JP6965833B2 - 反射型マスクブランク、反射型マスク及び反射型マスクブランクの製造方法 - Google Patents
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Description
<反射型マスクブランク>
第1の実施形態に係る反射型マスクブランクについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る反射型マスクブランクの概略断面図である。図1に示すように、反射型マスクブランク10Aは、基板11、反射層12、保護層13及び吸収層14を有する。反射型マスクブランク10Aは、基板11、反射層12、保護層13及び吸収層14を、基板11側からこの順に積層して構成している。
基板11は、熱膨張係数が小さいのが好ましい。基板11の熱膨張係数が小さい方が、EUV光による露光時の熱により吸収層14に形成されるパターンに歪みが生じるのを抑制できる。基板11の熱膨張係数は、具体的には、20℃において、0±1.0×10-7/℃が好ましく、0±0.3×10-7/℃がより好ましい。熱膨張係数が小さい材料としては、例えば、SiO2−TiO2系ガラス等を用いることができる。SiO2−TiO2系ガラスは、SiO2を90〜95質量%、TiO2を5〜10質量%含む石英ガラスを用いることが好ましい。TiO2の含有量が5〜10質量%であると、室温付近での線膨張係数が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。なお、SiO2−TiO2系ガラスは、SiO2及びTiO2以外の微量成分を含んでもよい。
反射層12は、EUV光に対して高い反射率を有する。具体的には、EUV光が入射角6°で反射層12の表面に入射した際、波長13.5nm付近のEUV光の反射率の最大値は、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。また、反射層12の上に、保護層13及び吸収層14が積層されている場合でも、同様に、波長13.5nm付近のEUV光の反射率の最大値は、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。
保護層13は、後述する反射型マスク20(図7参照)の製造時において、吸収層14をエッチング(通常、ドライエッチング)して吸収層14に吸収体パターン141(図7参照)を形成する際、反射層12の表面がエッチングによるダメージを抑制し、反射層12を保護する。また、エッチング後の反射型マスクブランクに残っているレジスト層18(図8参照)を洗浄液を用いて剥離して、反射型マスクブランクを洗浄する際に、反射層12を洗浄液から保護する。そのため、得られる反射型マスク20(図7参照)のEUV光に対する反射率は良好となる。
吸収層14は、EUVリソグラフィの反射型マスクに使用するためには、EUV光の吸収係数が高いこと、洗浄液に対する洗浄耐性が高いこと、及び容易にエッチングできること等、所望の特性を有している必要がある。
次に、図1に示す反射型マスクブランク10Aの製造方法について説明する。図4は、反射型マスクブランク10Aの製造方法の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、基板11上に反射層12を形成する(反射層12の形成工程:ステップS11)。
反射層12は、基板11上に、上記のように、公知の成膜方法を用いて所望の膜厚になるように成膜する。
反射型マスクブランク10Aは、図5に示すように、吸収層14上にハードマスク層16を備えることができる。ハードマスク層16としては、Cr系膜又はSi系膜等のエッチングに対して耐性の高い材料が用いられる。Cr系膜としては、例えば、Cr単体及びCrにO又はNを加えた材料等が挙げられる。具体的には、CrO及びCrN等が挙げられる。Si系膜としては、Si単体並びにSiにO、N、C及びHからなる群から選択される一種以上を加えた材料等が挙げられる。具体的には、SiO2、SiON、SiN、SiO、Si、SiC、SiCO、SiCN及びSiCON等が挙げられる。中でも、Si系膜は、吸収層14をドライエッチングする際に側壁の後退が生じ難いため、好ましい。
次に、上述の、図1に示す反射型マスクブランク10Aを用いて得られる反射型マスクについて説明する。図7は、反射型マスクの構成の一例を示す概略断面図である。図7に示すように、反射型マスク20は、図1に示す反射型マスクブランク10Aの吸収層14に、所望の吸収体パターン141を形成したものである。
