JP6965092B2 - ポリオレフィン微多孔膜及びこれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
[1]
ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、
上記A層に含まれるポリプロピレンは0質量%以上3質量%未満であり、上記B層は上記A層より多くのポリプロピレンを含み、上記B層に含まれるポリプロピレンは1質量%以上30質量%未満であり、
上記ポリオレフィン微多孔膜の総厚みに対する上記A層の厚みの割合が40%〜90%であり、
上記B層中の無機粒子の含有率が5質量%未満である、ポリオレフィン微多孔膜であり、
上記ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、上記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、上記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である、ポリオレフィン微多孔膜。
[2]
上記B層に含まれるポリプロピレンは3質量%以上30質量%未満であり、上記200℃はんだ試験における上記穴面積が2.20mm2以上5.75mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.20以上2.20以下である、項目1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[3]
MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力が3.0g以下である、項目1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[4]
上記ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合が10質量%以下であり、かつ分子量3万以下の分子の割合が3.0質量%以下である、項目1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[5]
上記200℃はんだ試験での穴のアスペクト比が1.00以上1.30以下である、項目1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[6]
上記ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)で得られる2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、かつ融解熱量(ΔHm)が80J/g以上である、項目1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[7]
ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とが、項目1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を介して積層された構造を少なくとも一つ有する、ラミネート型リチウムイオン二次電池。
〈200℃はんだ試験〉
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、上記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、上記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である。穴面積は、好ましくは2.20mm2以上5.75mm2以下、より好ましくは2.40mm2以上5.60mm2以下、更に好ましくは2.50mm2以上5.50mm2以下である。穴面積に対する、穴面積及び上記変色部の合計面積の比は、好ましくは1.20以上2.20以下、より好ましくは1.30以上2.20以下、更に好ましくは1.40以上2.20以下である。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有する。積層構造は、上記構造を有する限りにおいて、B層−A層−B層の三層構造に限定されない。例えば、ポリオレフィン微多孔膜は、いずれか一方又は両方のB層の上に、一つ又は複数の更なる層が形成されていてもよい。更なる層としては、例えば、無機粒子や架橋性高分子などの耐熱樹脂を含む耐熱層、接着性高分子を含む接着層等が挙げられる。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
一般的に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のMvは、100万以上であるため、本願明細書における高分子量ポリエチレン(HMWPE)は、定義上、UHMWPEを包含する。
A層に含まれるポリプロピレンの量は、A層を構成する樹脂成分の全質量を基準として0質量%以上3質量%未満であり、好ましくは0質量%以上2質量%未満、更に好ましくは0質量%以上1質量%未満、最も好ましくは、A層はポリプロピレンを含まない。A層は、ポリプロピレンを含むとしても、0質量%超3質量%未満であり、好ましくは0質量%超2質量%未満、更に好ましくは0質量%超1質量%未満である。A層に含まれるポリプロピレンが3質量%未満であることによって、ポリオレフィン微多孔膜の機械的強度及び伸度がより良好になる。
