JP6962514B2 - 酵母由来組換えヒトgm−csfに特異的に結合するモノクローナル抗体 - Google Patents
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Description
健常者の肺では、肺胞の呼吸上皮を構成する細胞の1種であるII型肺胞上皮細胞から放出されるGM−CSFが未熟な肺胞マクロファージのGM−CSF受容体に結合する。このGM−CSFと受容体との結合によるシグナルの伝達により、血球系転写因子であるPU.1が発現して肺胞マクロファージの終末分化が起こり、成熟マクロファージとなる。成熟マクロファージは、サーファクタントを取り込み、分解することにより肺胞の恒常性を保つ。一方、自己免疫性PAP患者の肺では、II型肺胞上皮細胞から放出されるGM−CSFは肺胞内に豊富にある抗GM−CSF自己抗体により中和され、GM−CSFが未熟な肺胞マクロファージの受容体に結合するのを防ぐ。そのために、肺胞マクロファージの終末分化は起こらず、サーファクタントの分解が障害される。
GM−CSFによって引き起こされる疾病は多岐に渡るが、代表的なものとしては、(1) 喘息、アトピー、花粉症等のアレルギー疾患、(2)移植片拒絶反応、移植片対宿主病(graft versus host disease;GVHD)、(3)関節リウマチ等の自己免疫疾患、等が挙げられる。例えば、アレルギー個体の肺や、慢性関節リウマチ患者の関節においては過剰発現したヒトGM−CSFが検出され、アレルギー個体の皮膚からはヒトGM−CSFのmRNAが過剰に検出されている。また、アトピー性皮膚炎の炎症惹起細胞である単球がGM−CSFの産生により寿命が延長しているとの報告がある。その他、GM−CSFは白血病細胞の増殖を刺激することが示されており、白血病の原因因子とも考えられている。
特許文献1、2及び非特許文献2に記載の抗ヒトGM−CSF抗体では、患者の体内で産生されたヒトGM−CSFと、酵母由来組換えヒトGM−CSFとは、いずれもヒトGM−CSFであるため、区別して検出することができない。
本発明の第1態様に係る抗酵母由来組換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte Macrophage colony−stimulating Factor;GM−CSF)抗体又はその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−L1と、(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−L2と、(c)配列番号3に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号3に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−L3と、を含む軽鎖可変ドメイン、及び/又は、(d)配列番号4に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−H1と、(e)配列番号5に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号5に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−H2と、(f)配列番号6に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−H3と、を含む重鎖可変ドメインを有する。
一実施形態において、本発明は、
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−L1と、
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−L2と、
(c)配列番号3に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号3に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−L3と、
を含む軽鎖可変ドメイン、及び/又は、
(d)配列番号4に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−H1と、
(e)配列番号5に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号5に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−H2と、
(f)配列番号6に示されるアミノ酸配列、又は、配列番号6に示されるアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されているアミノ酸配列を含むCDR−H3と、
を含む重鎖可変ドメインを有する、抗酵母由来組換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte Macrophage colony−stimulating Factor;GM−CSF)抗体又はその抗原結合フラグメントを提供する。
