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JP6960629B2 - 樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材、接着剤及び積層体の製造方法 - Google Patents
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樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材、接着剤及び積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、成形体、積層体、ガスバリア材、コーティング材及び接着剤に関する。
食品等の包装に用いられる包装材料には、内容物の保護、耐レトルト性、耐熱性、透明性、加工性といった機能が要求される。内容物の品質保持のためには、特にガスバリア性が重要となる。最近では、包装材料だけでなく、太陽電池、半導体等の電子材料に用いられる材料についても、高いガスバリア性が要求されるようになっている。
特許文献1には、水酸基を有する樹脂及びイソシアネート化合物を、粘土鉱物等の板状無機化合物及び光遮断剤と組み合わせることで、ガスバリア性等の特性が向上することが記載されている。
また、特許文献2には、リチウム又はアンモニウム交換イオン型ベントナイトと、ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンとからなる粘土膜が開示されている。
国際公開第2013/027609号 特開2017−105991号公報
特許文献1に記載されているような板状無機化合物は嵩高く、また樹脂との良好な親和性を得るのが困難である。そのために添加量や分散性に限界がある。したがって、更に高いガスバリア性を得ようとして添加量を増加させるのが困難であり、また添加量を増やすと分散性の低下につながる。
また、特許文献2で用いているリグニンは、天然物に由来するポリフェノールであり、樹種、産地等により構造が異なることから、均一な品質を求める産業用途としては材料としての課題がある。また、リグニンは嵩高い構造を有するポリフェノールであり、完全な改質が難しいことから、改質リグニンを用いた粘土膜では十分な耐水性が得られない場合がある。
そこで、本発明の目的は、従来の樹脂組成物に比較して、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性に更に優れると共に、耐水性に優れる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、事前に加熱処理されて得たリチウム部分固定型スメクタイトが、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物である合成フェノール樹脂に対する分散性の向上、及び、該合成フェノール樹脂の劣化の抑制といった効果を奏し、結果として、上記リチウム部分固定型スメクタイトをフィラーとして含む合成フェノール樹脂組成物がガスバリア性に優れること、及び、耐水性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物である合成フェノール樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有する樹脂組成物を提供する。本発明の樹脂組成物は、合成フェノール樹脂にリチウム部分固定型スメクタイトを組み合わせたことから、水蒸気バリア性、酸素バリア性等のガスバリア性に優れると共に、耐水性に優れる。
合成フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂及び/又はノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。これにより、水蒸気バリア性及び酸素バリア性、並びに、耐水性がより一層優れたものとなる。
リチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gであることが好ましい。これにより、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物の不揮発分全量に対し、3〜50質量%であることが好ましい。このような含有量にすることで、水蒸気バリア性及び酸素バリア性に優れるとともに成形性がより一層優れたものとなる。
本発明は更に、上述した樹脂組成物の成形体、及びこの成形体を基材上に備える積層体、を提供する。
本発明の樹脂組成物は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性が優れているため、ガスバリア材、コーティング材、接着剤等の用途に好適に利用可能である。
本発明によれば、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性に更に優れると共に、耐水性に優れる樹脂組成物の提供が可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
実施形態の樹脂組成物は、合成フェノール樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有する。
スメクタイトとは、層構造を有するフィロケイ酸塩鉱物(層状粘土鉱物)の一種である。スメクタイトの具体的な構造としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、ソーコナイト等の構造が知られている。これらのうち、粘土材料の構造としてはモンモリロナイト及び/又はスティーブンサイト構造が好ましい。これらの構造は、八面体シートの金属元素の一部に低原子価金属元素との同型置換や欠陥があるために八面体シートが負に帯電している。その結果、これらの構造は八面体シートに空きサイトを有しており、イオンが安定して存在できる。
保有する陽イオンがリチウムイオンであるスメクタイトをリチウム型スメクタイトという。スメクタイトの有する陽イオンをリチウムイオンに交換する方法としては、例えば天然のナトリウム型スメクタイトの分散液に、水酸化リチウム、塩化リチウム等のリチウム塩を添加し、陽イオン交換させる方法が挙げられる。分散液中に添加するリチウムの量を調節することで、得られるリチウム型スメクタイトの浸出陽イオン量に占めるリチウムイオンの量を適宜に調節することができる。また、リチウム型スメクタイトは、陽イオン交換樹脂をリチウムイオンにイオン交換した樹脂を用いたカラム法、又はバッチ法によっても得ることができる。