B層はA層より多くのポリプロピレンを含み、B層に含まれるポリプロピレンの量は、B層を構成する樹脂成分の全質量を基準として1質量%以上30質量%未満であり、好ましくは3質量%以上30質量%未満、より好ましくは5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは7質量%以上20質量%以下である。B層に含まれるポリプロピレンが30質量%未満であることにより、残留応力が低減され熱収縮を抑えることができ;セパレータの安全機能の一つであるシャットダウン特性がより良好になり;また、ポリオレフィン微多孔膜上に塗工層を設ける用途においては、塗工性が向上する傾向がある。B層に含まれるポリプロピレンが1質量%以上であることによって、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性が向上し、電池の安全性をより向上することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の、MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力は、好ましくは1.0gを超えて3.0g以下、より好ましくは1.2gを超えて2.9g以下、更に好ましくは1.3g以上2.8g以下である。熱機械分析(TMA)最大収縮応力は、TMA最大収縮応力が上記範囲であると、はんだ試験時の穴面積を適切な範囲に調整することが容易となり、電極との密着によるセパレータの収縮抑制力が小さいラミネート型リチウムイオン二次電池であっても、電池の釘刺試験における熱暴走の可能性がより低減し、安全性がより向上するため好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合は、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは9.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下である。また、ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量3万以下の分子の割合は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.8質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。高分子量のポリエチレン成分が少ないと、ポリオレフィン微多孔膜の残留応力が小さくなり、はんだ試験時における穴面積に対する穴面積及び変色部の合計面積の比率を小さく制御し易く、放熱性の観点から電池の安全性が向上する傾向にあるため好ましい。また、低分子量のポリエチレン成分が少ないと、はんだ試験における変色部の面積を小さく制御することができ、放熱性の観点から電池の安全性が向上する傾向にあるため好ましい。
B層中の無機粒子の含有率は5質量%未満であり、より好ましくは3質量%未満であり、無機粒子を含まないことが最も好ましい。無機粒子の含有量が少ないことにより、以下の悪影響:ガス発生による電池の膨れ、孔の不均一化によるサイクル特性の低下、無機粒子が破断の起点となることによる伸度の低下等を効果的に抑制することができる。電池の外装体としてラミネートフィルムを使用する場合、金属缶に比べて上記悪影響を受けやすいため、無機粒子の含有量が少ないことによる効果は、特にラミネート型リチウムイオン二次電池において顕著になる。
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)における2回目の融解時の融解ピーク温度が、好ましくは155℃以上、より好ましくは157℃以上、更に好ましくは160℃以上である。また、融解熱量(ΔHm)が好ましくは80J/g以上、より好ましくは85J/g以上、更に好ましくは90J/g以上である。2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、融解熱量(ΔHm)が80J/g以上であると、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性が向上し、電池の安全性をより向上することができる。また、変色部の比率を小さく制御することが容易となり、放熱性の観点から安全性がより向上する傾向があるため好ましい。加えて、融解熱量(ΔHm)が80J/g以上であると、シート形成時にポリプロピレンの分散性を良好な状態で維持できるため、膜厚の変動やポリプロピレンの脱落による粉落ちを抑制することができ、ポリオレフィン微多孔膜上に塗工層を設ける用途においては、塗工性が向上する傾向がある。
ポリオレフィン微多孔膜は、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、かつ孔径の微細なものが好ましい。また、ポリオレフィン微多孔膜は、リチウムイオン二次電池用セパレータとして利用することができ、特にラミネート型リチウムイオン二次電池用セパレータとして好適に利用することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、特に制限はなく、既知の製造方法を採用することができる。例えば、以下の方法:
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法;
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法
等が挙げられる。
本実施形態のラミネート型リチウムイオン二次電池は、ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とを本実施形態のポリオレフィン多孔膜を介して積層した構造を少なくとも一つ有する。
〈200℃はんだ試験〉
以下の測定装置及び器具を用いた。
(1)高出力小型温調式はんだごて
白光株式会社製 MODEL FM−202(廃盤:現行FM−203を代用可能)
こて部 型番 FM−2027
こて先 型番 T7−C1
クリーニングスポンジ 型番 A1519
図2は、はんだごての形状を示す模式図である。はんだごて(20)の先端は、直径1mmの円柱形であり、その先端は円柱の中心軸に対して角度60°で斜めにカットされている。
(2)ステージ
駿河精機株式会社製 自動直動X軸ステージ X軸リニアボールガイド
型番 PG430−L05AG (C/N 120300125)
オリエンタルモーター株式会社製 ユニット用モーター搭載
図3は、ステージの外観を示す図である。ステージ(30)は、高さを上下に調節して固定することができるサンプル台(31)を有する。ステージは、サンプル台の中央上部に、はんだごてを鉛直下向きに保持するはんだごて保持部(32)を有する。
(3)AC100V系ステッピングモータコントローラ
駿河精機株式会社製 型番 DS102
コントローラは、ハンディーターミナル 型番 DT100を備え、ハンディーターミナルは、ステージのはんだごて保持部を上下に操作することができる。コントローラは、はんだごて保持部を(すなわち、はんだごてを)速度10mm/秒で30mm降下させ、最下点で3秒保持し、再び速度10mm/秒で元の位置まで上昇させるようプログラムされている。