本実施形態における酵母由来組換えヒトGM−CSFのアミノ酸配列(配列番号7)は、N末端から23番目のアミノ酸残基がアルギニンからロイシンに置換している。本発明者らは、このロイシン23残基に特異的に結合するモノクローナル抗体を見出し、本発明を完成するに至った。
尚、本明細書において、N末端からX番目のアミノ酸を「アミノ酸X残基」という。例えば、N末端から23番目のアミノ酸がロイシンの場合には「ロイシン23残基」という。
本明細書において、モノクローナル抗体の「抗原結合フラグメント」とは、抗体の一部分(部分断片)であって、標的タンパク質を特異的に認識するものを意味する。具体的には、Fab、Fab’、F(ab’)2、可変領域断片(Fv)、ジスルフィド結合Fv、一本鎖Fv(scFv)、sc(Fv)2、ダイアボディー、多特異性抗体、及びこれらの重合体等が挙げられる。
本明細書において、「CDR」はcomplementarity−determining regionを意味する。
ここで、欠失、置換又は付加されてもよいアミノ酸の数としては、1〜3個が好ましく、1〜2個がより好ましく、1個がさらに好ましい。
本実施形態の抗体又はその抗原結合フラグメントにおける1〜数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列変異体は、抗原への結合活性が対照抗体(例えば、従来の抗ヒトGM−CSF抗体等)よりも高いことが好ましい。
具体的には、本実施形態の抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号4に示されるアミノ酸配列と、配列番号5に示されるアミノ酸配列と、配列番号6に示されるアミノ酸配列と、配列番号1に示されるアミノ酸配列と、配列番号2に示されるアミノ酸配列と、配列番号3に示されるアミノ酸配列と、をこの順に有することが好ましい。
本実施形態の抗体をコードするDNAの発現においては、重鎖又は軽鎖をコードするDNAをそれぞれ別々に発現ベクターに組み込んで宿主細胞を形質転換してもよく、重鎖及び軽鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに組み込んで宿主細胞を形質転換してもよい(例えば、国際特許出願第94/11523号参照)。本実施形態の抗体は、上記宿主細胞を培養し、宿主細胞内又は培養液から分離及び精製し、実質的に純粋で均一な形態で取得することができる。抗体の分離及び精製は、通常のポリペプチドの精製で使用されている方法を使用することができる。トランスジェニック動物作製技術を用いた方法では、例えば、抗体遺伝子が組み込まれたトランスジェニック動物(例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ等)を作製し、そのトランスジェニック動物のミルクから、抗体遺伝子に由来するモノクローナル抗体を大量に取得する方法等が挙げられる。
アミノ酸配列変異体は、抗体鎖をコードするDNAへの変異導入によって、又はペプチド合成によって作製することができる。抗体のアミノ酸配列が改変される部位は、改変される前の抗体と同等の活性を有する限り、抗体の重鎖又は軽鎖の定常領域であってもよく、また、可変領域(フレームワーク領域及びCDR)であってもよい。また、CDRのアミノ酸を改変して、抗原へのアフィニティーが高められた抗体をスクリーニングする手法等を用いてもよい(例えば、「PNAS, 102 : 8466-8471 (2005)」、「Protein Engineering, Design&Selection, 21 : 485-493 (2008)」、国際公開第2002/051870号、「J. Biol. Chem., 280 : 24880-24887 (2005)」、「Protein Engineering, Design&Selection, 21 : 345-351 (2008)」参照)。
一実施形態において、本発明は、酵母由来組換えヒトGM−CSFに特異的に結合するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマであって、前記ハイブリドーマが受託番号NITE P−02224である、ハイブリドーマを提供する。
具体的には、酵母由来組換えヒトGM−CSF、そのロイシン23残基を含むペプチド断片、又はこれらを発現する細胞をPBS(Phosphate−Buffered Saline)、生理食塩水等で適当量に希釈及び懸濁し、通常のアジュバント(例えば、フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント等)を適量混合し、乳化し、それをマウスに4〜21日毎に計2〜10回皮下又は腹腔内投与する。また、抗原免疫時に適当な担体を使用してもよい。マウスの血清中の抗体レベルが免疫により上昇するのを確認した後、最終免疫を行い、その面系の2〜5日後に免疫した動物の脾臓又はリンパ節を採取する。続いて、採取された細胞をマウスミエローマ細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生マウスハイブリドーマ細胞を作製する。