実施形態において、リチウム部分固定型スメクタイトとは、リチウム型スメクタイトにおけるリチウムイオンの一部が八面体シートの空きサイトに固定化されたスメクタイトのことをいう。リチウム部分固定型スメクタイトは、例えばリチウム型スメクタイトを加熱処理により、層間のリチウムイオンが八面体シートの空きサイトに固定化される。リチウムイオンが固定化されることで、スメクタイトが耐水化される。
リチウムを部分固定する加熱処理の温度条件は、リチウムイオンを固定化できれば特に制限はない。後述するように、陽イオン交換容量が小さいと、リチウム部分固定型スメクタイトを配合した樹脂組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性が向上する。そこで、リチウムイオンを効率的に固定化し、陽イオン交換容量を大きく低下させる観点から、150℃以上に加熱することが好ましい。上記加熱処理の温度は150〜600℃がより好ましく、更に好ましくは180〜600℃であり、特に好ましくは200〜500℃であり、最も好ましくは300〜500℃である。上記温度に加熱することで、陽イオン交換容量をより効率的に低下させることができると同時に、スメクタイト中の水酸基の脱水反応等を抑えることができる。上記加熱処理は開放系の電気炉で実施することが好ましい。この場合、加熱時の相対湿度は5%以下となり、圧力は常圧となる。上記加熱処理の時間も、リチウムを部分的に固定ができれば特に制限はないが、生産の効率性の観点から、0.5〜48時間とすることが好ましく、1〜24時間とすることがより好ましい。
通常、スメクタイトとは陽イオン交換容量が60−150meq/100gの粘土であるが、実施形態のリチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gであることが好ましい。リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、5〜50meq/100gであってもよく、10〜50meq/100gであってもよい。陽イオン交換容量が上述の範囲内であることにより、樹脂組成物の水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。
スメクタイトの陽イオン交換容量は、Schollenberger法(粘土ハンドブック第三版、日本粘土学会編、2009年5月、p.453−454)に準じた方法で測定することができる。より具体的には、日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS−106−77に記載の方法で測定することができる。
スメクタイトの浸出陽イオン量は、スメクタイトの層間陽イオンをスメクタイト0.5gに対して100mLの1M酢酸アンモニウム水溶液を用いて4時間以上かけて浸出させ、得られた溶液中の各種陽イオンの濃度を、ICP発光分析や原子吸光分析等により測定し、算出することができる。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、3〜50質量%であることが好ましい。なお、不揮発分とは、樹脂組成物全質量から、希釈溶剤質量、並びに、合成フェノール樹脂、修飾剤及び各種添加剤に含まれる揮発成分質量を除く質量とする。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が不揮発分全量に対し、3質量%以上である場合、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。また、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が50質量%以下である場合、樹脂組成物の成形性がより一層優れたものとなり、かつ、基材への密着性が向上する。リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、5〜35質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることが更に好ましい。
実施形態の樹脂組成物は、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物(付加縮合反応物)である合成フェノール樹脂を含有する。
以下では、まず、フェノール化合物及びアルデヒド化合物について詳述する。
フェノール化合物とは、下記式(1)で表されるフェノール構造を有する化合物であり、少なくとも一つのフェノール性水酸基を有する。
Figure 0006960629

[式(1)中、Rは、1価の基を示し、nは0〜4の整数を示す。Rが複数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
は、例えば、アルキル基、水酸基、ハロゲン基、アリール基(フェニル基、フェノール含有基等)、アミノ基などであってよい。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、他の官能基によって置換されていてもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されず、例えば、1〜10であってよい。Rの少なくとも一つがフェノール含有基である場合、フェノール化合物は、例えば、下記式(2)で表される構造を有している。
Figure 0006960629

[式(2)中、Rは、1価の基を示し、Rは、単結合又は2価の基を示し、nは1〜4の整数を示し、mは1〜5の整数を示す。Rが複数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
上記式(2)において、Rが単結合である場合、フェノール化合物は、例えば、下記式(2a)で表される構造を有している。
Figure 0006960629