(4)サンプルホルダー
サンプルホルダーとして、以下のサイズの2枚の金属枠を使用した。
金属枠の外寸:50mm×60mm
内寸:30mm×40mm
サンプルホルダーは、上記ステージのサンプル台に載置して固定することができる。
測定環境は25℃±5℃、相対湿度40±10%の条件下で行った。
ピンセットを用いてエタノールを付けたキムワイプ又は綿棒ではんだごての先端を拭く。
はんだごてを昇温装置に接続し、200℃に昇温する。200℃に到達したら、温度が安定するまで90秒以上放置する。
サンプルホルダーの外寸に合わせてポリオレフィン微多孔膜を切り出し、サンプルに皺が入らないよう2枚のサンプルホルダーに挟み、四隅をクリップ(図示せず)で固定する。
コントローラの電源を入れ、ハンディーターミナルではんだごて保持部を操作して、はんだごての先端を一番上まで上げる。
はんだごてを最下点まで下げたとき、はんだごてが、はんだごての先端から5mmの位置までポリオレフィン微多孔膜に刺さるような位置に、ステージのサンプル台の高さを調整する。
サンプルホルダーで挟持したポリオレフィン微多孔膜をサンプル台の中央に載置して固定する。
図4は、ポリオレフィン微多孔膜にはんだごてを突き刺す前の状態を示す模式図である。図は模式図であって縮尺は正確ではないが、ポリオレフィン微多孔膜からはんだごての先端までの距離は25mmである。
ハンディーターミナルを操作し、予めプログラムされたはんだごての動作:速度10mm/秒で30mm降下、最下点で3秒保持、再び速度10mm/秒で元の位置まで上昇、を実行する。
図5は、ポリオレフィン微多孔膜にはんだごてを突き刺した状態を示す模式図である。図は模式図であって縮尺は正確ではないが、はんだごてが最下点にあるとき、はんだごては、はんだごての先端から5mmの位置までポリオレフィン微多孔膜に突き刺さる。はんだごて及びはんだごての熱によってポリオレフィン微多孔膜に穴(11)が形成され、また、はんだごての熱によって微多孔が変形した変色部(12)が穴の周囲に形成される。
上記のはんだごての動作を1回行った後、サンプルをサンプル台から外して室温まで冷却する。
(1)画像の取り込み
上記200℃はんだ試験後のサンプルを、「RICOH MP C5503」(株式会社リコー製)のスキャナー機能を用いてスキャンする。その際、サンプルに折れやシワ等が入らないよう注意して原稿ガラスへサンプルを直接セットし、サンプルの横には金尺を置いてスケールが分かるようにする。それらの上に背景として黒画用紙「再生画用紙 フレッシュカラー C−55」(大王製紙株式会社製)を乗せ、原稿カバーを閉じ、読取条件「フルカラー:文字・写真」、解像度「600dpi」、ファイル形式「JPEG」の設定でスキャンし、サンプルの電子画像を取得する。
得られたサンプルの電子画像を用いて、200℃はんだ試験による穴面積(S1)、及び穴面積と変色部との合計面積(S2)を算出する。面積S1及びS2は、画像処理ソフト「ImageJ」(ver.1.50i)を用いて、以下の方法で算出する。
次に、四角形の範囲選択ツール「Rectangular」を用いて、4.5mm角の正方形を描き、その正方形の内側に、面積S1及びS2が収まる位置へと正方形をドラッグして移動させ、「Image」から「Crop」をクリックして選択範囲の画像を抽出する。
なお、4.5mm角の正方形を描く際には、例えば、「Plugins」、「Macros」、「Record」と順にクリックしてRecorderウィンドウを開き、「makeRectangle(0, 0, X, X);」と入力して「Create」をクリックし、所定サイズの四角形選択ツールを描画するマクロを作成することで作業が容易となる。上記入力式中のXは、当該画像において4.5mmに相当する、前述のスケール設定値から算出されるピクセル数である。ピクセル数が小数になる場合は、小数点第一位で四捨五入して得られた整数値を入力する。
前述の操作により表示された輝度ヒストグラムにおいて、最も階調が0に近い(黒色に近い)側にあるピークのピークトップから階調を1ずつ上げていった際に、輝度ヒストグラム下部に表示された累積%の変化量が最初に0.3%以下になった点を、穴面積(S1)の閾値の上限値とする。
また、輝度ヒストグラムにおいて最も階調が255に近い(白色に近い)側にあるピークのピークトップから階調を1ずつ下げていった際に、輝度ヒストグラム下部に表示された累積%の変化量が最初に0.1%以下になった点を、穴面積及び変色部の合計面積(S2)の閾値の上限値とする。
サンプルの状態によっては2つのピークが連続しており、上記方法で適切な閾値を選択できない場合があるが、その際は、各ピークの谷の最底部をそれぞれの閾値とする。なお、上記操作においてピークを見極めにくい場合は、「Analyze」から「Histogram」をクリックし、別途ヒストグラムを表示し、必要に応じて「Log」をクリックして表示を変更することでピーク検出の参考にするとよい。このようにして面積S1及びS2の閾値の上限値を決定した後、「Apply」をクリックすることでそれぞれの2値化画像を得る。
「Analyze」から「Set Measurements...」を選択し、「Area」、「Shape descriptors」、「Fit ellipse」ボックスにチェックを入れて「OK」を押した後、「Analyze」から「Analyze Particles...」を選択する。
「Size(mm^2)」欄へ「1」を入力し、「Show」欄から「Outlines」を選択、「Display results」、「Clear results」、「Exclude on edges」、及び「Include holes」の各ボックスにチェックを入れて「OK」をクリックすることで、面積S1、S2の算出結果及びアスペクト比を得ることができる。なお、面積S1、S2の算出結果は、分析結果の「Area」の欄に表示され、アスペクト比の算出結果は、分析結果の「AR」の欄に表示される。
本明細書では、熱機械分析(TMA)は、試料の熱に対する機械特性を定長モードで検出することにより行なわれる。定長モードでは、試料温度の変化に応じて、試料の長さを一定に保つための荷重の変化を検出する。
