セラミックス部分11に対向している。要するに、ヒータ電極50は、第1の空隙PLに隣接し、かつ、第2の空隙PRに隣接しない部分と、第2の空隙PRに隣接し、かつ、第1の空隙PLに隣接しない部分とが、該ヒータ電極50の延長方向に沿って、交互に並んでいる。パターン3では、パターン2と同様に、温度上昇所要時間が短くなっており、良好「○」である。また、パターン3では、パターン2に比べて、セラミックス部材10の吸着面S1における均熱性が良好「○」である。
ここで、第1の空隙PLと第2の空隙PRとがヒータ電極50を挟んで対向する部分は、ヒータ電極50の両側辺52L,52R側で面方向の伝熱量が抑制されるため、セラミックス部分11同士がヒータ電極50を挟んで対向する部分に対して、特に温度差が大きくなる。これに対して、パターン3では、パターン2に比べて、第1の空隙PLと第2の空隙PRとがヒータ電極50を挟んで対向する部分と、セラミックス部分11同士がヒータ電極50を挟んで対向する部分とが少ない。したがって、パターン3によれば、パターン2に比べて、ヒータ電極50の近傍のセラミックス部分11におけるヒータ電極50に沿った方向の均熱性の向上を図ることができる。
パターン4は、セラミックス部材10の内部に空隙PL,PRは存在するが、空隙PL,PRのいずれもセラミックス部材10にヒータ電極50に隣接していない比較例である。パターン4では、セラミックス部材10の吸着面S1における均熱性はやや不良「Δ」であるが、温度上昇所要時間が長くなり、不良「×」である。パターン4では、パターン1と同様に、ヒータ電極50は、縦方向(Z軸正方向)と面方向(X軸方向)との両方において、比較的に熱伝導率が高いセラミックス部分11が隣接している。このため、縦方向だけでなく、面方向にも、ヒータ電極50から多量の熱が伝達され、その分だけ、縦方向の伝熱量を十分に確保できず、その結果、温度上昇所要時間が長くなると考えられる。また、ヒータ電極50から離れた位置に、比較的に熱伝導率が低い空隙PL,PRが存在するため、特に、該空隙PL,PRが存在する部分が他の部分に比べて温度が低くなり、その結果、セラミックス部材10の吸着面S1における均熱性が低下すると考えられる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記各実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、ヒータとして、第1のヒータ50Lと第2のヒータ50Rとを含むヒータ電極50を例示したが、これに限らず、仮想面上において連続的に繋がっている発熱用抵抗体であるとしてもよいし、3つ以上のセグメントのそれぞれに配置された3つ以上の発熱用抵抗体を含むとしてもよい。
また、上記実施形態では、面方向において、ヒータ電極50とセラミックス部分11との間に、ヒータ電極50に沿って複数の空隙Pが互いに離間した位置に存在しているとしたが、これに限らず、ヒータ電極50とセラミックス部分11との間に、該ヒータ電極50の全長にわたって連続的に延びている一体の空隙が存在しているとしてもよい。また、上記実施形態では、Z軸方向視で、ヒータ電極50に交差する方向の両側のそれぞれに空隙Pが存在しているとしたが、これに限らず、ヒータ電極50に交差する方向の一方側だけに空隙Pが存在しているとしてもよい。
また、上記実施形態において、第1のヒータ50Lの直線部分50Dの側辺側に第5の空隙P5が隣接していなくてもよく、また、第2のヒータ50Rの直線部分50Dの側辺側に第6の空隙P6が隣接していないとしてもよい。要するに、空隙Pは、互いに隣り合う第1のヒータ50Lと第2のヒータ50Rとの互いに対向する側の少なくとも一方に存在していればよい。
また、上記実施形態において、セラミックス部材10とベース部材20とが、一体の接着層30ではなく、複数の接合部分によって接合されているとしてもよい。具体的には、セラミックス部材10とベース部材20との間に、セラミックス部材10とベース部材20との対向方向に直交する一の仮想平面上に配置された複数の接合部分が離散的に形成されているとしてもよい。
また、上記各実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。また、上記各実施形態の静電チャック100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記各実施形態における静電チャック100の製造方法はあくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、空隙Pが内部に存在しているセラミックス部材10の作製方法として、セラミックスグリーンシートに印刷されたヒータ電極50を構成するためのメタライズインクの周縁に、焼成後に空隙Pとなる凹所を形成しておく方法や、積層される前のセラミックスグリーンシートに塗布された接着剤(接着層)に、焼成後に空隙Pとなる凹所を形成しておく方法などを採用してもよい。
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、内部にヒータが配置されたセラミックス部材を備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の加熱装置(例えば、真空チャックやヒータ等)にも適用可能である。
10:セラミックス部材 11:セラミックス部分 20:ベース部材 21:冷媒流路 30:接着層 40:チャック電極 50:ヒータ電極 50C:円弧部分 50D:直線部分 50L:第1のヒータ 50R:第2のヒータ 52L,52R:側辺 100:静電チャック P(P1〜P6,PL,PR):空隙 S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 SL:第1のセグメント SR:第2のセグメント W:ウェハ

Claims (5)

  1. 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置されたヒータと、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面に配置された対象物を加熱する加熱装置において、
    前記セラミックス部材の内部には、前記第1の方向に略垂直な方向において、前記セラミックス部材を構成するセラミックス部分と前記ヒータとの間には、前記ヒータに沿って複数の空隙が互いに離間した位置に存在しており、
    前記ヒータから前記第1の方向に前記略垂直な方向に伝達される熱の量より、前記ヒータから前記第1の表面に向かう方向に伝達される熱の量が多いことを特徴とする、加熱装置。
  2. 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有するセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置されたヒータと、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面に配置された対象物を加熱する加熱装置において、
    前記セラミックス部材の内部には、前記第1の方向に略垂直な方向において、前記セラミックス部材を構成するセラミックス部分と前記ヒータとの間には、前記ヒータに沿って複数の空隙が互いに離間した位置に存在し、かつ、前記ヒータにおける前記第1の表面側の面と前記セラミックス部分との間に前記空隙が存在しないことを特徴とする、加熱装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の加熱装置において、
    前記第1の方向に略垂直な少なくとも1つの方向における前記ヒータの両側のそれぞれに前記空隙が存在していることを特徴とする、加熱装置。
  4. 請求項3に記載の加熱装置において、
    前記ヒータは、線状に延びている線状ヒータ部分を含んでおり、
    前記空隙は、前記第1の方向に略垂直で、かつ、前記線状ヒータ部分に交差する方向における前記線状ヒータ部分の一方側に存在している第1の空隙と、前記線状ヒータ部分の他方側に存在している第2の空隙とを含んでおり、
    前記第1の空隙と前記第2の空隙とのそれぞれは、前記線状ヒータ部分に直交する方向において、前記線状ヒータ部分を介して、前記セラミックス部分に対向していることを特徴とする、加熱装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の加熱装置において、
    前記ヒータは、前記セラミックス部材の少なくとも一部を前記第1の方向に略直交する方向に並ぶ複数のセグメントに仮想的に分割したとき、前記複数のセグメントのうちの第1のセグメント内に配置された第1のヒータと、前記第1のセグメントと隣り合う第2のセグメント内に配置された第2のヒータと、を含んでおり、
    前記空隙は、前記第1のヒータと前記第2のヒータとの互いに対向する側の少なくとも一方に存在していることを特徴とする、加熱装置。
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