第2の実施形態に係る反射型マスクブランクについて、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図9は、第2の実施形態に係る反射型マスクブランクの概略断面図である。図9に示すように、反射型マスクブランク10Bは、図1に示す反射型マスクブランク10Aの吸収層14の上に、安定層19を有する。すなわち、反射型マスクブランク10Bは、基板11、反射層12、保護層13、吸収層14及び安定層19を、基板11側からこの順に積層して構成している。
第3の実施形態に係る反射型マスクブランクについて、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図11は、第3の実施形態に係る反射型マスクブランクの概略断面図である。図11に示すように、反射型マスクブランク10Cは、図9に示す反射型マスクブランク10Bの吸収層14と安定層19との間であって、吸収層14の上に防止層21を有する。すなわち、反射型マスクブランク10Cは、基板11、反射層12、保護層13、吸収層14、防止層21及び安定層19を、基板11側からこの順に積層して構成している。
例1−1は実施例であり、例1−2は比較例である。
(反射型マスクブランクの作製)
成膜用の基板として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形が約152mm角、厚さが約6.3mm)を使用した。なお、ガラス基板の熱膨張係数は0.02×10−7/℃であった。ガラス基板を研磨して、表面粗さが二乗平均平方根粗さRqで0.15nm以下であり、平坦度が100nm以下の平滑な表面に加工した。ガラス基板の裏面上には、マグネトロンスパッタリング法を用いて、膜厚が約100nmのCr層を成膜し、静電チャック用の裏面導電層(導電膜)を形成した。Cr層のシート抵抗値が100Ω/□程度であった。Cr膜を用いてガラス基板を固定した後、ガラス基板の表面上にイオンビームスパッタリング法を用いて、Si膜及びMo膜を交互に成膜することを40周期繰り返した。Si膜の膜厚は、約4.5nmとし、Mo膜の膜厚は、約2.3nmとした。これにより、合計の膜厚が約272nm((Si膜:4.5nm+Mo膜:2.3nm)×40)の反射層(多層反射膜)を形成した。その後、反射層の上に、イオンビームスパッタリング法を用いてRu層(膜厚が約2.5nm)を成膜して、保護層(保護膜)を形成した。次に、保護層の上に、Sn−Ta合金からなる吸収層(吸収体膜)をマグネトロンスパッタリング法により成膜した。スパッタガスにはArガスを用いた。スパッタに用いたターゲットは、Snが60at%、Taが40at%であったが、スパッタされた吸収層中のTa含有量は、48at%であった。なお、吸収層中のSn含有量及びTa含有量は、蛍光X線分析法(XRF)(オリンパス社製、Delta)を用いて測定した。吸収層のスパッタ時にステージの回転を止めることにより、面内で、30〜53nmの大きな膜厚分布を有する吸収層を得た。これにより、図6に示す反射型マスクブランク10Aを作製した。吸収層の膜厚は、X線回折装置(株式会社リガク社製、SmartLab HTP)を用いてXRRにて測定した。なお、同装置を用いたX線回折(XRD)測定結果よりSn−Ta合金からなる吸収層はアモルファスであることが確認された。
反射型マスクブランクの吸収層の膜厚と反射率の関係を測定した。反射率の測定には、マスクブランク用EUV反射率計(AIXUV社製、MBR)を用いて行った。EUV光の波長は13.5nmとした。吸収層の膜厚と反射率との関係を図12に示す。反射型マスクが十分なコントラストを得るためには、反射率を1%以下にすることが必要である。
例1−1において、吸収層をSn−Ta合金に代えて、TaNを用いて作製したこと以外は、例1−1と同様にして行った。吸収層の膜厚と反射率との関係を図12に示す。
例2−1〜例2−5は実施例であり、例2−6は参考例である。
(吸収層の屈折率と消衰係数)
Sn−Ta合金からなる吸収層の反射率をシミュレーションした。吸収層のSn含有量を30at%、Ta含有量を70at%とした。シミュレーションには、吸収層の屈折率(n)と消衰係数(k)が必要となる。SnとTaの屈折率と消衰係数として、Center for X−Ray Optics,Lawrence Berkeley National Laboratoryのデータベースの値を用いた。波長13.5nmにおいて、Snの屈折率nは0.9416であり、消衰係数kは0.0725であり、Taの屈折率nは0.9429であり、消衰係数は0.0408である。Sn−Ta合金の屈折率及び消衰係数は、合金の密度を用いて計算できる。合金の密度は、Snの密度(7.365g/cm3)と、Taの密度(16.69g/cm3)を組成比で補間して計算した。