定長モードでは、加熱により試料が収縮しそうになったとしても、試料の長さ(すなわち、チャック間距離)が加熱前と同じになるように、試料に荷重を掛けて試料を引っ張る。定長モードでのTMAは、試料の昇温開始から試料の破膜まで継続して行われる。荷重発生部からプローブを介して試料に荷重を与えながら、ヒーターで試料の温度を変化させることにより、試料の温度変化に応じて、試料の長さを一定に保つための荷重の変化を検出することができ、検出されたTMAプロファイルから試料の軟化点、熱膨張挙動、熱収縮挙動などを知ることができる。
定長モードでのTMAプロファイルが温度(℃)−荷重(g)曲線として表されるとき、応力ピークは最大荷重を表す点であり、応力ピーク値はその最大荷重を表す。また、定長モードでのTMAプロファイルにおいて、応力ピークを含むカーブの形状は、強度、残留応力、融点等により変化する。
TMA測定による最大収縮応力は、微多孔膜のMD方向の任意の地点において、TD方向に両端から5cm地点と中央1点の計3点を測定し、それらの平均値を算出した値である。
・試料の調製
ポリオレフィン微多孔膜に無機粒子が含まれる場合は、90℃に加熱した苛性ソーダ中に30分間浸漬して無機粒子を除去した後、流水で3時間洗浄し、10時間乾燥させたものを試料とした。
試料を秤量し、濃度が1mg/mlになるように溶離液1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を加えた。高温溶解器を用いて、160℃で30分静置したのち、160℃で1時間揺動させ、試料がすべて溶解したことを目視で確認した。160℃のまま、0.5μmフィルターでろ過し、ろ液をGPC測定試料とした。
・GPC測定
GPC装置として、Agilent社製のPL−GPC220(商標)を用い、東ソー(株)製のTSKgel GMHHR−H(20)HT(商標)の30cmカラム2本を使用し、上記で調整したGPC測定試料500μlを測定機に注入し、160℃にてGPC測定を行った。
なお、標準物質として市販の分子量既知の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、求められた各試料のポリスチレン換算の分子量分布データを取得した。これより、各試料の分子量300万以上の分子の割合及び分子量3万以下の分子の割合を得た。
島津製作所社製、示差走査熱量測定(DSC)装置DSC−60(商標)を用いて、融解ピーク温度及び融解熱量(ΔHm)を測定した。約3.0〜4.0mgの試料を直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き詰め、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温し(1回目の融解)、試料を200℃で5分間保持した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温した。続いて、試料を30℃で5分間保持した後、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで再度昇温し(2回目の融解)、融解吸熱曲線を得た。2回目の融解時の融解吸熱曲線において極大となる温度を融解ピーク温度とした。また、得られた2回目の融解時の融解吸熱曲線について、85℃〜175℃の範囲に直線ベースラインを設定し、係る直線ベースラインと吸熱融解曲線とで囲まれる部分の面積から熱量を算出し、これを試料質量当たりに換算して融解熱量を算出した。それぞれ得られた値の小数点以下第一位を四捨五入した値を、融解ピーク温度及び融解熱量(ΔHm)とした。
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリプロピレンの割合は、赤外分光法(IR)やラマン分光法により求めることができる。例えば、ポリエチレンに対するポリプロピレンの割合を算出するには、IRスペクトルのポリエチレン由来の1473cm−1のピークとポリプロピレン由来の1376cm−1のピークをそれぞれのマーカーバンドとして、ポリプロピレン含有量既知の試料から作成した検量線に基づいて、ポリプロピレンの割合を算出することができる。中間層(A層)と表面層(B層)とでポリプロピレンの割合が違う場合は、ATR−IR法で表面層のポリプロピレンの割合を算出する方法や、ポリオレフィン微多孔膜断面の顕微IRまたは顕微ラマン分光測定により、それぞれの層のポリプロピレンの割合を求める方法が挙げられる。
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレン及びポリオレフィン微多孔膜のMvについては、次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
ポリプロピレンのMvについては、次式により算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
微小測厚器(東洋精機製 タイプKBM、端子径φ5mm)を用いて、雰囲気温度23±2℃で測定した。
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて気孔率を計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/混合組成物の密度)/体積×100
なお、混合組成物の密度は、用いたポリオレフィン樹脂と無機粒子の各々の密度と混合比より計算で求められる値を用いた。
JIS P−8117に準拠し、東洋精機(株)製のガーレー式透気度計G−B2(商標)により測定した透気抵抗度を透気度とした。
カトーテック社製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針を用いて、23℃±3℃の環境下、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(gf)を測定した。
以下の手順a〜cにより、正極、負極、及び非水電解液を調整した。
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機を用いて圧縮成形することにより、正極を作製した。この時の正極活物質塗布量は109g/m2であった。
b.負極の作製