一実施形態において、本発明は、酵母由来組換えヒトGM−CSFに特異的に結合するモノクローナル抗体の製造方法であって、上述のハイブリドーマを培養する工程と、前記ハイブリドーマから生産された抗体を単離する工程と、を備える、製造方法を提供する。
まず、上述のハイブリドーマを培養する。培地としては、例えば、10%牛胎児血清加RPMI1640が一般的であり、その他には、ハイブリドーマ用に開発された培地(例えばG.I.T.培地(極東科学社製、和光純薬社製等)等が挙げられる。さらに、ハイブリドーマの選択に用いられる培地としては、例えば、HAT選択培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む培養液)等が挙げられる。培養温度は、例えば、30℃以上40℃以下でよく、培養時間は必要なハイブリドーマの数によって、適宜設定できる。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマを培養し、その培養上清として得ることにより、又は、ハイブリドーマを哺乳動物の腹腔に投与して増殖させ、その腹水として得ることにより、ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得することができる。
モノクローナル抗体の単離及び精製は、通常の免疫グロブリンの分離精製法等により、行うことができる。例えば、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例えば、DEAE等)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相又は活性吸着剤(例えば、プロテインA、プロテインG等)を用いた方法等により、モノクローナル抗体を単離及び精製することができる。
一実施形態において、本発明は、酵母由来組換えヒトGM−CSFを投与した被検体の血液試料中の酵母由来組換えヒトGM−CSFを検出するためのキットであって、上述の抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、検出キットを提供する。
本実施形態の検出キットは、上述の抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントに加えて、さらに、標識された前記抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントに対する抗体を含んでいてもよい。標識された前記抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントに対する抗体としては、上述のモノクローナル抗体の由来動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、サル、ヤギ等)に対する抗体であることが好ましい。例えば、上述のハイブリドーマに対する抗体である場合、マウス由来のモノクローム抗体であるため、抗マウス抗体を使用することが好ましい。また、標識された前記抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントに対する抗体には、免疫グロブリンのすべてのクラス及びサブクラスが含まれる。
本実施形態の検出キットにおいて、上述の抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントは支持体上に固定化された状態であってもよい。
支持体への上述の抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントの固定方法は、例えば、物理的吸着、共有結合又は非共有結合(例えば、イオン結合、静電結合、疎水性相互作用等)等が挙げられる。
上述の抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントが固定され、ブロッキング処理された支持体の表面は、水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、或いはヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースのようなセルロースエステル等)、又は非還元多糖類(例えば、スクロース、トレハロース、ラフィノース等)等でコーディングされていてもよい。このようなコーディングにより、支持体上の上述のモノクローナル抗体を含む固相は非常に安定化し、長期間の保存に適する。
本実施形態の検出キットは、必要に応じて、反応停止液を更に含んでいてもよい。反応停止液としては、例えば、硫酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
本実施形態の検出キットは、さらに、洗浄液(例えば、上述の緩衝液等)や、インキュベーションの間に支持体をシールするシーリング材(例えば、支持体がプレートである場合、プレートシール等)を含んでいてもよい。