フェノール化合物の具体例としては、フェノール;メタクレゾール、パラクレゾール、オルトクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコール等の多価フェノール化合物;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール;複数の芳香環が縮合した縮合芳香環上に水酸基を有する化合物(ナフトール化合物等)などが挙げられる。フェノール化合物は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。フェノール化合物の中でも、入手の容易性の観点からフェノール又はクレゾールが好ましい。
アルデヒド化合物とは、酸性又は塩基性触媒下、フェノール化合物と付加縮合し得る化合物であり、少なくとも一つのアルデヒド基を有する。アルデヒド化合物は、下記式(3)で表されるアルデヒド構造を有している。なお、本明細書中、アルデヒド基及びフェノール性水酸基を有する化合物は、アルデヒド化合物に含まれる。
Figure 0006960629

[式(3)中、Rは、水素原子又は1価の基を示す。]
としては、例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基、フェノール含有基等)などが挙げられる。アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、他の官能基によって置換されていてもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されず、例えば、1〜15であってよい。
アルデヒド化合物の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ピバルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、トリオキサン、グリオキザール、シクロヘキシルアルデヒド、ジフェニルアセトアルデヒド、エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキシル酸、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ナフトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。アルデヒド化合物は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。アルデヒド化合物の中でも、工業的に入手が容易であることから、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド又はサリチルアルデヒドが好ましい。
以上のフェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物である合成フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応(付加縮合)により得られる構造単位を有しており、例えば、下記式(4)又は下記式(5)で表される構造単位を有している。なお、合成フェノール樹脂中に下記式(4)で表される構造単位及び/又は下記式(5)で表される構造単位を複数有する場合、複数の構造単位のそれぞれは同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0006960629

[式(4)中、R及びRは水素原子又は1価の基を示し、nは0〜2の整数を示し、pは1又は2の整数を示し、qは0又は1を示し、p+q=2である。Rが複数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
Figure 0006960629

[式(5)中、R及びRは水素原子又は1価の基を示し、nは0〜3の整数を示す。Rが複数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。]
フェノール化合物とアルデヒド化合物との付加縮合では、まず、アルデヒド化合物がフェノール化合物の上記式(1)で表されるフェノール構造におけるオルト位又はパラ位に付加した後、該アルデヒド化合物由来のアルコールと、他のフェノール化合物とが、他のフェノール化合物の上記式(1)で表されるフェノール構造におけるオルト位又はパラ位において縮合反応することで、上記式(4)又は(5)で表される構造単位が得られる。
このような合成フェノール樹脂は、リグニン等の非生合成によって得られる天然フェノール樹脂とは異なる特性を有しており、該合成フェノール樹脂を用いることで、優れたガスバリア性が得られる。なお、合成フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応(付加縮合)により得られる構造単位を有するものであり、生合成により得られる天然フェノール樹脂は実施形態の合成フェノール樹脂には含まれない。また、リグニン系樹脂(リグニン及びその誘導体)は、実施形態の合成フェノール樹脂には含まれない。
合成フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂であってよく、ノボラック型フェノール樹脂であってもよい。これらは単独で用いてもよいし、両方を同時に用いても構わない。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを塩基性触媒下で反応させて得られる反応物であり、単独で硬化することが可能なフェノール樹脂である。レゾール型フェノール樹脂は、例えば、上記式(4)で表される構造単位を有する。
レゾール型フェノール樹脂は、塩基性触媒下でフェノール化合物とアルデヒド化合物とを、1:1〜1:3の仕込みモル比(フェノール化合物のモル数:アルデヒド化合物のモル数)で反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂であってよい。すなわち、アルデヒド化合物の使用量は、フェノール化合物1molに対し、1mol%以上であってよく、3mol%以下であってよい。