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形することにより、負極を作製した。この時の負極活物質塗布量は52g/m2であった。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより、非水電解液を調製した。
d.接着層の形成
以下の手順により、実施例及び比較例で得られたポリオレフィン微多孔膜上に、接着層を形成した。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水64部とペレックスSS−L(花王製アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム固形分45%)0.25部とを投入した。さらに、反応容器の温度を80℃に保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)を0.15部、上記反応容器に添加した。
添加した5分後に、以下のとおり作製した乳化液を、滴下槽から上記反応容器に150分かけて滴下した。
乳化液の作製:
メタクリル酸メチル(MMA)24部、アクリル酸ブチル(BA)34部、アクリル酸(AA)1.5部、n−ドデシルメルカプタン(nDDM)0.1部、ペレックスSS−L1.5部、過硫酸アンモニウム0.15部、および水69部を、ホモミキサーにより6000rpmで5分間混合して乳化液を作製した。
乳化液滴下終了後、反応容器の温度を80℃に保ったまま60分維持し、その後室温まで冷却した。次に、上記反応容器に25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.0に調整し、さらに水を加え、固形分含有率を40質量%に調整し、接着塗工液としてのアクリルエマルジョンを得た。
得られた接着塗工液7.5質量部を92.5質量部の水に均一に分散させて塗布液を調製し、ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面にグラビアコーターを用いて塗布した。60℃にて乾燥して水を除去した。さらに、もう片面も同様にして塗布液を塗工し、乾燥させることにより、接着層を有する蓄電デバイス用セパレータを得た。
e.電池作製
上記a〜cで得られた正極、負極、及び非水電解液、並びに上記dで得られたセパレータを使用して、電流値1A(0.3C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電したサイズ100mm×60mm、容量3Ahのラミネート型二次電池を作製した。
f.釘刺し評価
ラミネート型二次電池を、防爆ブース内の鉄板上に静置した。ラミネート型二次電池の中央部に、直径2.5mmの鉄製釘を、25℃前後の環境下で、3mm/秒の速度で貫通させ、釘は貫通した状態で維持した。ラミネート型二次電池の表面温度を測定し、その最高到達温度に基づいて以下のように評価した。
◎(良好) :50℃以下
〇(許容) :50℃超〜100℃以下
△(リスク有):100℃超〜120℃以下、又は発煙
×(不良) :120℃超、または発火、爆発
ラミネートシートを一定サイズに切り出し、インパルスシーラーによりパック状(6cm×8cm)にした(以下、「ラミパック」という。)。10cm×10cmに裁断したポリオレフィン微多孔膜3枚を折りたたんでラミパックに挿入し、80℃にて12時間真空乾燥させた。電解液(LIPASTE−E2MEC/PF1:富山薬品工業製)0.4mLを入れてラミパックの開口部をシーラーによりシールした。
これを85℃に設定したオーブンに3日間保存し、試験前後の重量を測定し、アルキメデス法により容積を算出した。重量は水の密度(20℃:0.9982g/cm3)にて換算した。(アルキメデス法:F=−ρVg)
ガス発生量=試験後容積−試験前容積
各ポリオレフィン微多孔膜につき2回の測定を行い、そのガス発生量の平均値が1.2mL以上のものを×、0.8mL以上1.2mL未満のものを△、0.8mL未満のものを○とした。
〈ポリオレフィン微多孔膜の製造〉
二種三層積層構造(B層−A層−B層)のポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。表面層(B層)の樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン80重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン20重量部であった。中間層(A層)の樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布6.0のポリエチレン100重量部であった。各層の樹脂組成に、酸化防止剤として、0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた各混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が40:60となるように押出した。押出後、ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で124℃の条件でMD7倍×TD6倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により120℃の条件で幅方向(TD方向)に歪速度9.0%/secで1.5倍延伸した。その後、この延伸シートを133℃の条件でTD延伸後の幅から0.9倍になるように歪速度2.0%/secで幅方向(TD方向)に緩和する熱処理を行い、表面層(B層)の二層が同一の組成で、中間層(A層)が異なる組成の二種三層積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜を得た。
Tダイからの押出時に表面層(B層)の合計厚みと中間層(A層)の厚みとの比が20:80となるように押出したこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン95重量部、ポリプロピレン5重量部としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン73重量部、ポリプロピレン27重量部とし、緩和処理時の温度を138℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