吸収層の膜厚は30〜60nmとして、EUV光を、反射型マスクブランク10Aに、反射型マスクブランク10Aに対する入射角が6°となるように照射した場合を想定したシミュレーションを行った。EUV光の波長は13.5nmとした。吸収層の膜厚と反射率との関係をシミュレーションした結果を図13に示す。例1−1と同様、反射型マスクが十分なコントラストを得るためには、反射率を1%以下にすることが必要である。
例2−1において、吸収層のSn含有量を40at%、50at%、60at%、70at%又は80at%に変更したこと以外は、例2−1と同様にシミュレーションを行った。反射型マスクブランクの吸収層の膜厚と反射率の関係をシミュレーションした結果を図13に示す。
例3−1及び例3−2は、実施例である。
吸収層の膜厚を40nmに固定して、Sn含有量を変えて、例2−1と同様にして、EUV光の反射率をシミュレーションした。Sn含有量と反射率の関係をシミュレーションした結果を図14に示す。
吸収層の膜厚を33nmに固定したこと以外は、例3−1と同様にして行った。Sn含有量が60%の場合には、EUV光の反射率は、1.0%程度であった。Sn含有量が70%の場合には、EUV光の反射率は0.8%程度であった。Sn含有量が60%の場合には、EUV光の反射率は0.6%程度であった。
図14に示すように、例3−1では、吸収層の反射率を1%以下とするためには、Sn含有量が30at%以上あれば、十分であるといえる。よって、吸収層の膜厚が40nmである場合、Sn含有量が30at%以上であれば、EUV光の反射率を1%以下にできることが確認された。例3−2では、なお、吸収層の膜厚をさらに薄く、例えば、吸収層の膜厚を33nmとする場合、Sn含有量を60at%以上とすれば、EUV光の反射率を1%以下にできることが確認された(図13の例2−4、例2−5、例2−6参照)。
例4−1〜例4−4は実施例であり、例4−5は比較例であり、例4−6は参考例である。
[例4−1]
(吸収層の作製)
成膜用の基板として、Si基板を用いた。Si基板の表面上に、Sn−Ta合金からなる吸収体膜をマグネトロンスパッタリング法により成膜した。スパッタガスにはArガスを用いた。TaターゲットとSnターゲットとの2元スパッタで、吸収層中のTa含有量が約30at%、Sn含有量が約70at%となるように、膜厚が40nmまで吸収層を成膜した。
その後、洗浄液としてSPM(硫酸が75vol%、過酸化水素が25vol%)を用い、吸収層が成膜されたガラス基板を100℃に加熱したSPMに約20分間、浸漬した。Si基板をSPMから引き上げた後、Si基板に成膜された吸収層の膜厚を測定し、膜厚の減少量(膜減り)を求めた。Ta含有量と、吸収層の膜減りとの関係を表2及び図15に示す。なお、膜減りは、従来より吸収層として用いられているCr膜の膜減り以下であることが必要である。Cr膜の膜減りは、2.2nmとした。図15中、Cr膜の膜減りを破線で示す。
例4−1において、吸収層中のTa含有量及びSn含有量を、それぞれ、表2に示す値に変更したこと以外は、例4−1と同様にして行った。Ta含有量と、吸収層の膜減りとの関係を表2及び図15に示す。
例5−1は実施例であり、例5−2は比較例である。
(吸収層の作製)
例4−1と同様の吸収層をSi基板に成膜した。
(Ta含有量と、エッチング速度との関係)
吸収層が成膜されたガラス基板を、ICPプラズマエッチング装置を用いて、エッチングした。エッチングガスは塩素(Cl2)ガスを用いた。ICPソースパワーは100W、バイアスパワーは40Wとした。吸収層及びTaN膜の膜厚は、XRRを用いて測定した。エッチング後の吸収層の膜厚を測定し、吸収層のエッチング速度を測定した。エッチング速度を測定した結果を図16に示す。
例5−1において、吸収層をSn−Ta合金に代えて、TaNを用いて作製したこと以外は、例5−1と同様にして行った。エッチング速度を測定した結果を図16に示す。
例6は、実施例である。
例1−1と同様にして、反射型マスクブランクを作製した。その後、吸収層の上にTaOからなる安定層をマグネトロンスパッタリング法により約4nm成膜した。これにより、図9に示す反射型マスクブランクを作製した。
作製した反射型マスクブランクの上(+Z軸方向)から、反射型マスクブランクの表面に、波長13.53nmのEUV光を入射角6°で入射させ、反射型マスクで反射されたEUV光の反射率を測定した。その結果、吸収層と安定層との総膜厚が40nmの部分において、EUV光の反射率は、約0.8%であった。
例7は、実施例である。
(反射型マスクブランクの作製)
例1−1と同様にして、反射型マスクブランクを作製した。その際、ガラス基板の熱膨張係数は0.02×10−7/℃以下とし、吸収層(吸収体膜)の膜厚は40nmとした。その後、吸収層(吸収体膜)の上に、Taからなる防止層をマグネトロンスパッタリング法により2nm成膜し、さらに防止層の上に、TaOからなる安定層を反応性スパッタ法を用いて2nm成膜した。これにより、図11に示す反射型マスクブランク10Cを作製した。なお、防止層をマグネトロンスパッタリング法を用いて成膜する際、スパッタガスにはArガスを用いた。安定層を反応性スパッタ法を用いて成膜する際、スパッタガスとしてAr及び酸素を混合した混合ガスを用い、Arの流量は40sccmとし、酸素の流量は30sccmとした。