レゾール型フェノール樹脂の合成に用いる塩基性触媒としては、公知慣用のものが挙げられる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。これらの中でも、得られるレゾール型フェノール樹脂の柔軟性に優れる観点から、アンモニア、トリエチルアミンを用いることが好ましい。なお、塩基性触媒は1種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塩基性触媒の使用量は、特に制限されないが、フェノール化合物の合計量に対する質量比で、0.001〜0.1であることが好ましい。塩基性触媒の使用量の質量比が0.001以上であれば反応が十分に進行しやすく、0.1以下であれば得られる合成フェノール樹脂が固形化しにくいためである。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを酸性触媒下で反応させて得られる反応物であり、エポキシ樹脂等の他の硬化性樹脂と反応して硬化することに優れるため、硬化剤としても使用可能であり、産業上の優位性が高い。ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、上記式(5)で表される構造単位を有する。
ノボラック型フェノール樹脂は、酸性触媒下でフェノール化合物とアルデヒド化合物とを1:0.5〜1:2の仕込みモル比(フェノール化合物のモル数:アルデヒド化合物のモル数)で反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂であってよい。すなわち、アルデヒド化合物の使用量は、フェノール化合物1molに対し、0.5mol%以上であってよく、2mol%以下であってよい。
ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いる酸性触媒としては、公知慣用のものが挙げられる。例えば、塩酸、硫酸、燐酸、ホウ酸などの無機酸;蓚酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸などが挙げられる。これらの中でも、より反応を促進できる観点から、無機酸が好ましく、塩酸がより好ましい。
酸触媒の使用量は、特に制限されないが、十分な反応性が得られる観点から、フェノール化合物の合計量に対するモル比で0.15〜0.8であることが好ましい。
合成フェノール樹脂における、フェノール化合物とアルデヒド化合物との付加縮合により得られる構造単位(例えば上記式(4)及び(5)で表される構造単位)の含有比率は、50モル%以上、70モル%以上又は90モル%以上であってよく、100モル%以下であってよい。上述の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。なお、以下の同様の記載においても、個別に記載した上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。
合成フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは300〜100000の範囲である。有機溶剤に溶解しやすいことから、300〜10000が特に好ましい。すなわち、合成フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、300以上であってよく、100000以下又は10000以下であってよい。ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPC測定条件は以下のとおりである。
[GPC測定条件]
・測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G1000HXL」(7.8mmI.D.×30cm)
・検出器:ELSD(オルテックジャパン株式会社製「ELSD2000」)
・データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
・測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
・試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)。
・標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
合成フェノール樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、50〜99質量%であってよく、70〜97質量%であってもよく、80〜95質量%であってもよい。すなわち、合成フェノール樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発分全量に対し、50質量%以上、70質量%以上又は80質量%以上であってよく、99質量%以下、97質量%以下又は95質量%以下であってよい。合成フェノール樹脂の含有量が50質量%以上である場合、水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより一層優れたものとなる。また、合成フェノール樹脂の含有量が99質量%以下である場合、樹脂組成物の成形性がより一層優れたものとなる。
樹脂組成物は、合成フェノール樹脂とリチウム部分固定型スメクタイトとを混合して得られたものであってもよく、フェノール化合物、アルデヒド化合物等の合成フェノール樹脂の原料とリチウム部分固定型スメクタイトとを配合したのち、該原料を反応させて合成フェノール樹脂とすることで得られたものであってもよい。
樹脂組成物は、更に修飾剤を含有してもよい。修飾剤としては、カップリング剤、シラン化合物、酸無水物等が挙げられる。樹脂組成物がこれらの修飾剤を含有する場合、リチウム部分固定型スメクタイトの濡れ性が向上し、樹脂組成物への分散性が向上する。修飾剤は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤としては、例えば3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。イソシアネート基含有シランカップリング剤としては、例えば3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、例えば、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、フッ化ジルコニウム等が挙げられる。
アルミカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