一実施形態において、本発明は、酵母由来組換えヒトGM−CSFを投与した被検体の血液試料中の酵母由来組換えヒトGM−CSFを検出するための方法であって、前記血液試料と、上述の抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体又はその抗原結合フラグメントとを接触させて、抗原抗体反応を行う1次抗原抗体反応工程を備える、方法を提供する。
まず、酵母由来組換えヒトGM−CSFを投与した被検体から血液試料を採取する。血液中での酵母由来組換えヒトGM−CSFの濃度のピーク時を測定する場合は、酵母由来組換えヒトGM−CSFの投与から、例えば、15〜30分後に血液試料を採取すればよい。
本明細書において、「健常体」及び「被検体」としては、例えば、ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物等が挙げられ、中でも、ヒトが好ましい。
例えば、マイクロスプレー、膜型ネブライザー又はジェットネブライザーを用いて被検体(ヒト)に吸入させる場合、被検体に対し、1日の投与量として、1kg体重当たり、例えば1ng〜5μgの酵母由来組換えヒトGM−CSFの量を投与すればよく、例えば10ng〜1μgの酵母由来組換えヒトGM−CSFの量を投与すればよく、例えば50ng〜500ngの酵母由来組換えヒトGM−CSFの量を投与すればよい。投与回数としては、1日平均当たり、1回〜数回投与すればよい。
続いて、血液試料を取り除き、洗浄する。洗浄は、例えば、緩衝液等を用いて行えばよい。使用する緩衝液としては、上述の≪酵母由来組換えヒトGM−CSFを投与した被検体の血液試料中の酵母由来組換えヒトGM−CSFを検出するためのキット≫において例示したものと同様のものが挙げられる。
以下に示すハイブリドーマの樹立及びモノクローナル抗体の作製は、ITM社に委託して行った。なお、ITM社では、腸骨リンパ節法(特許第4098796号公報、参照。重井医学研究所からのライセンス許諾により実施。)を用いて、ハイブリドーマの樹立及びモノクローナル抗体を行った。
まず、酵母由来組換えヒトGM−CSF(GENZYME社製)を、0.1%ジチオトレイトール (dithiothreitol;DTT)存在下で95℃5分間加熱し、変性させた。続いて、この変性させた酵母由来組換えヒトGM−CSFをマウス尾根部に注射し、免疫した。200μg/注射になるように注射剤を調製し、1回のみ免疫した。
続いて、免疫マウスから脾臓を摘出し、ポリエチレングリコールを用いて、摘出した脾臓細胞とミエローマ細胞(P3Ag3.653株、ATCC社製)とを融合し、HAT培地により選別した。続いて、抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体ハイブリドーマをスクリーニングした。スクリーニングは、変性した酵母由来組換えヒトGM−CSFを抗原としたELISA法で行った。
(1)ペプチドの固相化
以下の表1に示す酵母由来組換えヒトGM−CSFの部分アミノ酸配列からなるペプチド断片4種(No.1〜4)をGenScript社に依頼して、合成した。続いて、96ウェルプレートにNo.1〜4の合成ペプチド及び全長の酵母由来組換えヒトGM−CSF(No.5)(別名:サルグラモスチム(sargramostim)、Genzyme社製)をそれぞれ1μg/mLの濃度の溶液に調製し、固相化した(図1参照)。
続いて、PBSに溶解した40−1H抗体を各ウェルに50μL添加し、室温で45分間反応させた。続いて、PBS−Tween 200μLで3回洗浄した。続いて、2次抗体として、ホースラデッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)で標識された抗マウスIgG抗体(Sigma−Aldrich社製)を用いた。各ウェルに2次抗体50μLを添加し、室温で30分間反応させた。続いて、PBS−Tween 200μLで3回洗浄した。続いて、酵素基質剤としてTMB (3,3’,5,5’−tetramethylbenzidine)50μLを添加し、室温で15分間反応させた。続いて、反応停止液として0.5M硫酸50μLを添加し、直ちに、マイクロプレートリーダー(Bio−Rad社製)を用いて、450nmの吸光度を測定した。結果を図2及び表2に示す。図2(A)は、反応停止液を添加直後の各ウェルの発色の様子を示す画像であり、図2(B)は各ウェルでの450nmの吸光度を測定した結果を示すグラフである。
(1)ペプチドの固相化
実施例1と同様の方法を用いた変性させた酵母由来組換えヒトGM−CSF、未変性の酵母由来組換えヒトGM−CSF(Genzyme社製)、大腸菌由来組換えヒトGM−CSF(別名:モルグラモスチム、Amytop社製)、CHO(Chinese Hamster Ovary)細胞産生組換えヒトGM−CSF(Humanzyme社製)及びウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin:BSA)を、公知の方法を用いて調製した。続いて、96ウェルプレートにこれら5種の組換えヒトGM−CSFをそれぞれ1μg/mLの濃度の溶液に調製し、固相化した。
試験例1の(2)と同様の方法を用いて、450nmの吸光度を測定した。結果を図3に示す。