中間層(A層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布6.0のポリエチレン98重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン2重量部としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)に、融点135℃、粘度平均分子量70万、分子量分布3.0のポリエチレン、及び融点165℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布6.0のポリプロピレンを使用し、中間層(A層)に、融点135℃、粘度平均分子量70万、分子量分布3.0のポリエチレンを使用し、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を12.0%/sec、緩和処理を、歪速度0.5%/sec、温度132℃で行ったこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン71重量部、及び融点160℃、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン25重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を4重量部とし、緩和処理時の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)に、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレン、及び融点155℃、融解熱量(ΔHm)80J/g、粘度平均分子量20万、分子量分布6.0のポリプロピレンを使用し、中間層(A層)に、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用し、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を4.0%/sec、緩和処理を、歪速度3.5%/sec、温度138℃で行ったこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
実施例1に記載のA層の樹脂組成を用い、酸化防止剤として0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押し出して、三層積層構造(A層−A層−A層)のポリオレフィン微多孔膜を作製した。実施例1に記載のB層の樹脂組成を用い、酸化防止剤として0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押し出して、三層積層構造(B層−B層−B層)のポリオレフィン微多孔膜を2ロール作製した。得られた三層積層構造膜(A層−A層−A層)及び三層積層構造膜(B層−B層−B層)を、それぞれ繰出しロールから5m/minで繰出し、九層積層構造(B層−B層−B層/A層−A層−A層/B層−B層−B層)となるように積層したのち、金属性の加熱ロールに導いて、ロール温度145℃のロール間でニップすることで熱圧着した。続いて、同速度で25℃の冷却ロールを経て巻き取り、九層積層構造のポリオレフィン微多孔膜を得た。積層時は、それぞれの膜にたるみ、折れ、シワ等が生じないように繰出し張力を調整し、またそれぞれの膜の弾性回復率が実質的に低下しないように加熱ロール間の線圧を調整した。
単層(A層のみ)のポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレン90重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン10重量部であった。酸化防止剤として、0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押出した。押出後、ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で118℃の条件でMD7倍×TD7倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により120℃の条件で幅方向(TD方向)に歪速度16.0%/secで1.5倍延伸した。その後、この延伸シートを133℃の条件でTD延伸後の幅から0.9倍になるように歪速度0.4%/secで幅方向(TD方向)に緩和する熱処理を行い、単層のポリオレフィン微多孔膜を得た。
124℃の条件でMD7倍×TD6倍に同時二軸延伸を行い、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を7.0%/sec、緩和処理を、歪速度0.9%/secで行ったこと以外は比較例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン60重量部、ポリプロピレン40重量部とし、緩和処理時の温度を137℃とした以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン20重量部、ポリプロピレン80重量部とし、緩和処理時の温度を140℃とした以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
実施例1における表面層の樹脂組成と中間層の樹脂組成を入れ替えたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン85重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン7重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を8重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が25:75となるように押出し、緩和処理時の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン24重量部、ポリプロピレン6重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を70重量部とし、押出機に注入する流動パラフィンを樹脂100重量部に対して185重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が25:75となるように押出し、緩和処理時の温度を145℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層及び中間層に含まれるポリエチレンとして、融点135℃、粘度平均分子量90万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用したこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