シラン化合物としては、アルコキシシラン、シラザン、シロキサン等が挙げられる。アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シラザンとしてはヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。シロキサンとしては加水分解性基含有シロキサン等が挙げられる。
酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸アルケニル無水コハク酸等が挙げられる。
修飾剤の配合量としては、リチウム部分固定型スメクタイト全量に対し、0.1〜50質量%であることが好ましい。修飾剤の配合量は、0.1質量%以上であればリチウム部分固定型スメクタイトの樹脂組成物への分散性がより良好なものとなる。また、修飾剤の配合量は、50質量%以下であれば樹脂組成物に対する修飾剤の機械物性への影響をより抑えることができる。修飾剤の配合量は、好ましくは0.3〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜15質量%である。
樹脂組成物は、使用用途に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤の種類及び使用量は使用用途によって適宜選択すればよい。
樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤(合成フェノール樹脂、リチウム部分固定型スメクタイト及び修飾剤に該当する化合物は除く)を含有してもよい。添加剤としては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、酸素捕捉剤(酸素捕捉機能を有する化合物)、粘着付与剤、合成フェノール樹脂の硬化剤又は硬化触媒等が例示できる。これらの各種添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
添加剤のうち、無機フィラーとしては、金属、金属酸化物、樹脂、鉱物等の無機物及びこれらの複合物が挙げられる。無機フィラーの具体例としては、シリカ、アルミナ、チタン、ジルコニア、銅、鉄、銀、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク及び粘土鉱物が挙げられる。これらの中でも、ガスバリア性を向上させる目的で、粘土鉱物を使用することが好ましく、粘土鉱物の中でも膨潤性無機層状化合物を使用することがより好ましい。
膨潤性無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)などが挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独でまたは二種以上組み合わせて使用される。
酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
粘着付与剤としては、キシレン樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。粘着付与剤を添加することで塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させることができる。粘着性付与剤の添加量は樹脂組成物全量100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
合成フェノール樹脂のうち、レゾール型フェノール樹脂の硬化剤(又は硬化触媒)としては、ギ酸メチル、ノボラック型フェノール樹脂の合成に使用される上述した酸触媒等が挙げられる。ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、エポキシ樹脂等が挙げられる。
実施形態の成形体は、上述した樹脂組成物を成形して得ることができる。成形体は、樹脂組成物の硬化物からなっていてよい。成形方法は任意であり、用途によって適時選択すればよい。成形体の形状に制限はなく、板状、シート状、又はフィルム状であってもよく、立体形状を有していてもよく、基材に塗布されたものであってもよく、基材と基材の間に存在する形で成形されたものであってもよい。
板状、シート状の成形体を製造する場合、例えば押し出し成形法、平面プレス、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いて樹脂組成物を成形する方法が挙げられる。また、フィルム状の成形体を製造する場合、例えば溶融押出法、溶液キャスト法、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形が挙げられる。
樹脂組成物が液状である場合、塗工により成形してもよい。塗工方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンス法等が挙げられる。
実施形態の積層体は、上述した成形体を基材上に備えるものである。積層体は2層構造であってもよく、3層構造以上であってもよい。
基材の材質は特に限定はなく、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば木材、金属、プラスチック、紙、シリコン又は変性シリコン等が挙げられ、異なる素材を接合して得られた基材であってもよい。基材の形状は特に制限はなく、平板、シート状、又は3次元形状全面に、若しくは一部に、曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また、基材の硬度、厚さ等にも制限はない。
積層体は、基材上に上述した成形体を積層することで得ることができる。基材上に積層する成形体は、基材に対し直接塗工又は直接成形により形成してもよく、樹脂組成物の成形体を積層してもよい。直接塗工する場合、塗工方法としては特に限定はなく、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ドクターブレード法、カーテンコート法、スリットコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。直接成形する場合は、インモールド成形、インサート成形、真空成形、押出ラミネート成形、プレス成形等が挙げられる。樹脂組成物の硬化物からなる成形体を積層する場合、未硬化又は半硬化の樹脂組成物層を基材上に積層してから硬化させてもよく、樹脂組成物を完全硬化した硬化物層を基材上に積層してもよい。