反射型マスクブランクの表面を走査型電子顕微鏡(カール・ツァイス社製、Ultra60)を用いて観察したところ、微粒子等の析出物は観察されなかった。本例では、防止層を成膜する際、スパッタガスとしてはArのみを用いている。そのため、吸収層の表面が酸素を含む雰囲気に晒されることがないため、吸収層の表面に存在するSnが酸素と反応することはない。これにより、吸収層の表面に析出物が発生することが抑えられたといえる。
11 基板
12 反射層
13 保護層
14 吸収層
15 表面酸化膜(不動態皮膜)
16 ハードマスク層
17 裏面導電層
18 レジスト層
19 安定層
20 反射型マスク
21 防止層
Claims (19)
- 基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とを基板側からこの順に有する反射型マスクブランクであって、
前記吸収層は、Snを主成分として含有し、かつTaを25at%以上含有する反射型マスクブランク。 - 前記吸収層のSnの含有量は、30at%以上である請求項1記載の反射型マスクブランク。
- 前記吸収層の膜厚は、40nm以下である請求項1又は2記載の反射型マスクブランク。
- 前記吸収層の硫酸過水に対するエッチング速度は、0.10nm/分以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記吸収層は、N、O、B、Hf、Si、Zr、Ge、Pd及びHからなる群から選択される1種以上の元素を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
- 前記吸収層の上に安定層を有する請求項1〜5の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記安定層は、TaとSnとを含む酸化物、窒化物、ホウ化物、酸窒化物及び酸ホウ化物、Taの酸化物、窒化物、ホウ化物、酸窒化物及び酸ホウ化物、並びにRuを含むRu系材料からなる群から選択される1種以上の化合物を含有する請求項6に記載の反射型マスクブランク。
- 前記安定層の膜厚は、10nm以下である請求項6又は7に記載の反射型マスクブランク。
- 前記吸収層の上に防止層を有する請求項6〜8の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記防止層は、前記吸収層と前記安定層との間に形成される請求項9に記載の反射型マスクブランク。
- 前記防止層は、Ta、Cr及びSiからなる群から選択される1種以上の元素を含有する請求項9又は10に記載の反射型マスクブランク。
- 前記防止層は、Ta単体、Cr単体、Si単体、Taの窒化物、Crの窒化物、Siの窒化物、Taのホウ化物、Crのホウ化物、Siのホウ化物及びTaのホウ素窒化物からなる群から選択される1種以上の成分を含有する請求項11に記載の反射型マスクブランク。
- 前記防止層は、He、Ne、Ar、Kr、および、Xeからなる群より選択される1種以上の元素を含む請求項9〜12の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記防止層の膜厚は、10nm以下である請求項9〜13の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記反射層と前記吸収層との間に保護層を有する請求項1〜14の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記吸収層の上又は前記吸収層の最表面側の層の上にハードマスク層を有する請求項1〜15の何れか一項に記載の反射型マスクブランク。
- 前記ハードマスク層は、Cr又はSiの少なくとも一方の元素を含む請求項16に記載の反射型マスクブランク。
- 請求項1〜17の何れか一項に記載の反射型マスクブランクの前記吸収層に、パターンが形成されている反射型マスク。
- 基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とをこの順に有する反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記基板上に前記反射層を形成する工程と、
前記反射層の上に、Snを主成分として含有し、かつTaを25at%以上含有する吸収層を形成する工程と、
を含む反射型マスクブランクの製造方法。
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