同時二軸延伸時の倍率をMD10倍×TD4倍としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)に、融点146℃、融解熱量(ΔHm)70J/g、粘度平均分子量19万、分子量分布10.0のポリプロピレンを使用し、緩和処理時の温度を132℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層及び中間層に含まれるポリエチレンとして、融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用し、押出機に注入する流動パラフィンを樹脂100重量部に対して150重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が36:64となるように押出し、同時二軸延伸時の倍率をMD7倍×TD7倍とし、緩和処理時の温度を120℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを38.8重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン1.2重量部、流動パラフィン60重量部%を先端にT−ダイを装着した押出機で溶融混練した後押し出して、厚さ1.3mmのシートを作成した。このシートを縦横同時に延伸し、厚さ20μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し流動パラフィンを抽出除去した後で乾燥させて、厚さ18μmの微多孔膜Bを作製した。また、融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを45.0重量部、流動パラフィン55.0重量部%を先端にT−ダイを装着した押出機で溶融混練した後押出して、厚さ1.3mmのシートを作成した。このシートを縦横同時に延伸し、厚さ20μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し流動パラフィンを抽出除去した後で乾燥させて、厚さ18μmの微多孔膜Aを作製した。微多孔膜B/微多孔膜A/微多孔膜Bの形態に3枚積層し、110℃に加熱された数本のロールを通しながら縦方向に3倍延伸し、その後122℃に加熱された数本のロールを通して熱処理を行い3枚積層した縦延伸膜を作製した。続いて、縦延伸膜を118℃に加熱されたテンターにて横方向に2倍延伸し、続いて同テンター内の128℃に加熱された領域にて熱処理しながら1.8倍まで強制的に緩和させて厚さ15μmのB/A/B型の3枚積層微多孔膜を作製した。
11 穴
12 変色部
20 はんだごて
30 ステージ
31 サンプル台
32 はんだごて保持部
40 サンプルホルダー
Claims (7)
- ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、
前記A層に含まれるポリプロピレンは0質量%以上3質量%未満であり、前記B層は前記A層より多くのポリプロピレンを含み、前記B層に含まれるポリプロピレンは1質量%以上30質量%未満であり、
前記ポリオレフィン微多孔膜の総厚みに対する前記A層の厚みの割合が40%〜90%であり、
前記B層中の無機粒子の含有率が5質量%未満である、ポリオレフィン微多孔膜であり、
前記ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、前記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、前記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ前記穴面積に対する、前記穴面積及び前記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である、ポリオレフィン微多孔膜。 - 前記B層に含まれるポリプロピレンは3質量%以上30質量%未満であり、前記200℃はんだ試験における前記穴面積が2.20mm2以上5.75mm2以下であり、かつ前記穴面積に対する、前記穴面積及び前記変色部の合計面積の比が1.20以上2.20以下である、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力が3.0g以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合が10質量%以下であり、かつ分子量3万以下の分子の割合が3.0質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記200℃はんだ試験での穴のアスペクト比が1.00以上1.30以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)で得られる2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、かつ融解熱量(ΔHm)が80J/g以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とが、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を介して積層された構造を少なくとも一つ有する、ラミネート型リチウムイオン二次電池。
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