また、積層体は、樹脂組成物の硬化物に対して基材の前駆体を塗工して硬化させることで得てもよく、基材の前駆体又は樹脂組成物が未硬化若しくは半硬化の状態で接着させた後に硬化させることで得てもよい。基材の前駆体としては特に限定はなく、各種硬化性樹脂組成物等が挙げられる。また、実施形態の樹脂組成物を接着剤として用いることで積層体を作成してもよい。
樹脂組成物は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性が優れているため、ガスバリア材として好適に用いることができる。
樹脂組成物は、コーティング材として好適に用いることができる。コーティング材は、上述した樹脂組成物を含むものであればよい。コーティング材のコーティング方法は特に限定されない。具体的な方法としては、ロールコート、グラビアコート等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティング装置についても特に限定されない。樹脂組成物は、高いガスバリア性を有することから、ガスバリア用コーティング材として好適に利用可能である。
樹脂組成物は、接着性に優れるため、接着剤として好適に用いることができる。接着剤の形態には特に限定はなく、液状又はペースト状の接着剤としてもよく、固形状の接着剤としてもよい。樹脂組成物は、高いガスバリア性を有することから、この接着剤はガスバリア用接着剤として好適に利用可能である。
液状又はペースト状の接着剤の場合は、使用方法としては特に限定はないが、接着面に塗布後又は接着面の界面に注入後、接着し、硬化させてよい。
固形状の接着剤の場合は、粉末状、チップ状、又はシート状に成形した接着剤を、接着面の界面に設置し、熱溶解させることで接着し、硬化させてよい。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂組成物に含有するフィラーとしてはリチウム部分固定型スメクタイト又はリチウム部分固定でないスメクタイトを用いた。リチウム部分固定型スメクタイトは、クニミネ工業株式会社製のモンモリロナイト分散スラリー(商品名:RCEC−W、陽イオン交換容量39.0meq/100g)を用いた。この分散スラリー中のリチウム部分固定型スメクタイトの含有量(w/w%)は20w/w%であった。また、リチウム部分固定でないスメクタイトは天然モンモリロナイト(商品名:クニピアF、陽イオン交換容量108meq/100g、クニミネ工業株式会社製)を用いた。
レゾール型フェノール樹脂としては、DIC株式会社製の商品名「J―325」(不揮発分60%)を用いた。ノボラック型フェノール樹脂としては、DIC株式会社製の商品名「PHENOLITE TD−2090」(固形、「PHENOLITE」は登録商標)を用いた。
(実施例1)
レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイト分散スラリー65.9質量部及びメタノール200質量部を加え、8時間撹拌保持した。これにより、実施例1の樹脂組成物を得た。これを塗工液1とした。
得られた塗工液1を、12.5μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトンフィルム、カプトンは登録商標)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗工厚さが2μmになるように塗工した。塗工後のポリイミドフィルムを、塗工後直ぐに120℃の乾燥機中で1分加熱処理し、その後、200℃の乾燥機中で2時間加熱処理した。これにより、ポリイミドフィルム上に実施例1の樹脂組成物の成形体を形成し、実施例1の積層フィルムを得た。
上記実施例1の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して18質量%であった。
(実施例2)
ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイト分散スラリー170質量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(EPICLON 850−S、DIC株式会社製、EPICLONは登録商標)55質量部及びアセトン700質量部を加え、8時間撹拌保持した。これにより、実施例2の樹脂組成物を得た。これを塗工液2とした。
得られた塗工液2を、12.5μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトンフィルム、カプトンは登録商標)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗工厚さが2μmになるように塗工した。塗工後のポリイミドフィルムを、塗工後直ぐに120℃の乾燥機中で1分加熱処理し、その後、150℃の乾燥機中で3時間加熱処理した。これにより、ポリイミドフィルム上に実施例2の樹脂組成物の成形体を形成し、実施例2の積層フィルムを得た。
上記実施例2の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して18質量%であった。
(比較例1)
レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、天然モンモリロナイトを140質量部及びメタノール1400質量部を加え、8時間撹拌保持した。これにより、比較例1の樹脂組成物を得た。これを比較塗工液1とした。次いで、塗工液1に代えて比較塗工液1を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上に比較例1の樹脂組成物の成形体を形成し、比較例1の積層フィルムを得た。
上記比較例1の樹脂組成物及び成形体において、天然モンモリロナイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して70質量%であった。
(比較例2)
レゾール型フェノール樹脂100質量部に対して、メタノール200質量部を加え、20分撹拌保持した。これにより、比較例2の樹脂組成物を得た。これを比較塗工液2とした。次いで、塗工液1に代えて比較塗工液2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム上に比較例2の樹脂組成物の成形体を形成し、比較例2の積層フィルムを得た。上記比較例2の樹脂組成物及び成形体はフィラーを含有していない。