(1)ペプチドの固相化
以下の表2に示す酵母由来組換えヒトGM−CSFの部分アミノ酸配列からなるペプチド断片13種(No.6、8〜19)及び大腸菌由来組換えヒトGM−CSFの部分アミノ酸配列からなるペプチド断片(No.7)をGenScript社に依頼して、合成した。続いて、96ウェルプレートにNo.6〜19の合成ペプチドをそれぞれ1μg/mLの濃度の溶液に調製し、固相化した。
試験例1の(2)と同様の方法を用いて、450nmの吸光度を測定した。結果を上記表2に示す。ペプチドを固相化されていないウェルにおける吸光度をコントロールとしたとき、コントロールと比較して、吸光度が有意に高いものを「○」とし、吸光度に有意な差が見られなかったものを「×」と判定した。
また、この18アミノ酸残基には、酵母由来組換えヒトGM−CSFにおける第1番目のαへリックス全体が含まれることから、40−1H抗体はこの三次構造を認識していると推察された。
(1)健常カニクイザルへの酵母由来組換えヒトGM−CSFの吸入投与
まず、健常カニクイザルに酵母由来組換えヒトGM−CSF 50mgを吸入投与させた。次いで、吸入直後、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、及び24時間後に採血し、血清を分離した。
次いで、40−1H抗体を捕捉抗体として、アルカリフォスファターゼ(ALP)標識されたマウスモノクローナル抗体(33−8F:IgG1)(以下、「33−8F抗体」と称する場合がある。)で検出する、酵母由来組換えヒトGM−CSFの定量的サンドイッチELISA法を用いて、検出を行った。
具体的には、まず(1)で得られた血清をそれぞれSDS存在下で、95℃、30分間加熱変性させた。次いで、加熱変性後の血清と33−8F抗体とを混合し、4℃で一晩静置した。次いで、この混合サンプルを40−1H抗体を固相化させたマイクロプレートに添加し、室温で1時間孵置した。次いで、マイクロプレートを洗浄後、CDP−Star(登録商標) アルカリフォスファターゼ基質(Tropix(登録商標) CDP−Star(登録商標) Sapphire II:Applied Biosystems社製)を加えた。次いで、発光を蛍光・発光マイクロプレートリーダー(Berthold社製)を用いて測定した。結果を図4に示す。図4において、「LEUKINE(登録商標)」は、酵母由来組換えヒトGM−CSFを示す。
以上のことから、40−1H抗体を用いることで、体内に投与された酵母由来組換えヒトGM−CSFを特異的に検出することができるが明らかとなった。
Claims (8)
- 酵母由来組換えヒトGM−CSFに特異的に結合するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマであって、前記ハイブリドーマが受託番号NITE P−02224であることを特徴とするハイブリドーマ。
- 酵母由来組換えヒトGM−CSFに特異的に結合するモノクローナル抗体の製造方法であって、
請求項1に記載のハイブリドーマを培養する工程と、
前記ハイブリドーマから生産された抗体を単離する工程と、
を備えることを特徴とする製造方法。 - 配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むCDR−L1と、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むCDR−L2と、配列番号3に示されるアミノ酸配列を含むCDR−L3と、を含む軽鎖可変ドメイン、及び、
配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むCDR−H1と、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含むCDR−H2と、配列番号6に示されるアミノ酸配列を含むCDR−H3と、を含む重鎖可変ドメインを有する、抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体。 - 請求項1に記載のハイブリドーマから産生される、抗体。
- 酵母由来組換えヒトGM−CSFを投与した被検体の血液試料中の酵母由来組換えヒトGM−CSFを検出するためのキットであって、請求項3または4に記載の抗体を含むことを特徴とする検出キット。
- さらに、標識された前記抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体を含む、請求項5に記載の検出キット。
- 酵母由来組換えヒトGM−CSFを投与した被検体の血液試料中の酵母由来組換えヒトGM−CSFを検出するための方法であって、
前記血液試料と、請求項3または4に記載の抗体とを接触させて、抗原抗体反応を行う1次抗原抗体反応工程を備えることを特徴とする方法。 - さらに、前記1次抗原抗体反応工程の後に、標識された前記抗酵母由来組換えヒトGM−CSF抗体を接触させて、抗原抗体反応を行う2次抗原抗体反応工程を備える、請求項7記載の方法。
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