(比較例3)
ノボラック型固形フェノール樹脂100質量部に対して、アセトン600質量部を加え、さらにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(EPICLON 850−S、DIC株式会社製、EPICLONは登録商標)55質量部を加えて溶解させ、フェノール樹脂溶液を作製した。これを比較塗工液3とした。次いで、塗工液3に代えて比較塗工液3を用いたこと以外は実施例2と同様にして、ポリイミドフィルム上に比較例3の樹脂組成物の成形体を形成し、比較例3の積層フィルムを得た。なお、比較例3の樹脂組成物及び成形体はフィラーを含有していない。
<評価>
実施例1〜2及び比較例1〜3の積層フィルムについて、成膜性、酸素透過性及び水蒸気透過性を評価した。評価結果を表1及び表2に示す。なお、成膜性、酸素透過性、水蒸気透過性の評価は以下の方法で実施した。
(成膜性)
積層フィルムの塗工面が平滑である場合は「○」、塗工面が平滑でない場合は「×」と評価した。
(酸素透過率)
酸素透過率の測定は、JIS−K7126(等圧法)に準じ、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN1/50を用いて、温度23℃、湿度0%RHの雰囲気下、及び、温度23℃、湿度90%RHの雰囲気下で実施した。なお、RHとは相対湿度を表す。
(水蒸気透過率)
水蒸気透過率の測定は、JIS−K7129に準じ、イリノイ社製水蒸気透過率測定装置7001を用いて、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で測定した。
Figure 0006960629
Figure 0006960629
(実施例3及び比較例4)
<耐水性試験>
実施例1及び下記比較例4で作製した積層フィルムについて、実施例3及び比較例4として、耐水性の評価を行った。耐水性の評価は、水を含ませた市販の綿棒で塗膜の表面を擦る方法により行い、1回乃至10回擦ることでフィルムから塗膜が剥がれたものを×とし、塗膜が剥がれなかったものを○と判定した。
Figure 0006960629
(比較例4)
リグニンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業製)100質量部に対して、上記リチウム部分固定型スメクタイト分散スラリー110質量部及び水400質量部を加え8時間撹拌保持した。これにより、比較例4の樹脂組成物を得た。これを塗工液4とした。
得られた塗工液4を、12.5μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトンフィルム、カプトンは登録商標)に、バーコーターを用いて、乾燥後の塗工厚さが2μmになるように塗工した。塗工後のポリイミドフィルムを、塗工後直ぐに120℃の乾燥機中で1分加熱処理し、その後、130℃の乾燥機中で2時間加熱処理した。これにより、ポリイミドフィルム上に比較例4の樹脂組成物の成形体を形成し、比較例4の積層フィルムを得た。
上記比較例4の樹脂組成物及び成形体において、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量(フィラー量)は不揮発分全量に対して18質量%であった。
本発明の樹脂組成物は、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性及び酸素バリア性に優れると共に耐水性に優れることから、包装材料を始め、電子材料、建築材料等、様々な分野に好適に使用可能である。

Claims (10)

  1. フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物である合成フェノール樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有し、
    前記リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が、樹脂組成物の不揮発分全量に対し、3〜20質量%であり、
    前記合成フェノール樹脂の含有量が、樹脂組成物の不揮発分全量に対し、80〜97質量%である、樹脂組成物。
  2. 前記合成フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂及び/又はノボラック型フェノール樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記合成フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記リチウム部分固定型スメクタイトは、陽イオン交換容量が1〜50meq/100gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の成形体。
  6. 請求項5に記載の成形体を基材上に備える積層体。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むガスバリア材。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含むコーティング材。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む接着剤。
  10. 基材と、基材上に設けられた成形体とを備える積層体の製造方法であって、
    樹脂組成物を成形して前記成形体を得る工程と、
    前記基材上に前記成形体を積層する工程と、を含み、
    前記樹脂組成物が、フェノール化合物とアルデヒド化合物との反応物である合成フェノール樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有し、
    前記リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が、前記樹脂組成物の不揮発分全量に対し、3〜20質量%であり、
    前記合成フェノール樹脂の含有量が、前記樹脂組成物の不揮発分全量に対し、80〜97質量%である、積層体の製造方法。
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